戦国小町苦労譚
一五七八年 十月中旬
總結來說,會席在大成功中落幕。裝飾不奢華,但也談不上寒酸,那種恰到好處的佈置不但謙信喜歡,家康也顯得滿意。
結論から言えば会席は大成功の裡(うち)に幕を閉じた。華美ではなく、かといって貧相とも言えないギリギリの装飾に謙信は勿論、家康もお気に召した様子だ。
後來有人悄悄耳語,家康似乎也不喜好華麗的料理。謙信對生魚片配酒的組合甚為喜愛,甚至還問能否在越後也吃到生魚。
後でこっそりと耳打ちされたが、家康も華美な料理は好みではなかったようだ。謙信は刺身と酒の組み合わせが甚(いた)く気に入ったようで、どうすれば越後でも生魚を食べることが出来るのかと確認された程であった。
靜子因取得相當成果而心情大好,但她隨即把心一橫準備迎接御馬揃。可惜這項活動在舉行前就遭遇挑剔。
それなりの成果を出して気を良くした静子だったが、次に迎えるのは御馬揃えだと気を引き締めた。ところがこちらは開催前からケチがつくことになる。
部分公家開始對十月舉行提出抱怨。
一部の公家達が十月に開催されることに対して文句をつけ始めたのだ。
有人找理由要拖延,說占卜結果不好、又或言神無月(十月)神佛不在不宜舉行等。
やれ占いで良くない結果が出た、神無月(かんなづき)(十月)は神仏が不在であるから相応しくない等、開催を遅らせたい理由をこじつけてきた。
過去他們在幕後偷偷捣鬼,但見無效後決定改採公開抗議的策略。
今までは裏でこそこそと暗躍していたようだが、効果が無いとみて正面から文句をつける方針を取ったようだ。
靜子原以為信長會置之不理,意外的是信長向公家詢問適合的舉行日,表現出讓步姿態。
信長であれば文句など相手にしないと静子は考えたのだが、意外にも信長は公家達に対して開催の良き日を訊ねるという譲歩を見せた。
起初靜子驚訝,但看到信長臉上那抹頗為愉悅的微笑後,便察覺了他的策略。
最初こそ驚いた静子だったが、実に楽し気な笑みを浮かべている信長を見て彼の策略に気が付いた。
「下一次若再有人有不滿,他就是要把責任推給他們……」
「次に何か不満が出れば、その責任を彼らに被せる気なんだ……」
他會在那些挑毛病者覺得合適的日子宣布舉行,若他們再要求延後,就把指定日期的人扛起責任。
文句を言い出した連中にとって都合の良い日に開催を告知し、更に遅らせるように言ってくるならば日時を指定した者に責任を被せるつもりだろう。
如此一來,挑剔者們反倒得努力確保能按原定日期舉行。
こうなるとケチをつけていた者たちが、予定日通りに開催できるよう尽力しなくてはならない。
表面上做出讓步,實際上卻把想要的事辦成,這手腕不愧是信長;若是自己,可能根本不會理會他們,反而給了對方可乘之機。
一見相手に譲歩したように見せて、その実己の望むところを通す手腕は流石信長だと感心する。自分ならば彼らの意見を一顧だにせず、むしろ付け入る隙を与えた可能性すらあった。
御馬揃的舉行日期再度未定,但因確定會舉行,靜子仍未敢鬆懈,這時她收到了令人高興的消息。
御馬揃えの開催予定日が再び未定になったが、開催されることは変わらないため準備を怠らないようにしていた静子の許に嬉しい知らせが届いた。
原來是遠行的才藏與足滿兩人回來了。
遠地に赴いていた才蔵と足満両名の帰還であった。
才藏參與了北條征伐,而足滿則在佐渡島從事金山開發。
才蔵は北条征伐に参陣していたのだが、足満が何をしていたかと言うと佐渡島にて金山開発に従事していた。
足滿為何會在佐渡開採金礦,是有原因的:靜子曾在與足滿共餐時提起金山的話題。
何故彼が佐渡島で金山開発をしていたかには理由があり、静子が足満と食事をしていた折りに金山の話題が出た。
靜子說想親眼看看金條長什麼樣,成了導火線;一般人可能把這當作無害的憧憬打發掉,但那就是足滿的拿手好戲。
そこで静子は金の延べ棒がどんなものか実際に見てみたいと言ったのが切っ掛けだった。普通ならば他愛無い憧れだと流してしまうのだが、そこは足満の真骨頂。
只要是靜子想要的,他會毫不猶豫付出別人的性命,甚至削減自己的生命去實現。
静子が求めるのならば他人の命は勿論、自分の命を削ってでも願いを叶えんと動き出す。
率領一定人手渡海到佐渡後,他說服了織田家派出的代官,隨即就任相川金銀山的採掘總責任人。
ある程度の手勢を率いて佐渡島に渡ると、織田家から派遣されている代官を説得(・・)し、即座に相川(あいかわ)金銀山(きんぎんざん)の採掘総責任者に就任する。
通常要尋找礦脈並反覆試掘,但足滿事先從靜子取得了詳盡地圖,只試掘幾處曾標記的地點就發現了礦脈。
通常ならば鉱脈を捜して試掘を繰り返すのだが、足満は事前に静子より詳細な地図を入手しており、幾つか目星をつけていた場所を試掘するだけで鉱脈発見に至った。
一方面研發兵器,一方面監督金銀山的開採,忙得不可開交;自從佐渡與本土間的電信有望架通後,工作開始順利起來。
兵器開発もしつつ、金銀山での採掘を監督するという多忙ぶりだったが、佐渡島と本土間で電信の目途がついたあたりから仕事が捗り始めた。
原本的採掘作業全靠人工開挖,足滿為求效率投入炸藥,實施火藥採掘。
従来の採掘作業は全て手掘りにて行われていたのだが、足満は効率優先でダイナマイトを投入して火薬採掘を実施。
他把剛實用化、帶輪子、看起來像機車的可攜式蒸汽機帶到佐渡,引入蒸汽動力的揚水機、皮帶輸送機、通風送風機等設備,效率是從前的數十倍。
実用化されたばかりの車輪の付いた機関車のような形をした可搬式蒸気機関を佐渡島に持ち込んだ。蒸気機関を動力とした揚水機やベルトコンベヤ、換気用送風機などの機器を次々と導入し、かつての数十倍にも及ぶ効率を叩きだす。
當然並非沒有失敗;剛實用化的蒸汽機曾爆炸造成死傷。為了實現皮帶輸送機,因需而研發出合成皮革,把編織物或織物塗厚樹脂或拼貼成一片類皮革使用。
勿論失敗が無かったわけではなく、実用化直後の蒸気機関は爆発事故を起こし死人までも出した。ベルトコンベヤを実現するにあたり、必要に駆られて合成皮革も開発した。編み物や織物の上に樹脂を厚く塗ったり、張り合わせたりして一枚の革状にして利用する。
這些也是緊急製造,強度不足導致皮帶多次斷裂。幸好揚水機因為採取原油已有多次改良,沒造成大問題,但送風機卻發生割斷作業員手指的事故。
こちらも急造であるため、強度が足りずに何度もベルトが断裂する事故が起きた。幸いにして揚水機は原油採取の為に改良が繰り返されており、大きな問題を起こさなかったが、送風機は作業員の指を切断する事故を起こした。
孩子在風扇前當然會想摸一摸,面對從未見過的大型機器的粗心者伸手探入,結果手指被飛掉也不足為奇。
子供が扇風機を前にすれば当然ながら触ってみたくなるのは自明であり、見たことも無い大きな機械を前にしたうっかり者が手を突っ込んだ挙句に指を飛ばすことになる。
歷經諸多苦難仍不放棄挖掘,從大量稱為尾礦的無價值岩石中選出金礦石,並在知悉鉛中毒危害的情況下,傳授『灰吹法』與『燒金』等技術以提高金的純度。
数々の苦難が訪れるがそれでも諦めることなく採掘を続け、大量のズリと呼ばれる無価値の岩石の中から金鉱石を選鉱し、鉛中毒被害が出るのを承知で『灰吹き法』や『焼金』といった技術を伝授して金の純度を高めた。
「這就是佐渡金山的金與銀。果然十公斤的很重呢」
「これが佐渡金山の金と銀なんだ。流石に十キロのは重いね」
足滿親自從佐渡金山帶回的是帶有些微金色礦物的淡色母岩自然金礦石,還有由該礦石製成的金錠及額外的銀錠。
足満が直接佐渡金山から持ち帰ったのは、白っぽい母岩の中に僅かに金色の鉱物が見える自然金の鉱石と、その鉱石から作られた金とおまけで銀のインゴットであった。
通常為了方便會鍛造成一公斤的金錠,但足滿為了看靜子驚訝的表情,特別打造了十公斤的金錠。
通常は使いやすくするため1キログラムのインゴットを鋳造するのだが、足満は静子の驚く顔がみたくて特別に十キロのインゴットを作らせた。
金的比重為19.32(而水的比重為1.0),與相同體積的水相比重達19倍,因此金錠比外表看來還重,替他搬運的童僕們吃盡苦頭。
金の比重は19.32(水の比重は1.0)もあり、同じ体積の水と比較すると19倍もの重さがあることになる。この為、金のインゴットは見た目以上に重く、荷物を持たされた小姓たちは苦労していた。
特製的十公斤金錠只有一塊,但還準備了數塊各有百克、五百克、一千克等金銀三種,因此裝金盒得由好幾個童僕合力搬運。
特別製の十キロインゴットは1本限りだったが、百グラム、五百グラム、千グラムと金銀三種類ずつを何本か用意したため、それらを収めた木箱は小姓数人掛かりで運ぶ必要があったほどだ。
黃金的光澤吸引眾人,但奇怪的是靜子只是覺得漂亮,並不想佩戴金飾;足滿對靜子的反應比預期遲鈍,微微露出苦澀表情。
黄金の輝きは多くの人を魅了するのだが、不思議と静子は綺麗だなと思う程度で金の装飾品を身に着けようとは思わない。予想よりも静子の反応が鈍いことに足満は少し渋い顔になっていた。
因此早早失去興趣的足滿把木箱交給童僕後就去洗澡,留下的靜子則逐一將金錠記入目錄,並囑咐童僕在嚴實封存後再收拾。
そのため早々に興味を失った足満は、小姓たちに木箱を預けると風呂へ向かってしまい、残された静子はそれぞれのインゴットを目録に記し、念のため厳重な封を施してから片付けるよう小姓に命じた。
「真是好湯啊」
「良い湯であった」
久違地享受了溫泉的足滿來到靜子的書房。一開始只是先行運送物品,足滿本人原本打算向信長報告後再返回尾張。
久しぶりに温泉を堪能した足満が、静子の私室を訪れる。当初は荷物だけを先行して輸送し、足満本人は信長への報告を済ませた後に尾張へと戻る手はずであった。
但足滿一心想先看到靜子驚訝的表情,便抱著大包小包前往安土報告,結果也得當面做詳細說明,為他那些強行為所付出代價。
しかし、真っ先に静子の驚く顔がみたいと考えた足満は、大荷物を抱えたままで安土へ報告に赴き、様々な無茶を通したツケとして詳細な報告を対面にてすることになる。
信長擔心足滿離去後是否能持續相同的開採,但足滿只留下一句「已把必要的事都交接好了」便匆匆返回尾張。
信長としては足満が去った後も継続して同様の採掘が出来るかが気がかりであったのだが、足満は必要なことは全て引き継いだの一言のみを残して早々に尾張へと向かってしまったのだ。
「真是辛苦你了。雖然我也有些後悔輕率說想看金條,但還是謝謝你讓夢想成真」
「本当にお疲れ様でした。金の延べ棒を見てみたいなんて軽はずみに口にしたことを後悔しないでもないけれど、夢を叶えてくれてありがとう」
只要靜子這樣說並對他一笑,足滿便覺得之前的辛勞都值得了。
静子がそう言って微笑んでくれるだけで、足満は今までの苦労が報われた気がする。
「唉,真是費了不少工夫」
「ああ、中々に骨が折れた」
足滿一邊用手按摩因沐浴而血行變好的肩膀,一邊露出和煦的笑容。看到那表情,靜子隨侍的小姓露出驚愕的神情。
入浴によって血行が良くなった己の肩を手で解しながら、足満は朗らかな笑みを浮かべた。その表情を見た静子付きの小姓が驚愕の表情を浮かべる。
被分配到靜子邸且資歷尚淺的那名小姓,立刻在心中反覆默念「我是擺設」,強繃著表情。
静子邸に配されて年季の浅いその小姓は、咄嗟(とっさ)に「自分は置物」と心の中で繰り返し唱えて表情を引き締めた。
注意到那情形的靜子歪著頭想著是否發生了什麼令人驚訝的事,但對她來說並無特別之處,於是很快失去了興趣。
その様子に気付いた静子は何か驚くことがあったのだろうかと首を傾げたが、彼女からすれば別段変わったことなど無いため直ぐに興味をなくした。
「那個之外我還有給靜子的土產喔」
「あれ以外にも静子に土産があるぞ」
說著,足滿遞給靜子一個小小的布包。接過的靜子好奇地查看內裡是什麼。
そう言って足満は静子に小さな布包みを渡した。受け取った静子は何だろうと、中身を検める。
從手感良好的布袋裡掏出來的是一支光澤柔和、琥珀色的髮簪。
手触りの良い布袋から出てきたのは、艶やかなあめ色をした簪(かんざし)であった。
「玳瑁細工的簪子真少見呢」
「玳瑁(タイマイ)細工の簪なんて珍しいね」
足滿帶來的土產是一支以鼈甲製成的簪子。
足満からの土産は鼈甲(べっこう)で作られたかんざしだ。
「是從鄰國來的舶來品。商人說是稀世名匠所作的逸品,本國也僅有少量流通罷了」
「隣国からの舶来品よ。商人の話では稀代の名人が作った逸品で、本国でも僅かに出回るのみの代物らしい」
以被稱為タイマイ的海龜的甲殼、爪、腹甲等製作的各種裝飾品稱為玳瑁細工。現代雖稱為鼈甲,但實際上「鼈」指的是鱉(軟殼龜)。
タイマイと呼ばれるウミガメの甲羅と爪、腹甲(ふっこう)を使用して製作された各種装飾品を玳瑁細工と言う。現代では鼈甲と言われるが、実は鼈とはスッポンのことを指す。
為何用「鼈」而非タイマイ一詞,據說是因為江戶時代頒布了奢侈禁止令,將玳瑁列為禁制品。
何故、タイマイではなくスッポンの言葉が当てられているかというと、江戸時代に奢侈(しゃし)禁止令が発布され素材の玳瑁が禁制品に指定された。
仍有一說某位渴求玳瑁細工的藩主,為了搪塞便謊稱這些工藝是用鱉的甲殼做成,因而流傳開來。
それでもタイマイ細工を欲したとある藩主が、この細工はすっぽんの甲羅で作られた細工だと言い逃れしたのが由来だとする説がある。
鼈甲的歷史悠久,加工技術大約於六世紀末在中國誕生。日本在飛鳥時代已有傳入,正倉院收藏有玳瑁如意、螺鈿紫檀五弦琵琶、玳瑁螺鈿八角箱等器物。
鼈甲の歴史は古く、加工技術は六世紀末ごろに中国で誕生した。日本でも飛鳥時代には伝来しており、玳瑁(たいまい)如意(にょい)や螺鈿(らでん)紫檀(したんの)五弦(ごげん)琵琶(びわ)、玳瑁螺鈿八角箱などが正倉院に収められている。
到了十七世紀,長崎由中國與荷蘭的貿易船引進了鼈甲的材料與加工技術,國內開始生產。
十七世紀になると長崎に中国やオランダからの貿易船から鼈甲の材料と加工技術が長崎に伝わり、国内でも生産が開始された。
從長崎傳到大坂、再由大坂傳到江戶,各地都盛行製作,於是以地名稱為長崎鼈甲、浪速(なにわ)鼈甲、江戶鼈甲等。
長崎から大坂、大坂から東京に伝わるとそれぞれの場所で盛んに製作され、それぞれの地名を取って長崎鼈甲、なにわ鼈甲、江戸鼈甲と呼ばれている。
「好漂亮,謝謝」
「綺麗だね、ありがとう」
靜子看著鼈甲的簪子向足滿致謝。鼈甲因其纖維有方向性而不易滑動,且會隨人體溫改變佩戴感,逐漸貼合個人,這種特性也是被珍重的理由之一。
鼈甲の簪を見ながら静子は足満に礼を伝える。鼈甲は繊維に方向があるため滑りにくい。また人の体温によって着け心地が変化するため、その人に合わせて馴染むように変化していく特性がある。この特性こそが珍重される理由の一つであろう。
不過タイマイ主要生息於印度洋或大西洋等海域,並不出現在日本周邊海域。因此在日本只能仰賴進口,是極為珍貴的物品。
だがタイマイはインド洋や大西洋などの海洋に生息し、日本周辺の海域にはいない。それ故、日本では輸入に頼る他ない貴重品であった。
「能看見靜子高興的樣子就是我最大的報酬」
「静子の喜ぶ顔が何よりの報酬だ」
「那麼先聽報告吧。若有疑問我會隨時提問,可以嗎?」
「では報告を聞きましょう。気になったら都度質問するけど良い?」
「那就好。先從我前往佐渡島的事說起」
「それで構わない。ではまずわしが佐渡島に向かったところから話そう」
除去不宜讓靜子知道的內容後,足滿向她報告了在佐渡島發生的事。
それから静子に聞かせるべきではない内容を除いて、足満は静子に佐渡島で起きた事を報告した。
隨同足滿渡佐渡島的部下們,對於足滿自到達靜子邸以來的變化感到驚訝。
足満に同行して佐渡島に渡っていた部下たちは、静子邸に着いて以降の足満の変化に驚いていた。
(那個露出溫和笑容的人是誰?)
(あの柔和な笑みを浮かべる人は誰なんだ?)
他們所認識的足滿是冷酷無情之人,對抗拒或敵對者毫不留情,常讓人誤以為是個鬼一般的人物。
彼らの知る足満は冷酷非情であり、歯向かう者や敵対する者には一切の容赦を示さない鬼かと見紛う人物であった。
雖未曾見過他大發雷霆的樣子,但一旦惹他不悅,聲音便會變得如同寒冷刺骨,令人畏懼。
激怒している姿こそ見たことがないものの、機嫌を損ねれば底冷えするような声音に変わるから恐ろしい。
那些從未仕於足滿的人說「他從不說不合理的話,也不會無緣無故動手,真令人羨慕」,這被部下們視為無知者的戲言,是他們的共同認知。
「決して理不尽なことを言わないし、無意味に殴られることもないから羨ましい」とは足満に仕えたことの無い者の戯言だというのが部下たちの共通認識だ。
「總之在尾張這段時間,好像不用太在意他的心情」
「ともかく尾張にいる間は、ご機嫌を気にしないで済みそうだ」
「若不是足滿大人,或許是個攀附的機會,但面對足滿大人反而可能惹他不快……」
「足満様以外ならば取り入る機会だろうが、足満様は逆にご機嫌を損ねそうだ……」
「嗯,足滿大人似乎對尾張三位大人格外重視。我等大概不過是路邊的石頭,想必足滿大人的腦中不會記得我們」
「うむ、足満様は尾張三位様が殊の外大事なご様子。我らのことなど路傍の石だろう、足満様の頭には我らの事など残っておるまい」
「不過難得到了尾張,我等也該喘口氣,應該沒什麼不對吧」
「しかし、折角尾張に着いたのだ。我らとて息抜きをしても罰は当たるまい」
「就申請看看吧,若不行就作罷」
「一応申請してみよう。無理ならば諦めよう」
經過一番為誰去向足滿請求許可的小爭執後,他們還是向足滿申請了尾張視察的許可。果不其然,足滿對於他們的提案並不熱衷。
誰が足満に許可を求めに行くかでひと悶着ありながら、彼らは足満に尾張の視察許可を願い出た。案の定、足満は彼らの提案に乗り気ではなかった。
其原因在於那些來請求許可的人,正是當初在安土向信長報告時,因信長的命令而被硬性安排隨行的人。
それと言うのも足満に許可を願い出た者たちが、安土で信長に報告した際に信長の命で強引に付けられた者たちだったからだ。
因為是信長的推薦,並非素行可疑之人,理應不會傷害靜子,但足滿有所躊躇,因為若他們惹出事來便無法問答無用地處置。
信長の推薦であることから素性の怪しい人物はおらず、まかり間違っても静子に害をなす人物はいないと思うのだが、彼らが問題を起こした際に問答無用で処分出来ないことに躊躇(ちゅうちょ)を覚えた。
「我只是奉織田大人的命令把你們帶到尾張,其他的事我不知情」
「わしは織田の殿様からお前たちを尾張に連れて行けと言われただけだ。それ以外のことは与(あずか)り知らぬ」
既已完成把他們帶到尾張的命令,對於之後的事他無意插手。
尾張に連れてくるまでの命令は果たした以上、それ以降のことには関与するつもりが無かった。
「所以就當自由行動吧。但若惹出麻煩,別想保命」
「ゆえに自由に振る舞うと良い。ただし、問題を起こせば命は無いものと心得よ」
對於足滿那消極的許可,他們總算鬆了口氣;不過也下定決心,若一有問題就不是虛張聲勢,而是要以性命來償還。
足満から消極的な許可が下りたことに彼らは胸を撫でおろす。ただし少しでも問題を起こせば、脅しではなく本当に命を以て償わされると覚悟した。
經過大家商議,眾人互相發誓盡量戒酒並行止合宜,然後一同走出前往尾張的街市。
それらのことから全員で相談し、酒は極力控えて礼儀正しく振る舞うことを誓いあうと尾張の街へと繰り出して行った。
數日過去,才藏返回尾張。他是率兵回歸,因此返抵後還得為解散軍隊等各種收尾事務奔波。
それから数日が経った頃、才蔵が尾張へと帰還した。彼の場合は将兵を率いての帰還であるため、帰還後も軍の編成を解散する等色々と後片付けに奔走する必要があった。
結果才藏與靜子能見面的時間,是他返抵尾張後的一星期。
結局才蔵が静子と対面できたのは、彼が尾張に帰還してから一週間後となった。
「在北條討伐中的活躍,真令人佩服。」
「北条征伐でのご活躍、お見事でした」
「過譽了,實在受之有愧。」
「身に余るお言葉、勿体のうございまする」
靜子一說話,才藏便深深地低下頭。才藏雖然參陣於北條討伐,但並未參加小田原之攻城;然而,沒有人會因此小看他。
静子の言葉に才蔵は深々と頭を下げた。才蔵は北条征伐に参陣こそしたが、小田原攻めには参戦してない。しかし、そのことで彼を侮る者は一人もいないだろう。
即便未參與小田原攻城,他曾孤軍與里見氏與佐竹氏交戰,交出不亞於對方的戰績。
小田原攻めには参加していなくとも、彼は孤軍で里見氏と佐竹氏を相手に互角以上の戦いを繰り広げたのだから。
此番東國征伐因利害一致使北條氏與里見氏結盟,但里見氏本是能與東國雄者北條抗衡的老牌豪族。
此度の東国征伐に於いては利害が一致するため北条氏と里見氏は手を結んだが、里見氏は東国の雄たる北条を相手に互角の戦いをしてきた古豪であった。
佐竹氏在東國亦具遠見,組織了當地少見的火繩銃部隊,且因鬼真壁(真壁氏幹)效力而聞名。
佐竹氏についても東国に於いては珍しい火縄銃部隊を組織するなどの卓見を持ち、鬼真壁(まかべ)こと真壁氏幹(うじもと)が仕えることでも有名だ。
與這兩者交戰並最終取勝的才藏,若有人輕視他,只能證明自己的無知。
その二者を相手に戦い、最後には勝利を得た才蔵を侮るなど己の不明を証明するに他ならない。
「雖然有些遲,恭喜您就任東國管領。」
「遅ればせながら東国(とうごく)管領(かんれい)ご就任めでとうございます」
「多謝。關於東國,今後將在德川家、上杉家及伊達家的協力下進行合治。戰事剛結束,今後應該會更忙,請先好好休息。」
「ありがとうございます。東国については今後、徳川家や上杉家、伊達家協力の下、合同統治していくことになりました。いくさが終わったばかりですが、これからも忙しくなると思います。今はゆっくりと体を休めて下さい」
「感謝您的關懷。休息結束後,這才藏定將把對靜子有害之人一個不留地剿除。」
「お気遣い感謝いたします。休息を終えた後は静子様に仇なす者を、この才蔵が一人残らず叩き伏せてみせましょうぞ」
「呵呵,我很倚賴您喔。」
「ふふっ、頼りにしていますね」
東國的戰事雖被明令禁止,但僅有禁令並不會使戰爭徹底消失;條件一具備,仍會有人圖謀發動叛亂。
東国に於けるいくさは禁じられた。しかし、禁令が出されただけでいくさが完全に無くなるわけではない。条件が揃えば反乱を起こさんと企む者もいるだろう。
那時所需的不是言語,而是能讓他們想起遵法精神的壓倒性武力。
その際に必要なのは言葉ではない。彼らに遵法(じゅんぽう)精神を思い出させる圧倒的な武力が求められる。
大家齊聲說靜子在尾張安全,是因為尾張為守護靜子而訂有都市計畫,對外敵與內患皆設有常時監護的機制。
尾張に居れば静子が安全だと皆が口を揃えるのは、そもそも静子を守るために都市計画が策定されており、外敵及び内患に対しても常に目を光らせる仕組みが持たれているからだ。
若要擴大此機制以確保靜子遷入東國後的安全,家臣們將要費一番心力。
これを拡大して東国に静子が移住しても安全を確保出来る体制を整えなければならないため、家臣たちは苦労することになるだろう。
「說起來,才藏大人是帶來真壁殿的嗎?」
「そう言えば、才蔵さんは真壁殿をお連れになったとか?」
「是!我與他曾誓言再戰,為了治療他所受之傷,便邀他來接受尾張的醫療。其行動由某人負全責,還請允許他在此停留。」
「はっ! 奴とは再戦を誓った仲でありまして、奴の負った怪我の治療をするためにも尾張の医療を受けさせようと招きました。奴の行動には某が全責任を負いますゆえ、どうか滞在のご許可を頂きたく存じます」
「原來如此,事情是如此。我不會妄加評論男兒間的情誼。為了讓再戰之日到來,會派人往來各處協調。」
「なるほど、そういった事情でしたか。殿方の友情に口を挟むような野暮は言いません。再戦が叶う日が来るよう、関係各所に遣いを出しましょう」
「多謝過分的關照,謹表感謝。」
「過分なご配慮ありがたく承ります」
靜子明白才藏已將真壁視為與己匹敵的對手。據報告其腰部受重傷,連獨自行走也甚為困難。
才蔵は真壁を己に伍するライバルと認めたのだと静子は理解した。報告によれば腰部に重傷を負っており、一人で歩くにも難儀するとある。
即便在醫術遠超戰國常識的尾張,也無法安排透視檢查或全身麻醉,所以無法以外科手術治療腰部骨折。
戦国時代の常識から逸脱した医療レベルを誇る尾張に於いても、レントゲンや全身麻酔は手配できないため腰部の骨折を外科手術で治療することは不可能だ。
所能做到的充其量只是防止組織以異常方式黏連,交由自然癒合,別無他法。
精々が妙な形で組織が癒着するのを防ぎ、自然治癒に任せることしか手の施しようが無い。
即便如此,比起求神佛加持的祈禱而言,來尾張接受治療仍較有實際效果,因此帶他來是正確的決定。
それでも神仏の助力を請う加持祈祷よりは現実的な効果が望める分、尾張に連れてきたのは正解と言えるだろう。
才藏希望待真壁恢復無虞後再行挑戰,經過沒有煩擾背景的純粹較量來分出勝負。
そして才蔵は真壁が万全な状態で改めて挑み、煩わしい背景の無い純粋な勝負を経て雌雄を決したいと考えていた。
「俗話說『勝敗乃兵家常事』,不拘於勝負,祈願能成就無悔的再戰。」
「『勝敗は兵家の常』と言いますし、勝ち負けに拘らず、悔いのない再戦が叶うことを祈っています」
靜子認為雖然勝比敗好,但勝負往往牽涉時運,重要的是才藏不要留下遺憾。
負けるよりは勝つ方が良いのだが、勝負というのは時の運が絡むもの。それよりも才蔵が後悔しないことが大事だと静子は考えた。
「是,承知。」
「はっ、承知しました」
察覺到靜子的關懷,才藏比以往更加深深鞠躬。
静子の心遣いを察した才蔵は、これまで以上に深々と頭を下げるのであった。
獲得停留許可即意味可將真壁接至己之私邸,才藏立刻派人前往真壁下榻的尾張旅館,將他召來那座平時少用的私邸。
滞在の許可が出たということは、真壁を己の私邸に招いても良いという意味である。才蔵はすぐさま尾張の旅籠(はたご)に宿泊している真壁の許へ遣いを出し、彼を自分が普段利用していない私邸へと呼び寄せた。
「高興吧真壁!吾主已准許你停留。此處尾張與他處大不相同,短期內或許會混亂,但很快便會習慣。」
「喜べ真壁! 我が主よりお主の滞在許可が出た。ここ尾張は他所と随分勝手が違うゆえ、当面は混乱するだろうがじきに慣れる」
「在來到這裡之前我已不斷感到驚奇,嘴都快合不起來了。」
「某はここに来るまでも驚き続きで、すっかり開いた口が塞がらぬようになってしもうたわ」
氏幹在才藏話語下嘆出一聲哀傷的長嘆。對於無法靠雙腿行走自如的他來說,迄今為止的行程充滿驚愕。
才蔵の言葉に氏幹は切なげなため息を吐いた。自分の脚で満足に歩けない彼にとって、ここまでの旅程は驚きの連続であった。
他被載上比他所知任何船舶都龐大的軍船前往尾張,進入極為巨大的港口後開始卸貨。
彼の知るどんな船舶よりも巨大な軍船に乗せられ尾張へと向かい、恐ろしく巨大な港へと入港して荷下ろしが始まる。
作為傷者得以優先下船的氏幹,呆然地目睹著以如巨人手臂般的奇特機構,將貨物從船上卸下的全過程。
怪我人だからと優先的に下船できた氏幹は、巨人の腕と見紛うような奇妙なからくり仕掛け以て、船から荷下ろしが行われる一部始終を呆然と眺めていた。
他所乘之船也極為奇特。明明比他們所知的安宅船還大,卻能在風平浪靜的海面上順滑前行。
自分が乗ってきた船舶も実に奇妙なものだった。自分たちが知る安宅船よりも巨大だと言うのに、風が凪いだ海の上をするすると滑るように進むのだ。
當然,若起風便展帆受風作為推進力,但在無風之時究竟如何前進,完全無從判斷。
勿論、風が出てくれば帆布を広げて風を受けて推進力としているようだが、それ以外の時はどうして進んでいるのか皆目見当が付かなかった。
抵達港口後,他看到民眾充滿活力與繁榮。沒想到國力會有如此差距,遲遲才理解自己等人敗北的原因。
港に着いて以降も、実に民が活気に溢れているのが見て取れる。これほど国力に差があるとは思っておらず、自分たちが敗北した理由を遅ればせながら理解した。
「是嗎,那就先一邊泡溫泉一邊喝一杯如何?尾張的酒實在美味!配上相配的下酒菜和熱湯,有了這些,傷勢很快就會好起來。」
「そうか、ならばまずは温泉に浸かりながら一杯やらぬか? 尾張の酒は実に旨いぞ! それに合う旨い肴と熱い風呂、これがあれば怪我などすぐに治ろうというものよ」
才蔵話音未落便扶著氏幹前往靜子的宅邸浴室,並拜託人準備酒與下酒菜。兩人赤裸相對浸入湯中,身體被滲透的熱度包裹,不由得嘆了一口氣。
そう言うが早いか、才蔵は氏幹に肩を貸しながら静子邸の湯殿へと向かい、酒と肴の用意を頼む。互いに全裸になると湯船に浸かり、体に染み渡る熱に思わずため息が出た。
因為在澡堂喝酒酒精上頭得更快,所以上桌的酒只給一壺,配菜也只有蔬菜醃漬物一份。
風呂でお酒を飲むとアルコールが速く回るため、供されるお酒は徳利一本のみと肴は野菜の漬物だけだ。
在熱湯中浸泡時,冰冷清酒順喉而下的感覺讓氏幹感到難以言喻的恍惚。兩人無需多言互相斟酒,盡情暖和後便從湯中起身。
熱い湯に浸かりながら冷たい清酒が喉を通る感覚に、氏幹は得も言われぬ恍惚感を覚える。何を語るでもなく二人は盃を酌み交わし、存分に温まると湯から上がった。
換上浴衣後兩人走到才蔵熟悉的小酒館,落座在榻榻米的一席時,才蔵露出一抹不懷好意的笑容。
浴衣に着替えた二人は才蔵馴染みの飲み屋へと繰り出し、座敷の一席に落ち着くと才蔵が不敵な笑みを浮かべる。
「從此以後是深不見底的沼澤。一旦嚐過就無法回頭……還要嘗試嗎?」
「ここから先は底なし沼よ。一度味わえば後戻りは出来ぬ……それでもやるか?」
才蔵委婉地警告說,一旦沉迷於尾張的生活,外頭的生活便會變得荒涼無味。氏幹只是笑著回應。
尾張の生活にハマってしまえば他所の生活が不毛なものとなるということを遠回しに才蔵が警告した。それを氏幹は笑って返す。
「我已經經歷到足以改變人生的事了!既然要吃毒藥就連盤子一起吃下吧,無論到哪裡都跟你走!」
「既に人生が変わる程の経験をしておるわ! 毒を食らわば皿までよ、何処までもついてゆこうぞ!」
「有此氣概!那麼今晚就盡情飲食一番吧!」
「その意気や由! ならば今宵は存分に呑んで食らおうぞ!」
兩人高舉杯後同時一飲而盡。與浴室裡喝的冷酒不同,雖然也是冷的,但酒精強烈得仿佛灼燒喉間。
互いに盃を高く掲げると、二人は同時に盃を呷って飲みほした。風呂場で味わった冷酒と異なり、同じく冷たいのだがカッと喉を焼くほどに酒精が強い。
然而當酒過喉時,穿鼻而過的香氣像果實般甜美且芬芳。香氣之後鮮味在舌間蔓延,氏幹不由得凝視手中的杯子。
それでいながら喉を通る際に鼻を抜ける香りは果実のように甘やかで馥郁(ふくいく)としていた。香りに遅れて旨みが舌に広がり、氏幹は思わず盃を凝視する。
對於這種前所未見的酒感到驚訝,卻絕非厭惡。越放越令人回味無窮,氏幹便自斟了第二杯。
今までに味わったことのない酒に驚いたが決して嫌いではない。時間を置くほどに後を引く旨さに、氏幹は手酌で二杯目を注いだ。
「不用急,酒不會跑。先吃這個吧,和下酒菜一起品嚐的酒別有一番風味。」
「慌てずとも酒は逃げぬ。それよりもこれを食え、肴と共に味わう酒はまた一興なのだ」
「嗯、嗯……」
「う、うむ……」
在才蔵的推薦下,氏幹將下酒菜送入口中。今夜的菜是秋鮭與香菇山椒味噌燒,香菇是尾張的特產,在其他地方難以嚐到的高級品。
才蔵に勧められるがままに氏幹は肴を口にする。今宵の肴は秋鮭と椎茸の山椒味噌焼きだった。椎茸は尾張の特産品であり、ここ以外では到底口に出来ない高級品だ。
鹹味濃厚的秋鮭與飽含鮮味的香菇在口中迸發,再以烈酒一飲而下,令人舒了一口氣。
塩気の強い秋鮭とこれでもかと旨みを含んだ椎茸が口の中で弾け、それを強い酒で流し込むと一息ついた。
「美味!」
「旨い!」
實在無從用其他詞語形容。兩人一時無語地互相斟酒,不覺沉默是苦,反而覺得這時光十分舒服。
まさにそれ以外表現のしようが無かった。暫く二人は会話をするでもなく、互いに酒を酌み交わす。二人とも会話がない事に苦痛を感じなかった。むしろこの時間を心地よいとさえ感じている。
「我一直以為只要勇武出眾便能在戰場上取勝,但如今悟出那是錯的。讓國家以及居住其間的百姓富足才是真正重要之事。」
「わしは今まで武勇に優れておれば、いくさにも勝てると思い込んでおったが間違いだと悟った。国を、そこに暮らす民たちを富ませることこそが大事なのだな」
一直沉默的氏幹忽然開口。酒意適中之下,他深刻地感受到他們敗北的原因。
暫く沈黙を保っていた氏幹が唐突に口を開いた。程よく酔いが回った彼は、自分たちが敗北した理由を痛感していた。
「能發覺到那點,不愧是真壁,這讓人更期待再戰了。」
「そこに気付けるとは流石は真壁、これは再戦が楽しみというものだ」
「喔!我也為自己受傷感到遺憾。」
「おう! わしも怪我をしているのが口惜しい」
「不用急,只要在尾張繼續溫泉療養,不會太久就會復原的。」
「焦らずとも尾張で湯治を続ければ、それほど時を置かずに良くなろう」
「當我把家督讓給兒子時,已做好雙腿可能萎縮的覺悟。可是你邀我到尾張治療,答應來真是太好了,這是我由衷的感想。」
「わしは家督を息子に譲った際に、このまま足が萎えてしまうのだと覚悟した。しかし、貴様に尾張での治療を打診され、それに応じて良かったと心底思っておるよ」
「即便在練習場上,也沒有人能折斷我的槍。能做到那點的你,實在可惜讓你就此消沉。這完全是我的個人安排,你不必拘禮!」
「訓練の場に於いてすら、わしの槍を折った者はおらぬ。それを成した貴様が朽ちるのが惜しかったまでよ。あくまでもわしの都合ゆえ、かしこまらずとも良いわ!」
對於才蔵那粗率的話語,氏幹只是沉默地回以微笑。兩人輕碰杯後一口把杯中之物喝乾。
才蔵のぶっきらぼうな言葉に氏幹はただ黙って笑みを返す。二人は盃を軽くぶつけると中身を一気に飲み干した。
「你別為細事掛心,早點把傷養好。」
「貴様は細かいことに気をやらず、早く怪我を治せ」
「這傷也是你給我的嘛。不過沒關係,直到重戰前我要好好使喚你一番。」
「貴様につけられた傷なのだがな。まあ良い、再戦まで貴様をこき使ってやろう」
「放心,我會幫你準備個隨從。」
「安心しろ、小間使いは用意してやる」
兩人一邊開著玩笑,一邊把酒菜送入腹中。當酒意正好、肚子也飽足時,彼此似乎因疲憊而感到困倦,便離開了店裡。
互いに軽口を叩きながら彼らは酒と肴を腹の中におさめていく。程よく酔いが回って腹も満たされた頃、互いに疲労からか眠気を覚えて店を後にした。
微帶酒氣且發熱的身體感到夜間的寒意相當舒適。氏幹邊享受秋夜的微風邊漫步,卻未察覺自己不只肩膀,連頭都已沉浸在才蔵最初所說、深不見底的那種尾張風格中了。
酒気を帯びて熱くなった体に、夜の冷気が心地よい。秋の夜風を堪能しながらそぞろ歩く氏幹は、才蔵が最初に警告した底なし沼という尾張様式に、肩どころか頭まで浸りきっていることに気付いていなかった。