戦国小町苦労譚
過錯的代價
靜子帶到日ノ本的大海雀無法適應尾張的環境,數量遲遲無法增加。
静子が日ノ本へと持ち込んだオオウミガラスは尾張の環境に適応できず、その数はなかなか増えない。
外觀與生物學上都類似企鵝,所以以為在小冰河期的日ノ本應該能夠飼養,結果想得太天真。
外見的にも生物学的にもペンギンに似ていることから、小氷河期の日ノ本ならば飼育できるだろうと考えたのだが甘かった。
飼育方法無法確立,只能日復一日地反覆試驗錯誤。
飼育方法を確立できず、試行錯誤を繰り返す日々だ。
一開始因為無法準備海水環境而以淡水飼養,結果出現因食慾不振而昏睡死亡的個體。
当初は海水環境を用意できずに淡水での飼育をしたところ、食欲不振から昏睡して死に至る個体が出始めた。
於是放棄在靜子的地盤飼養,改在養殖場附近的海水環境中飼養。
そこで静子お膝元での飼育を諦め、養殖場近くの海水環境での飼育に切り替える。
但這回食慾變得過於旺盛,出現陷入肥胖的個體。
すると今度は食欲旺盛になりすぎてしまい、肥満に陥る個体が現れる始末。
伴隨過度的體重增加,似乎腳掌承受不了負擔,腳掌腫脹而無法行走,逐漸衰弱,最後因衰竭死亡。
過度な体重増加に伴い足の裏に負担が掛ったのか、足の裏が腫れ上がり歩けなくなって弱り始め、衰弱の末に死に至った。
即便如此,透過改善飼育環境和調整餵食可以解決這些問題,但有一項日ノ本特有的問題無法解決。
それでもこれらについては飼育環境や与える餌を工夫することで改善できたのだが、どうにもならない日ノ本特有の問題がある。
那就是潮濕。牠原本生活在極地附近,無法適應日ノ本夏季的高溫多濕。
それは湿気であった。元より極地付近に生息していることから高温・多湿となる日ノ本の夏には適応できない。
水域附近總是容易長黴,因黴菌引起類似肺炎的症狀而喪命的大海雀頻繁出現。
どうしても水場付近はカビが付きやすく、そのカビを原因とした肺炎のような症状で命を落とすオオウミガラスが頻出した。
起初原因不明,但解剖病死個體後發現肺部有稱為菌球的菌塊,才查明原因。
当初は原因不明であったが、病死した個体を解剖したところ肺に菌球と呼ばれる菌の塊が認められたことから判明する。
「諸位的工作,實在很出色」
「其の方らの働き、実に見事でした」
在如此艱苦掙扎中,仍設法持續飼養大海雀的飼育員們,被靜子召到私邸。
このような四苦八苦しつつも、何とかオオウミガラスの飼育を継続していた飼育員たちを静子が私邸へと呼び出した。
雖然大海雀的生態逐漸開始明瞭,但不僅無法確立飼育方法,連維持族群數量都不穩,大家都做好被責備的覺悟。
オオウミガラスの生態は少しずつ判り始めてはいるものの、飼育方法の確立はおろか頭数の維持すら覚束ない状況であったため皆が叱責を覚悟していたのだ。
然而打開門一看卻反而受到稱讚,飼育員們不由得鬆了口氣。
ところが蓋を開けてみれば逆にお褒めの言葉を賜ることとなり、飼育員たちは思わず胸をなでおろす。
「不必那麼緊張。正是因為諸位的工作,大海雀的飼育方法逐漸明朗,並解明了其易受黴菌侵害的特性,特此邀請以表彰功績」
「そう身構えずとも構いません。皆の働きによってオオウミガラスの飼育方法が判明しつつあり、カビに弱いという特性を解明した功績を称えてお招きしました」
「是、是! 承蒙厚愛」
「は、はっ! ありがたき幸せ」
「不過光憑我的話恐怕餘錢也不會暖和起來。會給予與功績相稱的賞金,請放心」
「とは言え、私からの言葉だけでは懐も温まらないでしょう。功績に見合った褒美を取らせますので、安心なさい」
對於靜子的話,飼育員們不知該如何反應,感到困惑。
静子の言葉に飼育員たちはどのような反応をしたものか困惑してしまう。
靜子本意是以友善態度相待,但在飼育員眼中她是東國管領之尊,若惹怒她會有何後果,令人生畏。
静子としてはフレンドリーに接したつもりなのだが、飼育員たちからすれば静子は東国管領という雲の上の人物であり、不興を買えばどうなるのか恐ろしくて仕方がない。
「對了對了,曾在資金面上找你們麻煩的人已被革職調離。關於職場環境的改善我會持續關注,有什麼事請來諮詢」
「そうそう、貴方たちの活動について資金面で難癖をつけていた者は更迭(こうてつ)しました。職場環境の改善には引き続き目を配りますので、何かあれば相談するようにして下さい」
「欸!? 那、那是……」
「え!? そ、それは……」
飼育員們雖然都覺得厭惡,但因對方是官員而忍氣吞聲。
飼育員たちの誰もが疎(うと)ましく思っていながらも、相手が役人であることから我慢していた。
若那名官員被革職,理應令人高興,但飼育員們卻也感到一陣戰慄。
その役人が更迭されたとなれば嬉しいはずだが、飼育員たちは空恐ろしさも感じている。
因為他們沒有向任何人洩露此事,也沒呈報要求處理那名官員的記錄。
何故ならそのことを誰かに漏らしたことはないし、役人をなんとかしてくれと上申した覚えもないからだ。
最初那只是對大海雀飼育費用未見成效的嘲諷與諷刺。
最初はオオウミガラスの飼育に掛かる費用に対して、思うような成果が出ていないことに対する皮肉や嫌味だった。
飼育員們對無法取得成果心生愧疚,因此對官員不敢反駁。
飼育員たちも成果を出せていないことに忸怩(じくじ)たる思いがあるため、役人に対して何ら反論をしない。
那名得寸進尺的官員逢事嘮叨,最終發展成為罵罵咧咧的侮辱。
それに味を占めた役人は、ことあるごとに小言を言うようになり、やがてそれは罵倒(ばとう)へと発展していった。
在摸索未知問題之際,無情的惡言使飼育員們萎縮並疲憊不堪。
未知の問題に対して手探りで取り組んでいる最中の心無い暴言に、飼育員たちは萎縮し疲弊していく。
趁飼育員們不反擊,官員甚至以威脅方式要求縮減預算,逼迫他們服從。
飼育員たちが反撃してこないのを良いことに、役人はついに予算を縮小するよう進言すると脅して言うことをきかせようとしてきた。
那是一種卑劣的勒索交易:把飼養費用做手腳後申報超額,將差額交給官員就會幫忙瞞天過海。
それは卑劣な取引の強要だった。飼育に掛かる経費を水増しして請求し、その差額を役人に渡せば上手く取り計らってやるというものだ。
飼育員們為此苦惱不已,結果從意想不到的地方傳來已經被解決的消息。
これに対して飼育員たちはどうしたものかと思い悩んでいたところ、思いもよらない場所から突然解決したと伝えられる。
要說不困惑不可能,且腦中也閃過即便只是一點點答應那種念頭,心裡不免感到有愧。
困惑するなと言う方が無理であり、また僅かでも誘いに乗ることも脳裏を過(よぎ)ったため後ろ暗くもある。
「膽、膽敢冒昧稟報――」
「お、恐れながら申し上げ――」
「無須如此。諸位正確地盡了職責,因而獲得褒美。是吧?」
「それには及びません。貴方たちは正しく職務を全うし、その結果として褒美を受けとった。よろしいですね?」
「伏地謝恩。當以更勤勉之勞報答厚恩」
「は、伏してお礼申し上げます。一層の精勤を以て御恩情に報いまする」
作為飼育員代表的飼育員長費力地對靜子回應。
飼育員の代表たる飼育員長は、静子の言葉になんとか返事をした。
之後,他們在另一間房由小姓手中接過數額對褒賞金來說略為過多的金錢,離開靜子宅邸。
その後、彼らは別室にて小姓から褒賞金というには少々多すぎる金子を受け取り、静子邸を後にする。
就這樣,飼育員們踏上返回港鎮養殖場附近工作地的歸途,終於從緊繃中解放,忍不住長嘆一口氣。
こうして飼育員たちは港町にある養殖場付近の仕事場への帰途につき、ようやく緊張から解放された彼らは思わず息を吐いた。
「呼……剛才真覺得好像活不下去」
「ふう……生きた心地がしなかった」
眾人皆點頭。那名提出挪用經費要求的官員,對不答應交易的飼育員施加了壓力。
その言葉に全員が頷く。経費の横領を持ち掛けた役人は、取引に応じない飼育員たちに対して締め付けを行っていた。
官員找各種理由拖延經費結算,飼育員們甚至要自掏腰包支付大海雀的餌料等費用。
何かと理由を付けては経費精算を先延ばしにされ、飼育員たちはオオウミガラスの餌代などを自腹で捻出さえしていたのだ。
結果有些人甚至連飯都吃不飽,迫不得已他們打破了禁令。
その結果として食事に事欠く者すら現れたため、彼らはやむを得ずに禁を破ることとなる。
「真是好險。沒被責備吃了大海雀的肉……」
「良かったですね。オオウミガラスの肉を食べたことを咎められなくて……」
事情是他們把非病死而死的大海雀的肉拿去煮成鍋物吃掉了。
それは病死以外で命を落としたオオウミガラスの肉を鍋にして食べてしまったことだった。
依照靜子的指示通常會焚毀大海雀的屍體,但在腹中空空時,肉與油被烤焦的香味太誘人,幾乎是暴力性的誘惑。
通常は静子の指示に従ってオオウミガラスの死骸を焼却処分にしていたのだが、空腹を抱えた状態で肉と油が焦げる匂いは暴力的だった。
「反正要焚燒,不如就吃掉吧?」
『どうせ焼却するなら食っちゃっても良いのでは?』
已經想不起是誰低聲說的,但那真是極具誘惑的提議。
誰が呟いたのかは既に思い出せないが、それは酷く魅力的な提案だった。
靜子禁止飼育員在確認未知生物的安全性之前食用牠們。
飼育員たちは未知の生物を飼育するにあたり、その安全性が確認できるまで食することを静子から禁じられている。
即便如此他們忍了三天,但因餓得受不了,第四天還是動手吃了待焚燒處理的大海雀。
その状況でも彼らは三日耐えた、しかし余りの空腹に耐えかねて四日目には焼却処分待ちのオオウミガラスに手を付けてしまった。
那些被餵以優質飼料、處於肥胖狀態的個體,肉質相當美味。
良質の餌を与えられ肥満状態になった個体の肉は実に美味であった。
為了多吃一點,他們整隻下鍋煮,大家分食連湯也不剩。
少しでも歩留まりを増やすため、丸ごと煮込んで皆で分け合って汁まで残さず食べきったのだ。
隔天就被靜子召見,飼育員們為此膽戰心驚也情有可原。
その翌日に静子から呼び出しがあったのだから、飼育員たちが怯えていたのも無理はない。
順帶一提,靜子禁止食用大海雀的理由主要有兩點。
因みに静子がオオウミガラスの食用を禁じた理由は、大きく二つあった。
一是因為是未知動物,為預防像禽流感等人畜共通傳染病的發生。
一つは未知の動物であるため、鶏インフルエンザ等に代表される人畜共通感染症の発生を予防するため。
另一是基於史實上大海雀的滅絕原因。
もう一つが史実に於けるオオウミガラスの絶滅理由にあった。
不只大海雀,企鵝等也類似,牠們或許因生活於外敵稀少的環境而不懼怕人類。
オオウミガラスだけに限らずペンギンなども同様なのだが、彼らは外敵が少ない環境で生活していたためか人類を恐れない。
再者牠們不能飛,地面上搖搖擺擺的步態使之容易被捕獲。
更に飛ぶこともできず、地上では特徴的なヨチヨチ歩きをするため容易に捕獲できてしまうのだ。
警戒心薄且易捕捉,再加上肉與蛋可食,勢必像渡渡鳥一樣走向滅絕的下場。
警戒心が薄くて容易に捕獲でき、肉や卵まで食用となるとなればドードー鳥と同じような末路を辿ったのは必然だっただろう。
史實上因歐洲人的濫捕,曾有數百萬羽的大海雀在短短約三百年內被逼至滅絕。
史実に於いてはヨーロッパ人による乱獲で、数百万羽以上いたとされるオオウミガラスが僅か三百年ほどで絶滅に追い込まれたのだった。
「別亂說!誰知道有誰在偷聽」
「滅多なことを言うな! 誰が聞いているか判らぬのだぞ」
「不過,靜子大人看來頗為仁慈,若訴說我們的困境或許會得到寬待……」
「しかし、静子様はお優しそうな方だったし、我らの窮状を訴えればお目こぼし頂けるやも……」
「我們雖違反禁令,卻得靜子大人之恩救了窮境。吾等的職責,便是找到不讓大海雀滅絕的方法。今後以忠勤報答恩惠別無他途」
「我らは禁を破ったが、静子様の手により窮状を救われた。そんな我らの役目は、オオウミガラスを絶やさぬ術を見つけることだ。今後の忠勤によってご恩に報いるしかあるまい」
「正是!在日ノ本上恐怕無人比我們更熟悉大海雀。不將知識傳承而喪命,對誰都無益」
「然り! この日ノ本に於いて我らほどオオウミガラスに精通している者は他にいまい。知見を継承せずに命を落としたのでは誰の為にもならぬ」
雖有不得已之事,但違反禁令的事實不會改變。
やむに已まれぬ事情があったとはいえ、禁を破った事実は変わらない。
恐怕靜子早已看穿他們違反禁令的程度。
恐らくは自分たちが禁を破ったこと程度、静子にはお見通しであったに違いない。
飼育員長本想向靜子坦白此事,卻被打斷。
実際に飼育員長はそのことを静子に自白しようとしたが、それを遮られたのだ。
感謝靜子的溫情,並決心更加振作。
静子の温情に感謝し、一層奮起しようと考える。
「話說回來,作為賞金領到的金子到底是多少呢?感覺沉甸甸的,真讓人好奇」
「それにしても、褒美として頂いた金子はいくらなんだろう? 随分とずっしりしてるんで、気になるな」
「確實……工作地也近,不如就確認一下吧」
「確かに……職場も近いことだし、一つ確認してみるか」
找了合適的地方他們坐下來,打開裝金子的袋子確認內容。
適当な場所を見つけると彼らは腰を下ろし、金子の入った袋を開けて中身を確認する。
裡面裝著相當於他們年收入的金子,大家興奮地臉上滿是喜色。
中には彼らの年収に匹敵するほどの金子が入れられており、皆が喜びに満ちた表情を浮かべて興奮していた。
就在這時,只有飼育員長露出如背後被刺了一根冰柱般抽搐的表情,顫抖著。
そんな中で飼育員長のみが背中に氷柱を突きこまれたかのような、引き攣(つ)った表情を浮かべて震えている。
只有飼育員長的袋子裡有一張紙,紙上寫著如下。
飼育員長の袋にのみ、一枚の紙が入っておりそこにはこう書かれていた。
「下次就沒有了」
『次はないよ』