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戦国小町苦労譚

一五七九年 十月下旬

明智光秀抱著暗淡的心情捧著頭。事先已有傳聞說宇喜多直家是亂世中的梟雄,因而早已做好遇到強敵的心理準備。

明智光秀は暗澹(あんたん)たる気持ちで頭を抱えている。事前に宇喜多直家は乱世の梟雄であると言う噂は聞き及んでいたため、強敵であるというのは覚悟していた。

原以為他是個多用謀略的武將,沒想到連戰場上也這般勇猛,這點出乎意料。

謀(はかりごと)を多用する武将であると思い込んでいただけに、いくさ場に於いてすら勇猛であるとは考えが及ばなかった。

沒料到在備中國沿著街道向西行進途中,竟會被直家本人率隊奇襲。

まさか備中国に於いて街道沿いに西へと進む途中、直家本人が率いる部隊が奇襲をかけてくるとは想像だにしていなかったのだ。

除了直家本人之外,弓術名手花房正幸以及鐵炮名手遠藤兄弟秀清與俊通的活躍也相當驚人,明智軍因此遭受意想不到的重創。

直家本人もさることながら、弓の名手として名を馳せた花房(はなぶさ)正幸(まさよし)、鉄砲の名手である遠藤(えんどう)兄弟の秀清(ひできよ)と俊通(としみち)の活躍が凄まじく明智軍は思わぬ痛手を被ってしまう。

據聞他們只是由現任宇喜多家當主名代長船貞親率眾出奔,卻像突風般發動奇襲,等明智軍還未從動搖中回過神,就已漂亮地撤退。

現宇喜多家当主の名代たる長船貞親からは手勢を率いて出奔したとしか聞いておらず、突風の如く奇襲を行い、明智軍が動揺から立ち直るや否や見事な引き際で撤退してみせた。

明智軍只被無端迫出血,甚至連像樣的反擊都無法發動。

明智軍は徒(いたずら)に出血を強いられただけであり、反撃らしい反撃を加えることすら出来なかった。

「宇喜多直家不可小覷。關於他必須改變想法」

「宇喜多直家侮り難し。彼に関しては考えを改めねばなるまい」

宇喜多的戰術確實合乎理道。

宇喜多の戦術は実に理に適かったものであった。

他把兵力埋伏在似乎正是遠征中容易鬆懈的路段,隱身於山林中齊發箭矢,隨後以騎兵突擊。

遠征中の不慣れな道行に於いて油断が生じるであろう頃合いを見計らったかのような位置に兵を伏せ、山の木々に紛れて一斉に矢を射かけてからの騎馬による突撃を行う。

發動突擊的騎馬武者趁勢撤退,追擊時又遭到再度齊射,令追兵無法動彈。

突撃を行った騎馬武者たちはその勢いのまま逃走し、追撃しようにも再び矢を射かけられて身動きがとれずにいた。

正當欲整頓隊形以火繩銃回擊時,卻又從一座小丘上遭到火繩銃射擊。

部隊を立て直し、鉄砲部隊で応戦しようとしたところへ小高い丘から逆に火縄銃にて銃撃される。

雖然是火繩銃在遠距離上命中率不佳的射擊,但仍足以打亂我方的出手節奏。

火縄銃の命中精度としては厳しい遠距離からの射撃ではあったが、それでもこちらの出鼻を挫くには充分な攻撃だ。

當大家被敵方火繩銃牽制時,伏於山麓的弓兵已經不見蹤影,先前大聲鳴槍的火繩銃手也消失了。

敵方の鉄砲に気を取られている間にも山裾に伏せていた弓兵たちは姿を消しており、派手に銃声を響かせていた火縄銃兵も見えなくなった。

回頭看來這是場出色的奇襲,對兵力本就稀少的明智軍來說損失不可輕忽。

振り返ってみても見事な奇襲であり、兵数の少ない明智軍にとっては看過できない犠牲が出ている。

之後直家在明智軍所到之處持續發動奇襲。

その後も明智軍の行く先々に於いて直家は奇襲をかけてきた。

果然因為已事先警戒奇襲,未能達到首次那般的戰果,但仍逐漸被迫出血,陷入困境。

流石に前もって奇襲を警戒しているため、初回程の戦果をあげられないようだが、それでも徐々に出血を強いられ苦しい状況に追い込まれつつある。

但明智軍也不是任人宰割,已重組兵力以便除了後方之外不論從何方遭奇襲都能即刻反擊,使得直家的部隊每次奇襲都在消耗兵力。

しかし明智軍とて黙ってやられはしない。後方以外のどちらから奇襲を受けても即座に反撃出来るよう兵を編成しなおしており、直家の部隊は奇襲する度にその兵数を減らしていた。

經過數次奇襲之後,直家最終已無法維持足以完遂奇襲的兵力了。

幾度にも及ぶ奇襲の末、遂に直家の舞台は満足に奇襲を行うだけの数を保てなくなっていた。

「敵我都已經殺了不少!本想再多些同行赴死的同伴,不過在最後再打一場吧」

「敵も味方も充分殺した! 死出の友連れがもう少し欲しかったが、最期にもう一勝負仕掛けようぞ」

聽到直家的號召,隨從的臣下們高昂士氣地應和。直家認為下一場會戰將是最後,便讓年輕人離隊,只留下相對年長者。

直家の呼びかけに彼に付き従った臣下達は気炎を上げて応じる。直家は次の会戦が最期となると考え、年若い者は部隊から去らせて比較的年老いた者のみを残らせた。

「利勝與秀安嗎!最後還是那幾張熟面孔。你們身為宇喜多家的重臣,不必陪一個像我這樣的暴君去死啊」

「利勝に秀安か! 結局最後はいつもの顔ぶれよな。貴様らは宇喜多家の重鎮、わしのような暴君の供をせずとも良いのだぞ」

直家向宇喜多家三老中的兩人──岡利勝與戶川秀安──招呼道。

直家が宇喜多家三老のうち二人、岡(おか)利勝(としかつ)及び戸川(とがわ)秀安(ひでやす)に声を掛ける。

「你在說什麼,會自願陪伴像殿這種陰險腹黑之人,除了我之外哪還會有人呢?」

「なにを仰る、殿のような陰険で腹黒い男に好き好んで付き合う物好きなど、わしをおいて他にはおりますまい?」

岡如此輕笑,戶川也拍了拍盔甲上的胸口回應。

岡がそう軽口をたたくと、戸川も鎧の上から胸を叩いて応じた。

「不就在這裡嗎。誠然殿無人望,僅剩這點人數,但從殿的行狀看來已經足夠了」

「ここに居るではないか。確かに殿は人望のないお人ゆえこの程度の人数しか残りませなんだが、殿の行状を鑑(かんが)みれば充分かと」

說完顯得十分快意,戶川大聲呵呵地笑了起來。

さも愉快そうにそう言い放つと戸川は呵々(かか)と大笑してみせる。

雖是帶著譏諷意味的輕口,直家卻對他們率直的心意感到高興。

面罵(めんば)に等しい軽口だが、直家は彼らの素直な気持ちが嬉しくすらあった。

與他們相交已久,絲毫無嘲笑直家的心思,因為他們比任何人都理解直家為保存祖傳宇喜多家而甘願捨身的決心。

長い付き合いの彼らには直家を嘲(あざけ)る気持ちなど欠片もなく、先祖伝来の宇喜多家を残すために直家が敢えて身を捨てることを誰よりも理解していたからだ。

「確實殿被人罵作外道。老朽陪這樣一個外道走到最後,也算一趣吧」

「確かに殿は外道と罵られた男。外道の最期に爺が付き合うというのも一興でしょう」

兼具智勇的老將延原景能感覺到年事帶來的衰老極限,已成為無法跟上即將到來織田時代的老骨頭。

知勇兼備の老将である延原(のぶはら)景能(かげよし)は己の年齢からくる衰えに限界を感じていた。もはやこれから訪れる織田の世には到底ついてゆけぬ老骨となり果てたのだ。

既然如此,就與這個過去的遺物直家一起,在最後綻放一朵花然後凋零,也不失為一件雅事。

ならば過去の遺物である直家と共に最後に一花咲かせて散るのも悪くないと思えてしまった。

「呼哈哈!延原,你和我同樣皆為老朽,就允許你陪我一起去死吧!追不上新世代的老人與其活著不如死了為世道好!哈哈哈哈!!」

「ふははは! 延原、貴様はわしと同じく老いぼれゆえ供を許す一緒に死ね! 新しい世について行けぬ老人など死んだ方が世の為よ! ははははは!!」

說出幾近暴言的話後,直家滿意地微笑,環視尚未離去的臣下。

もはや暴言でしかない言葉を吐くと、直家は満足げに微笑んで立ち去らなかった臣下を見回した。

直家或許稱不上受人稱讚的君主,但他仍以自己的方式珍視宇喜多家與那些曾與他一同興旺家業的臣下們。

確かに直家は褒められた君主ではなかったのだろう。それでも宇喜多家と、共に家を盛り立てた臣下達を彼なりに大事にしていたのだ。

其結果便是那些從一開始就明知會死而仍跟隨出奔的人,成了在來世裡誓言再會的隨從。

その結果が最初から死ぬと判っている出奔に付き従った者達であり、またあの世で再会を誓う供となった。

「那麼去赴死吧!諸君隨我而行!」

「では死にに行くぞ! 皆の者ついて参れ!」

隨著直家的話,一行人朝著他們定為最後場所的忍山城前進。

直家の言葉と共に一行は最期の場所と定めた忍山城へと向かうのだった。

派往忍山城的斥候已被明智軍掌握,明智軍一邊持續警戒奇襲,一邊逼近忍山城。

彼らが忍山城へと向かったことは明智軍が放った斥候が把握しており、明智軍は奇襲に対する用心を続けながら忍山城へと迫っていた。

忍山城位於備前與備中交界的勝尾峠以西,築於一座南北綿延的山上。

忍山城は備前・備中の境となる勝尾峠(かつおとうげ)の西にあり、南北に伸びた山に築かれている。

忍山城由南北兩座城郭構成,作為主郭的南城大手門敞開著。

忍山城は南北二つの城で構成されており、主郭となる南城の大手門が開け放たれていた。

面對彷彿在挑釁「從這裡攻進來吧」般的舉動,光秀保持冷靜,以砲擊回應。

まるでここから攻め入って来いと言わんばかりの振る舞いに対し、光秀は冷静さを保ったまま砲撃で応じる。

伴隨轟鳴發射出的砲彈命中南城中段,將其粉碎。

轟音と共に撃ち出された砲弾は南城の中程に命中するとこれを粉砕した。

光秀正拿起望遠鏡確認戰果之瞬,伴隨一聲嘶吼,騎馬武者從大手門的陰影處發起突擊。

光秀が戦果を確認すべく望遠鏡を手にした瞬間、雄たけびと共に大手門の陰から騎馬武者達が突撃を敢行する。

竟然,直家等人把忍山城本身當作誘餌,故意將大手門敞開,藏身門陰伺機奇襲。

なんと直家たちは忍山城自体を囮にし、敢えて開け放った大手門の陰に隠れて奇襲の機会を窺っていたのだった。

但光秀也不是會屢次容許奇襲的笨蛋。

しかし光秀とて何度も奇襲を許すほどの間抜けではない。

大砲部隊的後方有鐵砲隊以射擊姿勢佇列,形成阻止敵軍接近的陣形。

大砲部隊の背後には鉄砲隊が射撃姿勢で構えており、敵の接近を阻む陣形を取っていた。

即便如此,要命中從坡道氣勢洶洶衝下的騎馬武者仍十分困難。

それでも坂道を勢い良く駆け下りてくる騎馬武者に対して銃弾を命中させるのは難しかった。

雖有數騎成為槍彈餌食倒下,但更多騎馬武者仍向大砲部隊湧去。

数騎が銃弾の餌食となって倒れるものの、多くの騎馬武者が大砲部隊へと押し寄せる。

長槍兵立刻跳到大砲部隊前方形成槍衾,但因匆忙集結、密度稀薄,槍衾被突破了。

すぐさま大砲部隊の前へと躍り出た長槍兵たちが槍衾(やりぶすま)を作るのだが、急増で密度が薄い槍衾は突き破られてしまった。

(正是這些傢伙最適合為我畫下末章!)

(こ奴らこそわしの最期を飾るに相応しい!)

直家在心中稱讚那些毫無畏懼、在衝來的騎馬武者面前挺身組成槍衾的士兵。

勢いよく迫る騎馬武者を前に臆することなく身を投げ出して槍衾を作った兵を直家は心の中で賞賛する。

直家借勢奔過,轉身再度襲向明智軍。

直家は勢いのまま駆け抜けると、反転して再び明智軍へと襲い掛かった。

「你就是明智嗎!?」

「貴様が明智か!?」

「欸!? 不——」

「えっ!? いや――」

在再次突擊之際,直家向一名明顯不是光秀的將領喊話。

再び突撃する際に直家は明らかに光秀ではない将に声を掛けた。

出乎預料的質問與那位一時脫口否認的將領產生了破綻。

想定していない問いと、咄嗟(とっさ)に違うと応じてしまった将に隙が生まれる。

這種駆け引き正是謀將風采的展現。

こういった駆け引きは謀将の面目躍如(やくじょ)といったところだろう。

「那就去死吧!」

「ならば死ね!」

直家未等將領回話便將其斬首,隨即乘勢蹂躪周遭兵士。

将からの返事を待たずに直家は彼の首を刎ねた。そのまま直家は当たるを幸いに周囲の兵を蹂躙(じゅうりん)する。

面對直家等人不曾停歇的橫行,明智軍雖付出相當犧牲,仍守住了珍貴的大砲。

決して進みを止めることなく暴れまわる直家達に、明智軍は相当の犠牲を出しながらも虎の子たる大砲は守り抜いていた。

本就不到明智軍一成兵力的直家一行,逐漸被擊斃、或中箭、或遭火槍射中而墜馬,兵力日益減少。

元より兵数が明智軍の一割にも満たない直家達は、徐々に討ち取られたり、矢や鉄砲を受けて落馬したりしてますます数を減らしている。

「殿,那邊可看見青色的桔梗紋!」

「殿、あちらに青の桔梗紋が見えまする!」

「真是僥倖,跟上!」

「なんたる僥倖(ぎょうこう)、ついて参れ!」

「正是殿下!隨從效命!」

「それでこそ殿! お供仕(つかまつ)る!」

「就算稱讚也賞不出獎賞喔!」

「褒めても褒美は出せぬぞ!」

延原敏銳地發現光秀的旗印並進言於直家後,他們便一溜煙朝旗印奔去。

光秀の旗印を目ざとく見つけた延原が直家に進言すると、彼らは一目散に旗印を目指して疾走を開始した。

兩人所騎的馬已中箭,情況不妙,已難再奔馳多久。

既に二人の騎乗する馬は矢を受けており、もう幾らも走れない有様だ。

儘管如此,若能在此取下光秀首級,便可算是傳為後世的大功勳。

それでもここで光秀の首級をあげれば、大金星として後世に語り継がれる程の快挙と言えた。

「還沒!還不夠!把你的性命讓我帶去陰間當伴手禮!」

「まだだ! まだ足りぬ! 冥途の土産にお命頂戴!」

他如此喊著,載著直家與延原的騎馬便逼近光秀本陣。

そう叫ぶと直家と延原を乗せた騎馬が光秀の本陣へと迫る。

即便混亂,仍是精銳雲集的明智軍將士察覺直家的襲擊,立刻進入迎擊態勢。

混乱をきたした中でも精鋭揃いの明智軍の将兵たちは直家の襲撃を察知して迎撃態勢を取った。

他們把插在地上的防箭盾擺在前面,擋下趁勢衝來的直家一行的突擊。

彼らは地面に突き立てた矢除けの盾を前面に押し出して勢いに乗った直家達の突撃を受け止める。

雙方激撞之下,那股驚人的衝擊把持盾的明智兵壓死了。

双方が激突した結果、その凄まじい衝撃によって盾を構えていた明智兵は圧死した。

但因為那人死而不倒,騎馬也沒能安然,直家與延原被拋下馬在地上劇烈翻滾。

しかし、死して尚倒れなかった為に騎馬もただでは済まずに直家と延原は落馬して地面を激しく転がった。

落馬時似乎折傷了,延原的右臂朝著怪異的方向彎曲著。

落馬の際に折ったのだろう、延原の右腕はおかしな方向へと曲がっていた。

直家的樣子也相當慘不忍睹,失去兜鍪,背部深深插著兩支箭。

対する直家の有様も惨憺(さんたん)たる有様であり、兜を失い背中には二本の矢が深々と刺さっている。

即便如此,兩位老將仍當機立斷起身奔跑,離開了現場。

そんな状況でも二人の老将は即座に起き上がると走り出し、その場を離れた。

「吼哈哈哈!怎麼樣,延原!給明智他們好好見識見識!」

「うはははは! どうじゃ、延原! 明智めに目にものみせてやったぞ!」

「精彩極了。那麼接下來打算如何?要不要求饒呢?」

「お見事でございました。さてこれから如何されます? 命乞いでもされますか?」

「笨蛋!把這個拿去吧!」

「阿呆が! これをくれてやるんだよ!」

直家一邊喊叫一邊把手中的兵器拋棄,用小刀解下盔甲,撕裂腰布把自己的陰莖掏了出來。

直家は叫ぶと共に手にした得物を投げ捨てると、小刀を使って自身の鎧を外すと腰布を裂いて己のイチモツを放り出した。

敵兵緊追不捨之際,直家忽然停步回頭,對戒備他的士兵豪爽地大笑並喊道。

敵兵が追いすがる中、突如として足を止めて振り返った直家を警戒している兵に向けて豪快に笑って叫ぶ。

「你們追我一定滿身大汗吧。現在就賞你們一份獎勵!」

「わしを追いかけてさぞ汗をかいたであろう。今から褒美をくれてやる!」

說罷,直家當著近在眼前的明智士兵撒尿潑向他們。

そう言うと共に直家は間近に迫った明智兵に小便を引っ掛けてみせた。

地勢在上坡處向下豪放噴出的尿,毫不偏差地灑落在明智士兵的頭上。

立地的に坂を上った処から下に向かって豪快に放たれた小便は、狙い過(あやま)たず明智兵の頭へと降り注いだ。

頭上血色衝上的明智士兵從坡下拼命衝上來想用槍刺死直家,但直家像猴子般左右一跳躲開,同時把尿灑完。

頭に血を上らせた明智兵が坂の下から直家を槍で突き殺そうと遮二無二攻撃するのだが、まるで猿(ましら)のように左右へと跳んで避けながら直家は小便を出し終えた。

「人生最後的一泡尿真暢快!就此告別了,延原,我先走一步了!」

「生涯最後の小便は爽快であった! これにておさらばよ、延原先に逝くぞ!」

常人臨終時分不可能還能撒尿,反而會軟縮無力,連掏出陰莖都做不到。

常人ならば今わの際(きわ)に於いて小便など出せるはずもなく、それどころか萎縮してしまってイチモツを取り出すことすら叶うまい。

對自己人生滿足的直家,最終被那名被他潑尿的士兵的槍刺穿了身軀。

己の生涯に満足し終えた直家は、遂に小便を引っ掛けた兵の槍によってその体を貫かれることとなった。

正在觀看此景的延原衝出想去救直家之際,響起一聲乾裂的爆裂音。

それを見ていた延原が直家を助けるべく駆けだそうとしたところへ乾いた破裂音が響く。

山間回蕩的槍聲餘韻散去後,延原的身體一晃搖晃。

山にこだまする銃声の余韻が去ると延原の体がぐらりと揺らいだ。

一發子彈貫穿了延原的額頭。即便是明智軍配備的單發新式槍,其貫穿力也不是火繩槍可比的。

一発の銃弾が延原の額を貫通してしまったのだ。明智軍に支給されている単発式の新式銃とて、その貫通力は火縄銃の比ではない。

近距離射擊可不管鐵製頭盔或鉢金,直接貫穿,射中了延原的性命要害。

至近距離ならば鉄製の兜も鉢金も構わず貫き、延原の命に届いてしまった。

「延原……嗚咳,你竟然先走了……這是怎麼回事……」

「延原…… ぐふっ、貴様が先に逝くとは何事だ……」

直家看著像斷線木偶般無力倒下的延原,吐出幾句話。

まるで糸の切れた操り人形のように力なく崩れ落ちる延原を見て直家は言葉を漏らした。

明智士兵的長槍貫穿了直家的腹部,誰看了都明白是致命傷。

明智兵の槍は直家の腹を貫いており、誰が見ても明らかな致命傷であった。

直家因大量失血與累積疲勞,顫抖著屈膝踩地,絞盡最後一口氣大喊。

直家は大量の出血と、蓄積した疲労とで震える膝を踏みしめると最期の力を振り絞って叫んだ。

「織田! 明智! 羽柴! 看見了嗎!我一直殺到最後,殺個乾淨!這就是宇喜多的死法,好好看清楚!!」

「織田! 明智! 羽柴! 見ておるか! わしは最期まで殺して殺して殺し尽くしたぞ! これが宇喜多の死に様よ、とくと眺めよ!!」

吐盡最後一口血喊完後,直家仰面倒下。因喊叫腸子噴出,生命之燈就此熄滅。

力の限り血を吐きだしながら叫び終えると、直家は仰向けに倒れる。叫んだことにより腸(はらわた)が飛び出し、そのまま命の灯火も消え失せた。

直家以荒唐無畏貫徹到最後的死相,足以讓光秀心膽俱寒。

最期まで破天荒を貫いた直家の死に様は、光秀の心胆を寒からしめるに充分であった。

宇喜多直家的壯烈戰死,對原本打算夾擊明智軍的浦上宗景,足以徹底擊垮他的心志。

宇喜多直家の壮絶な討ち死には、明智軍を挟撃するつもりであった浦上宗景の心をへし折るには充分過ぎた。

「那個宇喜多竟然戰死了!不可能,那個惡棍絕不會就這麼被殺掉。他寧可舔敵人的腳也要活下去,是個卑劣的活人!」

「あの宇喜多が討ち死にだと! 馬鹿な、あの悪党がむざむざと殺される訳がない。敵の足を舐めてでも生き残るぐらいの生き汚い男だぞ!」

在浦上的人生中,宇喜多直家佔有重要的位置。

浦上の人生に於いて宇喜多直家という男は重要な位置を占めていた。

他曾將貌美的母親從流浪中救起,收為側室,並把直家立為近侍,甚至與之發生肉體關係。

見目麗しい母親と共に流浪の身から救い上げ、母親を妾とした上で直家を近侍(きんじ)に据えて肉体関係にも及んだ。

最終那傢伙用謀略把身為主君的自己趕走,自己卻成為備前、美作的國主,是個大惡徒,雖恨卻又難以徹底恨他。

最終的に謀略の果てに主君たる自分を追い出して、備前・美作の国主にまで収まった大悪党であり、憎んでも憎み切れない間柄だ。

同時他是個恨得想殺的人,但自己也發覺對其那種破天荒且放縱的活法懷有某種憧憬。

殺してやりたいほどに憎い相手であると同時に、その破天荒かつ奔放な生き様に何処か憧れていた己を自覚する。

直家比自己年輕就離世,讓宗景意識到自己的老去。

自分より年若くして直家がこの世を去った事により、宗景は己の老いを自覚してしまった。

(直家既然死了,對備前、美作已無興趣。拿命去打那種就算倒立也贏不了的仗又有何意義?)

(直家亡き今となっては、備前・美作に興味などない。逆立ちしても勝てぬいくさに命を懸ける道理が何処にある?)

突然覺得一切虛無的宗景,很快放棄追擊明智軍,提出投降。

急に全てが虚しく思えた宗景は、早々に明智軍への追撃を断念して降伏を申し出た。

對光秀而言這正是渡過難關的機會,他必須重整遭受意外重創的軍隊,因此以相當有利於浦上的條件接受投降。

光秀としては渡りに船の申し出であり、予想だにしなかった大打撃を受けた軍を立て直さねばならないとあって、かなり浦上に有利な条件で降伏を受け容れる。

浦本人在申請投降時親自到光秀面前,但從他的表情看不出任何情緒,顯得空洞。

降伏を申し込んだ折に浦上本人が光秀の許へと現れたのだが、その表情からはまるで感情が抜け落ちたかのような空虚な様子が見て取れた。

看似像是直家背叛的代價,因直家的死而獲得厚遇的宗景,甚至誇口要讓出家督、出家為僧。

まるで直家の裏切りの代償であるかのように直家の死によって厚遇を勝ち取った宗景だが、彼は家督を譲って出家するとさえ嘯(うそぶ)いていた。

光秀無法窺知這位在亂世中度過波瀾人生的宗景為何突然心變。

乱世に於いて波乱に満ちた生を過ごしたであろう宗景が、急に心変わりした原因は光秀には窺い知れない。

光秀雖稍感感傷,但他並無停留的餘裕。

少し感傷的になっていた光秀だったが、それでも彼にはその場で足踏みしている余裕はない。

然而明智軍在此戰所受之損失過於慘重,必須等待後勤部隊補給後再重整軍隊向西行進。

それでも明智軍がこの一戦で被った損害が余りにも大きすぎたため、兵站部隊を待って補給を受けた上で軍を再編成して西へ向かう必要があった。

明顯已落於秀吉之後,光秀懷抱難堪與自責,仍朝西方前進。

秀吉の後塵(こうじん)を拝することは明らかであり、忸怩(じくじ)たるものを抱えながらも光秀は西を目指すのだった。