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戦国小町苦労譚

1579年 十二月中旬

在年末年始的忙亂中,靜子忽然想到一件事。

年末年始の慌ただしさに揉まれているさなか、静子はふと一つの事が気にかかった。

「……說起來,靜之(しずゆき)(即四六)到底能喝到什麼程度的酒呢?」

「……そういえば静之(しずゆき)(四六のこと)ってどの程度お酒が飲めるんだろう?」

那是關於靜之飲酒的極限。

それは静之の飲酒限界についてであった。

完成元服、踏入成人社會的靜之,今後勢必會被捲入各種酒宴。

元服を果たし、大人の社会へと踏み出した静之は、今後否応なしに酒の席に参加することになる。

然而靜之向來以節制的生活態度為本,從未因過量飲酒而失態到失去自我。

しかし静之は節度ある生活態度を旨としており、過度な飲酒の末に正体を無くすような醜態(しゅうたい)を晒したことが無い。

因此有必要確認他的酒量上限,以防他在宴席上因酗酒而犯下大錯、走向毀滅的未來。

静之が宴席の場において過度な飲酒から大きな失敗を犯し、破滅へと向かう未来を防ぐべく限界を確認する必要があった。

可是靜子自己不嗜酒,且被信長親自下令禁酒,因此無法親自試探酒量的上下限。

ところが静子自身が酒飲みではなく、信長から直々に禁酒令を出されている身であるため、酒の限界など調べようがない。

那麼就需要一位精通酒事、能在靜之失態時守口如瓶,且有能力在到達急性酒精中毒前制止他的在場監督者。

となれば酒に通じており、静之が失態を演じても秘密を守れ、かつ急性アルコール中毒などに達する前に止められる実力を備えた立会人が必要だろう。

「人選是問題啊。找不好的人的話就會變成普通的宴會了。」

「人選が問題よね。下手な人を呼ぶとただの宴会になっちゃうし」

馬上想到自己馬廻衆的成員,但若問他們是否能在一旁默默看著靜之喝酒而不動容,答案應該是否定的。

即座に己の馬廻衆(うままわりしゅう)の面々が脳裏に浮かぶが、彼らが目の前で静之が酒を飲んでいる様子を黙って見守っていられるかと問われれば否であろう。

起初或許會因使命感而堅守崗位,但很快就會被酒氣影響而互相開始飲酒,最終演變成大宴會這一幕是顯而易見的。

使命感から最初こそは見守ってもいられようが、酒の匂いにあてられて互いに飲み始め、やがて大宴会へと発展するのが目に見えている。

到最後大家都會醉倒,任何鑑別或監督都會被拋諸腦後。

最終的には皆が酔いつぶれてしまい、見極めも何もかもがすっぽかされることになる。

靜子一度也閃過以絕對不會醉倒的監督者身分親自參與的念頭,但上司不喝酒、板著臉出席的酒宴恐怕會掃興透頂。

絶対に酔い潰れない立会人として静子自身が参加することも一瞬脳裏を過(よぎ)るが、上司が酒を飲まずに仏頂面で臨席する酒宴など興ざめも良いところだろう。

靜子所經營的事業當中當然包括釀酒業,未來由靜之繼承也在預期之中。

静子が手掛ける事業の中には当然酒造業も含まれており、将来的には静之が後を継ぐことになる。

如此一來,這位連酒味都分不出的領導者是否能夠獲得職人性格人士的追隨,尚屬未知。

そうなれば酒の味も判らないトップに対して、職人気質の人間がついてきてくれるかは未知数だった。

即便是杜氏(釀酒的最高責任者)也終究是人。

杜氏(とうじ)(酒造りの最高責任者)だとて人である。

為真正喝了自己釀的酒並稱讚其美味的人效力,會更有成就感。

己の作り出した酒を実際に口にし、美味いと褒めてくれる人に仕える方が遣り甲斐もあろう。

「嗯——該怎麼辦才好呢……」

「うーむ。どうしたものか……」

她一人苦思冥想,卻始終想不出答案。

一人思い悩んではいるが、一向に答えが出ない。

更糟的是,慶次與長可在視線一角反覆做出莫名的示好,實在礙眼。

おまけに視界の隅で謎のアピールを繰り返す慶次や長可が流石に目障りだった。

把靜之的鑑別託付給他們仍讓人有些不安,但也沒有其他合適的人選。

静之の吟味(ぎんみ)を託すには些(いささ)か不安が残るものの、さりとて他に当てがあるわけでもない。

想到另一名馬廻衆才蔵那誠實的風姿,但他自己也知道,只要酒量一增加就容易失去節制。

もう一人の馬廻衆である才蔵の実直な佇(たたず)まいを思い出すが、彼本人も自覚しているように酒量が増えれば容易に節度を外してしまう性分であった。

目前靜子的馬廻衆人數也已增加。

今となっては静子の馬廻衆も増員されている。

前述三人各自被視為側衆(側近將領),各自率領約二十名左右的部下,形成馬廻衆。

前述の三人はそれぞれ側衆(そばしゅう)と呼ばれる将扱いであり、それぞれが二十名程度の配下を率いて馬廻衆を形成していた。

尤其是才蔵,曾被委以靜子軍的一部分,甚至晉升到率領數千兵力的地位,但他以成為靜子的馬廻衆為榮,至今不願放棄這個身份。

中でも才蔵に関しては静子軍の一部を任され、時に数千を超える兵を率いるまでに昇格しているのだが、彼は静子の馬廻衆であることに誇りを持っており、今もその地位を手放さずにいる。

慶次帶領的那支馬廻衆,不知由誰開始被稱為飛燕衆,逐漸被當作類似遊擊部隊使用。

また慶次が率いる馬廻衆は誰が呼び始めたのか定かではないものの、いつの間にか飛燕(ひえん)衆という名で呼ばれており、遊撃部隊のような運用がなされていた。

關於這支部隊,慶次本人從人員招募到訓練皆親自負責,是不屬於一般指揮體系、直屬靜子的獨立部隊。

この部隊に関しては慶次本人が人員確保から訓練までを請け負っており、一般的な指揮系統には属さない静子直属の独立部隊として存在している。

因為是聞名的傾奇者慶次親自徵募,所以每一名成員都怪異古怪,成為一支奇特成員齊聚的部隊。

音に聞こえた傾奇者(かぶきもの)たる慶次が採用しただけあって、その一人一人に至るまで曲者揃いの部隊となった。

靜子軍的軍裝原則上是統一的,但對飛燕衆卻允許服飾自由,甚至有人穿著誇張的陣羽織或披毛皮在腰間。

原則的に静子軍の軍装は統一されているのだが、この飛燕衆に限っては装いの自由が認められており、ド派手な陣羽織や毛皮の腰巻などを纏(まと)う者すらいる。

當然那些不滿這種特別待遇的人向主君靜子抗議時,她只是淡然地告知回應。

当然この特別扱いを快く思わない者たちは主君たる静子に抗議をするのだが、彼女は淡々と告げた。

「我已聽取你們的意見。在此之上,我在與他締結主從盟約時,承諾不會束縛他的行動。當然,若他的行為擾亂公共秩序或造成重大損害,我會加以勸止。但僅以其言行『不適合作為我的側近』為由,並不足以讓我介入。誰會願意侍奉一個會按照自己方便單方面毀棄承諾的人呢?」

「貴方たちの意見は受け取りました。その上で、私は彼と主従の契りを交わすに当たってその行動を縛らない旨を約束しています。無論、それが公共の秩序を乱し、著しく損害を齎すものならば諫めもします。しかし、彼の言動が私の側近として相応しくないなどという理由では、介入するに値しません。自身の都合次第で約束を一方的に反故(ほご)にする者に、誰が仕えてくれるというのですか?」

被靜子當面如此教諭後,只能退下。

静子に真正面からそう諭されては引き下がるしかない。

這本來就是源自嫉妒的無理取鬧,他本人最清楚這是站不住腳的指責。

そもそもが嫉妬に端を発した難癖なのだ、筋違いであることは本人が一番心得ている。

靜子就這樣駁回了抗議,但她心中仍有一股不祥的預感,並非事情就此了結。

こうして抗議を却下した静子だが、これにて一件落着とはいかない嫌な予感が付きまとっていた。

飛燕衆正因為有慶次擔任首領才能凝聚起來,是一群被各方部隊排斥、某種程度上惹人厭的成員聚集而成。

飛燕衆は慶次が長(おさ)であるからこそ纏まっている部隊であり、何処の部隊からも持て余されたある種、鼻つまみ者が集まっているのだ。

因此飛燕衆成為一支相對少數精銳的隊伍,擅長不是正面硬碰,而是以奇襲為主的一擊即退戰法,故被用作遊擊隊。

それ故に飛燕衆は比較的少数精鋭の部隊となっており、真正面からの力押しではなく奇襲を旨とする一撃離脱戦法を得意とすることからも遊撃隊として運用されていた。

她知道新嘗試常被反感,但即便如此,根深蒂固的敵對依然存在。

新しい試みというものは得てして反感を持たれるということは承知していたが、それにしても根強い確執が横たわっている。

靜子正思索是否有辦法化解此事時,收到信長命她赴安土上城的命令。

どうにかこれを解消できないものかと静子が思案していると、信長から安土へと登城せよとの命が下った。

「聽說妳那邊有一支挺有趣的部隊呢?」

「何やら面白い部隊を抱えているそうじゃな?」

「是關於飛燕衆嗎?真沒想到這消息已經傳到上樣耳裡。正如燕子銳利地轉向飛行一般,他們是一支反覆施行精準一擊離脫的遊擊部隊。我們故意讓他們穿著引人注目的裝扮,若因此生出惡名,敬表歉意。」

「飛燕衆のことでしょうか? まさかもう上様のお耳にまで届いていようとは思いませんでした。燕が鋭く方向転換をして飛ぶように、狙いすました一撃離脱を繰り返す遊撃部隊でございます。敢えて人目を惹く装いをさせておりますゆえ、悪評であったならばお詫び申し上げます」

靜子道歉,信長像要說那是答非所問似地擺手不理,接著又說了幾句。

静子の謝罪を見当違いだと言わんばかりに手を払ってあしらうと、信長は更に言葉を重ねてきた。

「燕(つばくろ)嗎! 聽說確實是曾是你馬廻衆的前田的兒子擔任首領,不是嗎?據說是名聞遐邇的傾奇者。」

「燕(つばくろ)か! 確か貴様の馬廻衆であった前田の倅(せがれ)が長を務めておるそうじゃな? 音に聞こえし傾奇者と聞く」

信長眼睛發亮,像拿到新玩具的孩子般探身上前。

まるで新しい玩具(おもちゃ)を与えられた子供のように、目を輝かせた信長が身を乗り出してくる。

通曉內情的信長恐怕早已掌握飛燕衆的陣容,他卻不露聲色,故意想讓靜子自己說出來,這大概就是他的用意。

事情通の信長のことだ、恐らくは既に飛燕衆の陣容など把握しているだろう、それをおくびにも出さず敢えて静子に語らせようという魂胆だろう。

「如你所察,這是一群偏離既有框架的人。在戰場上肯定會格外顯眼。」

「お察しの通り既存の枠組みから逸脱した者の集団です。いくさ場に於いて悪目立ちすることは間違いありません」

「故意讓自己顯眼,當然是有目的吧?有何企圖,說來聽聽。」

「敢えて悪目立ちさせておるということは、無論狙いあってのことじゃな? 何事か企んでおろう、申してみよ」

果然稱得上是信長,這方面的要點絲毫不差。

流石は信長というべきか、こういうことに関して勘所を外さない。

飛燕衆以慶次為首,成員多為傾奇者,即便在混亂的戰場也散發出異質的存在感。

飛燕衆は慶次を筆頭に傾奇者が多く、混沌とした戦場に於いても異質な存在感を放っている。

反過來說,對敵人而言,他們也是最先會被發現、相當顯眼的存在。

逆を返せば、敵からしても真っ先に発見できる程度には目立つ存在だということだ。

那個顯眼的集團若突然消失,會怎麼樣?

その目立つ集団が突如として消えたとしたらどうだろう?

必然會讓人警覺是突襲吧。

すわ急襲かと警戒をする必要が出てきてしまう。

為了實現那種神出鬼沒,慶次與靜子協商,更新了裝備。

そうした神出鬼没を実現するために、慶次は静子に掛け合って装備を刷新していた。

這是反利用所謂「戰場上無法換裝」的常識的一計。

戦場で着替えるなんてことが出来ないという、言わば常識を逆手に取った策であった。

那是一種只遮上半身的樹脂製外衣,可稱作雨衣,上面塗有模仿織田軍標準軍裝的塗裝。

それは上半身だけのレインコートとでも形容すべき樹脂製の上着であり、表面に標準的な織田軍の軍装を模したペイントが施してあるのだ。

雖然會稍顯臃腫,但在戰場這種非日常場所,要識破它極為困難。

少々着ぶくれはするが、戦場という非日常の場に於いてそれを見抜くのは非常に困難だろう。

換言之,飛燕衆可以隨時混入人群隱匿身分,脫下外套折疊起來就會突然變回顯眼的集團。

つまり飛燕衆はいつでも群衆に紛れてその存在を消し、また上着を脱いで折り畳めば突如として目立つ集団が現れるのだ。

那樣的集團若突然從側翼發動奇襲,實在令人難以招架。

そんな集団が突如として横合いから奇襲をかけてくるのだから堪らない。

「嗯,作為以搦手(からめて)為旨的部隊來運用吧。真是想了件有趣的事。」

「ふむ、搦手(からめて)を旨とする部隊として運用するのじゃな。なかなか面白いことを考えるものよ」

「在模擬戰中,已取得一定的戰果。」

「模擬戦に於いて、一定の戦果を上げております」

「若要說有一點不滿,就是我竟然不知道這種有趣的事。今後執行前也要告訴我。也替事後才被告知的我想想吧。」

「一つ不満があるとすれば、そのような面白い話をわしが知らなんだことよ。今後は実行前にわしにも話せ。後から聞かされるわしの身にもなってみよ」

靜子一邊低頭,一邊對信長竟能察覺幕後的情況感到讚嘆。

静子は頭を下げると同時に、信長が裏の事情まで察していることに舌を巻いた。

乍看之下信長似乎在責備靜子擅自組織實驗性部隊,但實際上他是說只要在出現問題前先來商量,就會幫忙協調。

一見すると信長は静子が独断で実験的部隊を組織したことを責めているように見えるが、実際にはトラブルになる前に相談してさえくれれば調整をしてやると申し出てくれているのだ。

信長能從收集到的大量情報與靜子的話語中立刻看穿她的企圖與部隊的用意,令人震驚於他的聰明。

収集した多くの情報と、静子の言葉から彼女の狙いや部隊の意図するところを即座に見抜く信長の聡明さには驚愕させられてしまう。

「今後會向上様請示。感謝您的指正。」

「以降は上様にご相談するようにいたします。ご指摘いただきありがとうございます」

總之,飛燕衆因為得到信長的認可,其異質的裝扮也正式被承認了。

ともあれ、飛燕衆は信長がお墨付きを与えたことで異質な装いも含めて正式に認められた。

自此以後,對飛燕衆像傾奇者般穿著古怪,沒有人敢公開干涉。

以降、飛燕衆が傾奇者らしく奇妙な恰好をしていることに誰も表立って口出しすることができなくなる。

因為天下人信長認為必要,世上沒有人能夠反駁他是錯的。

天下人たる信長が必要だと認めたことに対し、それが間違っていると抗言できる者などこの世に存在しないからだ。

慶次也自覺給靜子添了麻煩,稍感畏怯,但對為他壓下此事的信長只有感謝。

慶次も静子に面倒を掛けている自覚があり、少々気後れしていたのだが、それを封じてくれた信長には感謝するほかなかった。

靜子因得到信長的公認,投入心力開發更多偽裝用的裝備,讓人忍不住苦笑。

信長から公認されたことを受けて、更なるカモフラージュ用の装備を開発しようと精を出す静子には苦笑が漏れた。

立刻有人提議做正反兩面塗裝不同的罩袍,試作已經要開始了。

すぐに表裏で異なる衣装の塗装がされた上掛けが提案され、早くも試作が始まらんとしている。

「(糟糕,被上様召喚忘了……)唔,沒辦法。慶次,帶個能守口的人來。勝蔵,請從藏中挑些合適的酒來;關於銘柄,除了預定獻上的那些,其他每人最多允許一升。」

「(いけない。上様の呼び出しで忘れていた……)うーん、仕方ないか。慶次さん、口止めできる酒飲みを連れてきて。勝蔵くんは蔵から適当な酒を見繕ってくれる? 銘柄に関しては献上予定の物以外なら一人一升まで認めます」

對於中途離席的靜之能喝到何種極限量的試驗,還是得實際試過才知道,於是下定決心。

中座してしまった静之の酒量限界調査は、実際に試してみないことには判らないと腹を括(くく)る。

因為即將進入年末年始,他們若舉行酒宴,也較不會引起懷疑。

まもなく年末年始に差し掛かるため、彼らが酒宴を催したところで不審に思われる可能性も低いだろう。

正月時能把靜之留在身邊,也不會讓情報外洩。

正月は静之を己の手許に置いておけるため、外部に対して情報が漏れることもない。

雖然有些風險,但判斷上還能充分挽回。

多少のリスクはあれど、十分に挽回可能だと判断した。

不曉得是否了解靜子的心思,慶次與勝蔵明顯興奮地離開了房間。

そんな静子の心中を知ってか知らずか、慶次と勝蔵は明らかに浮足立って部屋から立ち去る。

看那情形大概會變成相當大規模的酒宴,靜子苦笑著想到他們忘了,如果沒有負責靜子邸會計的主計(かずえ)局發出的払出状(はらいだしじょう),就連酒藏都不會讓人開。

あの様子ではそれなりに大規模な酒宴になりかねないなと思いつつ、静子邸の会計を担っている主計(かずえ)局からの払出状(はらいだしじょう)が無ければ酒蔵すら開けて貰えないことを忘れていることに苦笑する。

雖然無奈,靜子還是叫來小姓,命他向主計局準備書狀。

呆れながらも静子は小姓を呼びつけ主計局に書状を用意するように命じた。

(四半刻(三十分)應該就會回來吧?)

(四半刻(三十分)もすれば、帰ってくるかな?)

隨著能負責事務全般的人手增加,設立了名為主計局的管理部門,開始進行庫存管理。

事務全般を担える人材が増えた結果、主計局という管理部門が設けられ在庫管理がなされるようになっている。

因為是新導入的制度,越資深的人越容易忘記它的存在。

新たに導入された制度であるため、古参の者ほどその存在を失念してしまう傾向にあった。

如同靜子所預料,他們不久便垂頭喪氣地回來。

そして静子が予想した通り、彼らはほどなく肩を落として帰ってくる。

從他們的樣子,可想見是被倉番冷冷地應付了。

その様子から、蔵番によってけんもほろろにあしらわれたのが目に浮かぶようだ。

「沒有領取證明就被遣返也是理所當然吧?」

「払出状が無ければ追い返されるのは当然でしょ?」

她一邊把已經到手的書狀交給他們,一邊唸叨。雖然他們歡欣雀躍無可厚非,但靜子還是希望他們能再冷靜些。

既に手許に届いていた書状を彼らに渡しつつ小言を告げる。喜び勇むのは無理ないが、もう少し落ち着いてほしいと願う静子であった。

從靜子那裡拿到領取證明的兩人抓住靜之開始宴會。

静子から払出状を受け取った二人は、静之を捕まえて宴会を始めた。

被突然邀請到酒宴的靜之雖然困惑,但見到如兄長般的慶次率先行動,便想不會有壞事,於是陪同赴席。

突然の酒宴に招かれた静之は困惑するものの、兄貴分たる慶次が率先して行動していることから悪いことにはなるまいと付き合うことにする。

結果發現靜之並非完全不能喝,但也不是那種能喝大酒的人。

その結果、静之は下戸というほどでもないが大酒が飲めるタイプでは無いということが判明した。

在酒量達到極限前身體會自動設下剎車,或是在惡醉前先感到噁心而無法再喝下去。

酒量が限界に達する前に体がブレーキを掛けるのか、悪酔いする前に吐き気を催してそれ以上飲めなくなるようだ。

原以為測試就此結束,但聽了慶次說酒宴的目的後,靜之想知道自己突破極限會如何,於是讓能應急的人待命繼續飲酒。

そこで検証が終わると思われたが、慶次から酒宴の狙いを聞かされた静之自身が限界を超えるとどうなるか知りたいとのことで、救急対応できる者を待機させた上で飲み続ける。

由此得知,靜之若超過極限繼續喝,會逐漸判斷力遲鈍,忽然像電池耗盡般睡去,且不記得那段時間的事。

こうして判明したのは、静之が限界を超えて飲み続けると次第に判断力が鈍り始め、突如電池が切れたように眠りに落ちてしまい、またその間の記憶を覚えていないということだった。

判斷力變差雖然無可避免,但記憶消失是個問題,靜子為此苦惱。

判断力が鈍るのは仕方がないが、記憶が無くなるのは少々問題だと静子は思い悩む。

她認為需要採取對策,因為有可能出現做了多餘口頭承諾,而當事人卻記不得的最糟情形。

余計な口約束をした挙句に、本人が覚えていないという最悪の状況が発生し得るため、何らかの対処が必要だと考える。

本人能自覺極限所以通常不會太魯莽,但還是得為萬一做準備。

本人が限界を自覚できるため、そうそう無茶なことは起こらないだろうが、万が一に備えねばならない。

「年末年始總有各種酒宴,或許會習慣酒性就先觀察看看?順帶要叮嚀他如果被勸喝超過極限就要拒絕。」

「年末年始には何かと酒宴があるから、酒に慣れるかもしれないし様子見かな? 一応本人にも限界を超えて勧められたら断るように言い含めましょう」

一如既往,她想到年末年始正是那些大手大腳花錢後變得缺錢的酒鬼來預支薪水的時候。

いつもの如く、年末年始は景気よく散在して金欠になった呑兵衛どもが給金の前借りに来る頃なのを彼女は思い出す。

靜子認為自己已支付足夠的報酬,但他們有多少就把多少花光、毫無計畫的毛病讓人頭疼。

静子としては十分な報酬を払っているはずなのだが、あればあるだけ使ってしまう無計画さが彼らにはあった。

於是靜子想出一招,從薪資中先行扣下一部分作為積蓄,他們以為預支的錢其實本來就是他們自己的。

そこで静子は一計を案じ、給与額の一部を天引きして積み立てるようにしており、彼らが前借りしていると思っている金は元々彼らの物なのだ。

雖然每月會編發薪資明細給他們,但他們看似並不在意,積蓄今後應會持續增加。

毎月給与明細を作成して渡してはいるのだが、彼らがそれを見ている様子はないため今後も着々と積み立ては増えていくのだろう。

慶次說有一種想法:「把錢全部花光,反而會為下一次的財運留出空間」。

慶次が言うには「金を余さず使い切ることで、次の金運を呼び込む余地が生まれる」という考えがあるようだ。

有人低聲傳言,囤錢把錢抱得緊會讓財運腐壞,但真偽未明。

蓄財して後生大事に金を抱え込むのは、金運を腐らせるとまことしやかに囁(ささや)かれているのだが、真偽のほどは定かではない。

「他們大概認為把錢花光是『瀟灑』吧。只是常常拿捏錯誤,太早把錢用完就令人頭疼……」

「本人たちは使い切ることが『粋』だと思っているんでしょうね。ただ加減を間違って早めに使い切ってしまうのが困りものだけれど……」

她不會否定他們如何運用財產的自由,但像例行公事般在年初就一貧如洗是不能接受的。

彼らの財産をどのように使おうが彼らの自由であるため、考え方を否定するようなことはしないが、恒例行事のように年始早々から素寒貧になるのは頂けない。

她原本打算先動用前述的積蓄支給,如還不夠再貸款,但目前讓她放心的是,他們並未在預支之外再來額外索取。

まずは前述の積み立てを取り崩して与え、それでも足りなければ貸し付けをする予定ではいるのだが、今のところ前借りした上に更なる無心が無いことに安堵している。

關於馬廻衆,他們的衣食住行全由供給,薪資全數花光也不會造成太大不便,這或許正是問題所在。

馬廻衆については衣食住の全てが支給されるため、給与の全てを使い切ったところで然したる不自由がないのが問題なのかも知れないとも思う。

他們積蓄的資金已相當於大店(おおだな)番頭一年所得的總額;這些錢由靜之在他經營的銀行開戶存放,還會產生利息。

彼らが積み立てた資金は既に大店(おおだな)の番頭が一年で稼ぐ総額程にもなっており、これを静之が手掛ける銀行に口座を作って預けているため利子も加算される。

因為他們可能隨時喪命,儲蓄觀念薄弱,但若將來帶著傷殘倖存,不希望他們受苦。

彼らはいつ命を落とすとも分からないため、貯蓄をするという発想が薄いが、仮に障害を抱えて生き残った際などに苦しい思いをしてほしくないのだ。

在戰國時代無法指望公家救濟,因此設有在戰鬥中受傷致殘時發給年金的制度。

戦国の世に於いて公的扶助など望むべくもないため、いくさなどで障害を抱えた場合は年金が支給される仕組みは設けてある。

要設立這類基金並使其運作,就需要培養更多熟悉經營與會計的文官。

こうした基金をいくつも設立しては、その運用を回すため経営及び会計に明るい文官をもっと育成する必要があった。

然而靜子用於文官培育的教育內容過於先進,信長因此設下限制,不可輕易廣為流傳。

ところが静子が文官育成で使用している教育内容は、あまりにも先進的であるため不用意に広めてはならないという信長から制限が設けられていた。

受講者必須能確實保證身分、品行不卑,且必須終身向織田家宣誓效忠。

確実に身元が保証されており、また人品卑しからぬ者のみが受講を許され、更には生涯に亘って織田家に忠誠を誓う必要があった。

因此供不應求成為常態,她為如何解決這個結構性問題苦惱不已。

こうした経緯から需要に対して常に供給が不足しており、この構造的な問題をどう解決したものかと頭を悩ませる。

暫且將難以迅速解決的問題擱置,先處理眼前緊迫的薪資預支問題。

容易には解決できない問題はとりあえず棚上げとし、喫緊の給与の前借りに対処することにした。

「直接照人家說的給錢也不好吧。給些工作,作為交換才允許前借。」

「言われるままに渡すのも良くないよね。何かしら仕事を与えて、その代わりに前借りを認めるってことにしよう」

若每次動用積蓄就無法生利息,既然靜子在墊付前借款,他們也應承擔相應的受益者負擔。

毎回積み立てを取り崩していたのでは利子が生じないため、静子が前借り分を立て替えていることから彼らも相応の受益者負担をするべきだろう。

為了讓靜之習慣酒宴,讓他們去邀靜之赴席,並要求他們在不失態的前提下照顧靜之,正好是恰到好處的方法。

静之を酒宴の席に慣れさせるためにも、彼らには静之を宴席に誘って貰い、更には彼ら自身が正体を無くさず静之の面倒を見ることを課せばちょうど良い塩梅(あんばい)となる。

對他們來說不能放縱到喝到爛醉或許有點痛苦,但從健康角度看稍微節制反而更好。

彼らにとって羽目を外して潰れるまで飲めないというのはそれなりに辛いだろうし、健康を考えれば多少控えた方がむしろ良いのだ。

「本來最好不要有家臣來無償索求,但這次倒是湊巧合適呢」

「本来は家臣からの無心なんてない方が良いんだけれど、今回ばかりは都合が良いね」

她這麼想著幾日後,正如她預料的那些人來請求預支薪資。

そんな事を考えながら数日が経つと、彼女が予想した通りの面々が給料の前借りを願い出てきた。

她對已是熟悉面孔再次齊聚感到無奈。

もはや見慣れた顔ぶれが揃っていることに彼女は呆れるほかなかった。

「明明離年末還有不少日子,為何就這麼沒有計畫性呢?」

「年末までまだそれなりの日数があるのに、どうしてこうも計画性がないのかな?」

她把手按在額頭上嘆了一口氣。

額に手を当ててため息を吐く。

他們不敢直視她的訓斥,但又覺得如果不能參加年末年始的酒宴會丟臉,因此再三請求。

彼女とお小言に視線を合わせられない彼らだが、それでも年末年始の酒宴に参加できないのでは恰好が付かないため重ねて願い出る。

「不、不好意思,被這樣說還真是難為情啊」

「いや、はははっ。それを言われると辛いもんがあるぜ」

「這可不是笑話啊慶次先生……不但不會餓肚子,薪水應該還足夠讓你們好好玩一番才對……」

「笑い事じゃないよ慶次さん……生活に困らないどころか、それなりに遊んでも余るぐらいの給料は出しているはずだけど……」

「那個、就是,有點兒⋯⋯」

「その、ちょっと、な」

慶次苦笑著回應靜子的話。

苦笑いを浮かべつつ慶次は静子の言葉に返答する。

因為是年末,有部下的人理所當然會約下屬辦忘年會等,所以他們發了比平常更多的薪錢。

年末ということで配下を抱える者たちには、部下を誘って忘年会等をするだろうという考えの元、普段より多く給料を出していた。

然而超出靜子預期花光錢的人,身上只剩下可以預支的薪資。

しかし静子の予想を超えて金を使ってしまった彼らには前借りしか残されていないのだ。

原因不言自明,一切都歸結於飯菜與美酒太好吃了。

原因は言わずもがなであり、飯と酒が旨いという一事に尽きた。

戰國時代的飲食以維持最低營養為主,味道通常是次要的,能填飽肚子就行。

戦国時代に於ける食事とは最低限の栄養確保であり、本来味など二の次で腹さえ膨れれば良いという考えが一般的だ。

反而庶民常有吃不飽的日子,即便吃到東西也往往量少而已,這是常態。

むしろ庶民は食えない日すらあり、食べられたところで大した量にもならないのが世の常である。

然而靜子的第一次產業改革使農業產量激增,產生的剩餘推動其他產業發展,尾張一帶因此形成了特殊的經濟文化圈。

ところが静子の一次産業改革によって農業生産量が激増し、それによって生じた余力が他の産業を発展させたことにより尾張一帯の経済圏は特異な文化が形成されていた。

結果是據說在尾張無法好好吃飯的只有病人,外食文化發展到連庶民也能輕易享受多樣化的料理。

結果として尾張で満足に食事できないのは病人のみと言われるまでになっており、庶民でも手軽に多彩な食事を楽しめる程に外食文化が育っている。

與飲食密不可分的就是酒。

食事と切っても切れない関係にあるのが酒だ。

這方面也進行了各種改革,釀酒量與種類飛躍增加,酒坊附近甚至出現現代所謂的居酒屋林立。

こちらも様々な改革を行い、酒の生産量や種類も飛躍的に増えたため、酒蔵の近所には現代で言うところの居酒屋までが軒を連ねる。

不只是居酒屋,各式各樣的食肆從攤販到小店擠滿街道,彼此日以繼夜地競相切磋。

居酒屋だけではない。屋台をはじめとした多種多様な飯どころが所狭しと並び、日々切磋琢磨しあっていた。

因為有這種競爭,即便在一等地開店也不能安枕無憂。

その競争があるため一等地に店を構えたとしても安穏とはしていられない。

可以說已進入了美食群雄割據的時代,誰也不知道什麼時候會冒出威脅到自己的人氣店。

いつ自分たちを脅かす人気店が生まれるか分からないという、いわば食の群雄割拠時代に突入していた。

「嘛,慶次你們也要顧及面子,若是不埋單確實說不過去,花錢也沒辦法。不過輕易放錢出去也沒法立威,所以要請你們幫個小忙。」

「まあ慶次さんたちも皆の手前、勘定を持たないのでは恰好が付かず使い込むのも仕方ないですね。ただし、簡単に出したのでは示しが付きません。ですから、少しお願いを聞いて貰います」

讓小姓們準備一份寫著工作內容的文書。

小姓たちに仕事の内容を書いた文書を用意させる。

他們接過文書讀著,臉上都浮現出一副苦不堪言的表情。

彼らはそれを手に取って読み進め、皆が一様に苦虫を嚙み潰したような表情を浮かべた。

這也難怪,工作內容包括宴席上的行為限制,或是枯燥又麻煩的雜務。

それもそのはず、仕事の内容とは前述の宴席での行動制限であったり、地味で面倒くさい作業であったりしたからだ。

因為臨近年終,眾人忙著大掃除,於是分派了像清淤這類枯燥但必須有人做的工作。

年の瀬ということもあり、皆が大掃除に精を出す中、溝浚(どぶさら)い等の地味で面倒だが誰かがやらねばならない仕事を割り振っている。

當然不接受工作也會拿到一定的款項,但總額自然會比接受工作時少。

もちろん仕事を引き受けなくてもある程度の金は都合する予定ではある。しかし、その総額は仕事を受けた場合と比べて低くなるのは当然と言えよう。

有三種選擇:接受工作以獲得令人滿意的報酬、拒絕工作拿到最低款項,或是什麼也不拿就走人。

仕事を引き受け満足のいく額を得るか、仕事を拒否して最低限の金を得る、もしくは何も得ずに立ち去るという三つの選択肢が用意されている。

剩下就看他們如何選擇了。

後は彼らの選択次第であろう。

「我已經提出方案了,接下來就交由各自判斷吧」

「私は案を提示したから、後は各々の判断に任せるよ」

雖然皺著臉,但大家還是都接受並同意接下工作。

渋面を作ってはいたものの、それでも全員が納得して仕事を受けることに同意した。

他們知道這些事雖麻煩但形式上必要,更重要的是他們也意識到自己理財能力太差。

面倒ではあるが形式的に必要であることは彼らも理解しているし、何よりも自分たちの金銭管理が甘いという自覚があったからだ。

而且雖然工作麻煩,多為單純勞動,並非他們不擅長的文書工作。

そして仕事が面倒とはいえ、単純労働が多く苦手な書類仕事ではない。

例如倉庫清點就是典型,需要配合主計局的人,把帳面庫存和實際情況核對,記錄符合現況的庫存,這是很重要的工作。

例えば蔵の棚卸などが最たるものだろう。主計局の人間に付き合って、帳簿上の在庫と実情とを擦り合わせ、現状に即した在庫を記録するという重要な仕事である。

執行此事須反覆搬出和入庫物品,且常有重物,所以對文官來說往往是吃不消的重擔。

これを実施するには倉庫から物品を出したり、しまったりを何度も繰り返さねばならず、重量物も多いことから文官には荷が重いことも多いのだ。

「看你們幹得如何會給予額外好處,要是快點做完還會追加假期喔?」

「頑張り次第では色を付けてあげるし、手早く済ませてくれれば休暇も追加するよ?」

「知道了。嘛,快點完成然後好好大飆一番!」

「承知した。ま、早く終わらせてぱぁっと騒ぐぜ!」

她苦笑這些人很現實,但心底還是有些不安湧上。

現金なものだと苦笑しつつ、少しだけ不安が頭を過る。

擔心的是,一旦快做完就給假,萬一他們又馬上把錢花光怎麼辦。

早く終わらせて休暇を与えたら、またすぐにお金を使い果たすのではないかという懸念だ。

她覺得自己實在沒辦法照顧到那種程度,決定要讓他們學會忍耐。

流石にそこまでは面倒見切れないため、今度は我慢を覚えて貰おうと覚悟する。

他們離開後,靜子對著一張文件低聲嘆息。

彼らが去ったのちに、静子は一枚の書類を前に唸っていた。

那是她為自己訂下的今年預算,實際使用額不到年初編列預算的一半。

それは自分に課した今年の予算であり、年初に計上した予算に対して使用実績が半分にも満たないのだ。

如同有句話說「金錢是天下流通之物」,金錢的價值在於被使用。

金は天下の回り物という言葉があるように、金は使うことに意味がある。

如果讓它閒置不動,金錢的流動性會降低,會導致經濟停滯。

死蔵させたままでは金の流動性が低くなり、経済の停滞を招いてしまう。

去年也曾陷入類似的狀況,但當時透過將其作為屋敷的維修修繕費來積存處理,才化險為夷。

昨年も似たような状況に陥っていたのだが、そちらは屋敷の補修修繕費の積み立てとして処理することで事なきを得ていた。

尾張的靜子邸以及京屋敷也都已經有了積存,剩下的只有安土的屋敷了。

尾張の静子邸及び、京屋敷についても積み立てができている状況にあり、残すは安土の屋敷しかない。

那邊因為建成年資較短,還不到需要立刻維修的程度,令人有些頭疼。

そちらについては築年数が浅い為、すぐに補修が必要となる程でもないため悩ましい。

「即使在夏天和冬天舉辦大型慰勞會,福利厚生費也不見得能全部花完吧。沒錢會困擾人,但錢太多而為用途煩惱,這算是奢侈的煩惱嗎?」

「夏と冬に大きな慰労会を催しても、福利厚生費程度じゃ使い切れないよね。お金がないのも困るけど、あり過ぎても用途に悩まされるってのは贅沢な悩みかな?」

直到不久前為止還以私人資金投入各種研究開發,但那樣會造成其他出資者無法成長的問題。

少し前までは様々な研究開発に私費を投じていたのだが、それでは他の出資者が育たないという問題が生じていた。

技術街就是一個好例子,如果在所有領域都沾上靜子的氣息,正常的競爭就很難產生。

技術街などがその好例であり、全ての分野に於いて静子の息が掛かっているのでは、正常な競争が生まれにくいのだ。

正是因為互相比拼誰能做出比對方更好的東西,才會誕生優秀的成果;若擁有相同出資者的人彼此勾結,後進就難以培養起來。

相手よりも良い物を作ろうと競い合うからこそ良い物が生まれるのであって、同じ出資者を持つ者同士が結託したのでは後進が育ちにくくなってしまう。

就這樣靜子一人百般思索時,忽然從旁邊傳來聲音。

こうして静子が一人百面相をしていると、不意に横手から声が掛かった。

「靜子。我有件事想和妳商量,能撥點時間給我嗎?」

「静子。少し相談したいことがあるのだが、時間をとってもらえまいか?」

說著這話進來的,是前陣子去了土佐後就一直沒回來的足滿。

そう言いながら入室してきたのは、先ごろまで土佐に行ったきりになっていた足満であった。

正煩惱得要緊的靜子覺得這正好是個不錯的心情轉換,於是和他一同出門,並在目的地前停下腳步。

丁度煮詰まっていた静子は、良い気分転換になるとばかりに彼と連れ立って外出し、目的地の前で足を止める。

「沒想到足滿大叔的目的地竟然是這裡啊」

「足満おじさんの目的地がここだとはねえ」

兩人來到的是靜子宅邸一角的圖書室,那是足滿平時不常去的設施。

二人が訪れたのは静子邸の一角にある図書室であり、足満が普段足を運ぶことのない施設であった。

的確,曾在現代時期的足滿經常前往圖書館,孜孜不倦地吸收各種知識,但回到戰國時代後就鮮少光顧了。

確かに現代にいたころの足満は頻繁に図書館へ通っており、様々な知識の吸収に余念がなかったのだが、戦国時代に戻ってからはとんと足が遠のいている。

「在土佐除了發現錳礦床之外,還找到了蛇紋岩的礦床,有望取得鉻。」

「土佐でマンガンの他に蛇紋岩(じゃもんがん)の鉱床が見つかってな、クロムを入手する目途がたったのだ」

「鉻可以用來做什麼?我對那方面的知識一竅不通喔?」

「クロムって何に使えるの? 私はそっち方面の知識なんてないよ?」

「那個我非常清楚。早期從電子書寫下來的技術書不是有一本嗎?我想要那本的閱覽許可。如果能妥善利用蛇紋岩,轉爐的實用化就能看見曙光,這樣一來你的鐵道事業會瞬間變得更具現實性。」

「それはよ~く知っておる。初期に電子書籍から書き写した技術書があったろう? あれの閲覧許可が欲しいのだ。蛇紋岩をうまく使えば転炉の実用化が見えてくる、そうすればお前の鉄道事業が一気に現実味を帯びると思ってな」

靜子甚至想不起蛇紋岩是什麼樣的石頭,但看足滿那副讓人放心的點頭模樣,覺得不會有壞事發生,於是便陪著他進入了圖書室。

静子としては蛇紋岩がどんな石だったかすら思い浮かばないのだが、足満が頼もし気に頷いているところを見るに悪いことは起こるまいと彼を伴って図書室へと入るのだった。