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戦国小町苦労譚

千五百七十八年 十一月上旬

家紋是表示個人或家族等同一氏族的紋章。

家紋とは個人や家族といった同じ氏族を示す紋章である。

源自用以表示家或一族獨自性的家名(屋號),透過刻在物品或建築上來表明其歸屬。

家や一族の独自性を示す家名(屋号)に端を発しており、持ち物や建築物に刻むことでその帰属を明らかにする用途で用いられている。

而將刻有此類家紋的簪子插在髮中,意指靜子對織田家及近衛家而言是不可或缺的人物。

そしてそのような家紋が刻まれた簪(かんざし)を髪に挿すということは、静子が織田家及び近衛家にとってかけがえのない人物であることを意味する

更甚者,當門主親自為她插上,且靜子接受了此舉,便不經意地向周遭顯示了他們絕對的深厚羈絆。

更には一門の当主自らが彼女の髪に挿し、また静子がそれを受け入れたことによって図らずもその絆の太さを周囲に示すことになる。

換言之,靜子已成為超越猶子(血族外養子)地位的近衛家重要人物,並公開宣示與織田家直系親族相匹敵。

即ち、静子は猶子(ゆうし)(血族外の養子)を超えた近衛家の重要人物であり、織田家直系の親族に匹敵すると公に宣言することとなった。

「那麼,出發吧」

「それでは、参りましょう」

靜子未能發覺這等具有重大意義的行為,乃因發生在『御馬揃え』出發之前不久,且兩人將簪身插入她髮中,使她無法看見簪子本體。

これほど重要な意味をもつ行為に静子が気付けなかったのは、『御馬揃え』出発直前であったこと及び静子が簪本体を目にしないように二人が髪に挿し込んだためだ。

信長是主君,前久則是無論公私都照顧她的義父。那兩人作為褒獎所賜的物品,靜子怎麼可能輕易糟蹋。

信長は主君であり、前久は公私ともに世話を焼いてくれる義父である。そんな二人が褒美にと授けてくれたものを無下に扱うことなど静子にできようはずがない。

若是髮型凌亂當然需要整修,但見周遭無人言語,她便判斷應該沒有問題。

流石に髪型が乱れたのならば対応が必要だったのだろうが、周囲が何も言わないところを見るに問題がないのだろうと彼女は判断してしまった。

順帶一提,周圍之人未多加干預,是因為簪子實在太過華美出眾,且大家為戴上它的靜子感到自豪。

因みに周囲の者たちが何も口出ししなかったのは、簪があまりにも見事な逸品であったことと、それを戴(いただ)く静子を誇らしく思ったためである。

位在御馬揃え第六隊的靜子隊,在進行者發出出發信號後推進馬群。

御馬揃えの六番目に位置する静子隊は、進行役が出発の合図を出したのを見て馬を進める。

靜子隊的先頭由兩名馬廻眾擔任,並有被稱為傾奇者的前田利益(此處稱為慶次)與可兒吉長(即才藏)擔任掃路者。

静子隊の先頭を務めるのは静子の馬廻衆が二人、傾奇者(かぶきもの)として知られる前田利益(とします)こと慶次と、可児(かに)吉長(よしなが)こと才蔵が露払いに立っている。

慶次身著傾奇者風格華麗誇張的裝扮,而才藏則穿戴與當世具足不同、別具一格的近代風甲冑,形成鮮明對比。

傾奇者の面目躍如といったド派手な意匠に身を包んだ慶次と対照的に、この時代の甲冑である当世具足とは一風変わった近代的な甲冑を纏(まと)う才蔵。

在這兩位大顯勇武的男子之後,緊接著的是穿著艷麗服飾的靜子。

実に益荒男(ますらお)ぶりがする二人に続くのが艶やかな衣装を着こなしている静子であった。

沿道近距離觀望者,會被她所插簪子的威嚴姿態所震撼。

沿道から間近で見ている者には、彼女が挿している簪の威容が目に飛び込んでくる。

最引人注目的是信長贈予她的簪飾玉。將一顆具有可作鏡片般透明度的玻璃球剖成半球,並以金屬塗漆的『金胎漆藝』技法,夾入一塊以漆彩鮮豔描繪織田家家紋『織田木瓜紋』的金屬板。

何を差し置いても目を引くのは信長が彼女に与えた簪の飾り玉だ。レンズに使える程の透明度を誇るガラス球を半分に割り、金属に漆を塗る『金胎(きんたい)漆芸(しつげい)』の技法を用いて漆の鮮やかな色合いで織田家の家紋である『織田(おだ)木瓜(もっこう)紋(もん)』があしらわれた金属板を挟み込んでいる。

家紋外側貼有金箔,金底上以紅與黑描繪的家紋,經鏡片效果放大浮現,堪稱至高逸品。

家紋の外側は金箔が貼られており、金地に赤と黒で表現された家紋がレンズの効果で拡大されて浮かび上がるという至高の逸品だった。

另一方面,前久所贈的簪子則以另一種方式展現優雅。

一方の前久が与えた簪も、信長のそれとは別方向で優雅さを主張している。

在由彩等靜子的侍女細心打理、堪稱『烏鴉的濕羽色』般光澤的絕美黑髮上,更令人注目的,是那光澤的黑檀與其頂端嵌著的桃色瑪瑙與金打造的桃花。

彩をはじめとする静子の侍女の手によって磨き上げられた『烏(からす)の濡れ羽色』と称されるほどに見事な彼女の黒髪にあってなお、目を惹きつける艶やかな黒檀とその先端にあしらわれた桃色の瑪瑙(めのう)と金によって作り出された桃の花。

從桃花垂下搖曳的為數個以羅漢彫技法將高級香木白檀雕成球形的近衛家家紋『近衛牡丹』。

桃の花からぶら下がるようにいくつも揺れているのは、高級な香木である白檀(びゃくだん)を羅漢彫りと呼ばれる技法で球形に彫刻された、近衛家の家紋である『近衛牡丹(ぼたん)』だ。

若信長的簪是無法不吸引眾人目光的『大眾之美』,那麼前久的則是雖挑人卻為識者所能領會的『洗練之美』。

信長の簪が皆の目を惹きつけてやまない『大衆の美』だとすると、前久のそれは見る人を選ぶが解る人には理解できる『洗練の美』であった。

事實上,見到靜子戴著宛如國寶級簪飾的豪商們屏息凝視,並對她庇護者的深情而感到畏懼。

事実として静子の姿を目にした豪商たちは、国宝級の簪を頭に戴いた静子の姿に息を飲み、彼女の庇護者からの思い入れに恐れ慄(おのの)いた。

與周遭對靜子衣著的反應相反,她卻覺得無聊乏味;雖以一手回應來自沿道的熱烈歡呼,除此之外除了催馬前進別無他事。

静子の装いに対する周囲の反応とは反対に、彼女は暇を持て余していた。沿道から届く大歓声に片手を振って応えながらも、馬の歩を進ませること以外にはすることがない。

本來御馬揃え以軍事遊行為主,對於像靜子這樣的位置若是士兵便可用來展示訓練程度,但對於將領則要求展示個人的武勇。

そもそも御馬揃えは軍事パレードとしての側面が強いため、静子のように将ではなく兵たちならば調練具合を示す場になるのだが、将については個の武勇を示すことが求められる。

然而對靜子而言,因以後勤構築、維持、指揮與戰略等不易看見的功績取得地位,除了財力與權勢外幾無可供強調之處。

しかるに静子に関しては、兵站構築・維持や指揮、戦略面といった目に見えにくい功績で地位を得ている関係上、財力及び権力ぐらいしか強調すべきものがない。

作為女性成就非凡、成為仕途成功象徵而受同姓敬重,然而在京都那些只聽聞靜子英名但未見其人者眼中,她卻顯得比想像中更加纖細嬌小且柔弱。

女性の身でありながら大成した立身出世の象徴として同姓からは尊敬されるが、静子の勇名は聞き及べど姿を目にしたことが無い京の男達には想像以上に華奢(きゃしゃ)かつ小柄で嫋(たお)やかな女性として映っていた。

必然地,投向靜子的目光夾雜著羨慕與估價之意,令她感到非常不自在。

必然的に静子に向けられる視線は羨望と値踏みが入り混じったものとなり、彼女としてはじつに居心地が悪かった。

靜子獨有的這個問題自早期便被指出,作為解決方案之一曾考慮以最新式火槍兵與砲兵為前導、以重裝軍隊示威。

この静子特有の問題点は早期から指摘されており、これに対する解決策として最新鋭の銃兵や砲兵を引き連れて重武装の軍隊で威を示すというものもあった。

但此舉可能被解讀為對易與武家發生對立的朝廷及正親町天皇的威嚇訊息,故被擱置。

しかし、それは武家と対立しがちな朝廷及び正親町(おおぎまち)天皇への威圧というメッセージになりかねないため見送られたという経緯がある。

(我也想從沿道觀賞啊……)

(私も沿道から眺めたかったなあ……)

參與御馬揃え是莫大榮譽,但作為歷史迷的靜子性子喜與沿道的攝影隊一同觀賞歷史性活動,並向周遭人員講述『那位武將是何某』、『那個前立模仿的是何物』等註解與見聞。

御馬揃えに参加することは大変な栄誉なのだが、歴女としての静子は沿道に配置されている撮影班と一緒になって歴史的イベントを観覧し、やれあの武将はどこそこの誰々であるとか、あの前立ては何を模しているのだとかの蘊蓄(うんちく)を周囲の人々に披露したいのが性分である。

靜子為了不讓人看出無聊而殷勤應對,然而那些將她視為眼中釘的堺地豪商們則帶著深惡痛絕的神情瞪視著她。

静子が退屈を悟られないように愛想を振りまいていると、彼女を目の上のたん瘤(こぶ)とばかりに目の敵にしている堺の豪商たちは実に憎々しげに静子を睨(ね)めつけていた。

當他們看見靜子,認為她看來無甚霸氣,袖中露出的手腕纖細似乎易於擒獲時,靜子頭上的簪子發出了警告。

彼らは静子を目にし、見るからに覇気もなく袖から覗く手首も細くて簡単に手籠めに出来そうだと考えていると、彼女が頭に戴いた簪が警告を発する。

由於平時接觸高級品而能分辨,這件足以令人震顫的逸品所散發出的威壓感,與庇護者家紋所示之武與權威的頂點證明。

普段から高級品を扱うが故に解ってしまう、震えを覚えるほどの逸品が放つ威圧感と庇護者の家紋が示す武と権威の頂点という証。

屢受折磨的靜子反倒難以被人報復的現實,化作咬牙切齒的模樣向外洩露。

さんざんに煮え湯を飲まされてきた静子に対して意趣返しをすることすら難しいという現実が、歯ぎしりという形をとって外部に漏れていた。

就這樣,對靜子而言無聊的、對敵視她者則令胃隱隱作痛的御馬揃え結束了。

こうして静子にとっては退屈な、静子を敵視する者にとっては胃がキリキリと痛むような御馬揃えが終わった。

通常只需四半刻便可抵達的距離卻花了好幾個小時巡行,靜子對於無恙完成一項任務感到安心,情不自禁揉起肩膀。

平時であれば四半刻もあれば到着する距離を何時間も掛けて練り歩いた静子は、大過なく一仕事を終えたことに安堵して思わず自分の肩を揉む。

當她從馬上下來準備脫去服裝時,忽然想起信長與前久所賜的簪子,便叫喚小姓請他為自己取下簪子。

馬から降りて衣装を脱ごうとした際に、ふと信長と前久から賜(たまわ)った簪に思い至り、簪を外して貰おうと小姓に声をかけた。

「真、真是抱歉!實在太過尊貴,無法觸碰!」

「も、申し訳ございません! 恐れ多くてとても触れられませぬ!」

然而,看見簪子的小姓們全都戰慄不已,無一人願意靠近,連接近都拒絕。

しかし、簪を目にした小姓は軒並み震えあがり、誰一人として近寄ることすら拒む有様だった。

因為插在自己看不見的位置,不想不小心弄壞所以想借別人之手,但看著這反應,便不禁毛骨悚然,想知道到底頭上插著的是什麼。

自分に見えない位置に挿されたため、不用意に扱って壊すのも嫌だなと他者の手を借りようとしたのだが、この反応を見ていると一体何が己の頭に載っているのか空恐ろしくなってくる。

最後由小姓去叫彩,連向來膽子大的她也微微顫抖著,從髮中拔出簪子。

結局は小姓が彩を呼びにいき、胆の据わった彼女ですら若干慄きながら簪を髪から引き抜いた。

「這個……確實令人不敢輕易觸碰呢」

「これは……確かに迂闊(うかつ)に触るのも憚(はばか)られますね」

彩看出信長與前久的用心,感到無奈;同時也理解了小姓們退縮的理由。

彩は信長と前久の気の入れ様を察して呆れてしまう。同時に小姓たちが怯んだ理由をも理解した。

這些都是由天下人與五摂家首領以面子與威信下令打造的逸品,連在光滑表面留下自己的指紋都令人膽寒。

いずれもが天下人と五摂家筆頭の面子と威信を掛けて作らせた逸品であり、艶やかな表面に己の指紋を付けることすら恐ろしい。

萬一因為自己的不慎而造成破損,即便以一族郎黨的性命也無法贖回,這點顯而易見。

万が一にも己の不注意で破損せしめた場合に、一族郎党の命を以てしても贖(あがな)えないであろうことは明白だった。

然而從最初就與靜子交往、並陪她做過無數荒唐事的彩並不畏懼。

しかし、最初期から静子と関わりを持ち、彼女の無茶に付き合っている彩は怯まなかった。

即便如此,因為是極為高級的物品,握著簪子的手不由自主地顫抖也情有可原。

それでも超が付くほどの高級品ゆえ、簪を持つ手が震えてしまうのは仕方がないだろう。

「在這裡」

「こちらになります」

「謝謝。欸!?嗯……我是把這插在頭上然後騎馬的嗎?」

「ありがとう。え!? えーと、私はこれを髪に挿して馬に乗っていたのかな?」

靜子接過彩放在小盤上、用袱紗包著的簪子,小心翼翼地用手指撥動,注視著家紋放大顯現的模樣。

彩から袱紗(ふくさ)に包まれた簪を載せた小盆を受け取った静子は、恐る恐る指で転がして家紋が拡大されて見える様を眺める。

而前久賜予的那支簪,則是以香木立體雕刻家紋,散發著芳香。面對這件即使外行人也能看出其異常高級的逸品,靜子不禁退了一步。

また前久から賜った簪は、家紋を立体的に彫り込まれた香木が芳香を放ってくる。素人目にも恐ろしく高級品だということがありありと窺(うかが)える逸品を前に静子は腰が引けていた。

「很遺憾,靜子大人從頭到尾都是戴著這支簪子的。」

「残念ながら、静子様はこの簪を最初から最後まで挿しておいででした」

「是、是啊。戴著這個……呢……」

「そ、そう。コレを付けて……ね……」

無論多想逃避現實,過去無法改變。靜子垮下肩膀,沮喪不已。

幾ら現実逃避をしていても、過去は変えられない。静子はがっくりと肩を落とした。

她確實有感覺到有人用像是在瞪她的眼神看過來。

確かに自分を睨むような視線で見てくる人がいるなあとは感じていたのだ。

靜子就任東國管領的事已廣為人知。以堺為據點的豪商們原本以為靜子會被派往關東那樣的偏遠地區,因而歡欣鼓舞。

静子の東国管領就任は、既に世間に広く知れ渡っている。堺に拠点を構える豪商たちは、静子が関東という僻地に赴任すると思って快哉を上げた。

他們企圖趁無人干擾的空隙,蠶食她的經濟勢力範圍。

邪魔者が居ない隙をついて、彼女の経済圏を蚕食(さんしょく)してやろうと企む。

然而事實一揭曉,靜子依舊留在尾張,反而從神戶與尾張兩方對堺施壓。

しかし、蓋を開けて見れば静子は依然として尾張に居座り、神戸と尾張の双方から堺を圧迫してくる始末。

若輕率地行動排除靜子,無異於自招信長這位武者之巔與前久這位權威之巔全力報復。

短絡的に静子排除に動けば、武の頂点たる信長と権威の頂点たる前久が全力を以て報復してやると宣言されているようなものだ。

知道還有一段時間必須承受沉重壓力,於是他們決定繼續暫時隱忍。

まだ当分の間、重圧に耐え続ける苦渋の時が続くと知り、彼らの雌伏は継続することとなった。

「朝廷應該也想拉攏我吧。我每季都有致意,希望別把我捲入不必要的權力鬥爭啊……」

「朝廷としても、私を取り込みたいんだろうね。四季折々のご挨拶はしているんだから、余計な政争に巻き込まないで欲しいなあ……」

「沒辦法的。靜子様所擁有的經濟力與影響力,正是朝廷垂涎欲滴之物。愈是被逼到絕境的人,愈會夢想一舉致富,將身心投入欲望的火焰之中。」

「仕方ありません。静子様がお持ちになっている経済力及び影響力は、朝廷が喉から手が出る程に欲しているものです。追い詰められた者ほど、一攫(いっかく)千金を夢見て、欲望の炎に身を投じるのです」

「我覺得在局勢不利時還是務實一些比較好,不過公家們是不是不這麼想呢?」

「旗色が悪いときは堅実に生きる方が良いと思うんだけれど、お公家様は違うのかな?」

「對於在苦境這般黑暗中生活的人而言,靜子様這盞燈看來令人心神煎熬地耀眼吧」

「苦境という闇の中で過ごす者には、静子様という灯(ともしび)が身を焦がすほどに眩(まぶ)しく見えるのでしょうね」

一邊交談一邊幫靜子脫衣的彩,將國寶級的簪子妥為包好,放進收有靜子衣裝的行李裡。

会話しながらも静子の脱衣を手伝っていた彩は、国宝級の簪を厳重に梱包した上で静子の衣装が納められている行李(こうり)にしまう。

在替已換回便服的靜子梳理頭髮時,彩低聲喃喃回答了她的提問。

すっかり平服に戻った静子の髪を梳(くしげず)りながら、彩は彼女の問いに対する答えを呟いた。

「對對,這次的衣裝真的很好。也得到了許多人的讚美。大家為了這件事付出不少辛勞,結束後就期待能給大家一些獎勵吧。」

「そうそう、今回のお衣装凄く良かったよ。色々な人からお褒めの言葉も賜った。皆には色々と苦労を掛けたから、これが終わったらご褒美に期待していてね」

「承蒙讚美,感謝不盡。不過在那之前,還請您為接下來的會談盡一份力。」

「お褒め頂きありがたく存じます。その前に、この後控えている会談にもご尽力願います」

「是啊……果然還是得開會談呢……」

「そうか……会談しなきゃ駄目だったね……」

聽了彩的話,靜子無奈地垂下肩膀。

彩の言葉に静子はがっくりと肩を落とした。

向靜子提出會談申請多並非無因,其一是東國管領這職位,最大原因則是靜子幾乎不從宅邸外出。

静子への会談申し込みが多いのには理由があった。東国管領という役職も一因ではあるが、一番の理由は静子が邸宅から滅多に出てこない為である。

即使偶爾外出,多半也是公務,因此行程排得滿滿,根本沒有空檔可申請會談。

稀に外出したとしても、その殆どが公務によるものであるため、みっちりと予定が詰まっており会談を申し込む隙が無い。

若這樣的靜子為了御馬揃而留在京城,且從準備到善後都要長期滯留,那麼會談與陳情的申請絡繹不絕就不足為奇了。

そんな静子が御馬揃えの為に京に滞在し、準備から後片付けまでの長期滞留が決まっているのならば、会談や陳情の申し込みが後を絶たないのは自明の理である。

靜子在京滯留長期化的部分原因,來自朝廷,特別是住在上京一帶者的請求。

そして静子の京滞在が長期化した理由の一端は朝廷、それも上京に住まう者からの申し入れにあった。

御馬揃是全日本有力者齊聚一堂的盛會,因此無法排除會發生突發狀況的可能性。

御馬揃えは日ノ本中の有力者が一堂に会する催しであるため、不測の事態が起こる可能性は捨てきれない。

因此不是以暴力裝置的軍隊,而是能單獨從會場設置到警備廣泛處理事務的靜子軍,被請求負擔治安維持工作。

それ故に暴力装置としての軍ではなく、単独で会場設営から警備までを幅広くこなせる静子軍に治安維持の依頼が出されるに至った。

然而靜子的回應是婉拒。理由是這既非信長的命令,也不是透過義父前久轉達的請求。

しかし、これに対する静子の返答は辞退だった。その理由は信長からの命令でもなく、義父である前久を介しての依頼でも無かった為である。

對於信長、其繼承者信忠,或是義父前久的請求,靜子往往會稍微傾向於爽快應允,但對於他們以外的請求,即便是來自朝廷,也採取謹慎的態度。

信長やその後継者たる信忠、または義父に当たる前久からの依頼に対しては、ややもすれば安請け合いをする印象を抱く静子であるが、彼ら以外の依頼に対しては朝廷からであろうとも慎重な姿勢を取る。

更何況關於京城治安維持,已由「京治安維持警ら隊(以下簡稱警ら隊)」負責,沒有信長的命令便侵奪他們職責,乃是越權行為,靜子如此認為。

ましてや京の治安維持に関しては既に『京治安維持警ら隊(以降は警ら隊と略す)』が担当しており、信長の命もなく彼らの職分を侵すのは越権行為だと考えていたからだ。

靜子兵偶爾與警察巡邏隊合作,僅僅是因為在執行靜子身邊護衛的同時,彼此互相通融而已。

稀に静子の兵が警ら隊と協力して活動するのは、あくまでも静子の身辺警護を行う傍ら互いに融通を利かせあっているからに過ぎない。

雙方各守職分,長年以來相互協助,因此維持著良好的關係。

お互いにそれぞれの職分を侵さず、協力をし合ってきた経緯がある故の良好な関係を維持していた。

然而,這次從朝廷送來的委託,等於是把他們的分際踩得亂七八糟。

しかし、今回持ち込まれた朝廷からの依頼は、彼らの領分を土足で踏みにじるようなものだ。

基於這樣的背景,他們一度拒絕了那項委託,但朝廷向信長哭訴,表示萬一發生真正的武力衝突時無法應對。

こうした背景から一度は断った依頼だったのだが、朝廷としては万が一にも本格的な武力衝突が発生した際に対処出来ないと信長に泣きついた。

因此只好定調由靜子出面調和,以免得罪相關各方,決定讓靜子在京逗留一個月以上。

その結果、関係各所と角が立たないよう調整を図れるのは静子のみだとして、静子は京に一月以上にも亘って滞在することが決まっていた。

「我的行程……全都被會談佔滿了」

「私の予定が……会談で埋まってしまった」

靜子看著小姓們帶來、事務方做好的行程表,不禁愕然。

小姓たちが持ってきた事務方作成の予定表を見て静子は愕然とする。

在維持京內治安方面需要靜子的工作,多半是對相關各方進行協調,除了誰要與誰會面、誰要共進晚餐之類的外行事項外,實際上多半只是最終決裁而已。

京の治安維持に於いて静子を必要とする仕事は、関係各所に対する調整が殆どであり、誰々と会う、誰々と会食するといったものを除けば最終決裁しかないというのが実情だ。

此外,作為成功指揮御馬揃え的有功者獎賞,靜子還被信長親自賜予一週的特別休假。

更には御馬揃えを見事成功に導いた功労者に対する褒美として、静子には信長から直々に一週間の特別休暇が与えられている。

那段休假一過,行程就像電車時刻表般分秒不差,顯見希望與她會談的人數之多。

その休暇が過ぎれば電車のダイヤグラムもかくやと言わんばかりに、分刻みのスケジュールが予定されており、彼女と会談を希望する者の多さが窺えた。

「無聊得快要死了啦」

「退屈で死にそうだよ」

有工作狂傾向的靜子,在特別休假第二天便覺得時間異常緩慢,無所適從。

ワーカホリックの気質を持つ静子は、特別休暇二日目にして異常に遅く流れるように感じる時間を持て余していた。

若早知道會變成這樣,她就該把那些還沒讀的書帶來,現在很後悔沒帶。

こんなことになると判っていれば、未読で積んでしまっている書籍を持ってくるべきであったと後悔する。

本來想在京的靜子邸做些田間雜務,結果連那也被家臣剝奪,陷入完全無事可做的狀態。

本来ならば京の静子邸で、畑仕事でもしたかったのだが、それすらも家臣に取り上げられてしまっており、本格的にやることがない状況に陥った。

於是靜子派遣手下四處採買附近值得一看的書籍回來。

そこで静子は配下を方々に遣わして、近隣の目ぼしい書籍を購入してくるように命じる。

書籍本來就昂貴,但富裕大方的靜子讓手下帶著大量金子,採取當場付款而非賒帳的豪爽手法購買。

当然ながら書籍というのは高価なものなのだが、金満体質の静子は配下に大量の金子を持たせ、掛け払いではなくその場で買い付けてくるという豪快な手法を取った。

結果靜子的家臣們一路跑到堺,廣泛買入南蠻傳來的洋書、受前久《京便り》啟發而少量手寫刊行的堺地區業界紙,甚至戰時拋出的佛家經本等。

結局静子の家臣たちは堺にまで足を伸ばし、南蛮渡来の洋書やら前久の『京便り』に触発されて少部数ながらも手書きで刊行されている堺の業界紙、いくさで放出された仏家の経本などまで手広く買い付けた。

靜子把休假剩下的時間拿來把這些書列清單、分類、沉迷閱讀;就在休假結束後與光秀的會談預定在翌日之際,長可來訪了靜子府上。

静子は休暇の残りをこうした書籍をリストアップし、分類しながら読み耽(ふけ)ることで過ごし、休み明け直後に予定されている光秀との会談を明日に控えた頃、静子の許を長可が訪れる。

「像一座小山啊」

「小山のようだな」

長可一邊將讀完的書堆起,一邊對仍在讀書的靜子發出驚嘆的話語。

読み終えた書籍を積み上げながら、読書を続ける静子に長可は呆れながら声を掛けた。

長可出於好奇翻了翻堆起來的書,卻完全不懂哪裡好看。

興味本位から積みあがった書籍を手に取ってみるが、長可には何が面白いのやらさっぱり判らない。

知道靜子是隨性亂讀型的人,長可便把他不感興趣的書放回書堆。

静子が己の気が向くまま無差別に本を読むという乱読型なのを知っている長可は、興味が持てない書籍を山へと戻す。

「勝藏君來拜訪可真少見。我還以為他會藉口維持京的治安來胡鬧呢」

「勝蔵君が訪ねてくるのは珍しいね。てっきり京の治安維持にかこつけて暴れていると思ってたよ」

「多虧你從尾張叫來的那些兵,這些小惡黨像蜘蛛子的樣子四散逃跑。我都因此感到無聊了不是嗎?」

「お前が尾張から呼び寄せた兵どものせいで、小悪党どもは蜘蛛の子を散らすように逃げ去ったわ。お陰様で俺まで退屈になってしまったじゃねえか」

「那個真的抱歉。嗯!」

「それはごめんね。んっ!」

靜子讀到一個合適的段落便停下,伸個懶腰,把書用書籤夾好放在書案上。

区切りの良い所まで読み終えた静子は、一つ背伸びをすると書籍に栞(しおり)を挟んで書見台に置いた。

「不過,為什麼不只叫來銃兵,連砲兵也一起帶來?本來也沒預定調動大軍吧?看到超過御馬揃え那種誇張陣仗,小角色們都被嚇得發抖了」

「しかし、なんで銃兵だけでなく砲兵まで呼び寄せたんだ? 特に大軍を動員するような予定も無かっただろう? 御馬揃えを超える物々しい集団を見て、小物が震えあがっていたぞ」

靜子一邊以閱讀打發無聊,一邊已將身在尾張、屬於她軍中掌上明珠的新式銃及大砲部隊調來京中。

静子は己の無聊(ぶりょう)を読書で慰める傍ら、尾張にいる静子軍の虎の子である新式銃及び大砲部隊を京に呼び寄せていた。

對外以維持京的治安為名,實際目的卻是執行信長的密命。

対外的には京の治安維持のためにと銘打ってはいるものの、本当の目的は信長の密命をこなすためであった。

「執行上様的命令,這種鋪張似乎也是必要的啊」

「上様の命令を遂行するには、こうした派手さも必要らしいのよ」

「又在陪上様做壞事嗎?」

「また上様の悪だくみに付き合っているのか?」

「呵呵,這點否認不了。即便我又沒做什麼(……)的事,(……)也被當成沉船上老鼠四處逃竄似的整個趕走,真是太過分了。多虧這樣,京中民間到處都是謠言說要實施大規模掃蕩戰」

「ふふっ。それは否定できないかな。それでも私が何かした(・・・・)訳でもない(・・・・・)のに、沈む船から鼠が逃げ出すみたいに出て行くのは酷いよね。お陰で京の民たちの間では、大規模な掃討戦が実行されるなんて噂で持ち切り(・・・・・・)だよ」

「……果然散布謠言的是你吧。那些逃跑的人也一定提心吊膽,不知道何時會被追擊」

「……やっぱり噂を流しているのはお前か。逃げ出した連中もいつ追撃が掛かるか戦々恐々としているだろうよ」

靜子軍新式銃與大砲的凶猛,經由從東國征伐歸來者在民間傳開,幾乎被當成童話般地流傳。

静子軍の新式銃及び大砲の凄まじさは東国征伐からの帰還者によって広められ、民たちの間ではさながら御伽話(おとぎばなし)のように語り継がれている。

謠言越傳越誇張,現在甚至有人低聲說新式銃部隊並列槍口齊射便能瞬間奪去千名兵士性命,一旦大砲開火就能連城一同削去山頭,聽來頗為逼真。

噂が広まるにつれて面白おかしく誇張がなされ、今では新式銃部隊が銃口を並べて斉射すれば一瞬にして千の兵士の命を奪い、一度(ひとたび)大砲が火を噴けば城ごと山を削り取るなどとまことしやかに囁(ささや)かれる。

「我可從未說要把戰火帶進京啊」

「私は一度も京に戦火を持ち込むなんて言ってないんだけどね」

「你只是動兵就已經是大事件了!你的人很多時候被派去各處,但只要是你親率出陣,敵方大多會遭受毀滅性的大損失」

「お前が兵を動かすだけで大事件なんだよ! お前の兵は多くの場合、あちらこちらに派遣されているが、お前が直卒した場合に限っては大抵敵側に壊滅的な大損害が出るんだよ」

「嗯,那只有在必要時我才會親率出陣。況且彼此是拿整個存在去拼,手下留情反而失禮,不是嗎?」

「まあそうする必要がある時しか直卒なんてしないからね。でも、お互いの全存在を賭けて戦っているんだから、手加減するのは失礼でしょ?」

「最近的戰果根本談不上失禮不失禮,雖說這話也無濟於事。話說回來,聽說你趕跑的小惡黨好像聚攏到一處,我就去把他們送上血祭好了」

「最近の戦果には失礼も糞もないと思うがな、これは言っても詮無いことか。さて、お前が追い出した小悪党どもが一つ所に纏まっているらしいから、俺はそれを血祭りに上げるとしよう」

長可以這樣告訴靜子後握緊拳頭鼓足幹勁離開了靜子邸。留下的靜子則仰望著據報逃去的小惡黨所向的大江山方向,回想起源氏源頼光所成就的酒呑童子退治。

長可は静子にそう告げるとともに、拳を握って気合を入れると静子邸を後にした。残された静子は、小悪党たちが逃げたと報告にあった大江山の方向を仰ぎ見て、源(みなもとの)頼光(よりみつ)が成した酒呑童子(しゅてんどうじ)退治を思い出していた。

後來的報告顯示,非但不是討鬼,反而傳出長可本人化作惡鬼般地亂殺惡徒,展現出宛如地獄的景象。

後の報告によれば鬼退治どころか、長可自身が鬼と化して手当たり次第に悪党を殺して回るという地獄のような光景が繰り広げられたと告げられることとなる。

在這之中,與光秀的會面預定時間也逐漸逼近。

そうこうしている間にも、光秀との会談予定時刻が近づいていた。

然而,靜子對於光秀所說的「有件事想私下商量」並沒有頭緒。

しかし、静子には光秀が内々に相談したいことがあると告げた内容に心当たりがなかった。

雖然她和光秀以書信定期往來,但想不出有什麼必須面談並當面決定的事務。

光秀とは文を介して定期的にやり取りがあるが、直接会って取り決めを交わすような案件など思い至らない。

因而她推測光秀可能也受信長密命,為了執行那項任務需要靜子的配合。

そこで光秀も信長から密命を受けており、それを遂行するために静子の協力が必要なのではないかと推測する。

(這樣一來,會不會和上樣交待給我的內容有關呢?)

(となると上様が私にお命じになった内容と関係があるのかな?)

正當她沈思之時,時間到了,侍童來報光秀已到。會場已經佈置妥當,靜子整理儀態後與光秀相見。

思案している間にも刻限となり、光秀の到着を小姓が知らせてきた。既に会場は整えられており、静子は居住まいを正すと光秀と対面した。

結束了禮節性的招呼後,靜子開始觀察光秀的狀態。

儀礼的なやり取りを終えて一区切りつくと、静子は光秀の様子を窺った。

眉間因操心而刻出的皺紋彷彿已定型,表情未見改變,但那精悍的面容仍透出些許疲態。

気苦労からか眉間に刻まれた皺(しわ)が定着したような表情は変わらないものの、精悍な顔つきには若干の疲労が浮かんでいる。

靜子心想他大概是個多慮的人,揹了不必要的辛勞,正當如此,光秀突然切入正題。

気遣いの人ゆえに要らぬ苦労を背負い込んでいるのだろうと静子が考えていると、唐突に光秀が本題を切り出した。

「其實想借用靜子大人的砲兵部隊。當然,我已得到了上樣的許可。」

「実は静子殿の砲兵部隊を私にお貸し願いたい。勿論、上様の許可は得ておりまする」

光秀這麼說著,從懷中取出朱印狀,經旁邊的侍童轉交給靜子。靜子接過並檢視內容,信長親筆命令將砲兵部隊借給光秀。

そう口にしながら光秀は懐から取り出した朱印状を、傍らに控える小姓を介して静子に渡す。静子はそれを受け取って中身を検(あらた)めると、信長の直筆により光秀に砲兵部隊を貸し出すようにとの内容だった。

乍看之下似乎是無可挑剔的命令,但靜子心中有些不對勁。

一見すると何の問題もない命令に思えるが、静子は若干引っかかるものがあった。

原因在於信長和靜子之間有一條熱線,若要私下交代事宜完全可以事先商量。

それは信長と静子の間にはホットラインが存在し、秘密裏に伝えようと思えば幾らでも事前に相談できたというものだ。

砲兵部隊極其難以運作,若觀測儀器與砲擊部隊之間缺乏互相回饋,射擊精度會驚人地下降。

砲兵部隊は極めて運用が難しく、観測装置と砲撃部隊とで相互にフィードバックが無ければ砲撃精度が恐ろしく下がる。

然而即便胡亂運用也可能扭轉戰局,因此在使用兵力方面必須向信長報告。

しかし、出鱈目(でたらめ)に運用したとしても戦況を一変させる可能性を秘めているだけに、その用兵については信長への報告が必須である。

要把這種有著如此嚴格運用規則的砲兵部隊,在未事先告知靜子的情況下就借出,實在令人納悶。

それほど厳格な運用ルールが定められている砲兵部隊を、事前に静子に伝えることなく貸し出せというのは謎だった。

「知道了。明智大人,冒昧一言,砲兵部隊極難運用,欲見戰果需相當訓練與熟練,還請諒解。我想先行介紹砲兵部隊的人員,不知可否撥空?」

「承知しました。明智様、失礼を承知で申しますが砲兵部隊は極めて運用が難しい部隊です。戦果を挙げるには相応に訓練及び習熟が必要かと思いますが、そこはご了承下さい。先んじて砲兵部隊の面々をご紹介したいのですが、お時間は大丈夫でしょうか?」

「之後的行程全都空著,懇請拜託。」

「この後の予定は全て空けてあります。是非にお願いいたす」

於是靜子帶著光秀前往砲兵部隊待命的練兵場。在讓砲兵隊長與光秀見面時,靜子仍在思索。

こうして静子は光秀を伴い、砲兵部隊が待機している練兵場へと向かった。砲兵部隊の隊長と光秀とを面通しさせながら、静子は思案を続けていた。

雖然已預想砲兵部隊需早期展開,並事先準備好運炮的貨車等,但因為必須運送重物與爆裂物,砲兵的行動仍然緩慢。

砲兵部隊の早期展開を予想して大砲運搬用の荷車等も事前に準備されているのだが、如何せん重量物及び爆発物を運搬する必要性があるため砲兵部隊の足は遅い。

「明智大人,如您所見,砲兵部隊移動確實需耗費時間。是否有立即出發的必要?」

「明智様、ご覧のように砲兵部隊はどうしても移動に時間を要します。すぐに向かう必要がありますか?」

「此乃本就不可能的請求,故已預留相當時間。我會配合你們的方便。」

「元より無理なお願いをしておりますゆえ、時間には相当の余裕を見ております。そちらのご都合に合わせたいと思います」

聽了光秀的回答,靜子腦中突然一陣恍然大悟,所有點子連成一線。

光秀の応えを聞いた静子は、突然すべての点が頭の中で繋がるような閃きを覚えた。

信長交給她的密命、對光秀的特別優待,與借出視若掌上明珠的砲兵部隊這般大手筆。

信長から自分に託された密命、光秀に対する特別な優遇と虎の子である砲兵部隊を貸すという大盤振る舞い。

再加上未事先諮商的不可思議行動,靜子終於釋懷,如果不在光秀面前,恐怕會大大地嘆一口氣。

更には事前相談を伴わない不可解な信長の言動。ようやく得心がいった静子は、光秀の前でなければ盛大にため息を吐いていたことだろう。

(欺騙敵人先要從己方開始。話雖如此,若我沒察覺,上樣打算怎麼做呢……不,或許上樣也已考慮到那種情況在行動。京都並非我們的主場吧。)

(敵を欺(あざむ)くにはまず味方から。とは言え、私が気づかなかったらどうするつもりだったんだろう…… いや、その場合も考慮して上様は動いているのかも。京は我々の土俵じゃないってことだね)

靜子認為,尾張或安土或許另當別論,但到了京都,似乎存在某些無法完全保障秘密的因素。

尾張や安土ならばいざ知らず、ここ京に至っては十全に秘密を担保できない何かが存在するのだろうと静子は考えた。

光秀率先向靜子提出會談,也是因為在織田軍中,光秀有能夠立即出陣的餘裕。

光秀が真っ先に静子との会談を申し込んだのも、織田軍の中で光秀ならば即座に出陣できるほどに余裕があるのだ。

只要有點心眼的人,一旦知道靜子和光秀會面,就會率先嗅出作戰的氣息。不,會被讓人覺得是這樣(……)。

少しでも知恵が回るものならば、静子と光秀との会談を知れば真っ先にいくさの気配を感じとる。否、そう思わせ(・・・)られてしまう。

靜子為此憂心,覺得一時之間不得不一起進行牽制試探,觀望接下來的局勢。

暫くは腹の探り合いに付き合う必要があるなと、静子はこの先の展開を思って憂えるのだった。