戦国小町苦労譚
1577年七月下旬
正當靜子等人向近侍片倉小十郎打聽有關藤次郎(後來的伊達政宗)失蹤的事時。
静子たちが藤次郎(後の伊達政宗のこと)の失踪(しっそう)について、近習の片倉小十郎より聞き出しているころ。
從靜子在安土的屋敷步行約四半刻(約三十分鐘)到處,有一片不自然地廣大的牧場,みつお正帶著剛認識不久的少年在那裡走著。
安土にある静子の屋敷から四半刻(30分ほど)ほど歩いたところに存在する不自然に広大な牧場を、みつおは先ほど知り合ったばかりの少年を伴って歩いていた。
原本應該和妻兒在尾張生活的みつお之所以來到安土,正是因為這片巨大的牧場。
本来尾張で妻子と共に生活しているはずのみつおが安土に来ている理由こそが、この巨大な牧場にある。
在尾張提到みつお,便是畜牧業的權威,對於領主靜子所勸奨的酪農與牧畜從事者而言,他幾乎是如同神一般的活字典。
尾張に於いてみつおと言えば畜産業の権威であり、領主である静子が勧奨(かんしょう)している酪農や牧畜に従事する者にとっては神にも等しい生き字引であった。
多虧靜子與みつお多年來的努力,尾張領民的飲食生活水準已達到無人能及的境界,對於遷居安土的信長而言,看見自家勢力範圍的落差令人極為不滿。
静子とみつおの長年に亘る尽力のお陰で、尾張領民の食生活水準は他の追随を許さない領域に達しており、安土に移り住んだ信長にとっては自分のお膝元の体たらくに歯痒(はがゆ)い限りなのだ。
因此為了在安土紮根畜產業,由信長主導興建了廣大的牧場,並特地招聘了みつお來指導各種家畜的技術,為了讓みつお一家在安土無虞生活還分配了屋敷,甚至將牧場以他的姓氏命名為「田中牧場」,寄予厚望。
そこで安土にも畜産業を根付かせるべく信長主導による広大な牧場が作られ、各種家畜と共に技術指導をするべくみつおまでが招聘(しょうへい)され、みつお一家には安土で何不自由なく生活できるよう屋敷を宛がい、更に牧場の名はみつおの苗字から取って『田中牧場』とするほど期待している。
みつお和那名少年的相遇是偶然的。因為靜子屋內有客人,みつお去送上已宰好的阿古豬(アグー豚)的肉。
みつおと少年との出会いは偶然だった。静子の屋敷に来客があるとのことで、精肉してあるアグー豚の肉を納めに行った。
辦完事的みつお從側門準備回牧場時,看到大約十歲左右的少年坐在庭石上,無所適從地望著池裡的魚。
用事を済ませたみつおが勝手口から牧場へ戻ろうとした折、見たところ十歳前後の少年が庭石に腰掛けて所在なさげに池の魚を眺めているのを見つける。
少年衣著整潔,恐怕是身分不低的人家子嗣。仔細一看,少年似乎一隻眼睛不太靈光,追視魚兒時只有一隻眼睛在動。
少年は小綺麗な身形(みなり)をしていることから恐らく身分の高い人物の子息だろう。よくよく観察してみるとどうも少年は片目が不自由なようで、魚を追っている目は片方しか動いていない。
就在那時,少年的肚子發出了響亮的饑餓聲。那豪放的胃鳴連稍遠處的みつお也聽得到,看到少年捧著下腹嘆息,みつお想出了一個辦法。
と、その時だった。少年の腹が盛大に空腹を訴えた。少し離れていたみつおにも届く豪快な腹の音と、下腹を押さえて嘆息する少年の姿にみつおは一計を思いつく。
「小孩,你肚子餓了嗎?」
「坊や、お腹が空いているのかい?」
「欸?大叔您是這家的嗎?」
「え? おじさんはこの家の方ですか?」
「嗯。可以說是有點關係。小朋友有空嗎?剛好大叔我也肚子餓了,正想吃炸可樂餅,要不要一起?」
「うん。まあ関係者と言えるだろうね。坊やは時間あるかな? ちょうどおじさんもお腹が空いたから、揚げたコロッケを食べようと思っていたんだ。一緒にどうだい?」
「可樂餅嗎?啊,我叫藤次郎。我在散步時迷了路,現在不知所措。」
「ころっけですか? あ、私は藤次郎と申します。散策していたら道に迷ってしまい、途方に暮れておりました」
「是藤次郎君啊。年紀輕輕卻很乖巧,那麼先填飽肚子吧,大叔吃完會幫你一起找家人。先吃可樂餅,很好吃喔?」
「藤次郎君か。年若いのにしっかりしているね、それじゃあ腹ごしらえをしたらおじさんが一緒にご家族を探してあげるよ。まずはコロッケを食べよう、美味しいよ?」
藤次郎被みつお和善的外表以及願意請他吃看似美味食物的善意所打動,便答應接受。
藤次郎はみつおの優し気な風貌と、何やら美味しいらしい食べ物をご馳走してくれるという親切心に甘えることにする。
「多謝您。我想世話役小十郎也會很擔心,可以麻煩您飯後帶我去嗎?」
「ありがたく存じます。世話役の小十郎も気を揉んでおりましょう、恐れ入りますが食後にご案内頂けますか?」
「好啊。真是個乖巧的孩子。無論如何,先填飽肚子吧。走一小段路就是大叔的屋敷,我們就在那裡一起吃飯。」
「いいよ。しっかりしたお子さんだ。ともあれ、まずは腹ごしらえしようか。少し歩いたところにおじさんの屋敷があるから、そこで一緒にご飯を食べよう」
みつお說完便在藤次郎面前俯身伸出手,藤次郎也畏畏縮縮地握住他的手,兩人就這樣同行。
みつおはそう言うと藤次郎の前に屈んで手を差し伸べ、彼もまた恐る恐るみつおの手を取ると連れ立って歩き始める。
如同先前みつお所說,安土的靜子宅與みつお的屋敷近得像是在咫尺。從靜子宅的側門就能看到みつお宅的正門,稱得上是近鄰無誤。
先にみつおが述べたように、安土の静子邸とみつおの屋敷は目と鼻の先ほどの近さにあった。静子邸の勝手口からみつお邸の正門が見えているのだから、ご近所さんと言っても差支えない距離感だ。
みつお帶著藤次郎回到家後,莫名其妙地在屋門處的手水鉢要他洗手,並讓他在一塊奇怪的墊子上擦掉草履底的泥土。
みつおは藤次郎少年を伴って帰宅すると、何故か屋敷の入り口に存在する手水鉢(ちょうずばち)で手洗いを促し、草履の裏についた土を奇妙な敷物の上で落とすようにいう。
「大叔的工作是照料各種家畜,要盡量避免把疾病帶到家畜或人身上。雖然麻煩,但可以照著做嗎?」
「おじさんはね、色んな家畜のお世話をお仕事にしていてね、家畜と人との間に病気を持ち込まないように気を付けているんだ。面倒だとは思うけど、指示に従って貰えるかな?」
對於一切都覺得新奇的藤次郎默默點頭,先在金屬與樹脂製的去土墊上擦拭草履,再在金屬水龍頭持續流出少量水的手水鉢洗手。
見るもの全てが珍しい藤次郎は無言で頷き、金属と樹脂製の土落としマットで草履を擦り、金属製の蛇口から絶えず少量の水が流れる手水鉢で手洗いをする。
みつお讓藤次郎坐在客廳,轉身進廚房把剛炸好、冒著熱氣的可樂餅堆成山狀盛在大盤子裡端出來。
みつおは藤次郎を応接間に座らせると、厨房へ赴いて大皿に揚げたてで湯気を立てているコロッケを山盛りにして提供した。
藤次郎被堆成小山、像小判形狀的物體嚇到,但很快就被可樂餅那誘人的香氣迷住。
藤次郎は小山のように積み上げられた小判型の物体に圧倒されていたが、直ぐにコロッケの香ばしい匂いに魅了される。
「來,請慢用。剛炸好很燙,要小心別燙到。像這樣直接咬也……嗯,好吃。沾這個醬也很美味喔?」
「はい、どうぞ召し上がれ。揚げたてで熱いから火傷しないように気を付けてね。こんな感じでそのまま齧っても……うん、美味しい。このソースに浸けても美味しいよ?」
みつお為了藤次郎還沒下手,先示範性地咬了一口可樂餅。剖面露出的內餡是搗成泥的馬鈴薯、洋蔥和大塊豬肉,十分奢華。
みつおは手を付けようとしない藤次郎の為に、率先して一つコロッケを齧って見せた。断面から覗く中身はマッシュポテトと玉ねぎに豚肉がゴロゴロと入った贅沢なしろものだ。
接著みつお把小片蘸入小盤中深褐色的醬汁示範嚐試。香料濃郁、鹹度恰到好處的可樂餅也是極品,讓人不禁讚嘆。
次にみつおは小皿に取り分けてある濃い茶褐色の液体ことソースに付けて齧ってみせた。スパイスの豊潤な香りと、適度な塩気が足されたコロッケもまた絶品で思わず唸ってしまう。
看著那一幕不禁吞口水的藤次郎,戰戰兢兢地用筷子夾起一塊可樂餅,沒沾任何東西就咬了一口。伴隨著喀嚓的愉快口感,麵衣裂開,鬆軟熱呼呼的馬鈴薯溢入口中,他被那股甜味嚇了一跳。
その様子を見て思わず喉を鳴らした藤次郎少年は、おずおずと箸でコロッケを摘みそのまま何もつけずに一口頬張った。ザクリという心地よい食感と共に衣が破れ、中からホクホクのジャガイモが口に溢れ、その甘さに驚いてしまう。
香脆的外衣與鬆軟甘甜的內餡形成對比,加上帶有鹹味的豬肉爆發出的濃郁美味,徹底吸引了藤次郎。
香ばしい衣と対照的なホックリと甘い中身、そして塩味の利いた豚肉が溢れるほどの旨みを吐き出し藤次郎を魅了した。
剛炸好的可樂餅本來就很美味,而這可樂餅使用了阿古豬的肉,炸油也用提煉自阿古豬的豬油。
揚げたてのコロッケというのはただでさえ旨いものだが、このコロッケにはアグー豚の肉が使用されており、揚げ油もまたアグー豚の脂肪を精製したラードが用いられている。
即使是一般豬肉做的可樂餅已足夠美味,使用風味更加濃郁的阿古豬所做的可樂餅則是另一個境界,藤次郎展現出年紀相稱的旺盛食慾。
通常の豚肉のコロッケでさえ充分旨いというのに、遥かに濃厚な旨みを持つアグー豚のコロッケは別次元の味わいであり、藤次郎は年相応の子供らしい旺盛な食欲を見せた。
「哈哈哈。看起來很喜歡呢,不用急,還有很多慢慢吃。怕你噎到,我放點茶給你喝。」
「ははは。気に入ったみたいだね、急がなくても沢山あるからゆっくりお上がり。喉を詰めると危ないからお茶を置いておくね」
みつお說完便在茶杯中盛了點微溫的茶遞給他。被可樂餅迷住的藤次郎原本那種成熟的樣子消失無蹤,改用握著的筷子叉著可樂餅一口接一口地吃。
みつおはそう言うと湯呑に少し温めのお茶を満たして渡してやった。コロッケに魅了された藤次郎はと言えば、当初の大人びた様子など姿を消してしまい、握り箸でコロッケを突き刺して齧っている始末。
一邊微笑看著那情形,自己也吃了一塊可樂餅。這等美味幾乎不像戰國時代的東西,他笑得眼角下垂,並向從廚房偷看過來的妻子鶴姫豎起大拇指示意。
その様子を微笑ましく眺めながら、自分もコロッケを食べてみる。およそ戦国時代とは思えない味の逸品に目じりが下がり、厨房からこっそりとこちらを窺う妻の鶴姫にサムズアップサインを送る。
這可樂餅是鶴姫親手炸的,也是她拿手的菜之一。她在隔間與長女葵以及長子椿丸一起用餐。
このコロッケは鶴姫が手ずから揚げてくれた物であり、彼女の得意料理の一つにもなっている。彼女は別室にて長女である葵と、長男である椿丸と共に食事をとっていた。
就在這時,みつお注意到藤次郎變得安靜。看向他才發現可能是吃飽了,正打著瞌睡點頭入眠。
そうしているうちにも、みつおは藤次郎が静かなことに気が付いた。視線を向けると腹が満ちたためか、こっくりこっくりと船を漕いでいた。
みつお苦笑一番,但擔心他會倒下受傷,於是從藤次郎手中拿走筷子,讓他躺下休息。把他的照顧托給鶴姫後,みつお便前往靜子邸尋找藤次郎的家人。
みつおは苦笑しつつも、倒れると危ないために藤次郎から箸を取り上げて横にならせる。彼の面倒を鶴姫に託すと、藤次郎の家族を探すべく静子邸へと向かっていった。
靜子原本以為年幼又對地形不熟的藤次郎能移動的範圍有限,想當然以為很好找,卻不知他的下落杳無音訊。
静子は土地鑑もない幼い藤次郎が動ける範囲など知れているとたかをくくっていたのだが、彼の行方は杳(よう)として知れなかった。
若就這樣找不到,伊達家可能會被視為謀害信長而受罰。就在這令人戰戰兢兢的情勢下,救援者出現了。
このまま見つからなければ信長を謀(たばか)ったとして伊達家に処罰が下されかねない。そんな戦々恐々とした状況に救い主が現れる。
「靜子大人,有みつお大人要求會見。」
「静子様、みつお様がご面会を求めておられます」
「咦!?みつお先生來了?請把他帶進來吧。」
「え!? みつおさんが? 何かしら、お通しして下さい」
在侍從通報來客後,立刻決定會見。因為沒有目擊者,已從靜子宅為中心向外放射狀派人搜尋,但目前只能等待,別無他法。
小姓に告げられた来客の報せを受けて、即座に会うことに決めた。目撃者も無い状態であり、静子邸を中心に放射状へと周囲に人を向かわせているのだが、今のところ待つ他に手の打ちようもない。
被引見後,みつお所告之事令人震驚。竟然是他──みつお親自保護著那名被拼命搜尋的人,實在令人驚愕。
そうして通されたみつおから告げられた内容は衝撃的であった。必死に捜索していた人物を、他ならぬみつおが保護しているというのだから驚きだ。
由於みつお宅太近,反而成了盲點。
みつお邸に関しては、余りにも近すぎるために盲点となっていた。
「所以藤次郎君是睡在みつお先生家裡嗎?」
「それで藤次郎君は、みつおさんのお宅で眠っていると?」
「是的,現在是我妻子在照看他。雖然好像出了些大事,那孩子是誰家的子弟?」
「ええ、今は妻が様子をみてくれております。何やら大事になっていますが、あの子って何処のご子息なんですか?」
靜子聽了みつお的話感到有些掃興。作為一般人,みつお並不太可能知道像伊達政宗這類有名戰國武將的假名,這也很正常。
静子はみつおの言を聞いて肩透かしを食らった気分になった。一般人であるみつおに取って、有名な戦国武将である伊達政宗の仮名(けみょう)など知らない方が普通である。
「嗯……みつお先生所保護的,是未來的伊達政宗公子。功勞不小。」
「ええと、みつおさんが保護して下さったのは未来の伊達政宗公ですよ。お手柄です」
みつお聽了大為驚訝。大概他對伊達政宗的印象是把刀鍔當眼罩、穿著甲冑騎在馬上的模樣吧。
そう言われてみつおは大層驚いていた。彼のイメージにある伊達政宗は刀の鍔(つば)を眼帯にして、甲冑を纏って馬に乗っている姿だからだろう。
實際上的藤次郎,如後世流傳的肖像畫所示,右眼混濁,並未戴所謂的眼罩。
実際の藤次郎といえば、後世に伝わっている肖像画の通り右目が白濁しており、眼帯など付けてすらいない。
政宗戴眼罩、尤其是刀鍔型眼罩,據說是後人創作;關於他容貌的一手資料中,並沒有記載他遮蓋右眼之事。
それは政宗が眼帯、主に刀鍔型を付けているというのは創作だからと言われている。彼の姿を伝える一次資料には、彼が右目を覆っているという記録は無い。
「欸!政宗的眼罩竟然是後人杜撰的?連歷史劇都把他演得戴得好好的,所以我還以為那是正史呢。」
「ええ! 政宗の眼帯って後の創作だったんですか? 歴史ドラマとかでもばっちり眼帯しているから、あれが正式なものだと思ってましたよ」
「總之先把找到的消息通報出去吧。」
「とりあえず、見つかったことを周知させますね」
說罷靜子叫來侍從,請他聯絡相關各方。雖然對みつお說了聲立功了,但人之常情還是會想著要是他先通報就好了。
そう言うと静子は小姓を呼んで、関係各所に連絡をするように頼む。みつおにはお手柄と言ったが、先に知らせて欲しかったと思ってしまうのが人の常。
等靜子的使者到達伊達家時,包括小十郎在內好幾人甚至脫去上衣,彷彿在準備斬腹一般。
静子の遣いが伊達家に着いた頃、小十郎を含め何人かは腹を斬るための準備なのか上半身裸になっていた程だった。
這是多重不可抗力的結果,尚未發展到需要某人負責的程度,靜子因此決定把這一連串騷動當作未發生來處理。
不可抗力が重なった結果であり、誰かが責任を取らねばならない程の事態にはなっていないため、静子は一連の騒動について無かった事として処理すると決める。
「話說回來,みつお真是個擅長招惹孩子的人啊。用食物引誘孩子、巧言哄騙帶回家,真不愧是行家……」
「それにしても、みつおさんの子供たらしは流石ですね。子供を食べ物で釣って言葉巧みに連れ帰るなんて……」
「不,真的很抱歉。我沒想到他會是這麼了不起的人……這也只是藉口吧。對不起。」
「いや、本当に申し訳ない。そんな大物だとは思わなかったので……これも言い訳ですよね。すみません」
「對不起,我也忍不住酸了他一把。反正既然已派出使者,伊達家的人應該會來,能請你去引導他們嗎?」
「ごめんなさい、私もつい当て擦りをしてしまいました。ともあれ遣いを出したので、伊達家の方々も集まってこられるでしょう。案内を頼めますか?」
「他大概還在睡,我這就快跑一趟把他背回來。原本是要在這裡用晚餐的對吧?」
「恐らく眠っているでしょうから、今からひとっ走り戻って背負ってきますよ。こちらで晩餐の予定でしたでしょう?」
「是的,那就麻煩你了。」
「そうですね。それじゃあ、よろしくお願いします」
之後,みつお把睡著的藤次郎背回來,照原定舉行了歡迎宴會。小十郎嚴厲叮嚀藤次郎不要跟陌生人走。
その後、みつおが眠り込んだ藤次郎を背負って戻り、予定通りの歓迎の宴会が催された。藤次郎は小十郎から知らない人について行かないようきつく言い聞かされる。
伊達家的人一邊大快朵頤靜子宅的料理,藤次郎似乎特別喜歡可樂餅,不斷向小十郎談論那道菜。
伊達家の面々が静子邸の料理に舌鼓を打つ一方、藤次郎はよほどコロッケが気に入ったのか小十郎相手にしきりにそのことを話していた。
騷動過了一夜,藤次郎似乎真的有反省,變得特別乖順,讓伊達家的人鬆了口氣。
騒動から一夜明け、流石に反省したのかすっかり聞き分けの良くなった藤次郎に伊達家の者たちはホッと胸をなでおろした。
但如果這種情形持續數日,大家又另有擔憂。過去他們一直被藤次郎放縱的舉止牽著走,對於他突然劇變,甚至擔心他是不是身體不適。
しかし、それが数日も続くと別の意味で心配になってきた。何しろ彼らは今まで藤次郎の奔放な振る舞いに振り回されており、急激な変貌に体調でも悪いのでは無いかと危惧する始末。
小十郎試探性地打聽後得知,藤次郎正想方設法擠出時間去みつお家,他之所以變乖只是為了把瑣事以最快速度辦完。
それとなく小十郎が聞き出してみると、藤次郎はなんとか時間を捻出してみつお邸に行きたいと考えており、些事を最速で終わらせるために聞き分けが良くなっていただけであった。
以前只要不滿意就會一直喊「為什麼?」讓大人困擾,但因為他把儘快結束當作最優先,事情反而進展得很順利。
今までは自分が納得いかないことがあれば「何故だ?」を連呼して大人を困らせていたのだが、とにかく早く終わらせることを最優先にしているが故にスムーズに物事が進む。
一完成事務他就飛奔往みつお家,常在宵禁將近時趕回,晚餐時總愛向眾人講述他做了什麼,成了他的日課。
用事を終わらせた途端にみつお邸へと駆け出してゆき、門限すれすれに帰り着くと夕餉の折に何をしたのかを皆に語って聞かせるのが日課となってしまっていた。
那日みつお好像展示了橡皮筋鐵槍,藤次郎被完全吸引,甚至也想要一把。
この日はみつおがゴム鉄砲を披露してくれたらしく、すっかりゴム鉄砲に魅せられた藤次郎は自分でも欲しくなってしまった。
於是好照顧人的みつお並沒有做足滿作那種精緻的橡皮筋鐵槍,而是和他一起做了結構簡單、能自行維護的簡易款。
すると面倒見の良いみつおは、足満作の凝ったゴム鉄砲ではなく、構造が単純で自分でメンテナンスも出来る簡易的なゴム鉄砲を一緒に作ってくれたのだそうだ。
據說兩人用那把玩到天黑、橡皮筋都看不清為止。藤次郎像是在炫耀寶物般拿著橡皮筋鐵槍示人,小十郎眉頭放下,帶著溫和的微笑,但也對這種未知材料「橡膠」所蘊含的可能性感到戰慄。
それを使って日が暮れてゴムが見えなくなるまで二人で撃ち合いをしていたと言う。まるで宝物であるかのようにゴム鉄砲を見せてくれる藤次郎に、小十郎は眉根を下げて微笑ましく思いながらも、ゴムという未知の素材が持つ可能性に戦慄していた。
藤次郎對みつお已完全投懷,然而他必須在尾張而不是安土過人質生活,因此他也意識到與みつお的別離將至。
すっかりみつおに懐いてしまった藤次郎だが、彼は安土ではなく尾張で人質生活を送らねばならない。つまりはみつおとの別れが迫っていることを自覚していた。
但事與願違,他的預想被好地推翻。正巧安土的工作告一段落,みつお便趁勢同行前往尾張,於是包括欣喜若狂的藤次郎在內,靜子一行人朝尾張出發。
しかし、彼の予想は良い方向に裏切られることとなる。ちょうど安土での作業が一段落していたみつおは、渡りに船とばかりに静子たちの尾張行きに同道することとなり、喜色満面の藤次郎を含めた静子たち一行は尾張へと向かっていった。
當靜子等人正往尾張而去時,關東方面信忠軍與里見(さとみ)家的勢力已經開戰。雖說雙方交戰,但實際情況是里見一方防守被動,無法轉為攻勢。
静子たちが尾張へと向かっている頃、関東に於いては信忠軍と里見(さとみ)家の勢力が戦端を開いていた。交戦しているとは言うものの、内情は里見の防戦一方で攻勢に転ずることが出来ないでいる。
原因既單純又嚴重:里見根據間諜提供的織田軍進軍計畫佈防準備,卻遭遇突如其來出現在港口的艦隊,把水軍基地所依賴的設施與船隻逐一摧毀殆盡。
理由は単純かつ深刻であり、間諜から齎された織田軍の進軍予定を基に応戦準備を整えていたところへ、突如として港湾に現れた船団が水軍の拠点となる設備や船舶を片っ端から破壊し尽くしたためだ。
物資上的損失雖然慘重,但人員傷亡幾乎沒有,熟練水兵仍有剩餘,然而當主里見義弘(よしひろ)選擇放棄港口撤退。
物的な損失は壊滅的ではあるが、人的損失は殆どなく熟練の水兵も残されていたのだが、当主である里見義弘(よしひろ)は港湾を捨てて撤退を選んだ。
義弘選擇撤退並非一時怯懦所致。縱使織田軍的奇襲奏效,並非所有船隻都完全失去戰力。
義弘が撤退を選んだのは臆病風に吹かれたからではない。如何に織田軍の奇襲が成功したとはいえ、全ての船舶が使用不能になったわけではない。
若調用予備船或正在整修的船,也能組成可觀艦隊;只要一旦出海,素以精銳著稱的里見兵應不至於輕易落後。
予備の船舶や、改修中の船舶などを回せば十分に船団を形成できる。そして一度水上に出てしまえば精強で鳴らした里見兵ならば、そう簡単に後れを取ることはないだろう。
然而,義弘親眼所見;從極遠的海平線上,敵船僅能看到一線身影,織田軍卻能像傾盆而下般向我方港口傾瀉砲彈。
しかし、義弘は他ならぬ自分の両目で見てしまったのだ。敵船の姿が水平線に僅かに見えるという超遠距離から、自軍の港湾に雨あられと砲弾を降らせてくる織田軍の姿を。
相較之下,自軍的兵器最多也就是焙烙火矢(一種在陶器容器中填入火藥、點燃導火線後以手或繩子揮甩並擲出的手榴彈般武器)。
対して自軍の兵器と言えば、焙烙(ほうろく)火矢(陶器製の容器に火薬を詰め、導火線に火をつけた状態で手または縄で振り回して投擲(とうてき)する手榴弾のような武器)が精々である。
雖然名為火矢,但實際射程遠不及弓箭。相對地,敵軍艦隊似乎配備了傳聞中的大砲,伴隨轟鳴從遙遠處接連發射爆裂彈。
名前こそ火矢となっているが、実際には弓の射程に遠く及ばない。それに対して敵軍の船団は噂に聞く大砲を装備しているらしく、轟音と共に遥か遠くから炸裂する砲弾を次々に撃ち込んでくるのだ。
那景象彷彿重演了鐵砲傳入日ノ本時帶來的衝擊般的惡夢。義弘見此情勢無法應戰,只得命令全軍撤退。
日ノ本に鉄砲が伝来したときの衝撃が再び繰り広げられる悪夢の光景だった。このままでは勝負にならないと見た義弘は、全ての兵に撤退を命ずるしか無かった。
自始就失去制海權的里見一方,義弘認為目前並非考慮投降的局面,其背後原因是里見家所轄的房總半島地形因素。
出だしから制海権を奪われた里見だが、義弘としては降伏を検討するような状況ではないと考えていた。その背景には里見家の領地である房総(ぼうそう)半島の地形がある。
里見家的根據地安房國,三面環海,為起伏連綿的房總丘陵地帶。
里見家の本拠地である安房国(あわのくに)は、三方を海に囲われた房総丘陵(きゅうりょう)という起伏のある地形が広がっている。
敵方的大砲確實有不凡的長射程,但從海岸線到居城佐貫城恐怕射程不足。倘若如此,自然會變成上陸後的陸戰,而此地形正對我方有利。
敵の大砲はなるほど大した長射程を誇っているが、それでも海岸線から居城である佐貫(さぬき)城までは届くまい。となれば当然上陸してからの陸戦になるのだが、そうなればこの地形が自軍に味方する。
起伏複雜的丘陵帶只能沿著縫隙般的單一路徑前進,攻擊困難、防守容易,是難攻不落的地勢。
複雑に隆起した丘陵地帯は間を縫うように走っている一本道を進軍するしかなく、攻めるに難く守るに易い難攻不落の地形であった。
再者丘陵谷間多為沼澤地,稍離開踏實的道路便會陷至膝蓋的泥澤,難以布陣大軍,足以顛覆數量優勢的想定。
しかも丘陵の谷間の多くは湿地帯となっており、踏み固められた道を一歩外れれば膝まで沈みこむような湿原であり、大軍を布陣させることすら不可能という数の優位性を覆せる立地だ。
里見家便是仰賴這樣的地形多次挺過國家的危機。若能將戰鬥拉到陸上,此次也有把握守住。義弘命令以佐貫城為起點,編成軍隊向織田軍反攻。
里見家はこの地形を活かし、何度も国の窮地を耐え抜いてきたのだ。今回も陸戦に持ち込めれば守り切る自信があった。義弘は佐貫城を起点として、織田軍へと反攻するべく軍を編成するよう命じた。
一方,成功奇襲里見領且摧毀里見水軍核心港灣功能的信忠,正在審閱部下送來的各種報告。
一方、里見領への奇襲を成功させ、里見家が誇る里見水軍の要である港湾機能を壊滅させた信忠は、配下から寄せられる報告を吟味していた。
「若様,里見軍已放棄港灣,進入籠城態勢的報告已到達」
「若様、里見軍は港湾を捨て籠城の構えに入ったと報告が届いております」
「伊豆水軍(北條家的水軍)情況如何?」
「伊豆水軍(北条家の擁する水軍)はどうだ?」
「剛才九鬼大人回報,與里見水軍同樣以先制攻擊方式破壞了船隻及港灣,確保了制海権。北條方也因恐懼進入我方射程而已撤退」
「先ほど九鬼様より定時連絡があり、里見水軍同様に先制攻撃にて船舶及び港湾を破壊して制海権を確保したとのことです。北条側も同様にこちらの射程に入ることを恐れて撤退しております」
「里見攻略の最中に北條が動くと面倒だからな。北條の手足となる水軍を潰しておけば、大規模な援軍も出せまい。九鬼に命じよ! たとえ漁船であろうと、海に浮かぶ船舶はその悉くを沈めよと」
「里見攻めの最中に北条が動くと面倒だからな。北条の手足となる水軍を潰しておけば、大規模な援軍も出せまい。九鬼に命じよ! たとえ漁船であろうと、海に浮かぶ船舶はその悉(ことごと)くを沈めよと」
「はっ」
「はっ」
只要掌握了制海権,就能從海上建立補給線。即便陸上部隊出現問題,也能從沿岸提供炮火支援,最壞情況還可作為撤退路線利用。
制海権さえ掌握してしまえば、海上からの補給線が確立できる。陸上部隊に問題が発生したとしても、沿岸部より支援砲撃等で援護できるし、最悪の場合には退路としても利用できる。
「雖然君等想早立戰功,但再忍耐一陣。已經讓里見以為會從陸上攻來……很快就會有動作」
「早く手柄を立てたいだろうが、もう暫く我慢してくれ。なに里見には陸から攻めると刷り込めた(・・・・・)、すぐに動きがあるだろう」
信忠故意沒有執行強襲上陸作戰。織田軍的船團在港外保持距離,因而義弘誤以為織田水軍並無陸上戰力。
信忠は敢えて強襲上陸作戦を行わなかった。織田軍の船団は港湾より距離を置いて海上に留まっており、このため義弘は織田の水軍には陸上戦力が無いのだと誤認してしまった。
事實上,義弘認為織田軍在確保港灣設施後,會與搭載陸上部隊的船團會合再上陸。
事実、義弘は織田軍が港湾施設を確保した後、陸上部隊を搭載した船団と合流して上陸してくる手はずだと考えた。
以戰國常識來看,這並非說義弘愚鈍。相反地,在遭受前所未見的猛烈先制攻擊後,仍能命令配下不許反擊並整隊撤收,這份手腕堪稱高明。
戦国時代の常識に照らせば、決して義弘が愚鈍だと言うわけではない。むしろ前例のない強烈な先制攻撃を受けたにもかかわらず、配下に反撃を禁じた上で撤収させた手腕は見事とさえ言える。
接受損失後採取善後策雖是理想,但能做到的國主寥寥無幾,必須具備能讓部下執行違背感情的冷酷命令的領導力,並能排除私情做出冷徹計算。
損害を受け入れた上で善後策を取るというのは理想だが、これを実行できる国主は多くない。感情に反する非情な命令を配下に守らせる指導力と、私情を排した冷徹な計算が出来なければならないからだ。
僅憑能完成這樣艱難掌舵的一事,便可看出義弘為非凡的將帥。
その難しい舵取りを為し得た一事だけを以てしても、義弘が非凡な武将であることが窺える。
「現狀雖然由我方佔優,但切不可鬆懈。僅憑兵器性能的差異而壓倒對手,若被擺入白兵戰我方亦然危險。故此警戒常須嚴格!里見絕非可輕視之敵」
「現状はこちらが優位で推移しているが、油断は出来ん。兵器の性能差で圧倒しているだけで、白兵戦に持ち込まれれば我らとて危うい。故に警戒は常に厳にせよ! 里見は決して侮って良い相手ではない」
「はっ」
「はっ」
曾因大意而被反撲挫敗的信忠,自我警惕決不因再有利的戰況而鬆懈。
過去に油断を突かれて足を掬われた経験を持つ信忠は、どれほど有利な戦況にあっても油断をしないよう自らを戒めている。
他不只自我律己,還常以口諭形式反覆灌輸,讓家臣也能體認這份戒備心,從其態度可窺見其重視程度。
自らを律するだけにとどまらず、ことある毎に口に出すことで家臣にまで浸透させようとする姿勢からも注力具合が窺えよう。
如此一邊持續海上封鎖,信忠一面耐心等待時機,透過望遠鏡注視著源源不斷集結到佐貫城的兵力,仍舊繼續等待。
そうして海上封鎖を続けながら信忠は只管(ひたすら)に機を待った。里見の居城である佐貫城へ続々と兵が集結しているのを望遠鏡で眺めながら、それでも信忠は待ち続けた。
終於時機到來。
そして遂に時が満ちる。
「攻めよ、勝山城!」
「勝山城を攻めよ!」
「はっ!」
「はっ!」
勝山城為里見家在房總半島南部所駐多處城之一,面向被三浦半島與房總半島夾持的浦賀水道,屬沿岸地帶的山城,擁有天然良港的海灣作為軍港。
勝山城は房総半島の南部にある里見家が支配下に置く城の一つである。三浦半島と房総半島に挟まれた浦賀水道に面する沿岸部に位置し、天然の入り江を軍港として抱える山城だ。
單是被群山環抱的入海口這一點就具地理優勢,而在勝山城沖還有一座浮島可作防波堤,此浮島使得外界難以窺見灣內情況,成為難攻的軍港。
周囲をぐるりと山に囲われた入り江というだけでも地理的に優位なのだが、ここ勝山城には更に防波堤ともなる浮島が勝山城沖に存在する。この浮島の存在が外部から湾内を目隠しするため難攻不落の軍港となっていた。
附近還有可協同的金谷城與岡本城,若從海上攻打只能從海側登陸的勝山城,就會遭到兩城派出的船團與勝山城艦隊夾擊。
更に付近には連携をとれる距離に金谷城と岡本城が存在し、立地上海からしか攻められない勝山城を攻めようとすれば、両城から派遣された船団と勝山城の船団で挟み撃ちの憂き目を見ることになる。
反過來說,一旦攻下勝山城,織田軍便能在房總半島建立堅固的前進基地,對里見家與北條家形成直接威脅。
逆を言えば勝山城さえ落としてしまえば、織田軍は房総半島に強固な前線基地を構えることが出来、里見家と北条家の喉元に刃を突きつけることが出来るのだ。
「金谷城與岡本城的預備兵力已入佐貫城,現在正是勝機!目標不需精準,能射就盡量射!」
「金谷城と岡本城の予備兵力が佐貫城へ入った今こそが勝機よ! 狙いは大まかで良い、手当たり次第撃ちまくれ!」
信忠命令自軍船團向有勝山城的峰頂進行艦砲射擊。通常會觀測著彈著點修正目標再發下一彈,但因從海上無法觀測彈著點,便以能射中的僥倖態度瘋狂轟擊。
信忠は自軍の船団に対し、勝山城のある峰に向けて艦砲(かんぽう)射撃(しゃげき)を命じた。通常は着弾を観測して目標を修正、次弾を発射という流れになるのだが、海上からは着弾点がそもそも観測できないため、当たるを幸いに滅多打ちにさせる。
後來那股如要削平山一般的集中砲火傾瀉在勝山城上。因季節樹木尚不乾燥未致山火,但四處升起黑煙,信忠遂率主力艦隊進入入海口,確保勝山湊。
後に山を削る勢いと言わしめることとなる集中砲火が勝山城へ降り注いだ。季節柄樹木が乾燥しておらず、山火事にこそ至らなかったものの、あちこちから黒煙が立ち上る状況になると、信忠は主力艦隊を入り江に侵入させて勝山湊(みなと)を確保した。
將其餘艦隊部署於浮島周邊以牽制金谷城及岡本城的援軍。在萬全體勢就緒後,派遣上陸部隊一舉攻取已半殘的勝山城。
残る艦隊を浮島付近に配備して、金谷城及び岡本城からの援軍を牽制させる。万全の体制となったところで、上陸部隊を派遣して既に半壊している勝山城を一気に攻め立てた。
「海上已有戒備,注意陸路來援。若後詰到達,佔據高地的籠城方將佔優勢」
「海上は警戒しているゆえ、陸路からの援軍に注意せよ。後詰が到着すれば高所に位置する籠城側が有利となる」
即便半毀,城池也非易於攻陷。而且城建於草木蔓生的峰頂,趁夜色從城內逃脫之人不可能全部拘捕。
いかに半壊していようとも、城がそう簡単に落ちることはない。また草木の生い茂る峰に建っているため、夜闇に乗じて城を脱出する者すべてを捕縛することなど不可能だ。
儘管金谷城與岡本城的預備兵力變得薄弱,本隊仍然沒有鬆動。若各自派出約一半的兵力來支援,戰局便會瞬間陷入危急,這是顯而易見的。
如何に金谷城と岡本城の予備兵力が手薄になっているとはいえ、本隊は変わらず詰めている。それらの半数程度をそれぞれから派遣されれば、一気に戦況が苦しくなるのは明白だ。
信忠認為儘快攻下勝山城,並以勝山城為據點反過來對金谷城與岡本城施加壓力,才是邁向勝利的第一步。
信忠としては一刻も早く勝山城を落城させ、逆に勝山城を起点に金谷城と岡本城に圧力を掛ける状態へ持って行くことこそが勝利への第一歩となる。
「若敵方艦隊不出海,就從海上對金谷與岡本兩城以艦砲射擊猛攻!」
「敵の船団が海上に出てこないようなら、金谷と岡本両城へ海上から艦砲射撃を叩きこめ!」
信忠一聲令下,對里見的攻勢迅速加速。金谷城、勝山城與岡本城都遭到攻擊、火勢四起的報告,肯定令義弘心驚膽寒。
信忠の号令一下、一気に里見に対する攻撃が加速した。金谷城、勝山城、岡本城の全てが攻撃を受け、火の手が上がっているという一報は、義弘の心胆を寒からしめたであろう。
可惜的是,即便義弘要派援軍,也已來不及了;他們視為防線要地的濕地反而延緩了援軍的出兵。
惜しむらくは義弘が援軍を派遣しようにも既に手遅れとなっていることだろう。彼らが防衛の要としていた湿地帯が逆に、援軍の派兵を遅らせてしまうからだ。
對於原本倚賴之物反成累贅的局面,信忠暗自竊笑。
自らが頼みの綱としてきたものが足枷となる状況に、信忠は一人ほくそ笑む。
「若樣,地面部隊已完成登陸。現在正進行敵方船隻的破壞,這樣一來被拖上岸的船也將無法使用。」
「若様、地上部隊の上陸が完了しました。今は敵船舶の破壊を行っています。これで浜上げされていた船も使えなくなります」
「很好。那麼我等本隊朝佐貫城前進!在外海露出身影,嚇他們一跳吧。」
「上出来だ。では我ら本隊は佐貫城を目指すぞ! 沖合に姿を見せて、連中の度肝を抜いてやろうではないか」
「明白了。」
「承知しました」
「先鋒就交給靜子託付的隊伍。沒有讓他們參戰最有成就的勝山城,應該讓他們保留那一點光彩。」
「先駆けは静子から預かった隊に任せよ。最も手柄が立てられるであろう勝山城には参戦させなかったのだ。そのぐらいの華は持たせてやらねばなるまい」
被靜子軍託付的部隊是由才藏與其手下組成。現今攻打勝山城的是由信忠家臣率領的部隊,才藏等人被迫待命。
静子軍から預託された部隊は、才蔵と彼の配下である。現在勝山城を攻めているのは、信忠の家臣達が率いる部隊であり、才蔵たちは待機を余儀なくされていた。
並非才藏等人有問題,而是若起用作為外來軍的才藏等,信忠麾下的將士會生不滿。
才蔵たちに問題があった訳ではなく、外部の軍である才蔵たちを起用すれば、信忠配下の将兵たちから不満が出るためであった。
首先得讓內部的人盡情立功,讓他們覺得受到優待,否則難以維持士氣。執著於小功績而非作戰成果的文化根深蒂固,即使是信忠也要做意識改革,仍是漫長之路。
まずは内部の者に存分に手柄を立てさせて、優遇されていると思わせなければ士気を保つのは難しい。作戦の成果ではなく、小さな手柄に固執する文化は根強く、信忠を以てしても意識改革は果てない道のりだ。
「好,起錨!向佐貫出發!」
「よし、錨(いかり)を上げよ! 佐貫へ向かうぞ!」
信忠的命令在船上回蕩。
信忠の号令が船上に響き渡った。