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戦国小町苦労譚

千五百七十八年 五月中旬

才藏擊敗真壁氏幹的一騎打,因為國人也關注其結果,瞬間便傳遍整個東國。

才蔵が勝利した真壁(まかべ)氏幹(うじもと)との一騎打ちは、その結果に注目していた国人の動向も相まって、瞬く間に東国全体へと広まっていった。

氏幹敗北後,情勢變成連佐竹乃至里見都可能歸順織田的局面,北條因此陷入更深的困境。

氏幹が敗北したことにより、佐竹はもとより里見すらも織田の軍門に下るかもしれないという状況となり、北条は更に苦境に立たされることとなる。

由於無法進行X光等檢查,只能靠觸診與問診,診斷為上前髂棘的裂縫性骨折。

また氏幹本人の容体は、レントゲン撮影など望めないため触診と本人からの問診により、上前(じょうぜん)腸(ちょう)骨棘(こつきょく)の亀裂骨折と診断された。

上前髂棘是把手放在腰部時能摸到的部位,既然無法施以外科的金屬螺栓固定,只能盡量固定並等待自然痊癒。

上前腸骨棘とは、腰に手を当てた際に感じることが出来る部位であり、外科的に金属ボルトで固定するなどの処置が望めない以上は極力固定して自然治癒を待つしかない。

被告知即使痊癒也不知能否恢復以往戰力後,氏幹決定將真壁家的家督讓給親弟義幹的兒子房幹。

そして治った処で以前のような戦働きが出来るかは判らないと告げられた氏幹は、真壁家の家督を実弟である義幹(よしもと)の子、房幹(ふさもと)へと譲ることに決めた。

就這樣,完成當主職責的氏幹為了遵守與才藏的約定,開始接受傷勢治療。

こうして当主としての役目を果たした氏幹は、才蔵との約束を守るため傷の治療に挑むこととなる。

此舉起因於氏幹無嗣(即無繼承家業的子嗣)且弟弟另立門戶。

これは氏幹に嗣子(しし)(家を継ぐ子息、跡取りという意味)が居ないこと及び、弟が別に家を興していることに起因する。

不過房幹仍年幼,由親義幹擔任後見人輔佐。若只是如此,僅是單純的真壁家世代交替,但影響並未止於此。

とはいえ房幹は未だ若く、後見人には親である義幹が就いて支えることになった。これだけならば単なる真壁家の世代交代に過ぎないのだが、影響はここで収まらなかった。

首先依一騎打實現的條件,佐竹氏一門決定投降。即便兩家同時出面也處於劣勢的里見一方,事到如今也似乎認為無勝算而傾向和解。

まず一騎打ち実現の条件通りに佐竹氏一門が降伏することで纏まった。両家が揃っていてさえ劣勢だった里見側も、ことがここに及んでは勝ち目なしと諦めたのか和睦へと傾く。

雙方若都歸順織田,意志即可統一,事成迅速。既被斷定無需再討好北條,便堂而皇之派出投降使者給才藏,經由才藏轉達給信忠,最終被接受。

双方が織田に下ることで意思統一が為されれば話は早い。最早北条に阿(おもね)る必要は無いと断じられ、堂々と才蔵へと降伏の使者が遣わされ、才蔵経由で信忠へと伝えられた結果、これが受け入れられた。

關於講和的條件日後再議,但如此一來北條在東國便陷入孤立。

講和の条件については追々話し合われるのだろうが、これで北条は東国に於いて孤立することとなった。

另一方面,東北的伊達家持續躍進。蘆名幾乎被併吞,現在只剩殘黨零星抵抗。

一方、東北では伊達家が躍進を続けていた。蘆名はほぼ併呑されてしまい、今は残党が散発的な抵抗を続けている。

最上雖然善戰,但最上家內親伊達派人士的妨害使得戰況逐漸惡化。

最上は善戦しているものの、最上家内の親伊達派たちが妨害をしているため、徐々に戦況は悪化していった。

由此蘆名與最上皆無餘力向北條派遣援軍。

これらのことから蘆名も最上も北条に援軍を出せるような余裕は無い。

北條被逼到連『關東的霸者』一詞都顯得蒼白無力。若織田的調略未成功,東北勢能團結一致夾擊織田軍,或許還有勝機。

最早関東の覇者という言葉が空しくなるほど、北条は追い込まれていた。仮に織田家の調略が成功することなく、東北勢が一致団結して織田軍を挟み撃ちにしていれば勝機もあったのだろう。

現時東國是織田勢力包圍孤立的北條,不但沒有織田被包圍,反而是北條被圍困。

現時点での東国は孤立した北条を織田家の勢力が取り囲んでおり、織田包囲網どころか北条が逆に包囲されてしまっていた。

「只要有了這個,就能與織田並駕齊驅!有難攻不落的小田原城和新式火繩槍,北條不會敗!」

「コレさえあれば織田とも伍(ご)することが出来るのだ! 難攻不落の小田原城と、新火縄銃さえ有れば北条は負けぬ!」

仍堅守城池的北條切身感受到情勢每刻惡化,然而作為關東霸者的矜持與新式火繩槍相較於舊式武器不可同日而語的性能,仍使他們目光矇蔽。

未だ籠城を続ける北条は刻一刻と悪くなる状況を肌身に感じていた。それでも関東の覇者という矜持と、旧式の物とは比べ物にならない性能の新火縄銃が彼らの目を曇らせていた。

陷入僵局的北條得不到時間的幫助,支城接連被奪,家臣們因劣勢而焦躁,反覆發生衝突。

じり貧状態に陥った北条に、時は味方してくれない。次々に支城を奪われ、家臣たちは劣勢からくる焦りで衝突を繰り返す。

以難攻不落的小田原城為核心的祖傳戰術已逐漸崩壞,但在敗北等同於北條滅亡的情況下,無人能正視現實。

難攻不落の小田原城を核とした先祖伝来の戦術は、既に崩壊しつつある。それでも敗北が北条の滅亡を意味している状況で、現実を直視出来るものは居なかった。

相反地,以信忠為總大將的東國征伐軍士氣高昂。

逆に信忠を総大将に据える東国征伐軍は勢いづいていた。

繼八王子城之後,滝山城、津久井城(亦稱筑井城)、河越城、小机城、足柄城以至韮山城等支撐小田原城的重要支城相繼被攻下。

八王子城に続いて滝山(たきやま)城、津久井(つくい)城(筑井城とも言う)、河越(かわごえ)城、小机(こづくえ)城、足柄(あしがら)城に韮山(にらやま)城まで、小田原城を支える重要な支城を次々と攻め落とす。

這些皆為名城,其防禦性能備受肯定,但在織田軍的軍備與壓倒性物量面前,如梳齒被缺落般相繼陷落。

いずれも名のある城だけに、その防御性能には定評がある支城だったのだが、織田軍の軍備性能と圧倒的物量の前に櫛の歯が欠けるように落城していった。

信忠將房總半島納入掌控,利用靜子麾下的後勤,使織田軍得以不斷攻擊,勢如破竹地推進。

房総半島を支配下に置いた信忠が静子麾下(きか)の兵站(へいたん)を利用することで、絶え間なく攻め続けることが可能となった織田軍は破竹の勢いで進軍する。

令人在意的殘雪在五月已融化無蹤,雖仍稍感微寒,氣候已可稱為春天的範疇。

心配していた残雪も五月に入ると溶け失せた。やや肌寒い日が続いてはいるものの、充分に春の範疇(はんちゅう)と言える気候だ。

總之沒有任何事物能阻擋織田軍的進擊,儘管長期包圍北條,從末端士兵到前線皆士氣昂揚。

要するに織田軍の進撃を阻むものは何一つなく、長期間北条を包囲しているにも拘わらず末端の兵に至るまで意気(いき)軒昂(けんこう)であった。

戰況良好且氣候逐漸回暖,此外兵員與物資也充足,因此相較於北條方面顯得從容有餘。

戦況は好調であり気候も暖かくなりつつある。更には兵員や物資も潤沢にあるため北条方とは対称的に余裕すら見られる。

相對的北條或因缺乏敵人越冬並持續圍城的經驗而動搖嚴重,傳來的多是凶訊,眾人疑心生暗鬼,擔心有人會突然背叛。

対する北条は、敵が越冬して攻囲を続けるという経験が少ないためか動揺が著しい。飛び込んでくるのは凶報ばかりであり、誰かが急に裏切るのでは無いかと疑心暗鬼になっていた。

仍能勉強堅守城池,除了寄望新式火繩槍外,也倚靠過去連武田與上杉都攻不下而撤退的榮光支撐。

それでも何とか籠城を続けられているのは、新火縄銃という希望に加えて、かの武田や上杉ですら攻め落とすことが出来ずに撤退したという過去の栄光に拠るものだった。

「那把傳聞中的火槍真的拿到手了嗎!?」

「例の銃が手に入ったというのは真(まこと)か!?」

將後勤據點推進至八王子城的信忠,對前線傳來的消息興奮不已:終於有數挺由北條內通者走私的新式火繩槍被送到八王子城。

兵站の拠点を八王子城まで押し上げた信忠は、前線より齎された一報に飛びついた。遂に北条方の内通者より横流しされた新火縄銃の数丁が、八王子城まで届けられたのだ。

北條對於這件如虎之寶的新兵器實施嚴格管理,但在戰況日益惡化之下,也可能有人以此為籌碼投誠。

北条としても虎の子の新兵器であるため、徹底した管理体制を敷いてはいたのだが、戦況が日々悪くなる状況下ではそれを手土産に寝返ろうとする不届き者も現れよう。

雖不知如何被偷出,但北條視為希望之星的一挺新式火繩槍及十數發彈藥就擺在信忠面前。

どのようにして盗み出したのかは判らないものの、北条が希望の星としている新火縄銃一丁、及びその銃弾十数発が信忠の目の前にあった。

隨信忠一行的技術班已經拆解其他新式火繩槍,開始分析其構造與性能。

他の新火縄銃については信忠に帯同している技術班が既に分解し、その構造及び性能について分析を始めている。

目前已知的事實是,尚不確定這是否為最新型;槍管未切膛(即無膛線),而是以特殊加工的彈丸配合傳統黑色火藥發射。

現時点で判明している事実としては、これが最新モデルかどうかは判らない。銃身には腔旋(こうせん)(ライフリングのこと)が切られておらず、特殊な加工が施された銃弾を従来の黒色火薬で撃ちだすといったものだ。

彈丸幾乎填滿槍管寬度,表面刻有緩螺旋狀的淺溝,藉由火藥爆發時產生的微小旋轉發射彈丸。

銃身の幅ギリギリ一杯の弾丸に、緩い螺旋状の浅い溝が刻まれており、火薬の爆発によって僅かに回転しながら銃弾が発射される仕組みのようだ。

由於彈丸材質為鉛,加工或較容易,但為獲得旋轉力,每發射擊都會有熔化的鉛附著於槍管,若不清理便無法再次發射。

銃弾の材質が鉛であるため、加工は容易なのだろうが回転力を得ようとすれば一発撃つごとに銃身に溶けた鉛がこびりつき、掃除をしない限り再発射が出来ない有様だ。

若在運送中彈丸變形,甚至可能連裝填都做不到。

運搬中などに銃弾が変形してしまえば、そもそも銃弾を装填することすら出来ない可能性まである。

更甚者,若槍管清潔不夠,暴發的可能性也高,與織田軍的新式火槍相比,性能明顯遜色。

更には銃身の清掃が充分で無ければ暴発の可能性も高く、織田軍の新式銃と比べれば著しく性能で劣ると言わざるを得ない。

「在關於新式火槍資訊稀少的情況下,竟能造出這等物件,實屬了不起。火砲傳入日本後的演進……展示出可怕的進步。聽說若使用足滿殿正在開發的火藥,還能有更大的飛躍,令人脊背發寒。」

「新式銃の情報が少ない中で、よくぞこれだけの物を作り上げたものだ。鉄砲が日ノ本に伝来していかばかりか……恐ろしい進歩を見せている。足満殿が開発中の火薬を用いれば、更なる飛躍が出来ると聞いて背筋が寒くなるな」

足滿正在開發的火藥是一種無煙火藥,稱為科爾達特火藥。子彈方面也計畫改良,所謂的全金屬被甲彈(フルメタルジャケット)。

足満が開発中の火薬とは、無煙火薬の一種であるコルダイト火薬である。更には銃弾にも工夫が予定されており、所謂完全被甲(フルメタルジャケット)弾だ。

子彈採用彈芯與被甲兩部件分離的構造,以鉛合金彈芯被銅合金被甲包覆而成為一體。

銃弾を弾芯と被甲(ジャケット)の2パーツに分離し、鉛合金の弾芯を銅合金の被甲で覆うことで一体とする構造を取る。

因為易受熱與摩擦影響的鉛合金被覆,能防止熔化的鉛附著在槍管內,從而延長槍管清掃的間隔。

熱や摩擦に弱い鉛合金が被覆されることで銃身に溶けた鉛合金が付着するのを防ぎ、銃身の清掃間隔を伸ばすことが出来るのだ。

這些對單發式的新式火槍並不會顯現出多麼劃時代的性能,但在正在開發中的連發槍上將會展現無可比擬的威力。

これらは単発式の新式銃に於いてはそれほど画期的な性能を発揮しないが、現在開発中の連発銃に於いては比類なき力を示すことになる。

「總之北條已經走到絕路(……)。問題在於東國征伐之後……父上與靜子什麼也不說,這點讓人掛心。雖然對於被蒙在鼓裡有一絲不安,但現在再擔心也無濟於事吧」

「いずれにせよ北条は詰んでいる(・・・・・)。問題は東国征伐後だが……父上や静子が何も語らぬのが気にかかる。何も教えられないことに一抹の不安があるが、今は気にしても仕方ないか」

信忠知道,信長大概正與靜子商議北條征伐後如何處理關東的計畫。

信長が北条征伐後の関東をどうするかについて、静子と計画を練っているであろうことを信忠は知っていた。

雖然還未決定與北條的勝負,信長已當作勝利既定而行動。靜子亦是如此,並建議要確保駿河國。

未だ北条との雌雄を決してはいないのだが、信長は既に勝利が確定したものとして動いている。それについては静子も同様であり、駿河(するが)国(のくに)を確保するよう進言していた。

(嗯,難以理解靜子所追求之處也常有此情,但連父上都沉默不語這點讓人不安。不過兩人都是在開戰前即細緻擬定計畫,開戰後只是進行確認作業,應該無需過度擔心……)

(まあ、静子の目指すところが判らぬのはいつもの事だが、父上までが黙しておられるのが気にかかる。しかし、二人ともいくさを始める前より入念な計画を立て、開戦後はその確認作業だと言って憚(はばか)らぬゆえ心配は要らぬのだろうが……)

她因為膽小而格外周到,沒有任何根據就想要成為飛地的駿河國是說不通的。無法與靜子及信長共享見解令他感到焦慮,也後悔自己當初應該更努力讀書。

臆病ゆえに用意周到な彼女が、何の根拠もなく飛び地となる駿河国を欲しがる道理は無い。静子や信長と知見を共有できないのをもどかしく思うと共に、もっと勉学に励むべきであったと後悔することになった。

信忠自覺在有限的時間內已把時間花在自認重要的事上,但畢竟不是神,總會有所遺漏。

信忠自身としては限られた時間の中で、己にとって重要と思われることに時間を費やしてきたつもりだが、神ならぬ身である以上はどうしても取りこぼしが出てしまう。

俗話說『隔壁的草總是看起來較綠』,但對年輕的信忠而言並非那麼容易釋懷。

俗にいうところの『隣の芝生は青く見える』なのだが、若い信忠にとっては割り切れることでは無かった。

「真是的……在屋裡看起來似乎糊塗,但一到緊要關頭卻能顯示出可以論天下的智慧,難怪大家不願把他推上戰場。」

「まったく……屋敷での姿を見れば抜けているように見えるが、いざとなれば天下を議論できる智慧を示すのだから、皆があいつをいくさ場に出したがらない訳だ」

靜子接受過精緻的義務教育以及高等教育的入門訓練,她所掌握的知識廣度與深度超出她自身的自覺。

静子は洗練された義務教育及び高等教育の触りを学んでおり、彼女自身が考えているよりも広範の知識を深く身に着けている。

多虧靜子所經營的學校,已能提供超越識字算術的高等教育,但實際上仍遠不及靜子個人所具備的學識。

静子が運営する学校のお陰で、読み書きそろばん以上の高等教育を施すことが可能となってきてはいるが、それでも静子が身に着けている知識には遠く及ばないのが実情である。

因此與其讓靜子站在前線,不如讓她留在後方守護更令人安心。有靜子在,便能相信明天會比今天更好。

ゆえに静子は前線に立たせるよりも、後方に控えてくれている方が安心できるというものだ。静子が居れば、明日は今日よりも更に良い日になると信じることが出来る。

為了讓靜子留在後方,總有一天也許會來到必須以命相護的時刻。即便到那時也無法讓人對靜子生出怨恨。

静子を後方に留め置くために、いつか自分たちが命を捨てねばならない時が来ることもあるだろう。そんな時でさえ静子を恨む気にはなれそうもない。

即便自己的生命消逝,若靜子仍在,便能相信她會將自己的意志正確地傳承到未來。

己の命が潰えたとて、静子が居てくれれば己の意思を未来へと正しく繋げてくれると信じることが出来るからだ。

「哼……臣下會像對待靜子那樣看待我嗎?我自己也貪惜性命,卻肩負著把手下推向死地的職責啊」

「ふっ……臣下は俺のことを静子のように思ってくれるだろうか? 俺も自身は命を惜しみ、配下を死地に追いやる役目を負っているからな」

信忠苦笑著想,至少想成為那種讓把未來託付給自己而死的人不會後悔的男人。

苦笑しながら信忠は思う。せめて自身に未来を託して死んでいった者が、後悔しないような男になりたいと。

當信忠在最前線思索東國征伐後的種種時,深根於尾張的靜子正為難題煩惱,其中最迫切的是負傷兵的死亡率問題。

最前線で信忠が東国征伐後に思いを馳せている頃、尾張に根を張った静子は頭を悩ませていた。中でも喫緊(きっきん)の課題としているのが、負傷兵の死亡率であった。

基本上在戰場上即死的情形出乎意料地少,真正的現實是多數人是因為戰時受的傷或疾病而在事後死亡。

基本的にいくさ場で即死するケースは意外に少ない。いくさで負った怪我や病気が元で後に死に至るケースが圧倒的に多いというのが現実だ。

史實中所謂的『第四次川中島之合戰』據說武田方約死四千人、上杉方約死三千人。

史実に於ける『第四次川中島の合戦』では武田側が約四千人、上杉側が約三千人の戦死者を出したと言われている。

然而這類數字常為了誇耀戰果而被誇大,實際上即便估高也大約只是公佈數值的二成左右,這是推測。

しかし、往々にしてこういった数値は戦果を誇るために誇張されやすく、実際には多く見積もっても発表された値の20パーセント程度だろうと推測される。

而靜子所關切的死亡率正是後者,即因傷而亡者。她憂心許多本可經適當治療而救回的性命正從掌中流失。

そして静子が気にしている死亡率は、後者である負傷兵のものだ。適切な治療を施せば救える命が、手のひらから零れ落ちていることを憂いていた。

有一則戲劇性改善這種死亡率的逸事,那就是南丁格爾的故事。

こうした死亡率を劇的に改善した逸話に、ナイチンゲールの話がある。

後來被稱為『克里米亞的天使』的南丁格爾,藉由革新的衛生管理與徹底的健康管理,將負傷兵超過四十%的死亡率改善到約二%左右。

後に『クリミアの天使』とも呼ばれることになるナイチンゲールは、革新的な衛生管理や健康管理の徹底により40パーセント以上だった負傷兵の死亡率を、約2パーセントほどまで改善して見せたのだ。

「能理解把在戰場受的傷當作光榮來自豪,但若因此喪命,那就毫無意義了……」

「いくさで負った傷を自慢するのは判るけれど、それが原因で命を落とすんじゃ意味が無いでしょう……」

南丁格爾透過改善野戰病院劣惡的衛生狀況,降低了如噩夢般的負傷兵死亡率。

ナイチンゲールは野戦病院の劣悪な衛生状況を改善することにより、悪夢のような負傷兵の死亡率を下げた。

在織田軍方面,正規軍中有被稱為金瘡醫的醫療團隨軍,因此相對能享受較先進的醫療。

織田軍に於いては正規軍に金瘡医(きんそうい)と呼ばれる医療集団が従軍しているため、比較的先進的な医療を享受できている。

然而戰爭並非僅靠正規軍就能執行,借陣的浪人或徵募的雜兵並不在此保障之列。

しかし、いくさは正規軍だけで実行できるものではなく、陣借りの牢人たちや徴募された雑兵たちはその限りでは無い。

他們即便在戰場受傷,也無法獲得妥善治療,常因傷口感染而喪失手腳,最壞的情況甚至喪命。

彼らは戦場で負傷しても満足に治療されることもなく、傷が原因の感染症などによって手足を失ったり、最悪の場合命を落としたりしていた。

儘管想建造野戰病院並擴充醫療提供體制,但要在短時間內增加具高度知識與經驗的醫療人員並不可能。

とは言え野戦病院を建てて医療提供体制を拡充しようにも、高度な知識と経験を要する医療従事者を急に増やすことなど出来ない。

因此靜子仿效南丁格爾的例子,從能做的事開始著手。

そのため静子はナイチンゲールの例に倣(なら)い、出来ることから始めることにしたのだ。

首先在最前線後方稍微退一步處建立野戰病院,並指示將負傷者收容。以往負傷者多半被置之不理,甚至無人後送。

まずは最前線から少し下がった後方に野戦病院を建て、負傷者を収容するように指示する。従来負傷者はそのまま放置される事が多く、後送されることすら無かった。

接著擴充乾淨的醫療物資。大量提供包紮布、紗布與毛巾等基本物資,以防止因污穢的繃帶被反覆使用數日而引發的感染。

次に清潔な医療物資を拡充する。包帯やガーゼにタオルなどという基本的な物資を潤沢に提供し、汚れた包帯が幾日にも亘って巻かれ続けたが為の感染症などを防ぐ。

此外徹底清掃野戰病院內部,並向醫療人員配發手部消毒藥劑與防止感染用的口罩等物資。

更には野戦病院内の清掃を徹底し、医療従事者にも手指の消毒薬や感染予防のためのマスクなどを配布する。

最後促成夜間巡視以便發現病情急變難以察覺者。此巡視不必由醫療人員執行,發現並通報即可防止死亡事例發生。

最後に容体が急変しても気付かれにくい夜間の見回りを実施するよう促した。この見回りに関しては医療従事者でなくとも良く、発見して連絡することで死亡事例を防ぐことが出来るのだ。

(把傷當作勇敢的證明或把忍受痛楚視為美德的想法雖可理解,但若不逐步改變這種意識就不好了)

(向こう傷は勇敢さの証という考えや、痛みや不調を我慢することを美徳とする考えは判らなくもないけれど、徐々にでも意識を変えていかないとね)

話雖如此,靜子並不傲慢到以為一紙命令就能帶來劇變。只能在實際運作後記錄結果、評估效果,將詳實數據累積起來,持續改善。

とは言え静子も命令書一枚で何かが劇的に変わると考えるほど傲慢(ごうまん)ではない。実際に運用してみて結果を記録し、効果を評価して詳細なデータとして積み重ねることで改善をし続けるしかない。

就算是南丁格爾,也不是她在克里米亞戰爭服役的兩年間就帶來了劇變;其後數十年的貢獻被評價,才使她流傳至今成為偉人。

ナイチンゲールの場合でも、彼女がクリミア戦争に従軍していた2年間だけで何かが劇的に変わった訳ではない。その後の数十年にも及ぶ貢献が評価され、今日まで偉人として語り継がれているのだ。

靜子也只能在她這一代鋪好道路,希望像四六那一輩的後人能將其普及開來。

静子としても自分の代で道筋を作り、自分の後に続く四六たち世代が普及させていってくれることを願うしかない。

(嗯,我現在再怎麼擔心也無濟於事。畢竟人的力量才會成為國家的力量,所以先減少支持織田家者的死亡吧!)

(まあ、私が今気を揉んでも仕方ないよね。結局のところ人の力が国家の力になるわけだから、まずは織田家に味方してくれる人々の死者を少なくしよう!)

在把緊迫的醫療問題告一段落後,她開始翻閱下一份報告書。

喫緊の医療問題について区切りをつけた彼女は、次の報告書に目を通し始めた。

越是粗略地讀下去,靜子的表情越顯嚴峻。讀完報告概要後,靜子重重地嘆了一口氣。

ざっと読み進めてゆくにつれ、静子の顔つきは険しくなっていく。報告書の概要を読み終えた静子は、大きくため息を吐いた。

報告書中有關近來困擾她的一項問題——基督教徒(キリシタン)的記載。

報告書には近頃彼女を悩ませている問題の一つである、キリシタンに関する記述があった。

靜子本身並無特定信仰,若硬要說,大概是尊敬自然與祖靈的日本人特有、較為鬆散的宗教觀。

静子自身はこれといった信仰を持っておらず、強いて言うならば自然や祖霊を敬う日本人特有の緩い宗教観だろうか。

因此靜子對任何宗教或宗派都採取「只要不對政治有染指就不限制布教」的立場。

このため静子はどの宗教・宗派に対しても『政治に対する色気を出さない限り、布教を制限しない』というスタンスを取っている。

當然,若違反信長所訂的法,無論何種宗教都會受到制裁。因此宗教人士在靜子領內想招攬信徒時,多採取「説法(説法)」的形式。

無論、信長が定めた法を犯せば何の宗教であろうと制裁を加える。それゆえ、宗教関係者が静子領にて信者を獲得しようとする場合、『説法(せっぽう)』の形を取ることが多い。

那通常接近不同宗派之間互相辯論的形式,類似辯論會。

それも異なった宗派同士で議論を戦わせるディベートに近い形式のものであった。

由於這種宗教論爭幾乎每天都在進行,前來湊熱鬧的尾張民眾對各種宗教的知識也逐漸累積起來。

こうした宗教論争が毎日のように行われているため、暇つぶしに野次馬をしていた尾張の民は各宗教に対する知識がどんどん蓄積されていく。

即便在朝廷所在地京也有類似現象,但對尾張的民眾來說,並不想特地遠行,反正本地就能看見這些興行。

朝廷の本拠地である京に於いても同様のことが行われているが、尾張の民からすればわざわざ遠出せずとも地元で見られる興行を見に行く気にはなれなかった。

佛教方面也採取此類手法,但報告指出只有與基督教相關者用不同手段招攬信徒。

仏教系に関してはこうした手法を取っているのだが、キリスト教関係者だけは異なる手法によって信者を集めていることが報告されていた。

大多數傳教士是正當地從事布教活動,但有一部分激進者,特別是成為基督徒的領主,常強迫其領民改宗。

大多数の宣教師は真っ当に布教活動をしているのだが、先鋭的な一部、それもキリシタンとなった領主自身が自領民に対して無理やり改宗を迫る事例が多いのだ。

「幸運的是尾張在早期就禁止強制改宗……不過還是會有人做出那種事啊」

「幸いにして尾張(うち)は早い段階で、無理やり改宗させるのを禁じたけれど……それでもやらかす輩は出るんだよねえ」

強制改宗並不只限於基督教之間,即便是佛教徒之間,也有被強迫改從不同宗派的案例。

強制改宗に関しては何もキリスト教だけに限った話ではない。仏教徒同士であっても異なる宗派へと無理やり改宗させられるケースもあるのだ。

特別是領主偏向特定宗教或宗派時,便常有把那套強加於領民的情形不斷發生。

特に領主が特定の宗教・宗派に傾倒している場合、領民たちにもそれを押し付けようとする事例が後を絶たない。

在靜子的領地及她派遣代官的地方,掌控得比較周到,但對於相鄰領地就無法干涉到那麼細。

静子領及び彼女が代官を派遣している領地に於いては目が行き届いているが、それに隣接する領地についてまでは干渉できない。

然而,因為相鄰領地間有居民往來,便會在不知不覺中逐漸被滲透,等注意到時已形成一股黨羽。

しかし、隣接する領地となれば住民同士の交流もあり、知らず知らずのうちに徐々に浸食されてしまい、気が付いた頃には徒党が出来上がっているのだと言う。

對此靜子發出警告後,那些團體會立即解散,但他們轉入地下、互相聯絡,巧妙地繼續傳教。

これに対して静子が警告を発することで、その集団は即時に解散するのだが、彼らは地に潜り、連絡を取り合って巧妙に布教を続けていた。

對於造成這種情況的相鄰領主,靜子會正式抗議,但他們總是毫不避諱地聲稱這純屬領民自由交流的結果。

こうした事態を招いた隣接領地の領主には、静子から正式に抗議することになるのだが、彼らはあくまでも領民たちの自由な交流の結果だと言って憚らない。

對於在被抗議後仍不改行徑的領主,信長已允許靜子視情況處置直至剷除。

抗議を受けても行状が改められない領主に関しては、静子の判断で潰して良いと信長から許可が出ている。

在那種情況下常派遣的是長可,可見信長認為對被宗教這毒所染的領民,用言語說服並不太有效。

そうした際に派遣されるのは往々にして長可であり、宗教という毒に侵された領民に対して言葉による説得は然程効果が無いと信長が考えていることが窺えた。

「不過是用命贖回自己愚蠢的代價罷了吧」

「自らの愚かさの代償を命で贖(あがな)っただけだろう」

關於長可施加的慘烈制裁常有抱怨傳來,但他的反駁很簡單:靜子已給過一次悔改的機會。

凄惨な制裁を科す長可に対する苦情が頻繁に届くのだが、それに対する彼の反論はシンプルだった。悔い改める機会は静子が一度与えている。

他的意思是,只要在被抗議時拼命應對,就能避免那樣的結果。

抗議された時点で必死になっていれば回避できた未来だと言うわけだ。

「照這樣下去恐怕會發展到頒布伴天連(ばてれん)(基督教傳教士)追放令。事實上肥前國(相當於現在的長崎縣及佐賀縣)已有把長崎劃為教會領的大村純忠(おおむらすみただ)的前例,所以上樣也在關注此事。」

「このままだと伴天連(ばてれん)(キリスト教宣教師)追放令にまで発展しそうだよ。実際に肥前(ひぜん)国(現在の長崎県及び佐賀県に相当)は長崎を教会領とした大村(おおむら)純忠(すみただ)の前例があるから、上様も注視なさっているようだけれど」

大村純忠是第十二代大村家當主,也是日本境內首位成為基督徒的戰國大名。他以開闢長崎港聞名,但其開港的理由有問題。

大村純忠とは第十二代大村家当主であり、日ノ本初のキリシタン大名である。長崎港を開いたことでも有名だが、その開港理由に問題があった。

那幾乎可被視為現代所謂的招致外患的蠻行,也是信長所憂慮的問題之一。

それは現代で言うならば外患(がいかん)誘致(ゆうち)に相当しかねない蛮行であり、信長が懸念している問題でもある。

當時的長崎不過是一個寒村,但想把葡萄牙人招到自家領地的大村,竟把長崎讓給了葡萄牙人。

当時の長崎は寒村に過ぎなかったのだが、ポルトガル人を自領に呼び込もうと考えた大村は、長崎をポルトガル人に明け渡した。

大村的入教起初被認為是為了與葡萄牙貿易的利益,但他的信仰卻異常激進。

大村の入信は、当初ポルトガルとの貿易による利益目的と思われていたのだが、彼の信仰は過激なものであった。

他毀壞領內寺社,甚至挖掘祖先的墳墓,更強迫領民信奉基督教,還殺害佛教僧侶與神道神官。

領内の寺社を破壊し、先祖の墓所まで暴いた。更には領民にもキリスト教の信仰を強制し、仏教の僧侶や神道の神官なども殺害するに至る。

史實上他不僅滿足於長崎,還有把茂木(長崎市茂木町)捐獻給耶穌會的故事。

史実に於いては長崎だけに飽き足らず、茂木(もぎ)(長崎市茂木町)までをもイエズス会に寄進した逸話を持っていた。

這會導致在日本國內存在葡萄牙或耶穌會的領地。即便勉強算是租借或許能被容忍,但既然是寄贈,對於志在統一日本的信長也絕不能視而不見。

これは日ノ本国内にポルトガルやイエズス会の領土が存在する状態となる。百歩譲って租借(そしゃく)ならば見逃された可能性もあったが、寄進となれば日ノ本統一を目指す信長にとっても看過できないのだ。

儘管如此,即使是信長也尚未對九州擁有強大影響力,現狀只能坐視不管。

とはいえさしもの信長といえど未だ九州に対して大きな影響力は持っておらず、指を咥えて眺めているしか無いのが現状だった。

不過他仍對類似手法的侵略保持警戒,對尾張附近領地中基督教勢力的滲透特別敏感。

それでも同様の手法による侵略に対しては警戒を続けており、尾張近辺の領地に対するキリスト教勢力の浸透には神経を尖らせているのだ。

「與天主教的耶穌會對立的新教那邊的荷蘭人和英國人,也會開始嘗試接觸了吧。」

「カトリックであるイエズス会と敵対するプロテスタント側のオランダ人や、イギリス人もそろそろ接触を試みてくるだろうね」

根據最新報告,荷蘭人已在堺登陸,英國人在神戶登陸。目前兩方看似還很謹慎,但一旦確立據點就會開始活躍。

最新の報告に拠れば堺へはオランダ人が、神戸にはイギリス人が上陸を果たしたとある。今のところ両勢力共に大人しくしているようだが、拠点を定めれば活発に動き始めるだろう。

而他們具有耶穌會所沒有的強項──在貿易上不帶入宗教。耶穌會將布教與貿易視為不可分,若不允許布教自由便會拒絕往來。

そして彼らにはイエズス会に無い強みがあった。それは貿易に関して宗教を持ち込まないという点だ。イエズス会は布教と貿易が不可分であり、布教の自由を認めない限りは貿易を拒絶してくる。

另一方面,荷蘭人與英國人將布教與貿易視為兩回事,即便沒有布教自由也會以商業活動的形式接受貿易。

一方、オランダ人やイギリス人に関しては布教と貿易を別問題と捉えており、布教の自由がなくとも商業活動として貿易を受け入れるのだ。

「果然在當地他們被稱作『紅毛人』(こうもうじん)呢。」

「やはり現地で彼らは紅毛人(こうもうじん)って呼ばれているのね」

歷史書等常出現的「南蠻人」一詞,雖然有時泛指整個歐洲人,但多數情況是指葡萄牙人或西班牙人。

歴史書等に頻出する『南蛮人』という言葉は、ヨーロッパ人全体を一括りにした呼び名という面もあるが、多くの場合ポルトガル人やスペイン人を指している。

相對地,英國人和荷蘭人則被稱為紅毛人。原因很簡單,因為他們的髮色和鬍鬚帶點紅色。

これに対してイギリス人やオランダ人は紅毛人と呼ばれることとなる。理由は単純であり、髪や髭が赤みがかった色をしているからというものだ。

看似簡單直接的命名,但由於是抱持中華思想的明(みん)所命名,難免帶有對遠離中國國家的蔑視之意,這點應該是肯定的。

何とも単純明快な命名に思えるが、中華思想を持った明(みん)の命名だけに中国から遠く離れた国に対する侮蔑の意味が込められているのは確かだろう。

(對他們來說,明才是世界的中心,其他地方都是不足掛齒的野蠻存在,這種驕傲吧)

(彼らにとっては明こそが世界の中心であり、それ以外は取るに足りない野蛮な存在という驕(おご)りがあるんだろうね)

即便因限制基督教的傳教而減少與葡萄牙、西班牙的貿易,只要與荷蘭和英國建立交易,便能避免經濟混亂。

キリスト教の布教を制限することによってポルトガルやスペインとの貿易が少なくなっても、オランダやイギリスとの交易を結べば経済的混乱は回避できる。

如此一來,對大村也可以成立為把日本出賣給外國的賣國賊,從而成為信長動用武力的正當理由。

そうなれば大村に対しても日ノ本を外国に売り渡す売国奴として、信長が武力行使する大義名分が成り立つだろう。

同時也能向日本各地逐漸擴散的基督教大名們逼迫踏絵。

それと同時に日ノ本各地に広がりつつあるキリシタン大名たちに対しても踏み絵を迫ることが出来る。

也就是說,要麼因信仰而成為向外國出賣國家的朝敵,要麼作為以信長為首的日本統治的一員參與國家運營,二者擇一。

つまりは信仰に準じて他国に国を売り渡す朝敵となるか、信長を頂点とする日ノ本統治の一員として国家運営を担うかの二択となるのだ。

一旦選擇信仰,結局就是滅族。無論男女老幼,整個宗族都會被根除。

仮に信仰を取ったが最後、その行く末は族滅である。女子供の区別なく、一族郎党が根絶やしにされることとなる。

「咦? 這是……」

「あら? これは……」

結論是東國征伐結束前應該先觀望,靜子翻閱下一份報告。草草掃讀後,她注意到一件事。

東国征伐が終わるまでは様子見をするべき問題だと結論付け、静子は次の報告書へと目を通す。軽く流し読むと彼女はある事に気が付いた。

「去把勝蔵君叫來」

「勝蔵君を呼んできて」

在讀完報告前,靜子就命令侍從去召長可來。

報告書を読み終える前に静子は控えていた小姓に対し、長可を呼び出すように命じた。

所幸長可留在靜子屋邸,所以沒過多久就前來了。

幸いにして長可は静子邸に留まっていたため、然程時間を置かずに長可が出頭してくる。

「怎麼了,有什麼麻煩事嗎?」

「どうした、何か面倒ごとか?」

長可以輕鬆的語氣問靜子,隨意坐下。他的頭髮帶著水氣,表情也有些紅潤,想必剛洗過澡。

長可は軽い口調で静子に訪ねながら、どっかりと腰を下ろした。髪は水気を含んでしっとりとしており、また表情も上気していることから入浴中であったのだろう。

雖然為打擾他歡樂時光感到抱歉,靜子還是開門見山地提出正題。

お楽しみの処を邪魔してしまったことに申し訳無さを感じつつも、静子は本題を切り出すことにした。

「抱歉,突然把你叫來。其實有關野伏(のぶ)せり(變成山賊的武士集團)的報告送來了。」

「ごめんね、急に呼びつけて。実は野伏(のぶ)せり(野盗と化した武士集団)に関する報告が届いているの」

「野伏せり!? 那種傢伙抓起來不就好了?」

「野伏せり!? そんな奴ら取り締まれば良いだろう?」

「問題是沒那麼簡單。」

「ところがそうも行かないの」

說著靜子把手中的報告遞給長可。長可帶著疑惑閱讀,但表情迅速變得嚴峻。

そう言うと静子は自分が手にしていた報告書を長可へと差し出す。訝(いぶか)し気に報告書を読み進めていた長可だが、みるみる表情が険しく変化した。

「喂喂! 不是普通的野伏せり嗎!」

「おいおい! ただの野伏せりじゃねえのかよ!」

長可露出修羅般的面容喊道。野伏せり本身是因戰亂而無以為生者流落成盜匪,並不罕見,但報告裡記載的那些野伏せり,其背景並非起於戰事。

修羅の形相を浮かべる長可が叫ぶ。野伏せり自体はいくさで食うにあぶれた者が身を窶(やつ)すため、そう珍しいものではないのだが、報告書に記されている野伏せりの背景はいくさ由来では無かったのだ。

「看吧? 問題相當根深蒂固不是嗎? 那麼,怎麼辦?」

「ね? 割と根が深いでしょう? それで、どうしようか?」

「當然,鏖(みなごろし)。」

「無論、鏖(みなごろし)だ」

「我倒希望至少留下那個了解實情的首謀者。」

「事情を把握している首謀者ぐらいは残して欲しいかな」

「不需要什麼追查吧。就算拷問也不會有人說是北條的人牽涉其中。」

「別に裏取りなんぞ要らんだろう。拷問(ごうもん)したところで、北条の関係者ですとは言わぬだろう」

「也是啊……」

「そうだよねえ……」

「他們瞄準的都是與軍需物資有關的品項。如果直接搶軍需物資會被兵站軍發現,但像是偷走收穫的大豆,外人只會以為是搶糧食……」

「奴らの狙いは軍需物資に繋がるものばかりだったんだな。直接軍需物資を狙うなら兵站軍に捕捉されるが、たとえば収穫された大豆を奪われたところで食料を狙ったとしか思わない……」

他們的巧妙之處在於盯上那些尚未加工成為重要軍需品(例如味噌)的大豆,或剛收穫的棉花與棉籽油等微妙原料。

彼らの巧妙な点は、重要な軍需物資である味噌に加工する前の大豆や、収穫された綿花や綿実油などの微妙な素材を重点的に狙うことにあった。

如果只是單純想要錢,還有許多其他可下手的目標。搶走每重量單價高的香料、乾貨、調味料或酒類,便能換到一大筆錢逃逸。

単純に金が欲しいのであれば、他にも狙い目となる物資は幾らでもある。重量当たりの単価が高い香辛料や乾物に調味料、酒などを奪えば、大金を手にして逃亡できる。

然而,這起野伏せり卻執著於特定品項反覆搶奪。或許是因為生產集中的弊端,被這樣打擊後會像潛移默化的重擊般慢慢奏效。

しかし、件(くだん)の野伏せりは特定の品目に狙いを定めて執拗に強奪を繰り返すのだ。生産拠点を集中化していることの弊害か、これをされるとボディブローのように地味に効いてくるのだ。

「真是相當奇怪的野伏せり。可以想見他們為了不讓目標暴露,做了不少工夫,但顯然有異常。」

「随分と奇妙な野伏せりだよね。察するに自分たちの狙いが露見しないよう、多少は工夫を凝らしているようだけど明らかに異様だもんね」

「做得太徹底反而造成後果,當特定品項流通停滯時自然會起疑。嗯,這也要歸功於靜子在做統計,不過北條也意外地手段高明。」

「徹底しすぎたことが裏目に出たな、特定品目の流通が滞れば流石に不審に思う。まあ、これも静子が統計を取っているからなんだろうが、北条も意外に腕が長い」

如長可所言,從遙遠的相模(さがみ)國動員到這種程度,必定有身份相當的人在一頭指揮。

長可の言うように、遠く離れた相模(さがみ)国からこれだけの動員を掛けるには、それなりに立場のある者が音頭を取っているはずである。

靜子向長可展示了這樣一個例子:只看個別事件無法察覺其意圖,但從巨觀視角則能看見不同的東西。

一件一件の事件だけを見ていては、その意図を察することが出来ないが、巨視的な視点に立てば違うものが見えてくると言う事例を静子は長可に示した。

長可接受靜子的請求,燃起鬥志要將他們及其幕後一網打盡。

長可は静子の要請を受けて、彼らの背後までをも含めて一網打尽にするべく闘志を燃やす。

「既然難得露出馬腳,就該讓他們好好嘗點苦頭才行。」

「折角馬脚を露(あらわ)してくれたんだから、相応に痛い目を見て貰わないとね」

「好,交給我了。」

「おう、任された」

長可以輕佻的口吻回應了靜子的話。

静子の言葉に長可は軽口で応えた。