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戦国小町苦労譚

一五七八年 十二月上旬

自京城向西行進不久,丹波國篠山盆地從清晨起便回蕩著震耳的轟鳴。

京から西へ向かうことしばし、丹波国(たんばのくに)は篠山(ささやま)盆地にて早朝から轟音が響き渡っていた。

靜子與光秀會談數日後,靜子交付給光秀的砲兵部隊已展開並進行實彈演習。

静子と光秀との会談から数日、静子が光秀に預けた砲兵部隊が展開して実弾演習を繰り広げている。

目的在於讓光秀確認最新型大砲到底是何等武器,並檢驗砲兵們的操演熟練度。

これは光秀が最新式の大砲がどの程度の兵器なのかを確認すること及び、砲兵たちの練度を確かめるという狙いがあった。

在砲兵隊長一聲號令下,數門大砲朝著從篠山盆地西側聳立的白髮岳山麓噴發火焰。

砲兵隊長の号令一下、篠山盆地から西に聳(そび)える白髪岳(しらがたけ)の麓(ふもと)に向かって何門もの大砲が火を噴く。

伴隨轟鳴發射出的砲彈呈拋物線落下,著彈後的衝擊使內裝的炸藥再度引發爆炸,甚至改變地形。

轟音と共に撃ち出された砲弾は、山なりの弾道を示したのちに着弾し、その衝撃で内部に詰められた炸薬が更なる爆発を引き起こして地形を変えてしまう。

光秀被這景象震懾得連喘息都來不及。

余りの光景に光秀は息を飲むことすらままならなかった。

那從根本上顛覆了傳統戰爭,摧毀了既有的價值觀。

それは従来のいくさを根底から覆し、価値観の破壊を齎した。

面對這等大砲,守方退守堅固的山城堅持防禦、等待援軍的常套手段已毫無意義。

この大砲を前にしては堅牢な山城に籠(こも)って防戦を続け、援軍を待つという守備側の常套(じょうとう)手段が意味をなさない。

可以輕易想像飛來的砲彈如同撕破薄紙般摧毀曾讓人安心的城門與石垣。

頼もしく思えた城門や石垣を、飛来する砲弾が薄紙を破るが如く破壊していく様が容易に想像できてしまう。

而感到戰慄的並非只有光秀。

そして戦慄しているのは光秀だけではなかった。

發出如此巨大的噪音,無論願不願意,西國派出的間者都會聽見。

これだけ騒音を立てていれば、否が応でも西国の放った間者の耳に入ってしまう。

目擊那連綿不絕的砲聲、伴隨火柱揚起土砂並逐漸失去形狀的山面,間者們皆不禁顫慄。

鳴り止まぬ砲声と、火柱と共に土砂を巻き上げ、形を失っていく山肌を目撃した間者達は震え上がった。

砲聲持續不斷意味著備有充足火藥,那看似揮金如土的實彈演習被理解為針對他們的示威行動。

これほどまでに砲声が続くということは、潤沢な火薬を用意していることを意味し、金の無駄遣いにも思える実弾演習が自分たちに向けた示威行為であると理解する。

看見拿城壁或石垣模擬建造的石堆輕易被摧毀,間者們痛感織田家已非數家合力就能打倒的對象。

城壁や石垣に見立てて作られた石積みが、易々と破壊されていく光景を目にした間者達は、もはや織田家は複数の家が集まれば打倒できる相手ではないことを痛感する。

然而,如此的砲兵部隊也存在弱點。

しかし、そんな砲兵部隊にも弱点は存在した。

間者們看穿砲兵部隊在進軍與展開上需要龐大時間。

間者達は砲兵部隊の進軍と展開に膨大な時間を要することを見抜いている。

換言之,他們認為只要貼近監視砲兵部隊就能掌握其目標,並有可能發動奇襲將其殲滅。

つまり、砲兵部隊に張り付いて監視していれば何処を狙っているかを把握でき、また奇襲を仕掛けて潰すことも可能だと考えた。

大砲固然擁有驚人的射程與可怖破壞力,但一旦被衝入近距離,正因其巨大威力反而無法在接近時使用。

大砲とはなるほど大した射程と、恐ろしい破壊力を持ち合わせているが、一度懐に入ってしまえばその大威力が故に接近した際に使用できない。

間者們不禁幻想若以自軍騎兵突擊,砲兵部隊會手足無措被衝散。

間者達は自軍の騎馬での突撃に対して、為すすべなく蹴散らされる大砲部隊を幻視せずにはいられない。

滿意於獲得價值連城的情報的間者們留下少數人繼續監視,然後向各處散去。

値千金の情報を得たことに満足した間者は、引き続き監視を続ける者を残すと方々へと散っていった。

「幹得好!」

「良き働きであった!」

得知西國慌亂的信長面帶滿意笑容。

西国の慌てようを知った信長は、満面の笑みを浮かべていた。

靜子與光秀越是大張旗鼓地行動,越會被大量間者監視,同時敵國也會被他們的一舉一動牽動。

静子及び光秀が派手に動けば動くほど、彼らは多くの間者達から監視されることになるが、同時に彼らの一挙手一投足に敵国は振り回される。

由於存在迫在眉睫的威脅,人們不得不放鬆對信長的監視。

差し迫った脅威が存在する故に、信長に対する監視を甘くせざるを得ないのだ。

此外,信長在完成御馬揃え之後入城安土城,默默地隱匿行蹤。

また信長は御馬揃えを終えて以降、安土城へと入城して鳴りを潜めていた。

「真可惜看不到毛利那些人會擺出怎樣的表情」

「毛利の連中がどんな顔をしているのか、それを見ることが叶わぬのが残念じゃ」

「肯定會像捅到蜂窩般大亂吧」

「それはもう、蜂の巣をつついたような大騒ぎでしょう」

作為信長茶友的森可成帶著幾分戲謔地回答。

信長の茶飲み相手を務めている森可成は、少しおどけたように応じる。

事實上西國各地的國人們確實大亂奔走。

そして実際に西国では各国の国人たちが右往左往していた。

關於東國征伐時大砲威力的傳聞雖經由民間流傳,卻被當成荒誕無稽的胡說一笑置之。

東国征伐で猛威を振るった大砲の噂は、民たちを通じて漏れ聞こえていたのだが、荒唐無稽(こうとうむけい)な与太話として一笑に付していたのだ。

如今卻在近在咫尺的丹波國,彷彿要當面示威般進行實彈演習。

それが丹波国という近場で、まるで見せつけるかのように実弾演習をしている。

多名間者一同回報了那驚人的情景,於是他們驚慌失措。

その凄まじさを複数の間者が同様に報告してくるのを受けて、彼らの尻に火が付いた。

以往即便敵大軍逼近,只要退守城中堅守便可爭取些許時間。

これまでであれば敵の大軍が迫ってきたとて、城に籠って防戦を続ければ時間稼ぎ程度はできる。

但一旦知道高地、護城河乃至城壁都無濟於事,便陷入恐慌狀態。

それが高所も堀も、城壁さえも何の役にも立たないと知り、恐慌状態に陥(おちい)ってしまったのだ。

「那麼,命靜子殿到京城召集砲兵的真正目的到底是什麼?」

「それで、静子殿に命じて京まで砲兵を呼び出した本当の狙いは何なのですか?」

「不懂槍的人,即使把槍口抵在額頭也不會害怕吧? 和那個一樣的道理。」

「銃を知らねば銃口を額に当てられたとて恐れまい? それと同じことよ」

可成對信長的話感到驚訝。耗費如此巨資與時間調動兵力,竟然只是為了公開展示大砲。

信長の言葉に可成は舌を巻いた。あれほどの金と時間を掛けて兵を動かしておきながら、その狙いは大砲のお披露目に過ぎないと言う。

然而,雖說已退居一線,但身為宿將的可成仍洞悉了信長的真意。

しかし、既に一線を退いたとは言え古強者である可成は、信長の真意を読み取っていた。

對未知事物的恐懼會隨時間消退,且越與己無關反而越顯陳腐化。

未知のモノに対する恐怖というのは、時間の経過と共に薄まり、更に己にとって縁遠いほどに陳腐化してしまう。

於是他揭示了性能的一角,並引導人們將之視為切實迫近的威脅以正確地使其畏懼(……)。

そこでその性能の一端を開示し、差し迫った脅威として正しく恐れさせる(・・・・・・・・)ように仕向けたのだ。

「原來如此。要一直畏懼難以理解的事物,果然很難呢」

「なるほど。良く解らぬモノを恐れ続けるのは難しいということですな」

「沒錯!我想看看那些打算先躲在城裡觀望的人慌張失措的樣子」

「そうよ! わしは、とりあえず城に籠って様子見をしようという奴らどもが慌てふためく様が見たいのじゃ」

信長逼迫那些將問題一再拖延的機會主義者做出決斷。

信長は問題を先送りにする日和見(ひよりみ)主義者達に決断を迫る。

毛利的攻略已呈現消化賽的態勢。與其徒然耗費時間,不如高效率地推進,這是顯而易見的。

既に毛利攻略は消化試合の様相を見せている。ならば徒(いたずら)に時間を掛けるよりも効率的に進めたいと思うのは自明だろう。

若那些對織田家不表對抗、採取觀望的國人一齊歸附,這個局勢就會一口氣加速。

そして織田家に対して対決姿勢を示さず様子見をしている国人達が一斉に軍門に下れば、その流れは一気に加速する。

「早已沒有時間再耗在征伐西國這種程度的事上了。該趕快統一日之本,並像伴天連那樣向更廣闊的世界出擊才是」

「最早西国征伐程度に時間を掛けている暇はない。さっさと日ノ本を纏め上げ、伴天連(ばてれん)どものように広く世界へ打って出ねばなるまい」

「是要向外國嗎,上樣您志在何處?」

「外国(とつくに)ですか、上様は何処(いずこ)を目指しておられるのでしょうか?」

「自從靜子把這個獻給我時我就一直在思考。看啊可成!與廣闊的世界相比,日之本是多麼渺小!」

「静子がわしにこれ(・・)を献上した折より考えておったのだ。見よ可成! 広大な世界と比べて日ノ本の何と小さきことか!」

信長這麼說著,打開並展示了曾由靜子獻上的日本地圖卷末附錄的一頁。

そう言って信長はかつて静子から献上された日本地図の巻末付録のページを開いて見せる。

上面刊有一張被反覆攤開留下摺痕、以折疊形式印在A3尺寸的世界地圖。

そこには何度も広げられたのか、クセのついた折り込み形式でA3サイズに印刷された世界地図が載っていた。

以墨卡托投影把整個世界塞進一張長方形紙張來看,日之本不過是浮在廣大歐亞大陸邊緣的一座小島。

一枚の長方形の紙の中に世界の全てを詰め込めるメルカトル図法で描写された世界から見ると、日ノ本は広大なユーラシア大陸の端に浮かぶ小島に過ぎない。

「我們竟在這麼小的日之本爭雄,而伴天連那些人竟從遙遠的西方來到日之本!」

「わしらはこんなにも小さな日ノ本で覇を競っておるのだ。伴天連どもは、遥か西のこんな場所から日ノ本まで辿り着いておると言うのにだ!」

信長這樣說著,指向歐洲一帶示意可成。

そう言って信長はヨーロッパの辺りを指さして可成に示す。

歐洲與日本即使以直線距離也超過一萬公里,經由非洲南端好望角到達日本的航程則更是難以估計的漫長。

ヨーロッパと日本との距離は直線距離にしても一万キロメートル以上離れており、アフリカ大陸南端の喜望峰を介して日本に至る航路の総距離となれば計り知れない。

他們以自製的海圖為基礎,花數年航行抵達日之本,航海技術的差距顯而易見。

この膨大な距離をお手製の海図を元に、数年を掛けて航海して日ノ本に至るのだ。航海技術の差は歴然としていた。

「目前雖以貿易為主,但若他們能算出壓倒我們的辦法,必定會進犯日之本」

「今は交易に甘んじておるが、奴らとてこちらを圧倒できる算段が付けば日ノ本に攻め入ってこよう」

「到那時若日之本還自相殘殺,根本無法抵擋」

「その時に日ノ本だけで内輪もめをしていたのでは、到底太刀打ちできませぬな」

信長點頭表示贊同。此時信長已過四十,按當時平均壽命可說人生進入後半段。

我が意を得たりと言わんばかりに信長は頷いた。この時点で信長の年齢は四十歳を過ぎており、当時の平均寿命からすれば人生は終盤戦と言える。

信長並不特別焦躁,但希望在壽命耗盡前把世界的廣闊烙印在眼中。

信長としては別段焦りなどしていないが、己の寿命が尽きる前に世界の広さを我が目に焼きつけたいと考えていた。

史實中信長的享年據說在本能寺之變時為四十七歲(當時按虛歲有時算作四十八)。

史実に於ける信長の享年は、本能寺の変時点で四十七歳(当時は数え年であるため四十八とされることもある)だったとされている。

距離天正十年(千五百八十二年)本能寺之變還有三年,但可以說西國征伐的目途已然立定。

本能寺の変が起こった天正十年(千五百八十二年)まで残すところ三年を前にしているが、西国征伐の目途は立ったと言える状況にあった。

「話說回來,靜子一旦接手工作就做得相當好」

「それにしても静子は仕事を取り上げると実に良い働きをする」

「您這麼說是指?」

「とおっしゃいますと?」

「大多數人被收回工作會慌張,覺得信任受損;但靜子泰然自若,完全看不出慌張。因此周遭的人不免動搖,會猜想她是否被委以比原來工作更重大的任務」

「大抵の者は、仕事を取り上げられれば信頼を損ねたと慌てよう。しかし、静子は泰然としてまるで慌てる様子を見せない。故にこそ周囲は動揺せずにはいられない。取り上げられた仕事に変わる大役を命じられたのではないかと」

被主君委以工作,工作越重要代表被信任越深。

主君より仕事を任されるということは、その仕事が重要であればあるほど信任が厚いと言える。

靜子目前被信長託付的最大任務是東國管領,責任重大——整頓並使受戰亂創傷的東國繁榮起來。

現在静子が信長より託されている一番の大仕事は東国管領であり、戦乱の傷跡が残る東国を纏め上げ繁栄させるという途方もなく重要なものである。

儘管那是完成御馬揃的褒美特別休假且未對外公開,若平日忙碌的靜子突然開始隱居生活,人們會如何想像呢?

御馬揃えを成し遂げた褒美の特別休暇とは言え公表はされておらず、それまで忙(せわ)しなく動き回っていた静子が突如として隠遁(いんとん)生活を始めればどう思うだろうか?

會產生她發生了某種失誤,或是觸怒了信長而招致不悅的各種猜測。

何らかの不手際を起こしたか、それとも信長の勘気に触れて不興を買ってしまったのではないかとの憶測を生んでいた。

「靜子的名號實在很好用」

「静子の名は実に使い勝手が良い」

「哈、哈哈」

「は、ははっ」

與朗然一笑的信長相對,可成一想到連休假都會被政治利用的靜子,不禁苦笑。

朗らかに笑ってみせる信長とは対照的に、休暇すらも政治的に利用されてしまう静子を思うと笑みが引き攣(つ)らずにはいられない可成であった。

此時足滿在土佐國與礦山技師一同反覆進行礦床的試掘與選礦作業。

そのころ足満は土佐国(とさのくに)にて鉱山技師と共に鉱床の試掘と、選鉱を繰り返していた。

選礦是指把採出的礦石分別為有用與無用的作業。

選鉱とは、採掘した鉱石を有用なものと不用なものとに分別する作業を指す。

之所以需要選礦,是因為礦石中含有的有用礦物通常以重量比只佔幾個百分點就算高,近九成會被丟棄。

なぜ選鉱が必要かと言えば、一般に鉱石中に含まれる有用な鉱物は重量比にして数パーセントもあれば高い方であり九割近くが廃棄される。

足滿的目的是確保用於鐵鋼冶煉時的添加物—錳,而能製煉鋼鐵的高爐只有尾張存在。

足満の目的は鉄鋼製錬時に於ける添加物として用いるマンガンの確保であり、鋼鉄が製錬可能な高炉は尾張にしか存在しない。

換言之,必須把採出的錳運到尾張;會以海運運輸,但貨物越輕越好這是顯而易見的。

つまりは採掘したマンガンを尾張まで輸送する必要があるのだ。その際には海運を用いて輸送するのだが、荷物は軽い方が良いのは自明だろう。

因此他想在土佐國盡可能重複選礦,甚至把錳礦石或金屬錳精煉後再運送。

故に土佐国にて極力選鉱を繰り返し、マンガン鉱石ないし金属マンガンまで製錬した状態で輸送したいと考えていた。

尤其是此次出土的菱(りょう)錳礦,經過稱為焙燒的工序後,品位(礦石中含有的目標礦物或金屬含量,以每噸含幾克計)會飛躍性提升。

特に今回出土している菱(りょう)マンガン鉱は、焙焼(ばいしょう)と呼ばれる工程を経ることにより、飛躍的に品位(鉱石中に含まれる目的の鉱物・金属含有量。1トン中に含まれるグラム数で評価される)が上昇するという性質がある。

因此,足滿打算在土佐國內實施三段式的選礦。

その為、足満は土佐国内で三段階の選鉱を実施しようと考えていた。

第一工程是將採出的礦石粉碎,透過確認其粒度與色澤以目視方式選礦。

第一工程は採掘した鉱石を粉砕し、その粒度及び色彩を確認することにより目視で選鉱する。

目標的菱錳礦通常呈現鮮豔的紅色,因此可以很容易以肉眼挑選出來。

お目当ての菱マンガン鉱は鮮やかな赤色を呈することが多いため、容易に目視で選別することが可能である。

第二道工序是將礦石粉末置於流水中,藉由比重造成的沉降速度差異來分揀礦石,進行比重選礦。

第二工程として鉱石粉末を流水に晒し、比重により沈殿する速度の違いから鉱石を選り分ける比重選鉱を行う。

實際上,像淘金或選別砂鐵所使用的洗礦法就是依據這個原理進行。

実際に砂金や砂鉄の選別などで有名なパンニングはこの原理によって行われている。

第三道工序是焙燒選礦,即在礦粉不會熔解的溫度範圍內、且有空氣存在的環境下進行加熱處理。

第三工程として鉱石粉末が溶解しない範囲で空気が存在する環境下にて加熱処理を行う焙焼選鉱だ。

經過這樣反覆的選礦處理後,礦粉中錳的品位比起選礦前大約會提高數十倍,因此運輸效率也會提升。

ここまで選鉱処理を繰り返せば、鉱石粉末中のマンガン品位は選鉱前と比べて数十倍程度には高まっているため輸送効率が上がるのだ。

「大致上的選礦方法已經決定,但要大規模進行採掘與選礦,似乎還是建造工廠比較好。」

「概ね選鉱手段は決まったが、採掘と選鉱を大規模に行うとなれば工場を建設した方が良さそうだ」

「用人力或水力來粉碎礦石太過低效,必須從尾張引進動力機具才行呢。」

「鉱石を粉砕するにあたって人力や水力では余りにも非効率ですから、動力機器を尾張から持ち込む必要がありますね」

「再說採掘本身也有很多需要仰賴人力的地方,得雇用大量的工人才行。」

「そもそも採掘に関しても人力に頼る部分が多いため、多くの人夫を雇う必要があるな」

足滿一邊與礦山技師商談,一邊環視周遭。

足満は鉱山技師と打ち合わせをしながら周囲を見渡していた。

這次發現的礦脈並非出現在深山,而是在相對靠近海岸的地帶露出,足滿眼中可以看到當地漁夫在漁港附近工作。

今回発見された鉱山は、山間部ではなく比較的沿岸部に露頭しており、足満の視界には地元の漁師たちが漁港付近で働いている姿があった。

「他們在做什麼?」

「あれは何をしているんだ?」

足滿向被長曾我部派來的在地嚮導問道,他回答說。

足満が長曾我部から派遣されている地元の案内役に問いを投げかけると、彼は答える。

「那是把夏天捕獲的鰹魚加工成鰹節的作坊。」

「あれは夏に漁獲した鰹を加工して、鰹節を作っている小屋になります」

「哦,鰹節啊!」

「ほう、鰹節か!」

「您知道嗎?生魚無法長期保存,但把魚煮熟後反覆熏製與乾燥,就能做成不會腐壞的鰹節。」

「ご存じでしたか? 生魚のままでは保存が効きませんが、煮上げて何回か燻(いぶ)し、乾燥を繰り返せば腐らない鰹節になるのです」

「把鰹節薄薄削下來熬成高湯,燉煮的菜也會更美味。」

「鰹節を薄く削って出汁を取れば、煮物なども美味くなるな」

「是啊,鰹節仍然會長霉,所以會在閒暇的冬天反覆熏製與乾燥。」

「そうですね、それでもカビは生えますので手の空く冬の間に燻しては乾燥させているのです」

「嗯?不是故意讓它長霉來熟成的嗎?」

「ん? わざとカビを付けて熟成させるのではなかったか?」

「這個嘛?我可沒聽過那樣的說法……」

「さて? そのような話は聞き及んでおりませぬが……」

足滿沉思起來,開始盤算即將興建的選礦場所需的就業人員,以及如何供應他們的衣食住。

思案顔になった足満は、これから建設予定である選鉱場の就労人員確保及び、その衣食住を賄(まかな)う手段について頭を巡らせ始めた。

時光倒回一些,當御馬揃え結束、靜子從一週的特別休假回來時。

少し時は遡(さかのぼ)り、御馬揃えが終わって静子が一週間の特別休暇から復帰したころ。

為了參加御馬揃而從各地上京的人們,已各自返回國中。

各地から御馬揃えの為に上京してきていた面々は、各々国許へと帰っていった。

靜子軍在完成預定會談到一半左右時,留下足以運作京中宅邸的少數人員,其餘下令返回尾張。

静子軍に関しても予定されていた会談を半ばあたりまでこなした処で、京屋敷を運営できる程度の人員を残し、他は尾張へと帰還するよう命じた。

這是為了讓靜子留在京中,以免尾張的事務停滯所做的安排。

これは静子が京に留まることで、尾張での業務が停滞しないようにするための措置である。

又過了一週左右,除了最低限的人手之外已不再需要,於是經過向信長報備後便遣人返回尾張。

そこから更に一週間が経過する頃には、最低限の手勢の他は必要なくなったため信長に断りを入れた上で尾張へと向かわせた。

在靜子軍回返之際,敵方的間諜們繃緊神經持續監視著。

そんな静子軍が帰還するにあたって敵側の間者達は神経をすり減らしながら監視を続けている。

他們關心的事無非就是大砲的去向。

彼らの関心事は専(もっぱ)ら大砲の行方にについてである。

雖然靜子從尾張召來的大砲部隊大半借給了光秀,但間諜們曾目擊靜子京中宅邸的練兵場內有數門大砲存在。

静子が尾張から呼び寄せた大砲部隊の大半が光秀に貸与されているとは言え、静子の京屋敷内の練兵場に何門もの大砲が存在していることを間者達は目撃していた。

傳聞那些大砲某日在一夜之間突然消失,耐人尋味。即便只有一門,那能穿透城牆、掏凹石垣的大砲也不容忽視。

その大砲がある日を境に突如として姿を消したというから大変だ。たとえ一門きりだったとしても城壁を穿(うが)ち、石垣を抉(えぐ)る大砲の存在は無視できない。

考量到長長的砲管和運送它所需的大型車輛的存在,間諜們認為不管藏到哪裡都會被人發現,因此拼命搜尋。

長大な砲身とそれを運搬するための大がかりな車両の存在を考慮すれば、何処へ隠そうとも人目には触れるはずだと間者達は血眼になって探しているのだ。

「哈哈哈!」

「あっはっは!」

另一方面,聽了靜子說明消失大砲的訣竅後,慶次大笑不止。

一方で、消えた大砲のカラクリを静子から聴いた慶次は大笑いしていた。

靜子在得知敵方間諜暗中活動以及大砲引發注目之後,想出一計並付諸實行。

敵方の間者達が暗躍していること及び、大砲の存在が注目を集めていることを報告されていた静子は一計を案じて実行したのだ。

「我倒覺得並沒有那麼有趣啊?」

「そんなに面白い処は無かったと思うんだけど?」

「哪哪,這很有趣且痛快。竟然回尾張的家臣們所拉的行李車竟然是大砲,真是諷刺得妙。」

「いやいや、充分に面白いし痛快だ。まさか尾張に帰還する家臣達が曳いていた荷駄が大砲だったなんて皮肉が利いている」

大砲最明顯的特徵就是長長的砲管,絕非容易隱藏的物品。

大砲はとにかく長大な砲身が特徴的であり、そう簡単にその存在を隠すことは出来ない。

於是靜子反其道而行,把拆解後的大砲重新組裝成為荷車。

そこで静子はそれを逆手に取って分解した大砲を組み替えて荷車にしてしまったのだ。

她用砲管當作支撐荷車籠底的心軸,將用於推動大砲的車輪直接做為荷車輪子,機構部分拆卸後裝入行李中,偽裝成普通行李。

荷車の籠部分を底で支える心棒に砲身を用い、大砲を動かすための車輪などはそのまま荷車の車輪へと流用し、機構部分は取り外して行李(こうり)に詰めると荷物に偽装した。

再把實際回程士兵的行李、食糧與物資一併裝上,因為超載而變得笨重的荷車便完成了。

そこに実際に帰還する兵士たちの荷物や食料・物資なども一緒に積み込んでしまえば、過積載からか鈍重な荷車の出来上がりというわけだ。

敵方的間諜們傾盡全力尋找大砲的形跡,但全都徒勞無功。

敵側の間者達は大砲の形を探し求めて尽力するが、その全てが徒労に終わる。

慶次忍不住笑了,覺得諷刺的是,明明看得見那輛慢慢從眼前經過的貨車本身就是大砲,卻找不到它。

実際には彼らの目の前をゆっくりゆっくり通過していく荷車そのものが大砲であるという、見えているのに見つけられない状況が皮肉に思えて慶次は笑いが止まらない。

「這招也不是能常用的秘技,所以在關鍵時刻用了,效果比預想的還好呢」

「そう何度も使える裏技じゃないから、ここぞという時に使ってみたけど予想よりも効果的だね」

「趁他們為了大砲的去向空忙一場,明智日向守大人就能達成目的,原來是這樣嗎」

「奴らが大砲の行方をめぐって空回りしている間に、明智日向守(ひゅうがのかみ)殿が目的を遂げるという訳か」

「大砲的存在感增加了,勢必對其去向變得敏感。而一旦開始懷疑有人忽略了消失的大砲,就會越想越疑神疑鬼了」

「大砲の存在感が増したから、その行方については神経質にならざるを得ない。そして消えた大砲について見落としを疑い始めたら最後疑心暗鬼に陥るよね」

靜子多少、不,頗有被信長玩弄於股掌之間的感覺,但她本就不介意被利用。

少々、否かなり信長の手のひらで転がされた感が拭えない静子だったが、元より利用されることに対する不満はない。

「話題換個方向。剛才在花街好像發生了打架。對方竟有九個人,卻被只有兩個人打敗了」

「ところで話は変わるんだけどね。つい最近、花街で喧嘩があったらしくてね。何と相手は九人もいたのに、たった二人に負かされたらしいんだよ」

「那可糟了。那場打架怎麼了?」

「それは大変だな。で、その喧嘩がどうかしたのか?」

慶次敷衍回應,但靜子注意到他表情有些抽動。靜子已被告知那兩人是慶次和長可,但她故意不說破,等著他們自己招認。

軽口で返す慶次だが、若干表情が引き攣っていることを静子は見逃さなかった。その二人が慶次と長可の二人であることを静子は報告されているのだが、敢えて口には出さず自白するのを待った。

「一般人會覺得輸了打架很丟臉而想隱瞞吧?不過這次的對方好像不是那樣的。莫名其妙的,他們說在那場打架中受的傷太重,要求有人負責。」

「普通なら喧嘩に負けただなんて恥ずかしくて隠そうとするよね? でも、今回のお相手はそうでもなかったようなの。何故かその喧嘩で負った傷があまりにも重症だったとして責任を取るよう求めているんだって」

「哦哦,換言之不是想把它當作當事人之間的鬥毆了,而是要以事件來起訴?」

「ほうほう、つまりは当人同士の喧嘩では済まさずに事件として訴えたいってことか?」

「嗯,但目擊證言和對方的說法差太多了,所以不受理。」

「うん、でも目撃証言とお相手の話の内容があまりにも食い違うから受け付けなかったよ」

在京城花街發生的那場打架,不到兩日靜子就了解了全貌。

京の花街で起きた喧嘩は、その発生から二日と経たたぬ内に全貌を静子が知るところとなっていた。

根據報告,是有惡劣的客人想對遊女們為非作歹,慶次與長可出面責備為起因。

報告によるとタチの悪い客が遊女たちに乱暴しようとしたのを、慶次と長可の二人が咎めたのが発端だった。

在眾目睽睽之下被公開指責而暴怒,竟然多人包圍攻擊卻被反擊打敗本就丟臉,更令人氣憤的是,他們竟厚顏無恥地向靜子抗議要她負責,出乎意料。

衆目がある中、公然と咎められたことで逆上し、大人数で襲い掛かった末に返り討ちにあったというだけでも情けないのだが、厚顔無恥にも静子に対して責任を取るよう抗議してくるのは予想外であった。

「在駁回訴狀的時候我附帶說了,要是當事人之間要求損害賠償我不會阻止,所以幾天內他們可能會搞些動作喔?」

「訴えを却下する際に、当事者同士で損害賠償請求する分には止めないって言い添えたから、数日の内に何か仕掛けてくるかもよ?」

「不知道那『當事人』會是誰,但被這種不要臉的人纏上真是可憐。」

「その当事者ってのが誰かは判らないが、そんな恥知らずに煩(わずら)わされて可哀想なこった」

慶次回話後靜子停下執筆,輕輕嘆了口氣。

慶次の返しに静子は筆を止めると小さく息を吐いた。

「我已通告過,為了避免鬧得更大,若結黨私鬥會給予相應的懲罰。」

「これ以上の大騒動に発展しても嫌だから、徒党を組んでの私闘をした場合には相応の罰を与える旨は通告しておいたよ」

「那剩下的手段就是單挑或是襲擊了吧。」

「そうすると残る手段は一騎打ちか、闇討ちかだな」

靜子的馬廻眾慶次與長可,都是名聲在外的武藝者。

静子の馬廻衆である慶次も長可も、いずれも音に聞こえた武芸者である。

即便依仗人多奇襲仍然敗北,他們也不會選擇一對一的決鬥,這樣一來只能是暗算了。

数を恃(たの)んで奇襲してすら負けたというのに一騎打ちは選べまい。とするなら残る手段は闇討ちしかあり得ない。

不知是幸還是不幸,慶次與長可都常常夜遊,根本不缺被暗算的機會。

幸いなのか何なんのか、慶次にしても長可にしても割と頻繁に夜遊びをするため、闇討ちをする機会には事欠かない。

「沒錯。要是被暗算了,即便被反擊喪命也不能抱怨了吧。」

「そうだね。流石に闇討ちとなれば逆襲されて命を落としたとしても文句は言えないよね」

本來,向武藝者挑釁就是拿彼此的自尊互相較量。

本来、武芸者に喧嘩を売るということは、互いの矜持を掛けての戦いとなる。

在眾人眼中明顯的決著,多半以一方死亡而定。

誰の目にも明かな決着というのは、どちらかの死を以て付けられることが多い。

然而這次的打鬥雖然出現重傷者,但沒有人死亡。

しかし、今回の喧嘩では重傷者こそ出たものの、誰一人として死んではない。

他們本應重視這一點,但似乎被怒火沖昏頭,無法反省。

彼らはそのことを重く受け止めるべきであったのだが、頭に血が上ってしまったのか反省することが出来ずにいたようだ。

「你們覺得這樣可以嗎?」

「良いのか?」

「好不容易保住了一條命,對於那些要把命白白丟掉的人我不會心慈手軟。」

「折角拾った命なのに、それを無駄に捨てる者にかける情けはないわ」

可以理解他們覺得被單方面打趴沒了顏面。

一方的に叩きのめされて面子が立たないと考えるのは理解できる。

但長可身為名門森家的直系,也有他的面子。若在路邊被突然襲擊,他真的會不殺對方而是將其就地逮捕嗎?

しかし、彼らと同様に長可にも名門森家直系としての面子がある。道ばたでいきなり襲いかかられて、果たして彼が相手を殺さず捕縛するだろうか。

靜子和慶次這麼一想,立刻得出相同的結論。

そう考えた静子と慶次はすぐ同じ答えに辿り着いた。

「和平了就沒有機會展現武威,我原本就認為這類小衝突或多或少會發生……」

「平和になると武威を示す機会がなくなるから、こういう小競り合いが多かれ少なかれ起きると考えてはいたけれど……」

「靜子!!」

「静子!!」

正當靜子還在說話,長可一聲怒喝如要掩蓋她的話般響起。

静子が言葉を紡いでいる途中、それをかき消すかのような長可の怒声が響き渡った。

兩人一聽聲色,便察覺已經來不及了。

声色を聞いた二人は、既に手遅れだったと同時に察した。

簡言之,對長可做出了完全無責的裁決。

結論から言えば、長可には一切のお咎めなしという沙汰が下された。

因為長可主張在夜路上被突然斬向,迫不得已反擊的說法獲得認可。

夜道で突然斬りかかられ、やむを得ず反撃したという長可の言が認められたからだ。

很多花街居民作證支持他的證詞,這點很關鍵。

彼の証言を裏付けるように、花街の住人たちが多く証言をしてくれたというのが大きい。

然而若是在市街地鬧事甚至造成死傷,自然會傳到信長耳裡。

しかし、市街地で暴れた上に人死にまで出たとなれば当然信長の耳にも入ってしまう。

信長在聽到報告時,臉色明顯變了,怒火中燒。

信長は報告を耳にした際、目に見えて顔色が変わる程に激怒したという。

對信長而言,京城的治安維持是天下統一的重要事項,妄圖破壞者等同於叛逆。

信長にとって京の治安が保たれているということは、天下統一に於いて重要事項であり、それを妄(みだ)りに破らんとする者は反逆者に等しい。

最近他心情一直很好,周遭人見到這種落差都不禁發抖。

ここの処、ご機嫌が良かっただけに周囲の人間はその落差に震えあがった。

靜子得知信長的怒意後,見此良機,以探察信長心情為大義離開了京城。

その信長の怒りを知った静子は、これ幸いと言わんばかりに信長のご機嫌を窺うという大義名分を掲げて京を後にした。

「義父大人也幫了不少忙,但朝廷拖延阻撓的伎倆實在令人頭疼」

「義父(ちち)上も随分と手を回してくれたけれど、朝廷の足止め工作がねちっこくて困っていたんだよね」

靜子本想把繁瑣的會談辦完就趕快回尾張,但朝廷找了各種理由想把她留在京中。

面倒な会談さえ済めば、さっさと尾張に帰りたかった静子だが、朝廷はあれやこれやと理由を付けて静子を京に引き留めようとしてきた。

作為義父的前久也盡了力,卻有許多人即便違逆關白也想與靜子結緣,無法一一壓下。

義父である前久(さきひさ)も尽力してくれたのだが、関白の意に逆らってでも静子と縁を得たいと望むものが多く、全てを抑えることが出来なかった。

正當她思索是否應訴諸強硬手段之際,此次事件爆發了。

そろそろ強硬手段に訴えるべきかと思案していた折に、今回の事件が勃発した。

若結果使信長大怒,作為當事者的主君便必須前去申辯。

その結果として信長が激怒しているとなれば、当事者の主君としては弁明に赴かねばなるまい。

就連公家們也無法冒犯信長以致觸怒於他並繼續挽留,靜子得以平安離開京城。

流石の公家達も、前久だけでなく信長の怒りを買ってまで引き留めることは出来ず、静子は無事に京を脱することが出来た。

抵達安土後,靜子立刻派人去見信長。

こうして安土へ到着すると、静子は即座に信長へと遣いを出す。

「不必上城,你務必盡職。」

「登城は不要。貴様は任を全うせよ」

然而,信長的回信表示根本不需要到安土城來。

しかし、信長からの返事はそもそも安土城へと来ることすら無用だというものだった。

從回信內容判斷,信長的激怒更像是對朝廷的姿態,是有意在周遭示怒以達某種目的。

返事の内容から判断するに、信長の激怒は朝廷に対するポーズであり、何かしら狙いがあって周囲に怒りを見せているのだと理解した。

在理解這點後,再度遣使請求上城謁見。

それを理解した上で再度使者を遣わし、登城しての謁見を願い出る。

果如靜子所料,這次連書狀都沒有,對使者傳達出暫時無意會客的意思,語氣相當憤怒。

すると静子の予想通り、今度は書状すらなく使者に対して当分は会うつもりがない旨、かなり立腹である様子で伝えられた。

表面上看似得罪了信長,但實際上是為了向外界示意「連靜子都無法面見,信長怒極至」。

一見すると、信長から不興を買ったようにも思えるが、実際には「静子ですら面会が叶わぬほどに信長が立腹である」と周囲に示すための行動だった。

信長此舉的目的是警告在京作亂之人,藉以整肅綱紀。

こうすることで京での愚行をするものに警告し、綱紀粛正を図るというのが信長の狙いだ。

無論信長意圖為何,靜子演了一場戲後便返回尾張。

信長の思惑はどうであれ、静子は一芝居打った後、尾張へと帰還する。

「歡迎回來,靜子大人」

「お帰りなさいませ、静子様」

在彩與蕭(しょう)的迎接下,靜子回到自宅。

彩や蕭(しょう)の出迎えを受けつつ静子は自邸へと帰りついた。

洗去旅途疲憊後,靜子沉浸於閱讀報告書。

旅の疲れを落とすべく入浴を済ませた後、静子は報告書を読みふける。

大致上沒有重大問題,派往謙信與家康處的技術人員、關東地形調查等進展順利。

特に大きな問題はなく、謙信や家康の元への技術者派遣、関東の地形調査などは順調に事が進んでいた。

足滿的報告除了選礦場外,還提到想建鰹節工廠,雖讓人稍感困惑,但決定允許。

足満からの報告書に於いて選鉱場の他に、鰹節工場も建設したいとあり少し混乱したものの許可することにする。

東國各地仍有小規模衝突,但靜子認為戰國時代正逐步迎向終焉。

未だ小競り合いは東国の各地で起こっているが、それでも戦国時代が終焉を迎えつつあると静子は考えていた。

不過若此時處理失當,恐會在武官與文官之間刻下難以修復的深刻裂痕,需謹慎應對。

しかし、この時期の対応を誤ると武官と文官との間に修復不可能なほどの深い溝を刻むことになりかねず、注意深い対処が求められる。

這類積怨會隨時間愈演愈烈,最終可能又回到戰亂狀態。

こうした確執は時間とともに激しさを増し、最終的には戦乱状態へと逆戻りすることになりかねない。

(把家督交給四六就立刻崩壞這種事,真是二代目常見的情形。聽說他在學校成績優秀、作為繼承人的態度也很堂堂……該是時候讓他正式累積經驗了吧?)

(家督を四六へと引き継いだらあっさり崩壊って言うのは二代目あるあるだよね。学校での成績は優秀であり、後継者としての態度も堂々としたものであると聞く……そろそろ本格的に経験を積ませる時期かな?)

雖有些不安,但靜子認為一直把四六當孩子看待對他不敬。

少々不安は残るが、いつまでも子ども扱いは四六に対して失礼だと静子は思う。

「去把四六叫來」

「四六を呼んできて」

她命小姓去召喚四六。

小姓に四六の呼び出しを命じた。

雖然是突如其來的召喚,但幸好四六在家,立刻跑到靜子面前。

唐突な呼び出しだが、幸いにして在宅していた四六はすぐさま静子の許へと駆けつける。

「母上,您召我嗎?」

「お呼びでしょうか母上」

颯爽現身的四六以輕快的動作向靜子行禮。

颯爽(さっそう)と現れた四六が、軽妙な所作で静子に礼をした。

四六如其才能般顯著進步,在年輕一輩中已有一定的支持,或許因此自信倍增,卑微的氣質也減淡了。

器と同様に長足の進歩を見せる四六は、若い衆の間では既に一定の支持を受けており、それが自信に繋がったのか、己を卑下するような雰囲気が薄れていた。

「嗯,我覺得也差不多該讓你行元服了」

「ええ。そろそろ貴方の元服をする頃合いかと考えているのですよ」

四六如他曾宣稱的那般,日夜努力以成為靜子的後繼者。

四六はかつて彼が宣言した通り、静子の後継者足らんと日々努力を積み重ねていた。

只是四六尚未行元服,這一點被家臣視為值得憂慮之處。

しかし四六は未だ元服を行っておらず、その一点のみが家臣から懸念すべき点だと思われている。

不必多言,元服是武家男子為成為成人所施行的通過儀式。

今更詳しく語るまでも無いが、元服とは武家の男子に於いて成人となるべく行う通過儀礼だ。

經過元服後才會被周遭認可為大人,在那之前無論多麼有功,也仍被視為半人前。

元服を経て初めて周囲に大人として認められるため、それまではどれ程の功績を上げていようとも半人前の扱いとなる。

那是極為重要的儀式,但到目前為止因為四六本人的意願並未舉行。

それほどまでに重要な儀式なのだが、今までは四六本人の意向によって行われていなかった。

「照你所願,元服已被一再延後,但果然到了極限。」

「貴方の希望通り、元服を先延ばしにしてきましたが流石に限界です」

「明白了。為了不辜負母上的期待,我會更加奮發努力。」

「承知いたしました。母上のご期待に沿えるよう、一層奮起致します」

靜子原本認為需要說服,可是四六卻乾脆地同意了元服。

静子としては説得が必要かと考えていたのだが、あっさりと四六は元服に同意した。

注意到她露出疑惑表情後,四六略帶羞澀地說道。

彼女が訝し気な表情を浮かべていることに気付いた四六は、少しはにかんだ様子で語った。

「要成為偉大的母上之後繼者,必須贏得足以讓周圍期待你元服的人望,否則無法自稱。」

「偉大な母上の後継者となるのです。周囲から元服を待望される程度には人望を集めねば、とても名乗れませぬ」

「原來是那樣嗎?」

「そういうことですか」

我原以為是因為缺乏自信才拖延,然而四六比靜子想像的還要努力鞏固作為後繼者的地位。

己に自信がないからというのが先延ばしの理由かと思っていたが、四六は静子が考える以上に後継者としての立場を固めようとしていた。

正如他所言,周圍人要求四六元服,可以說是在期待他成年後成為靜子的接班人。

彼の言うとおり、周囲が四六に元服を求めるということは、成人して静子の後継者になる事を期待していると言えた。

「四六,你的覺悟我已明白。那麼母親就沒什麼好說的了。元服之後,努力讓人認可你配得上成為後繼者。」

「四六、貴方の覚悟は分かりました。ならば母から言う事はありません。元服後、後継者として相応しいと認められるように頑張りなさい」

「知道了。」

「承知しました」

聽到四六的回答,靜子帶著些許寂寞點了點頭。

四六の返答に静子は若干の寂しさを覚えつつ頷いた。