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戦国小町苦労譚

1579年 四月中旬

雖無須再多述,靜子對信長的忠誠極高。

今更改めて語るまでもないことだが、信長に対する静子の忠誠心は高い。

自她侍奉信長以來始終如一,面對信長數次陷入危機時亦未曾有絲毫動搖。

それは彼女が信長に仕えて以来一貫しており、幾度も訪れた信長の危機に際しても小動(こゆるぎ)すらしなかった。

不僅如此,每當信長陷入險境,靜子總以機智與奇策扭轉局勢,其中最為顯著者便是在三方原之戰粉碎武田信玄野望。

それどころか信長が危機に陥る度に静子の機転や奇策によって大番狂わせを実現しており、その最たるものが武田信玄の野望を挫(くじ)いた三方ヶ原の決戦である。

被譽為戰國最強的武田軍與勢如破竹的織田軍之決戰,是日之本列國之人屏息以待的重大關切。

戦国最強とまで謳(うた)われた武田軍と、飛ぶ鳥を落とす勢いの織田軍との激突は日ノ本中の国人が固唾(かたず)を呑んで見守る一大関心事であった。

多數國人評估織田軍在第二次包圍戰消耗甚多、處於劣勢,然開戰一見,織田僅一場會戰便奪得可決定武田趨勢的勝利。

大半の国人は第二次織田包囲網で消耗した織田軍が劣勢であるとの評価だったが、蓋を開けてみればたった一度の会戦で武田の趨勢(すうせい)を決する程の勝利をもぎ取って見せた。

僅就此一事,便足見靜子立下的戰功無與倫比,然而她從未因功自誇。

この一事だけを見ても静子の上げた戦功は比類なきものだったのだが、彼女が自ら戦功を誇ったことは一度たりともない。

她對功名利祿與出人頭地毫無興趣,在下剋上常見的亂世中仍持續展現罕見的忠誠。

功名心や立身出世に興味を示さず、下剋上が当然の乱世に於いて稀有な忠誠を示し続けている。

此份忠誠屬於靜子個人,至於作為她繼承人的四六是否會像靜子一樣對宗家織田家效忠,尚不得而知。

この忠誠心というのはあくまでも静子自身に帰属するものであり、彼女の後継者たる四六が静子同様に主家たる織田家に忠誠を誓ってくれるかは判らない。

從血統上說四六是信長的直系,但四六自幼在織田家遭受虐待,要說他對宗家抱有好感難以置信。

血筋で言えば信長の直系に当たる四六なのだが、幼少期より織田家にて虐待を受けていた四六が主家に良い感情を抱いているとは信じがたい。

雖有靜子的報告,且信長也時常以暗訪名義親自觀察,但仍難以揣測四六的內心。

静子からの報告や、折に触れてお忍びと称して信長自らが見定めてはいるものの、四六の内心までは推し量れないでいた。

此外,自靜子與近衛前久結為猶子後,靜子及四六在近衛家中的地位變得極為重要。

更には静子が近衛前久と猶子を結んで以来、近衛家に於ける静子及び四六の立ち位置は非常に重要である。

他們不僅作為武家與公家的橋樑,亦負責向缺乏足夠戰力的公家提供軍事支援。

武家と公家との橋渡しは勿論、十分な戦力を持ちえない公家に対する軍事力の提供をも担っている。

在多數武士粗野且缺乏教養的情況下,靜子軍的將士穿著整齊、守紀律,作為守紀的隊伍受到朝廷高度評價。

野蛮で無教養な武士が多いなか、静子軍の将兵たちは身なりも整っており規律を遵守する集団として朝廷からも高く評価されていた。

靜子的影響力不止於軍事方面。

静子の影響力は軍事方面だけにとどまらない。

她自早期便致力於擴充教育與培養技術人才,因此受靜子薰陶的知識分子與技術者多在第一線活躍,且多數對賦予他們知識與技術的靜子感念在心。

早い段階から教育の拡充及び技術者の育成にと腐心してきた結果、静子の薫陶(くんとう)を受けた知識人や技術者たちは多くが第一線で活躍しており、彼らの多くは知識や技術を与えてくれた静子に恩義を感じている。

再加上她積極推廣非直接連動軍事力的技術,這些影響力已擴散至日之本各地。

直接軍事力に直結しない技術に関しては、積極的に広めるようにしていたことも相まってその影響力は日ノ本中へと広がっていた。

由這些人脈編織出的網絡正在以尾張為中心形成巨大的經濟圈,這點本身已開始成為問題。

こうした縁故が紡ぐネットワークによって尾張を中心とした巨大な経済圏を形成しつつあること自体が問題となり始めている。

繼承她那足以讓信長的天下統一提前十年的財產者,無論願不願意,皆可能成為足以顛覆日之本的存在。

信長の天下統一を十年早めたと言わしめる彼女の財産を継承する者は、望むと望まざるに拘わらず日ノ本を転覆し得る存在になってしまう。

目前尚未見四六有危險跡象,但人心易變,不能掉以輕心。

今のところ四六に危険な兆候は見えないが、人間というのは豹変(ひょうへん)しうるものであるため油断できない。

信長與前久採取謹慎態度亦屬情理之中。

信長や前久が慎重な態度になるのも無理からぬことであろう。

正因靜子是極為特殊的存在才得以容許權力與財力的高度集中,而當四六以繼承者身分出面時,這種集中便顯現出來了。

静子という特異な存在だったからこそ許されていた権力・財力の一極集中は、四六が後継者として名乗り出た途端に表出することになってしまった。

「呼……」

「ふぅ……」

信長發出一聲深長的嘆息。那曾在暗處支持他稱霸的力量,如今可能成為籠罩織田一族未來的陰影。

信長の口から深いため息が漏れた。自身の覇道を陰から支えてくれた力が、織田一族の未来に影を落としかねない代物となってしまったのだ。

或許若靜子仍在世便不會出現大問題,但她不在後的情況如何則無從得知。

恐らく静子が存命ならば大きな問題は起こらないだろうが、その先についてはどうなるか判らない。

作為欲成天下人的信長,縱然不求千年盛世,也需考量百年後的國家治理。

天下人たらんとする信長には千年栄華とはゆかずとも、百年先を見据えた国家運営を考える必要があったのだ。

若要簡單解決,可考慮將集中之權力與財力分散給數家。

単純に解決するのならば集中した権力及び財力を幾つかの家に分散することが考えられる。

但分散越多,越難牢牢掌控,且若以削弱忠臣之力為代價,會削弱織田家的向心力,令人難以抉擇。

しかし分散すればするほど手綱を握ることが難しくなり、また二心なく仕えた忠臣の力を削ぐような処遇は織田家に対する求心力を弱める結果となるため悩ましい。

相反若維持權力一極集中,一旦野心家成為當主,便可能使亂世再度回歸。

逆に力の一極集中を許したままにすれば、野心ある人物が当主となった途端に乱世へ逆戻りしてしまう可能性がある。

如此一想,便更能理解靜子何其難得一見。

こう考えると如何に静子が得難い存在であるかが良く解るというものだ。

「呵呵呵。近來殿整天嘆氣,為無解之煩惱而費神實在徒然。」

「ほほほ。近頃の殿はため息ばかりついておいでじゃ、答えの出ない悩みなど考えるだけ無駄でしょう」

「……要說不憂慮也不可能。若四六成為靜子的繼承者,必有不肖之人以為較易操控而現身附從。靜子會把那視為『繼承者的試煉』,除非發生大事否則多半會靜觀其變。」

「……悩むなというのも無理な相談よ。四六が静子の後継者となれば、静子より与しやすいと考える不心得者が必ず現れよう。静子は『それも後継者の試練』として、余程のことがない限り静観するじゃろう」

「『親這個字是站在樹上看來寫的。守望我子成長正是父母的職責』,靜子曾如此說過。」

「『親という字は木の上に立って見ると書きます。我が子の成長を見守ることこそが親の務め』と静子が申しておりました」

「他似乎有低估自己力量的傾向。若四六被抱持野心的國人拉攏,織田的根基恐怕會動搖,這點他不明白。」

「あ奴はどうも己の力を過小評価するきらいがある。四六が野心を抱く国人に取り込まれれば、織田の屋台骨が揺らぎかねぬことを解っておらぬ」

「呵呵呵。我等無意識中依賴殿,因深信殿定會想辦法,故而放任自流吧。」

「ほほほ。殿ならばきっと何とかして下さると信じておるゆえ、無意識に甘えているのでしょう」

如濃姬所指,靜子在無意識間依賴信長。她相信自己力所不能及之處,信長必會想法處理。

濃姫の指摘通り、静子は無意識に信長を頼っているところがある。自分の力が及ばないところは、きっと信長が何とかしてくれるという心理だ。

如信長所言,靜子有低估自己、過度高估信長之力的習性。

信長の言う通り静子は己の力を過小評価し、代わりに信長の力を過大評価する癖がある。

而信長對靜子的信任並非毫無所值,他也為此思慮至深,為未來種種操心不已。

そして信長は静子の信頼を内心満更でもなく考えており、こうして先々のことまで気を回しては頭を悩ませているのだ。

不論如何,尾張已是東國首屈一指的領國,僅純粹石高於十多年內便遠超百萬石,若再計入其他產業與工業,甚至有評稱可達五百萬石的發展。

なんと言っても尾張は既に東国随一の領国であり、この十年余りで純粋な石高だけでも百万石をゆうに超え、その他の産業や工業までをも考慮すれば五百万石とも評される発展を遂げている。

推動如愛知用水般的巨大國家工程,彰顯其權勢;可以說日之本的政治、經濟與文化多自尾張發信,並不為過。

愛知用水という巨大な国家事業を推進していながらもそれだけの権勢を誇っており、日ノ本の政治や経済、文化などは尾張から発信されていると言っても過言ではない。

僅就尾張一國已有如此規模,未來更期望四六能繼承靜子之東國管領之位。

尾張一国だけをとってもこれほどの規模だというのに、ゆくゆくは四六が静子の東国管領の地位をも継承することが期待されている。

即便多麼傑出的人物,周遭不得不感到憂慮也是理所當然。

どれ程の傑物であろうとも、周囲が危惧せざるを得ないのは当然と言えた。

另一方面,因為器是女性,不會繼承家業,所以並未被視為那麼危險。

一方で器については女性であるため、家を継承することがないためそれほど危険視されてはいない。

然而器與四六開始的金融事業已開始嶄露頭角,連器的納婿或出嫁也開始需要考量。

それでも器と四六が始めた金融事業が名を上げ始めており、器の婿取りないし嫁入りについても考える必要が出てきていた。

「聽靜子說打算交給器幾項事業,若掌握金融以及服飾與美容相關領域,對女性社會會造成多大的影響啊……」

「器には幾つか事業を任せる予定だと静子より聞き及んでおりますが、金融及び服飾と美容関係を掌握するということがどれ程女社会に影響を与えることか……」

「這或許是為了讓世間的女人不致於為生計所困,但男人尋求女人是世間的定律,因此會變成龐大的利權,這是自明的吧」

「世に女がいる限り食うには困らぬようにとの配慮なのだろうが、男が女を求めるのは世の定めゆえ巨大な利権になるのは自明よな」

「即便如此,避開農林水產業、醫療、各種工業與技術類,是為了體諒四六吧」

「それでも農林水産業及び医療、各種工業と技術系を避けているのは四六に配慮してのことでしょう」

不論何時,掌握巨大權力者有時會被迫做出冷酷的決斷。因為即便是同血親兄弟,若有必要也會被拋棄,是那個時代的常態,這也是出於作為父母的心,希望女兒單憑一身也能活下去。

いつの世であろうとも、巨大な力を持つ者は冷徹な決断を迫られることがある。それはたとえ血を分けた親兄弟であろうとも、必要ならば見捨てられるのが当然の時代であるため、女の身一つでも生きて行けるようにとの親心だった。

即便有朝一日四六與器分道揚鑣,只要人世仍在經營,器不會挨餓。即便武力奪去事業與財產,器也被培養出能掙錢的「知恵」與「経験」,這是自負。

いつか四六と器が袂(たもと)を分かつことがあっても、人の世が営まれている限り器が飢えることはないだろう。武力によって事業や財産を奪われようとも、器にはそれらを稼ぎ出せる『知恵』と『経験』を積ませたという自負がある。

若織田的治世開始、進入太平之世,單憑器的事務能力就能被視為人人垂涎的人才,這點可以斷言。

織田の治世が始まり、太平の世になれば器の事務能力だけであっても喉から手が出る程に欲しい人材だと断言出来た。

「話說回來,四六的元服究竟何時才成事,真是被大人們的安排牽著走,令人憐憫啊」

「それにしても四六の元服はいつになることやら、大人の都合に振り回されて憐(あわ)れよの」

話雖如此,濃姫卻露出非常愉快的表情。

言葉とは裏腹に濃姫はとても楽しげな表情を浮かべていた。

二月匆忙過去,三月一到春意顯著,雪融比預想早得多地開始了。

二月が慌ただしく過ぎ去り、三月に入ると春の訪れが顕著となり予想よりも遥かに早い雪解けが始まった。

這使得毛利一方的諸將慌了。因為照例道路會被積雪阻斷到四月中旬,他們原本高枕無憂以為停戰會持續到那時。

これに慌てたのが毛利側の諸将たちだ。何せ例年通りならば四月の半ばごろまで積雪によって街道が通行不能となり、それまでは停戦が続くと高を括(くく)っていたからだ。

即便在此嘆息現狀也改變不了雪已開始融化的事實。毛利立刻派出間諜探查秀吉的動向。

ここで現状を嘆いていても雪解けが始まったという事実は変わらない。毛利はすぐさま間者を放つと、秀吉の動向を探る。

雖然雪融比往年早,但有回報稱秀吉已開始積極行動,毛利家因而如蜂窩被戳般大亂。

例年よりも早い雪解けにも拘わらず、既に秀吉は精力的に活動を始めているとの報告が返ってきたため、毛利家は蜂の巣をつついたような騒ぎとなった。

毛利家當主輝元對於見機行事的秀吉,即便是敵人也不得不讚嘆其精彩。

毛利家の当主である輝元(てるもと)は機を見るに敏な秀吉に対し、敵ながら見事と賞賛せずにはいられなかった。

毛利雖非完全安然,但若被問有無鬆懈,不得不承認有些自滿。

毛利としても決して安穏と過ごしていたわけではないのだが、油断がなかったと問われれば慢心を認めざるを得ない。

若落後則須扭轉以免錯失勝機,他們召開軍議討論,採取切斷遠征弱點──補給的策略。

出遅れたならば巻き返しを図らねば勝機を逃すため、彼らは軍議を開いて議論を交わし、遠征の弱点である補給を断つ戦略を採用する。

織田軍的補給路由多種手段保障,要全部摧毀在戰力上困難,於是決定阻斷最顯眼的大量運輸手段──海運。

織田軍の補給路は複数の手段で確保されているため全てを潰すことは戦力的に困難であり、最も目立つ大量輸送手段である海運を止めることとなった。

因為港口等卸貨地點有限,比起陸路更易集中封鎖輸送路線,若將運輸船一艘艘劫奪,還能增加己方儲備,毛利方認為是一舉兩得的戰術。

港という荷揚げ場所が限られるため、陸路よりも遥かに輸送経路を絞りやすく、輸送船ごと強奪すれば自軍の備蓄も増えるという一石二鳥の作戦だと毛利側は考えた。

「織田也不是傻子,肯定預料到我們會想要摧毀海運。那麼就得超出他們的預想才行。」

「織田とて阿呆ではない。我らが海運を潰しにかかることなぞ予想しておるであろう。ならば奴らの想定を上回らねば話にならぬ」

「正是。這招不可能屢試不爽,應該當成只有一次的機會,全軍出擊。若能拉攏村上水軍使我方水軍勢力倍增,即使是織田也無法匹敵。」

「左様。何度も通用する手ではあるまい。一度限りと考えて全軍で当たる必要があろう。村上水軍を取込んで勢いを増した我が水軍ならば、さしもの織田とて敵うまい」

「吝惜是下策,請以毛利水軍全力將織田擊潰!」

「出し惜しみは下策よ、毛利水軍の全力を以て織田めを叩き潰してくれよう!」

毛利方認為是扭轉劣勢的良機,立刻命令編組水軍。

劣勢を挽回する好機と考えた毛利方は、すぐさま水軍の編成を命じた。

為了不讓海上奇襲被警覺,也不忘在陸上對秀吉軍發起小規模衝突,誘導織田軍將注意力轉往陸地。

海上での奇襲を警戒されないよう、陸側でも秀吉軍へと小競り合いを仕掛け、織田軍側の意識が陸地へと向かうよう誘導することも忘れない。

然而秀吉身邊有能看穿這些計謀的智者。雖說襲擊零星,但毛利方在積雪未完全消退前就發起行動,實在不自然。

しかし、秀吉はそれらを見抜く知恵者を抱えていた。散発的とは言え、直接的な攻撃を避けていた毛利方が、積雪が解け切らないうちに仕掛けてくるのはいかにも不自然だった。

而稱為兩兵衛(指竹中半兵衛與黑田官兵衛的兩人)憑著些許違和感與反覆無法獲得戰果的襲擊,識破了這是誘敵之舉。

そして両兵衛(りょうべえ)(竹中半兵衛と黒田官兵衛の二人を指す呼称)は、僅かな違和感と戦果が得られないにも拘わらず繰り返される襲撃に、これが陽動であると看破した。

若此軍事行動是誘敵,兩兵衛判斷真正想轉移織田軍注意力的主力必在別處,便向四方派出間諜。

この軍事行動が陽動であるならば、織田軍の目を逸らしたい本命が他にいるはずだと両兵衛は四方へ間者を放つ。

不久證實毛利方正集結大規模水軍,他們決定反利用此局。

程なくして毛利方が大規模な水軍を編成していることが明らかとなり、彼らはそれを逆手に取ることにする。

「間諜的報告指出,從準備的船數及所載的糧秣與箭矢來看,說不定有以全軍衝撞的打算。」

「間者からの報告によると用意している船の数や、積み込んでいる兵糧及び矢玉から全軍をぶつける気やも知れぬ」

「這應該是要限制我們補給路的企圖。足滿大人所說的『制海権』與『通商破壊』也可能在其視野之中。」

「我らの補給路を制限する目論見でしょうな。足満殿が仰っていた『制海権』と『通商破壊』をも視野に入っている可能性がありますな」

「要盡速將我們的察覺通報給羽柴大人,並假裝置之不理,同時與水軍聯手向敵人要害逼近,策劃攻擊。」

「我らの気付きをいち早く羽柴様にお伝えするとともに、これを見逃す振りをしつつ水軍と連携して奴らの喉笛に迫る献策をせねばなりませぬ」

「是的。首先為了看似上了他們的當,先行編成討伐部隊吧」

「左様。まずは奴らの作戦に引っかかったように見せるため、討伐部隊を編成するとしましょう」

「那麼就由我負責處理陸側。」

「ならば私が陸側の対処に当たるとしよう」

兩人意見一致,決定分成陸、海兩路應對。

二人は互いに意見の一致をみせ、陸と海の二手に分かれて対処に当たることとした。

黑田官兵衛以自己對海軍不熟悉為由,主動請纓處理陸側,竹中半兵衛接受,兩人開始各自行動。

黒田官兵衛は己が海軍について不慣れであることを理由に陸への対処を申し出たため、竹中半兵衛がこれを了承して二人は互いに行動を始める。

由官兵衛率領的陸上討伐部隊追逐毛利方派出的奇襲部隊,持續了一個月。

官兵衛率いる陸の討伐部隊が、毛利側の放った奇襲部隊を追い回してみせること一月(ひとつき)。

到了四月初旬,殘雪將盡之時,事態有了重大動作。

いよいよ残雪も僅かとなった四月初旬に大きくことが動いた。

「今年春天來得早,風平浪靜,是絕佳的海戰好天。水還很冷,但只要不沉就沒問題。」

「今年は春の訪れが早く、波も穏やかな絶好の海戦日和だ。未だ水は冷たいが、沈まねば良いだけのこと」

與往年不同,氣溫升高較快,雪融因而提早,大量冰冷的融雪持續流入海中。

例年と異なり気温の上昇が早く、雪解けもその分早まって大量の冷たい雪解け水が継続的に海へと流れ込んでいる。

因此雖然海水溫度稍低,但除了風吹得很大的日子外,海面仍維持低波且平靜的狀態。

その為やや水温が低いものの風が強く吹く日以外は、波も低く穏やかな状態が続いていた。

在輝元的一聲號令下,毛利方集結了大約六到七百隻小早(比大型安宅船、以及中型關船體積更小的船)形成船團。

毛利方は輝元の号令一下、主力の小早(こはや)(大型の安宅船(あたけぶね)、中型の関船(せきぶね)より小型の船)が六から七百隻ほども集められ船団を形成している。

當時相當於手榴彈的最新兵器焙烙玉也大量集結,打算以壓倒性的手數與火力一舉掃蕩織田的水軍。

この時代の手榴弾に相当する最新兵器の焙烙玉(ほうろくだま)も数多く集められ、圧倒的な手数と火力で織田の水軍を鎧袖一触(がいしゅういっしょく)薙ぎ払う算段であった。

若有如此多的船隻集結,無論如何都會引人注目。但事到如今,毛利一方也沒必要再隱藏船團。

船舶がこれほどまでに集結していれば、否が応でも人目を惹いてしまう。しかし、ことがここに至れば毛利側にも船団を隠しておく意味が無い。

因為他們已掌握消息:織田軍的大規模輸送船團正停靠在土佐(現在的高知縣)港口,不久後會經瀨戶內海將物資運上陸地。

何故ならば織田軍の大規模輸送船団が土佐(現在の高知県)の港を訪れており、ほどなく瀬戸内海を通じて陸へと物資を運び込むことを掴んだからだ。

就勢力範圍而言,織田軍的船團只能繞行四國東路進入瀨戶內海,毛利只要先行部署船團埋伏即可取得地理上的優勢。

支配地域的に織田軍の船団は四国を東周りのルートで回り込んで瀬戸内海へ入るしかなく、毛利としては先に船団を展開して待ち構えるだけで地理的優位を取れるのだ。

兩兵衛還在故作落入毛利計謀的樣子,陸上的小摩擦也完全靜了下來。

両兵衛は毛利の策略にはまった振りを続けており、陸上での小競り合いはすっかり鳴りを潜めていた。

毛利方見狀便大舉展開小早,形成宛如鶴翼陣般包圍敵人的配置。

これに気を良くした毛利方は小早を広く展開させ、まるで鶴翼(かくよく)の陣かのように敵を包囲する配置をとる。

面對此局,織田的九鬼水軍只好縱列前進,九鬼構想的是讓敵人自四面八方攻來然後各個擊破的未來圖景。

これに対する織田の九鬼水軍は縦列で進軍せざるを得ず、四方八方から攻撃を受けて各個撃破されてしまうという未来を思い描いていた。

在雙方都自覺已經出其不意、士氣高昂的四月十六日,兩軍終於在瀨戶內海發生激烈衝突。

双方が互いに相手を出し抜いたと考えて戦意が高まった四月十六日、遂に両軍が瀬戸内海にて激突することになる。

「咯咯咯,那些傢伙定是在高興我們落入圈套。看他們那副從容的樣子變得面色蒼白,真讓人期待」

「くくく、奴らめ我らを出し抜けたと喜んでおろう。その余裕ぶった面が蒼白に変わるのが楽しみでならぬ」

那日幾乎無風,海面如同平靜的靜水。率領九鬼水軍的大將九鬼嘉隆把手中的雙筒望遠鏡收入懷中,仰望晴朗的天空。

この日は風がほとんど吹かず、波も凪いだように穏やかだった。九鬼水軍を率いる大将たる九鬼嘉隆(よしたか)は、手にした双眼鏡を懐にしまうと良く晴れた天を仰ぎ見る。

為了這天他們進行了嚴格訓練,並熟悉新型軍船的航行;既然成果要在今日接受檢驗,他的激昂情緒可想而知。

この日の為に厳しい訓練を続け、新しい軍船の慣熟航行に取り組んできたのだ。その成果が今日試されるとなれば、彼の高ぶりようも理解できるというものだ。

嘉隆的高昂情緒蔓延開來,配下的船員們也個個士氣高昂。

嘉隆の高揚は周囲に伝播してゆき、配下たる船員たちも気炎を吐いている。

「今日天氣晴朗,海面平靜。得報發現敵船團,擊滅之!傳令!」

「本日天気明朗にして海は凪(なぎ)。敵船団発見の報に際し、之を撃滅せん! 送れ!」

嘉隆朝傳聲管大聲喊出這句話,並命令使用僅搭載於旗艦的電信裝置回報情況。

嘉隆は伝声管に向かってそう叫ぶと、旗艦にのみ搭載されている電信装置での報告を命じた。

這裝置不同於實現固定式電話的電報機,而是可以以電池運作的小型通訊器,能收發摩爾斯電碼。

これは固定式の電話を実現する電信装置とは異なり、電池での運用が可能な小型通信装置であり、モールス信号を送受信するものだ。

當然傳送對象是陸上紮營的秀吉軍,負責當場接收並解碼後向秀吉通報的,是以電信技師身份從軍的藤堂高虎。

勿論送信先は陸上にて陣を構えている秀吉軍であり、そこに電信技師として従軍している藤堂高虎が受信して解読の後、秀吉へと通達された。

「你們都給我聽清楚!他們以為如預期般能誘我入圈並痛打我們而掉以輕心。就要讓他們那虛妄的夢想被一拳敲醒!」

「お前らよく聞け! 奴らは狙い通り我らを誘い込んで袋叩きに出来ると油断しておる。それが如何に儚い夢であるか、横っ面に拳を叩きこんで目を覚ましてやろうぞ!」

「是!」

「はっ!」

隨著嘉隆的號令,船員們奔上甲板各就各位。

嘉隆の号令と共に船員たちは甲板を走ってそれぞれの配置へと付いた。

從勢力分布看,淡路島以東的海域為織田軍所控制,而淡路島以西則為毛利一方佔優。

互いの勢力図として淡路島以東の海域は織田軍の支配下にあるのだが、淡路島以西は毛利側が優勢となっている。

因此織田軍在淡路島以東的神戶港卸載物資,再以陸路運往各陸上據點。

このため織田軍は淡路島以東の神戸港にて物資の積み下ろしを行っており、そこから陸路にて各陸上拠点へと運搬していた。

擁有大軍的毛利水軍已越過淡路島與本州之間形成的明石海峽展開船團,九鬼水軍若不處理此事,便無法安心靠泊神戶港。

大軍を擁した毛利水軍は淡路島と本州が作る明石海峡を越えて船団を展開しており、九鬼水軍はこれを対処しない限り安心して神戸港へと寄港出来ない状況となっている。

至今技術較弱的毛利方一直避免在有補給與支援之母港附近作戰而苦無攻勢,但今日卻企圖攻取神戶港發動進攻。

今までは技術力で劣る毛利側が、補給及び支援が可能な母港付近での戦闘を嫌って攻めあぐねていたのだが、今日は神戸港奪取をも目論んで攻め込んできていた。

對此九鬼水軍採取了異常的陣形。

これに対する九鬼水軍は異様な陣形を取っていた。

通常縱列單縱陣時,作為旗艦的主力艦會配置於中央附近。

通常であれば縦一列に船を並べる単縦陣ならば、旗艦となる主力艦は中央付近に配置される。

位於最前端的船最先與敵艦隊接觸,為了避免成為集中火力的目標,作為指揮塔的旗艦通常會被置於後方,並由腳程快的高速艦置於前頭。

先頭に位置する船が真っ先に敵艦隊と接敵することになり、集中砲火を浴びるため司令塔でもある旗艦は後方に配して脚の速い高速艦を先頭に据えるのだ。

然而那日嘉隆採取的戰略,公然違背常規,要把旗艦置於最前端,出人意表。

しかし、この日嘉隆が取った戦略は、定石を真っ向から無視した旗艦を先頭に据えるという常識外のものだった。

新造的九鬼水軍旗艦名為『日輪丸』,是一艘超越舊旗艦『日本丸』的大型鐵甲艦。

新造された九鬼水軍の旗艦は号して『日輪(にちりん)丸』、今までの旗艦『日本丸』を超える大型の鉄甲船となる。

與毛利水軍的主力小早相比,這艘巨大艦甚至超過三倍之巨,與最大型的安宅船相比也有兩倍以上的體積。

毛利水軍の主力たる小早と比べれば三倍以上に達する巨大艦であり、最も大型の安宅船と比べても倍以上の大きさを誇っていた。

被厚重裝甲板覆蓋的艦身逼近時,彷彿一座黑鐵城池衝鋒而來,毛利水軍的水手們被其氣勢壓倒。

重厚な装甲版で覆われた船体が迫ってくる様子は、まるで黒鉄(くろがね)の城が突き進んでくるようであり、毛利水軍の水夫たちは圧倒されてしまう。

更令他們目瞪口呆的是,這艘不可思議般巨大的旗艦竟以驚人的速度逼近。

更に彼らの度肝を抜いたのは、そのあり得ない程に巨大な旗艦が恐ろしい速度で迫ってくることだった。

如前所述,今日幾乎無風,張起的帆明顯無法受風前進。

前述したように本日は風が殆ど吹いておらず、張られた帆が風を受けていないことは明白だ。

儘管如此,日輪丸及其船團如滑行般掀起白浪猛進的姿態,令毛利水軍不知發生何事而陷入混亂。

それにも拘わらず海上を滑るように白波を立てて猛進してくる日輪丸及びその船団の姿に、毛利水軍は何が起こっているのか判らず混乱に陥った。

就在那時,鶴翼陣根本處──配置最密集、船隻最多的地帶──竄出了一柱火焰。

そんな最中(さなか)に鶴翼の陣の根本、最も多くの船が配置され厚みがある箇所で火柱が上がった。

以數量優勢包圍並壓倒敵人的鶴翼陣,其特性使得一旦從後方被突襲,原本的包圍陣形反而成了處理上的阻礙,需耗費大量時間應對。

数の優位を背景に敵を包囲して圧倒する鶴翼の陣は、その性質上背後を突かれると途端に包囲陣形が仇となって対処に時間を要する。

那是接受秀吉軍請求的明智光秀所率領的大砲部隊,從陸上對艦艇發起的砲擊。

それは秀吉軍の要請を受けた明智光秀の大砲部隊による陸上からの対艦砲撃であった。

在兩兵衛的配合下,先排除陸上敵兵的展開,然後對預期會突破明石海峽的毛利水軍給予致命一擊。

これは両兵衛の手によって陸上での敵兵の展開を排除し、毛利水軍の明石海峡突破を読んだ上での痛撃だった。

原本彈藥數量就有限的大砲部隊被迫執行這一臨時的軍事行動,因此支援砲擊僅有一次齊射,但那一擊的威力極大。

元より弾数の限られた大砲部隊に無理を言って予定外の軍事行動に駆り出したため、支援砲撃は一斉射のみであったのだがその一撃は大きかった。

從未預料到遭到陸地炮擊的小早艇以及其附近的船隻陷入恐慌,開始四處亂竄。

予想していなかった陸上から砲撃を受けた小早と、その付近の船々はパニックに陥って迷走し始める。

炮擊引燃了載運的焙烙玉,引起火勢,加上密集編排成了禍根,起火的小早艇互相撞擊,火勢蔓延到其他船隻。

砲撃によって積んでいた焙烙玉に引火して火の手が上がり、更には密集していたことも仇となって炎上した小早が他の小早とぶつかり、火の手が他の船へと移っていく。

「你們在幹什麼,快把火熄了!」

「何をしておる、 早く火を消さぬか!」

起火的小早艇瘋狂衝撞之際,怒極的毛利水軍武將大聲喝叫。

炎上した小早が死の狂走を見せるなか、業を煮やした毛利水軍の武将が叫ぶ。

乘著混亂突進的,是以驚人速度拉近距離的九鬼水軍『日輪丸』,它突如噴出火舌。

そんな混乱に乗じて、驚異的な速度で距離を詰めてきていた九鬼水軍の日輪丸が突如として火を噴いた。

乍看之下『日輪丸』似乎沒有武裝,但那僅限於艦首與艦尾,兩側舷側排列著一排排砲門,這些砲門齊發了。

一見すると武装していないように見える日輪丸だが、それは船首及び船尾に限った話であり、舷側にはずらりと砲門がならべられており、それらが一斉に火を噴いたのだ。

被陸上炮火擊中的只有鶴翼陣的中央部,左右翼如同原先預定般拉近距離包抄九鬼水軍,反倒遭到反擊。

陸上からの砲火を受けたのは鶴翼の陣中央部だけであり、両腕部分は当初の予定通り九鬼水軍を包みこむように距離を詰めていたところへ逆撃を受けた形となる。

緊跟日輪丸的九鬼水軍船團雖不及其一,但各艦亦裝有數門艦砲,見機發射,連續炮轟。

日輪丸に続く九鬼水軍の船団も、日輪丸には劣るがそれぞれに数門の艦載砲を積んでおり、それぞれが当たるを幸いに砲撃を繰り返す。

即便混亂至極,果然是老練的毛利水軍,他們即興重組小隊並開始反擊。

そんな混迷の極致にあっても流石は熟練の毛利水軍というべきか、即興でそれぞれに小集団を構成しなおすと反撃を開始した。

然而可悲的是雙方船體尺寸差異太大。寶貝般的焙烙玉射程不足以越過乾舷(從水面到甲板的垂直距離),頂多在漆黑的裝甲上留下焦痕。

しかし、哀しいかな互いの船体のサイズが違い過ぎた。虎の子の焙烙玉は乾舷(かんげん)(水面から甲板までの垂直距離)を越えられず、漆黒の装甲に焦げ跡を残すのが精々だ。

發射火矢也同樣被裝甲板擋住,無法發揮作用,縱然幸運擊中甲板,也未見起火跡象。

火矢を放つも同様に装甲板に阻まれて効果を上げられず、運よく甲板まで届いたとしても火の手が上がる様子は見られない。

反倒九鬼水軍的砲火,加上毛利一方數量眾多,縱不精準也容易命中,接連擊沉毛利的多艘小早。

逆に九鬼水軍側の砲撃は毛利側の数が多いこともあいまって、狙いを付けずとも容易に命中して次々と毛利水軍の小早を沈めていった。

嘉隆見狀大喜,彷彿從鶴翼陣中扯下了翼,掀開傳聲管蓋大聲下令。

鶴翼の陣系から両翼をもぎ取った形となったことに気を良くした嘉隆は、伝声管の蓋を押し開けて大声で命じる。

「機關全開!全速前進!!」

「機関全開! 全速前進だ!!」

「是!」

「はっ!」

嘉隆的部下大聲回應後,位於帆桅上端稱為信號檣的瞭望樓開始揮動紅白手旗。

嘉隆の言葉を受けた部下が大きな声で返事をすると、信号檣(しょう)と呼ばれる帆柱上部の物見櫓で紅白の手旗を振り始める。

手旗信號相互呼應傳達,九鬼水軍船團一舉加速直進。

こうして呼応するように手旗信号が伝達され、九鬼水軍の船団は一気に速度を上げて直進した。

如前所述,日輪丸的兵裝集中在兩側舷側,艦首方向看似毫無武裝。

前にも述べたように日輪丸の兵装は両側の舷側についており、船首方向には一切の武装が存在しないかのように思われた。

然而,當日輪丸提速、艦首因水阻而微微抬起時,隱藏於水下的武裝便展露無遺。

しかし、日輪丸の速度が上がり船首が水の抵抗を受けて若干持ち上がると水面下に隠されていた兵装が明らかになる。

以日輪丸為首的一隊在不減速下衝入鶴翼陣中央,猶如長槍貫穿獵物一般穿透而過。

そして日輪丸を先頭とした一団は鶴翼の陣中央部へと速度を落とさないまま突き進み、一本の槍が獲物を貫くかのように突き抜けた。

「嘎哈哈哈!果然是日輪丸,像割草般將敵人踢散。」

「がはははは! 流石は日輪丸よ、面白いように蹴散らせる」

日輪丸以此時代船舶難以置信的速度衝進,把逐漸露出水面的衝角當作長槍槍尖般撞向敵方船團。

日輪丸はこの時代の船舶にはあり得ない速度で突き進み、水面へと姿を現し始めた衝角(しょうかく)を槍の穂先に見立てるようにして敵の船団へと激突した。

被質量龐大且披覆堅固鋼鐵裝甲、搭載往復式蒸汽引擎的最新型日輪丸撞上的毛利軍船,毫無反抗之力被碾壓粉碎。

巨大船の圧倒的質量及び、頑丈な鋼鉄の装甲板に鎧(よろ)われた船体を持ち、レシプロ型蒸気エンジンを備えた最新型の日輪丸に体当たりされた毛利水軍の軍船は呆気なく轢き潰される。

先不論只是木造的小早艇與大型鐵甲艦的本體重量相差懸殊,被高速垂直撞擊後小早艇船體撕裂是理所當然的結果。

まず単なる木造船の小早と大型の鉄甲船ではそもそもの重量が違い過ぎる上に、高速で垂直にぶつかられたのだから小早の船体が裂けてしまうのは当然の帰結だ。

我們平時見到的船大致可分兩類:以構成船體的構件浮力支撐的筏,以及另一種靠船體結構所排開水量所產生浮力而浮起的船舶。

我々が普段目にする船は大きく分けて二種類あり、その船体を構成する部材の浮力によって浮かんでいるのが筏(いかだ)であり、もう一つの船舶は船体の構造によって押しのけた水の分だけ浮力を受けて浮かんでいる。

小早顯然屬於後者──若船體裂開進水,便無法維持浮力而沉沒。

当然ながら小早は船舶であり、船体が裂けてそこから水が浸水すれば浮力を保っていられずに沈んでしまうのだ。

「話說那蒸汽引擎實在驚人,這龐然巨體拍起浪頭前進的景象令人敬畏。」

「それにしても蒸気えんじんとやらは凄まじいものですね。この巨体が波を蹴立てて進む様には圧倒されまする」

搭載於日輪丸的往復式蒸汽引擎,是一種外燃機械,取代傳統小型高速艇所用的斯特林引擎,實現更大出力。

日輪丸に搭載されているレシプロ型蒸気エンジンとは、従来の小型高速艇が搭載していたスターリングエンジンに変わる大出力を実現した外燃機関の一種である。

詳情略過,簡而言之以燃料生火將鍋爐中的水轉為蒸汽,靠蒸汽壓力驅動活塞往復運動(往復式)。

詳細については割愛するが、燃料によって火を起こしボイラーの水を水蒸気へと変え、その蒸気の圧力によってピストンの往復運動(レシプロ)を行う。

再由稱為飛輪的裝置將往復運動轉為旋轉運動,藉由該旋轉驅動水下螺旋槳以獲得推進力。

それをフライホイール(弾み車)と呼ばれる装置によって回転運動へと変換し、その回転運動で水中のスクリューを回すことによって推進力を得ている。

燃料使用在伊勢國開採的煤,船艙內想必還有水手持續將煤投進炙熱的火室。

燃料には伊勢(いせ)国で採掘された石炭が用いられ、船の機関室では今も灼熱の火室へと水夫たちが燃料を投じ続けているだろう。

由於已能從原油精製出輕油與重油等液態燃料,現正推進柴油機的開發,但目前尚無能耐受爆炸性燃燒的足夠零件。

液体燃料として原油から軽油及び重油を精製できるようになったため、現在はディーゼル機関の開発が進められているのだが、爆発を伴う燃焼に耐えるだけの部品が準備できていないのが現状だ。

「呀!那種怪物怎麼能對付得了!」

「ひぃ!  あんな化物を相手に出来るか!」

焙烙玉與火矢都無效,連撞擊後的尾波都能損壞毛利的小早,士兵們陷入恐慌。

焙烙玉も火矢も通じない上に、体当たりは当然としてその余波である引き波ですら毛利水軍の小早を損壊させる様子に兵士たちは恐慌に陥った。

群體的統率已完全喪失,各自紛紛逃竄形成塞車,又遭炮擊四散,情況宛如地獄。

もはや集団としての統率を完全に喪失しており、それぞれが個々に逃げ出そうとして渋滞を作っては砲撃を受けて爆散する様は地獄のようだ。

就這樣毛利水軍的陣形瓦解,貫穿其間的九鬼一隊因高速航行反而遠離到天邊。

こうして毛利水軍の陣形は崩壊し、それを貫いた九鬼水軍の一団はその高速航行が仇となって遥か彼方まで遠ざかって行った。

他們減速轉舵繞大圈返回,將船團的側翼暴露於毛利水軍面前。

そのまま速度を落としつつぐるりと転回しながら大きく回りこむように戻ってくると、その船団の横っ腹を毛利水軍たちに晒す。

多數毛利水軍在陣法被打亂後四散逃竄,仍有無法順利逃脫的船隻糾成一團。

毛利水軍の多くは算を乱して方々へと逃げ始めているが、それでも思うように逃げられない船々が団子状になっている。

「好了,大局已定,但中央附近還有載有要員的強力小早。乘此良機將其擊沉吧!」

「さて、大勢は決したが中央付近には有力な将兵を乗せた小早がおろう。この機会に沈めてくれようぞ!」

「應!!」

「応!!」

在九鬼水軍的追擊下,毛利水軍徹底潰散。就這樣在上午八時整開始的會戰,還未等到傍晚便決出勝負。

九鬼水軍の追撃によって毛利水軍は完全に潰走する。こうして午前八時丁度に始まった会戦は、夕暮れを待たずして雌雄を決することとなった。

儘管九鬼水軍自始至終佔據優勢,但並非毫髮無傷,旗艦日輪丸受到衝角攻擊的衝擊及焙烙玉的集中攻擊,船體需進行修理。

終始九鬼水軍が優勢に進めていたものの無傷とはゆかず、旗艦の日輪丸は衝角アタックの衝撃及び焙烙玉の集中攻撃を受けたことにより船体の修理が必要となる。

另一方面,執行突擊的高速船隊雖然全艦平安,但護衛載有物資輸送艦的九鬼水軍小早與關船,與鶴翼陣兩翼的殘黨交戰,損失近二百隻。

また突撃を敢行した船団を構成していた高速船達は全艦無事であったものの、物資を積載した輸送艦を護衛していた九鬼水軍側の小早や関船は、鶴翼の陣両翼の残党と交戦して二百隻近くを失った。

毛利水軍方面主力的七百隻小早中,竟失去超過七成的五百隻,其餘船隻四散逃逸,許多下落不明。

一方毛利水軍側は主力の小早七百隻のうち実に七割を超える五百隻を失い、残る船々は散り散りに逃げたため行方の判らないものも多い有様だ。

在此戰遭受毀滅性損害的毛利水軍,已無力展開作戰,被迫放棄淡路島以西的制海權。

この一戦によって壊滅的な損害を被った毛利水軍は、最早作戦行動を起こせるような戦力はなく、これによって淡路島以西の制海権を放棄せざるを得なくなる。

就此織田軍所控制的港口增至明石港與姬路港,藉由進一步促進物流將毛利逼至絕境。

こうして織田軍の支配する港は明石港及び姫路港へと数を増やし、更なる物流の促進によって毛利を追い詰めることとなった。

因海戰失利而喪失對瀨戶內海的掌控,四國落入長宗我部之手。

海戦に敗れたことで瀬戸内海の支配を奪われ、四国は長宗我部の手に落ちた。

此一消息不久便傳遍日之本,九州的親毛利國人也將不得不改變方針。

この一報は程なくして日ノ本を駆け巡り、九州に於ける親毛利派の国人たちもその方針を変えざるを得なくなるだろう。

就這樣以此日為界,毛利被迫在對織田採取敵對或臣服之間做出抉擇。

こうしてこの日を境に毛利は織田に対して敵対するか臣従するかの決断を迫られることとなる。