戦国小町苦労譚
1577年 六月上旬
總之,與花了許多時間的出陣形成對照,靜子的歸來顯得相當簡單利落。
とにかく時間を要した出陣とは対照的に、静子の帰還はあっさりとしたものだった。
原本期間只定為七日,或許因為事先就預想會中途離場,所以把戰後處理等全都推給別人,返回尾張。
元々期間が七日のみと定められており、途中で退場することが織り込み済みであったためか、戦後処理等を全て丸投げにして尾張へと帰投する。
本來應該到京都順道向近衛前久(さきひさ)報告,還應在安土過夜拜見信長並報告,但因為兩人都催促靜子快回,於是只以電話報告後就到達尾張。
本来であれば京に立ち寄って近衛前久(さきひさ)に報告をし、更には安土でも一泊して信長に謁見して報告をするべきなのだが、二人ともが静子の速やかな帰還を促したため電話での報告を済ませるのみで尾張へとたどり着いた。
「歡迎回來,靜子大人。各種準備已就緒,請先去洗去長途旅途的疲憊」
「お帰りなさいませ静子様。諸々準備が整っておりますれば、まずは長旅の疲れをお流し下さい」
「謝謝。好久沒泡澡了,正想念浴池,馬上就去。留守期間有變化嗎?」
「ありがとう。お風呂が恋しかったところだから、早速頂かせてもらうね。留守中は変わり無かった?」
「並無需要特別報告的事」
「特別にご報告差し上げねばならないようなことはございません」
聽到代管內務的彩那令人安心的話後,靜子卸下旅裝泡入浴中,並在期間享用了早已準備好的餐點。
留守を預かる彩の頼もしい言葉に安堵すると、静子は旅装を解いて風呂に浸かり、その間に準備されていた食事を取る。
品著飯後的茶,深深吐出一口氣,總算感到自己回到家的實感。
食後のお茶を味わいつつ、深く息を吐き出してやっと自分の家に帰ってきたのだという実感がわいた。
回到房中,雖覺得有點邋遢,靜子仍伸展四肢大字型躺在床上,仰望天花板。
自室に戻った静子は少々だらしないとは思いつつも、床に大の字に寝そべって思い切り手足を伸ばして天井を見上げた。
正當靜子用全身享受家中舒適時,彷彿時機已到般,侍從向她報來有客到訪。
静子が全身を使って自宅の気楽さを堪能したころを見計らったかのように、小姓から来客を告げられる。
慌忙整飾後,靜子叫侍從引客入內,不久一名帶著溫和笑容的男子走了進來。
慌てて身繕いをした静子は、小姓に客を通すように返すと、それほど間を置かずに一人の男が穏やかな笑みを浮かべながら入ってきた。
「此次出征辛苦了。可以向您報告調查結果嗎?」
「此度(こたび)のご遠征まことにお疲れさまでした。調査の結果をご報告しても宜しいでしょうか?」
「嗯,沒關係。請說」
「ええ、構いません。お願いします」
正對著靜子坐下的男子,正是掌管靜子軍情報的一手──真田昌幸。他仍帶著和煦表情,卻拋出驚人的炸彈發言。
静子に正対して座した男は、静子軍の諜報を一手に担う真田昌幸その人であった。彼はにこやかな表情のままにとんでもない爆弾発言を投下する。
「這次騷動的真正目標,似乎是要暗殺靜子大人」
「今回の騒動に於ける真の狙い、それは静子様の暗殺にあったようです」
「原來如此。是為了把向前線不出面的我拖出來,才讓教如做出暴舉,是這意思嗎?」
「なるほど。矢面に出てこない私を引きずり出すため、教如に暴挙を起こさせたという訳ですか」
靜子用手壓制那露出明顯殺氣的才藏,同時催促昌幸繼續。昌幸點頭後開始敘述此次始末。
露骨に殺気を滲(にじ)ませる才蔵を静子が手で制しつつ、昌幸に続きを促した。彼は首肯すると今回の顛末を語りだす。
「過去五摂家間並無太大差距,彼此保持著微妙的均衡。但現在已變成近衛家完全一家獨大的情況,與其他四家出現明顯差距。此外與近衛家關係密切的鷹司家也在擴大影響力,剩下的三家自然感到不滿」
「従来五摂家の間にはそれほど大きな格差というものがなく、互いに絶妙な均衡を保っておりました。それが今や近衛家の完全な独り勝ち状態となり、他四家との間に明らかな格差が生まれております。また近衛家に近い鷹司家も影響力を伸ばしており、残る三家としては面白く無い状態となっています」
「所以他們要排除促成近衛家躍升的我?太過短視,而且太小看義父。的確與近衛家關係緊密,但即便我喪命,也不會動搖他們的根基」
「それで近衛家が飛躍する端緒となった私を排除すると? 余りにも短絡的すぎますし、そもそも義父上を侮り過ぎです。確かに近衛家とは緊密な関係にありますが、たとえ私が命を落としたからと言って、その屋台骨が揺らぐようなことはありません」
近衛家與其他五摂家不同,對靜子所經營的產業有出資,已建立起堅實的經濟基礎。
近衛家は他の五摂家と異なり、静子の手掛けた産業に対して出資を行っており、確固とした経済基盤を築き上げている。
把由此獲得的利潤再投資以擴大資金,現在已成為發行「京便り」的媒體王,成為公家之間不可或缺的信息來源。
そこで得られた利益をさらに再投資して資金を増やし、今や公家の間では無くてはならない情報源となった『京便り』を発行するメディア王となった。
構築起能持續獲利的體制,並靠前所未有的定期報紙取得資訊支配權的近衛家,基礎穩固。
継続して利益を享受できる体制を構築し、かつこれまでに無い定期新聞による情報支配を勝ち得た近衛家は盤石だ。
近衛家近來也開始注重軍備,已無懈可擊,即使訴諸直接暴力也能應對。
この頃は軍備にも力を入れ始めた近衛家に隙は無く、直接的な暴力に訴えられても対処できる状況となっている。
「先前掌握的情報顯示他們標榜恢復朝廷、乃至公家的復權,但似乎另有一條交流途徑,並圖謀暗殺您」
「事前に掴んでいた情報では朝廷、延(ひ)いては公家の復権を掲げていましたが、別口の交流手段を持っていたようで御身の暗殺を企てておりました」
「果然是從權謀術數盤根錯節的該處活下來的人,我們竟被徹底耍了嗎?把明顯的餌放在顯眼處以掩飾真實目的,這是基本手法。不過對自認已看穿他們的我們來說,卻是效果顯著。今後須提高警惕才行。當然,前提是他們還有『次』的話」
「流石は権謀術数の渦巻く伏魔殿で生き抜いた方々ですね、我々はまんまと出し抜かれたという訳ですか。判り易い餌を目に付くところに置いて、本来の目的を隠すのは基本。しかし、彼らを出し抜いた気になっている我らには効果覿面(てきめん)でしたね。今後は気を引き締めて掛かりましょう。尤も彼らに『次』があればですが」
「是的,二條家當主昭實(あきざね)因策劃此次騷動,將被流放到壱岐國(現在屬於長崎縣的離島,位於九州與對馬之間)。另外九條家與一條家也會接受審核,預計兩家的涉入將以證據不足……為由處理」
「はい、二条家当主の昭実(あきざね)は此度の騒動を画策したとして壱岐国(いきのくに)(現在の長崎県に属する離島。九州と対馬の間に位置する)へと島流しとなります。また九条家や一条家にも監査が入ることになり、二家の関与は証拠不十分(・・・・・)となる見込みです」
所謂證據不足只是表面說法,前久實際上已掌握足以處罰的證據。然而若捲入超過半數的五摂家成為不祥事,朝廷內的力量均衡將被重新洗牌,可能會允許難以預測的新勢力崛起。
証拠不十分というのは表向きの物であり、当然のように前久は処罰に足りうる証拠を確保している。しかし五摂家の半数以上を巻き込んだ不祥事となれば、朝廷での力関係が一新されてしまい予測不可能な勢力の台頭を許しかねない。
基於這些幕後情況,九條家和一條家被故意放過,鎖定為首謀的二條家為唯一目標。但也不可能完全沒有處置。
そうした裏事情もあって九条家や一条家については意図的に見逃され、首謀者であった二条家のみにターゲットを絞っている。とは言え、お咎めなし等といったことは当然あり得ない。
九條家與一條家的諸多利權與特權被沒收,長年累積的財產也被榨出,此外還被強制接受名為監査役的監督駐紮。
九条家や一条家の持っていた各種利権や特権などの多くを取り上げられ、長きに亘って蓄財していた財産も吐き出させられている。その上に監査役という名のお目付け役が常駐することを飲まされていた。
「流刑嗎,那還是到壱岐,相當遙遠。不能對與天皇家有姻親關係的五摂家當主判死刑,但流刑被認為比死刑更嚴酷,且是到西國邊境,想必不會有赦免吧」
「流刑(るけい)ですか、それも壱岐とは随分遠いですね。天皇家とも縁戚関係にある五摂家の当主を死罪にする訳にはいきませんが、死罪よりも尚辛いと言われる流刑、それも西国の果てですから恩赦は無いのでしょうね」
「即便有大赦,也已告知不會被赦免而將其流放。此等情況下,途中被剝光行李以致到不了目的地的事也時有發生,不過足滿殿似乎異常憤怒,因此派精銳護送並且與壱岐國的有力者打通了關係,確保送達」
「たとえ大赦(たいしゃ)があっても赦免されることは無いと言い含められての流刑となります。こうした場合、向かう途中で身包(みぐる)みを剥がされ辿りつけないこともあるのですが、足満殿が殊(こと)の外お怒りのようで精鋭を護衛に付けて送り届ける上に、壱岐国の有力者にも渡りをつけたそうです」
「足滿大叔平常不輕易生氣……不知道是否做了觸怒他的事呢?不過先不說那個。三家相當乖地接受了處分呢」
「足満おじさんは滅多なことで怒らないんだけれど……逆鱗(げきりん)に触れるような事をしたのかな? まあ、それは置いておくとして。三家は随分と大人しく沙汰を受け入れましたね」
「他們也因這次事件體認到我們手段之長遠。若暗中之事不再靈通,便會畏縮。雖然他們可能表面順從心懷異志,妄圖卷土重來,但不會那麼順利。此外此次對本願寺的攻擊實在精彩,據菊所聞,已獲親自讚賞」
「彼らも此度の一件で、我らの手が如何に長いかを思い知ったのでしょう。隠し事が通じないとなれば萎縮してしまうものですよ。捲土重来(けんどちょうらい)を期しての面従腹背ではあるのでしょうが、そう上手くは行きますまい。それにしても此度の本願寺攻めはお見事でございました。直々にお褒め頂いたと菊より聞き及んでおります」
「向代表天命的帝王反抗,終將招致天罰,這一點已讓人知曉。自天而降的攻擊正因為超出常理而能奏效,但這並非可屢試不爽的策略」
「天の代理人たる帝に逆らうと、天罰が下るという事を知らしめることにはなったでしょう。上空からの攻撃があるという事が、常識の埒外(らちがい)だからこそ通じる一手です。何度も使える策ではありません」
「坊間滿口可信的傳聞說,『當陽光隱沒於黑暗之中,天降劫火,化作以水亦難滅的火牆,將一切不淨焚盡』」
「巷(ちまた)でまことしやかに囁(ささや)かれる噂(・)では、『日が姿を隠した暗中に天より劫火(ごうか)が降り注ぎ、水を掛けても消えぬ炎の壁となって一切合切の不浄を焼き払った』そうです」
操弄謠言以達到有利效果的主謀竟然厚顏無恥地如此宣稱。這被作為天罰的形象,讓人對伺奉神佛的僧侶向天子反抗會有何結果留下深刻印象。
都合の良いように噂を操作した張本人が抜け抜けと言い放つ。これは天罰であり、神仏に仕えるべき僧が天子に弓引くことがどのような結果を招くかを印象付けている。
「謠言姑且放一邊,已弄清教如等選擇堅守的理由嗎?」
「噂はそれで良いとして、教如たちが籠城を選んだ理由は判りましたか?」
「是的。自始石山本願寺即為難攻不落之要塞。只要熬過能得到您援助的期限,朝廷方面便安排會提出和議」
「はい。元より石山本願寺は難攻不落の要害です。御身の助力を得られる期限を耐え忍べば、朝廷側より和睦の申し入れがある手筈だったようです」
若連擊敗武田的主因靜子都無法攻下,戰事越拖越久,耗費越重,因而說服天皇同意和議也並非難事。
武田を破った立役者たる静子をして落とせないのであれば、長期化するほどに戦費が重く伸し掛かることから帝を説得して和睦に同意させることも難しくはない。
本來守城戰是基於援軍會來的想定才可行,但若只需堅守短短七日,那就是一樁相當有利的賭注。
本来籠城というのは援軍が来る当てがあって成り立つ戦法なのだが、僅か七日間を耐え忍べば良いのであれば十分に分の良い賭けである。
「根據剛才送來的報告,教如等人連補給的準備都沒有,只打算靠帶來的物資支撐。如果以期限為前提且對戰鬥採取消極態度,應該有足夠的機會撐過去吧」
「先ほど齎された報告によりますと、教如たちは補給の用意すらなく持ち込んだ物資のみで耐える手筈だったようです。期限ありきで戦闘にも消極的であれば、十分に凌げる見込みだったのでしょう」
「縱使情報傳遞再慢,總該有人告知我軍城牆並非那麼牢不可破吧,但看來他們怠於蒐集情報。對二條家而言,若教如能撐過七天,即便無法和談也算是理想。眾人都知其家中連糧食都匱乏,自然可以有各種做法。真不知情的只有教如一人嗎……」
「如何に情報伝達が遅いとはいえ、そろそろ我が軍に対して城壁がそれほど堅固な防壁となり得ないことぐらい伝わりそうなものですが、彼らは情報収集を怠ったのでしょうね。二条家からすれば七日間さえ教如が耐えてくれれば、和睦はならずとも良かったのでしょう。食糧すらない懐事情は知られているわけですし、如何様にも料理できますね。知らぬは教如ばかりなりと言うわけですか……」
靜子低聲喃喃道:「真可憐呢。」
哀れですね、と静子は小さく呟いた。
後來被稱為「本願寺之亂」的騷動暫告一段落。因為戰後處理由信長與前久承擔,靜子再次負責統籌後方支援。
後に『本願寺の乱』と呼ばれることとなる騒動は一段落した。戦後処理については信長と前久が請け負ってくれているため、静子は再び後方支援を総括することとなる。
順帶一提,先前信長所認可的那樣,作為宗教團體的本願寺派被允許繼續存在,但此次騷動使信徒大致分裂為兩派。
因みにかつて信長が認めたように、宗教としての本願寺派は存続を許されているのだが、今回の騒動によって信徒は大きく二つに分かれることになった。
一派是顕如與下間(しもつま)頼廉(らいれん)率領、服從信長、放棄政治野心且不採取積極擴張政策的西本願寺派;另一派是同意教如所倡思想、目前因情勢不利而暫時隱忍、但將來欲恢復昔日榮光的東本願寺派。
即ち顕如及び下間(しもつま)頼廉(らいれん)が率いる信長に従い政治的野心を放棄し、積極的な拡大政策をとらない西本願寺派が一つ。教如が唱えた思想に共感し、今は状況が悪いため雌伏しているが、いずれはかつての栄光を取り戻さんとする東本願寺派である。
然而,此次「本願寺之亂」對信徒的影響甚鉅,多數轉向西本願寺派,東本願寺派則成為少數激進分子匯聚的尖銳組織。
しかし、今回の『本願寺の乱』が信徒に与えた影響は大きく、大多数が西本願寺派となり、東本願寺派は少数の過激派が集う先鋭的な組織となった。
對此信長對本願寺整體已經喪失興趣。既然不願把政治當回事,分成兩派或三派都無所謂。
これに対して信長は本願寺そのものに対して既に興味を失っていた。政治に対して色気を出さないのであれば、二つに割れようが三つに割れようが構わない。
他的立場是:一旦超出可容忍範疇,就應徹底鎮壓。隨著作為武裝勢力的本願寺被瓦解,與石山本願寺長年的紛爭終能畫下句點,織田家也因此獲得了喘息之機。
お目こぼしの範疇を超えた途端に、徹底的に弾圧すれば良いというのが彼のスタンスだ。武装勢力としての本願寺が潰えたことで、長く争い続けた織田家と石山本願寺との対立に終止符が打たれることとなる。
藉此近衛家成為掌握朝廷的主體,織田家在畿內的統治變得穩固無虞。
これによって朝廷を近衛家が主体となって掌握し、畿内に於ける織田家の支配は盤石なものとなった。
「暫且中央是掌握住了,但西方與東方仍有課題。若不想辦法對付毛利,九州就更別想了。」
「とりあえず中央は押さえたけれど、西にも東にも課題が残るね。毛利を何とかしないと九州なんて、とてもとても」
「毛利也頗為頑強,但似乎正逐步被壓制。」
「毛利も随分と粘ってはいるが、徐々に押されているようだな」
靜子一邊整理臥室裡的書架,一邊低聲說道,長可在場以輕鬆的口吻回應。日本的勢力版圖正逐漸被織田家的色彩染透。
自室に備え付けた書棚を整理しながら呟いた静子の言葉に、居合わせた長可が軽い口調で応じる。日ノ本の勢力図は着々と織田家の色に染められている状況だ。
被稱為西國最大且最後的大國的毛利家,形勢顯然不妙。縱然建立了鞏固的統治體制並擁有眾多勇敢的將士,僅此仍不足以對抗當前的織田家。
西国最大にして最後の大国と言われる毛利家も明らかに旗色が悪い。如何に強固な支配体制を築き、数多くの勇猛果敢な将兵を抱えていようとも、それだけでは今の織田家には抗しきれない。
目前積極參與討伐毛利的只有秀吉軍,但毛利方面則以全軍迎戰。毛利的餘力不多,卻也知曉織田軍尚有第二、第三波的準備。
現時点で積極的に毛利征伐に関与しているのは秀吉軍のみだが、これに対抗するために毛利は全軍で当たっている状態だ。毛利には余力が少ないが、織田軍には第二第三の矢を放つ用意がある。
「毛利家屬下國人各自勢力強大,採用合議制來整合意見。但局勢逼迫到這種程度時,非上意下達不可,否則來不及應對。若亂世結束、戰事遠去,合議制倒是沒問題的」
「毛利家は配下の国人同士がそれぞれに力を持っていて、それらの意見を纏める合議制を取っている。でも、事態がここまで逼迫(ひっぱく)してくると上意(じょうい)下達(かたつ)で無いと対応が間に合わないのよ。乱世が終わり、いくさが遠くなれば合議制でも良いのだけれど」
「是那樣啊」
「そんなものか」
「看起來不太感興趣呢,勝藏君」
「興味なさそうね、勝蔵君は」
「期待我有政治手腕反而不對。森家本該由兄長繼承,若弟弟的我也在政治上顯得精明,恐怕會引來別有用心的人」
「俺に政治的手腕を期待する方が悪い。そもそも森家は兄が継ぐのだ、弟の俺が政治に明るいとなれば良からぬ欲をかく輩も出てくるだろう」
「確實如此。上樣對你的器重令人高興,但若你這位在各種意義上(……)有名的人介入政治,恐怕會為森家種下禍根」
「確かにそうね。上様の覚えが目出度く、色々な意味(・・・・・)で有名な君が政治に口を出せば、森家に火種を生むことになる気がするね」
「是吧?所以我才不關心政治,只要當好兄長的矛就行。兄長當頭腦,我當手臂,這樣最好」
「だろう? だから俺は政治に興味を持たず、兄貴の矛であれば良いのだ。兄貴が頭で俺は腕だ。それで良い」
「不過你的手臂總是挺隨性地行動呢」
「随分と勝手に動く腕だけれどね」
靜子苦笑著說時,房門被敲響,門被打開了。
そう言って静子が苦笑していると、開け放たれた戸を叩く音がする。
「打擾你們看起來很開心,不介意我進來一下嗎?」
「何やら楽しそうなところ悪いんだが、少しいいかい?」
打斷靜子與長可對話的是慶次。平常他會看準對話間隙開口,這次直接插入,靜子以為有急事便轉向慶次。
静子と長可の会話に割り込んできたのは慶次であった。普段は会話が途切れた頃合いを見計らって声を掛ける慶次が割って入ってくるほどだ、緊急の用件なのかと思った静子は慶次へと向き直る。
「其實四六說他想摔角(相撲)。若是認真練習難免會受傷,即便小心也可能萬一發生事故,想先跟你說一聲……」
「実は四六が角力(すもう)をやりたいと言い出してな。流石に本気で取り組むとなると怪我もするし、気を付けていても万が一の事があるからな。先に断っておこうかと……」
「沒有阻止的選項嗎?」
「制止するという選択肢は無いのですね?」
「若是我讓他去還好,但這是四六自己想做的事。只是因為危險就要靜子你阻止,這你不會做吧?」
「俺がやらすのならまだしも、四六が自ら望んだことだ。それを危険だからという理由だけで静っちは止めないだろう?」
慶次以帶有戲謔的口吻巧妙回應靜子的逗趣質問。四六已及笄,必須為自己的人生負責。若父母事事干預,反而會阻礙他的成長。
からかい混じりの静子の問いに慶次が見事に返してみせる。四六も元服を迎え、己の事は己で判断していかねばならない。親である静子がいちいち口を挟んでいては、彼の成長を阻害することとなる。
若明顯會對四六造成害處當然會阻止,但若他在認知危險的前提下仍堅持要做,便會採取安全措施但不強行阻止。
明らかに四六にとって害悪となるならば止めもするが、危険を認識した上でそれでも尚やりたいと思ったのであれば、安全対策を講じはしても止めることはしない。
「請務必注意不要在頸椎、從脖子到頭部的部位造成重傷喔。」
「頸椎、首から頭にかけての大怪我だけはしないように気を付けてくださいね」
「嗯。雖視四六而定,但會找會拿捏的人與他對練,最開始也會由我來當他的對手。」
「ああ。四六次第ではあるが、加減が出来る者と取り組ませるし、最初は俺が胸を貸すからな」
獲得同意後,慶次輕拍胸膛離開了靜子的房間。在這個個人武勇不再被視為最重要的時代之前,靜子思索著四六為何想學摔角。
了承を得た慶次は、軽く己の胸を叩いて静子の部屋を後にした。個人の武勇がそれほど重要とされない時代を前にして、四六が何を思って角力をしたいと考えたのかに静子は思いを馳せる。
然而她也理解作為女性不易體會的男子世界。藉由超越上下關係的肢體碰撞所培育出的關係或許存在。這樣一想,靜子回到眼前的工作上。
しかし、女である自分には理解しづらい男の世界も有ろうと納得する。上下関係を超えた体のぶつかり合いで育まれる関係性もあるのかもしれない。そう思い直した静子は、目の前の仕事に立ち戻った。
「……哪裡都面臨糧食短缺的問題啊」
「……何処でも食糧難が問題になっているね」
「是毛利嗎?」
「毛利か?」
長可一邊移動放在靜子房內、顯示各國戰況的模型一邊問。靜子那裡匯集了所有有關後勤的資訊。
静子の部屋に置かれている各国の戦況を示した模型を動かしながら長可が問いかける。静子の許には兵站に関するあらゆる情報が集まってくる。
近來相較於行動減少的北條,有關毛利的報告像倍數般湧入。這不是輕視北條資訊,而是北條整體功能失靈,應回報的事少,因而活動變得遲緩。
この処、動きが少なくなっている北条に対し、毛利に関する報告書は数倍に達する勢いで届けられていた。これは北条に関する情報を軽視しているのではなく、北条全体が機能不全を起こしており、報告すべき事象が少なく活動事態が緩慢になってきているためであった。
相對的,毛利活躍地四處行動。現階段最前線是秀吉軍攻打的防守堅固的鳥取城,沒有操控火砲兵的秀吉軍在此頗為吃力。
これに対して毛利は活発に動き回っていた。現時点での最前線は秀吉軍が攻めている強固な守りを持つ鳥取城となり、火砲を扱える兵のいない秀吉軍はこれに手を焼かされていた。
守護鳥取城的城主是吉川(きっかわ)経家(つねいえ),一位文武兼備的人物。他被任命為鳥取城城番時加給了六百石,若想像要赴死地,這似乎有些不足為慰。
鳥取城を預かる城主は吉川(きっかわ)経家(つねいえ)であり、文武両道の優れた人物である。彼が鳥取城の城番を任されるに際して与えられた恩給は六百石の加増であり、死地へ向かうことを思えば些(いささ)か心許ない。
然而,因為領地經營陷入僵局且在領土問題上也陷入紛爭,吉川同意了。隨後他帶著數百名家臣進入鳥取城,旋即面臨問題。
しかし、領地経営に行き詰まり領土問題でも紛糾していた吉川はこれを承諾する。そして手勢の家臣数百名を従えて鳥取城に入った吉川は、たちまち問題に直面した。
那是城內儲備的兵糧比他預想的要少得多。這樣不但難以堅守城池,連維持兵力也成問題,吉川焦急地命令手下收集兵糧米,但附近一帶連年歉收,米糧無法如願聚集。
それは城内に備蓄されていた兵糧が彼の予想を超えて少なかったことである。これでは籠城はおろか、兵を維持するのもままならないと焦った吉川が兵糧米を集めるよう配下に命ずるも、付近一帯は不作続きで思うように米が集まらなかった。
作為軍需根本的米不足,其它如箭矢、武具可想而知。軍馬大半可能也已被售出,除非最低限的傳令用馬外,連編成騎兵隊都做不到。
軍需物資の根幹である米が足りないのだから、矢玉や武具などは推して知るべしである。軍馬も多くは売り払われたのか、最低限の伝令を除けば騎馬隊を編成することすら出来ない有様だ。
「因為供給不足,賣掉米就能換取軍備。代價是本就不多的米會見底。然而,吉川心裡估算秀吉軍在十月會撤退。」
「供給不足であるため米を売れば軍備は手に入る。代わりにただでさえ少ない米が底をついてしまう。しかし、吉川には秀吉軍が十月には撤退するであろうと言う目算があったの」
「照往年而言十月會下初雪。如果雪持續降下,即便秀吉軍也不得不撤兵。這就是靜子常說的『希望的觀測』啊。愚蠢至極,天候不會按照人的想法改變。」
「例年通りであれば十月には初雪が降る。そのまま雪が降り続けば、秀吉軍とて兵を引かざるを得ない。静子の良く言う『希望的観測』って奴だな。愚かなり、天候が人の思うままになるはずが無かろう」
「綜合朝廷所持的資料以及間者等人的調查結果,這幾年十月左右確實會開始下雪。『二度あることは三度ある』這句話也在,能理解她想抱持期待的心情。不過反過來也有『三度目の正直』這句話。」
「朝廷が所持している資料や、間者たちにも調べて貰った結果を総合すると、ここ数年は十月頃には雪が降り始めていたそうよ。『二度あることは三度ある』って言うし、期待する気持ちも判るんだけどね。逆に『三度目の正直』って言葉もあるんだけどね」
「那麼,左右勝負的要因就是夏末的收穫時期了吧。」
「となれば、勝利を左右する要因は夏の終わりの収穫時期だな」
若能取得收穫的米,不管降雪前後有些差異,鳥取城一方的持久戰就有望獲勝;反之若在那之前攻下鳥取城,則為秀吉軍的勝利。
収穫された米を手に入れられれば、多少降雪が前後しても鳥取城側の粘り勝ちが見えてくる。逆にそれまでに鳥取城を落とせれば秀吉軍の勝利となる。
靜子並不認為若鳥取城的兵糧儲備無虞就能由秀吉軍單獨攻略。從一開始地利就在敵方那邊,再加上時間限制,匆忙行動只會增加損失。
兵糧の備蓄に心配がなくなった鳥取城を、秀吉軍だけで攻略できると静子は思わない。元より地の利は相手にあり、更に時間的制限まで加われば焦って損害が増えるというものだろう。
「在無法期待毛利家援軍的情況下,我不認為吉川會勉強出擊。鳥取城是個天然要塞,只要像龜一般穩守就不會敗北。」
「毛利家からの援軍が期待できない状況で、吉川が無理に打って出るとは思えない。鳥取城は天然の要塞だから、亀のように守りを固めていれば負けは無い」
「更確切地說,羽柴殿及整個軍隊都不喜歡那種容易帶來非常規戰果的砲兵。在缺乏突破力的狀態下,防禦無法被打破。不管羽柴殿的軍隊多麼勇猛,人終究敵不過雪。若被積雪斷了退路,不撤退的話甚至可能全軍覆沒。」
「羽柴殿というか軍全体が、容易に常識外の戦果を挙げてしまう砲兵を嫌うからな。突破力に欠く状態では守りが崩せない。如何に羽柴殿の軍が勇猛だろうと、所詮人は雪には勝てない。積雪によって退路を断たれる前に退却せねば、全滅すらありうるだろう」
「是啊。因此我們要採取的手段是——」
「そうね。故にこちらが取る手段は――」
「斷糧戰」
「兵糧攻め」
靜子和長可的話不約而同地重疊。所謂兵糧攻め,顧名思義就是斷絕敵方兵糧補給,等待其因飢餓而自滅的戰法。
静子と長可の言葉が期せずして重なった。兵糧攻めは読んで字の如く、敵の兵糧補給を断って飢えによる自滅を待つ戦法だ。
史實上秀吉採取的『鳥取の飢え殺し』非常有名,處於極限狀態的士兵甚至淪為以同袍屍體為食的飢餓地獄。
史実に於いても秀吉が取った『鳥取の飢(かつ)え殺(ごろ)し』は有名であり、極限状態におかれた兵士たちは仲間の死体すら口にする飢餓地獄に陥ったという。
當時秀吉也走過類似的思路,考慮到接下來要攻打毛利的本城吉田郡山城,不能承受太多損失。更重要的是信長禁止他做無謂的蠻力,秀吉可採取的手段有限。
この時の秀吉も同様の思考を辿っており、後に控える毛利の本城、吉田(よしだ)郡山(こおりやま)城攻めを考えれば多くの損害は許容できない。何より無駄な力押しを信長から禁じられており、秀吉の取りうる手段は少なかった。
「若太早就囤積兵糧,會被對方察覺而招來援軍;反之若太晚,買占時會花費額外的金子。時機大概是在與北條之役同時期的八月下旬到九月吧?」
「早い段階から兵糧の買い占めをすれば、相手に悟られて救援を呼ばれてしまう。逆に遅いと買占めに際して余計な金子(きんす)が嵩む。頃合いとしては北条攻めと同時期になる八月下旬から九月かな?」
「青田刈り(為了讓敵人無法取得兵糧,從尚未成熟、仍有青色穗的田裡把稻穗割下的作戰)沒有好處,所以鎖定收穫後是最理想的。但那跟靜子有什麼關係?」
「青田刈り(敵に兵糧を調達させないために、青い穂が実っている収穫前の田から稲穂を刈り取ってしまうという作戦)をしても旨みが無いから、収穫後を狙うのが最良だな。しかし、それと静子に何の関係があるんだ?」
長可提出疑問。不管作為方面軍司令官的秀吉採取何種作戰,對於兵站總司令的靜子影響並不大。她不是只照顧秀吉,而是統轄信長軍全部的後勤。
長可は疑問を口にする。方面軍の司令官である秀吉がどのような作戦を取ろうとも、兵站の総司令である静子にはそれほど大きな影響がない。彼女は秀吉だけの面倒を見ているわけではなく、信長軍全ての兵站を統括する立場にあるからだ。
當然要注意毛利的動向,但沒必要過度推測秀吉的行動。被長可問及時,靜子苦笑著回答道。
勿論毛利の動向に注意を払うのは当然だが、秀吉の行動を推測する必要はあるまい。長可に問われた静子は苦笑しながら答える。
「那位羽柴大人送來緊急請求,請求把兵糧米按原定量的兩倍調撥給他們。」
「その羽柴様から緊急の依頼が届いたの。兵糧米を予定の倍融通してくれって」
「為什麼又要米?而且還要倍量,未免太離譜。軍需物資不是有按各軍不多也不少來分配嗎?只給羽柴軍額外分配不合理吧。」
「なんでまた米を? それも倍とは無茶苦茶だ。軍需物資はどの軍にも過不足ないように配布しているんだろう? 羽柴軍のみに追加を出すのはおかしいだろう」
「看來現地調度兵糧比預想困難。目前已預測今年收成偏少,況且雙方軍隊都在不斷消耗米。」
「現地での兵糧調達が思ったよりも難しいようでね。現時点で既に今年の収穫量が少ないことが予想されていて、更に双方の軍が米を常に消費するからね」
對米收成無法抱持期待,代表米的價值將上升。織田軍雖逐漸從米本位制度轉向貨幣經濟,但仍不能否認經濟會因米的多寡而起伏。
米の収穫量に期待が持てないということは、即ち米の持つ価値が上昇することを意味する。織田軍に於いては米本位制度とは異なる貨幣経済に移行しつつあるが、それでもまだまだ米の多寡によって経済が動くことは否定できない。
在以集合式編制為主的秀吉軍中,這影響尤為顯著,許多人在獎賞中希望得到米並不罕見。換言之,到緊要關頭能吃的米最重要,而必須先用金子交換的獎賞吸引力較差。
寄り合い所帯である秀吉軍に於いてはこの影響が顕著であり、褒美などに米を望むものは決して少なくないのである。つまりいざとなれば食える米が最も重要であり、一度交換をしなければならない金子は訴求力に劣るのだ。
「整個軍隊兵糧似乎有枯竭傾向,再加上現地收成不穩,向我索米的部下接二連三出現了。」
「軍全体で兵糧が枯渇気味なうえに、現地での収穫が不安定になったことで米を要求する配下が続出したみたいなの」
「原來如此。羽柴殿心腹不多,若輕易惹怒了下層,即便是下級也可能導致組織瓦解嗎?」
「なるほどな。羽柴殿は腹心が少ないから、下っ端であろうと下手に機嫌を損ねれば組織が崩壊しかねないのか」
「不得已積極放出米後,直到冬天的備蓄便變得令人不安。羽柴大人原本打算由他領地調度補足,但或許因為感到各處有戰事徵兆,米價普遍居高不下,調度並不順利。雖然若毛利攻勢受阻也會有困擾,但打算還是會想辦法調撥一些糧食。」
「仕方なく、積極的に米を放出したところ冬までの備蓄が心許なくなったそうよ。羽柴様としては他領からの調達で賄うつもりだったのだけれど、何処もいくさの気配を感じてか総じて米の相場は高止まりしていて上手くいかなかったみたい。毛利攻めが頓挫しても困るから、融通はつけるつもりだけれどね」
靜子嘆息道,如果能更早階段來諮詢,還有其他可行之策。
もっと早い段階で相談して貰えれば、他にも打てる手があったのになと静子は嘆息した。
羽柴軍內緊張感日益升高。其他方面軍各自都有戰果;相比之下我們如何?不但仍無法攻略鳥取城,甚至有被日益壓到劣勢的跡象。
羽柴軍内では緊張感が高まっていた。他の方面軍はそれぞれに戦果を上げている。それに比べて自分たちはどうだろうか? 未だに鳥取城を攻略できないどころか、日に日に劣勢に追い込まれている気配すらある。
在進退兩難的情勢下,秀吉曾考慮向信長求援。接連失誤卻仍被信長給予挽回機會,若此時去哀求,實在難以在諸將面前抬得起頭來。
二進(にっち)も三進(さっち)もいかない状況に秀吉は信長に泣きつこうかとも考えた。ここの処不手際続きにも拘わらず、挽回の機会を与え続けてくれている信長に泣きついたのでは流石に他の諸将に顔向けできない。
(一切事都往反方向發展。現在是撐住的關鍵時刻,還是應該轉換方針……)
(何もかもが裏目裏目に出よる。ここが踏ん張りどころなのか、方針転換を図るべきか……)
秀吉內心持續掙扎。他所得到的報告大多不利,毫無好轉跡象。在那樣的情況下,身為首領的秀吉仍須表現得自信且豪爽。
秀吉は心中で葛藤を続けていた。彼に齎される報告はおしなべて悪いことが多く、一向に好転の兆しが見えない。その状況下でも長たる秀吉は、自信に満ち闊達(かったつ)にふるまわねばならない。
因為身居上位者若顯露不安,這不安會傳染給部下造成惡性循環。秀吉對於在前景未明的情況下掙扎感到極度疲憊,但就在此時轉機來臨。
人の上に立つものが不安を晒していては、配下にもその不安は伝染して悪循環に陥ってしまうからだ。先の見えない状況で足掻くことに重い疲労を感じていた秀吉だが、そんな彼に転機が訪れた。
知悉鳥取城攻勢不佳的信長,派來文官並要求提交詳細戰況報告。秀吉一度憔悴以為信長終於看不起他,但看到文官託來的信後,他的心境又堅定了起來。
鳥取城攻めの戦況が芳しくないことを知った信長から、詳細な戦況報告をせよという報せと共に文官が派遣されてきた。秀吉はついに信長から見限られたかと憔悴したのだが、文官より託された信長の文を見て肚(はら)が座った。
「你這傢伙,你從無所依靠的身分爬升到如今之位。期間雖有多次失敗,但難道不是不畏懼那些失敗而勇敢地持續挑戰嗎?」
「サルよ、其の方は持たぬ立場からここまで成り上がった。その際に幾つも失敗はしたが、それに臆することなく果敢に挑み続けたのでは無かったか?」
回想起來,他原本甚至不是侍從,而是靠著比他人更敏銳的觀察力與靈活的頭腦在社會上周旋才成功。
思い返せば己はそもそも侍ですら無かったのだ。他者より目端が利くのと、頭の回転を活かした世渡りで成功してきたのだ。
即便事到如今,殿仍對他抱有期待。這一點讓秀吉原本快要消沉的心重新有了支柱。
事がここに至っても殿は己に期待をして下さっている。その一事が秀吉の萎えかけていた心に芯を通した。
「向我回報一切事務都在順利進行。」
「万事が滞りなく進んでおると伝えられよ」
「僅憑那句我可難以信服。能否請教在這種戰況下,你為何會做出那樣的判斷?」
「流石にそれだけでは納得できませぬ。この戦況下でそのように判断される理由を伺えますか?」
「確實現在的戰況不太理想。但是,這是優秀的部下絞盡腦汁反覆推敲出的作戰。只要有應對不測事態的準備,就沒什麼好害怕的」
「確かに今の戦況は思わしくない。しかし、優秀な部下が知恵を絞って考え抜いた作戦よ。不測の事態に対する備えさえあれば、恐れることは何もない」
「不測之事的準備是指什麼?」
「不測の事態に対する備えとは?」
「今年預計會歉收。為此已向相談役大人提出追加支援的請求,並已獲得同意。我們申請的是無論未來發生何事都能因應的龐大援助,對方也欣然同意了」
「今年は不作が予想される。それに備えて既に相談役殿に追加支援の要請を送り、了承を頂いておる。それもこの先何が起ころうと対処できる莫大な支援を願い出たが、それも快く了承して頂けた」
「明白了。羽柴大人既然對勝利有如此確信,上樣也會很高興吧」
「承知致しました。羽柴様がそこまで勝利を確信しておられるのであれば、上様もお喜びになられるでしょう」
儘管目前仍處於劣勢,但以已採取足以扭轉局勢的對策之語,以及靜子將會送來追加支援的文書示後,使其信服。
あくまでも現時点では劣勢に甘んじているが、挽回するに十分な対策を打ったという言葉と、静子よりの追加支援を送るとの文を見せて納得させた。
一向不願示人依賴他人形象的秀吉,既然連明顯求助的證據都拿出來以示自信,文官便確認了現時的詳細戰況與未來方針後啟程回去。
他者に頼っている姿を見せたがらない秀吉が、明らかに助力を求めた証拠すら示して自信を見せたのであればと考えた文官は、現時点の詳細な戦況と今後の方針を確認して帰途に就いた。
「可惡!不該做作擺架子,應該直接請求調來火砲才對……」
「しまった! 変に恰好をつけず火砲を回して貰うようにすべきであった……」
就在對文官大放厥詞的數日後,秀吉因懊悔而抱頭。雖然已安排好會送來足夠的糧草,但根本問題──打擊力不足──仍未有解答。
文官に対して大見得を切った僅か数日後にして、秀吉は後悔で頭を抱えてしまっていた。兵糧に関しては十分な量を送って貰える段取りがついたが、そもそも打撃力が足りないという根本的な問題に解が出ていないのだ。
秀吉也是信長軍的要臣。靜子所擁有的火砲戰果有多驚人,他早就聽得耳朵長繭。能對圍城的敵人越過防壁造成重大損害的手段,說實話是令他迫切渴望的。
秀吉とて信長軍の重鎮である。静子が擁する火砲がどれほどの戦果を上げているかは、それこそ耳にタコができるほどに聞き及んでいた。籠城する相手に防壁を超えて大きな被害を及ぼせる手段は、正直喉から手が出る程に欲しい。
彷彿看穿秀吉窮境般,靜子的支援抵達了。糧草送來的是請求量的兩倍,除可用於軍資與策反的物資外,甚至連珍貴的「擲彈筒」也被送來了。
そんな秀吉の窮状を見透かしたように静子からの支援が到着した。兵糧は依頼した量の更に倍が届けられ、軍資金や調略に使用できる物資の他、虎の子である『擲弾筒(てきだんとう)』までもが届けられた。
「哈哈哈,不愧是靜子大人。像我這種逞強的把戲也被看穿。這樣一來可不能輸了」
「ははは、流石は静子殿。わし程度の強がりなどお見通しと言うわけか。これでは負けられぬな」
把一切準備到這種程度,連想像會輸都不被允許吧。
ここまでのお膳立てを整えられては負けを想像することすら許されないだろう。
「不過,能立即準備出這麼多物資,果然依舊是令人畏懼的存在……」
「しかし、これだけの物資をすぐさま用意出来るとは、相も変わらず恐ろしいお方だ……」
黑田官兵衛一邊看著送來物資的目錄,一邊只能對靜子的先見之明與超乎常人的調度能力感到讚嘆不已。
届けられた物資の目録を見ながら黒田官兵衛は静子の先見性と、別次元の調達能力に舌を巻くしかなかった。