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戦国小町苦労譚

千五百七十四年 七月中旬

靜子從柴田等人那裡收到諮詢已經過了一週。然而,並未聽到軍議重新召開的消息。儘管如此,靜子仍樂觀地認為沒有消息就是好消息。

静子が柴田達から相談を受けて、既に一週間が経過していた。しかし、軍議が再開されたという話は聞こえてこない。それでも静子は、便(たよ)りが無いのは良い便りとばかりに楽観視していた。

對靜子而言,比起戰事的準備,可可豆的完成度更為重要。如果發酵如預期進行,該是進入下一道工程──乾燥作業的時候了。

静子にとってはいくさの支度よりも、カカオ豆の仕上がりの方が重大事であった。期待通りに発酵が進んでいれば、そろそろ次の工程である乾燥作業に入らねばならない。

為了評估發酵程度,靜子實際割開可可豆進行確認的切割測試。檢查項目有兩項:確認色澤與香氣,以評定發酵程度。

発酵具合を評価するため、静子は実際にカカオ豆を割って確認するカットテストを実施した。検査項目は2つ。色合いと、香りを確認し、発酵具合を評価する。

發酵前的可可豆斷面會呈現由一種多酚──花青素所致的紫色。隨著發酵進行,發酵熱使其發生重合反應,顏色會轉為褐色。

発酵前のカカオ豆であれば、断面はポリフェノールの一種であるアントシアニンによる紫色を呈している。この紫色は発酵が進むほどに発酵熱で重合反応を起こし、褐色を呈するようになる。

確認完色澤後,再來檢視香氣。這種氣味與巧克力相去甚遠,有種讓人聯想到味噌般黏膩卻帶著些許甜味的香氣。

色味に次いで、香りについても確認してみる。チョコレートとは程遠い、どこか味噌を思わせるようなねっとりとしていながら、それでいて甘いような香りがする。

若發酵順利會有較強的酸味,但因環境不同而作罷,決定轉入乾燥工序。

順当に発酵が進んでいれば、もっと酸味のある香りがするのだが、そこは環境の違いと諦めて乾燥工程へと移ることにした。

可可豆重量中約三分之一是水分。把這水分量降到約8~6%這項作業稱為乾燥工程。

カカオ豆は重量のうち、三分の一程を水分が占める。この水分量を8〜6%程度まで減らす作業を乾燥工程と呼ぶ。

在原產地進行的乾燥作業,是在露地等地搭起約一公尺高的木框,鋪上木格板,將可可豆攤放其上,進行日曬乾燥。

原産地で実施される乾燥作業は、露地などに1メートルほどの高さに木枠を組んだ上に『すのこ』を敷き、その上にカカオ豆を並べ、天日乾燥を行う。

由於在乾燥過程中發酵仍會緩慢進行,當地土壤菌種與乾燥方式會影響可可豆的風味。

この乾燥作業中にもじわじわと発酵が進むため、現地の土壌菌や乾燥方法によってカカオ豆の味わいが左右されることになる。

現代經過乾燥作業後會進行最終品質檢查,只有合格的可可豆會被裝入麻袋(標準60公斤)並出口至世界各地。

現代では、この乾燥作業を経て最終品質チェックが実施され、合格したカカオ豆のみが麻袋(標準60キロ)に詰め込まれ、世界各地へと輸出される。

「乾燥得很不錯呢」

「良い感じに乾燥しているね」

日本屬於溫暖濕潤氣候,加上延長的梅雨影響,露天日曬難以進行。因此靜子原先打算在塑膠溫室內進行日曬乾燥。

日本は温暖湿潤気候であり、長引いた梅雨の影響もあり露地での天日干しが難しい。そこで静子は、当初ビニールハウス内で天日干しを行おうと考えた。

然而,塑膠溫室內通有溫泉的廢湯,環境非常潮濕。因明顯不適合乾燥工程,她便利用廢材和邊角料搭建了一座小型的塑膠溫室(透明ファクチス製)。

しかし、ビニールハウス内は温泉の廃湯が通されており、非常に湿度が高い環境となっている。明らかに乾燥工程に不適切な環境であったため、新たに廃材や端材を流用した小型のビニールハウス(透明ファクチス製)を作り上げた。

隨著今後栽培擴張,終將需要大型的乾燥設施,但目前暫以此設施運作。因以乾燥為主,設計重視通氣性,木材被大量使用。

今後の栽培拡張に伴って、いずれは大型の乾燥施設が必要となるが、当面はこの施設で運用をすることになる。乾燥を主目的としているため、通気性を重要視した設計をされており、木材が多用されていた。

由於昂貴的透明ファクチス僅用於天花板部分,整體給人的印象與其說是溫室,不如說更像有天窗的穀倉。

高価な透明ファクチスを使用する部分が天井部分のみとなるため、印象としてはビニールハウスというより天窓付きの納屋に近い。

也因準備了專用設備,縱使下雨,可可豆仍然乾得很好。但即便做到這步,也只是「巧克力的材料做好了」而已,若要完成成為巧克力,還有更多作業等待著。

専用の設備を用意したこともあり、雨天があったにもかかわらず、カカオ豆は良く乾燥していた。しかし、ここまでやっても「チョコレートの材料が出来た」だけであり、チョコレートに仕上げるには更なる作業が待っていた。

「接下來要把可可豆加工成可可醬才行呢」

「次はカカオ豆を、カカオマスにまで加工しないとね」

乾燥完成的可可豆當然被堅硬的外皮包覆,若要加工成可可醬,就必須把外皮去除取出內仁。

乾燥を終えたカカオ豆は当然硬い外皮に包まれており、カカオマスに加工するにはこれを取り除いて中身を取り出す必要がある。

因此,首先將可可豆輕微烘焙,使外皮(ハスク)產生裂紋。接著交由水車動力的粉碎機粗碎可可豆。

その為、まずカカオ豆を軽く焙煎し、外皮(ハスク)にヒビを入れる。次いで水車動力の粉砕機に掛け、カカオ豆を荒く粉砕する。

將粉碎後的可可豆用唐箕(とうみ)(利用水車動力的大型籾選別器)和篩子去除外皮。剩下的胚乳(ニブ)部分稱為可可粒。

粉砕出来たカカオ豆を、唐箕(とうみ)(籾選別用の水車動力を用いた大型のもの)と篩(ふるい)を用いて外皮を取り除く。残った胚乳(ニブ)部分をカカオニブと呼ぶ。

這些可可粒中含有超過重量一半的脂質──可可脂。將這些可可粒細細磨碎成糊狀的過程稱為磨砕。

このニブには脂質であるカカオバターが重量比にして5割以上も含まれている。このニブを細かく磨り潰し、ペースト状にすることを磨砕と呼ぶ。

可可粒由連接水車動力、由技術街匠人精製的磨砕機被粉碎成細片。隨著越磨越細,所含的可可脂會析出,並因摩擦熱而熔化,變成糊狀。

こちらも水車動力に繋がれた、技術街の職人謹製の磨砕機によってニブは細片へと粉砕される。細かく磨砕されるにつれ、含有されるカカオバターが遊離し、摩擦熱で溶けることによってペースト状へと変わるのだ。

在磨砕機最終工序的滾輪處,通過多個滾輪之間搬出已成糊狀的可可醬。因可可醬黏附在滾輪上,故以鐵製刀片刮落取出。

磨砕機の最終工程であるローラー部分から、複数のローラー間を通過してペースト状となったカカオマスが搬出される。このカカオマスはローラーに貼り付いているため、鉄製の刃がこれをこそげ落とす事によって取り出された。

現代機械一次作業便能研磨到足夠的粒徑,但要求戰國時代那種原始機械達到相同精度是不合理的。

現代の機械であれば、一度の作業で充分な粒子径になるまで磨砕されるのだが、戦国時代の原始的な機械にそこまでの精度を求めるのは酷である。

因此將取出的糊狀可可醬再次送入磨砕機,透過反覆處理以補足精度。

よって取り出されたペースト状のカカオマスを再び磨砕機に掛け、繰り返し処理することで精度を補てんする。

如此成為滑順糊狀的可可醬會與砂糖及無糖煉乳(理想上為全脂奶粉,但製造難度高而作罷)混合,並長時間攪拌融合。

こうして滑らかなペースト状となったカカオマスは、砂糖と無糖練乳(全粉乳が理想的だが、製造難度が高いため諦めた)と混合され、長時間かけて混ぜ合わされることとなる。

可可醬的本質是油脂成分,不易與液糖或一般牛奶混合,因此在盡可能去除水分的狀態下混合。即便如此,要將粉末等溶入糊狀物需要時間,且阻力很大,需要強大的力氣。

カカオマスの本質は油脂成分にあり、液糖や通常の牛乳とは容易に混ざらないため、水分を極力取り除いた状態で混ぜ合わせる。それでもペースト状の物体に粉末等を溶け込ませるのは時間が掛かり、しかも大きな抵抗が掛かるため強い力が必要となった。

因此此處使用的混合機(ミキサー)動力以畜力提供。被繫在棒子上繞著混合機轉圈的牛的景象,讓人想起家內手工業。

そのため、ここで使用する混合機(ミキサー)の動力は畜力となる。棒に繋がれ、混合機の周囲をぐるぐると回る牛の姿は、家内制手工業を彷彿とさせた。

完成的物料稱為巧克力生麵糰(ドゥ),接著進入使巧克力成為巧克力的特色工程。

そして出来上がった物はチョコレート生地(ドゥ)と呼ばれ、チョコレートをチョコレートたらしめる特色のある工程へと進む。

由瑞士的羅道夫·林茲於1879年發明,至今一百多年,コンチング工序被稱為巧克力製造的心臟部位。

1879年にスイスのロドルフ・リンツによって生み出され、今日に至るまで100年以上もの間、チョコレート製造の心臓部と呼ばれるのがコンチング工程である。

コンチング簡單說就是「揉」的作業。把磨碎的巧克力生麵糰放入稱為コンチェ的機器中,不斷地揉製攪拌。

コンチングとは、簡単に表現するなら『練る』作業となる。磨砕されたチョコレートドゥを、コンチェと呼ばれる機械で、延々と練り続ける。

因需長時間不間斷以一定速度揉製,水車再度成為動力持續驅動コンチェ。進行コンチング會使生麵糰的油分滲出,逐漸軟化。

長時間休まずに一定の速度で練り続けるため、再び水車が動力となり、コンチェを動かし続ける。このコンチングを行うことで、ドゥから油分が滲みだし、徐々に軟化を始める。

有說最初的コンチング需連續72小時揉製,經長時間處理使水分與不快氣味的成分揮發除去,並產生特有的香氣。

原初のコンチェでは72時間掛かったとも言われる程の長時間を掛けて練り続けることで、水分や不快臭の元となる成分が蒸散し、取り除かれて特有のアロマが立ってくる。

繼續揉製會使水分與油脂混合的「乳化」進行,產生濃稠且巧克力特有的舌感。

更に練り続けることで水分と油分が混ざり合う『乳化』が進行し、トロリとしたチョコレート特有の舌触りが生み出される。

完成此工序後,再進行稱為テンパリング的溫度調整,藉由校準可可脂的結晶結構,使巧克力具有光澤且冷卻後變得堅實有口感。

この工程を終えた後、更にテンパリングと呼ばれる温度調整を行い、カカオバターの結晶構造を揃えることにより、艶やかで冷えると硬くしまったチョコレートとなる。

對現代人而言理所當然能吃到巧克力菓子,但其背後有著極為繁複耗時的製造過程。

現代人であれば当たり前に口にするチョコレート菓子だが、その裏には実に手間暇の掛かった製造工程が存在している。

靜子因知曉成品的樣貌能毫不猶豫地進行製造,但製法在被發明出來之前經歷了非常漫長的歷史。

静子は完成形を知っているため、迷いなく製造を進められるが、製法が編み出されるまでには非常に長い歴史があった。

十六世紀傳入歐洲的可可,在十九世紀出現被稱為巧克力四大革命的技術革新之前,「巧克力」一詞指的是飲品。

16世紀にヨーロッパへと伝来したカカオは、19世紀にチョコレートの四大革命と呼ばれる技術革新が現れるまで、チョコレートとは飲み物を指す言葉だった。

然而當時的巧克力與現代的可可不同,苦味強且異常油膩,因此當時被視為藥品多於嗜好品,稱不上美味的飲料。

ただし、当時のチョコレートは現代のココアなどとは違い、苦味が強く、異常に油っぽいものだった。そのため、当時は嗜好品というよりも薬として扱われ、お世辞にも美味い飲み物ではなった。

其後長期作為藥物的巧克力在十九世紀出現各種技術革新。可說為先驅的發明來自荷蘭的食品製造商「バンホーテン」。

その後、長い間薬であり続けたチョコレートだが、19世紀に入ると様々な技術革新が起きた。その先駆けとも呼べる発明は、オランダの食品メーカー『バンホーテン』で産声を上げた。

班霍頓的創業者卡斯帕爾斯·范·豪滕在1828年發明了一種方法,將可可豆中超過50%的可可脂用油壓式壓榨機壓出,將含量減少到大約一半。

バンホーテンの創業者であるカスパルス・ファン・ハウテンは、1828年にカカオ豆に50%以上も含まれているカカオバターを油圧式圧搾機に掛けることにより、半分程度まで減らす方法を編み出した。

進一步將乾燥後的可可膏碾碎成粉末,作為易於溶於熱水的可可粉流通。

更に乾燥させたカカオマスを砕いて粉末状とすることで、お湯に溶けやすいココアパウダーとして流通させた。

接任的第二代庫恩拉特·約翰尼斯·范·豪滕開發了用鹼液處理可可豆的手法「荷蘭處理法(ダッチ・プロセス)」。透過此法中和發酵過程產生的酸,提升水溶性,誕生了所謂的「可可」。

続く二代目のクーンラート・ヨハネス・ファン・ハウテンが、カカオ豆をアルカリ液で処理する手法『ダッチ・プロセス』を開発する。これにより発酵過程で生産された酸を中和し、水溶性を高めた『ココア』が誕生する。

以這項技術革新為開端,1847年出現了不用溶於熱水即可直接食用的固形巧克力,1875年則由雀巢公司創辦人亨利·雀巢開發出更為醇和的牛奶巧克力。

この技術革新を皮切りに1847年にお湯に溶かさず直接食べられる固形チョコレートを生み出し、1875年に株式会社ネスレの創業者アンリ・ネスレが、よりまろやかなミルクチョコレートを開発した。

四大革命的最後階段,則是在1879年羅道夫·林茲(諸說存在)偶然的發現中,找到了製作入口即化柔軟巧克力(後成為林茲巧克力品牌)所需的重要製程——精煉(コンチング)。

四大革命の最後は、1879年にロドルフ・リンツが偶然の産物(諸説あり)により、口の中でとろける柔らかいチョコレート(後にリンツ・チョコレートと呼ばれるブランドとなる)を作る上で重要なコンチングの製法を発見した。

當這四大發明問世後,瑞士出現了林茲與雀巢等巧克力企業,英國有吉百利(キャドバリー),美國有好時(ハーシー)等,工廠的大量生產使原本屬於奢侈品的巧克力普及到一般大眾手中。

これら四大発明が誕生するとスイスにリンツ社、ネスレ社、イギリスにキャドバリー社、アメリカにハーシー社などのチョコレート企業が誕生し、工場による大量生産によって、それまで高級品であったチョコレートが、一般大衆の手にも届く物となり、普及していくことになる。

順帶一提,對於人類而言巧克力只是美味的甜食,但對犬貓等動物則會成為有害物質。巧克力中含有名為可可鹼(テオブロミン)的黃嘌呤衍生物。

余談だが、人類にとっては美味なる甘味でしかないチョコレートだが、犬や猫にとっては有害な物質となる。チョコレートには、テオブロミンと呼ばれるキサンチン誘導体が存在する。

可可鹼與咖啡因同屬一類,對人類而言除非大量攝取通常不會有害。然而犬貓等代謝可可鹼的速度較慢,會引發過度興奮或脫水症狀,最壞甚至致死。

これはカフェインなどの仲間であり、人間にとっては余程大量に摂取しない限り害とならない。しかし、犬や猫などはテオブロミンの代謝速度が遅く、過度の興奮状態や脱水症状を引き起こし、最悪の場合は死に至る。

「コンチング要耗上一整天以上,快點開始吧」

「コンチングには丸一日以上かかるから、さっさと始めよう」

各種原料投入後,受水車動力傳動的精煉機開始運轉。接下來只需定期巡視,等待揉製完成即可。

各種原料を投入し、水車動力を伝えられたコンチェが稼働を始めた。後は定期的に様子を見守りながら、練り上がるのを待つのみだ。

就這樣靜子終於得到些許餘裕,但又再次遭遇插手干擾。

こうして若干の余裕を得た静子だが、そこへまたしても横やりが入った。

「……唉,頭好痛」

「……はあ、頭が痛い」

靜子讀完傳令帶回的信件不禁嘆息。信的內容是關於加賀一向宗討伐一事,她本已盡量避免牽涉,但局勢似乎朝不利方向發展。

伝令が持ち帰った手紙を読んで、静子は思わず嘆息した。文の内容は加賀一向宗討伐の件であり、極力関わらないようにしていたのだが、悪い方へと転んだようだった。

柴田不是召集相關者開軍議,而是把靜子的方案定為決定事項書面化,通告各武將。就連在現場直接傾聽的人也未必能立即理解,其餘只拿到條列文書的武將們自然困惑。

柴田は関係者を集めて軍議を開くのではなく、静子の案を決定事項として文とし、各武将へと通達した。現場で直接話を聞いていた柴田達ですらすぐさま理解できなかった内容だけに、箇条書きの文章を渡されただけの武将たちは困惑した。

可惜並未附上柴田親自寄出的信,無從知道其上寫了些什麼,但既然會有詢問到靜子這裡,就覺得說明明顯嚴重不足。

生憎と柴田自身が送った文は添えられておらず、どのような内容が書かれていたのかは知り得ないが、静子のところへ問い合わせがくる以上、致命的に説明が足りていない気がした。

據說柴田的文中註明是靜子發案,文裡也寫到不要以迂迴書信往來,而是召集眾人開軍議,並希望靜子當場也能參與。

柴田の文には静子発案とあったそうであり、手紙を通しての迂遠なやり取りではなく、集まって軍議を開き、その場に静子も参加して欲しいと記されていた。

(確實柴田大人無論主公意圖如何,都是那種愚直執行命令的人,這點難以苛責……但其他人當然也想知道得出這樣結論的來龍去脈啊……)

(確かに柴田様は主人の思惑如何に依らず、命じられたことを愚直にこなす御仁だから仕方ないけど……他の人達は、その結論になるに至った経緯とかも当然知りたいよね……)

在軍議中對靜子的期待角色,是把草案內容傳達給眾人使之易於理解,並將其落實為具體方案的軍師。

軍議で静子に期待される役目は、草案の内容を全員に判り易く伝え、具体的な案へと落とし込む軍師だ。

若發文者不是柴田而是光秀或秀吉,兩人皆屬擅長謀略的智將,會在周密的內部斡旋後再召開軍議。

文を出したのが柴田でなく、光秀や秀吉であったなら、両名とも策謀を巡らせる智将タイプであるため、入念な根回しをした上で軍議を開いたのであろう。

反觀柴田,正如諺語所言「かかれ柴田に退き佐久間」,他是常被任命為先鋒的猛將,屬於衝動直進型;一旦下達命令,便理所當然地毫不遲疑遵從。

対する柴田は「かかれ柴田に退き佐久間」と謳われたように、先鋒を任されることの多い猪突猛進タイプの猛将だ。一度命が下されれば迷いなく従うのが当然と考えたのだろう。

然而能在毫無說明下就赴戰場的豪傑並不多見。自然有人會斷然拒絕如此命令,柴田則會怒斥他們為愛惜性命的懦夫。

しかし、碌に説明もされぬままいくさ場に立てる豪胆な者は多くない。当然そのような命には従えぬと突っぱねる事となり、柴田としては身を惜しむ臆病者と激昂することになる。

雙方這類誤解會產生惡性循環,在裂痕變得不可挽回之前,靜子被推到了台前。

こうした双方のすれ違いが、悪循環を生み、両者の溝が決定的なものとなる前に静子に白羽の矢が立った。

「這件事,拿捏錯誤的話,根本不止是要討伐加賀一向宗那麼簡單」

「この話、匙加減を間違えると加賀一向宗征伐どころじゃなくなるね」

討伐加賀一向宗的總大將是柴田。不服從總大將命令的團體已不配稱為軍隊。況且加賀一向宗已統治加賀數十年之久。

加賀一向宗征伐の総大将は柴田なのである。総大将の命に従わぬ集団など、もはや軍と呼ぶに値しない。仮にも加賀一向宗は何十年にも亘って加賀を統治し続けている。

在缺乏軍隊統率的狀態下,絕非能輕易應對的敵人。更何況靜子得到的情報指出,加賀一向宗比長島一向宗更為狂熱。

軍としての統率を欠いた状態で相手出来るような敵ではあり得ない。何よりも加賀一向宗は、長島一向宗よりも狂信的だと言う情報が静子には齎されていた。

宗教性的狂熱在被壓迫時反而會燃燒得更旺。也就是說,存在一個以信仰凝聚群眾並加以控制的指揮中樞。

宗教的な熱狂というのは弾圧される程に燃え上がる。その信仰心を武器として集団に纏め上げ、制御している指揮中枢が存在するという事だ。

「從日程看,根本沒時間做周到的斡旋……或許得靠某種程度的臨機應變。先把能做為判斷材料的東西釐清,掌握各派閥與勢力間的資訊吧」

「日程的に見て、根回しは無理そうだし……ある程度アドリブで乗り切る必要があるかな。取りあえず判断材料が無いと話にならないから、派閥や勢力間の情報を把握しよう」

靜子如此低聲自語後,便向蕭與彩下達了命令。

そう呟いた静子は、蕭と彩に命令を出した。

到了六月下旬,軍議終於召開。關於家臣們毫無進展的情形,有傳聞說信長已經感到不耐,這謠言也開始被廣泛傳頌。

6月下旬となり、ようやく軍議が催された。一向に進捗を見せない家臣達の様子に、信長が苛立っているという噂が、まことしやかに囁かれるようになっていた。

軍議會場選在靜子所經營學校的講堂。足夠寬敞以容納眾人,且周圍無可藏身之處,無法進行埋伏或藏匿兵器等不軌之事。

軍議の会場としては、静子の運営する学校の講堂となった。大人数が一堂に会するだけの広さがあり、周囲に隠れる場所など無いため、兵を伏せたり、武器を隠したりと言った良からぬことなど考えようもない。

會場警備由靜子手下的部隊負責,經過周密事前調查後驅散了無關人等。柴田、光秀、秀吉等主要武將已陸續抵達,其他武將也紛紛聚集而來。

会場の警備には静子の子飼い部隊が立ち、入念な下調べをした上で人払いが為されていた。会場には柴田や、光秀、秀吉と言った主だった武将は既に到着しており、他の武将たちも続々と集まって来ていた。

然而柴田公文帶來的不信感似乎難以消除,眾人各自表露不滿之情,會前就已瀰漫著緊張刺耳的氣氛。

しかし、柴田の文が齎した不信感は如何ともしがたいのか、皆がそれぞれに不満を隠そうともせず、始まる前からギスギスとした空気が漂っていた。

「……以上就是我的方案」

「……以上が私の案になります」

為顧及總大將柴田的顏面,靜子拉出黑板,一邊畫圖示一邊補充文中未盡之處,以此方式說明自己的方案。

総大将である柴田の面子もあるため、静子は黒板を引っ張り出し、絵や図を描きながら文の内容を補足する(・・・・)形で自分の案を説明した。

或許是苦心終有所得,武將們的反應頗為正面,臉上露出相信柴田所指示並非荒唐無稽的神色。

苦労の甲斐あってか、武将たちの反応は上々であり、柴田の指示が荒唐無稽なものではないと納得できたという表情を浮かべている。

但至此的說明僅為起點。大方向已傳達:不論武功,只要能將加賀一向宗引至戰場,之後依成果決定武功。

しかし、ここまでの説明はスタートラインに過ぎない。加賀一向宗をいくさ場に立たせるまでの武功を問わず、その後の成果に応じて武功を決めるという大筋は伝わった。

接著軍議進入具體討論,誰擔任何種角色、布陣於何處等具體策劃開始成形。此時靜子便退居聽役,直到各方方案全部提出為止。

では、具体的に誰がどの役割を担い、どの位置に布陣するのかという具体策へと軍議が進んでいく。こうなると静子の出番はなく、皆の案が出揃うまで聞き役に徹することにした。

當眾人因無法得出結論而感到疲憊時,光秀環視四周開口道:

全員が結論の出ない軍議に疲労を覚えた頃、光秀が周囲を見渡しながら告げた。

「嗯……照這樣下去只會兜圈子。人人都只想爭取對己有利的立場,談不攏啊」

「ふむ……このままでは堂々巡りですな。誰もが少しでも自分にとって有利な立ち位置を求めるため、話が一向に纏まりませぬ」

軍議陷入混亂、眾人感到不耐之際,光秀竟把眾所皆知的事特意說出口,進一步確立了會場的惡劣氣氛。

軍議が紛糾し、誰しもが苛立ちを覚える中、光秀が誰もが判り切っていることを態々(わざわざ)口に出し、空気の悪さを決定づけた。

靜子對光秀的陰險與不通融嘆了口氣,覺得時機成熟便舉手提高了聲音。

静子は光秀の間の悪さ、融通の利かなさにため息を吐くと、頃合いとみて手を挙げて、声を張った。

「請准許發言」

「発言の許可を」

「請講」

「どうぞ」

眾人因光秀的放言而面色難看時,柴田立刻批准了。

皆が光秀の放言に気色ばむ中、柴田が即座に許可を出した。

「正如明智大人所指出,照此下去只會徒然耗費時日。不如先從絕對不能漏掉的布陣開始決定如何?在召開此軍議前已調查諸位的情況,既然完完全全平等的配置自始不可能,先把大方向確定再補細節應該比較妥當。」

「明智様がご指摘されたように、このままでは徒(いたずら)に時を費やすのみ。ここは一つ、絶対に外せない布陣から確定していっては如何でしょう? この軍議に臨むにあたって、皆様方の状況を調べております。元より完全なる平等な配置など不可能なのですから、大きな部分を固めてから詳細を詰めれば宜しいかと」

「為參考,能否請教所謂絕對不能忽略的布陣是指什麼?」

「参考までに絶対に外せない布陣とやらを伺ってもよろしいか?」

竹中半兵衛向靜子詢問細節。靜子瞥向作為半兵衛主人的秀吉,他向靜子默默點頭,從此動作中靜子理解可在軍議中公開秀吉的窘境。

竹中半兵衛が静子に詳細を尋ねる。静子が半兵衛の主人たる秀吉を見ると、彼は静子に向けて無言で頷いた。その仕草から、秀吉の窮状を軍議の場で公表しても構わないと受け取った。

「那麼……請羽柴大人負責提供軍備。據聞新領地近江收成尚未穩定,對今濱的投資使得軍資與軍需物資的備蓄不足。我方將提供資金與物資,還希望能請貴方出人協助擔任將物資運送至各處的兵站之一環。」

「では……羽柴様には軍備の提供を担って頂きます。新領地の近江は未だ収穫が安定せず、今浜への投資で軍資金や軍需物資の備蓄が心もとないと聞き及んでおります。資金や物資は我が軍が提供し、それを各所へと届ける兵站の一翼を担う人員を出して頂きたく思います」

「承蒙提出,此事感謝不盡。令人羞愧的是,今濱正處於戰災復興之中,為維持治安仍需駐兵,不能輕易離開鄉里。借用的資金與物資會在稅收穩定後陸續歸還。」

「そのお申し出はありがたい。恥ずかしながら、今浜は戦災復興の最中(さなか)。治安維持のためにも兵は必要であり、国許を留守にする訳にも参りません。お借りした資金や物資は、税収が落ち着き次第、徐々にお返しいたします」

與秀吉互視一眼的半兵衛回答道。雖將背負不少債務,但腹中無物難以應對。對秀吉而言,將自己無法言明的弱點攤開來,縱使借債也要出資出兵,總算保住顏面。

秀吉と目配せを交わしあった半兵衛が応えた。少なくない借金を背負うことになるが、無い袖は振れない。秀吉としても自分から言い出せなかった弱みを明らかにし、借金をしてでも金も兵も出したとして、一応面目が立つ。

因獲得及格點,靜子鬆了一口氣撫了撫胸口。

及第点を貰えたことに、静子はホッと胸を撫で下ろした。

「那麼,接著關於明智大人,請明智大人負責阻止加賀一向宗向越前逃竄。屆時我軍將提供三百名鐵炮衆及充足彈藥,並再以擅長山獵的兵士與軍用犬等作為預備兵,借出五千名。」

「では、次に明智様についてですが、明智様には加賀一向宗が越前へと逃げ込まぬよう抑えとなって頂きます。その際に、我が軍の鉄砲衆を300と、十分な弾薬を提供致します。更に山狩りに長けた兵と軍用犬などを予備兵として、5000お貸しいたしましょう」

讓光秀負責固守國境以阻止加賀一向宗逃入越前。若中心人物一旦有一人生還就可能復興,光秀較易動員兵力,因此被認為最適任。

光秀には加賀一向宗が越前へと落ちのびないよう、国境(くにざかい)を固める役を担ってもらう。中心的な人物が一人でも生き延びれば、再興される可能性があるため、他者より兵を動員し易い光秀が適任と言えた。

以三百名熟練鐵炮衆把守街道,可築起少數軍隊無法突圍的防禦。即便要走無路可走的山徑,帶著軍用犬巡邏的兵士也會使其難以通過。

熟練の鉄砲衆300を以て街道を固めれば、少々の軍勢では到底突破できない防備を築くことが出来る。道なき道を進もうにも、軍用犬を連れた兵士が巡回する山を抜けることは難しい。

「靜子殿的關照,深表感謝」

「静子殿のご配慮、痛み入る」

透過靜子的追加派兵,光秀能組成遊擊軍,增加可撥往攻打加賀一向宗的兵力。兩人的陣式一旦確定,後續便會自動分配。

静子の追加派兵によって、光秀は遊撃軍を組織でき、加賀一向宗攻めへと回す兵力を増やすことが出来る。この二人の布陣が決まれば、後は自動的に振り分けが始まる。

由於總大將為柴田,柴田派的將領會集中,接著由明智派的將領負責越前附近。羽柴派的將領在分配上吃了些虧,但因損耗能被壓低,無人公開表達不滿。

総大将は柴田であるため、柴田派の武将たちが纏まり、次いで明智派の武将たちが越前付近を担当することになる。羽柴派の武将たちが少々割を食った形となるが、代わりに損耗が低く抑えられるため表立って不満を述べる者はいなかった。

在靜子的發言下,重新熱絡起來的軍議因她自我讓步,勉強以『三方一両損』收了場。

静子の発言を以て、再び活気づき始めた軍議は、静子が身を切ったことで『三方一両損(さんぼういちりょうぞん)』として辛うじて収まった。

一旦招致致命性不和,即使是織田軍也難免內部崩壞。靜子即便承受短暫損失,也選擇為織田軍整體的利益著想。

一度(ひとたび)致命的な不和を招けば、如何な織田軍とて内部崩壊は免れ得ない。静子は一時的な損をしてでも、織田軍全体としての得を取った。

一度曾瀕臨崩壞危機的軍議順利結束,柴田發表收尾言語。

一時は崩壊の危機も危ぶまれた軍議は、滞りなく終わりを迎え、柴田が締めの言葉を告げる。

「各位(おのおのがた),切勿怠忽準備」

「では各々方(おのおのがた)、決して準備を怠るなかれ」

軍議隨此話語解散。

この言葉をもって軍議は解散した。

這件事過了數日便傳到了信長耳中。信長聽完報告後心情甚好,決定笑看各自的去向。

この話は、数日の時を置いて信長の耳へも届く。信長は報告を聞き終えると、上機嫌でそれぞれの行く末を見守ることとした。

另一方面,靜子因結束了讓胃疼的軍議而放鬆了肩膀。她在軍議前就已開始準備,所以對各位將領的支援已脫離她的掌管。

一方、静子はというと胃の痛くなるような軍議を終えたため、肩の力を抜いていた。軍議の前から準備を進めていたため、それぞれの武将への支援については、既に静子の手を離れていた。

得以再挪出自由時間的靜子,恢復了中斷的巧克力製作。拋光(コンチング)結束,取出冷卻凝固的巧克力後,開始最後的工序—回火(テンパリング)。

再び自由な時間を捻出出来た静子は、中断していたチョコレート作りを再開した。コンチングが終わり、冷やし固められたチョコレートを取り出すと、最後の工程であるテンパリングに取り掛かった。

回火是溫度調整,首先以隔水加熱將巧克力加熱至近50度使其融化。將液態巧克力從湯浴取出,用冰水等冷卻至約28度左右。

テンパリングとは温度調整であり、まず湯煎を用いてチョコレートを50度近くまで熱して溶かす。液状化したチョコレートを湯煎から出し、氷水などを利用して28度前後まで冷やす。

之後再度放回湯浴加熱,使巧克力回溫並維持約30至32度。此回火溫度會依巧克力製造商及種類而異。

その後、再び湯煎に掛けてチョコレートを温め、30〜32度ほどの温度を維持する。このテンパリングの温度は、チョコレートメーカーや、チョコレートの種類によって変化する。

靜子的情況預想有較多雜質,因此採取較有餘裕的溫度設定。

静子の場合は不純物が多い事を想定し、余裕を持った温度設定をしている。

如此呈現光澤的巧克力倒入事先準備的模具冷卻即完成。理想情況下需要在稱為熟成(エージング)的恆溫倉庫中放置一段時間,但她已不抱奢望。

こうして艶やかな状態へと仕上がったチョコレートを、事前に用意しておいた型に流し込んで冷やせば完成となる。理想を言うなら、エージングと呼ばれる定温倉庫での熟成期間が必要だが、高望みと諦めていた。

若把它作成巧克力,賞味期限大約只剩三個月。因此對於此次不使用的份量,決定以拋光前的可可質量(カカオマス)狀態保存。

チョコレートに仕上げてしまえば賞味期限が三か月ほどに限られてしまう。このため、今回使用しない分については、コンチング前のカカオマスの状態で保存することにした。

冷卻固化的可可質量只要注意溫度,就可以保存一年左右。

冷やし固めたカカオマスの状態ならば、温度にさえ気を付ければ一年間は保存が可能となる。

「真是費了好大功夫,終於完成了!嗯……果然還比不上現代市售品好幾個檔次。嘛,至少沒冒白霜算是優秀了吧。」

「凄く手間が掛かったけど、ようやく完成だ! んー……流石に現代の市販品よりも数段劣るよね。まあ、粉が吹かなかっただけ上等かな」

將冷卻凝固的巧克力從模具中剝離並排列在盤上,剔除剝離不良或有裂痕的,挑選外觀良好的作為獻給信長的份。

冷えて固まったチョコレートを型から剥がし、皿の上に並べる。剥離が上手くいかなかったもの、ヒビなどが入った物を取り除き、見目の良い物を選別して信長へ献上する分とした。

靜子把一塊因剝離失敗而破裂的巧克力碎片含入口中,慢慢品嘗。

静子は、剥離に失敗して割れたチョコレートの欠片を口に入れ、ゆっくりと味わった。

「記憶中的巧克力是更順滑地融化,這個在舌上有顆粒感且會在喉嚨卡住……」

「記憶にあるチョコレートはもっと滑らかに溶けたけど、舌の上でざらつく上に喉に絡むなあ……」

靜子不滿地抱怨,但一同分食的男衆卻驚訝不已。

静子は不満げにぼやいているが、ご相伴に与(あずか)った男衆は驚いていた。

「怎麼會!入口時像烤餅一樣硬,卻在口中像柿餅般融化了!」

「なんと! 口に入れた時は、かき餅のように固いのに、口の中で干し柿のように蕩けた!」

「哇哈哈,這是什麼玩意?不知是苦是甜,但這味道應該很配酒。」

「わっはっは、なんだこりゃ? 苦いのか甘いのか良くわからん。だが、この味は酒に合いそうだ」

在準備獻品的同時,巧克力的失敗品落入慶次等人的肚中。被未知的口感、緊緻的苦味與回甘所吸引,巧克力轉瞬即逝。

献上品の準備をしている間に、チョコレートの失敗作は慶次たちの腹へと収まった。未知の食感と、引き締まる苦さと、後を引く甘さに魅了され、あっという間にチョコレートは消えてしまった。

「你們可以吃,但能不能稍微好好品味一下?做那個可是費了極大功夫喔?」

「君たち、食べるのは良いけどね。もうちょっと味わってほしいかな? それを作るのに凄く苦労したんだからね?」

「抱歉抱歉。一吃就停不下來。」

「悪い悪い。食べだしたら、止まらなくてな」

「真是的……我要去向上樣那裡進獻,你去準備出發的裝備吧。」

「まったく……上様の所へ献上に向かうから、出立の支度をしておいてね」

說完那句,靜子抱著藏著的盤子進了邸宅。她很快就找到目標人物,而且還帶來了意外的稀客。

それだけ告げると、静子は隠し持っていた皿を抱えて邸宅へ入った。目当ての人物はすぐに見つかった。予想外の珍客をも連れていたのだが。

「靜子大人,難道不是要前往上樣那裡嗎?」

「静子様、上様の許へと向かわれたのではないのですか?」

彩一臉疑惑地歪著頭。看到所謂稀客茶々和初被人抓住衣領拖行,便猜想她們大概又惡作劇惹事被帶走了。

彩が不思議そうに首を傾げる。珍客こと茶々と初が、襟首を掴まれて引きずられているところを見るに、またぞろ悪戯(いたずら)でもしでかして連行されているのだろうと当たりを付けた。

「嗯。不過在那之前有點事。彩醬,張開嘴。沒有拒絕權,這是命令。」

「うん。その前にちょっと用事があってね。彩ちゃん、口を開けて。拒否権はないよ。これは命令です」

「那是跟那個東西有關係吧?知道了。既然是命令就沒有反對。」

「そのお手の物が関係しているのですね? 承知しました。命令とあれば否はありません」

茶々和初被丟在走廊上,彩乖乖地走到靜子面前,老實地張開了嘴。雖說是那種『啊—』的狀態,但彩覺得意外害羞,靜子清了清喉嚨,將一塊巧克力片丟進她口中。

茶々と初を廊下に転がしたまま、彩は大人しく静子の前まで進むと素直に口を開いた。所謂あーんという状況だが、意外に恥ずかしく思えて、静子は一つ咳払いをすると彩の口へとチョコレート片を投げ入れた。

彩起初沒咬而用舌頭舔著試探,但立刻瞪大了眼。巧克力在嘴裡開始融化。對於本應保持形狀的固體會這樣融化,她覺得十分奇妙吧。

最初は噛まずに舌で舐めて探っていた彩だが、すぐに目を見開いた。口の中でチョコレートが溶けだしたのだ。しっかりと形を保った固形物が、このように蕩けることを奇妙に思っているのだろう。

她一臉驚訝,但還是聽見她吞下巧克力的聲音。

目を白黒させつつも、彼女がチョコレートを飲み込んだ音が聞こえた。

「……真是奇怪的食物。明明很堅硬,卻像以前吃過的水飴那樣融化消失了。」

「……不思議な食べ物ですね。しっかりと固いのに、以前頂いた水飴のように蕩けてなくなりました」

「好吃吧?」

「美味しいでしょ?」

「是呢。奇妙的香氣與融化的甜味,有點苦但我很喜歡。」

「そうですね。不思議な香りと蕩ける甘さ、少し苦いですが気に入りました」

似乎合了彩的胃口,她露出難得柔和的笑容。能讓平常那副面無表情被打破,靜子滿足地點了點頭,覺得有成就感。

彩のお眼鏡にかなったのか、彼女はいつになく柔らかい笑みを浮かべていた。普段のポーカーフェイスが崩れるほどだから、作り甲斐もあるなと静子は満足げに頷いた。

「靜子——我也要——啊——」

「しずこー、わらわにもー、あー」

「啊——」

「あー」

但被茶々和初的聲音喚回神志的彩立刻恢復平常的面無表情,再次把茶々和初給制住。

だが茶々と初の声で我に返った彩は、いつものポーカーフェイスを貼り付けると、再び茶々と初を拘束した。

「首先要先受罵才行。」

「まずはお叱りを受けてからです」

「一顆也沒關係啦。還能看到彩醬嬌態一笑呢。」

「一個ぐらい構わないよ。彩ちゃんのデレた顔も見られたしね」

說著,她把巧克力丟給像小鳥討食般張嘴等待的茶々和初。她們立刻咬下,但對於在口中融化的巧克力還是眼睛發亮。

そう言いながら、餌をねだる雛鳥のように口を開けて待つ、茶々と初にチョコレートを放り込んでやった。彼女たちは即座に噛んでしまったが、それでも口の中で蕩けるチョコレートに目を輝かせた。

「好甜、好好吃、再一個—」

「あまーい、おいしー、もういっこー」

「再一個—」

「もういっこー」

「不行的。點心要在受罵之後才行。」

「いけません。おやつは、お叱りを受けた後です」

兩人被彩拖在走廊上滑行,一邊撒嬌要求再給一塊巧克力。彩狠狠地訓斥後,毫不留情地把她們拉走了。

彩に廊下を引きずられて滑りながら、二人はもう一個チョコレートが欲しいとねだる。彩はぴしゃりと叱りつけると、容赦なく二人を引っ張っていった。

兩人掙扎著想辦法脫逃,但彩早已熟練,幼兒的掙脫未能成功。

何とか脱出しようと二人がもがくが、彩も慣れたもので、幼子の脱出は叶わなかった。

「我會留著的,好好道歉了就可以吃哦—」

「残しておくから、ちゃんと謝ったら食べても良いよー」

「應該不會剩吧。剩下的就由妾來享用。」

「残らぬじゃろう。残りは妾が頂くゆえ」

靜子向漸行漸遠的兩人喊話,忽然身後有人回話。她一回頭,手中盤子的重量消失了。環顧四周,發現是市從她手中奪走盤子,正把巧克力送到嘴裡。

静子が遠ざかる二人に声を掛けると、不意に後ろから声が掛かった。振り返ると同時に、手にしていた皿の重みが消失した。周囲を見やると、静子から皿を奪い、チョコレートを口へと運ぶ市がいた。

「好久不見啊,靜子。還是一如往昔嗎?」

「久方ぶりじゃな、静子。変わりないかえ?」

「市大人,您是何時來的?」

「お市様、いつお越しに?」

「剛剛和義姊(濃姬)一起來的。義姊在房裡休息,所以妾來找靜子了。」

「先ほど義姉上(濃姫)とともにな。義姉上は部屋で休まれておるゆえ、妾が静子を探しに参ったのじゃ」

近期市為了生產暫時住進靜子的醫院。她是淺井三姊妹的幼女——江(ごう)。雖然聽說已順利生下孩子,但或許因為難產,需住院一段時間恢復。

先ごろから市は、出産のため暫く静子の病院へと入院していた。浅井三姉妹の末子、江(ごう)である。無事に出産出来たとの報せは聞いていたが、難産だったためか回復のため暫く入院をするとのことだった。

明明沒有退院的消息,竟然見到病人本人市出現,靜子嚇了一大跳。

退院したとの報はないのに、患者本人である市の登場に、静子は酷く驚かされた。

「市大人,您的身體已經好些了嗎?」

「お市様、もうお加減は宜しいのですか?」

即使是向來強勢的彩,面對身為母親的市也不好把茶々和初拖行,於是便放開兩人並低頭致意。

流石の彩も、母である市の手前、茶々と初を引きずるわけにもいかず、二人を解放して頭を下げる。

「多虧眾人關照,已經好多了。因為沒事先打招呼就來,免去拘謹的寒暄吧。真是,奇妙的味道啊。」

「お陰様で、ようなった。先触れも無く訪ねたゆえ、堅苦しい挨拶はいらぬ。なんとも、不思議な味よのう」

「母上——我也要——!」

「ははうえー、わらわにもー!」

「也——」

「もー」

「不行。那兩位去讓乳母教訓她們吧。」

「ならぬ。その方らは、乳母に叱られて参れ」

「哼——不公平——」

「ぶー、ずるいー」

茶々和初伸手去拿盤子,但市把盤子高高舉起擋住。雖然她們覺得他出乎意料地嚴格,有些可愛,但靜子和彩認為指出來反而會惹出麻煩,於是決定靜觀其變。

皿に向かって手を伸ばす茶々と初だが、市は皿を高く掲げて防ぐ。意外にも躾に厳しい様子を微笑ましく思ったが、指摘して藪蛇になるのも詰まらないため、静子と彩は事態を静観することにした。

「順帶一問,今日是有何事前來?」

「処で、本日はどのようなご用で、こちらへお越しに?」

「其實我是有事找靜子,但聽說她要去兄上那裡。即便是妾身也不能頂替兄上,等靜子回家後再說吧」

「なに、静子に用があったのじゃが、兄上の許へと向かうと聞いた。流石の妾も、兄上を差し置くわけにはいかぬ。静子の帰宅を待って、話すとしよう」

「(那就是要在我家過夜了呢)知道了。那麼待妳回來我就派人,請在此悠然休息至那時。」

「(それは、我が家にお泊まり決定ですね)承知しました。では、戻り次第遣いを出しますので、それまでごゆるりとお寛ぎ下さい」

「嗯,拜託了。喏,別那麼噘嘴。把東西送到義姊那裡後,也會分給你們,先把事辦好回來吧。」

「うむ、頼んだぞ。ほれ、そのように膨れるでない。義姉上に届けたあと、そなたらにも分けるゆえ、先に用事を済ませて参れ」

市聽了靜子的回答,滿意地點頭,對噘著臉的茶々和初丟下一句話後,靜靜地離去。靜子一邊覺得他優雅的舉止下卻像風暴般的人,一邊前往信長處。

静子の返答を受け、満足げに頷いた市は、ふくれっ面の茶々と初に言葉を投げかけ、静々と去っていった。たおやかな所作とは対照的に、嵐のような人だなと静子は思いつつ、信長の許へと向かうことにした。

到了岐阜城,靜子被引導到茶室。信長宣佈決定事項時會在大廳會談,若被帶到茶室則代表是內密之事。

岐阜城へと登城すると、静子は茶室へと案内された。信長は決定事項を周知するときは、広間で会談を持つが、茶室へと案内されるときは、内密の話となる。

靜子其實並不想靠近茶室,但意外地常被帶到那裡,已達到一種無奈的境地。

静子としては茶室なんぞに近づきたくもないが、意外と案内される機会が多く、既に諦観(ていかん)の境地に達していた。

像往常一樣,她先交出腰間佩刀,洗淨手足,向室內的信長喊話、得到回應後,從蹲門進入茶室。

いつもの如く、腰に佩いた刀を預け、手足を濯ぎ、室内の信長へ声を掛け、応(いら)えを得てから躙(にじ)り口より茶室へと入った。

交出刀這個行為對於把武器帶入茶室來說有些無趣,但也是為了表示把性命託付給對方。被邀入密室茶室是信長信賴的證明,將武器托付、赤手進入也帶有回應這種信任的儀式意味。

刀を預ける行為は、茶室へと持ち込むには無粋という面もあるが、相手に命を預ける姿勢を示すためでもある。密室である茶室へと招かれることは信長からの信頼の証であり、武器を預けて無手で入るのはそれに応える儀式としての一面を持つ。

入室前洗淨手足,不只是衛生,也是證明手腳未塗毒藥。遵守這些程序後,終得進入茶室。

入室前に手足を濯ぐのも、衛生面もさることながら、手足に毒を塗っていないという証明になる。こうした手順を踏んで、ようやく茶室へと入室が適う。

「失禮了」

「失礼します」

因為放了保溫用的硝安,木箱意外地大,首先裝巧克力的木箱被抬入茶室,接著靜子上了坐。

保温用の硝安を入れているため、意外に木箱が大きく、まずはチョコレートの納められた木箱が茶室へと入り、続いて静子が上がり込んだ。

當然,作為獻禮的巧克力經毒見人確認過才被帶來。進入茶室便見到先到的客人,原本應在京的光秀在此。

無論、献上品であるチョコレートは毒見役が確認をしたものを持ち込んでいる。茶室に入ると先客がいた。本来ならば京に居るはずの光秀だった。

他注意到靜子時微微點頭致意,靜子也慌忙仿效。

彼は静子に気付くと小さく会釈をし、静子も慌ててそれに倣う。

「靜子還是一如既往地擅長讓人焦急」

「静子は相変わらず、人を焦らせるのが上手い」

「抱歉。我匆忙趕來,但實在無可奈何」

「すみません。急いで参りましたが、如何ともしがたく」

「無妨。只是戲言一說。キンカン,你也嘗嘗看」

「構わぬ。戯れに言ったまでよ。キンカン、貴様も食うてみよ」

信長立刻動手吃了獻上的巧克力,隨即把木箱遞向光秀。光秀取出懷紙恭敬地夾起巧克力,但在光滑發亮的褐色物體面前僵住了。

早速献上されたチョコレートに手を付けた信長が、木箱を光秀の方へと回した。懐紙を取り出して、恭しくチョコレートを摘み上げた光秀だが、艶やかに光る褐色の物体を前に硬直していた。

若事先不知其來歷,絕難把它當作食物,但既然主君信長推薦,除了鼓起勇氣吃下別無他法。

事前に知識を得ていなければ、到底食べ物とは思えないが、主人である信長が勧めた以上は、覚悟を決めて食べるより他なかった。

過了幾個瞬間,光秀把巧克力放入口中。起初他皺起眉頭,但漸漸露出柔和的表情。

数瞬の間を置いて、光秀はチョコレートを口に入れた。最初こそ眉をひそめていた彼も、徐々に柔らかい表情を浮かべた。

「口感真奇妙。手上能拿著,但放入口中會像剛搗好的年糕般融化,一直平滑地溶開」

「不思議な食感です。手に持てるのに、口の中に入れると、搗(つ)きたての餅のように蕩け、ずっと滑らかに溶けていきます」

信長又伸手拿第二塊,光秀也跟著。第二塊以後兩人都毫不猶豫地塞入口中。兩人沉默品嚐了一會兒,似乎滿足後將巧克力盒推到一旁。

信長が二つ目に手を伸ばし、次いで光秀もそれに倣う。二つ目以降に関しては二人とも躊躇なしで口へと放り込んでいた。暫く無言でチョコレートを味わっていたが、やがて満足したのかチョコレートの箱を脇へと押しやった。

為免在茶室的溫度下融化,便放入含硝安的保冷劑的保冷袋,然後蓋上木箱。

茶室の温度で溶けても困るので、保冷剤(硝安)入りのファクチス袋を入れて、木箱に蓋をした。

「好,既已盡享未知之菓,進入正題。你們也該知道,北條那邊有可疑動向。若奇妙前往東國征伐,必然會與之相遇」

「さて、未知なる菓子を堪能したところで、本題へ入ろう。貴様らも知っていようが、北条に怪しい動きがある。奇妙が東国征伐へ赴けば、必ずや相見(あいまみ)えることになろう」

「是想在預見和睦的前提下,先打一場嗎?」

「和睦を見越した上で、一戦交えるつもりでしょうか?」

「正如キンカン所言,打與我一場刀,表明東國有北條,然後再和睦,應該是這樣的打算」

「キンカンの言うように、わしと刃を交え、東国に北条ありと示した上で、和睦する腹積もりだろう」

信長早已注視北條的動向,指示蒐集北條家的最新情報,以便無論對方成為敵人或投降,都能迅速應對。

信長は兼ねてから北条の動きに注視していた。敵に回るにせよ、軍門に降るにせよ、どちらを選択されても即応できるよう、北条家に関する最新の情報を収集するよう指示していた。

從每日帶來的情報得知,北條家的主流派正朝與織田家交戰的方向凝聚。若對方從一開始就考慮好落腳點,曾向靜子說過的計畫便能發揮作用。

そして日々齎される情報から、北条家の主流派が織田家と交戦する方向でまとまりつつあることを知った。相手が最初から落としどころを考えているのなら、かつて静子に語った計画も生きてくる。

「如今武田家之武威已被挫,且已拉攏上杉家,可說對東國的佈局差不多完成。然而若北條家明確表明敵對姿態,對我方則會產生利點」

「武田家の武威を挫き、上杉家をも取り込んだ今。東国に対する仕込みは、ほぼ終わったと言える。しかし、北条家が明確に我らに敵対姿勢を示した場合、こちら側に利点が生まれる」

「意思是與北條一戰後敗或打成平手,藉此將對織田抱敵意的勢力揪出來嗎?」

「北条家といくさをして負け、もしくは引き分けに持ち込み、織田家に対して敵対的な勢力を炙り出す、という事でしょうか?」

「正是。武田大敗、上杉歸順於我,北條便是東國最後的大國。因此需要演出讓他們抱有期待的局面(……)」

「その通り。武田が大敗を喫し、上杉が我らに降った今。北条は東国最後の大国。ゆえに奴らが期待を抱く状況(・・・・・・・)を演じる必要がある」

不用多說,反織田聯盟所期盼的結果,正是東國的雄者北條站起來,給織田家一個敗績。

語るまでもなく反織田連合が期待する結果とは、東国の雄たる北条が立ち、織田家に黒星を付ける事だ。

「靜子,妳來製造局勢」

「静子、貴様は状況を作れ」

「是」

「はっ」

「キンカン之後,將潛在家中之叛徒、企圖謀反者、內通等可疑行動者,一一查清」

「キンカンはその後、身内に潜む裏切り者、謀反を企てる者、内通などの疑わしき行動をする者、全て調べ上げよ」

「哈哈」

「ははっ」

「他們已是走投無路,若垂餌便會像小魚般撲上來。他們絕不會夢想到餌上有釣鉤。一旦他們上鉤,便會徹底一網打盡」

「奴らは十分に窮しておる、餌を垂らせばダボハゼのように食いつく。その餌の先に釣り針があるなどとは、夢にも思っておらぬだろう。奴らが針に食らいついたが最後、一網打尽に仕留めるまでよ」

為了放眼大局、以求大勝而甘受小敗。口說容易,實行卻極難;必須承受到讓對方覺得自己勝利的損失程度,且在抑制更多損害的同時撤退。

大局を見据え、大勝を得るために小負を受ける。口で言うのは容易いが、実行するのは至難となる。相手が勝ったと判断する程度には損害を受けねばならず、尚且つそれ以上の損害を押さえつつ撤退せねばならない。

為了完成如此困難之事,有時甚至需要對信忠保密。因為信忠對靜子十分信賴,想到事情敗露後的情形,靜子從現在起便感到憂鬱。

これ程の難事を為すためには、時として信忠にすら秘密を持たねばならないだろう。信忠は静子を信頼しきっているため、ことが露見した後の事を想うと、今から憂鬱な気分になった。

「靜子啊,朝廷委託的藝事保護進展如何?」

「時に静子よ、朝廷からの芸事保護はどうなっておる」

「已經請細川大人等京中有力者協力,調查各處有何物。」

「細川様など京の有力者の助力を得て、どこに何があるかを調査しております」

因為被問到朝廷的職責,靜子就現狀做了回報。所謂藝事保護其實很細碎,首先要掌握各地有什麼、數量與狀況,將其彙整成目錄,再從中篩選出必要與否。

朝廷の役目について話を振られたので、静子は現状を報告した。芸事保護といっても、やる事は地味だ。まずどこに何がどの程度あるかのを把握する。それらを目録に纏め、その中から要不要を選り分ける。

最後確認現物,若屬於文書類就取得現物或抄本;若是繪畫或古董類,能買下就買,無法買下就將持有者登錄入目錄。

最後に現物を確認し、文書の類であるならば現物、または写しを得る。絵画や骨董品の類であれば、可能ならば買い取り、無理ならば持ち主として目録に登録していた。

若攝影已能實用化,對繪畫等也能取得複製,但攝影技術至今尚未見到實際成果。

写真が実用化出来ていれば、絵画の類についても写しが取れるのだが、写真技術については未だに研究成果が出ていない。

「不必焦躁,應該沉住氣慢慢來。」

「焦る必要はない。じっくり腰を据えて取り組むが良い」

「是!」

「はっ!」

「嗯。那就先退下。待會還有事,於別室等候。」

「うむ。では一旦下がれ。後程用がある故、別室で待て」

「明白了,那我先行失陪。」

「承知しました。では、一度失礼します」

信長命靜子退席。靜子離開茶室後,在蘭丸的引導下,到附近新建的四阿(東屋)休息。

信長は一旦静子に退席するよう命じた。静子は茶室を後にすると、蘭丸に案内されて近くに建てられた四阿(あずまや)で寛ぐことにした。

近來堀不再陪同,僅由蘭丸一人引領;他每回都做出各種表情,看著也不覺乏味。

最近では堀が付き添わず、蘭丸一人が案内を務めるのだが、彼は毎度百面相を見せてくれるため、眺めていて退屈はしなかった。

靜子到四阿後喝了奉上的茶,一邊沉浸於帶來的書籍。過了一會兒接到信長召喚,她收起書便再度前往茶室。

静子は四阿につくと、出された茶を飲みながら、持ち込んだ書物を読みふける。暫くしてから信長の呼び出しがあり、書物を懐に仕舞うと再び茶室へと向かった。

「近來似乎把很多工作交給手下了呢。」

「近頃は、多くの仕事を配下に任せているようだな」

「是的,現在沒了我也沒有那麼多事非得親自處理。」

「はい、私が居なければ回らない仕事は少なくなりました」

當年靜子創辦的事業也逐漸移交給屬下,各領域已有專責家臣成長起來。像在入海灣的養殖事業已完全脫離她的手,現在只剩翻看報告。

かつて静子が始めた事業も、徐々に配下へと引き継がれ、それぞれの分野に専任の家臣が育ってきていた。入り江での養殖事業などは、完全に静子の手を離れており、今では報告書を眺めるだけになっていた。

她一直堅持親自負責的南國水果栽培,想來再過幾年也會脫離她的掌管。

これだけはと持ち続けていた南国の果実栽培についても、あと数年もすれば静子の手を離れていくだろう。

「那就好。妳總是把所有事一個人扛得太多,能交給別人的就交給別人,專注做只有妳能做的事。」

「それで良い。貴様は何でも一人で抱え込もうとし過ぎだ。人に任せられる事は任せ、貴様にしか出来ぬ事をせよ」

「是。」

「はい」

「首先,妳對自己太過忽視了。關心家臣與匠人的休息,卻不肯讓自己休息!那樣下屬也無法安心休息!」

「第一、貴様は己の事を疎かにしすぎるきらいがある。家臣や職人の休みに気を配っていながら、肝心の貴様は休もうとせんではないか! それは下の者も安穏と休んでおられぬ!」

「啊、啊……(我為何會被說教呢?)」

「は、はあ……(何故、私は説教されているのだろうか?)」

面對信長突如其來的責備,靜子感到困惑。信長不顧她的內心狀況,訓斥前後持續了約一刻鐘。

突然の信長からの叱責に静子は困惑していた。静子の内心を顧みることなく、信長の説教は一刻ほども続いた。