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戦国小町苦労譚

千五百七十六年 十二月下旬

自信長發布要一掃敵人的宣言已過一個月。從外部所見,靜子軍的動向並不像在準備戰事。

信長が発した敵の一掃宣言より一ヶ月が経過した。外部から見える静子軍の動向は、いくさの準備を整えているようには見えない。

因為靜子軍的士兵成群結隊走向城鎮,連日飲食作樂。

それというのも静子軍の兵士たちは集団で街に繰り出し、連日飲み食いを続けているからだ。

軍隊的性質使得無法全員同時放假,只能輪流外出,但即便如此,仍可見到前所未有的規模行動。

軍隊の性質上、全員が一斉に休暇を取ることが出来ず、交代で外出しているのだが、それでもかつてない規模での動きが見られる。

就連織田家內部都有流言說靜子軍在外胡鬧,外人看不出究竟發生了什麼而感到困惑也不足為奇。

織田家の中にすら静子軍が遊び呆けていると陰口を叩くものがいるのだ、外部から見れば何が起こっているのか判らず困惑するのも無理はない。

然而,即便士兵們玩得誇張,作戰的準備仍在穩步推進。大量軍需物資被集結,並依計畫分配到各處。

しかし、兵士たちが派手に遊んでいても、いくさの準備は着実に進められている。大量の軍需物資が集積され、計画に従って各所に分配されていく。

在東國征伐中,特別派往甲斐國的將士被要求接受專門訓練,為熟悉新裝備與前所未有的規則而反覆演習。

東国征伐の中でも特に甲斐の国へ派遣される将兵たちには特別の訓練が課され、新しい装備や今までにない規則に慣熟するための演習が繰り返されていた。

為了讓他們釋放嚴苛訓練的壓力,發放特別津貼並鼓勵休假時的飲宴,因此看起來像大規模放蕩的行動便出現了。

過酷な訓練でのストレスを発散させるため、特別手当を支給して休暇中の飲み会を励行したため、大規模な放蕩にも見える動きとなって表れている。

「裝備的準備似乎很順利呢」

「装備の準備は順調のようだね」

一邊凝視著盤點(棚卸;確認帳面數字與實物是否一致)結束的報告書,靜子喃喃說道。

棚卸(たなおろし)(書類上の数字と、現物とが一致しているかを確認すること)が終わった報告書を眺めつつ静子が呟いた。

這是關於武具採購的報告書,但要使用這些武具的並非靜子軍的士兵;現在靜子手中文件上列出的武具,將由景勝等人使用。

武具の調達に関する報告書だが、これらの武具を使用するのは静子軍の兵士ではない。今静子が手にしている書類に載っている武具を使用するのは景勝たちだった。

為了助其執行特殊任務,武具上施以即便遠觀也能一眼辨識的華麗裝飾。

彼らが遂行する特殊な任務を後押しするため、遠くからでも一目で判る程に派手な装飾が施されている。

呈現俗稱「傾(かぶ)いた」的裝扮,景勝初見預定配發的武具時臉色扭曲,對照之下兼續如孩童般眼睛閃亮。

俗に言う『傾(かぶ)いた』恰好となっており、初めて支給予定の武具を目にした景勝は顔を引きつらせ、対照的に兼続は子供のように目を輝かせていた。

「編繫靴似乎也已固定下來了呢。在甲斐需要注意日本住血吸蟲,所以是必備裝備,但通氣性比普通靴子更差,真令人頭疼呢」

「編み上げブーツも定着したみたいだね。甲斐では日本住血吸虫に注意する必要があるから必須装備なんだけど、通常のブーツよりも更に通気性が悪くなっているから悩ましいね」

靜子從這個例外地安靜的鎧櫃(よろいびつ;用於運送甲冑的專用容器)移開目光,撫摸著那雙若是現代人看來會以為是叢林靴的編繫靴。

静子はこれだけは例外的に大人しい鎧櫃(よろいびつ)(甲冑を運ぶ際に用いられる専用の容器)から目を離し、現代人が見ればジャングルブーツかと思うような編み上げブーツを手で撫でる。

備有各種尺寸,鞋頭甚至鑲有薄鐵板,那是一種洗鍊的功能美。

各種サイズが用意され、つま先には薄い鉄板すら仕込まれたそれは、洗練された機能美を持っていた。

即便在織田軍內都沒有人人穿戴統一制式裝備的概念,靜子卻在足部裝備上力求從一兵卒起即統一,顯露其異質之處。

織田軍に於いてすら全員が揃いの装備を身につける制式装備という概念が無い中、足元だけとは言え一兵卒に至るまで統一しようとする静子の異質さが窺える。

此時代一般的足部裝備,是穿足袋、綁腳絆後再穿草鞋。

この時代に於ける一般的な足元の装備と言えば、足袋(たび)を履いて脚絆(きゃはん)を巻いた上で草鞋を履くというものだ。

但這套裝備無法期待防水性能,在赴甲斐國出兵時會成為致命的問題。

しかし、この装備には防水性能など期待できず、甲斐の国への出兵に於いては致命的となる。

甲斐國有群棲的ミヤイリガイ,是日本住血吸蟲的中間宿主。該ミヤイリガイ接觸水時會釋放日本住血吸蟲的幼生セルカリア。

甲斐の国には日本住血吸虫の中間宿主となるミヤイリガイが群棲している。このミヤイリガイは水と接触することにより、日本住血吸虫の幼生であるセルカリアを放出する。

據說在流行地,已擴展到陸地生活範圍的ミヤイリガイ,甚至會聚集在住居取光的窗戶上。

流行地に於いては陸上にすら生息圏を広げたミヤイリガイが、住居の明り取りの窓に群がっていることすらあるという。

換言之,若朝露濕潤的草叢中有ミヤイリガイ,便有可能被日本住血吸蟲侵入體內。

つまり朝露に濡れた草むらにミヤイリガイが居た場合、日本住血吸虫に体内へ侵入されることもあり得るのだ。

為了防止此事而準備的就是編繫靴;其特色為稱作シャフト的部位,覆蓋範圍甚至到膝下,而不僅止於足踝。

これを防ぐ為に用意されたのが編み上げブーツだった。足首どころか膝下までを覆うシャフトと呼ばれる部位が特徴的だ。

為徹底防水,鞋筒採用樹脂塗層的帆布,因而成為極度不透氣的裝備。

防水機能を徹底するためシャフトには樹脂コーティングされた帆布が用いられ、極めて通気性の悪い装備となっている。

即便做到這一步,畢竟是鞋類仍存在縫隙。為了彌補這些縫隙而開發的,就是現代人理所當然會見到的「ガムテープ」。

ここまで徹底しても履物であるため隙間が存在する。それを補うために開発されたのが、現代人であれば当たり前に目にするであろう『ガムテープ』であった。

追求堅固與便利後,成為布製的膠帶。為防水在布上塗覆樹脂,並塗佈黏著劑的形式。

頑丈さと利便性を追及した結果、布製のガムテープとなっている。水分を浸透しないよう布に樹脂をコーティングした上で、接着剤を塗布した形式をとっていた。

當然無法實現現代般的加工精度,與我們所見的膠帶相比要厚得多,一旦貼上便難以撕除,這是其問題所在。

当然現代のような工作精度は実現できないため、我々が目にするガムテープと比べればはるかに分厚く、一度貼ってしまえば剥がすのが困難という問題点がある。

但即便如此,膠帶在補修與填補縫隙上的便利性與實用性仍然無可置疑。

しかし、それでも補修や隙間を埋めるために便利に使えるガムテープの有用性は疑うべくもない。

順帶一提,此次膠帶使用的黏著劑在常溫下黏性強但耐高溫性差,為兼顧足癬防治,可定期以熱水連靴一起煮沸加熱以便剝離。

因みに今回のガムテープに使用した接着剤は、常温では強固な粘着力を誇るが高温に弱く、水虫対策も兼ねて定期的にお湯でブーツごと煮るようにして加熱することにより剥がす事が出来る。

「打擾您休息,抱歉。織田勘九郎大人遣來的早馬已到」

「ご休息の処、申し訳ありません。織田勘九郎様より早馬が着きました」

「明白了」

「判りました」

正在讀報告書的靜子被小姓告知早馬到達。靜子自文件抬頭,從小姓手中接過早馬所帶的文書,展開閱讀。

報告書を読んでいた静子は、小姓から早馬の到着を告げられた。書類から目を上げた静子は、小姓より早馬が携えていた文を受け取り広げて読み進める。

要約內容是有事想商議,請求撥冗一段時間。關於東國征伐已經在進行,理應不會到這時候才需要正式諮詢才對。

内容を要約すれば相談したいことがあるので時間を取って欲しいとのことであった。東国征伐に関しては既に動き出しているため、今更改まって相談が必要になることなど無いはずなのだ。

儘管如此,對方是織田家的次期當主,不能粗略對待。

とは言え、相手は織田家の次期当主であるため粗略に扱うことなど出来るはずもない。

而且這並非悄悄來訪,而是先遣通報採取正式拜訪的形式,連接待一事也需相當的儀格。

しかも、お忍びでは無く先触れを送って公式の訪問形態をとっており、出迎え一つにしても相応の格が求められることとなる。

再者因為諮詢的內容不明,靜子為了能應對任何可能,奔走備齊有關東國征伐與自軍的各項資料。

更には相談の中身が不明であるため静子は何を相談されても対応できるよう、東国征伐に関する資料や自軍に関する資料を取り揃えるため奔走することになった。

「嗯——果然我一人可能應付不來。或許需要叫現場的責任者來吧」

「うーん、流石に私一人だと手に余るかも。現場の責任者を呼ぶ必要があるかな」

即便研讀東國征伐的計畫表與彙整懸念事項等文件,也無從推測信忠想諮詢的內容。

東国征伐の計画表や、懸念事項等がまとめられている書類を読み込んでも信忠が相談したがっていることに見当がつかなかった。

於是靜子想,若是實際在現場運作的人,或許能看出眼前的問題點。

そこで実際に現場を運用している人間ならば、見えている問題点があるのではないかと静子は考えた。

首先向統括間諜的真田昌幸發出到場請求。最優先的是東國征伐本身,若以預期外的行動擾亂現場便本末倒置。

手始めに間諜を統括している真田昌幸へと出頭要請を出す。何よりも優先すべきは東国征伐そのものであるため、予定外の行動で現場を混乱させたのでは本末転倒となる。

即便如此,在發出請求的翌翌日,昌幸本人與統合間者、可稱為間者頭(かしら)的職位者已在靜子面前齊聚。

それでも要請を出した翌々日には昌幸本人と間者を取りまとめている間者頭(かしら)とでも言うべき地位の人間が静子の前に揃っていた。

靜子一旦被識破面目會影響業務,所以除了昌幸之外,其他人都戴著面罩會見。

静子にすら面が割れると業務に支障が出るため、昌幸以外は覆面を付けた状態での面会となる。

「首先感謝你們應急來援。多虧大家的盡力,我軍得以有利推進計劃。雖然會給各位添不少麻煩,還請今後多多關照。」

「まずは急の要請に応じてくれたことを感謝します。皆さんの尽力により、我が軍は有利に計画を進める事が出来ています。何かと苦労を掛けるとは思いますが、これからもよろしく頼みます」

一開口靜子便向昌幸一行表達謝意。間者們字面上拼上性命潛入敵地,搜集有用情報後帶回。

開口一番、静子は昌幸一行に謝意を述べた。間者たちは文字通り命懸けで敵地に潜り込み、有用な情報を収集した上で持ち帰ってくれる。

多虧他們成為靜子的眼與耳,能事先察覺危險並採取對策,也能有效突顯敵方弱點。

彼らが静子の目や耳となってくれているお陰で危険を事前に察知して対策も打てるし、敵側が抱える弱点を効果的に突くことが出来ている。

話雖如此,間者為徹底的幕後角色,他們的存在雖為人知但從未受到讚揚。即便了解情報重要性的靜子與信長,也無法公開表彰他們。

とは言え間者は裏方に徹する存在であるため、その存在は知られども賞賛されることは皆無であった。情報の重要性を知悉(ちしつ)している静子や信長をしてさえ、表立って彼らを表彰することは出来ない。

而且他們也不渴望如此,成名對他們而言即是通往死亡。榮譽應歸於他們的頭領昌幸,並非他們個人所能沾浴,這點他們銘記在心。

また彼らもそれを望んではいない。彼らにとって有名になることは、即ち自らの死に繋がるからだ。栄誉とは彼らの頭領である昌幸に寄せられるものであり、自らが浴するものではないと肝に銘じていた。

但人畢竟是有情感的生物,能被像靜子這樣的重鎮當面致謝,豈會不高興。

しかし、それでも人間は感情の生き物であるため、こうして静子のような重鎮から面と向かって謝意を告げられて嬉しくない筈がない。

他們在掩面之下顫抖著感動,這正說明了間者在世間地位被壓得如此之低。

彼らは面を伏せたまま感激に打ち震えていた。それほどまでに世間一般に於ける間者の地位は低く抑えられていたのだ。

原因在於,使用他們的權力者最畏懼的就是間者自身,普遍有種觀念:若厚待使其得勢將成禍害。

何故なら彼らを使用する立場の権力者が最も恐れる存在が他ならぬ間者であり、下手に厚遇して力を付けられては困ると言う考えが蔓延していたためである。

然而靜子即便織入那些風險,仍選擇厚待他們。也因為她身為能比其他任何處更優遇的主君,且擁有清除那些特意對她露出獠牙之犬的能力,這也是原因之一。

しかし静子はそれらのリスクを織り込んでもなお、彼らを厚遇することにしていた。他の何処よりも優遇してくれる主君に対して、態々牙を剥くような犬ならば粛清できるだけの力を有しているのも一因ではある。

「那麼請各位告知我關於武田與北條近況中令妳們在意之處。即便情報確度不高也無妨,只要附註即可,我會逐一斟酌。無需拘謹,一邊用餐一邊隨意發表意見即可。」

「さて皆には武田及び北条の近況について気になることを教えて欲しい。情報の確度が低くても構わない、その旨を付け添えて報告して貰えれば都度勘案します。畏まる必要はありません、食事でも取りながら気軽に意見を述べて下さい」

如此說畢,靜子啪地拍手示意,受命的家人便擺開桌椅與菜餚。眾人就席,待擺盤完畢後靜子宣布解除禮節限制。

そう言うと静子はぱんぱんと柏手を打ち鳴らし、合図を受けた家人たちが机と料理を並べてゆく。全員が席に着き、配膳が終わるのを待って静子が無礼講を宣言した。

各間者頭起初雖然困惑,但見到作為頭領的昌幸大笑著飲食、與靜子親切交談,緊張逐漸舒緩。

それぞれの間者頭は最初こそ困惑していたが、頭領たる昌幸が大いに笑って飲み食いし、気安く静子と会話する様を見て次第に緊張が解ける。

除靜子外的人也供了少量酒,隨著宴席熱絡,眾人的話也越發流暢。

静子以外の面々には少量とは言え酒も供され、宴会に熱が入ると皆の口も滑らかになっていった。

「這並非完全核實,但屬相當可信的情報。最近看起來穴山梅雪正與德川方接觸。」

「これは裏取りが完全ではありませんが、かなり確度の高い情報です。ここのところ穴山(あなやま)梅雪(ばいせつ)が徳川方と接触しているようです」

「嗯。說到穴山便是武田家世代家臣、御一門衆之一。如此重量級的人物會與德川通消息嗎?也沒聽說他與當代勝頼有不和,這情報確定嗎?」

「ふむ。穴山といえば武田家譜代の臣、御一門衆の一角。それほどの大物が徳川に内通するか、当代である勝頼との間に不和があるとも聞かないけれど確かなのかな?」

穴山在史實中亦曾背叛勝頼、與信長內通有前例。然而在現狀與史實有大幅偏離的情況下,靜子對穴山會背叛持懷疑態度。

穴山は史実に於いても勝頼を裏切り、信長と内通した実績を持つ。しかし、史実の状況から大きくズレが生じている現状、静子としては穴山の裏切りに懐疑的であった。

況且戰事開打前大勢已成,現在才背叛也不可能獲得厚遇。若是假意通敵探取織田方情報成為雙料間諜,也會很麻煩,因此接納入內本身並非良策。

なにしろ開戦前から大勢は決しているため、今更裏切ったところで彼が厚遇されることなどあり得ない。内通したふりをして織田方の情報を探るダブルスパイになられても面倒であるため、内側に招くこと自体が得策でない。

再者,武田對外是用來彰顯織田家才是武家統領的祭品。與其討伐破敗不堪的武田,不如擊敗稍具實力的武田在宣傳效果上更佳。

何より武田は、織田家こそが武家の統領であるという事を世間に知らしめる贄(にえ)である。ボロボロの武田を討つよりも、少しでも充実した陣容の武田を討ち破った方が宣伝効果は高くなる。

「因此才會向德川方靠攏。沒有機會投靠織田家。但若是德川大人的話……」

「故に徳川方なのです。織田家には取り入る隙がありません。しかし徳川様ならば……」

察覺到靜子的言下之意,間者頭發表己見。確實德川家對外門戶寬廣,穴山被起用的可能性存在。

静子の言わんとするところを察して、間者頭が自説を述べる。確かに敵方にも広く門戸を開いている徳川家ならば、穴山が登用される目もあろうというものだ。

「原來如此。德川家也有能臣,但若要追求稱霸,似乎仍不足以讓人放心。」

「なるほど。徳川家も有能な家臣を抱えてはいるが、それでも覇道を目指すならば心もとないと言ったところか」

對穴山而言,與其白白投身無勝算的戰事,作為穴山家當主更有保存血脈的義務。舉例雖不佳,但即使未被一流企業錄用,二流企業也能有一線發揮,這樣想也無可厚非。

穴山としてもみすみす勝算の無いいくさに身を投じるよりも、穴山家当主として己が血筋を残す義務がある。たとえは悪いが一部上場企業に採用されずとも、二部上場の企業ならば第一線で活躍できると考えるのは当然かもしれない。

若是德川家收納武田重臣,確實有利於掌控甲斐國。對甲斐民而言,若由熟悉的穴山擔任窗口,也能避免不必要的摩擦。

実際に徳川家ならば武田の重臣を召し抱えた場合、甲斐の国を支配する上で有利に働くことは間違いない。甲斐の民にとっても馴染みのある穴山が窓口となれば、無用な摩擦は避けられるだろう。

對德川家康本人亦然,展現只要有能即重用即便是敵人的胸懷,能吸引更多有才的武將。

そして徳川家康自身にとっても、有能であれば敵であっても重用するという度量を示すことで、有能な武将が集まりやすくなる。

「穴山想那樣打算倒也自由,不過戰後對武田領地的處置是上樣的專斷事項,沒那麼好隨心所欲吧。」

「穴山がそう企むのは勝手だけれど、戦後の武田領についての差配は上様の専決事項、そうそう思うようには進まないよね」

大張旗鼓宣布東國征伐並主導的是信長。家康僅因與信長的同盟而出面輔佐,說不定他們甚至可能不與武田正面交鋒。

東国征伐を大々的に宣言し、音頭を取っているのは信長である。家康はあくまでも信長との同盟関係から補佐に名乗り出ているだけであり、下手をすれば彼らが武田と切り結ばない可能性すらある。

再者,織田與德川的結合強固到外人難以想像。若比喻為企業,原本以為是資本無關的獨立公司,實際上更像已被納入供應鏈的集團企業,這麼說或許更易理解。

更に言えば織田家と徳川家の結びつきが余人からは想像し得ない程に強固になっているというのもある。資本関係の無い別々の企業かと思っていたが、完全にサプライチェーンに組み込まれたグループ企業に似た立ち位置になっていると言えば判り易いだろうか。

若類比現代國家,近似美國與日本的關係。俗話說『美國打噴嚏,日本就感冒』,織田與德川已是不可分割的關係。

現代の国家になぞらえるならば米国と日本の関係に近い。『米国がくしゃみをすれば、日本が風邪をひく』という言い回しがあるように、既に織田家と徳川家は切っても切り離せない関係になっているのだ。

即便德川欲反旗向織田,也在領地、兵力乃至經濟力上差距懸殊。靜子作為窗口從最靠近的角度觀察此情勢,德川自不可能輕率行動。

仮に徳川家が織田家に反旗を翻そうとも、既に支配領土も保有戦力も、経済力ですらけた違いである。そうした状況を一番間近から静子を窓口として観察しているだけに、徳川家としても迂闊な行動を取るわけにはいかない。

何況就算被懷疑企圖下克上也會招致不利。當然家康也不可能只是唯唯諾諾地服從;他無疑在虎視眈眈等待取代織田的時機。

何せ下克上を企んでいると疑われることすら不利益につながるのだ。尤も家康とて唯々(いい)諾々(だくだく)と従っているわけではないだろう。いずれは織田家に成り代わらんと、虎視(こし)眈々(たんたん)と機会を窺っていることは疑いようもない。

綜合至此情勢,無論穴山本人是否理解,德川接納穴山的可能性都被預期為相當低。

ここまでの状況を考慮すれば、徳川家が穴山を迎え入れる可能性は、当の穴山がそれを理解しているか否かは別として相当に低いと予想される。

「雖然我並無干涉他處人事的權限,但穴山是否值得冒著惹上上樣不悅風險去爭取,真是個問題?」

「一応他所(よそ)の人事に口を出す権限はないけれど、穴山は上様の不興を買うリスクを冒してまで欲しい駒なのかな?」

「關於甲斐國,有所謂的問題(日本住血吸蟲),必須從民生習慣全盤改變。那些愛因循前任統治者作法的舊臣恐怕只會成為阻礙。」

「甲斐の国に関しては例の問題(日本住血吸虫のこと)があるため、民草の生活様式から一変させる必要があります。前例を踏襲したがる前統治者の重臣など害にしかならないでしょうな」

「沒錯。先誘使其背叛再拋棄名聲也不好,根本上使交涉破裂才是聰明的做法吧。」

「そうだね。裏切らせておいて捨てるのも外聞が悪いし、そもそも交渉を決裂させるのが利口なやり方だろうね」

再者既然要同行行軍,關於甲斐國那近乎詛咒般的環境污染已經說明過。家康自幼歷經苦難,懂得分辨,不會輕易吹噓『你做不到,但我會做得更好』之類的大話。

更に言えば行軍を共にする以上、甲斐の国が抱える呪縛にも等しい環境汚染については説明済みである。そして幼少期より苦労を重ねてきた家康は、「お前には無理だろうが、俺ならばもっと上手にやる」といった大口を叩かないだけの分別があった。

可悲的是即使在現代,領袖們也常說這句臺詞,但真正取得成果的人雖不能說沒有,卻也只是寥寥數人。外表看來容易的事,實際去做就有相當的困難。

哀しいかな現代に於いても頻繁に指導者たちが口にするこの台詞(せりふ)だが、実際に成果を上げた人というのは絶無とは言わないがほんの一握りに過ぎない。外から見ていれば簡単そうに見える事柄でも、実際にやるとなれば相応のむずかしさが存在するのである。

「關於穴山一事暫時先留在我這裡。待有一定程度的後證請告知我,我會向上樣報告。若德川大人已向上樣諮詢則為佳,否則可能會對東國征伐造成些許影響。」

「穴山の件については暫く私の処で留めて置きましょう。ある程度の裏が取れ次第、私に報せて下さい。私から上様に話をするようにします。徳川様が上様に何らかのご相談をされていれば良し、さもなくば少し東国征伐に影響が出るかもしれませんね」

「要告訴上樣!? 那個……要取得可說是絕對的證據,恐怕得把穴山本人綁來才行……」

「上様に!? その……絶対と言える程の証拠は穴山本人を攫いでもしなければ得られませんが……」

間者頭不安也不是沒有道理。過去信長對於帶來無確證的曖昧情報者曾處以處罰,反過來對因無確證而未上報重要情報的間者亦一律處斷。

間者頭が不安を抱くのも無理はなかった。過去に信長は確証のないあやふやな情報を齎したもの、逆に確証がないからと重要な情報を報告しなかった間者を例外なく処断している。

這足以證明信長對情報的重視,但在那些間者眼中,他顯得冷酷無情。從信長立場看,被畏懼總比被輕視好,他大概會一笑置之。

信長がそれだけ情報というものを重要視している証左だが、当の間者から見れば冷酷無情な人物に映っていた。信長からすれば侮られるよりは、恐れられた方が良いと一笑に付すだろう。

「情報有新鮮度可言。雖是釈迦說法,與其徒然耗費時間去取得確證,不如帶着情報的確度來報告,殿下會更高興。那位剛毅果斷,但並非小氣的君主,與情較之,更重視實利;若是有用之事,決不會被無視。」

「情報には鮮度というものがあります。釈迦に説法となりますが、確証を得るため徒(いたずら)に時間を掛けるよりも、情報確度を添えて報告した方が上様は喜ばれるでしょう。かの御方は剛毅(ごうき)果断(かだん)ですが、狭量な主君ではありません。情よりも実利を優先される方であり、有用ならば決して無下に扱うような真似をされません」

「哈哈」

「ははっ」

「今後的方針是對穴山的動向更加注意。若能確認他與德川有聯繫,則不需再加強監視。反之,若確定交涉破裂,也請終止監視。」

「今後の方針としては穴山の動向に一層の注意を払って下さい。徳川と繋がっている裏が取れれば、それ以上の監視は不要です。逆に交渉が決裂したとわかった場合も、監視を終了して下さい」

因為事關重大,雖然小心再小心地做了對策,但靜子仍對此事保持樂觀。依她所見,家康無疑是能幹之人,並非會在此種局面上判斷失誤的庸者。

大事の前であるため、念には念を入れて対策を講じたが、静子はこの件を楽観視していた。静子の見る限りに於いて、家康は間違いなく有能な人物であり、この程度の局面で判断を見誤るような小者ではないからだ。

或許不久之後與穴山的交涉會決裂,陷於失意的穴山會去尋找其他受容之處。若他在德川家中取得重要地位會有問題,但若非那種情況,靜子認為可以置之不理。

恐らく遠からず穴山との交渉は決裂し、失意にくれた穴山は別の受け入れ先を模索することになるだろう。徳川家の中で重要な地位を占められると困るが、それ以外であれば放置しても構わないというのが静子の認識であった。

「關於穴山就這樣吧。還有別的事嗎?」

「穴山に関してはこれで良しとしましょう。他には何かありますか?」

「哈,實際上——」

「はっ、実は——」

靜子再次發話後,也許是穴山的話題成了引子,其他間者頭領也紛紛開口,熱烈的討論開始了。

静子が再び話を振ると、穴山の件が呼び水となったのか、他の間者頭も次々に声を上げ活発な議論が始まった。

自從收到信忠的事先通知後,靜子整理有關武田與北條的情報,做好萬全準備,穿著正裝親自迎接信忠。

信忠からの先触れを受けて以来、武田と北条に関する情報を整理し、万全の準備を整えた上で正装に身を包んだ静子自らが信忠を出迎えた。

至於信忠,他竟然未帶隨從獨自閒散現身,還說了讓人意想不到的話。

一方の信忠と言えば、供すら連れず一人でふらりと現れたかと思えば、突拍子も無い事を言い放った。

「看起來挺打扮得體的,今日有什麼慶事嗎?」

「随分とめかし込んでおるようだが、今日は何かの祝い事か?」

靜子起初聽不懂信忠的話,但怒氣逐漸湧上心頭。她像責備頑皮孩子般要拍信忠的頭,平日勤於鍛鍊的信忠險些躲開。

はじめは信忠の言葉を理解できなかった静子だが、ふつふつと怒りの感情が湧きあがった。静子は悪戯をした子供を叱るかのように信忠の頭を叩こうとしたが、日々鍛錬を積んでいる信忠は紙一重で身を躱(かわ)す。

「你要做什麼,這樣很危險吧」

「何をする、危ないではないか」

「我派了正式的使者來,你對我這般相應的迎接,這種說法可不行吧?」

「正式な遣いを寄越すから、相応の出迎えをした私に対して、その言い草はないでしょう?」

「原來是這麼理解的。靜子平日常抱怨父上突如其來上門,我只是發了先觸而已。你我之間無需那麼拘泥形式。」

「なるほど、そう受け取ったか。静子が日頃から父上が唐突に押しかけて来ると愚痴をこぼしていたから、先触れを出したまでのこと。俺と貴様の間柄なのだから堅苦しい形式なぞ要らぬ」

「……知道了。那麼既不是把你當作織田家的下任當主,而是當成附近的壞孩子,所以晚餐就免了吧」

「……判った。それじゃ織田家の次期当主ではなく、近所の悪ガキ相手だから晩餐(ばんさん)は不要だね」

「既然好不容易準備了,浪費可惜,就欣然受用吧」

「折角用意して貰ったものを無駄にするのは惜しい、有難く頂戴するとしよう」

兩人互相調笑著移到靜子的私室。原定把信忠安排在上座於謁見之間會談的計劃已被取消。

二人は互いに軽口を叩き合いながら静子の私室へと移動した。当初の予定では信忠を上座に据えて、謁見の間にて会談予定だったのだが中止となった。

隔着一張襖的隔壁房間裡才藏與小姓也在待命,但此刻房內只剩靜子與信忠兩人,面對面坐於掘炬燵時信忠開口了。

襖一枚隔てた隣室には才蔵や小姓も控えているが、今この部屋にいるのは静子と信忠の二人きりとなり、掘り炬燵(ごたつ)に向い合せに座ると信忠が口を開いた。

「雖說是下任當主,但如你所見父上身體康健,短期內這擔子不會輪到我。別讓我受那種拘泥形式的應對。」

「次期当主とは言うが、あの通り父上もご健勝だ。当分お鉢が回ってくることはあるまいよ。堅苦しい応対は勘弁してくれ」

怕冷出乎意料的信忠把下巴靠在炬燵的天板上,像鑽進被褥一般取暖。靜子苦笑著看著他,親手剝開放在籃中的蜜柑皮遞給信忠。

意外に寒がりな信忠は炬燵の天板に顎を載せ、掛布団に潜り込むようにして暖を取っている。静子はその様子を苦笑しながら眺めつつ、手ずから籠に盛られた蜜柑の皮を剥いてやると信忠に差し出した。

信忠只露出一隻手從被褥中接過,將果實拆成一瓣瓣放入口中。

信忠はそれを片手だけ掛布団より出して受け取り、一房ずつに小分けにして口に放り込んでいる。

「與其突然被奉為當主,不如有這樣的熟習期不是更好嗎?」

「いきなり当主に祀(まつ)り上げられるよりも、こうして習熟期間がある方が良いでしょう?」

「確實如此。不過那些貪得無厭的人互相試探腹中打算,真讓人厭煩。往往想耍手段的人恰恰沒用,難以收拾。」

「確かにな。しかし、欲の皮が突っ張った連中どもの腹の探り合いにはうんざりさせられる。そういう横車を押そうとする輩に限って役立たずときているから始末に負えぬ」

「沒錯。但若成為無戰事的太平時代,擅長腹中權術的人會崛起。武官若不留神,可能會被打入閑職喔?」

「そうだね。でもいくさの無い泰平の世になれば、そうした腹芸の出来る人が台頭してくるからね。武官はうかうかしていると閑職に追いやられるかもしれないよ?」

史實上在豐臣政權下也可見武官與文官的對立。雖然也有說是策劃推翻豐臣政權的德川家康煽動對立的一面,武斷派(負責軍務的派閥)與文治派(負責政務的派閥)彼此反目,對立加深。

史実に於いても豊臣政権下で武官と文官の対立が見られた。豊臣政権の転覆を企む徳川家康が対立を煽ったという側面もあるものの、武断派(軍務を担う派閥)と文治派(政務を担う派閥)は互いに反目し合い対立を深めた。

以武斷派代表的加藤清正、福島正則等人,隨著豐臣秀吉天下統一進展,活動機會被剝奪,鬱鬱不得志。

武断派の代表格である加藤清正や福島正則らは豊臣秀吉による天下統一が進むにつれ、活躍の機会を奪われて燻(くすぶ)るようになる。

一方面,以石田三成、小西行長為代表的文治派,透過掌管政權內政發揮存在感,逐漸佔據重要地位。

一方、石田三成や小西行長に代表される文治派は、政権の内政を担うことで存在感を発揮し、徐々に重要な地位を占めるようになった。

能巧妙導致豐臣政權崩潰並奪取天下的德川家康,後來卻也為武斷派與文治派的對立而頭疼,真是諷刺至極。

まんまと豊臣政権を崩壊に導き、天下を取った徳川家康も後に武断派と文治派の対立に頭を悩ませることになるのは、皮肉としか言いようがない。

只是德川幕府不同於豐臣政權,以家康為中心推進中央集權,能以強權諫止對立,因此未演變成大事。

ただ徳川幕府は豊臣政権とは異なり、家康を中心とした中央集権化が推し進められており、強権を以て対立を諫める事が出来たため大事には至らなかった。

「靜子,你會如何平息將至的太平年代中文官與武官的對立?」

「静子ならばいずれ訪れる泰平の世に於ける文官と武官との対立をどう収める?」

「嗯,我會給那些以生命建功而自豪的武官以領地這種看得見的報酬,但不授予官位。相反,文治派則不給領土,改以職位與官位安定其身分,以此取得均衡。」

「そうだね、命懸けで身を立てた事に誇りを持っている武官には領地という目に見える見返りを与え、代わりに官位を与えない。逆に文治派は領土を与えない代わりに、役職や官位を与えることで身分を安堵して均衡を取るかな」

或許對靜子的回答感到有興趣,信忠在把一顆剝半的蜜柑一口吃下後說道。

静子の回答に興味を持ったのか、信忠は半分に割った蜜柑を一口に食べた後に言葉を放つ。

「人的欲望無止境。若得了領地,接下來一般會想要官位,不是常情嗎?」

「人の欲には限りがない。領土を手に入れたならば、次は官位を得たいと思うのが世の常ではないか?」

「當然會如此,但若兩者都想得到,就得在軍務與政務兩方面都表現出色才行。太平之世武力的重要性理應下降。不應依附於過去的榮光,而是適應新時代者才能生存。『適者生存』乃自然法則。」

「当然そうなるだろうけど、両方を欲するのならば軍務・政務の双方で頭角を現して貰わないとね? 泰平の世になれば武力が持つ重要性は下がるのが道理。過去の栄光に縋(すが)るのでは無く、新しい時代に適応したものが生き残る。『適者生存』こそが自然の摂理だよ」

「對於把半生獻給武事的老兵來說,這頗為苛刻呢」

「半生を武に捧げた老兵には厳しいな」

「若同時擁有領土與官位而顯示絕大權勢,權力與權威就會一極集中,這很危險。尤其領土是賜與家而非個人,若後繼者愚鈍,便會生出暴君。」

「領土と官位の両方を得て絶大な権勢を誇るようになれば、権力と権威が一極集中するから危険だよ。特に領土は個人ではなく、家に与えられているから後継者が愚鈍ならば暗君を生むことになる」

直到江戶末期,日本普遍以官職與位階來表示家格。戰國時代由朝廷賜予的官位,也被用作治理領地的正當名分。

江戸末期までの日ノ本では、家格を官職と位階で示すのが一般的であった。戦国時代に於いても朝廷より賜る官位は、領地を治める大義名分として利用された。

其中最有名的或許是上杉家所持有的關東管領一職。上杉謙信便以此官職為由,數度攻向北條。

中でも有名なのは上杉家が持つ関東管領(かんとうかんれい)だろう。上杉謙信はこの役職を理由に幾度か北条へ攻め込んでいる。

即便在現代亦是如此,財產(領地)和官職(官位)所擁有的影響力很大。取得不相稱的地位者常常會引發問題。

現代でも言えることだが、財産(領土)や肩書き(官位)の持つ影響力は大きい。不相応な地位を得たものは往々にして問題を起こす。

「其人自我毀滅是自作自受,但最後被迫付出代價的卻是領民們。」

「本人が身を滅ぼすのは自業自得だけれど、最終的にツケを払わされるのは領民となる」

「原來如此。如果百姓發動暴動,就可以藉此理由廢掉一族的家業,這樣的意思嗎?」

「なるほどな。もし民が暴動を起こせば、それを理由にお家を取り潰す事も出来るという訳か」

「卑劣的手段會招致反彈喔?雖然常被使用,但若以輕率的方法介入生殺予奪之事,必會受到痛烈的反擊。」

「阿漕(あこぎ)なやり口は反発を招くよ? 良く使われる手ではあるけれど、生殺与奪に関わることに安易な手段で踏み込めば、手痛いしっぺ返しを貰うことになる」

在長期太平的江戶時代,為了削弱地方大名的權力,實施了參勤交代與轉封,且以統治失敗為由廢家產的情況時有所聞。

泰平の時代が長く続いた江戸時代では、地方の大名がもつ力を削ぐため参勤交代や転封が行われ、統治の失敗を理由にお家取り潰しが横行した。

「凡事適可而止很重要。做得太過會引發社會不安,而身處其中的人通常察覺不到,這才是問題所在。」

「何事もほどほどが肝要よ。やり過ぎは社会不安を招くけれど、渦中の人間はそれに気付けないから問題だね」

在德川幕府,從初代家康到三代將軍家光為止,為了鞏固幕府的支配構造,四處清算豐臣系的大名。

徳川幕府に於いて初代の家康から三代将軍の家光までは、幕府による支配構造を定着させるため豊臣系の大名を潰して回った。

若家被廢,理所當然而喪失俸祿的家臣也會失去生活來源,成為浪人四處流離。

お家を取り潰せば、当然その禄(ろく)を食(は)んでいた家臣も食い扶持を失い、浪人となって流離(さすら)うこととなる。

成為浪人的他們會再尋求仕官之所,但除了極少數有才能者外,多半被門前拒之。也有人捨棄武士身分,轉而以農民為生。

浪人となった彼らは再度仕官できる先を求めるが、余程の才覚があるもの以外は門前払いとなってしまう。中には武士の身分を捨てて農民に身をやつす者もいた。

受到此等待遇者的不滿會轉向造成原因的幕府,並在慶安之變、承應之變中表面化出來。

こうした扱いを受けた者たちの不満は、原因となった幕府へと向かい慶安(けいあん)の変や、承応(じょうおう)の変となって表面化することになった。

這些事件進一步孕育出反對以武力革命的風氣,促成從武斷走向文治的方針轉換。

こうした事件が更に武力に依る革命を嫌う気風を生み、武断から文知への方針転換を後押しすることになる。

「真是受益良多啊。就這樣幫我輔佐也不賴。」

「いやはや為になるな。この調子で俺の補佐もして欲しいものだ」

「別得意忘形。王者總是孤獨的,最終做決斷的還是你。」

「調子に乗らない。王者は常に孤独なものよ、最終的に決断を下すのは貴方になるんだから」

「也罷。我也有想依賴他人的時候。對武田的憂慮已消,但北條實在難以處理。」

「良いではないか。俺にだって誰かに頼りたい時もある。武田に関しては懸念も消えたが、北条は如何ともし難いのだ」

信忠所指的對武田的憂慮,是他早已透過書信與武田信玄的五女松姬加深關係。

信忠の言う武田に関する懸念とは、彼が予(かね)てより文を通じて関係を深めていた武田信玄の五女にあたる松姫であった。

自第一次東國征伐後中斷的書信往來,因一名超乎常規的送信人——華嶺行者的出現而得以恢復。

第一次東国征伐以降途絶えてしまっていた文のやり取りは、華嶺行者という規格外の配達人の登場を機に再開されることとなる。

他單獨踏破無路可走之地,無人發現地把信忠的信送到松姬手中,甚至還能帶回她的回信。

単独で道なき道を踏破し、誰にも見つかることなく信忠の文を松姫に届け、あまつさえ彼女からの返信すらも持ち帰ることが出来るのだ。

兩人的話題必然集中於第二次東國征伐。年輕的兩人被命運戲弄,彼此相愛卻將成為敵人,於是有一隻意想不到的援手伸出。

二人の話題は必然的に第二次東国征伐に関することに収束してゆく。互いに想い合っている者同士が敵となる運命の悪戯に翻弄される若い二人に、思いもよらない手が差し伸べられた。

救援之手以書信的形式送到信忠手中。寄信人為武田勝頼,內容是認為將松姬捲入不久將成為敵人的彼此之間實在太過可憐。

救いの手は信忠の許へ書状と言う形を取って届けられる。差出人は武田勝頼であり、内容は遠くない将来に敵同士となる自分達に松姫を巻き込むのは余りにも不憫(ふびん)。

面對敵對,提議讓松姬寄居於信玄的菩提寺惠林寺,由勝者前去迎接她。

敵対を前にして松姫は信玄の菩提寺でもある恵林(えりん)寺に身を寄せさせ、勝者となった側が迎えに行くというものであった。

勝頼的提案,信忠與松姬雙方無法拒絕。對勝頼而言,即便遭逢敗北,這也是能將武田血統留於史冊的起死回生之策。

この勝頼の提案は、信忠と松姫側に否やは無く。勝頼としても己が敗北を喫したとしても、武田の血統を歴史に残すことが出来る起死回生の一手でもあった。

「關於北條的事……難道是柴田大人牽涉其中?」

「北条の件って……もしかして、柴田様が絡んでいる?」

靜子對皺眉的信忠提出問話。靜子的提問正中要害,信忠一聽到柴田之名便僵住並沉默不語。

眉を顰(ひそ)める信忠に静子は問い掛けた。静子の問いは正鵠(せいこく)を射ていたようで、信忠は柴田の名を耳にした途端に身を固くして押し黙る。

信忠想必是鬆懈了,後悔向姊般的靜子洩露了本不該示人的弱點。

信忠としても気が緩んでいたのだろう、姉貴分である静子には決して見せないつもりの弱みを漏らしてしまった事を悔いていた。

看出信忠異狀並悟出情勢的靜子,為不讓信忠察覺而偷偷嘆了口氣。對信忠而言,譜代重臣是個棘手的存在。

信忠の様子を見て状況を察した静子は信忠に気付かれないようにため息をついた。信忠にとって譜代の重臣というのは厄介な存在だ。

前述的武斷派為先鋒,在這次東國征伐中也擔任征討北條的總大將之位,深受信長信賴。

前述の武断派に於ける急先鋒であり、今回の東国征伐でも北条征伐の総大将に収まるなど、信長からの信任も厚い。

身為信長的繼承人,信忠被任命為統轄整個東國征伐的總大將,但他對自身武功不足的自覺恐怕最深。

信長の後継者という立場上、信忠が東国征伐全体を統括する総大将に据えられているが、武功の不足は他ならぬ信忠が一番自覚しているところであろう。

「叫我不要在意是不可能的吧?」

「意識するなって言うのは無理なんだよね?」

「若我這個父親的繼承者不能立下無愧於人的武功,就會對那等白手起家的人物感到自卑。」

「俺が父上の後継者として誰恥じぬ武功を立てねば、その身一つで成り上がった御仁に気後れしてしまう」

「這次東國征伐只能拼了命了吧。」

「今回の東国征伐で頑張るしかないよね」

「等等! 丟了這麼多臉,至少應該給我一條忠告不是嗎?」

「待ってくれ! ここまで恥を晒したんだ、何か助言の一つもあって良かろう?」

「那個嘛……我打算盡量不參與織田家內的權力鬥爭,天下一統之時想要隱居……」

「そこは、ほら。私は織田家内の権力闘争には極力関わらず、天下統一がなった暁には隠居したいと思っているから……」

「靜子你哪可能隱居!就算是白日夢也太過分了。」

「静子が隠居なぞ出来るはずが無かろう! 白昼夢にしても酷いぞ」

「才不會,那麼果真捨棄世俗而出家就能隱居了!」

「いやいや、流石に世俗を捨てて出家すれば隠居出来るはず!」

「既然還俗這條路存在,出家也只會被帶回去。況且父上在世時,出家這種事根本不會被允許。」

「還俗(げんぞく)という手段がある以上、出家しても連れ戻されるだけだ。そもそも父上の目が黒いうちは、出家など許されぬだろう」

「……即便出家,也很容易想像他們會衝到寺裡把你帶回去的樣子。」

「……仮に出家しても、寺まで押しかけてくる様が容易に想像できるよね」

信忠所說的——即便出家也會被信長擺佈的未來一旦可見,靜子不禁垂下肩,愁然若失。

信忠が言うように出家しても信長に振り回される未来を予見できてしまい、静子は悄然と肩を落とすのだった。

「只是,即便像靜子說的為了對抗柴田殿而立功,遲早文治派的興起仍會到來。武斷派與文治派的對立已見端倪,在那之前我也必須在政務能力上有所表現。」

「しかし、静子の言うように柴田殿に対抗するため武功を上げたとて、いずれは文治派の台頭が待っている。既に武断派と文治派の対立の兆しは見えているし、それまでに俺は政務能力でも功を示さねばならない」

「要是需要幫手就帶勝藏君去?他雖以蠻力見長,但他的真本領其實在腦力戰。」

「助けが欲しいなら勝蔵君を連れていく? 彼は力押しが目立つけれど、彼の真骨頂は頭脳戦にこそあるんだ」

「那傢伙雖然言行粗豪,但也是個有文化的人。不熟悉長可者會對他心存疑慮,但他思路敏捷且富有彈性。不過因偏好明顯靠暴力解決,看起來就是個暴徒罷了。」

「あの言動ながらに文化人だからな。長可を良く知らぬ者は疑ってかかるが、あ奴は頭の回転も早く柔軟な発想力を持っている。ただ誰の目にも判り易い暴力に依る解決を好むから乱暴者に見えるのだがな」

長可是經常違反軍規的人,但嗜好當下最流行的茶道,拿起筆來能讓京都的文人也讚嘆不已。更令人驚訝的是,就連吟詠和歌也不遜色於一流之輩。

軍規違反の常連である長可だが、流行の最先端である茶の湯を嗜み、筆をとらせれば京の文人をも唸らせる。更には和歌を詠ませても一流どころに見劣りしないというのだから驚かされる。

「說起來,當事人本人好像不見了?」

「そう言えば、当の本人の姿が見えないようだが?」

「勝蔵君?說什麼要把自己置於死地,結果在和慶次先生玩鬼抓人。」

「勝蔵君? 死地に身を置くとか言って、慶次さんと鬼ごっこしているよ」

「是嗎……」

「そうか……」

信忠暗自祈願那個可能會幫助他的人平安無事。

信忠は己を助けてくれるかも知れない人物の無事を密かに祈っていた。