戦国小町苦労譚
上月城之戰
獲得信長許可後,從靜子那裡接過砲兵部隊的光秀便立刻展開行動。
信長の許可を得て、静子から砲兵部隊を預かった光秀は早速行動を開始していた。
要攻略西國,羽柴秀吉從山陰繞道直指毛利待守的安藝國(今廣島縣西部),而明智光秀則以已收攝的播磨國(兵庫縣南部)為據點,從山陽地方由備前國(岡山縣東南部)進攻安藝國。
西国を攻略するにあたり、羽柴秀吉は山陰地方から回り込むように毛利氏が待つ安芸(あき)国(現在の広島県西部)を目指し、明智光秀は勢力下に納めた播磨(はりま)国(兵庫県南部)を拠点に山陽地方から安芸国を狙うよう備前(びぜん)国(岡山県東南部)を攻略しようとしていた。
面對勢如破竹進軍的織田勢,毛利方也不可能坐視不管,從播磨被趕出退守備前的天神山城主浦上宗景決意重建他先前放棄的上月城,圖奪回播磨。
破竹の勢いで進軍してくる織田勢に対し、毛利方も手を拱(こまね)いている訳もなく、播磨から追い出され備前まで退いた天神山城(てんじんやまじょう)の城主、浦上(うらがみ)宗景(むねかげ)は自らが放棄した上月城(こうづきじょう)を再建して播磨奪還を図る。
上月城位於播磨國西端,靠近備前國與美作國的邊界,戰略位置極為重要。
上月城は播磨国の西端に位置し、備前国と美作(みまさか)国との国境からほど近く戦略的に重要な位置にあると言えた。
正掌握播磨國的光秀為呼應浦上的動向,決定派出砲兵部隊。
播磨国を掌握しつつあった光秀は、この浦上の動きに呼応するべく砲兵部隊を差し向けることにする。
攻略目標上月城建於標高約190公尺的荒神山稜線上,宛如臥於嶺脊,為一座以土壘與堀切防護的堅固山城。
攻略目標となる上月城は標高190メートルほどの荒神山(こうじんやま)の尾根に寝そべるように築かれており、土塁や堀切(ほりきり)で周囲を守る堅牢な山城だ。
若從山中攻入攻略,等於在敵方地盤作戰,必然招致相當犧牲,這是不言而喻的。
山中に攻め入って攻略しようと思えば、敵側の土俵で戦うこととなり相応の犠牲を生じることとなるのは目に見えていた。
因此光秀先遣部隊出發,確保能部署砲兵的山麓平地。
そこで光秀は先遣部隊を派遣して砲兵部隊を展開できる麓(ふもと)の平地を確保させる。
隨後他率主力抵達現地,勘查周邊地形並整理砲兵進入的運輸路線。
次いで自らも本体を率いて現地入りし、周辺の地形調査及び砲兵部隊の搬入経路を整えた。
砲兵雖是強力攻擊手段,但行動中極為脆弱,萬一遭襲被奪走這些虎子大砲是絕對不能接受的。
強力な攻撃手段である砲兵部隊だが移動中は完全に無防備であり、万が一にも襲撃されて虎の子の大砲を奪われる訳にはいかないのだ。
「一旦逃走的老鼠居然又偷偷溜回來了」
「一度(ひとたび)逃げた鼠(ねずみ)がこそこそと舞い戻りおって」
站在光秀身側的一名側近脫口而出。
光秀の傍に控えていた側近の一人が言葉を漏らす。
信長命他在西國征討中不得給人拖泥帶水的印象,要儘量少犧牲並速戰速決取壓倒性勝利。
西国攻めに於いては攻略に手間取っているという印象を与えないよう、犠牲を極力少なくした上で圧勝することを信長から命じられている。
本次目標上月城雖不足以稱為難攻不落,但因易於從周遭城郭獲得援助,具備易使攻城戰持久化的條件。
今回の攻略対象である上月城は、難攻不落という程ではないものの周辺の城から援助を受けやすい立地にあり、城攻めが長期化し易い要素が揃っていた。
「既是曾一度放棄的城,陷入窮境時定會再度逃走。我們一方面要推波助瀾,另一方面要把守城乃愚行深深刻入他們心中」
「一度は放棄した城ですから、窮地に陥れば再び逃げ出すことでしょう。その後押しをするとともに、我が軍に対して籠城をするということの愚を心に刻み付けてやるのです」
「在先前的實彈演習中大砲威力你們已經見識過……還要依附城池實在愚不可及」
「前(さき)の実弾演習にて大砲の威力は思い知ったでしょうに……それでも城に縋(すが)るとは愚かしい」
對側近所言光秀回以微笑,於荒神山麓前的平原紮營,搭起數座臨時瞭望櫓;其中本陣附近最高的櫓上安置了同樣向靜子借來的測距儀。
側近の言葉に光秀は笑みを返し、荒神山の麓手前の平野にて陣を張った。即席の物見櫓が幾つも建てられ、中でも本陣付近の最も高い櫓に、これも静子から借りだした測距儀(そくきょぎ)を据える。
浦上方面對此毫無反應,正當如此之時,車隊編成的砲兵部隊抵達。
これに対して浦上側からは何の反応もないままであり、そうこうしている内に車列を成した砲兵部隊が到着した。
「觀測兵,目標的方位與距離如何?」
「観測兵、目標までの方角と距離はどうだ?」
「視界清晰,方位西北西,距離880公尺」
「視界明瞭、方角西北西、距離880メートルです」
正操作測距儀取得數據的觀測兵回喊。
測距儀に取りついてデータを取得している観測兵が叫び返した。
亦測量風向與風速等,並以此數據調整砲管角度與方位。
他にも風向き及びその風速なども計測し、そのデータをもとに砲身の角度及び向きを調整していく。
雖然連觀測氣球也借不到,無法期望以座標進行精密射擊,但對於此時代而言仍可期待到難以想像的射擊精度。
観測気球までは流石に借りることが出来なかったため、座標による精密射撃は望めないものの、この時代としてはあり得ない精度の砲撃が期待できるだろう。
炮兵隊長向光秀報告炮擊準備就緒,光秀抬頭望向晴空並點頭。
砲兵隊長から光秀に砲撃準備が整った旨の報告があり、光秀は一度晴天の空を見上げて頷いた。
「開火!」
「撃て!」
光秀一聲令下,砲兵進行觀測射擊,共發三發,似乎高空比地面偏北的風較強,彈著均向北偏移落在目標之外。
光秀の号令一下、砲兵たちの手による観測射撃が行われる。発射数は三発、上空は地表よりも北寄りの風が強いのか、目標地点よりも揃って北方にずれた位置に着弾した。
從瞭望櫓能觀測到彈著點的僅有瞄向最南側的第三發,由此為基準再次調整大砲。
物見櫓から着弾地点が観測できたのは最も南側に狙いを付けた三発目のみであり、それを元にして再度大砲の調整が行われる。
「次彈裝填完畢,隨時可以開火」
「次弾装填完了、いつでも撃てます」
「好,開火!」
「よし、撃て!」
再次在光秀號令下,這次十門大砲齊發,十發砲彈如以面積壓制一般,將上月城主郭東側大肆挖削殆盡。
再び光秀の号令とともに今度は合計十門の大砲が一斉に火を噴いた。面で制圧するように放たれた十発の砲弾は、上月城の主郭の東側をごっそりと削り取る。
作為防禦設施的土壘與堀切全然失去意義,原本應為斜坡之處只剩被深深挖出的崖壁。
防衛設備である土塁も堀切すらも何の意味もなさず、元は斜面であったはずの場所に残るのは深々とえぐり取られた後の崖のみだ。
由於基部遭侵蝕引發土石崩落,連阻隔主郭出入的城門也隨土石一併崩塌。
基部がえぐり取られたことで土砂崩れが誘発され、主郭への出入りを防ぐ城門までもが土砂とともに崩落してゆく。
握著雙筒望遠鏡望著城門伴隨地響崩落的景象,光秀說道。
地響きを立てながら城門が崩れ落ちる光景を、手にした双眼鏡で眺めていた光秀は言葉を放つ。
「城內有動靜。先中止炮擊,槍兵向前!炮擊部隊裝填次彈,目標與剛才相同。」
「城内に動きが見えます。砲撃は一旦中断し、銃兵を前へ! 砲撃部隊は次弾装填、目標は直前と同じです」
「是!」
「はっ!」
即便從一開始就被呈現出如此戰力差,浦上一方不知為何士氣未見挫折,仍有出擊的動作。
初手からここまでの戦力差を見せられて尚、何故か浦上側の士気は挫(くじ)けておらず、打って出ようとする動きがみられる。
繼續炮擊即可完全封殺對方,但光秀考量若對方要從城中出來,就要迎頭迎擊。
このまま砲撃を続ければ完全に封殺することも可能なのだが、相手が城から出てくると言うのならそれを迎え撃とうと光秀は考えた。
(真要等到有人死去才肯直視現實嗎……把山都打垮的炮擊若落在人體上會成什麼模樣,他們似乎連想像都做不到)
(実際に死人が出ないと現実を直視できぬのか……山を崩すほどの砲撃が人に当たればどうなるか想像すら出来ぬと見える)
想著這些等待了片刻,放棄主郭移往二郭的浦上軍突然一齊朝斜面奔下。
そんなことを考えながら待つこと半刻、主郭を放棄して二郭へと移った浦上軍が一斉に斜面を駆け下り始める。
此時光秀尚未察覺,實際上剛才的炮擊已使主郭內部自基部傾斜,城內受損甚重,連移動都十分困難。
この時光秀は気付いていなかったのだが、直前の砲撃によって主郭内部は基部から傾いてしまい、城内部にもかなりの被害が出たため移動すらままならなかった。
城主浦上一旦知悉無勝算,便迅速決定撤退,同時徵募決死隊,冷酷地下令以犧牲換取浦上等撤退的時間。
勝ち目がないと悟った城主の浦上は、いち早く撤退を決断すると決死隊を募り、浦上たちが撤退する間の時間を稼ぐという非情な命を下す。
看見那些被命令為了換取城主逃走時間而去赴死的士兵帶著決死表情奔下斜面,光秀喊道。
こうして城主を逃がすための時間を稼ぐために死んで来いと言われた兵たちが、決死の表情で斜面を駆け下りているのを見た光秀が叫ぶ。
「火槍兵與弓兵壓制奔下來的敵兵!炮兵,目標主郭南斜坡!調整完畢即開火!」
「銃兵及び弓兵は駆け下りてくる兵を制圧せよ! 砲兵、目標主郭の南斜面! 調整が終わり次第撃て!」
為至少報一箭,對向那散亂奔下斜坡的敵兵,光秀軍的火槍兵與弓兵齊發射擊。
せめて一矢報いんと斜面をばらばらに駆け下りてくる敵兵に向かって、光秀軍の銃兵及び弓兵が一斉に射撃を開始した。
直線彈道的子彈與拋物線軌跡落下的箭襲向敵兵,因為他們是立體地在斜面奔下,兩者射擊命中率皆不高。
直線弾道の銃弾と、山なりの軌道で降ってくる矢が敵兵に襲い掛かる。斜面を駆け下りてくるという立体的な移動であるため、どちらの射撃もそれほど命中しなかった。
即便如此約有兩成敵兵倒地,原本已抱死志的士兵仍不減衝勢繼續奔跑。
それでも敵兵の二割程度が地に伏せる。元より死を覚悟している兵士は、それでも勢いを失わずに駆け続ける。
然而伴隨震耳的轟鳴,大砲齊射,敵兵奔跑的整個斜面如同被炸裂般連同土石一併吹飛。
しかし、耳を劈(つんざ)く轟音と共に大砲の一斉射が行われ、敵兵たちが駆けている斜面全体が爆発したように土砂とともに吹き飛んだ。
此即子彈與箭矢只能點狀攻擊,與砲彈能以面積進行打擊的差別。
これが点でしか攻撃できない銃弾や弓矢と、面で攻撃が可能な砲弾との違いであった。
敵兵瞬間連同地形消失無蹤。
敵兵は一瞬にして地形と共に消え去ってしまう。
若細尋或許還有殘存者喘息,但直擊的砲彈、爆炸衝擊與揚起的土砂已將之打垮,無人能動彈。
捜せば息のあるものもいようが、直上からの砲弾及びその爆発による衝撃、巻き上げられた土砂などに打ちのめされて動く者すらいない。
雖是光秀製造出這等慘烈景象,但他眼中未見一絲憐憫,他們慘死之景將成為日後戰事有利推進的養分。
凄惨な光景を生み出した光秀だが、彼の目には一片の慈悲すら宿っていなかった。彼らが無惨に命を散らすことが、今後のいくさを有利に進める糧となる。
那冷酷的算計使光秀變得無情。
その冷徹な計算が光秀を非情にさせていた。
「就把它破壞殆盡,讓人再也無法重用」
「二度と再利用など出来ぬよう破壊してしまいましょう」
隨後對二郭亦施以炮擊,曾被稱為上月城的構造物徹底瓦解。
その後、二郭に対しても砲撃が行われ、かつて上月城と呼ばれた構造物は完全に瓦解した。