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戦国小町苦労譚

對食物的執著

靜子宅供應的飯菜品質,可以說是日本第一也不為過。

静子邸で提供される食事の質は、日ノ本一といっても過言ではない。

主食尾張米在口感上有著明顯的差異,能吃到剛煮好的新米,光這一點就已是美味宴饗。

主食の尾張米は食味に於いて一線を画しており、新米の炊き立てを腹一杯食べられるだけでも御馳走だ。

在靜子宅,即便是女僕也能一日三餐,至少能吃到白米、味噌湯、主菜與漬物這樣的一汁一菜(漬物稱為「香の物」,不算作菜)。

静子邸に於いては下女に至るまで一日三食、最低でも白米、味噌汁、主菜、漬物の一汁一菜(漬物は『香の物』となり、菜に含まれない)が食べられる。

織田領以外的庶民仍多為一日兩餐,主食是以玄米摻入粟、黍等雜糧增量的雜粥,咬著用米糠、鹽、水做成的糠床醃的漬物,並喝用此糠床溶於熱湯的糠味噌湯,這已是他們能享受的全部了。

織田領以外の庶民は未だに一日二食、玄米に稗(ひえ)や粟(あわ)などの雑穀を混ぜて嵩増(かさま)しした雑炊を主食に、米糠(こめぬか)と塩、水で糠床を作って野菜をつけた漬物を齧(かじ)り、この糠床を湯に溶いた糠味噌汁を啜(すす)るのが精々なのだ。

這種糠味噌湯由於材料中不含大豆,鮮味幾乎沒有,又因發酵而帶酸,味道並不可口。

この糠味噌汁は材料に大豆が含まれていないことからも判るように、旨みが殆どない上に発酵しているために酸っぱいという代物だ。

另一方面,靜子宅所供的味噌汁使用以大豆、米和鹽為原料釀造的味噌,加上熬出的出汁,做出來的味噌湯與現代的品質不相上下。

一方の静子邸で供される味噌汁は大豆と米、塩を原料に醸造して作られた味噌を用い、出汁を取って作られるため現代のそれと遜色(そんしょく)のない一品となる。

理所當然地,地位越高餐食也越豐盛。基本是一汁三菜:白米、味噌湯、主菜、兩道副菜加漬物,情況允許時還會附上餐後甜點。

当然ながら地位が上がる程に食事内容も格上げされる。白米、味噌汁、主菜、副菜二品に漬物の一汁三菜が基本となり、場合によっては食後のデザートまでもが付属する。

「今天的晚餐是クエ鍋,有沒有想要一起準備的東西?」

「今日の夕餉(ゆうげ)はクエ鍋なんだって、何か一緒に欲しいものはある?」

今日捕撈上來的一尾巨大クエ被獻上,見到靜子宅裡多是大食漢,料理人便把它拿來做成鍋,讓大家都能吃飽滿足。

本日水揚げされた巨大なクエが献上され、大食漢が多い静子邸の面々を見た料理人は、皆が満足できるよう鍋にしたてたのだ。

「酒!」

「酒!」

「白飯多一點!」

「大盛りの飯!」

對於靜子的詢問,慶次和長可立刻回答道。

静子の問いに対して慶次と長可が即座に返答した。

クエ在現代也是名貴魚類,而在戰國時代更顯得稀有珍貴。

現代に於いても高級魚として知られるクエだが、戦国時代に於いては尚のこと貴重である。

以海底岩礁為巢居的根魚クエ,只能靠單釣或等待刺網捕到,因此極少能獲得。

海底の岩礁(がんしょう)などを棲み家とする根魚のクエは、一本釣りか刺し網に掛かるのを待つしかないため滅多に手に入らないのだ。

此外,クエ也以生長緩慢聞名,要長到一公尺以上據說需耗費五年以上。

またクエは非常に成長の遅い魚としても知られ、1メートルものサイズに達するには五年以上掛かると言われている。

現代雖有養殖技術,價格較為親民,但天然的クエ每公斤單價破萬也屢見不鮮,是頂級奢華的魚類。

現代では養殖技術が確立され、多少安価で提供されているものの、天然ものに至ってはキロ単価が一万円超となることもザラにある超高級魚なのだ。

那樣的クエ外表看似詭異,卻是白肉魚卻帶有強烈鮮味,皮下的膠質受熱後會融化成入口即化的極品滋味。

そんなクエはグロテスクな外見とは裏腹に、白身だというのに強い旨みを持ち、皮目のゼラチン質は熱を通すとトロリとろけて極上の味わいとなる。

把クエ連骨切塊燉煮的鍋,從魚身與魚骨滲出的出汁與蔬菜的鮮味交織,令饕客也要讚嘆不已。

そしてクエの身を骨ごとぶつ切りにして煮込んだ鍋は、身と骨からしみ出す出汁が野菜の旨みと絡み合い食通を唸らせる絶品だ。

「酒和白飯多盛一點。勝藏君,鍋的收尾會有雜炊,你在那之前會吃飯嗎?」

「お酒とご飯大盛りね。勝蔵君、お鍋の締めには雑炊があるんだけど、それまでにご飯食べるの?」

「當然!雜炊是另腹,趁那之前我要把整個飯櫃吃光!」

「勿論だ! 雑炊は別腹だから、それまでに櫃(ひつ)一杯は食うぞ!」

「是、是嗎……」

「そ、そうなんだ……」

雖然對年輕的長可那等大胃有點驚訝,靜子還是命人除了平常的飯外再多準備幾個飯櫃。

若い長可の健啖ぶりに少し引きつつも、静子は通常のご飯の他に追加でお櫃を幾つか用意するよう命じる。

「這次是確實送到並料理了,別像ノドグロ那次鬧出騷動,饒了我吧?」

「今回はちゃんと届いて料理しているから、ノドグロの時みたいな騒動は勘弁だよ?」

ノドグロ的正式名叫アカムツ,是以紅色體色被稱作的ムツ之一。

ノドグロとは正式名称をアカムツと言い、赤い体色をしたムツとして名付けられた。

日語裡的ムツ有油膩的意涵,衍生出「むつっこい」之說,アカムツ因此是極為肥美的魚。

ムツとは脂っこいことを指して「むつっこい」と言うことから、アカムツは非常に脂の乗った魚である。

順帶一提,被稱為ムツ的クロムツ和アカムツ在生物學分類上屬完全不同的魚類,外觀雖相似但並非近親。

因みにムツとして知られるクロムツと、アカムツは生物学上の分類としてまったく異なる魚であり、外見は似ているものの近縁種ではない。

ノドグロ棲息於水深約二百公尺的深海,因此比クエ更稀少,捕獲量極少,珍貴程度更甚。

ノドグロは水深二百メートル付近に生息する深海魚であるため、クエに輪をかけて漁獲量が少なく希少性が高くなる。

雖以秋到春為旬,但全年味道不衰,體型良好的ノドグロ常以高價交易。

秋から春にかけてを旬とするものの一年を通して味が落ちず、型の良いノドグロは高値で取引されていた。

「放心吧,對這裡送來的獻上品動手會怎樣你們應該還記得吧?要是忘了,就讓你們想起來!」

「安心しろ、ここに届く献上品に手を出した奴がどうなるかぐらい覚えているだろう? 忘れたようなら、思い出させてやるまでよ!」

「臭味與景觀的投訴多到不可勝數,真希望別再來一次了」

「悪臭とか景観に対する苦情とかが山ほど来たんだから、本当にやめてよね」

所謂ノドグロ那次的騷動,是指獻給靜子的ノドグロ在運送途中遭劫,長可為報復所施行的慘烈懲罰。

ノドグロの時の騒動とは、静子へと献上されたノドグロを輸送途中に強奪され、その報復に長可が行った凄惨な制裁を指す。

為了讓再沒有人敢心生歪念,擒獲犯黨後在刑場上施以殘酷的公開拷問,並把屍體曝屍示眾直到腐爛殆盡。

二度と馬鹿なことを企てる奴が出ないよう、犯人一味を捕らえた後に刑場で苛烈な公開拷問(ごうもん)を行い、その死骸が腐り果てるまで野晒しとしたのだ。

由於是獻上之物,會事先派人通報,目錄先抵達也是讓長可抱有期待不足為奇的緣由。

献上品であるがために先触れが遣わされており、目録が先に到着していたことから長可が期待してしまったのも無理はない。

然而,運送這批獻上品的貨驢隊在進入尾張前不久便不知去向。

しかし、この献上品を運搬している荷駄の行方が尾張に入る直前に判らなくなってしまう。

起初以為是發生意外,便派出搜索隊,但現場留下了爭鬥的痕跡,判定是遭遇強盜襲擊。

当初は事故にでもあったのかと捜索隊を派遣したのだが、その際に争ったような痕跡が残されていたため強盗の襲撃を受けたと判明した。

靜子對於失去的貨物雖無可奈何,但命人搜尋是否有從襲擊中逃生的人。

静子としては積み荷について仕方がないと諦め、襲撃から逃げ延びた人がいないかを捜索するように命じる。

然而,不是所有人都就此罷休。

しかし、それで済まなかった連中がいた。

被靜子描述成幻之美味的魚一直挑動長可的心,他滿臉怒色如同怒髮衝天般一躍而出奔去。

静子に幻の旨い魚と焚きつけられていた長可は、怒髪天(どはつてん)を衝(つ)くかの様な形相(ぎょうそう)で駆け出していく。

結果強盜們被殲滅,隨後的公開處刑使那些惡徒震懾不已。

結果として強盗達は壊滅し、その後の公開処刑によってならず者どもは震えあがることになった。

「常說食物的仇恨可怕……但這也太過了。雖然沒吃到ノドグロ,但我已經準備好鰤魚鹽燒替代了」

「食べ物の恨みは恐ろしいと言うけれど……流石にやりすぎだよ。ノドグロは食べ損ねたけれど、代わりに鰤の塩焼きを用意したんだから」

為報復而拋下晚餐出門的長可與慶次通宵山中搜捕,所以只能靠隨身乾糧填飽肚子。

夕餉を放り出して報復に赴いた長可や慶次は、夜通し山狩りをしていたために携帯食で腹を満たすこととなった。

「也沒辦法……我根本不知道世上會有這麼美味的東西。我之前以為飯只要能填飽就好,都是靜子把我寵壞了」

「仕方がないだろう……こんなにも旨いものがこの世にあるなんて知らなかったんだ。飯なんか腹を満たせれば良いと思っていたのに、旨い飯を食わせた静子が悪い」

「我本意是讓大家都不挨餓地過日子,並不是要教勝藏君追求美食的」

「皆が飢えずに暮らせるよう心を砕いてきたつもりだけど、勝蔵君に美食を勧めたつもりはないよ」

「你是傻嗎!吃一次尾張的米就知道,別處的米臭得吃不下去!酒和下酒菜也是,除了這裡我再也吃不下別處的東西,這不叫美食還叫什麼」

「阿呆(あほう)か! 一度尾張の米を食ってみろ、他領(よそ)の米なんぞ臭くて食えんわ! 酒にしても肴にしても、ここ以外では満足できぬ体になったのを美食と言わずになんとする」

長可的反駁每句都有道理,但把責任歸咎於靜子實在不公平。

長可の反論はいちいち尤(もっと)もなのだが、それで静子を責めるのは酷というものだろう。

她只是一心一意想讓大家過得更好,結果付出努力讓他們生活更豐裕罷了。

彼女はただ只管(ひたすら)に良かれと思い、皆がもっと豊かな生活を送れるように努力した結果なのだ。

「勝藏,別再說了。我知道靜子沒惡意,但我們已經吃慣了這等美味,聽說還有更厲害的,誰能安分得住啊」

「勝蔵、そのへんにしておけ。静っちに悪気がないのは重々承知しているが、これだけ旨いもの食い慣れた俺たちをして更なる美味と聞いては居ても立っても居られんよ」

「嗯……話是這麼說。不過因為食物的事而有人喪命,真的很悲哀」

「むむ……それは確かにそうだけれど。食べ物が関わることで人の命が失われるのは悲しいよ」

「那些盜賊為私欲殺害了無辜的運送人。若不誅戮便沒法立威。這絕非只是為了找回被奪的ノドグロ而生氣」

「盗賊たちは我欲の為に何の罪もない運搬人を殺(あや)めたんだ。それを誅戮(ちゅうりく)しないのでは示しが付かない。決してノドグロを奪われた腹いせでは無い」

慶次的理由也有其道理,但難免讓人覺得裡頭摻雜了私怨。

慶次の理屈にも一理あるのだが、多分に私怨が含まれているように思えてならない。

鄰國有個故事成語叫做『羊斟之恨』。

隣国には『羊斟(ようしん)の恨(うら)み』という故事成語が存在する。

春秋時代曾有個手下因為唯一沒被給予宴饗而心生怨恨,最後向主君復仇的故事。

春秋時代に於いて一人だけ御馳走を与えられなかった部下が、それを恨みに主君へ復讐をする話だ。

對於食物引發的怨恨之可怕,靜子也感到身心警醒。

かくも食べる物に関する恨みは恐ろしい、静子としても身が引き締まる思いであった。