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戦国小町苦労譚

一五七七年 三月下旬

為了讓港灣開發步上正軌而奔忙,轉眼已過了一個多月。西國雖然偶有突發的小衝突,卻未演變成大規模合戰,陷入膠著狀態。

港湾開発を軌道に乗せるべく奮闘しているうちに、気が付けばひと月以上が経っていた。西国では突発的な小競り合いが発生するものの、大規模な合戦に発展することなく膠着状態に陥っている。

這主要源於攻方變得消極,而其背後的事實是信長下令秀吉與光秀「放慢侵攻速度,鞏固基礎」。

これは主に攻め手側が消極的になっていることに起因するのだが、その背景には信長から秀吉及び光秀に対し「侵攻速度を落とし、基盤を固めるように」との命令が下っているという事実があった。

支撐西國征伐的流通據點仍是京城,從京經丹波延伸出通往播磨的補給路。為了加速對前線的補給,急需盡快建立物流的前線基地。

西国征伐を支える流通の拠点となっているのは未だに京であり、京から丹波を経由して播磨へと補給路が伸びていた。前線への補給を迅速にするためにも、早急に物流の前線基地を構築する必要がある。

幸好摂津與丹波已幾乎被制壓,作為第一階段將物流據點推進到丹波。接著在丹波與播磨的邊界附近設置中繼基地,以支援最前線的北播磨與東播磨。

幸いにして摂津・丹波に関してはほぼ制圧できているため、第一段階として物流拠点を丹波まで押し上げる。次に丹波と播磨の境界付近に中継基地を設け、最前線である北播磨及び東播磨を支える構想であった。

為不讓敵方察覺這些動向,秀吉與光秀需維持小規模衝突以阻止敵方攻勢、持續施加壓力。

こうした動きを敵側に悟られることなく進めるためにも、小競り合いを続けつつも敵の攻撃を阻み、圧力をかけ続けることに秀吉と光秀の二人は終始することになる。

「陸路從丹波,海路經摂津聯通到播磨的國境(くにざかい),在兩位的努力下地區安定也很不錯。神戶港的開發進展順利嗎?」

「陸路では丹波から、海路では摂津経由で播磨の国境(くにざかい)までの物流網が繋がり、お二人の尽力によって地域の安定化も上々。神戸港の開発は順調かしら?」

「據藤堂大人的定期報告,計畫並無重大延誤。但因需進行海中作業的突堤工程似乎正在延後。」

「藤堂様の定期報告によりますと計画に大きな遅延はないとのことです。ただ海中作業が生ずる突堤の工事が遅れつつあるようです」

「也無怪乎,與越後等地相比雖較暖,但春天仍遠。寧可避免勉強讓能做水下作業的熟練工受傷失去,所以要重新檢討突堤工程計畫。」

「無理もありません、越後などと比べたら暖かいとは言え春はまだ遠いですからね。無理をして水中作業のできる熟練工を失うのは避けたいですし、突堤の工事は計画を見直しましょう」

即使較尾張呈現較溫暖的傾向,冬日的海域本就非人之領域。雖已開發出樹脂製的潛水衣,但隔熱不足,不堪長時間作業。

尾張に比べれば暖かい傾向にあるとはいえ、本来冬の海は人の領分ではない。樹脂製のウェットスーツを開発してはいるが、断熱が十分ではなく長時間の作業には耐えられない。

即便沒有突堤,小型船舶仍可停泊,因此海運僅作為輔助,當前以陸路為主的物流網運作。

突堤がなくとも小型の船舶であれば停泊可能であるため、海運は補助的に用いるにとどめ、当面は陸路を中心にした物流網で運用することとなる。

要整備港灣都市,僅有港口完工並無意義,還需同步整治將經海路運來貨物運至目的地的陸路。

港湾都市を整備するにあたり、港だけが出来上がっても意味がない。海路を通じて運ばれてくる荷を目的地まで運ぶ陸路の整備も併せて行う必要があった。

「那麼多港口到底要做什麼?」

「そんなに沢山港ばっかり作ってどうするんだ?」

靜子旁邊聽話的長可提出疑問。正如他所指出,靜子不只在神戶港,還計畫在織田家掌控的各地推動港灣都市開發。

静子の傍で話を聞いていた長可が疑問を口にした。彼が指摘するように、静子は神戸港だけに限らず、織田家の支配下にある各地でも港湾都市開発を計画している。

為在位於尾張與西國航路中間點的紀伊(即現今和歌山縣)一帶建立港灣都市,靜子也積極與信孝聯絡協調。

尾張と西国を結ぶ航路の中間点に位置する紀伊(現在の和歌山県)方面にも港湾都市を作るべく、静子は精力的に信孝とも連絡を取り合っていた。

「掌握物流,自然能看見敵方動向。即便看似迂迴,這是最速的捷徑。」

「物流を支配すれば、自ずと敵の動きが見えてくるからね。迂遠に見えても、これが一番の近道だよ」

「原來如此。確實若像戰爭那樣調動大量人力,物資也會相應流動,終究會落入靜子的掌握……」

「そういうものか。確かにいくさのように多くの人を動かそうとすれば相応の物資が動くことになるから、どうしても静子の知るところになるか……」

由於秀吉已奪下明石一帶領土,靜子便以獎懲並用的方式將既有的兵庫港與尼崎港納入掌控,並對港灣運作施行嚴格規則,打擊抜け荷(即所謂走私)。

秀吉の手によって明石付近までの領土を切り取れたため、静子は飴と鞭を併用しつつ既存の兵庫港及び尼崎港を支配下に置いた。その上で港湾運用に厳格なルールを適用し、抜け荷(いわゆる密輸)を取り締まった。

另外在碼頭建造大規模倉庫並使用重機裝卸貨物,與傳統人力搬運在效率上天差地別。既成局面下,精打細算的商人會選擇哪方,比看火還明顯。

さらに埠頭に大規模な倉庫を建設し、重機を用いた荷物の積み下ろしをするため、従来の人力で運搬する方式とは効率面で雲泥の差となる。そうなってしまえば利に聡(さと)い商人たちがどちらを利用するかは、火を見るよりも明らかであった。

一旦差距形成便只會擴大不會縮小,物流逐漸成為靜子手中的獨占或寡占狀態。

そして一度ついた差は広がることはあっても縮まることはなく、物流は静子の手による独占もしくは寡(か)占状態となっている。

「就算是我也不是為了消遣而做港灣開發。這是有周詳企圖的。」

「いくら私でも道楽で港湾開発をやっているわけじゃないからね。ちゃんと目論見(もくろみ)あってのことだよ?」

「甚至有織田家的家臣仍斷言靜子的港灣開發是無用的。不過若出現異常的貨物流動,能察覺到這些跡象,對敵方而言也會變得嚴峻。」

「織田家の家臣ですら未だに静子の港湾開発を無駄だと断じる輩が居るからな。まあこうして異例な荷動きがあれば、その兆候を察知できるとなっては敵も厳しくなるな」

「自給自足的物資或從播磨以西運來的東西確實難以掌握,但武具類就不是這樣的了。尤其火藥由堺把持,沒有上樣的許可連運送都不可能。」

「流石に自給自足している物資や、播磨以西から運ばれてくるものについては把握できないけれど、武具類に関してはそうもいかないからね。特に火薬は堺を押さえているから、上様の許可が無ければ運ぶことすらできないし」

「即便想靠走私帶進來,除非一個人穿越無路的山野急行,否則總會被你察覺吧。」

「仮に抜け荷で持ち込もうとしても、道なき山野を一人で駆け抜けでもしない限り、どうしてもお前に察知されるよな」

建構物流網的靜子創辦運輸公司,很快成為最大一家。為避免獨占導致競爭缺失,她將公司拆分成數家獨立核算,並將經營權委由信長與信忠掌管。

物流網を構築した静子は、運送会社を興すと瞬く間に最大手へと上り詰めた。独占状態になると競争原理が働かないため、会社を複数に分けて独立採算制にした上で信長と信忠へ経営権を委ねた。

如此互相競爭,技術發展與業務改善得以活躍推進。雖說委出經營權,但靜子仍為大股東,對整個業界保有巨大的影響力。

こうして互いに競い合うことで技術の発展や、業務の改善が活発に行われるようになる。ただ経営権を委ねたとは言え、静子が大口の出資者であることは変わりなく、業界全体に絶大なる影響力を持つようになっていた。

「培育人才並讓公司成長令我感到愉快。我想比起打仗,我更適合這種工作。」

「人材育成をして会社を発展させていくのが楽しくてね。多分だけれど、私はいくさよりもこういう仕事の方が性に合っていると思うんだ」

「唉,靜子在戰鬥方面不過比一般人強不到哪去。以前讓她操弓還曾令人驚豔,如今卻躺在倉庫積灰。她直覺奇佳,當指揮官還算過得去,但也不能說是非凡。」

「まあ、静子は戦闘に関しちゃ人並みの域を出ないからな。昔は変な弓を扱わせたら目を見張るものがあったが、今じゃ蔵で埃を被っている始末だしな。妙に勘が良いから指揮官としてはまずまずだが、それでも非凡とは言えないな」

「自從在宇佐山城的敗戰後,我就覺得她遲早會成為累贅。所以才把後方支援部隊作為主力。這樣不論戰事技術高下,都能支援實際交鋒的勝蔵等人。與武田的合戰時,因需在前線即時判斷變化並下達對應指示,才破例上前;今後除非人手短缺,應該不會再站到前線了吧?」

「宇佐山城での負け戦を経験して以来、遠からず足手まといになると思っていたよ。だから後方支援部隊を主力にしたんだ。これならいくさの巧拙は関係なく、実際に刃を交える勝蔵君達を支えることができるしね。武田との合戦では変化する戦況を最前線で即座に判断し、対応した指示を出す必要があったから例外的に前線にいたけどね。今後は人材不足にでも陥らない限り、前線に立つことは無いんじゃないかな?」

「當然啦!誰能替代你呢。況且最近連將來會需要的東西都事先被送來,讓人還會擔心你是不是要上前線。」

「当たり前だろう! お前の代わりが誰に務まるっていうんだ。それでなくとも近頃は後(のち)に必要になるであろう物まで先んじて送られてくるから、お前が前線に出てきているんじゃないかと焦るっていうのに」

「這是趨勢與對策。紀錄光留著可太浪費了,分析並運用後就能看出在不同情況下會需要哪些物資的傾向。」

「傾向と対策だよ。記録はただ残すだけじゃ勿体ないじゃない? 分析して活用すれば状況に応じて必要になる物の傾向が見えてくるんだよ」

靜子對長可的話苦笑著回答。人常以成功經驗形成行為模式,當個體被集合為軍隊時,個性更會被群體淹沒,行為模式因此收斂。

長可の言葉に静子は苦笑しつつ答えた。人間は往々にして成功体験を元に行動をパターン化しがちである。そして個を束ねて軍と成す際には、更に個性は集団に埋没してしまいパターン化が収束する。

若累積了足夠多的事例,在事情順利推進的情況下,就能以高精度預測所需物資等。

充分な量の事例が集積されれば、物事が順調に推移している状況に限っては高い精度で必要な物資等も予測することができるのだ。

也就是說因為不測事件總會發生,作為未雨綢繆會常備一定量的餘裕物資與備用零件(・・・・・・・・),不過只有在派上用場時才令人印象深刻,看起來彷彿是預知未來罷了。

とは言え常に不測の事態は発生しうるため、転ばぬ先の杖として余剰物資や予備の部材なども常に一定量が備蓄(・・・・・・・・)されるように手配しているのだが、役に立った時だけ強く印象に残るため未来予知のように見えているに過ぎない。

「說起來,最近沒有特訓了吧?」

「そう言えば、最近は特訓してないんだね?」

靜子覺得奇怪,於白天長可竟然悠閒,便發問。自信長下達東國征伐令以來,長可及其手下每日都以特訓名義反覆進行行軍演習。

静子は日中にもかかわらず長可が寛いでいることに疑問を抱いて問いかける。信長が東国征伐の号令を掛けて以降、長可及びその配下は連日特訓と称して行軍の演習を繰り返していた。

然而到了二月,演習改為隔日一次、再變成每週一次,近來除了基本教練之外已看不到其他訓練了。

ところが二月に入ると演習は隔日になり、週に一回になり、近頃では基本教練以外をしている様子が見られなくなっている。

「嗯,今天是完全休養日。行軍時的動作已練到身體記住,接下來就轉為在維持熟練度的同時調整體能狀態。」

「うむ、今日は完全休養日としたんだ。行軍の際の動きは体が覚えるまで叩き込んだから、あとは練度を保ちつつ体調を整える方へと切り替えている」

「原來如此。確實那種訓練內容傷患不斷,也有人會因此體調出問題。那麼完全不特訓嗎?」

「なるほど。確かにあの訓練内容だと怪我も絶えないだろうし、体調を崩す人もいるだろうしね。じゃあ特訓は全くしてないの?」

「不,是隔週實施一到兩次。」

「いや、隔週で1、2回実施している」

因其粗獷行為常被誤以為腦袋也充滿肌肉的長可,行動其實出乎意料地有計算在內。雖反覆劇烈訓練能提升肌力,但疲勞累積會與之成比例,使免疫力持續下降。

粗暴な行動が目立つため、脳まで筋肉が詰まっているように思われがちな長可だが、意外にも行動は計算に裏打ちされている。激しい訓練を繰り返せば筋力などは向上するが、疲労の蓄積と比例して免疫力が低下し続ける。

若不設適當的恢復期,最終恢復會跟不上,訓練反而會適得其反。長可為了避免這點,在早期就把基礎打好,之後一方面維持那個基礎,一方面調整讓部隊整體的健康狀態維持在最佳。

適宜回復期を設けなければ、いずれ回復が追い付かなくなって訓練が逆効果になるのだ。長可はこれを避けるために、早い段階で基礎を叩き込み、あとはそれを維持しつつ部隊全体の健康状態をベストに持っていけるよう配慮している。

「特訓之外不可能一直吃了就睡的生活。人並沒有那麼能長期維持緊繃狀態。偶爾也得吃好吃的、喝酒鬧一鬧才行」

「流石に特訓以外は食って寝るだけの生活は続かないからな。人間ってのはそんなに長期間緊張状態を保てるようにできてない。たまには旨いものを食って、酒を飲んで騒がないとな」

「因為那個位置坐著身為上司的你,大家就說不出牢騷,所以才會來到這裡嗎?」

「その席に上司である君がいると、皆が愚痴を言えないからここにいるわけだ?」

「我課以嚴苛訓練,大家自然會想抱怨幾句。一直把那些憋在心裡也不健康。看吧,我這人還挺有心思的吧?」

「厳しい訓練を課しているんだ、当然文句の一つも言いたくなるだろう。それをずっと溜め込むのは不健康だからな。どうだ、俺もなかなか考えているだろう?」

看著長可如此挺起胸膛,靜子為他的成長感到高興,微微一笑。

そう言って胸を反らす長可を見て、静子は彼の成長を嬉しく思い微笑むのだった。

到了春末三月,行軍演習的比重增加,基礎修練的內容則會縮減,並下令要照顧好飲食與睡眠時間。

春先も終わりに差し掛かる三月になると、行軍演習の割合が増える代わりに基礎修練の内容は控えめになり、食事や睡眠時間にも配慮するよう指示が出される。

兵舎供應的餐食也開始在遠征中難以補給的生菜、果物和蛋類料理上增加出現頻率。原本以高蛋白低熱量為主的飲食,為了成為緊急時的儲備,逐漸轉向以容易轉為脂肪的糖質與脂質為主。

兵舎で出される食事内容も遠征中には補給し辛い生野菜や、果物に卵料理の登場頻度が上がった。高たんぱく低カロリーだった従来の食事から、いざという時の蓄えとなるよう脂肪になり易い糖質や脂質が中心へと移行する。

透過這些紮實的努力,士兵們的體型也在改變。從像束起鋼線般緊繃的肉體,轉為帶著薄薄脂肪層的瘦身力士體型,或許比較容易想像。

こうした地道な努力により、兵士たちの体つきも変わりつつあった。鋼の線を束ねたような引き締まった肉体から、その上にうっすらと脂肪の層が付いた細身の力士体形といえば想像しやすいだろうか。

「咯咯……不、並不痛!」

「ぐぎぎ……い、痛くはない!」

正在進行體格改造的他們,有一件事特別投入,那就是洗澡後的足底按摩(足つぼマッサージ)。

そうして肉体改造を行っている彼らが、熱心に取り組んでいることがあった。それは風呂上りの足つぼマッサージだ。

起因是一名越後勢在脫衣所角落使用了新設的木製足底按摩墊。這是把為浴室做的「すのこ」所剩的端材和製作軍用靴底時剩餘的樹脂結合,放在板間並做了防滑處理,踏上去不易滑倒。

切っ掛けは越後勢の一人が脱衣所の片隅に新たに設置された木製の足つぼマットを利用したことだった。これは浴室用の『すのこ』を作った際に出た端材と、軍用ブーツの底を作った際に余った樹脂を組み合わせ、板の間に置いて踏んでも滑りにくいよう工夫が施されている。

像是在木材表面嵌入了好幾顆在河邊撿到、表面磨圓的石頭的奇妙物體。注意事項寫著要赤腳慢慢(……)地站上去。

木材の表面に河原で拾ったような表面がすり減って丸くなっている石が幾つも埋まったような不思議な物体。注意書きには素足でゆっくり(・・・・)と乗るようにと記されていた。

他沒看注意事項就用力跳上足底按摩墊。隨即傳來一聲絕叫,只見一名男子抱著腳滾倒在地。

注意書きを読み飛ばしていた彼は、足つぼマットに勢いよく跳び乗ってしまった。直後に上がった絶叫と足を抱えて床に転がる男が一人。

一時成了騷動,正在洗澡的人全都跑了過來。浴場管理者告訴他們,若健康有問題會覺得痛,若沒問題則是恰到好處的刺激,這讓他頗為震驚。

すわ何事かと風呂を利用していた者たち全員が駆け寄ってくる騒動となった。そして浴場の管理者から健康状態に問題があると痛く感じるが、問題なければ程よい刺激となると聞かされショックを受けることになる。

「你那樣咬緊牙說話沒說服力!看看我就知道了!」

「その様に歯を食いしばりながら言っても説得力がないわ! わしを見てみろ!」

「你不也是膝蓋在發抖嗎!」

「貴様とて膝が震えておるではないか!」

究竟是足底肌肉疲勞、站姿不良導致重心偏移,還是平時不易受刺激的足弓變得敏感,誰也說不準。

足裏の筋肉が疲労していたのか、はたまた立っている姿勢に問題があり重心がズレていたのか、それとも土踏まずという普段刺激を受けにくい箇所が敏感になっていたのか。

大家一次又一次挑戰足底按摩墊然後被擊潰,久而久之,洗澡後排隊輪流上去硬撐的景象成了風物詩。

誰もが足つぼマットに挑んでは撃沈するということを繰り返し、いつしか風呂上りに列になって順に足つぼマットに乗ってはその上でやせ我慢をするという光景が風物詩となった。

起初人人痛得扭曲,但漸漸習慣那刺激後,能真實掌握自己體調便成了熱門之事,甚至養成了為了不著涼而規律入浴的習慣。

はじめこそ全員が悶絶していたものの、そのうち皆が刺激に慣れ始めると本当に体調の良し悪しが把握できると人気となり、湯冷めしないように規則正しく入浴するようにさえなっていた。

正當這股某種和樂的健康風潮看似將過去的下旬,信忠終於召集主要的屬下將領,宣布第二次東國征伐的開始。

そんな何処か和やかな健康志向ブームに沸いていた三月が過ぎ去るのではと思われた下旬に、遂に信忠が主だった配下の将を集めて第二次東国征伐の開始を宣言した。

「諸君仔細聽!那些不知我們從敗戰中得到教訓、經受嚴苛訓練的京與堺的麻雀們,竟在唱著『這次也肯定會夾著尾巴回去』。我等之力是上樣所揮之刃!本當令人畏懼,絕不可被輕視。要讓那些目光如洞的麻雀好好見識見識!」

「皆の者良く聞け! 我らがかの敗戦から学び、厳しい訓練を潜り抜けてきたことを良く知らぬ京や堺の雀どもは、「此度(こたび)もまた尻尾を丸めて帰ってくるに違いない」と囀(さえず)っておるようだ。我らの力は上様が振るわれる刃だ! 恐れられこそすれ、侮られて良いものでは決してない。顔面に節穴の空いた雀共に目にもの見せてくれようぞ!」

信忠所發的氣勢,集結在場的每一人都齊聲回應。閱兵場回以震撼全場的大聲,眾人頓時開始忙亂行動起來。

信忠の上げた気炎に、集結しているすべての者が声を出して応じた。閲兵(えっぺい)場全体が震えるような大音声が返され、皆が俄(にわ)かに慌ただしく動き始めた。

靜子宅內也一樣,為了長可所率部隊在對武田之戰擔任先鋒,大家跑來跑去檢查部隊編制與裝備。

静子邸でもこの動きは変わらず、長可の率いる部隊が武田戦での一番槍を務めるため、部隊の編制や装備の点検に走り回っている。

儘管如此,由於平時就有為出征做準備,一時的喧囂很快便收斂下來。

それでも出征自体に向けて常日頃から準備していたこともあって、一時的な喧騒は早々と収束しつつあった。

「把在特訓中培養的力量盡情發揮吧」

「特訓で培った力を存分に発揮してらっしゃい」

「應!交給我,這是武士(もののふ)達成本懷的機會,我會好好享受一番!」

「応! 任せておけ、武士(もののふ)の本懐を遂げる機会だからな、楽しんでくるぞ!」

聽到靜子這話,長可振拳回應。到了這個時候,嘮叨或忠告都多餘,彼此以再會為前提道別後便轉身離去。

静子の言葉に長可は拳を振り上げて応えた。ここに至れば小言や忠告などは不要であり、お互いが再会を前提とした挨拶を交すと背を向けて歩き始める。

「聽好了你們!武田的殘餘算什麼,我們要讓世人見識我等之力!」

「よく聞けお前ら! 武田の残滓(ざんし)が何するものぞ、我らの力を世に知らしめるぞ!」

「喔!!」

「おう!!」

長可向部下發令後,眾人齊舉拳頭衝天。遠處靜子注視著那情景,彷彿看見長可軍士兵身上升起的熱氣。

長可は部下に号令を掛けると、皆が揃って拳を天に突き上げた。その様子を遠くで見守っていた静子は、長可軍の兵士たちから湯気が立ち上る様を幻視する。

那從他們體內噴出的熱氣彷彿化為波動,從那一幕可窺見大家對此刻期待了多久。

彼らの体から噴き出す熱気が揺らぎとなって見えるかのような光景に、皆がこの時をどれほど待ち望んでいたかが窺えた。

就這樣長可軍自尾張出發,向武田根據地甲斐進發。數日後,長可軍會師,使信忠軍本隊膨脹到數萬人規模,自岐阜城堂皇出陣。

こうして長可軍が尾張から武田の本拠地である甲斐へと向かって出立する。さらに数日後、長可軍も合流して数万にも膨れ上がった信忠軍の本隊(・・)が岐阜城から華々しく出陣した。

時間回溯約一個月。當時的武田在能以軍隊之名維持體面與否的邊緣苦撐,只要有一件事蹶腳,可能就會開始崩潰。

時は信忠の出陣より一月(ひとつき)ほど遡る。当時の武田は軍として体裁を保てるギリギリのところで踏みとどまっており、何か一つでも躓(つまづ)けば崩壊が始まるかもしれないといった有様だった。

而導致那崩壞的螞蟻一洞終於出現。負責在對織田最前線阻擋侵攻且本應得到支援的信濃國木曾谷領主木曾義昌,因對勝頼不但不支援反而課以重稅以削弱其力量而心生不滿,遂接受了信長的調略。

そしてその崩壊に繋がる蟻の一穴が開いてしまった。対織田の最前線で侵攻を阻む役目を与えておきながら、支援するどころか重税を課して力を削ってくる勝頼に対して不満を募らせていた信濃(しなの)国木曾谷の領主、木曾(きそ)義昌(よしまさ)が信長の調略に応じた。

木曾將他的親弟作為人質交給織田,發誓脫離武田。那名人質抵達岐阜城是在三月十五日。為了不讓武田察覺,木曾的實弟秘密移動,並在護衛陪同下被轉移至信長所在的安土。

木曾は彼の実弟を人質として織田に差し出し、武田から離反することを誓った。その人質が岐阜城に到着したのは三月十五日のことだった。武田に悟られぬよう密かに移動していた木曾の実弟は、護衛を付けられ信長のおわす安土へと更に移された。

趁此機會,信忠告知家臣們:

これを機に信忠は家臣たちに告げた。

「從此刻起派遣甲州征伐的先遣隊」

「これより甲州(こうしゅう)征伐の先遣(せんけん)隊を派兵する」

「請稍等!我們還未從上樣那裡得到開戰的許可——」

「お待ちください! 開戦のお許しを上様から得ておりま――」

「事到如今已無可否認。再等父上的回覆就會太遲!在武田知曉木曾倒戈之前攻擊!此刻須爭分奪秒方可先發制人,所有責任由我承擔。衝啊!」

「この期に及んで否やは無い。それに父上の返答を待っていては遅い! 武田が木曾の寝返りを知る前に攻める! これよりは一刻を争わねば機先を制せぬ、全ての責はわしが負う。かかれっ!」

「冒昧進言,先遣隊的一部分尚未集結齊全……」

「お言葉ですが、先遣隊の一部が揃っておりませぬ……」

既然被賦予先遣隊的任務,準備不足的粗心者就給我丟下不管!立刻能出發的人就沒有嗎!?

「先遣隊の役目を与えられておきながら、備えておらぬ粗忽(そこつ)者など捨て置け! 今すぐに出立できる者はおらぬのか!?」

是。近衛靜子大人的部下森大人,聽命就能即刻出發……

「はっ。近衛静子様配下の森様はご下命次第、即座に出発できると……」

信忠聽了報告,與其讓自軍屬下搶先刺出一槍,不如取即時反應的實利,於是讓長可及當時準備就緒的先遣隊立即出陣。

その報告を聞いた信忠は自軍の配下に一番槍をもたせることよりも、即応できる実利を取った。長可及びその時点で準備の整っていた先遣隊を即座に出陣させた。

這是三月十八日的事,而本隊則在同月二十二日率數萬兵馬從另一條路線出發。

これが三月十八日のことであり、同月二十二日に数万の軍勢を率いて本隊が別ルートを目指して出陣した。

以長可軍為首的新先遣隊離開岐阜城後,目標是位於恵那(現·岐阜縣恵那市)的岩村城。

長可軍を含む新先遣隊は、岐阜城を経つと恵那(えな)(現在の岐阜県恵那市)にある岩村城を目指す。

他們攻下岩村城作為中繼地後,進入由背叛武田的木曾所統治的木曾福島城(現·長野縣木曽郡木曽町),然後攻略位於諏訪湖附近的上原城,之後向南挺進。

彼らは岩村城を攻め落として中継地とした後、武田より離反した木曾が治める木曾福島城(現・長野県木曽郡木曽町)へと入り、その後諏訪湖付近に位置する上原城を攻略すると南下する。

其後原計畫走北路,直取敵首領武田勝頼所在的新府城。

その後、敵の首魁である武田勝頼のいる新府城を目指す北回りの進路を計画していた。

另一方面,本隊信忠軍沿同一路線到岩村城後,採南路,途經攻下滝沢城、松尾城(現·長野縣飯田市)與飯田城,然後北上從南方攻上新府城。

一方本隊である信忠軍は岩村城までは同じルートを辿り、その後南回りルートとして途上にある滝沢城、松尾城(現・長野県飯田市)、飯田城を攻め落としながら北上し、南から新府城へと攻めあがる進路を予定している。

這些路線在避開先前就成問題的日本住血吸蟲盛行地的同時,又能讓大軍移動,是合適的行進路線。即便已採取對策,也不可能做到完全防護。

これらのルートは予(かね)てより課題であった日本住血吸虫の流行地を避けつつ、それでいて大軍が移動可能であるという進路となる。日本住血吸虫対策を施しているとはいえ、完璧に防ぐことは不可能である。

然而日本住血吸蟲並非一感染就立刻廢人,而是因為生活中反覆多次寄生會演變為重症,所以在採取對策並避開河川和盛行地的情況下,便能充分應對。

しかしながら、日本住血吸虫は一度でも寄生されればたちまち廃人になるというものではなく、生活する上で繰り返し何度も寄生されることで重症化するため、対策を取った上で河川や流行地を避ければ十分に対処可能なのだ。

「哦,竟然不等指示就出陣啊。有趣,倒要看看能做到多遠」

「ほう、指示を待たずに出陣したか。面白い、何処までやれるか見物だな」

從岐阜城經尾張以電信收到信忠出陣訊息的信長咧嘴笑了。他確信足滿帶來的電信這種革命性通信手段會改變戰爭方式,於是立刻向包含負責攻北條的別動隊在內的東國征伐部隊發出號令,下達出擊命令。

岐阜城から尾張を経由し、電信にて信忠出陣の報を受けた信長はニヤリと笑った。彼は足満の齎した電信という革命的な通信手段が、いくさの在り方を変えると確信し、即座に北条攻めを担う別動隊を含む残る東国征伐部隊に号令を掛け出撃命令を下した。

看到織田家主要武將們從近江一帶向東進發,大衆紛紛議論織田家終於前往東國征伐,這消息席捲近畿圏,並透過商人之手迅速散播全國。

織田家の主だった武将たちが近江一円から一路東を目指して出陣してく様を見た民たちは、ついに織田家が東国征伐に向かったと口々に噂し合い、その情報は近畿圏を席捲(せっけん)すると商人の手によって瞬く間に全国へと拡散してく。

信長能在一聲令下立刻展開軍事行動,是有原因的。傳統農業曾是人人從事的謀生工作,但對於實施各種改革與效率化的織田家而言,農業已成為分工化的一個產業而已。

信長の号令一下、即座に軍事行動できたことには理由があった。従来の農業とは全ての人々が従事する生きるための仕事であったが、様々な改革と効率化が図られた織田家にとっては分業化した一産業に過ぎなくなった。

由於平均農作業所需勞力降到傳統的一半以下,單純計算織田軍可動員的兵力按人口比會是其他國家的兩倍,且其中包含後備役與半農半兵的人,專職軍人反而少得多。

平均して従来の半分以下の労力によって農作業が行われるため、単純計算でも織田軍が動員できる兵力は人口比にして他の国の倍となる。これらは予備役や半農半兵の者も含むため、職業軍人はずっと少ない。

即便如此,能在此時代組織並運用常備軍者,恐怕只有信長。因此織田能迅速行動的祕密,在於將常備軍與其他混成部隊區分,使其對突發事態具高度即應性。

それでもこの時代に於いて常備軍を組織し、運用できているのは信長だけであろう。つまり織田家が迅速に動ける秘密として、常備軍とその他混成部隊との軍を分けることにより、突発事態への即応性を高めた結果であった。

就在此時,勝頼也接獲了信忠出陣的消息。勝頼看到這消息時,已是得知木曾義昌背叛並派遣以武田信豊為大將的討伐軍之後。

そうこうしているうちに、勝頼の耳にも信忠出陣の報が届くことになる。この報せを勝頼が目にしたのは、木曾義昌の裏切りを知り、武田信豊(のぶとよ)を大将に据えた討伐軍を差し向けた後だった。

迎戰的木曾察覺若不戰則會在織田援軍到達前被討伐軍包圍,於是出城出陣,欲以野戰拖延行軍。

これを迎え撃つ木曾は、このままでは織田家の援軍が到着する前に討伐軍に包囲されると悟り、少しでも行軍を遅らせるべく城を出て野戦を挑まんと出陣する。

而討伐軍方面,由今福昌和率領的部隊先行朝木曾福島城進發。

対する討伐軍は今福(いまふく)昌和(まさかず)が率いる部隊が先行して木曾福島城を目指していた。

雙方於三月二十八日在鳥居峠(現·長野縣塩尻市奈良井)激戰。初戰因佔地利的木曾軍占優,但當高遠城派出的討伐軍援兵加入後情勢一轉,木曾轉為被動防守。

そして両者は三月二十八日、鳥居峠(現・長野県塩尻市奈良井)にて激突する。初戦は地の利を得ている木曾軍が優勢に進めるも、高遠城から派遣された討伐軍の援軍が加わると一転防戦一方となった。

雖付出不小的犧牲,木曾義昌潰敗撤退,退守木曾福島城;而擊退木曾軍的討伐軍則在接近鳥居峠的奈良井川與犀川布陣,對木曾軍施壓。

少なくない犠牲を出しつつも、木曾義昌は敗走して木曾福島城へ籠城した。一方木曾軍を退けた討伐軍は、鳥居峠に近い奈良井川や犀(さい)川に陣を敷いて木曾軍に圧力を掛けていた。

木曾一怕撐不到援軍到來,派使者向勝頼辯解;當然木曾的辯解被置之不理,勝頼則帶著兒子信勝從新府城遷往上原城。

このままでは援軍の到着までもたないと焦った木曾は、使者を遣わせ勝頼へと弁明を試みた。当然ながら木曾からの弁明は黙殺され、勝頼自身は息子の信勝を連れて新府城から上原城へと移っている。

「唔——重視住血吸蟲對策反而弄巧成拙了。果然還是來不及嗎……」

「うーん、住血吸虫対策を重んじたのが裏目に出たね。やっぱり間に合わなかったか……」

靜子透過電信從信忠軍收到那份報告,對於預期的未來成為現實而嘆息。

その報告を信忠軍より電信で受け取った静子は、予想していた未来が現実になったことに嘆息する。

「有什麼有趣的事發生嗎?」

「なんぞ愉快なことでもあったのかえ?」

旁邊優雅品茗的濃姬向靜子詢問。她也有自己的情報網,能掌握一定情況,但遠不及靜子,因此她才獨自來到靜子府上。

静子の隣で優雅に茶を楽しんでいた濃姫が静子に問いかける。彼女は彼女で独自の情報網を持っており、ある程度の把握はしているのだが静子のそれには遠く及ばない。そのため彼女はこうして単身静子邸を訪れていた。

「木曾義昌在鳥居峠與武田軍激戰敗北。木曾退守木曾福島城,但武田軍已在奈良井川設陣,似乎無法出動。」

「木曾義昌が鳥居峠にて武田軍と激突し敗戦しました。木曾は木曾福島城に落ち延びましたが、武田軍が奈良井川に陣取っていて動けないようです」

「嗯,武田雖將木曾擊退,卻未能殲滅,反而讓他們掙入籠城。對他們而言,在殿軍逼近之際仍未奪下木曾福島城是很吃虧。反過來說,擁護木曾的我們第一戰就失利,實在有些掃興。」

「ふむ。武田は木曾を敗走させたものの、討ち取るまでには至らず籠城を許してしまったという訳か。彼奴(きゃつ)らにとって殿の軍が迫っている中、木曾福島城を手にしておらぬのは痛いな。翻(ひるがえ)って木曾を擁(よう)する我らも、初戦で黒星とはケチがついたものよ」

「是啊。明明在野戰中取勝,卻不去包圍木曾福島城而撤退到奈良井川,正說明了他們的苦戰。對勝頼來說這消息應是晴天霹靂:雖然收到勝利報告,卻並未拿下城池。」

「そうですね。野戦で勝利しておきながら木曾福島城を包囲するでもなく、奈良井川まで後退(・・)しているのが苦戦を物語っていますね。そしてこの事態は勝頼にとって寝耳に水でしょうね。勝利の報を受けているでしょうが、城を手にしていないのですから」

若在野戰獲勝,通常會追擊追趕潰敗的軍隊。考慮到他們放棄追擊而撤退至奈良井川並紮營,便可看出他們已無力再攻城。

野戦で勝利した場合、通常ならば追撃を行い敗走中の軍を追い立てる。それを放棄して奈良井川まで後退し、陣を張ったことを考えれば、彼らには城攻めをするだけの余力がないと解る。

「哼哼。就因木曾一人的背叛,就讓基礎發出裂痕,武田也衰落到這地步了啊」

「ほほっ。木曾一人が裏切っただけで屋台骨が軋(きし)むとは、武田も衰えたものよな」

「雖已下令削弱武田,卻沒想到他們衰弱至此。嗯,從高虎君那裡收到播磨平定的物資狀況,啊,勝藏君發來了速報。」

「武田の弱体化を図るよう指示してはいましたが、ここまで力を落としているとは思っていませんでした。ふむ、高虎君からは播磨平定の物資状況が届いていますね。あ、勝蔵君から速報がきました」

「哦。速報?說了什麼?」

「ほう。速報とな? なんと言っておるのじゃ?」

「強行帶出的大砲成了行軍速度的累贅,打算留在岩村城請你們來回收……我早說過不該帶走的呀。」

「無理を言って持ち出した大砲なんですが、進軍速度の足枷になったから岩村城に留め置くから、回収にきてほしいと……。だから持っていかない方が良いって言ったんだけどなあ」

就在靜子如此嘟嚷之際,通訊員將抄寫電信內容的本子一份份送來。這次戰事與以往不同,兩面作戰同時進行,因此中心地尾張會陸續收到兩方面的消息。

静子がそう呟いている間にも、通信手が書き留めた電信内容を清書したものが次々に運び込まれてくる。今回のいくさは従来と異なり、二正面作戦が同時進行するため、中心地の尾張には両方の情報が逐次届くのだ。

「那所謂的電信宛如妖術啊,坐在家中就能逐次收到播磨與信濃的消息。」

「まるで妖術じゃのう、その電信とやらは。居ながらにして播磨と信濃の情報が逐次届くとはな」

「果然是濃姬大人,眼光高明。看到這情況的諸位曾說,傳令沒有帶來的消息不足為信。只要能參與電信,那個資訊發信源就值得信賴,可惜他們似乎無法理解這點。」

「流石は濃姫様、お目が高い。これを見たお歴々は、伝令が持ってこない情報など信用に値しないと仰ったんですけどね。電信に参加できるだけで、その情報発信源は信用できるんですが、そこをご理解いただけないようです」

靜子所使用的所謂電信(狹義上因在通話所以是電話,但此處泛指以電波傳播的各種通信)是史實中也被認為能縮短世界距離的革新技術。

静子が用いている電信(狭義には通話をしているため電話だが、ここでは電波を用いた通信全般を指す広義の電信と称する)は、史実に於いても世界を縮小させたとまで言わしめた革新的な技術である。

就連靜子也不擅長電子製作,頂多有國中理化與高中物理程度的基礎。即便如此,靜子早期抄寫的電磁學教科書,對於這時代的人理解足滿的知識仍幫助良多。

流石の静子も電子工作の知識は持ち合わせていない。せいぜいが中学の理科及び高校の物理で学ぶ程度の基礎だけだ。それでも静子が初期に書き写していた電磁気の教科書は、足満の知識をこの時代の人が理解するにあたって大きな助けとなった。

即便電信機(發受信)實用化後,足滿仍計畫進一步改良。現階段電信機體積過大,為確保電源的發電機亦需小型化或提升電池性能。

実際に電信機(送受信)が実用化された後も足満は更なる改良を推し進める予定だ。現時点では電信機自体が大きすぎるし、電源を確保するための発電機も小型化するなり、電池の性能を向上させる必要があった。

電信機旁設有鉛蓄電池,並持續由水力發電機供應電力。所謂水力發電機並非利用瀑布等大落差的渦輪式,而是將如鑽頭般結構的螺旋式水車裝於河川水流上的發電機。

電信機には鉛蓄電池が併設され、常時水力発電機から電力が供給されている。水力発電機と言っても、滝などの大きな落差を利用したタービン式のものではなく、河川などの水流に対してドリルのような構造の螺旋式水車を設置する発電機だ。

這種發電機只要有些許落差和一定水量,就能確保足以供應一台電信機的發電量。對靜子先前所處的時代來說並不罕見,但要在戰國時代重現這種發電機仍面臨諸多課題。

この発電機は多少の高低差と、ある程度の水量さえあれば電信機一台を賄える程度の発電量が確保できる。静子の元居た時代では珍しくもない発電機だが、この発電機を戦国時代で再現するにあたってはいくつもの課題があった。

其中最大的问题是軸承。軸承是指支撐旋轉軸並實現順暢轉動的機構。像指尖陀螺等可以很容易理解,透過軸承減少摩擦來保持轉動力的原理。

中でも最大の問題は軸受けだ。軸受けとは回転する軸を支えつつ、滑らかな回転を実現する機構を指す。ハンドスピナーなどは軸受けによる摩擦の軽減で回転力が保持される様が良く理解できるだろう。

作為軸承核心的小鋼球,也就是所謂的滾珠,必須能以近乎真球且符合一定規格的尺寸大量生產,還需要作為素材的鋼鐵、油壓壓床、減少機械摩擦的作動油、以及用來精密研磨極硬鋼球的設備,若開始列舉起來就沒完沒了。

軸受けの中核をなす小さな鋼の玉、いわゆるボールベアリングを真球かつ一定の規格に従った寸法で大量生産できる工業力が無ければならず、また素材となる鉄鋼や油圧プレスに機械との摩擦を軽減する作動油、恐ろしく硬い鋼球を精密に研磨する装置など列挙し始めればキリがない。

可以說這一系列裝置就是靜子至今所培育、匯聚尾張技術力的精髓。

静子が今までに培ってきた尾張の技術力を結集した精髄と呼べるものが、この一連の装置だと言える。

「並非全都不懂得電信好處的人吧?」

「電信の良さを理解せぬ者ばかりという訳でもないのじゃろ?」

「是的,像竹中大人就被電信的可能性吸引,至今仍拼命在學習。要善用通信器及其技術人員,他想必認為自己也必須具備最低限的知識吧。」

「ええ、竹中様などは電信の可能性に魅入られ、今も必死になって勉強をされているようです。通信機やその技術者を使いこなすには、自身も最低限の知識は身に着けないといけないとお考えなのでしょう」

靜子應著濃姬的話,同時在顯示由電信所帶來的布陣狀況的立體地圖(……)上,移動放置在上面的棋子。

静子は濃姫の言葉に応じつつ、電信によってもたらされる布陣状況を示す立体地図(・・・・)上に配置された駒を動かしていく。

「那是你打著保護藝能為藉口製作出來的地圖嗎?」

「それが芸事保護にかこつけて作り上げた地図とやらかえ?」

「別說得那麼難聽。這是踏實測量的成果。誠然也有在以保護藝事為由拜訪時所測量的地方……」

「人聞きの悪いことを言わないでください。これは地道な測量の成果です。確かに芸事保護の一環で訪れた時に測量したものもありますが……」

「哼哼,話是可以這麼說。你不就是最大限度地利用了朝廷的權威嗎?」

「ほほほ、物は言い様じゃな。朝廷の権威を最大限利用したのではないか」

鎮座在靜子面前的立體地圖,是一種地形起伏依實際比例在一定程度上重現出來的縮微模型般的東西。

静子の前に鎮座している立体地図は、地形の起伏が実際の縮尺に従ってある程度再現されたジオラマのような物である。

一旦進入山中就連等高線都難以辨別,因此只侷限於視野能通的地點,但即便如此也涵蓋了可供行軍的道路。

ひとたび山の中に入ってしまえば等高線も分からないため、視界の通る場所に限定されるのだが、それでも行軍できる程度の道は網羅している。

更有村落規模、河川位置、橋梁有無等對作戰重要的資訊都被妥善重現。為了獲得這些資訊,測量儀器與照片發揮了極大作用。

更に村の規模や河川の位置、橋の有無など、いくさをする上で重要となる情報はしっかりと再現されていた。これらの情報を得るに当たって測量機器と写真が大いに活躍することになった。

對方而言照片本身都不知道是什麼,只要說是事前準備,即便在測量也不會遭到指責。此外還充分利用朝廷的權威,進而動用天皇的權威來維護照片的秘密。

相手からすれば写真自体が何かわからないため、事前準備と言われれば測量していても咎められることは無い。更には朝廷の権威、延いては帝の権威をもフル活用して写真の秘密を守っている。

對於測量的地點,必定會拍攝風景照片,並將其中幾張無關痛癢、不會惹人非議的照片贈與當地有力者。

測量している箇所については、必ず風景写真をも撮影し、その中で当たり障りのないいくつかを現地の有力者に寄贈している。

並且會將著色後的那些照片獻呈給天皇,若說那深受好評,沒有人會當面來阻撓拍攝。

また、その写真に彩色したものを帝に献上しており、それが大変好評を博していると言われれば、面と向かって撮影を邪魔できる者はいなかった。

事實上,對於幾乎足不出戶、鮮少外出、幽居內裏的正親町天皇來說,靜子獻上的四季風景照片既撩動了他的好奇心,也極大地撫慰了他的心靈。

事実、内裏(だいり)に籠りっきりで滅多に外に出られない正親町(おおぎまち)天皇にとって、静子から献上される四季折々の風景写真は彼の好奇心をくすぐり、またその心を大いに慰めるものになっていた。

「我也替朝廷提供了不少便利,無論金錢或物質上都一直支援,做這點事應該不會有什麼報應吧?」

「私も朝廷には随分と便宜を図り、金銭的にも物質的にも支援し続けているのですから、これぐらいやってもバチは当たらないでしょう?」

「我倒覺得可以要求更直接的回報。看來靜子對那方面根本毫無興趣。奉獻到這個程度能換來的也不過是正三位和權中納言吧?」

「もっと直截(ちょくせつ)的な見返りを求めても良いとは思うのじゃが。静子はそちら方面にトンと興味がないと見える。ここまで尽くして得られたのが正三位(しょうさんみ)と権中納言じゃろう?」

「即便您如此說,若被要求入內參朝也讓人為難,而且不被輕視且又不擁有過大影響力才是最理想的。」

「そう仰られましても、宮中に参内(さんだい)せよと言われても困りますし、軽んじられることがなく、かつ大きな影響力もまた持たないのが一番です」

「靜子你小看了自己的影響力喔?據說若得罪了妳,京都上流階級間傳聞就連一點流行的東西也買不到了。」

「静子は己の影響力を過小評価しておるぞ? そなたの機嫌を損ねたら、流行の物は何一つ手に入らぬと京の上流階級の間でもっぱらの噂じゃ」

濃姬的話切中要害。靜子生產出各式商品,義父近衛前久一面包裝一面持續宣傳,結果在公家間建立起被稱為「尾張樣」的流行品牌。

濃姫の言葉は核心をついていた。静子が様々な産物を生みだし、義父である近衛前久(さきひさ)が演出しつつも宣伝し続けた結果、公家の流行に尾張様(おわりよう)と呼ばれるブランドが確立した。

不僅食品,連茶、菓子等嗜好品以及酒、香料等也被視為以尾張出品為一流,而涉足這些所有產業的靜子其存在已無法被忽視。

食料品は言うに及ばず、茶や菓子と言った嗜好品に酒や香辛料なども尾張のものこそが一流とされるようになり、そのすべての産業に何かしら関わっている静子の存在は決して無視できるものではなくなっていた。

「打擾閣下談話了!靜子大人,上樣——」

「ご歓談のところ失礼いたします! 静子様、上様が――」

那位一邊匆忙跑步一邊從襖外呼喚的小姓聲音被打斷,中途沒能說完剩下的話。

慌ただしく足音を立てながら襖越しに声をかけてきた小姓だが、彼の声は途中で遮られてしまい、残りの言葉を聞くことは無かった。

那名推開小姓闖入室內的人一進門便喊道。

小姓を押しのけるようにして室内に入り込んできた人物は、開口一番言い放った。

「又在做有趣的事啊,靜子。竟然沒把我也拉進來,真是小氣啊!」

「また面白い事をしておるな、静子。わしを混ぜぬとは水臭いではないか!」

「遲到了,殿」

「遅うございますよ、殿」

靜子愣住的旁邊,濃姬張開扇子,愉快地笑著。

唖然とする静子の隣で、濃姫は扇子を開いて楽しそうに笑っていた。