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戦国小町苦労譚

天下人的孤獨

封建時代的為政者往往是孤獨的。

封建時代に於ける為政者は往々にして孤独だった。

由於採取中央集權型的權力結構,組織頂端集中了各種責任與權限,隨著組織擴大,會承擔超出可容忍限度的任務。

中央集権型の権力構造をとっている為、組織のトップに様々な責任と権限が集中し、組織の肥大化とともに許容限界を超えてタスクを抱え込んでしまう。

結果是,只有位居頂端才能處理的工作愈來愈多,所面臨的問題無法與任何人共享或商量。

その結果として、トップでなければできない仕事がどんどん増えていき、抱えている問題を誰とも共有も相談もできない状態が発生する。

在戰國時代,天下人正是如此,連多年侍奉的家臣也可能懷抱野心發動下剋上。

戦国時代に於いては天下人が正にそれであり、長年仕えてくれた家臣たちですら野心を抱いて下剋上をしないとも限らない。

即便是有血緣的親族,因為家督爭奪也常常互相殘殺,何況是外人。

血を分けた親族であっても家督争いなどで頻繁に殺し合うのだ、他人ならば尚更だろう。

信長實際上也在兄弟間爭奪繼承,因此能真正打開心胸、毫無保留吐露內心的人極為稀少。

信長も実際に兄弟間で跡目を争っているため、彼が本当に胸の裡(うち)を曝(さら)け出せる人物は極僅かに限られた。

像大多數國人一樣,信長對作為伴侶的濃姫可以放下戒心,甚至會露出自己的脆弱一面。

大多数の国人がそうであるように、信長にも伴侶たる濃姫には気を許し、己の弱い処すらも見せられる。

不過,幸運的是信長還有另一個可以信任的人存在。

しかし信長には幸いにしてもう一人、気を許せる人物が存在した。

那就是雖然因為作為主君的自尊會擺些面子,卻不會背叛並且全心效忠的靜子。

主君としての矜持(きょうじ)から見栄を張りこそするものの、裏切りの心配も無く尽くしてくれる静子の存在がそれである。

「笨蛋!駁回。」

「たわけが! 却下だ」

信長一邊翻看靜子遞上的資料一邊宣告。

信長は静子から手渡された資料に目を通しながら宣言した。

被斷然否定的靜子本以為勝算在握,因而露出驚訝的表情。

一考の余地すらなく断言された静子は、勝算ありと思い込んでいただけに驚きの表情を浮かべてしまう。

「提案內容有問題嗎?確實以往因與德川大人的共同事業,並為了減少防衛據點無法擴大規模。但正因為現在禁絕了東國的戰事,正是好時機!」

「提案内容に問題がありましたでしょうか? 確かに今までは徳川様との共同事業かつ、防衛拠点を少なくするためにも規模を拡大できませんでした。しかし、東国でのいくさを禁じた今こそが好機なのです!」

「也許是如此。綿花的需求確實年年增加,不只衣物與寢具,連足滿所開發的『無煙火藥』也需要,增產是必然的。」

「そうであろうな。確かに綿花の需要は年々高まり続けておる、衣類や寝具は言うに及ばず足満が開発しておる『無煙火薬』にも必要なのだ、増産は必至よ」

「是吧!所以正因為如此,才需要這個棉花種植計劃——」

「そうでしょう! だからこそ、この綿花作付け計画が必要だと――」

「我召你來是為聽你對賞賜的期望,誰說要談工作的!」

「わしは貴様に対する褒美について希望を聞くために呼んだのだ、誰が仕事の話をしろと言うた!」

信長暗中將靜子召至安土,是為了獎勵她不僅擔任東國管領,還一手負責織田軍整體的後勤並穩健堆積成果。

信長が秘密裡に静子を安土へと招いたのは、東国管領だけでなく織田軍全般の兵站を一手に担い、またその成果を着実に積み上げていることに対する褒美を与えるためであった。

對於要如何賞賜靜子,信長每次都頭痛不已,是個難題。

静子に対する褒美に関しては、信長をして難題であり、毎度頭を悩ませている。

畢竟靜子個人幾乎沒有私慾。若她想要什麼,常常是抱持「沒有就自己造」的精神親自創造出來,令人難以捉摸。

何せ静子には個人的な欲というものが余りない。欲しい物があれば、「無いのなら作ろう」の精神でそれを作り出してしまうのだから始末に負えない。

因此要不給她世上獨一無二的珍寶(多半是刀劍),要不就得去問她究竟有無想要的東西。

お陰でこの世に二つと無い宝(主に刀剣)を与えるか、本人に欲しい物が無いかを聞き取る羽目になっていた。

就算是信長也不可能隨便賜下多把名刀,這次想做的訪談反而成了弊端。

流石の信長もそうそう名刀を何口(ふり)も下賜出来る筈も無く、今回もヒアリングをしようと気を回したことが弊害を生んでいる。

「這不是工作!是兼具興趣與實益的賞賜。」

「仕事ではありません! 趣味と実益を兼ねた褒美です」

「哦!那這厚厚的種植計劃書是什麼?」

「ほう! では、この分厚い作付け計画書はなんだ?」

「關於東國中特別是舊武田領,稻作因病疫蔓延,我擬以補給糧食為條件,將其轉作棉花栽培的計劃。」

「東国でも特に旧武田領につきまして、稲作が病魔の蔓延を招いておりますゆえ、食料を補償することでこれを綿花栽培に切り替えようという計画となります」

「主旨是盡量讓百姓遠離用水的生活並推進寄生蟲對策,這點很好。此計畫是何時擬定的?」

「民を水から極力切り離して生活させつつ、寄生虫対策を推し進めるという主旨は良い。この計画をいつ策定したのだ?」

「為了讓上様能夠接受,這兩個月來只要有空就擬訂計劃。」

「上様にご納得いただけるよう、ここ二月(ふたつき)ほど暇を見ては計画を練っておりました」

「平日的工作如何?」

「普段の仕事はどうなっておる?」

「當然是在完成本職之上擠出時間來的。」

「無論、それはこなした上で時間を捻出いたしました」

靜子對於資料的完成度有自信,而且難得地以不影響既有工作成果為傲。

資料の出来栄えに自信があったのと、従来の仕事に穴を開けずに成果を出せたことに珍しく静子が胸を張る。

「那麼,哪一部分是你的興趣所在?」

「それで、どこの部分が貴様の趣味なのだ?」

「自與德川大人開始栽種棉花以來,我一直在儲存棉種。如今東國平定,正是利用這些種子的時機!舊武田領的百姓對於不能即刻收成的棉花栽種會感到不安,但棉花的需求預期是供給量的數倍到十數倍。」

「徳川様と綿花栽培を始めて以降、ずっと綿花の種子を貯め続けてきました。そして東国が平定された今こそがそれを活用すべき時なのです! 旧武田領の民たちにとって食えもしない綿花栽培など不安でしょう、しかし綿の需要は供給量に対して数倍から十数倍ほども見込まれます」

「也就是說,那會成為百姓的生計來源?」

「つまりは、それが民たちの飯の種になるという訳か」

「不僅如此。若棉製衣物與寢具普及,冬季的死者數可以減少。我認為棉花正是宣告亂世終結的作物!」

「それだけではありません。綿製の衣類や寝具が普及すれば、冬場に於ける死者の数を減らすことが出来るのです。乱世の終わりを告げる作物、それこそが綿花だと私は思うのです!」

「啊啊,你果然是個關心百姓能健康度日的人……」

「ああ、貴様は民が健やかに過ごせることに腐心する奴だったな……」

靜子眼神閃亮地熱烈陳述,信長則沉重地嘆了口氣。

瞳を輝かせて力説する静子に対し、信長は重いため息を吐き出した。

信長知道靜子本人正是從貧窮農村出身。

信長は他ならぬ静子自身が貧しい農村から身を興したことを知っている。

靜子最初擔任村長的村落,當時甚至沒有足夠的衣物抵擋寒冷,經歷過凍人的夜晚。

最初に静子が村長を務めた村などは、寒さを凌ぐ充分な衣類もなく凍える夜を経験しているのだ。

信長也認為靜子想盡快將救援之手伸給仍在受苦受難的百姓,那份心意是可貴而美好的。

辛く惨めな思いを今なお続けている民たちに、少しでも早く救いの手を差し伸べてやりたい、静子のその気持ちは尊く素晴らしいものだと信長も考える。

然而,作為對外的表象,是否適合把這當作信長給忠臣靜子的賞賜,又是另一回事。

しかし、対外的に見て信長が忠臣たる静子に与える褒美として適しているかは別問題なのだ。

「總之,把外表包裝得看起來像賞賜!不然我不能批准。」

「とにかく、もう少し褒美と見えるよう外面を取り繕え! それでなくば許可は出せぬ」

「『給予土地開發利權』不算是賞賜嗎?」

「『土地の開発利権を与える』では褒美となりませんか?」

「如果是增加你的直轄領地,那倒也算賞賜,可那片領地是森家的……你出錢出力,哪裡有賞賜的成分!?」

「貴様の直轄領が加増されるならば褒美ともなろう、だがそこは森家の所領だ……お前が身銭を持ち出すことの何処に褒美の要素がある!?」

「若森家富裕,勝蔵君對其本家也光彩可嘉,進而他報答於我也會讓我受益!」

「森家が富めば勝蔵君もご実家に対して面目が立ちますし、延(ひ)いては彼が私に報いてくれることで私にも利益となります!」

「沒有人會喜歡那種迂遠的賞賜。你也算是女子,難道不想要些寶飾或嗜好品之類的嗎?」

「そのような迂遠な褒美を喜ぶ者など、この世におらぬわ。貴様とて女子の端くれ、何かこう宝飾品やら嗜好品やらを望まぬのか?」

「雖然世上的女性或許喜歡那些東西,但很遺憾我並不感興趣。」

「確かに世の女性はそういった物を好むのでしょうが、生憎と私は興味がございませぬ」

靜子字面上對打扮無興趣,至於嗜好品她身為生產者本就能以各種方式自給自足。

言葉通り静子は自らが着飾ることに興味を持たず、嗜好品についてはそもそも生産者として幾らでも都合を付けられる立場にある。

她自認美感普通,這方面完全交由彩與蕭打理。

本人的には美的センスが悪いと考えており、その辺りは彩や蕭(しょう)に任せきりとなっていた。

「說起來你也曾下令禁止使用白粉不是嗎?」

「そういえば白粉(おしろい)に関しても禁令を出していたのだったな」

「在尾張、美濃以外普及的白粉含鉛。鉛白呈現美麗的白色、延展性好且有透明感,但多用會導致鉛中毒。」

「尾張・美濃以外で普及している白粉には鉛が入っていますから。鉛白(えんぱく)は美しい白色を呈し、伸びが良く透明感がありますが多用すれば鉛中毒に陥りますので」

靜子平時對打扮毫無興趣,信長聽說她難得執著於美容相關事務時頗為高興;然而她關注的並不是追求美,而是白粉中含有鉛、汞等重金屬的危害。

余りに着飾ることに興味を持たない静子が、珍しく美容に関するものに執着していると耳にして信長は喜んだのだが、自らの美を追及するのではなく白粉に含まれている鉛や水銀などの重金属を問題視していただけだった。

「化妝品對貴婦人來說確實重要,沒有相當的權力恐怕連話都說不進去,所以才克制行動。但自從擔任東國管領,就有了以抑制健康被害為名的正當理由。」

「流石に化粧品は貴婦人にとっても重要ですからね、それなりに権力が無ければ話すら聞いて貰えませんから控えておりました。しかし、東国管領の任についた以上、健康被害を抑えるためとの大義名分がございます」

自東國管領就任以降,靜子的影響力已不僅限於尾張。因為她對整個東國擁有龐大權限,得以向各國發布佈告。

東国管領就任以降、静子の影響力は尾張だけに留まらない。東国全体に対して絶大な権限を持っているため、各国に対して布告を出すことが可能となった。

於是她向東國全體宣導白粉的危險,甚至傳授製造替代品的配方,做出大規模的推行。

こうして東国全体に対して白粉の危険性を説き、その製造元については代替品の製法すら伝えるという大盤振る舞いをしている。

「好吧,那就隨你去做。不過先談你的賞賜!」

「まあ、それは貴様の好きにせよ。それよりも貴様の褒美についての話が先じゃ!」

「所以只要給我開發許可就行了……」

「ですから、開発許可さえ頂ければ構わないと……」

儘管話題兜圈子顯得無聊,信長其實並不討厭與靜子這樣的互動。

話が堂々巡りをしていて実に下らないやり取りなのだが、信長は静子とこうしたやり取りをするのが嫌いでは無かった。

雖然從不明說,但毫無虛飾也無彼此試探的這種愚蠢對話,反而成為信長讓心緒休息的助力。

決して口にはしないものの、何の衒(てら)いも腹の探り合いもない馬鹿なやり取りをする時間が信長の心を休める一助となっている。

(這傢伙都掌握了半個日之本,性情卻依舊與從前無異。)

(此奴は日ノ本の半分を支配する立場となったというのに、その性根は昔と何も変わらぬか)

「夠了,綿花的事就照你想的去做。總之我會想一個體面的賞賜,你到時候要在眾人面前領受。」

「もうよい、綿花については貴様の思うようにせよ。取り敢えず何か外聞の良い褒美をわしが考えておく、貴様はそれを皆の前で受け取ってみせよ」

「真的嗎!?上様,感謝您!」

「本当ですか!? 上様、ありがとうございます!」

聽到信長的答覆,正高興起身的靜子令信長既無奈又不自覺地露出微笑。

信長の返事を聞くや、実に嬉しそうに席を立つ静子に、信長は呆れ顔を浮かべつつも笑みが漏れてしまうのだった。