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戦国小町苦労譚

一五七九年 十一月上旬

毛利輝元(てるもと)氣得幾乎要失去理智。

毛利輝元(てるもと)は怒りで頭がどうにかなりそうだった。

被稱為毛利兩川的腹心小早川隆景(こばやかわ たかかげ)與叔父吉川元春(きっかわもとはる)兩人,向織田方提出和睦的請求。

毛利両川(りょうせん)と謳(うた)われた腹心たる小早川(こばやかわ)隆景(たかかげ)、叔父にあたる吉川(きっかわ)元春(もとはる)の両名が織田方と和睦するよう申し出たのだ。

確實喪失了周邊所有支城,沒有可請求援軍的對象;等待冬季或降雪已經來不及。

確かに周囲全ての支城を失い、援軍を要請するあても無い。冬を、降雪を待つには時間があり過ぎた。

「被逼到這種境地,我等唯一的希望就是向織田方投降以保全家門。羽柴殿已屢次派使者來促降,恐怕數日之內還會再來,請在那之前做個決斷。」

「ここまでの状況に追い込まれては、我らの希望は織田方に下ってお家の存続を願うのみ。羽柴殿より幾度も降伏するよう使者が遣わされております。恐らく数日中にもまた使者が訪れることでしょう、それまでにどうかご決断のほどを」

叔父吉川如此告知後,兩人辭去了輝元的私室。見著兩人毫不執著的背影,血氣上湧的輝元怒不可遏,赫然起膝欲拔刀。

叔父である吉川からそう告げられると、二人は輝元の私室を辞した。その執着を見せない二人の後ろ姿に血が上った輝元は、怒りの赴くままに刀を抜かんと膝を立てた。

「就算斬了某(それがし),情勢也不會改變。反而殿若顯出失常,您的處境只會更糟。」

「某(それがし)を斬ったとて状況は変わりませぬ。むしろ殿が乱心なされたと御身のお立場が一層悪くなりましょう」

叔父冷若觀賞可憐生命般的視線,使得憤怒沸騰的輝元頭腦迅速冷卻下來。

まるで哀れな生き物見るかのように冷ややかな叔父の視線に、輝元の怒りで沸騰していた頭が急速に冷えていった。

聽說自軍和羽柴軍的戰力差距達三倍,毫無好轉的可能。

聞けば自軍と羽柴軍の戦力差は三倍にも達しており、状況が好転する要素がまるでない。

唯一正面的消息,是進攻到備中國的明智軍雖然在交戰中擊敗了宇喜多直家,但因損害甚巨,恐怕無法加入包圍網。

唯一明るい情報と言えば備中国まで侵攻していた明智軍が、宇喜多直家を交戦の末に打ち破りはしたものの被害甚大であることから包囲網に加われそうに無いということだけであった。

被傳為西國要角的宇喜多被討取,曾不臣服於毛利而守護備前、美作的浦上宗景也歸順了織田方。

西国に宇喜多ありと噂される程の曲者が討ち取られ、また毛利家に臣従せずに備前・美作を守り続けた浦上宗景も織田方に下ったという。

那位不肯服從西國盟主毛利、堅守獨立的宇喜多已經去世,連曾與毛利與宇喜多為敵也不退縮的浦上,亦投向織田的軍門。

西国の盟主たる毛利家に従わずに独立を保ち続けた宇喜多がこの世を去り、毛利と宇喜多を敵に回してすら引かなかった浦上すらが織田の軍門に下った。

這個事實把輝元拉回現實。正如在鳥取城所見,羽柴軍能夠過冬行軍,於周遭完全被包圍的情勢下,輝元所能做的事有限。

その事実が輝元を現実に引き戻す。鳥取城で見せたように羽柴軍は冬を越えての行軍が可能であり、周囲を完全に包囲された状況に於いて輝元ができることは限られていた。

另一方面,秀吉對於定期通報中傳來的消息──光秀無法趕上吉田郡山城之攻擊──感到大快人心。

一方秀吉と言えば定期連絡によって齎された光秀が吉田郡山城攻めに間に合わないという事実に快哉をあげていた。

從一開始就被視為勁敵的宇喜多直家雖終被討取,但其超乎想像的奮戰大幅擾亂了光秀的行軍計畫。

当初より難敵と見做されていた宇喜多直家が想像以上の奮戦をした結果、最終的に討ち取られはしたものの光秀の行軍予定を大きく狂わせる。

雖說浦上宗景是意外地投降,但明智軍所受損害甚巨,無法同一節奏趕上進行合圍戰。

棚ぼた的に浦上宗景が降伏するも、明智軍が受けた被害は甚大であり、到底足並みを揃えての攻囲戦には間に合わないとのことだった。

原先計畫是在吉田郡山城咽喉處築起的所謂一夜城──高小屋城,待光秀會合後運入大砲,從那裡的炮擊挫敵氣。

当初の予定では吉田郡山城の喉元に築いた一夜城こと高小屋城は、光秀の合流を待って大砲を運び込んみ、そこからの砲撃によって敵の戦意を挫くために用意されたのだ。

儘管對於腹心福島苦心築起的城無法發揮作用感到惋惜,但在定期通報時聽聞戰況的信長親自賜予讚許,秀吉因此心情大好。

折角腹心である福島が苦心して築き上げた城が用を成さないことに思う処はあるものの、定期連絡の際に戦況を聞いた信長より直々にお褒めの言葉を賜ったため秀吉は上機嫌であった。

正因完成了穿越中國山地的難事,才得以迅速將大軍送至敵本陣前。

中国山地の山越えという難事を成し遂げたが故に、大軍を敵本拠地の眼前へと素早く送りこめたのだ。

雖然發生了諸多意外,最終仍估算能以自己的大功告終西國征伐,並可趕上年內舉行的四六元服式,因而感到辛勞得到了回報。

幾つも想定外の事象は起こったものの、最終的には自分の大手柄で西国征伐を終えられる目算が立ち、年内に行われる四六の元服式には間に合いそうだと苦労が報われた思いであった。

(既如已成定局,免得徒然消耗兵力,可欲避免愚行。毛利這傢伙,快點投降不是更好……)

(既に決着はついたようなものゆえ、ここで徒に兵を消耗させる愚は避けたい。毛利め、さっさと降伏すれば良いものを……)

雖屢次派出使者呼籲投降,毛利陣營卻遲遲沒有給出好聽的回應。

幾度にも亘って使者を遣わせて降伏を呼びかけてはいるものの、毛利陣営からは色よい返事が戻ってこない。

事態發展至此,原本考慮以策反瓦解其內部也在所難免,然而情勢卻突生變化。

ことがここに至っては調略によって内部を切り崩すのもやむなしと考えていたところ、事態は一変することとなった。

那日,輝元被一陣他此生從未聽聞過的轟鳴聲驚醒。

その日、輝元は今までの人生に於いて一度も耳にしたことのない程の轟音によって目を覚ます。

伴隨著驚天動地的轟鳴,幾乎如同地震般的劇烈震動襲向輝元。

凄まじい轟音と共に地震もかくやと思うほどの揺れが輝元を襲った。

甚於驚惶之下,穿著相當於睡衣的小袖(こそで)衝出房間的輝元慌忙四下查看。

余りの事に寝巻に相当する小袖(こそで)姿のまま部屋を飛び出した輝元は、慌てて周囲を見回す。

赤身橫衝的輝元所見,乃是冒出濃煙、熊熊燃燒的倉庫。

着の身着のままに飛び出した輝元が目にしたものは、黒煙を噴き上げて炎上する蔵の姿であった。

「那個方向──!」

「あの方角は!」

依舊狂噴黑煙、燃燒的倉庫,裡頭保存著大量武具與供籠城之用的食糧。

今なお激しく黒煙を噴き上げながら炎上している蔵は、武具や籠城の為に大量の食料を保管していたものだった。

究竟是意外抑或蓄意攻擊尚不得而知,但毛利方面受了重大打擊無疑。

偶然か、はたまた意図的に狙ったのか定かではないが、毛利側が大きな痛手を被ったことには違いない。

再堅固的城池,食糧一旦耗盡人便難以作戰;而食盡的守城戰所遭遇的悲慘結局,在鳥取城已被痛楚地證明過。

幾ら堅牢な城とはいえ、食料が尽きては人は戦えない。そして食料が尽きた籠城戦が辿る悲惨な運命は鳥取城で嫌という程に証明されていた。

「殿!」

「殿!」

一名小姓衝向臉色慘白處於最壞狀態的輝元。

最悪の状況に顔を青くしている輝元の許へ彼の小姓が駆け寄った。

他們亦陷於極度混亂,但仍四處奔走蒐集情報。

彼らも混乱の極みにあったのだが、それでも各所を駆け回って情報を集めてきたのだ。

儘管他們努了心力,現階段所查明的僅為:先前的轟鳴推測是秀吉之手的攻擊。

そんな彼らの努力も虚しく、現時点で判明しているのは前(さき)の轟音が秀吉の手による攻撃であろうという推測のみであった。

「不可能!哪裡有大砲可言!究竟從何處攻擊!?」

「馬鹿な! 何処にも大砲など無いではないか! 何処から攻撃したというのだ!?」

輝元在小姓報告後登上城上高處環視四周,卻處處不見敵軍營陣的蹤影。

輝元は小姓からの報告を受けて城の高所へと上り、周辺をぐるりと見渡すが何処にも敵軍の陣らしきものが見当たらなかった。

對於慌亂的輝元,天反而露出微笑──下一發砲擊隨之發射,而恰巧輝元正看向那個方向。

混乱する輝元に対して天は微笑んで見せた。即ち次なる砲撃が放たれ、偶然輝元はその方向を見ていた。

「一夜城……是從一夜城來的嗎!」

「一夜城……一夜城からか!」

晨霧瀰漫之中,天色尚未完全明亮,這反而發揮了功用。

朝靄(もや)が漂う中、まだ辺りが明るくなりきっていなかったのが功を奏した。

一夜城射擊場上架設的大砲噴出的烈焰,深深烙印在輝元眼中。

一夜城の射撃場に据えられた大砲が噴き上げた業炎は、輝元の目に焼き付いていた。

稍作間隔再次響起轟鳴,緊接著毫不間斷的橫掃衝擊襲向輝元。

やや間をおいて再び轟音が響き渡り、次は間を置かずして横薙ぎの衝撃が輝元を襲う。

因為移到高處反而遭殃,輝元撲倒在地。

高所に移動していた事が災いし、輝元はその身を床に投げて倒れ伏した。

輝元從衝擊中恢復坐起,再次從高處眺望吉田郡山城的內部。

輝元が衝撃から立ち直って身を起こし、再び高所から吉田郡山城の内部を見渡す。

這回看到城角建造的物見櫓倒塌下來。

今度は城の一角に建てられていた物見櫓(ものみやぐら)が倒れていく様が見えた。

隨後第三次轟鳴響起,這次落在城最外側的曲輪,石壁大幅崩毀。

続いて三度目の轟音が響き渡ると、今度は城の一番外側にある曲輪へと着弾し、石壁が大きく崩れている様が見える。

結果以三次砲擊為止,之後沒有更多攻擊降下來。

結局三度の砲撃を最後に、続く攻撃が降り注ぐことは無かった。

然而輝元被迫理解:不論有無據城,對秀吉來說都是微不足道的問題,他有辦法強行把袋中之鼠逼出來。

それでも輝元は理解させられてしまう。籠城していようが無かろうが秀吉にとっては些細な問題であり、強引に袋の鼠を追い出す算段があったのだ。

輝元當場跪倒,垂首重重嘆息。

輝元はその場に膝から崩れると、項垂(うなだ)れて重い息を吐いた。

這一連串事件徹底折斷了身為西國霸主的毛利家當主的傲骨。

この一連の出来事によって西国の覇者たる毛利家当主としての矜持(きょうじ)は完全に折れてしまったのだ。

輝元已不復有哪怕一絲對織田方抗衡的意志。

もはや輝元には織田方に立ち向かおうなどという意思は欠片も残されていなかった。

「或許……到此為止了嗎」

「もはや……これまでか」

輝元因腹心的進言猶豫不決,但這日他首次作出投降織田軍門的決定。

腹心からの進言に決断できずにいた輝元だが、この日初めて織田の軍門に降る決断を下した。

接獲輝元應降的報信後,秀吉面露幾分難色。

輝元が降伏の呼びかけに応じるとの報せを受けた秀吉は、若干渋い表情を浮かべている。

事實上多虧福島機智,從播磨國修理中的艦載砲調來,經由越山路線部署了僅有的三門。

実は福島の機転により、播磨(はりま)国にて修理を行っていた艦載砲を回して貰うことが出来、山越えルートを通じて僅か三門だけだが配備した。

無法調來操作砲的專業技師,只能看著說明書戰戰兢兢地發炮。

大砲を運用する技術者までは都合がつかず、説明書を見ながらおっかなびっくり砲撃を行う。

原先為安置大砲而設計的射擊場,依據塗色分區把砲架於指定位置,取定仰角,裝填說明書上指定的彈藥,只要點火就能驚人地命中。

元より大砲を据える為に設計されていた射撃場は、塗料で色分けされた位置に大砲を据えて指定された仰角を取り、説明書通りの砲弾を装填して点火さえすれば面白いように命中した。

三門大砲各自發射後,後續善後反而更棘手。

三門の大砲がそれぞれ砲撃を行ったのだが、後始末の方が大変であった。

一名低估了砲聲與衝擊的士兵,未遵照說明書指示只以手背捂臉點火,結果一側耳膜破裂而倒下。

大砲の発射音と衝撃を甘く見た兵士が、説明書の指示に従わず頬かむりをしただけで点火した結果、片方の鼓膜が破れて倒れてしまう。

有關在大砲後方保留足夠空間並不得在附近放置物資的指示也未被遵守,一名站在砲後方的士兵被砲擊反作用力退後的大砲撞上受傷。

また大砲の後方に充分な空間を設け、その付近に物資を置いてはならないとの指示も守られず、大砲の真後ろで棒立ちしていた兵士が砲撃の反動で後退した大砲にぶつかり負傷した。

僅僅一次齊射就造成多人受傷,令眾人深刻領悟到大砲這種兵器的運用之難。

たったの一斉射だけで複数人の負傷者を出したことで、大砲という兵器の運用が難しいことを思い知らされたのだ。

「總之成了毛利降伏的契機,多虧福島硬撐著調來,真是大功一件。話說這兵器真是麻煩,曾以為沒學問便無法駕馭的武器不過是累贅,但若如此有效,我也得學一學啊」

「何はともあれ毛利が降伏する契機となったのだ、無理を押して調達してくれた福島の大手柄よな。それにしても難儀な兵器よ、学が無くては扱えぬ武器など無用の長物かと思っておったが、斯様(かよう)に効果的であればわしも学ばねばならぬのう」

即便在秀吉軍中集合了聰明人來操演大砲,仍是這般境況。

大砲の運用にあたっては、秀吉軍の中でも知恵ものを集めて行ったというのにこの有様だ。

說明書上的專門術語,以及以數值表示大砲性能與功能的諸元表,根本無人能理解。

そもそも説明書に書かれている専門用語や、大砲の性能や機能を数値で表した諸元表などは誰にも理解できなかった。

「趕緊和睦,堂堂凱旋吧」

「さっさと和睦を結んで堂々と凱旋(がいせん)するぞ」

秀吉轉換思路,尋求迅速結束和睦的方法。

秀吉は思考を切り替えると、和睦を手早く終わらせる方法を模索する。

對秀吉而言,不論毛利家是繼續存在或被斷絕都無關緊要。

秀吉にとって毛利家は存続しようと断絶しようとどちらでも良かった。

無論如何會讓統治者退位,並從根本否定毛利所建立的政治體制。

いずれにせよ統治者の地位を退かせ、毛利が敷いた政治体制を根本から否定することも出てくるだろう。

他認為與其由征服者秀吉親自站上前線執行,不如讓毛利家作為代官統治,能減少摩擦。

その際に征服者たる秀吉が矢面にたって実行するよりも、毛利家を代官として統治させる方が軋轢(あつれき)が少ないと考えた。

方針一定,秀吉召來弟弟秀長,下令敲定細節。

こうして方針が決まると秀吉は弟である秀長を呼び、詳細を詰めるように命じる。

(統治者變更所引發的不滿,會集中到作為代官的毛利家。若能妥善治理便好,做不到就削減其領地。)

(統治者が変わったことによる不満のしわ寄せは、代官である毛利家に向かう。それを上手く治められれば良し、出来ねば領地を削れば良い)

無論如何轉變,看來對秀吉都是無損的良策。

どちらに転んでも秀吉にとって損のない名案に思えた。

隨即秀吉決定派腹心福島駐留安藝國以監視毛利家。

続けて秀吉は毛利家を監視するべく腹心の福島を安芸国に駐留させることにする。

他們辛苦開拓的山陰·山陽縱貫路線可成為物流要衝,秀吉也打算向信長建言,讓福島取得安藝的領地作為安排。

彼らが苦労して切り開いた山陰・山陽縦断ルートは物流の要となり得るため、秀吉からも信長に進言して福島に安芸の領地を頂けるよう取り計らう予定だ。

若福島掌控安藝國的物流並監視作為代官的毛利家,便可促成西國的安定。

福島が安芸国の物流を支配し、代官たる毛利家を監視するならば西国の安定化も図れるというもの。

「可給予若干裁量,但絕不容許毛利家的專橫。要將他們在戰事上的敗北深深刻入骨髓。」

「多少の裁量は与えるが、毛利家の専横は絶対に許すな。奴らにいくさの敗北を芯まで刻み込むのだ」

當前的毛利家已無抵抗織田方的氣概,秀吉趁毛利尚未從大砲的震撼中恢復,急促協商,務求以壓力逼他們和睦。

今の毛利家には織田方に逆らうだけの気概がない。秀吉は毛利が大砲のショックから抜けださない間に、圧力を掛けてでも和睦を結ばせようと協議を急がせた。

此時應該給予輝元建言的吉川與小早川未被允許出席,他們被令於各自屋敷內幽居,並被逼將所有決策責任交由輝元負擔。

この際に輝元に助言を与えるべき立場の吉川と小早川は同席させなかった。それぞれの屋敷にて蟄居(ちっきょ)を申し渡し、全ての決断を輝元の責任に於いて行うよう迫る。

即便是輝元也對此對待表現出難色,但最終他認命地接受條件,因為不接受和睦將被滅亡並陷入更糟。

流石の輝元もこの仕打ちには難色を示したものの、結局和睦を受け容れなければ滅ぼされもっと悪い状況へと追い込まれると諦めて条件を飲んだ。

就這樣,和睦協議進行成為一場鬧劇,毛利方面幾乎無條件服從秀吉一方的要求。

こうして和睦協議は進められ、秀吉側の要求に対して毛利側がほぼ無条件で従うだけの茶番となった。

總之和睦條件一旦決定,接下來便將其以起請文(以神佛之名發誓,記載若違約將受神罰(佛罰)的誓約書)……

ともあれ和睦の条件が決まると、後はそれを起請文(きしょうもん)(神仏の名前に誓って約束を破ると神罰(仏罰)を受ける旨を記し、神仏に誓約する文書)

把他們叫醒並交換。

に起こして取り交わす。

和睦在秀吉進入安藝國後瞬間成立。本來應該留在此地準備支配西國,但對秀吉來說,有件比這更優先的事。

秀吉の安芸国入りから瞬く間に成立した和睦であった。本来ならばここに残って西国を支配するための準備をすべきなのだが、秀吉にはそれよりも優先すべきことがあった。

那是參加作為欠了相當人情的靜子之後繼者四六的元服式。

それはかなりの借りを作っている静子の後継者たる四六の元服式に参加することであった。

秀吉沒有參加主君信長主辦的御馬揃え,若又在信長重用的靜子有關的儀式中缺席,不僅秀吉自身,作為主君的信長的顏面也會盡失。

秀吉は主君たる信長肝煎りの催しである御馬揃えにも参加しておらず、またも信長が重用している静子に関する式典で欠席したとあっては秀吉は勿論、主君である信長の面目までも潰してしまうことになるのだ。

幸好毛利比預想早被解決,為了無論如何趕上元服式,他匆忙行動。

幸いにして想定よりも早く毛利が片付いたため、何としてでも元服式には間に合わせるべく急いでいた。

「為了防備不測之事,快點出發!」

「不測の事態に備えて早く出発するのじゃ!」

「不用那麼慌,我們的行程還有近半個月的餘裕……」

「そんなに焦らずとも半月近く余裕のある行程となっておりますが……」

對於忙碌奔跑下達指示的秀吉,秀長表示疑問。

忙しなく動き回って指示を出す秀吉に対し、秀長が疑問を呈する。

四六的元服式預定於11月下旬舉行,若採海路返回,行程上應有近半個月的餘裕。

四六の元服式は11月の末頃行われるため、海路を用いた復路ならば半月近く余裕がある予定なのだ。

但秀長忽略了一件致命的事。

しかし秀長は致命的なことを見落としていた。

「你這笨蛋!你以為會有多少人聚集到京城!?若不早點到確保好住處,又不是要再欠靜子殿的人情嗎!」

「馬鹿もん! 一体どれだけの人間が京に集まると思っておる!? 早めに着いて良い宿を確保せねば、またしても静子殿に借りを作る羽目になるじゃろうが!」

雖然細節尚未公布,但謠傳四六的元服式會有非常多的人出席。

未だに詳細は発表されていないが、四六の元服式には実に大勢の人間が参加すると噂されている。

這並非靜子為顯示其權威而刻意招來,而是當注意到時,參加希望者已膨脹至難以控制的程度。

これは静子が己の権威を示す為に招いたわけではなく、気が付けば参列希望者が膨れ上がった結果であった。

靜子因為是喜事,對來者不拒、去者不追的態度,結果造成局面失控。

静子も慶事であるため来るものを拒まず、去るものを追わずの対応をしていたところ収拾がつかなくなっている。

看到驚人厚重的參加者名冊,終於意識到城內可能容納不下,等慌忙截止報名時已為時過晚。

恐ろしく分厚い参列者名簿を見て、ようやく元服式の会場となる城に入りきらない可能性に気付き、慌てて募集を締め切った頃には手遅れだった。

因為參加者眾多而可能演變成權力鬥爭,於是雖然將住宿區劃分,但決定由各自安排住處。

こうして参列予定者が多いことから権力闘争へと発展しそうになったため、宿泊場所については区画分けこそされるものの何処に泊まるかは各々で手配するように決まる。

基於此等緣由,秀吉有必要盡可能先入京,搶在其他參加者之前確保良好的住宿。

そのような経緯から秀吉は可能な限り京へと入り、他の参列者に先駆けて良い宿泊所を確保する必要があった。

通常貴族護衛與隨從會使人數增多、費用必然昂貴,但這次因四六的元服式,靜子可動用的全軍將集結京城並被允許參與警備。

通常ならば貴人の護衛やら手勢やらで人数が多くなり必然的に費用が嵩むのだが、今回は四六の元服式ということで稼働できる静子の全軍が京へ集結し、警備に加わることが認められている。

雖然在外邦聞名的武將不多,但沒有人會愚蠢到向裝備精良的靜子軍挑釁。

他国にまで名が知れ渡るような武将こそ少ないものの、最新式の軍備で身を固めた静子軍に喧嘩を売るような愚か者は日ノ本にいない。

再加上與京城治安維持警巡隊合力守衛京城及周邊,除非有數以萬計的大軍襲來,否則京城治安可說是穩固。

更には京治安維持警ら隊との合同で京及びその周辺地域を警備するため、万にも届くような大軍勢でも押し寄せてこない限り、京の治安は揺るがないと言えた。

「反正毛利也只能屈服。別再浪費時間了!」

「どうせ毛利は折れるしかないのだ。余計な時間を取らせんで欲しい!」

急躁的秀吉粗暴地丟下一句,但實際上毛利無權對和睦條件提出異議。

気が急(せ)いている秀吉は乱暴に言い捨てるが、実際のところ毛利には和睦の条件について否やを唱えることは許されない。

僅僅三發砲擊就讓士氣跌至谷底,武器與糧食都不足,連曲輪上還被炸出大洞。

たった三発の砲撃によって兵の士気は地に落ちており、武器や食料も足りない上に曲輪に大穴すら開いている。

無論局勢如何翻轉,都無法整頓復原,只能唯唯諾諾地接受織田方面提出的條件。

ここからどう転んでも立て直しは不可能であり、織田方から提示された条件に唯々諾々(いいだくだく)と従うほか道はない。

數日後,輝元接納了秀吉提出的和睦案。由於秀吉一方的要求大致獲得認可,和睦結果令人滿意。

数日後、輝元は秀吉から提示された和睦案を受け入れた。秀吉側の要望が概ね通ったため満足のいく和睦となった。

此和睦保證了毛利家的地位,但那僅是以秀吉代官的名義,若違背秀吉的命令,立即等候的就是滅亡。

この和睦によって毛利家の立場は保証されるが、あくまでもそれは秀吉の代官としてであり、秀吉の命に背けば即座に破滅が待っている。

這不僅限於毛利,其家臣以及附屬於毛利的一般西國國人也將受到相同對待。

これは毛利に限った話ではなく、彼らの家臣や毛利側に付いていた西国の国人なども同様の扱いとなる。

若在與毛利決定之前就主動投降,條件本可稍好,但無論如何,未來的動向仍可能帶來家被奪取的憂患。

毛利との決着が着く前に降伏を申し出ていれば若干条件が良くなるのだが、いずれにせよ今後の動向によってはお家取りしの憂き目が待っていた。

「在西國征討開始前已給過投降的機會。就算西國征討開始後也本該還有投降的機會。袖手旁觀錯失良機,當自負其責。」

「西国征伐前に降伏する機会は与えた。また西国征伐が始まった後も降伏する機会はあった筈。手を拱いて機会を逸したのは己が責と心得よ」

實際上,毛利進入和睦談判後仍持續抵抗的國人們,注定會被一一消滅。

実際に毛利が和睦交渉に入った後も抵抗を続けていた国人たちは、軒並み攻め滅ぼされることが決まっている。

他們連投降都不被允許,前方只有被肆意蹂躪的未來。

彼らには降伏すら許されず、ただ只管に蹂躙されるだけの未来が待っているのだ。

若今後實際展開肅清,或會有人武裝起義,但人多勢眾的情況下終究無法匹敵,最後只有被吞併一途。

今後実際に粛清が始まれば武装蜂起する者も現れようが、多勢に無勢であり結局は併呑されるしか選択肢はなかった。

於是,曾為西國霸主的毛利於此日向織田投降。

こうして西国の覇者であった毛利は、この日織田の軍門に下った。

西國巨人毛利倒下,這意味著在日之本反抗織田家的武家勢力已消失。

西国の巨人、毛利落つ。これは日ノ本に於いて織田家に反抗する武家勢力が消えたことを意味した。

藉此信長成為武家首領,人人公認,反對者不僅在武家間,在佛門與公家中也不復存在。

これによって信長は武家の頭領して誰もが認めるところとなり、これに異を唱える者は武家だけでなく仏家、公家にも居なくなる。

雖然信長尚未伸手至九州,但已幾乎掌控九州的島津家,已向織田家示以恭順之意。

未だ九州には手を伸ばしていない信長だが、既に九州をほぼ支配下に置いている島津家が織田家に恭順に意を示していた。

四國由長宗我部統一,剩餘的西國亦可說是被納入織田勢力之下。

四国は長宗我部が統一し、残る西国に関しても織田の勢力下に組み込まれたと言えよう。

關於東國,儘管伊達與最上之間的爭端尚存,但大勢已定,預料將以伊達家的勝利收場。

東国については伊達と最上との争いが残ってはいるものの、ほぼ決着が見えているため伊達家の勝利で幕を閉じるだろうと予想された。

朝廷也已無閒暇嘲笑信長為尾張的土豪,只能承認信長在名實上都是天下人。

朝廷も信長を尾張の土豪と嘲笑う余裕はなく、信長が名実ともに天下人であると認める他なかった。

「終於天下成為上樣的了呢」

「遂に天下は上様のものとなりましたね」

靜子向突如其來到府上發洩壓力的信長道了祝賀之詞。

不意に静子邸を訪れてはストレス発散している信長に対し、静子は祝いの言葉を述べた。

織田家若成為武家的頭領,並獲朝廷授予征夷大將軍之職,便有可能開設幕府。

織田家が武家の頭領であり、朝廷から征夷大将軍の役職を賜りさえすれば幕府を開くことも可能となる。

「朝廷那些傢伙,還有被毛利庇護、在鞆之浦妄稱將軍的那幫人,恐怕都大慌了。從今以後,將有在朝廷中蔓延的魑魅魍魎為了求生而前來攀附。必須盡情款待他們。」

「朝廷の奴らも、そして毛利に匿われて鞆の浦で将軍を僭称していた神輿も大慌てをしておろう。これから朝廷に蔓延(はびこ)る魑魅(ちみ)魍魎(もうりょう)どもが己の生き残りをかけて擦り寄ってくるだろう。存分にそれをもてなしてやらねばならんな」

(難道還在耿耿於懷被稱作尾張的鄉下人?)

(尾張の田舎者呼ばわりされたことを割と根に持っておられる?)

信長說這話時面帶笑容,但額頭一角隱約可見青筋浮現。

そう言う信長の表情は笑みを浮かべているのだが、額の片隅に青筋が見え隠れしていた。

今後朝廷的使者大概會找各種理由來拜訪信長;信長表面上會應酬接待,但預計會把所有要求一概拒絕。

今後は何かと理由を付けて朝廷の使者が信長を尋ねて来るだろう、信長はそれを表面上持てなしはするが要望については全て突っぱねると予想する。

「那猴子,竟然這麼快就討伐了毛利,真是意外。反倒キンカン很不幸,寡兵成了禍,被宇喜多痛擊了。」

「猿の奴め、これ程早く毛利を征伐してみせるとは意外であった。逆にキンカンは不運であったな、寡兵が仇となって宇喜多に痛撃されたようだ」

「據報,羽柴大人麾下的福島殿從播磨調來了正在修復中的大砲,照樣子模仿著攻擊,結果一舉讓毛利傾向和議。羽柴大人似乎重新評估了大砲的價值,並提出今後要將其納入自己的部隊。」

「報告に拠れば羽柴様配下の福島殿が播磨から修復中の大砲を取り寄せ、見よう見まねで攻撃したところ一気に毛利が和睦へと傾いたようです。羽柴様は大砲の価値を再評価されるようで、今後は自分たちの部隊にも取り入れたいと申し出がありました」

「大砲的威力極大,但要有效運用需要學問。既非人人都能輕易操控之兵器,那猴子也因此慌張起來。」

「大砲の威力は絶大だが、効果的に運用するには学が求められる。誰しもが手軽に扱える兵器とは呼べぬだけに、サルめも焦っておるようだ」

「似乎砲彈恰巧直擊了毛利的要害,對毛利而言,從一夜間築起的城就能把砲彈打到居城,這點應該是個威脅吧。」

「たまたま砲弾が毛利の急所を直撃したようなのですが、毛利にとっては一夜にして築かれた城から直接居城へと砲弾が届くことが脅威だったのでしょう」

「話說把毛利的居城剝得一乾二淨,那猴子也懂得耍弄心思。你消息這麼靈通我知道,但你是從哪裡打聽到的?」

「それにしても毛利の居城を丸裸にするとは、猿めも遊び心を判っておるわ。貴様の耳が早いのは判っていたが、何処から情報を仕入れておる?」

對於信長的疑問,靜子以沈默作答。平日凡事都會應對的靜子特意閉口,使人心想有些事不知反而更好。

信長の疑問に対して静子は沈黙を以て答えとした。普段は何にでも答える静子が敢えて伏せたのだ、知らない方が良いこともあるのだろうと納得する。

若靜子不說話能讓信長受益,她便會選擇閉口不言。

静子が喋らないことが信長の益になるなら、彼女は口を噤(つぐ)んでしまう。

「帰蝶(即濃姫)和你,頭腦靈活的女人真可怕。」

「帰蝶(濃姫のこと)といい貴様といい、頭のキレる女は恐ろしい」

「過獎了。」

「恐縮です」

「因此你們別串通!你們兩人若聯手,我就再也沒有能安心之處了。」

「ゆえに貴様ら結託するでないぞ! 貴様たち二人が手を結べば、わしの気が休まる場所が無くなってしまう」

「要聯手那是絕不可能的,我總是被濃姫左右。近來她似乎沒來尾張,或許是安土得了她的青睞吧。」

「手を組むなんてとんでもない、私は濃姫様に振り回されてばかりですから。近頃は尾張にお越しにならないようですが、安土がお気に召したのでしょう」

「那也無妨。若多此插手,他也不見得不會在尾張建宅。不招惹神明便無災禍。」

「それならば構わぬ。余計な口出しをすれば、あ奴も尾張に屋敷を構えると言いかねぬ。触らぬ神に祟りなしじゃな」

「說到這倒是四六的元服。原本想在安土舉行,但朝廷囉嗦,所以改在京舉辦。為了保全他們的顏面,這次就作為給面子的安排好了。」

「それより四六の元服だ。安土で執り行いたのだが朝廷が五月蠅いゆえ、京での開催となった。奴らの面目を守るため、今回は貸しとしておこう」

「那不過是孩子入成年圈子的露面會,並沒有什麼特別之處。」

「童が大人の仲間入りをするお披露目会ですよ。そんなに特別なものではございません」

「正因為是你的後繼人才特別。想與你結誼的人,比你想像的還要多得多。」

「貴様の後継だからこそ特別なのよ。貴様と誼(よしみ)を結びたいと考える輩は、貴様が思うより遥かに多いぞ」

面對一臉無奈的靜子,信長想像起接下來將會出現的有趣場景,笑意更深。

呆れ顔の静子に対し、信長はこれから起こる楽しい光景を想像して笑みを深めるのであった。