首頁 目錄

戦国小町苦労譚

一五七七年 六月上旬

靜子還不能理解公家的本質。她熟悉的公家筆頭是前久(さきひさ),他在公家之中以開明著稱。

静子は公家の本質をまだ理解できていなかった。彼女の良く知る公家筆頭は前久(さきひさ)であり、彼は公家の中でも開明的な事で知られていた。

換言之,靜子這才第一次接觸到典型的公家。他們重視格式,決不忽視手續與儀禮。

つまりは典型的な公家という存在に静子は初めて接することになったのだ。彼らは格式を重んじ、手続きや儀礼を決して疎(おろそ)かにしない。

若要苛責便是因循守舊,不容許異例,缺乏靈活性。形式固然應受尊重,但與一心追求實利的武家有決定性的不同。

悪く言えば前例踏襲主義であり、異例な事を許さない融通の利かなさを持っていた。形式は形式として尊重はするが、あくまでも実利を追求する武家とは決定的に異なるのだ。

這些差異帶來的阻礙使得凡事皆耗時,結果這次的派兵一再延誤。終於靜子抵達本願寺佈陣,已是離京兩日之後。

これらの差異が災いし、何かにつけて時間を要した結果、今回の派兵は遅れに遅れた。結局静子が本願寺に布陣出来たのは、京を出立して二日が経過してからであった。

進度延遲的情況靜子每日定時向信長報告。混成軍下他人目光眾多,又難以操作作為秘密兵器的電信設備,因此與傳統的早馬併用,以確保延誤最小的通訊手段。

進捗の遅れについては静子から信長へと毎日定時報告が為されていた。混成軍で他者の目がある中、秘密兵器である電信設備を運用するのは難しいため、従来の早馬と併用することで遅滞の少ない通信手段を確立している。

先由靜子將聯絡內容用密碼記下,再由早馬送到設有常設通信設備的靜子的京屋敷。京屋敷常駐的通信技術人員將密文還原為明文後再傳達給信長,流程即是如此。

まず静子が連絡内容を暗号で認(したた)め、それを早馬が常設の通信設備がある静子の京屋敷まで届けていた。京屋敷常駐の通信技術者が暗号を平文に復号して信長へと通信するという流れとなる。

順帶一提,對於計畫遲延,信長並未多說什麼。因為事前他已和朝廷訂下約定,無論任何理由,靜子的借調期限定為七日。

因みに計画が遅延していることに対し、信長は何も言ってこない。前もって信長は朝廷との間に約定を交わしており、いかなる理由があろうとも静子を貸し出す期間は七日であるとしていたからだ。

「耽擱了不少不必要的時間,不過總算包圍了本願寺呢」

「あれこれと余計な時間を食いましたが、どうにか本願寺を包囲できましたね」

無論擁有多少大軍,要做到連一隻螞蟻都無處爬出的完全包圍本願寺是不可能的。但至少能封鎖主要出入口與水路等要道。

如何に大軍を擁(よう)しようとも、蟻一匹這い出す隙間もない程に本願寺を包囲することなど不可能だ。それでも主要な出入り口や水路等から出入りを封鎖する程度のことは出来る。

靜子等人佈陣後花了一整天建立包圍態勢。起初預期會有內部的反擊或妨害,卻出乎意料地,本願寺方面沒有任何動作。

静子たちは布陣してから丸一日を掛けて包囲態勢を構築した。当初は内部からの反撃や妨害があると思われたのだが、予想に反して本願寺側の動きは無かった。

從各要所建起的瞭望臺回報,內部活動的人本身就很少,推測他們捨棄外郭而退守內部。

要所要所に構築した物見台からの報告では、内部で動いている人自体が少なく、外郭を捨てて内側に籠っていることが予想される。

換句話說,教如(きょうにょ)的策略大概是避開出外一搏的賭注,像烏龜一樣縮頭忍耐,靜子是這麼想的。

つまりは外部に打って出るという博打を避け、ひたすら亀のように首を引っ込めて耐えるというのが教如(きょうにょ)の作戦なのだろうと静子は思った。

(採取籠城作戰表示有援軍可期。既然已浪費三日,必須速戰速決)

(籠城作戦を取るということは援軍の当てがあるということ。既に三日を浪費しているから、速攻で決めないと)

靜子一邊凝視記載石山本願寺周邊的地圖一邊默思。事實上,自織田軍圍著本願寺時起,他們就在多處設置定點觀測所,持續進行氣象觀測。

静子は石山本願寺周辺一帯を記した地図を眺めながら黙考する。実は織田軍が本願寺を包囲していた頃より、定点観測所をいくつも設置してずっと気象観測を継続していたのだ。

儘管無法像現代般取得衛星資料,他們仍用當時可行的測量儀器持續做記錄。

とは言え現在のような衛星からの情報など望むべくもないため、この時代でも実現可能な計測装置を用いた記録を続けていた。

也就是說,他們以羅盤與風向旗判別風向、以類似扇形的馬達式風量計、以及用漏斗形接水器與所謂轉倒升的構造製作的雨量計來蒐集資料。

つまり方位磁石と吹き流しによる風向き、扇風機のような形状をしたモーター式風量計、漏斗型の受水器と転倒升(ます)と呼ばれる仕組みを用いた雨量計で今までデータを収集し続けていたのだ。

這些踏實的工作終於開花結果,促成今夜秘密作戰方案的擬定。不過說到底也沒那麼複雜。

こうした地道な活動が実を結び、今宵の秘密作戦が立案されるに至っている。とは言えそう大した作戦では無い。

利用夜色放飛熱氣球,投下以天然瀝青、有機溶劑等混合而成的廉價燃燒彈,僅此而已。但日本周邊的氣流特性是從西向東較易放飛氣球,反向東向西則困難。

夜闇に乗じて熱気球を飛ばし、天然アスファルトと有機溶剤その他を混合した安価な焼夷弾を投下する、それだけだ。ただし、日本を取り巻く気流の特性として、西から東へ気球を飛ばすのは容易だが、逆に東から西へと気球を飛ばすのは難しい。

夜間確認飛行航道本來困難,但若讓包圍本願寺的軍隊在一定間隔處焚燒篝火,除雨天外便能順利目視辨認。

夜間に飛行コースを確認するのは本来難しいのだが、本願寺を包囲している軍に一定間隔ごとに篝火を焚かせれば雨天時以外は問題なく視認することが出来る。

不過,熟練的飛行員與塗黑的熱氣球數量能準備的並不多。可若天上突然降火,信仰濃厚的那個時代的人們必然陷入大混亂,無可置疑。

ただ熟練の飛行士と黒塗りの熱気球はそれほどの数を用意することが出来なかった。しかし天から突如火が降ってくるとなれば、信心深いこの時代の人々ならば大混乱になることは疑いようもない。

「日暮時就先讓一架試飛如何?」

「日が暮れた頃に一機だけでも試験飛行させましょうか?」

「不,那麼做不妥。綜合迄今收集的資料,常見在日暮時風向會改變。今夜正是絕佳時機,請下令各機就位準備。」

「いえ、今までに収集された情報を鑑(かんが)みると日暮れと同時に風向きが変わることが多いのです。今宵が絶好の機会でしょう、各機に準備しておくよう通達してください」

「哈哈」

「ははっ」

拒絕家臣提案的靜子就那樣等待日暮。正如最近觀測資料所示,傍晚起風力漸平,入夜前的薄暮中伴隨蟲鳴吹來一陣清涼的風。

家臣の提案を退けた静子は、そのまま日暮れを待った。最近の観測データ通りに夕方ごろより風が凪(な)ぎ、日が沈み込む直前の薄暮の世界で虫の合唱とともに涼やかな風が吹いてきた。

「時機到了。全員上機!進行起飛準備。武裝僅裝彈葫蘆,重點瞄準建築物。」

「頃合いですね。全機搭乗! 離陸準備を進めなさい。兵装は爆装のみ、建物を重点的に狙うように」

接到靜子號令的傳令奔走,各處設置的熱氣球停機場頓時喧囂起來。氣象觀測台將電解水得到的氫氣填入鹿膀胱做成即席氣球,綁上繩索放升空中,以此確認氣球飛行高度附近的風向。

静子の号令を受けた伝令が走り、やにわに随所に設けられていた熱気球の駐機場が騒がしくなる。気象観測台では水を電気分解して得た水素ガスを鹿の膀胱に詰め込んだ即席の風船にロープをつけて上空へ放つ。これにより、気球の飛行高度付近の風向きが確認された。

所有準備就緒的氣球隊解開與地面的繫留繩,接著一個又一個丟棄積載在氣球上的沙袋配重,逐步升向蒼穹。

全ての準備が整った気球部隊達は地上との係留ロープを解かれ、気球自体に積載されていた重りの砂袋を一つ、また一つと落とすことにより徐々に天空へと舞い上がっていく。

僅有五架熱氣球,每架載約二百公斤的簡易燃燒彈——素燒壺裝特製燃料,布條浸油作火口——少數精銳準備在夜幕下實施世界首例的夜間空襲。

素焼きの壺に特製燃料を入れて油を染み込ませた布を火口とする簡易焼夷弾を、それぞれに二百キロほど積載した僅か五機の熱気球。少数精鋭が世界初の夜間空爆を行うべく夜の帳(とばり)が降りた世界を駆けた。

地表還悶熱難耐,但高空因太陽隱去而寒意襲人,令人發抖。各熱氣球乘員為三名,構成為一名觀測手、一名兼任熱機管理的機關士兼操縱手,最後一人則協助其他兩名。

地上は蒸し暑い程だと言うのにはるか上空の世界は太陽が姿を隠したことにより、震えがくる寒さであった。各熱気球の乗員は3名、構成は観測手1名に熱機関の管理を行う機関士兼操縦手が1名、最後の一人は他2名の補助を行う。

眺望地面的觀測手喊道。

地上を眺めていた観測手が叫ぶ。

「方向良好!大概再過四半刻(約三十分鐘)就能到達本願寺上空。因能看見地面之燈火,那兒應該是城門附近。等我發信號,便一齊點燃壺並投下。」

「方向良し! あと四半刻(約30分)ほどで本願寺上空に達する見込み。地上の明かりが見えるゆえ、あそこが城門付近だろう。わしが合図を出したら一斉に壺に火をつけて投下せよ」

「了解!高度穩定。壺都準備好了嗎?」

「了解! 高度は安定しておる。壺の準備は出来ておるか?」

操縱手一邊讀取氣壓式高度計一邊確認。氣壓式高度計以封入水銀的玻璃管做成類似釣針的形狀,管上部形成真空以測量氣壓。

操縦手が気圧式の高度計を読みながら声を出して確認する。気圧式高度計は水銀を封じ込めたガラス管を釣り針のような形にし、ガラス管上部に真空を生じさせることにより気圧を測定するものだ。

根據高度愈高氣壓愈低的原理,便可大致讀出當前高度。

高度が上がるほどに大気圧が下がることから、おおよその現在高度を読み取ることが出来るのだ。

「哈!隨時可以。會從航向以外的方向投下!」

「はっ! いつでも行けます。進行方向以外の面から投下いたします!」

最年輕的補助人員雖因緊張與寒冷而嘴唇發青,但仍堅決地宣告。

最も年若い補助要員の青年が緊張と寒さで唇を青くしながらも、それでも決然と告げた。

此時地面上,有人走近盯著西方天際被熱氣球帶走的方向、凝視著那裡的靜子身旁。

その頃、地上では西の空へと熱気球の飛び去って行った方角を睨むように見据えている静子の傍に近寄る者がいた。

「義姊上,看您一付愁容縈繞的樣子」

「義姉上、何やら難しいお顔をしておられる」

「……可以問問你為何會在這裡嗎?」

「……何故ここにいるか理由を聞いても良いですか?」

正是官軍總大將近衛信伊(のぶただ)本人。按理他應該在本陣休息,但看來他是躲過監視偷偷溜出來了。

官軍の総大将である近衛信伊(のぶただ)その人であった。本来は本陣にて休んでいるはずの人物なのだが、どうも監視の目を盗んで抜け出してきたようだ。

「聽說天上下火來,怎能乖乖待著?我特別溜出來,要在特等席觀賞」

「天より火を降らすと聞いておとなしくしていられましょうか? 特等席で見物すべく抜け出して参りました」

「我不是告訴過你,你的職責是在本陣接收空襲成功的報告嗎……」

「空襲成功の報を本陣にて受けるのが貴方の役目だと伝えたはずですが……」

「我知道。反正會在御簾(簾幕)後接受報告,我已讓乳兄弟代替在那裡,沒問題。」

「判っております。どうせ御簾(みす)越しに報告を受けるのです、乳兄弟を代わりに置いてきておりますので問題ありません」

確實使者傳報時不會確認對方長相,他們也不可能認得信伊的聲音。

確かに使者が報告を告げる相手の姿を確認することは無いし、彼らが信伊の声を知っているはずもない。

但在這戰場上誰也說不準會發生什麼。總大將相當於將棋裡的王,如果在最前線晃來晃去,萬一發生意外就麻煩了。

しかし、ここ戦場に於いては何が起こるかわからない。総大将という将棋で言う王の駒が最前線でふらふらしていては、万が一の事態が起こりうるのだ。

靜子搖著隱隱作痛的頭,仍判斷與其讓他回到本陣,不如放在能看得見的範圍更安全,於是下令派傳令把信伊的所在回報本陣。

鈍い痛みを発する頭を振りながら静子は、それでもここから本陣まで帰らせるより、目の届く範囲に置く方が安全だと判断し、伝令を立てて信伊の居場所を本陣に伝えるよう命じた。

「不說你不能有好奇心,但若不能理解會給周遭帶來的麻煩,就無法勝任總大將的職務。」

「好奇心を持つなとは言いませんが、周囲に掛かる迷惑を理解できないのでは総大将は務まりません」

「呃、不、那個……」

「うっ、いや……あの……」

被意外嚴厲地斥責,信伊結巴起來。慌張地覺得自己是不是太放肆了,但成了這樣的靜子,連梃子都撬不動。

思いのほか強い口調で叱られたことに信伊は口ごもる。流石に勝手が過ぎたかと慌てるが、こうなってしまった静子は梃子(てこ)でも動かない。

「這次的輕率妄動我要向義父報告。」

「今回の軽挙妄動(けいきょもうどう)は義父上に報告します」

「那、那個……」

「そ、それは」

「你的任性會影響成千上萬人的命運。要知道你所做的事有這麼重大的影響。我不說要你現在回頭,但你得服從我的指示。」

「貴方の勝手が万を数える人々の行く末に影響を与えるのです。己のやったことは、それだけの大事だと知りなさい。今更戻れとは言いませんが、私の指示に従って貰いますよ」

「是、是的,那當然」

「はい、それは勿論」

「雖要以懲罰作交換,不過你好好看清從天而來的火吧。不懂得分寸的愚者,終有一天會被除去的,你可知道?」

「罰と引き換えになりますが、天からの火をとくと御覧なさい。己が分を弁えない愚か者は、いずれ除かれるのですよ?」

「當、當然明白,義姐大人(若無法理解,我也會變成那樣……)」

「も、勿論わかっております義姉上(理解できねば、私もそうなると……)」

語氣雖輕卻是真心,信尹滿頭冷汗不斷點頭表示理解。

軽い口調だが本気の声音であることを理解した信尹は、冷や汗をかきながら何度も頷くのであった。

那突然開始了。盯著夜色的靜子等人眼中,仿佛有帶著尾跡的火焰滴從天而降般落下。

それは突然始まった。夜闇を睨んでいた静子たちの目には、突如として空から尾を引く炎の雫が降り注いだように見えた。

伴隨著一聲巨響,那從天而降的東西連同高黏性的燃燒物把廣大範圍化為火海。除守望者外躲在建築內的僧兵們被聲響驚得跑出屋外,頓時被天上落下火雨的地獄景象擊潰。

ガシャンと言う音とともに天より降り注いだそれは、粘性の高い燃える何かとともに広範囲を火の海へと変えた。見張りを除いて建物内に籠っていた僧兵たちは、物音に驚いて表に走り出ると、天より火の雨が落ちてくる地獄の光景に打ちのめされる。

無聲接連降下,把可怕的廣大區域變為火海,像天罰般的景象讓僧兵們陷入恐慌,紛紛喊著「是天罰呀!天對教如大人的所作所為施以懲罰!!」而四處逃竄。

次々と音もなく降り注いでは、恐るべき広範囲を火の海へと転じさせる天罰そのものの光景に恐慌をきたした僧兵たちは、口々に「天罰じゃ! 教如様のなさりように天が罰を下された!!」と絶叫して逃げ惑った。

幸好從天而降的火焰只沿東向西呈直線落下,避難本身相對容易。但也有許多人在睡夢中被燒出來,來不及撤離與建築同歸於盡的僧兵也很多。

幸いにして天より降り注ぐ炎は東から西へと直線状にしか落ちてこないため、避難自体は容易であった。しかし寝ていたところを焼け出されたものも多く、避難が間に合わずに建物と運命を供にした僧兵たちも多かった。

倖存者仍然拼命進行滅火。待夜色開始消退、薄明浮現所見,竟是如同天繪一線般直直燃燒殆盡的殘骸。

生を拾った人々は、それでも懸命に消火活動を行った。そうして夜が白み始めて薄明の世界に浮かび上がったのは、天から線を引いたように一直線に燃え落ちた残骸であった。

大家因滅火勞累不堪,被四處升起的刺鼻煙霧與絕望景象擊潰。實際受害並非特別巨大,但見到如此巨大的線狀火災痕跡的人們從心底驚恐,認為自己招惹到了天怒。

皆が消火活動で疲労困憊となり、きな臭い煙があちらこちらから立ち上る絶望の光景に打ちのめされた。被害自体はそれほど甚大な物ではないのだが、余りにも巨大な線状の火災跡を見た人々は、天の怒りを買ってしまったのだと心の底より恐れおののくことになる。

當眾人拼命奔走滅火與救援時,作為領導者的教如卻躲到火勢無法及的內院一帶,從井裡潑水澆頭,顫抖著向天祈禱災禍快過去。

皆が必死に消火や救命活動に奔走しているさなか指導者たる教如が何をしていたかと言えば、火の手の及ばない奥の院付近まで避難して井戸の水を頭から被り、震えながら災禍が過ぎ去るのを天に祈っていた。

惡夢般的空襲過去後,大家拼命應對火災時,教如卻連發聲指揮或鼓舞僧兵都沒有,只是一直顫抖著。

悪夢のような空襲が過ぎ去り、火災の対処に皆が血道を上げる中、それでも教如は声を上げて僧兵たちに指示を出したり鼓舞したりすることすらなくただただ打ち震えていたのだ。

並非說教如特別膽小,而是面對如天變地異般的巨大災害,一個人實在太過無力。

教如が特別臆病だったという訳ではない、天変地異もかくやと言う甚大な被害に対して一人の人間は余りにも無力だった。

但天一亮仍必須站在大家面前激勵繼續據城防守,若在此投降,自己的性命就會毀滅。

それでも夜が明ければ皆の前に立って籠城を続けるよう檄を飛ばさなければならない。ここで降伏してしまっては己の命が潰えてしまう。

教如鼓起全身力氣用那疲軟的雙腿站起,在人的扶助下整理儀容,然後以彷彿事不關己的樣子出現在眾人面前。

教如は渾身の力を込めて萎えきった足で立ち上がり、供に介助させて身だしなみを整えると、何事も無かったかのような素振りで皆の前に姿を現した。

「諸位,不要恐慌!我教如連從天而來的火雨,也未受一絲一毫的傷。若非你們吵鬧,恐怕連襲擊都不會發覺!如你所見我受天所護,即便織田的惡鬼使出外道之術,對我這有佛護佑的人也無礙!」

「皆のもの、うろたえるでない! この教如は天より飛来した火の雨とやらに、毛一筋ほどの傷すら負っておらぬ。皆が騒いでおらねば、襲撃があったことすら気付かなかったであろう! この通りわしは天に守られておる。織田の悪鬼が外道の業(わざ)を用いたとて、御仏の加護を持つわしには如何ほどのこともない!」

教如大聲高呼後像往常一樣登上講臺開始說法。看到教如這不動聲色的樣子,被燒出來而沮喪的僧兵們也聚集到講臺。

教如はそう大音声で呼ばわると、毎朝の如く演台へと上り説法をはじめた。そんな教如の動じない姿を見て、焼け出されて打ちひしがれていた僧兵達も演台へと集まってくる。

「看哪!那些惡鬼趁夜暗自天而降火雖說做到這等地步,但竟就這點程度,正是我等受天護佑的最佳證明!」

「見よ! 悪鬼めらは闇に乗じて天より火を降らせたと言うが、そこまでしたと言うのにこの程度でしかないのが我らに天の加護がある何よりの証拠!」

教如那堂堂的講詞不知是否奏效,極度疲憊的僧兵們都聽進了他的話。

教如による堂々とした口上が功を奏したのか、疲労の極みにあった僧兵たちは教如の声に聞き入っていた。

「織田的惡鬼算得了什麼!我全身受天之寵愛,正因為我正直,所以箭矢、子彈、火雨都會繞過我而去!」

「織田の悪鬼が何するものぞ! わしは天の寵愛(ちょうあい)を一身に受けておる、わしが正しいからこそ矢も弾も火の雨とて我が身を避けて通るのだ!」

他的演說堂堂掷地,令人難以相信不久前他還抱頭顫抖。教如本人對佛法一點也不信。

少し前まで頭を抱えて震えていたとは思えない程の堂々とした演説であった。教如本人は毛ほども仏の教えを信じていない。

他幼時曾真誠信仰,但隨著長大,信仰變成了用來服從信眾的權術。

かつて幼い頃はひたむきに信仰していたこともあったが、長じるに連れて信仰は信者を従わせるための方便へと姿を変えていった。

在京中見識過由名門古刹(古老寺院)所率領的高僧們的樣子後,教如認為自我約束為萬民奉獻不過是愚蠢之事。

京に於いて名門の古刹(こさつ)(古い寺のこと)率いる高僧たちの有り様を見てきた教如には、己を律して万民に尽くすなど阿呆の所業でしかない。

教如一旦想到這點,便把親鸞聖人所說的他力本願(不是靠自身修行或功德來得悟,而是依靠阿彌陀如來,憑其本願而得救)的教義,按自己方便去解釋。

そう思い至った教如は親鸞(しんらん)聖人(しょうにん)の説いた他力(たりき)本願(ほんがん)(自らの修行や功徳(くどく)によって悟りに至るのではなく、阿弥陀(あみだ)如来(にょらい)様にあるがまま御すがりし、阿弥陀様の本願によって救済されること)を己の都合の良いように解釈した。

換言之,既然將來會被阿彌陀如來救度,於是他就理直氣壯地認為在俗世為所欲為也無妨。

つまりは何れ訪れる阿弥陀如来によって救済されるのだから、俗世で好きなように振る舞っても構わないと開き直ったのだ。

「天啊!佛陀啊!請見證!因我信仰毫無一點瑕疵,惡鬼們無法傷害我!」

「天よ! 御仏よ! 御照覧(しょうらん)あれ! 我が信仰に一片の曇り無きゆえに、悪鬼どもが我が身を傷つけること能(あた)わず!」

教如大幅揮手這樣呼喊的瞬間,一發子彈在講臺上掠過,隨之傳來遠雷般的槍聲,並爆出慘叫。

教如が大きく手を振りかざし、そう叫んだ瞬間一発の銃弾が演台の上を駆け抜けた。遅れてガーンという遠雷のような銃声が響き、絶叫が上がる。

一看教如向天伸出的左手腕幾乎被扯斷。連接指骨與臂骨、位於手腕根部的手根骨被子彈擊穿,教如的左手淪為僅靠皮膚拼拼湊湊連著的物體。

見れば教如が天に向けて開いていた左手首が千切れかかっていた。手首の根元に存在し、指を支える骨と腕の骨とを接続する手根骨(しゅこんこつ)が銃弾によって撃ち抜かれ、教如の左手は皮によって辛うじて繋がっているだけの物体に成り下がっていた。

教如無法察覺降臨於自己的災難。像被灼熱的火鉗按住般的劇痛不斷襲來,痛得連嘔吐感都湧上來,無法張開眼睛。

教如は己に降りかかった災難を自覚できなかった。灼熱した火箸を押し付けられたかのような激痛が絶え間なく襲い掛かり、余りの痛みに吐き気さえ込み上げて目を開くことが叶わない。

儘管如此,他咬緊牙關睜開眼睛,不想在信徒面前出醜。他視線所及之處不見從斷面噴出的手腕,只有因他悶絕的衝擊與自身重量而下垂搖晃的手的殘骸。

それでも信徒の前で醜態(しゅうたい)を晒すまいと歯を食いしばって目を見開いた。彼の目線の先には断面から血液を吹き出す手首の先が存在せず、彼が悶絶した衝撃と自重によって垂れさがる手の残骸が揺れていた。

他被過於慘烈的景象與劇痛奪去意識,當場昏倒。慌忙趕來的僧兵把教如的身體拖到演台陰影下,憑著拙劣的知識在斷面附近用力按壓以阻止血流。

彼は余りの惨状と激痛に意識を手放し、その場に卒倒した。慌てて駆け付けた僧兵が教如の体を演台の陰に引きずり込み、拙い知識で血液が流れ出ないように断面付近を強く圧迫する。

看見在演說中被槍擊倒下的教如,僧兵們陷入恐慌。正因曾被他的演說吸引,這種落差更容易將他們推向瘋狂。

演説中に銃撃されて凶弾に倒れた教如を見た僧兵たちは恐慌に陥った。なまじ彼の演説に聞き入っていただけに、その落差が彼らを容易に狂気へと走らせた。

也就是說教如所說的「御仏の加護」只是空想,那些像教如一樣在不知何時身體一部分會被炸飛的恐懼中放棄一切的僧兵,像濁流般湧向作為出入口的山門。

即(すなわ)ち教如の語った『御仏の加護』など絵空事であり、教如のようにいつ己の体の一部が吹き飛ぶか判らない恐怖に全てを投げ捨てた僧兵たちは、出入口である山門に向けて濁流のように押し寄せた。

諷刺的是,阻止這些人的是來自外部的暴力。伴隨轟鳴,山門與外牆被擊碎,成為飛石在周遭一帶鑿出並剝除了原有的一切。

皮肉にもそれらを押しとどめたのもまた外部よりの暴威であった。轟音と共に山門や外壁が砕け散り、飛礫(つぶて)となって辺り一面を穿(うが)ち抉り取った。

就在轟音與衝擊使所有人的腳步僵住、動作停止時,砲彈接連不斷命中,掃蕩了原本隔開內外的一切。

轟音と衝撃に皆の足が竦(すく)んで動きが止まったところへ、次から次へと間を空けずに砲弾が着弾して内と外とを隔てていた全てを薙ぎ払っていく。

僧兵們所見的,是一排排大砲相繼噴火的光景。彷彿被逼迫般,僧兵們齊心向相反方向奔逃。

そうして僧兵たちが目にしたものは、ズラリと並んだ大砲が次々に火を噴き上げる光景だった。追い立てられるように僧兵たちは逆方向へと一心に駆けだして行く。

此處沒有任何所謂信仰或作為士兵的自尊,那只不過是面對逼近死亡想要逃生的本能爆發。

そこには信仰や兵としての矜持(きょうじ)などと言う高尚なものは一切無く、目前に迫りくる死から逃れたいという生存本能の発露でしかなかった。

「我、我的腳!! 腳!!」

「お、俺の脚が!! 脚が!!」

「快跑! 那個已經救不了了!!」

「走れ! そいつはもう助からん!!」

接二連三射入的砲彈,以及縫隙間穿梭而來的子彈,使倒下者接連不斷。

絶え間なく撃ち込まれる砲弾と、隙間を縫うように飛来する銃弾に倒れる者が続出する。

從背後逼近的是死亡本身,若有一絲回頭的空閒,大家就拼命往前跑哪怕一點點。面對或迎戰這種選擇連在腦海中掠過都沒有。

背後から迫るのは死そのものであり、振り返る暇(いとま)が有れば少しでも前へ進もうと皆が必死に走った。立ち向かう等という選択肢は脳裏を掠めすらしない。

完全失去統制陷入潰散狀態的僧兵,踩踏倒地者與掉入壕溝的人爭先恐後逃離。因為不知道逃到哪裡才能獲救,這死亡的狂騷直到力竭仍未停止。

完全に統制を失い潰走状態に陥った僧兵たちは、倒れた者や堀に落ちた者を踏みつけて我先に逃げていく。何処まで逃げれば助かるかなど判らないため、死の狂騒状態は力尽きるまで止まることが無かった。

時間回溯到一點點,正在教如絕叫響起之後。

時は少し戻り、教如の絶叫が上がった直後。

「哼! 因為動得太誇張,落下的不是手指而是手腕了」

「ふん! 大げさに動かすから指じゃなくて手首を落としちまった」

「看來是側近把他拖到演台陰影下了。已無法再狙擊,咱們撤退——菊、ちさ!」

「どうやら、側近が演台の陰に引き込んだようだな。これ以上の狙撃は無理だ、我らは下がるぞ菊、ちさ!」

被稱為菊的狙擊手從臥姿起身,向叫喚他的一郎無言點頭。最年幼的ちさ也點了一下頭,從一郎手中接過雙筒望遠鏡,背起較輕的行李站起來。他們是靜子軍中數一數二的狙擊小隊。

菊と呼ばれた狙撃兵は、伏せ撃ちの体勢から身を起こすと声を掛けてきた一郎に無言で頷いた。最年少のちさも一つ頷くと一郎から双眼鏡を受け取り、比較的軽量の荷物を背負って立ち上がる。彼らは静子軍の中でも一、二を争う腕前を誇る狙撃チームだ。

成功完成對教如的狙擊這一難題的他們,從最前線撤回到靜子處。菊本意只是想炸飛手指,卻因為目標點實在太小而感到遺憾。

教如の狙撃という難題を見事成功させた彼らは、最前線から静子の許へと撤退することになる。菊としては指だけを吹き飛ばすつもりだったが、流石に狙点が小さすぎたことが口惜しいようだ。

「怎麼,竟然把本該被『御仏の加護』護過的子彈命中了。光是這點便值千金,沒必要貪心了」

「なに、御仏の加護とやらで避けて通るはずの銃弾を命中させたのだ。それだけで値千金、欲をかくほどの事もあるまい」

「靜子大人會表揚我嗎?」

「静子様は私を褒めてくださるかな?」

「會的,肯定會」

「ええ、きっと」

看著突然浮現不安表情的姊姊菊,ちさ微笑著答應。

急に不安そうな表情を浮かべる姉の菊を見て、ちさはにっこりとほほ笑んで受け合った。

當石山本願寺被火海包圍時,在本願寺以西遙遠的山間,熱氣球與回收部隊已會合並開始撤收作業。

石山本願寺が火の手に包まれている頃、本願寺より遥か西の山間(やまあい)にて熱気球と回収部隊が合流して撤収作業に入っていた。

五架熱氣球中有四架順利回收,但剩下一架被火勢產生的上升氣流帶走,迫降在河中,回收進展艱難。

全五機の内、四機までは問題なく回収できたのだが、残り一機が炎上による上昇気流に流されて川へと着水してしまい、回収が難航している。

由於熱氣球的部件全部都是機密,即便是小得難以辨認的零件也被囑咐盡可能回收。

その存在のすべてが機密の塊である熱気球の部品は、たとえそれが何か判らないほどに小さなものであっても可能な限り回収するよう言い含められていた。

經由熱氣球乘員與回收班不顧生死的努力,總算把熱氣球拖回到河岸,分解後偽裝成小貨物運往京城。

熱気球の乗員及び回収班の面々による決死の努力によって、何とか川岸へと熱気球を回収し、これを分解して小荷駄に偽装し京へと移送することになる。

他們無法在此得知自己所為成就的結果,但有著確實完成任務的實感。

彼らは自分たちの為した成果をここで知ることが出来ないが、しっかりと目標を果たしたという実感があった。

為完成這場世人難以想像的空中攻擊這一前所未聞的作戰而熱血沸騰。儘管他們的存在應該被保密且決不會留名於史,但仍以能在歷史轉捩點擔一份功感到自豪。

誰もが想像だにし得ないであろう空からの攻撃という前代未聞の作戦の完遂に胸を熱くする。自分たちの存在が秘せられるべきものであり、決して歴史に名を残すことは無いだろうが、歴史の転換点にてその一翼を担えたことを誇りに思った。

無名的他們在晨霧籠罩中,未被任何人察覺地消失無蹤。

名もなき彼らは朝もやの立ち込める中、誰にも見咎められることなくその姿を消した。

砲聲止歇後的石山本願寺景象凄慘如地獄。彷彿被天上巨大筆劃過般無情燒焦,且自外牆起沿著直線所有物被破壞,遮蔽物全無。

砲声が鳴り止んだ後の石山本願寺の姿は惨憺(さんたん)たるものであった。天より巨大な筆で線を引いたように無残に焼け焦げ、また外壁から一直線に全ての物が破壊され視線を遮る物体がなくなっていた。

在那條直線上的各處,躺著變成慘不忍睹屍體的僧兵,足以證明攻勢之凶猛。五體完整的遺體寥寥無幾,四處殘缺的曾為人之屍骸令人慘不忍睹。

その直線上の至る所に無残な屍となった僧兵が身を横たえており、その攻勢の凄まじさを物語っている。五体満足の骸(むくろ)は少数であり、体のあちらこちらが欠損したかつて人であったものの残骸は酸鼻を極める。

造成如此人間地獄的始作俑者靜子,決然凝視前方並發聲下令。

そんなこの世の地獄を作り出した張本人である静子は、決然と前を見据えて声を放った。

「告訴他們只待二刻。這是最後通牒。」

「二刻のみ待つと伝えなさい。これが最後通告です」

「是」

「はっ」

傳令們奔向西方尋找倖存者。在此情況下不太可能有組織化的反擊,但他們仍認為多加小心無妨,於是近三十名士兵結隊向外呼籲投降。

伝令たちは生存者たちを探して西へ向かって駆けて行った。この状況下で組織だった反撃など出来るとは思えないが、それでも用心するに越したことはないと、三十名近い兵たちが隊伍を組んで降伏を呼び掛けていく。

不久從傳令前往的方向,幾人一組的小集團前來投降。雖遭到那等攻擊還能奇蹟般活下來的人還不少,連靜子也感到驚訝。

程なくして伝令たちの進んで行った方角から、幾人かずつが小集団となって降伏を申し入れてくる。あれほどの攻撃を受けながらも、奇跡的に生を拾った者がそれなりにいたのは静子も驚いた。

所有倖存者皆已憔悴不堪,有為獲救而落淚者,卻沒有一人顯露敵意。

生存者たちのいずれもが憔悴(しょうすい)しきっており、己が助かったことに涙するものは居ても敵意を見せるものなど皆無であった。

「辛苦了」

「ご苦労様です」

在接到傳令部隊歸來後,靜子親自慰勞了他們。

伝令部隊の帰還を受けて、静子は直々に彼らを労った。

「從現在起等二刻,等待那邊投降。二刻過後仍未回應的話,一切焚燒殆盡」

「これより二刻、向こうの降伏を待ちます。二刻経っても返答がなければ、全てを焼き払いなさい」

「是」

「はっ」

靜子說完這句話便離開前線返回本陣。施以憐憫的機會早已錯失,這些措施與其說是慈悲,不如說是為了讓戰後善後事宜更為省事的方策。

静子はそれだけを言い残すと、前線を去って本陣へと戻っていった。慈悲を掛けるような機会は既に逸して久しい。これらの措置は慈悲というより、戦後の後始末を楽にするための方策ですらあった。

看似已不成體系的本願寺僧兵們,仍推舉了替代教如的代表來請求投降。

果たして組織としての体を為していないと思われた本願寺の僧兵達だが、それでも教如に代わる代表者を立てて降伏を申し出てきた。

「我等本願寺籠守之眾,懇求御身(おんみ)之慈悲相助」

「我ら本願寺に籠りし一同、御身(おんみ)のお慈悲に縋りとう存じます」

「關於投降,本方條件有三。一、將領導者教如與朝廷所遣使者之人交出。二、放棄一切武裝。三、投降後受下間(しもつま)刑部卿(ぎょうぶきょう)監視,並對其指示絕對服從。若接受以上條件,則准許投降」

「降伏に際してこちらの条件は三つ。一つ、指導者である教如と朝廷よりの使者の身柄を引き渡すこと。一つ、一切の武装を放棄すること。一つ、降伏後は下間(しもつま)刑部卿(ぎょうぶきょう)の監視下に入り、彼の指示に絶対服従すること。以上を飲むのであれば、降伏を認めます」

「我等無異議,願遵行一切指示……」

「我らに否やはございませぬ。全てご指示に従いまする……」

接受靜子的要求後,本願寺的代表毫不遲疑地表示同意。

静子からの要求を受けた本願寺の代表は、間を置かずに了承する旨を伝えてきた。

「明白了。那麼請優先交出教如及使者殿的人員」

「判りました。では最優先で教如及びご使者殿の身柄を引き渡して貰います」

「遵命」

「承知いたしました」

「再三提醒,請勿起任何歹念。處理遺體相當麻煩,能走路的人還是讓他們走比較省事」

「念を押しますが、下手なことを考えぬように願います。遺体を片付けるのも手間なので、歩けるものは歩いて貰った方が楽ですからね」

「是……」

「はっ……」

他們本就無餘力起異念,但被單憑麻煩與否來決定生死,仍令他們感到恐懼。

元より妙な気など起こす余裕すら無いが、それでも自分たちの生死を手間だけで左右されるということが恐ろしかった。

不久代表帶回了被抬在門板上、失去意識的教如,與雙手反綁、被繩索拘束的朝廷使者。

代表はほどなく戸板に乗せられた意識の無い教如と、後ろ手に縄を打たれて拘束された朝廷の使者を連れて戻ってくる。

對教如而言,口中塞著手巾,傷口以燒灼等粗暴方式止血,雖然避免了休克死亡,但短時間內恐怕不會恢復意識。

教如に関しては手拭いを噛ませた上で、傷口を焼いて乱暴な止血がされており、ショック死こそは免れているものの当分意識が戻りそうにない。

而朝廷所遣的使者,照理應該承受那般攻擊,卻一處傷痕也沒有。

また朝廷からの使者については、あれだけの攻撃を受けたはずにも拘わらず傷一つ負っていない状態だった。

「把兩人押送回本隊」

「二人を本隊へ移送しなさい」

「我、我被俘——」

「わ、私は囚われて――」

「閉嘴。到這個時候你還以為我們不知你的所作所為嗎?若真如此,那你也太小看我們了。申辯之處會在京中設,請恭敬接受裁決」

「黙りなさい。この期に及んで我々が貴方の所業を掴んでいないとでも思っているのですか? そうならば私も随分と侮られたものですね。申し開きの場は京にて設けます、謹んで裁きを受けるように」

打斷使者的辯白後,靜子命人也給使者塞上猿轡。對於即便事到如今仍只顧自保的醜陋心性感到厭惡,靜子決定速將他們押送至後方。

使者の弁明を遮ると、静子は使者にも猿轡(さるぐつわ)を噛ませるように命じた。事がここに至っても己の保身に走らんとする醜い心根に辟易とした静子は、彼らをさっさと後方へと送致することに決めた。

就這樣,教如與部分公家結託引發的石山本願寺之亂,在短短兩日內便被鎮壓。

こうして、教如が一部の公家と結託して起こした石山本願寺の乱はたったの二日で鎮圧されたのであった。