戦国小町苦労譚
一五七三年 八月上旬
與慌亂的六月大相逕庭,七月相對平穩地過去。偶爾長可出陣,似乎鬱悶未盡而帶著不滿回來,但也只是如此,沒有什麼特別的變化。
慌ただしかった六月とは打って変わって、七月は比較的平穏に過ぎていった。偶に長可が出陣しては、不完全燃焼だったのか不満げに帰ってくる程度で、これと言った変化はない。
才藏如往常一般專注於護衛靜子,而高虎因與黑鍬眾同行,經常離家,露面變得稀少。
才蔵はいつも通りに静子の護衛に徹し、高虎は黒鍬衆と行動を共にしているため、頻繁に家を空けることとなり、顔を見せることは稀だった。
另一方面,慶次以監視景勝等人質為名,每天都與他們一同遊晃。
一方慶次は景勝たち人質の監視という名目で、毎日彼らと共に遊び歩いていた。
靜子每天處理因新居慶祝喧鬧而耽擱的政務,但因為政務負責者們漸漸熟悉事務作業,只要她下決定,其他人便會接手剩下的安排,已經不會陷入被公事纏身的狀態。
静子は新築祝いの騒ぎで滞っていた政務を片付ける日々を送るものの、政務担当者たちが事務作業に習熟してきたため、意思決定をすれば残りの手配を引き継いでくれるようになり、執務で忙殺されるという状態とは縁遠くなっていた。
然而這種平靜的日子,在七月中旬宣告終結。信長終於發出討伐淺井與朝倉兩家的號令。
そんな平穏な日々も、七月中旬に入ると終わりを告げる。信長がついに浅井・朝倉家討伐を号令した。
此番出陣由信長親自任總大將,嫡男信忠(舊名:奇妙丸)也以副大將的身分隨從在側。
この出陣では信長自らが総大将として出陣し、嫡男である信忠(旧:奇妙丸)も副大将という立ち位置で信長に付き従っていた。
理所當然地,靜子也接獲出陣的召喚,她本人也將隨軍出征。織田軍的全力集結,向內外彰顯了信長的決心。
当然ながら静子にも声が掛かり、彼女自身も出陣する運びとなった。織田軍の総力が結集され、信長の意気込み具合を内外に知らしめた。
「えー。此度のいくさで上様は淺井・朝倉両家を滅ぼすおつもりです。相手も後がないため必死の抵抗が予想されます。油断して怪我などしないようしっかり対応しましょう」
「えー。此度のいくさで上様は浅井・朝倉両家を滅ぼすおつもりです。相手も後がないため死に物狂いの抵抗が予想されます。油断して怪我などしないようしっかり対応しましょう」
對於一如既往帶點無神的靜子訓示,聚集於軍議的八名熟面孔忍不住苦笑。
いつも通りどこか気の抜けた静子の訓示に軍議に集まった、いつもの面子八名は苦笑を隠せない。
「今回、我々は朝倉家の対応に集中します。淺井家側の攻略は羽柴樣が進めておられましたので、これまで通りお任せすることとしました。現場を知らない者がしゃしゃり出て不和を招いては本末転倒ですからね。羽柴樣側から依頼があれば対応する程度で良いと思います。特別な事情があれば上樣からご下命があるでしょう」
「今回、我々は朝倉家の対応に集中します。浅井家側の攻略は羽柴様が進めておられましたので、これまで通りお任せすることとしました。現場を知らない者がしゃしゃり出て不和を招いては本末転倒ですからね。羽柴様側から依頼があれば対応する程度で良いと思います。特別な事情があれば上様からご下命(かめい)があるでしょう」
話如其言,靜子打算將己方軍力僅集中於朝倉家一處。
その言葉通り、静子は自軍を朝倉家のみに集中する予定でいた。
這除了如前所述秀吉先任處理淺井家的事務外,一個大理由是朝倉家所使用的城砦位於淺井家背後。
これは前述の通り、秀吉が先任として浅井家に対応していたこともあるが、朝倉家が用いる城砦が浅井家の背後に位置しているのが大きな理由であった。
特別是大嶽城將成為左右此戰局勢的關鍵。大嶽城與淺井家的居城小谷城同樣位於小谷山的北側。
特に大嶽(おおずく)城はこのいくさの行方を左右する要(かなめ)となる。大嶽城は浅井家の居城である小谷城と同じく、小谷山の北側に位置する城だ。
它比小谷城更偏北,作為通往朝倉家居城一乘谷城的中繼點,佔有極為重要的位置。
小谷城よりも北側に築かれ、朝倉家の居城である一乗谷(いちじょうだに)城への中継点として非常に重要な位置を占める。
換言之,若此處被信長制據,淺井家就如同在喉頭被刀刃抵住一般危急。
つまりここを信長に抑えられた場合、浅井家は喉元に刃を突き付けられた状態となる。
淺井家將與朝倉家完全斷絕聯繫,本就兵力較弱的淺井與朝倉一方唯一的優勢——互相協同,便無法發揮,結果將被各個擊破,這一點誰都看得出來。
浅井家は朝倉家と完全に分断され、兵数の劣る浅井・朝倉側の唯一の利点である連携が取れなくなり、各個撃破されるのが誰の目にも明らかとなるのだ。
「これに先駆けて足利將軍家が京より追放となります。まあ、これについては我々が何かする必要はないでしょう。ただ、淺井・朝倉攻めは將軍追放の後に行われると考えます」
「これに先駆けて足利将軍家が京より追放となります。まあ、これについては我々が何かする必要はないでしょう。ただ、浅井・朝倉攻めは将軍追放の後に行われると考えます」
「もう名前だけの將軍なんだし、いっそ始末してしまえば後腐れがない気がするがなー」
「もう名前だけの将軍なんだし、いっそ始末してしまえば後腐れがない気がするがなー」
「上樣としては將軍殺しの簒奪者という悪名を嫌われたのでしょう。それに形式上は相手が降伏して、それを受け入れたのですから、筋は通さないといけません」
「上様としては将軍殺しの簒奪者という悪名を嫌われたのでしょう。それに形式上は相手が降伏して、それを受け入れたのですから、筋は通さないといけません」
「ふーん」
「ふーん」
對長可的話靜子作了回應。似乎並無深意,長可只是應付式地回了句,話題就此結束。
長可の言葉に静子が答える。特に深い意図はなかったのか、長可は生返事をして話を終わらせた。
「詳細については近江へ出陣し、道中の軍議で話します。いつも通り、準備をお願いします」
「詳細については近江へ出陣し、道中の軍議で話します。いつも通り、準備をお願いします」
「承知」
「承知」
「では、これにて軍議は終了です。予定日までは各自鋭気を養って下さい」
「では、これにて軍議は終了です。予定日までは各自鋭気を養って下さい」
淺井・朝倉戰出陣的軍議很快就結束了。
浅井・朝倉戦出陣の軍議は短時間でお開きとなった。
基本上只是靜子告知事項,幾乎沒有需要商議的內容。信長在奪取淺井與朝倉兩家的領地後,還打算進一步逼迫越中的一向宗。
基本的に静子が通達事項を述べるだけで、相談するような内容が殆どないのが原因だ。信長は浅井・朝倉両家の領土を奪った後、越中一向宗をも締め上げる気でいた。
越中一向宗將被越後、美濃、越前所圍,完全失去去處。
越中一向宗は越後、美濃、越前に囲まれることとなり、完全に行き場を失う。
如此一來,他們要麼向信長屈服,要麼投靠已式微的武田求庇護,或是抱著破罐破摔的心態向其他地方發起攻擊,可自行選擇。
そうなれば信長に屈服するか、落ち目の武田に庇護を求めるか、それとも破れかぶれでどこかへ攻め込むかを選ぶこととなる。
不論越中一向宗選擇哪一條路,對信長都是有利的。只要拿下越中一向宗,石山本願寺的兵力就只剩紀州的門徒了。
越中一向宗がそれらのどれを選んだとしても信長としては好都合だった。越中一向宗さえ落とせれば、石山本願寺の兵力は紀州門徒を残すのみとなる。
本願寺不同於比叡山等寺社勢力,並不擁有自家的僧兵集團。
本願寺は比叡山などの寺社勢力とは異なり、自前の僧兵集団を持っていない。
他們的強項在於能動員各地分散的門徒組成一向一揆,這是種可在需要時隨時編成、任務結束即解散的高度機動兵力。
彼らの強みは各地に散らばる門徒を動員した一向一揆という、必要な時に随時編成され、用が済めば解散となる自由度の高い戦力だ。
其根基在於門徒,若門徒減少,本願寺的影響力必然弱化。
その基礎は門徒であり、それが減少すれば、必然的に本願寺の影響力は弱体化する。
因此信長打算將東日本唯一剩下的越中一向宗連根拔起,並把本願寺的門徒限制在他領地的西側。
故に信長は東日本に唯一残った越中一向宗を根絶やしにし、本願寺の門徒を自領の西側だけに限定するつもりでいた。
「これでよし、と」
「これでよし、と」
靜子整理必要文件,草擬送交信長的函件。
静子は必要な書類を纏め、信長へ送る送り状をしたためる。
此次戰事己方並非主攻,而需專注於後方支援。由於近江領土中央有琵琶湖,平原地帶本就稀少,與領地面積相比,收穫量相對較差。
今回のいくさでは攻め手ではなく、後方支援に徹する必要があった。近江は領土の中央に琵琶湖が存在する関係上、どうしても平野部が少なくなり、領土の割に収穫量が他より劣る。
因此在當地直接籌措物資困難,必須從伊勢、美濃、尾張運送軍需物資。事實上,先任的秀吉在補給上也是完全依賴美濃的支援。
それゆえ現地での物資調達は難しく、伊勢や美濃、尾張からも軍事物資を運送する必要があった。現に先任たる秀吉も物資補給に関して、美濃からの支援に頼り切っていた。
如果這次全軍在近江集結,物資調度很可能會陷入困難。
今回、全軍が近江に展開するとなれば、物資の調達で難航する可能性がある。
為避免此一憂慮,靜子的後方支援部隊需負責兵站,確保物資供給無虞,既不短缺也不過剩。
その懸念を回避するためにも、静子の後方支援部隊が兵站を担い、過不足なく物資供給を施す必要があった。
「啊,軍一動,人質與六君他們會怎麼辦呢?交給慶次先生嗎。剩下的就交給蕭醬,出納管理由彩醬負責……嗯,差不多就是這樣吧」
「あ、軍が動くと人質である与六君たちはどうするんだろう? 慶次さんに任せるか。あとはこれを蕭ちゃんに任せて、出納(すいとう)管理は彩ちゃんがするから……うん、こんなものかな」
完成必要文件後,靜子召來小姓,命他交給蕭。接下來就只剩蕭與彩備齊所需之物並聯絡後方支援部隊了。
必要書類を書き上げた静子は、小姓を招くと蕭に渡すよう命じた。あとは蕭と彩が必要なものを揃えて後方支援部隊へ連絡するだけだ。
僅此一動,作為輸送血液給織田家的心臟般的兵站便會開始運作。
それだけで織田家に血液を送る心臓たる兵站が動き始める。
「領地經營也很順利,這次戰事造成的影響也不大。近衛大人遷居京師後確定會成為關白……古書編纂事業也許會進入本格化吧」
「領地経営も順調だし、今回のいくさで受ける影響も少ない。近衛様は京へと移り住んだ後、関白となられることが確定しているから……古書編纂事業も本格化するかな」
因憂慮應仁之亂以降混亂時期而遺失的珍貴古書至今仍四散,靜子打算興辦一項編纂散逸古書的事業,類似史實上塙保己一編纂的《群書類従》。
応仁の乱以降の混乱期に貴重な古書が遺失し、今もなお古書が散逸している事を危惧した静子は、史実では塙保己一が編纂した『群書類従(ぐんしょるいじゅう)』と同じく、散逸した古書を編纂する事業を興す気でいた。
不過,此事業不可或缺的是擁有公家與寺社巨大影響力的前久之協力。
ただし、この事業は公家や寺社に多大な影響力を持つ前久の協力が必要不可欠であった。
幸好對保存事業表現興趣的前久答應協助靜子。
幸いにも保全事業に興味を示した前久は、静子に協力することを約束する。
然而因無法取得原物,必須製作寫本。也就是說要借出原本製作寫本,然後以此進行編纂。
ただし、現物を譲り受けることは不可能であるため、写本を作る必要があった。つまり原本を借り受けて写本を作り、それを以て編纂する流れとなる。
需要龐大的時間、人力與費用,卻幾乎無利可圖。
膨大な時間と人員、費用が必要となる割に利益は無い。
但靜子視歷史的集大成——那日積月累而成的古書消失為大問題,並承諾從略顯富餘的個人資產中籌措經費。
しかし静子は金よりも営々と続いた歴史の集大成たる古書が消えることを問題視し、余剰気味であった個人資産より費用を捻出すると約束した。
承認文化的價值並欲保存古書的事業,出乎意料地獲得包括朝廷在內的公家社會與寺社勢力等文化人士的好意接受。
文化に価値を認め、古書を残さんとする事業は、意外にも朝廷を含む公家社会や寺社勢力などの文化人達に好意的に受け入れられた。
是否因其之故不得而知,但現代僅存十卷的《日本後紀》全四十卷,雖為寫本,卻自十五世紀以來經過一世紀終於再行彙集。
そのお陰かは不明だが、現代では10巻しか残されていない『日本後紀(にほんこうき)』全40巻が、写本ではあるが十五世紀以来、一世紀を経ての再結集となった。
朝廷秘藏的書物等也獲得了寫本許可,公家與寺社所秘藏的各種古書亦然。
朝廷秘蔵の書物などについても写本の許可が得られ、公家や寺社が秘蔵している様々な古書も同様だった。
然而實際作業需耗數年,沒有能在短時間內完成寫本的古書。
しかし実作業には年単位の時間が必要となり、短時間で写本製作が終わる古書など無かった。
「史實中上京被焚毀了,但若當時未發生,古書是否才得以保存呢?總之書籍的焚毀與遺失對後世是重大損失,趁還能挽回的現在就要開始全集編纂事業。」
「史実では上京が焼かれちゃったけど、それが無かったから古書が残っていたのかな? ま、ともかく書物の焼失や紛失は、後世にとって大きな損失だから、取り返しが効く今のうちに全集を作る事業を始めないとね」
題外話,塙保己一花了近四十年編輯共計1273種;而靜子這項可能蒐集到更多古書的古典全集編纂事業,暗示將需要更多時間。
余談だが、塙保己一は計1273種の編集に四十年近くを費やしている。それ以上の古書が集まりそうな静子の古典全集編纂事業は、より多くの時間が必要となる可能性を示唆していた。
因此靜子認為必須在前久就任為關白、成為朝廷頂點之時開始此事。
だからこそ、前久が関白という朝廷の頂点へと就任する時期に開始せねばならないと静子は考えていた。
「編纂方面近衛大人也會協助,接下來只要耐心持續推進事業就行了呢」
「編纂には近衛様も協力してくださるから、後は根気よく事業を続けるだけだね」
靜子所發起的古書全集編纂事業概要如下。
静子が興した古書全集編纂事業の概要は以下の通りである。
首先盡可能取得古書的寫本。以此寫本為本,將記載的文字統一替換為規格化的漢字與平假名、片假名。
まず可能な限り古書の写本を得る。この写本を元に、記載された文字を規格化された漢字と平仮名、カタカナで置き換える。
這是因為古書上記載的文字會因書寫者而異。
これは古書に記される文字が書き手次第で異なるためである。
透過採用規格統一的表記,目的是將其保留為任何人都能閱讀的資訊。
規格統一された表記を用いることで、誰もが読める情報として残すのが目的だ。
文字統一完成後,將其以活版印刷(與現代原稿紙同樣的縱書段組格式)排版成書。最後若能完成可直接印刷寫本的木版則為告一段落。
文字の統一が完成すれば、それらを活版印刷(現代の原稿用紙と同様の縦書き段組みフォーマット)して書籍とする。最後に写本をそのまま印刷出来る木版が完成すれば終了となる。
「那麼,沒別的事了……來吧,ヴィットマン」
「さて、他に仕事はないし……おいで、ヴィットマン」
對著靜子在房間角落靜靜待著的ヴィットマン們,她一邊招手一邊呼喚。聽到她的聲音大家立刻跳起,全都一股腦朝靜子衝去。
部屋の隅でじっとしていたヴィットマン達に、静子は手招きしながら声を掛ける。彼女の声に全員がパッと起き上がると、一目散に静子へと駆け寄る。
靜子撫摸ヴィットマン的頭時,他用力搖著尾巴回應。隨即カイザー等也紛紛來搶著撒嬌,靜子苦笑著依序撫摸每個的頭。
静子がヴィットマンの頭を撫でると、彼は尻尾を勢いよく振って応える。すぐにカイザーたちも我も我もとせがみ出し、静子は苦笑しながら全員の頭を順繰りに撫でていった。
「好!要不要出去散步呢」
「よし! 散歩にでも出かけるか」
靜子享受了一會兒久違的互動,因天氣良好便打算出門走走。
暫く久しぶりの触れ合いを楽しんでいた静子だが、天気も良いため外に出かけようと考えた。
突然起身的靜子彷彿一碰即成吉日,起初傾首仰望的ヴィットマン們,在她開始準備外出時便察覺目的而排在後方。
思い立ったが吉日とばかりに突然立ち上がった静子に、最初は首を傾げて見上げていたヴィットマンたちだが、静子が外出の準備をし始めると目的を察して後ろに並ぶ。
他們由為群首的靜子領頭前行,從她側邊或後方搖著尾巴跟隨。
彼らは群れの長たる静子が先頭を歩き、その横または後ろから尻尾を振りながら追いかける。
「今天的天氣真好啊!」
「今日は良い天気だあ!」
走到寬廣的庭院,靜子伸長身體盡情沐浴陽光。
広い庭に出ると静子は背伸びをして存分に陽光を浴びる。
最近一直窩在家裡做行政工作,久違的陽光有些刺眼。ヴィットマン們也跟著靜子各自伸展。
最近、引き篭もって事務作業ばかりしていたから、久方ぶりの太陽は少し目に染みた。ヴィットマンたちも、静子に続いて思い思いに伸びをする。
「如果明天也好天的話,曬曬太陽也不錯呢」
「明日も天気が良かったら、日向ぼっこするのも良いかも」
祈願好天氣能持續,靜子與ヴィットマン們一同邁步前行。
良い天気が続くことを願って、静子はヴィットマン達と共に歩き出した。
次日卻不巧變成陰雨天氣。
翌日は生憎の雨模様となった。
七月下旬,作為室町幕府最後將軍的足利義昭將征夷大將軍之位讓出,並宣布嫡男義尋為足利家的繼承人。
七月下旬、室町幕府最後の将軍たる足利義昭は征夷大将軍の位を返上し、嫡男である義尋を足利家の後継者とすると発表した。
義昭本人離開京師,前往備後國。據說信長會負責培養嫡男義尋成為下一任征夷大將軍,但眾人皆視義尋為人質。
義昭自身は、京を離れて備後国に下向する。嫡男である義尋を次期征夷大将軍するべく、信長が責任を以て育てるという話だが、誰もが義尋を人質だとみなしていた。
雖然宣稱義昭因身體不良而退位,但在任何人眼中無非是信長所為的驅逐。
義昭自身の退位も体調不良によるものと発表されたが、誰の目にも信長の手による追放だとしか映らなかった。
然而哪怕已不復往昔,作為前將軍的威望仍在,他的生活並未因此陷入困窘。
とはいえ、腐っても元将軍という威光は残り、彼の生活が逼迫するようなことは無かった。
對外表面上足利幕府仍存,但京中百姓、朝廷、公家以及他國的國人們都認為幕府已滅。
対外的には足利幕府が存続しているが、京の民や朝廷、公家、他国の国人たちも幕府が滅んだと考えた。
後來的史書記載,1573年7月下旬,室町幕府滅亡。
後の歴史書には1573年7月下旬、室町幕府滅亡と記されている。
因義昭被逐出京城,藉由他而存在的間接性信長統治就此終結,信長自身以天下人姿態行事的時代揭開序幕。
義昭が京から追放されたことで、彼を擁して間接的な信長の支配は終わり、信長自身が天下人として振る舞う時代が幕を開けた。
信長立即將原屬足利將軍家的御料所收歸為己有,並將年號自元龜改為天正。
信長はすぐさま元足利将軍家の御料所を自身の領土として接収し、現在の元号を元亀から、天正へと改元を行った。
此外,他命令自己的家臣、京都所司代村井貞勝承擔過去幕府所執行的業務。
また、今まで幕府が行っていた業務を自身の家臣であり、京都所司代である村井貞勝に行うよう命じた。
「時代變了呢。從今以後是上樣的時代……大家怎麼了?」
「時代が変わるねえ。これからは上様の時代……って皆どうしたの?」
一邊閱讀從京城帶來的報告,靜子感慨能親眼見證時代變遷,心情十分沉重。只是周圍的人根本無暇顧及。
京より齎された報告書を読みながら、静子は時代の変わり目に立ち会えた事を想い、感慨深く思う。が、周囲の人間はそれどころではなかった。
「什麼嘛……好熱」
「何って……暑い」
從大家對酷熱無奈的模樣可見一斑。今年的氣溫比往年高了好幾度,持續著如同現代所謂的酷暑。
それは全員が暑さに閉口している様子を見ても明らかだ。今年は例年よりも気温が数度も高く、現代で言う猛暑が続いていた。
慶次等人脫掉外衣,露出內衣,才藏雖然露出似乎想說話的表情,但似乎提不起勁連牢騷都沒有。
慶次など上着を脱ぎ去り、下着姿を晒しており、才蔵は何か言いたげな表情を浮かべるも、その気力が湧かないのか小言すらなかった。
披著毛皮的ヴィットマン家族,以及塔瑪、哈娜等動物也為了避開灼人的陽光,待在陰涼處。
毛皮を纏うヴィットマンファミリー、タマやハナなどの動物たちも焼けつくような日差しを避けて、日陰に留まるようになった。
在此刻的靜子宅中,雖不能說精神飽滿,但照常行動的只有靜子一人。
現時点の静子邸で、元気とまでは言わないが、普段通りに行動しているのは静子だけだった。
「連日好熱呢。出陣也快到了,或許要想些對策?」
「暑い日が続いているね。出陣も近いことだし、何か対策を考えないといけないかも?」
「話說……為何靜子都無所謂?我快熱死了」
「というか……何故静子は平気なのだ。俺は暑くて死にそうだ」
「為何?夏天就是會熱不是嗎?」
「何故って、夏は暑いものじゃない?」
靜子也不是完全感覺不到熱。
静子も暑さを感じていない訳ではない。
因為太平洋的高氣壓盤據,日本的夏季少風。儘管如此,作為小冰河期的戰國時代夏日,仍遠比現代日本連日酷暑的灼熱地獄要涼爽許多。
太平洋に高気圧が居座るため、日本の夏は風があまり吹かない気候だ。とは言え小氷河期である戦国時代の夏は、現代日本の酷暑日が続く灼熱地獄よりは随分と涼しい。
沒有空調造成的熱島效應,也沒有鋪裝道路造成的照射反熱。
エアコンによるヒートアイランド現象があるわけでもなく、舗装された道路の照り返しがあるわけでもない。
既非建築密集到足以阻擋微風,加上建築密閉性低,室溫就不會持續升高。
僅かな風を遮る程に建物が密集している訳でもなければ、気密性が低い建築様式も相まって、室温が上がり続ける事もない。
基於上述種種,對曾親歷更多地獄般苦況的靜子來說,這程度的炎熱頂多只是有點不舒服,並不像慶次等人所說會被煮熟般難受。
このような理由から、もっと地獄を実体験で知っている静子からすると、この程度の暑さは多少不快な程度であり、慶次たちのように茹で上がる程暑いとは思わない。
「沒辦法呢。要不要從氷室拿個西瓜出來吃?」
「仕方ないわね。氷室(ひむろ)からスイカでも出して、食べるってのはどうかしら」
西瓜約九成由水分構成。因此可說是營造涼意的夏日定番水果。
スイカの9割は水分で構成される。それゆえに涼を演出する夏の定番果実と言える。
此外,從紅色果肉可知含有大量β-胡蘿蔔素與茄紅素,且意外地鉀含量也高,因此具有促進疲勞恢復與利尿的效果。
また、赤い果肉から判るようにβカロテンやリコピンを多く含んでおり、意外にもカリウムも多く含んでいるため疲労回復や利尿作用が高い。
不只是含水量高的甜果而已,更是能合理讓夏日過得涼爽的甜點。當然吃太多會傷身,但那並非西瓜獨有的問題。
ただ水分が多い甘い果実と言うだけでなく、夏を涼しく過ごすための合理的なデザートと言えた。無論食べ過ぎれば体を壊すが、それはスイカに限った話ではない。
「啊——確實用井水冰鎮過的西瓜和番茄很美味呢」
「あー、確かに井戸水で冷やしたスイカやトマトは旨いよな」
「好!別偷懶。馬上去準備,給我打起精神來」
「はい! だらっとしない。今、準備して貰うからしゃきっとしなさい」
不久端上來的是冰透的西瓜,以及剛採下來一直用井水冰鎮著的番茄。
暫くしてよく冷えたスイカと、先ほどまで井戸水で冷やされていた収穫したてのトマトが出てきた。
「嗯——這就是炎熱日子的必備了」
「んー、暑い日はこれだな」
慶次等人把腳浸在裝著冰水的桶裡,一邊吃著番茄與西瓜度過酷暑。
慶次たちは冷えた水が入った桶に足を浸しつつ、トマトやスイカを食べて猛暑を乗り切った。
出陣準備也告一段落,在預定日來臨前閒得發慌的某日,靜子扛著農具前往田地。
出陣の支度も終わり、予定日までの暇を持て余していたある日、静子は農具を担いで畑を目指していた。
那天難得風勢強勁,暑意略微緩和。平常習慣待在樹蔭的ヴィットマン們也活力十足地跟在靜子後面,足見天氣涼爽。
その日は珍しく風が強く、暑さは若干和らいでいた。いつもは木陰が定位置のヴィットマンたちも、静子の後を元気よくついてくる程には涼しい日だった。
話雖如此,夏日陽光依舊強烈,靜子戴著自己做的草帽。
とはいえ夏の日差しは強いもの。静子はお手製の麦わら帽子を被っていた。
「呼呼——夏天正是田間工作的黃金期喔」
「ふふーん。夏こそが畑仕事の本番ですよ」
稻米在秋季才迎來收穫期,因此夏季有點農閒,是投入田間工作的時候。對夏季蔬菜而言,整枝、摘葉及收穫是基本作業。
米は秋ごろに収穫期を迎えるため、微妙に農閑期でもある夏は畑仕事に精を出す。夏野菜などの整枝と摘葉、そして収穫が基本的な作業だ。
靜子熟練地檢視作物狀況,迅速進行整枝與摘葉。適合收穫的蔬果放入籃中,要間引的則埋入土裡。
手慣れたもので、静子は作物の状態を確認しては素早く整枝と摘葉を行う。収穫時期の野菜や果物は篭に入れ、間引きするものは土に埋めた。
「ヴィットマン在這邊。凱澤,把那個籃子拿來。阿德爾海特,拉這條繩……好,固定好了。現在放手也沒問題了」
「ヴィットマンはこっち。カイザー、その篭取って。アーデルハイト、この紐引っ張って……よし、固定した。もう離しても大丈夫よ」
和ヴィットマン家族合作把田裡的工作收尾。ヴィットマン們也很熟練,準確回應靜子的指示,幹得很順利。過了中午不久,預定的作業完成了。
ヴィットマンファミリーと協力して畑仕事を片付けていく。ヴィットマンたちも慣れたもので、静子の指示に的確に応えてよく働いた。昼を少し越えた頃、予定していた作業は終了した。
「嗯——完成了。考慮到移動,出陣可能是8月3或4日,還能再做幾天田務呢」
「んー、完了っと。移動を考えれば8月3日か4日が出陣だから、後数日は畑仕事が出来るね」
伸了個懶腰後,靜子在樹蔭下休息。ヴィット曼們圍坐在她周圍,也跟著伸懶腰。微風輕拂,幫被陽光炙烤的身體降溫。
背伸びをした後、静子は木の陰で休憩する。ヴィットマンたちは、静子の周りに陣取ると静子と同じように伸びをした。風がふわりとふいて、日差しに焼かれた体を冷やしていく。
靜子在這舒適的天氣中感到昏昏欲睡,但若是汗未乾就睡必然會感冒,於是拍了拍臉頰打起精神。
心地よい陽気に眠気を感じた静子だが、汗をかいたまま寝ては確実に風邪をひくため、頬を叩いて気合を入れる。
「好——先把汗弄乾。然後慢慢放鬆享受吧」
「よーし、汗を流そう。それからゆったり過ごそうね」
輕輕撫了カイザー的頭一下,靜子便挺直站起。交代下人收拾農具後,靜子在浴室裡把沾滿泥土與汗水的身體洗乾淨。
カイザーの頭を一つ撫でると、静子はすっくと立ちあがる。農具の片付けを下働きに任せたあと、静子は土や汗にまみれた体を風呂で洗い流した。
出浴後她吃了稍晚的午餉,然後簡單處理了一些公事度過時光。
風呂を出た後は、少し遅めの昼餉を取り、軽く事務処理をして過ごした。
出陣前帶有緊張感卻悠然的氛圍,對已成為織田家重鎮的她來說,是被允許的少許休息。
出陣前の緊張感を孕みつつもゆったりとした空気は、織田家重鎮となってしまった彼女に許された、僅かばかりの休息であった。
時光寧靜而讓人安心。但通往殘酷戰場的日子正一步步逼近,因此她格外珍惜這份平穩的日常。
静かで心安らぐ時の流れだ。しかし、確実に過酷ないくさ場へと向かう日は近づいていた。ゆえにこそ、この穏やかな日常を彼女は大事にしていた。
「哦,是ゆっきー和しろちょこ啊,真少見呢」
「おや、ゆっきーとしろちょこじゃないか。珍しいね」
正當她端詳書類時,打開門進來的是雪豹ゆっきー與しろちょこ。兩隻看到靜子在確認文件,就叼住她的袖口拉扯。
書類を眺めていると、入り口を開けてユキヒョウのゆっきーとしろちょこが入ってきた。二匹は静子が書類を確認しているのを見ると、彼女の袖口を咥えて引っ張る。
這是牠們表示「妳如果只是坐著就該理牠們」的意思。靜子覺得那也不是急迫的文件,便把書類放到桌上,撫了撫ゆっきー的頭。
座っているだけならこちらを構え、という意思表示である。静子としても急ぐ書類ではないため、机の上に置くとゆっきーの頭を撫でる。
最先對靜子中斷工作反應過來的是ヴィットマン家族。
静子が仕事を中断したことに真っ先に反応したのはヴィットマンファミリーだった。
他們對打斷靜子工作的魯莽舉動露出驚訝表情,但一旦看出事情已辦妥,便收起神色,以出色的團隊默契圍在靜子周圍。
彼らは静子の仕事を邪魔する暴挙に驚いた顔をしたが、いざ仕事が終わったと判ると表情を引き締め、抜群のチームワークで静子の周囲へ陣取った。
ヴィットマン們確認了各自的位置,臉上帶著得意的神情;不過ゆっきー和しろちょこ似乎不拘席次,不理ヴィット曼們,搖著尾巴親昵地跟靜子玩耍。
定位置を確保して勝ち誇った顔を浮かべるヴィットマンたちだが、ゆっきーとしろちょこは席次に拘りがないのか、ヴィットマンたちに構わず尻尾をふりふり、静子にじゃれついていた。
「被這麼擠在一起會熱啦。來來,你最喜歡被摸下巴了吧」
「そんなに密集されると暑いのだけどね。ほれほれ、お前は顎を撫でられるのがお気に入りだったね」
一邊摸著頭和下巴,不知不覺タマ和ハナ也進了房。シロガネ、クロガネ、アカガネ則從打開的障子外看著靜子。
頭や顎を撫でていると、いつの間にかタマやハナも部屋に入ってきていた。シロガネやクロガネ、アカガネは開け放たれた障子の外から静子を見ていた。
靜子周圍簡直成了小型動物園。她摸了摸身後カイザー的背,然後把頭靠上去躺下。
静子の周りはちょっとした動物園状態になっていた。静子は後ろにいたカイザーの背中を撫でた後、頭を乗せて寝転ぶ。
「這樣最讓人安心了呢」
「これが一番落ち着くね」
靜子低聲喃喃,舒適的疲倦再次襲來,她毫不抵抗地放鬆了意識。
呟きながら再び心地よい疲労に襲われた静子は、抵抗せずに意識を手放した。
在盡情務農並與以ヴィットマン家族為首的動物們嬉戲的日子中,終於迎來了出陣之日。
存分に畑仕事をしてはヴィットマンファミリーをはじめとする動物たちと戯れる日々を送って迎えた出陣の日。
靜子把家裡的事託付給ヴィットマン們後,穿上甲冑準備出陣。披上戰裝時,平日那副鬆懈的表情不見了。
静子はヴィットマンたちに家の事を頼むと、出陣のために甲冑を身に着ける。戦装束を纏った時、いつもの緩んだ表情を浮かべる静子はどこにもいなかった。
「長期與淺井、朝倉的戰事到了最後,這次要分出勝負。」
「長く続いた浅井・朝倉との戦いも最後だ。今回で決着を付ける」
「哈哈!!」
「ははっ!!」
「出陣!!」
「いざ、出陣!!」
在兵士們的呼應下露出滿足笑容的靜子下達了出陣號令。行軍沒多久,靜子發現兼續來為她送行。
兵たちの呼応に満足げな笑みを浮かべる静子は、出陣の号令を掛けた。行軍を始めて少しした時、兼続が見送りに来ていることに静子は気づいた。
靜子笑著把右手按在二頭肌處,左臂上舉,擺出所謂的ガッツポーズ向他示範。
静子は笑みを浮かべると、右手を二の腕に当て、左腕を上に曲げる所謂(いわゆる)ガッツポーズを取って見せた。
兼續對這不熟悉的動作感到驚訝,但察覺那是要豎起力臂的姿勢後,也笑著擺出和靜子相同的姿勢。
見慣れない所作に驚いた兼続だが、力こぶを浮かべる仕草だと気付くと笑みを浮かべて静子と同じポーズを取った。
雖然只是這麼一件小事,靜子卻覺得某種意思不知為何也彼此通了。
それだけのことだったがなんとなく意味は通じたと静子は感じた。
8月6日,於小谷城包圍持續之際,靜子抵達陣地。與此同時,有報告傳到織田陣營,稱山本山城的阿閉貞征已倒向信長一方。
8月6日、小谷城包囲が続くなか、静子が陣へと到着した。同時に山本山城の阿閉貞征が信長側へ寝返ったという報せが織田陣営に届けられる。
阿閉早已暗中與織田通訊,這次則正式向內外宣告倒向織田。接獲此訊後,信長從岐阜出陣前往近江。
前々から密かに織田側へと内通していた阿閉だが、改めて織田側に寝返る事を内外に宣言した。この報せを受けた後、信長は岐阜から近江へと出陣した。
8月8日,信長在山田村附近紮營。朝倉獲知此情報後,似乎明白已無退路,遂率全軍出陣,在木之本附近駐紮。
8月8日、信長が山田村付近に陣取る。この情報を得た朝倉は、次がないと理解したのか全軍を以て出陣し、木之本付近に陣取った。
織田軍與朝倉軍隔著高時川或山田川對峙。織田軍一面與朝倉軍對峙,一面也在虎御前山部署兵力以牽制小谷城。
織田軍と朝倉軍は高時川もしくは山田川を挟んで対峙した。織田軍は朝倉軍と対峙しつつ、小谷城の抑えとして虎御前山にも兵を配した。
順帶一提,目前只知道朝倉義景在田上山設本陣,其他武將如何配置則不明。
余談だが朝倉義景は田上山に本陣を敷いた事だけしか分かっておらず、他の武将をどのように配置したかは不明である。
推測是朝倉一門眾被安排成包圍義景本陣之勢,像山崎義家等人可能在與信長對峙的高時川附近布陣。
予想としては朝倉一門衆が義景の本陣を囲むように配置され、信長と睨み合う高時川付近に山崎義家などが布陣したと思われる。
另一方面,信長為對朝倉部署柴田勝家、前田利家、佐久間信盛等人,羽柴秀吉安置於虎御前山,其近旁還有信忠的兩人作為對淺井的牽制。
一方の信長は対朝倉として柴田勝家や前田利家、佐久間信盛等を配置、虎御前山に羽柴秀吉、その近辺に信忠の二人が浅井の抑えとして配置された。
負責守備信長本陣與虎御前山中間丁野城的,是明智光秀。另有稻葉一鐵與蒲生氏鄉在信長本陣附近布陣。
信長本陣と虎御前山の中間辺りにある丁野城の抑えには明智光秀が配置された。その他に稲葉一鉄や蒲生氏郷が信長の本陣付近に布陣していた。
至於靜子被部署在哪裡,是在信忠身旁;然而雖然在信忠旁有她的營帳,重要的靜子本人卻不在那裡。
そして静子がどこに布陣したか、それは信忠の傍である。しかし、信忠の傍に陣こそあるものの、肝心の静子はその場所にいなかった。
「虎御前山的砦需要修理……作為牽制小谷城配備鐵炮衆250人。物資先放十日份,六天後派補給部隊。」
「虎御前山の砦は修理が必要……小谷城の抑えとして鉄砲衆250を配備。物資はひとまず十日分を置いておきます。六日経ったら補給部隊を派遣します」
靜子不在的理由是,這次她的主要任務是負責兵站。
静子不在の理由は、今回の主目的が兵站担当だからである。
信長打算在此次戰事中滅掉淺井與朝倉,因此想要確實推進計畫。但身為總大將的他也不能四處奔走。
信長としては今回のいくさで浅井・朝倉を滅ぼすつもりであるため、確実にことを進めたかった。しかし、総大将たる自分があちらこちらへ移動する訳にもいかない。
於是被選上的人就是靜子。
そこで白羽の矢が立ったのが静子である。
因在與武田的戰鬥中獲勝,靜子不需要積極追求戰功,卻擁有不容輕視的發言力與影響力。
武田との合戦で勝利を得たことで、静子には積極的に戦果を求める必要がなく、しかし誰からも軽んじられない発言力と影響力を持つようになった。
她處於接受物資運送與鐵炮衆派遣等援助的立場,因此其他武將也無法對她冷待。
物資運搬や鉄砲衆の派遣などの援助を受ける立場であるため、他の武将としても邪険には出来ない。
(真是迂迴的做法啊。不過天下將近,織田家內部也會開始權力爭奪,而上樣一旦動了手影響力太大,似乎也沒辦法。)
(回りくどいやり方だなあ。でも天下が近づくと織田家内部でも権力争いが始まるし、上様が動くと影響力があり過ぎるから仕方ないか)
基本部署由信長決定,但最終判斷委由靜子全權處理。
基本的な配置は信長の決定だが、最終的な判断は静子に一任されていた。
乍看像是被推給一個體面的協調者,但信長把政治裁量交給靜子實屬罕見,故此她認為這是信任的證明。
体(てい)の良い調整役を押し付けられたようにも見えるが、信長が政治的な裁量を静子に任せるのは稀であるため、信頼の証と思うことにした。
虎御前山綿延着運送物資的隊列。為了向淺井施壓,運物資用的手推車數量故意比必要的多得多。
虎御前山に物資が運ばれる隊列が続く。浅井へと圧力をかけるためにも、物資運搬に用いるリヤカーの数を必要以上に多く使用した。
這一策似乎頗有成效,淺井軍為織田大軍所運作的壓倒性物資量而震懾。
この策はそれなりに効果があったようで、浅井軍は織田家が運用する圧倒的物量に戦慄していた。
「看起來很順利呢」
「順調のようですね」
正在向後方支援部隊下達指示時,竹中半兵衛向靜子招呼。下完眼前士兵的指示後,靜子轉身面向竹中半兵衛。
後方支援部隊に指示を出していると、竹中半兵衛が静子に声をかけてきた。今いる兵たちに指示を出し終えると、静子は竹中半兵衛へ向き直る。
「嗯,順利。我這邊配備火繩槍手二百五十人。淺井殘兵不多,應該不會來攻,不過以防萬一。」
「ええ、順調です。こちらには鉄砲衆を250配備します。まあ浅井は残兵力が少ないので、攻めてくるような事はないと思いますが、念のために」
「我們的偵查估計,大約頂多兩千左右。感覺上只顧守城已經應付不暇。不過俗話說困鼠咬貓,若逼得太緊,恐怕會遭到痛烈的反擊。」
「こちらの調べでは、よくて2000ほどと思われます。城を守るだけで手一杯といった感じでしょう。しかし、窮鼠猫を噛むとも言います。追い詰めすぎれば、手痛い反撃を受ける事になりかねません」
「大意不得。順帶一問,有何事相求嗎?」
「油断大敵ですね。ところで何かご用でしょうか?」
靜子從一開始就沒認為竹中半兵衛會只是單純閒聊地招呼她。
竹中半兵衛が純粋に雑談するべく静子に話しかけるなどと、彼女は最初から思っていなかった。
小谷城能否攻下將大幅影響羽柴軍的武功,靜子認為自己無閒情與他人閒聊。
小谷城を落とせるか否かで、羽柴軍の武功は大きく左右されるのだ。他人と雑談をしている余裕などない、と静子は考えていた。
「正如您所料。其實羽柴大人有事想諮詢靜子大人,不會耽擱太久,可否勞駕一趟?」
「お察しの通りです。実は羽柴殿が静子殿にご相談したいことがあるとのこと。そう大したお時間は頂きません、少しご足労願えませんか?」
「……我正準備前往明智大人那裡,所以無法佔用太多時間,但若您不介意的話。」
「……これから明智様の許へ向かう予定ですから、それほど多くの時間は取れませんが、それでも宜しければ」
靜子答應了邀請,但心中仍嘆息,覺得織田家中有力者間早已互相牽制。
静子は申し出に応じつつも内心ではため息を吐いていた。既に織田家家中の有力者同士で牽制し合っているように思えた。
此時光秀的發言力已高於其他家臣,他領會信長意圖掌控京都,在坂本享有名君之譽。
この頃、光秀は他の家臣たちより発言力が高まっていた。信長の意図を酌みとり京を支配し、坂本では名君としての名をほしいままにしていた。
看似一味謹慎,但有時又會採取大膽的策略,工作表現以至於信長親自讚賞。
慎重一辺倒かと思いきや、時として大胆な調略を行ってみるなど、その働きぶりは信長が直接褒めそやす程だった。
對不追求仕途的靜子來說,信長若早日統一天下本該令人高興,但對其他家臣而言卻是讓人不快的事。
立身出世を望まぬ静子から見れば、信長の天下統一が早くなると喜ぶことだが、他の家臣たちからすれば面白くない話であった。
「多方明白。那麼,這邊請。」
「重々承知しております。それでは、こちらに」
將剩餘事務交給他人後,隨竹中半兵衛前往秀吉陣地。他們在軍議上對著地圖沉思。
残務を他の者に引き継ぐと、竹中半兵衛に案内されて秀吉の陣へと移動する。彼らは軍議の場で、地図を前にして唸っていた。
機敏的秀吉一見到靜子便立刻露出和藹可親的笑容。
目端の利く秀吉はいち早く静子を見つけるやいなや、ニコニコと人好きのする笑みを浮かべる。
「喔! 本來就等著你,靜子大人。抱歉突然召喚,實有一事相求。」
「おお! 待っておったぞ、静子殿。いや、急に呼び出してすまぬな。実は折り入って頼みがあるのだ」
一面說著一面引領靜子到地圖前。能否在此立功決定了以往辛勞是否能得回報,他也拼命想獲取更高的獎賞與地位。
言いながら静子を地図の前へと案内する。ここで武功を立てられるか否かで、これまでの苦労が報われるかどうかが決するのだ。彼もより高い報酬や、地位を得たいと必死であった。
「其實從此以後如何攻擊意見分歧,大家商討亦無良策。於是想請靜子大人以局外第三者的視角給予意見,如何?」
「実はここから先、どのように攻めるべきか意見が割れてのう。皆と話し合ったが、これと言った良案がない。そこで、静子殿に部外者である第三者の視点からみた意見を貰えまいか?」
「好……既然請求,沒問題。」
「ええ……お求めとあらば構いませんが」
回答之際,靜子環視參與軍議的人員。
返事をしつつも静子は軍議に参加している面子を見やる。
大家都露出不悅的表情,唯有秀吉的弟弟秀長帶著期待的愉悅神色。
誰もが面白くなさそうな表情を浮かべていた。ただ一人、秀吉の弟である秀長だけが、何かを期待するような楽し気な表情をしていた。
這是理所當然的:即便是將帥秀吉的方針,若說要重視外人意見,長期在軍議上絞盡腦汁的人當然不會高興。
当然の話である。幾ら大将たる秀吉の方針とは言え、部外者の意見を重視するなどと言われては、これまで軍議に参加して頭を捻っていた者としては面白くない。
在幾乎帶敵意的目光中,雖覺得胃一陣隱痛,靜子仍指向地圖上的一處。
ややもすると敵意ともとれる視線の中、胃が痛いなあと思いつつも、静子は地図の一点を指さした。
「此次戰事的焦點在於燒尾砦與大嶽城。若大嶽城被攻下,可切斷淺井與朝倉的聯繫。到時逼著出陣的朝倉便只好棄淺井而去。」
「今回のいくさで焦点となる場所、それは焼尾砦と大嶽城になります。特に大嶽城が落とされると、浅井と朝倉の連絡を遮断できます。そうなれば反対をおして出陣した朝倉は、浅井を見捨てる他なくなります」
「不過,地利在對方。他們不會嘗試奪回大嶽城嗎?」
「ですが、地の利は相手方にあります。大嶽城を奪還しようとするのではないでしょうか?」
秀長表情不變地問靜子,其他人則咧著笑看著,似乎等著秀長指出靜子的破綻。
秀長が表情を変えずに静子へ質問する。他の面々は秀長が静子の案の穴を指摘したのかと、ニヤニヤと笑みを浮かべつつ見守る。
但靜子不以為意,拿起筆在地圖上畫了些東西,然後舉起示眾。
しかし静子は気にすることなく、筆を取って地図になにがしか描き込むと持ち上げて見せた。
「即便看了這個,還能說同樣的事嗎?」
「それはこれを見ても、同じ事が言えるでしょうか?」
眾人含秀長在內看向地圖,卻不懂靜子所畫記號何意;竹中半兵衛很快察覺那暗示敵軍兵力隨時間變化的趨勢。
言われて秀長を含む全員が地図を眺めるが、静子が描き込んだ記号が何を示すのか判らない。だが竹中半兵衛がすぐに敵軍の兵力が時系列で変化する様を示唆していると気付く。
秀長稍遲也發覺並低吟,但除他倆外其他人仍完全不明白。
少し遅れて秀長も気付いて唸った。しかし二人を除く他の面々は一向に理解できずにいた。
「哈哈哈,兄上。看懂了就很清楚了。假設我們攻下大嶽城,淺井為了從小谷城奪回大嶽城而出陣。這動向就是這個記號,小谷城留下的兵力大幅減少。兄上你會怎麼做?」
「はっはっは、兄上。見方が分かれば実に明瞭です。我らが大嶽城を落とし、浅井が小谷城から大嶽城を奪還すべく出陣したとしましょう。その動きがこの記号です、小谷城に残る兵数が大きく減りました。兄上ならどうなさります?」
「要怎麼做?那還不明顯。小谷城防備減少,正可乘隙攻入……啊!」
「どうするって、決まっておる。小谷城の防備が減ったのなら、その隙を突いて攻め込……あっ!」
如此說到此處,秀吉終於也明白靜子想表達的意思。
そこまで言ってようやく秀吉も理解に至る。静子が何を言わんとしたのかを。
「正是如此。若淺井或朝倉向大嶽城進發,對於兵力占優的織田軍而言便是攻擊其後方的良機。人數劣勢、態度謹慎的敵方不會不察覺此機,憑薄弱兵力無法奪回,若派大軍則本陣恐怕會陷落。唯一通訊路被斷,互不知彼此所圖,完全成了死棋局。」
「そうです。浅井か朝倉が大嶽城へ向かえば、数で勝る織田軍にとっては彼らの背後を叩く好機です。数で劣り、慎重になっている相手がそれに気付かないはずがありません。生半可な兵力では奪還できない、さりとて大軍を派遣すれば本陣が落ちる。唯一の連絡路は分断され、互いの思惑を知ることは叶わない。完全に詰んだ盤面です」
竹中半兵衛用扇子指點靜子加上的記號與其含意,解釋說明。秀吉的家臣們終於站在靜子的思路上,並同時感到驚嘆。
竹中半兵衛が扇子で静子が描き足した記号と意味を解説しながら説明する。ようやく秀吉の家臣たちも静子の境地に立ち、同時に驚嘆した。
靜子輕易地察覺並指出了我們討論得頭破血流卻沒注意到的事情。雖然這嚴重傷了自尊,但同時也激起了不甘示弱的鬥志。
頭を突き合わせて悩み続けた自分達が気付けなかったことを、静子はいとも容易く気付いて指摘して見せた。著しく自尊心を傷つけられたが、同時に負けてなるものかと発奮した。
「也就是說,只要我們攻下燒尾砦和大嶽城這兩處,大功就可以確定了,兄上!」
「つまり、我々で焼尾砦と大嶽城、この二つを落とせれば大戦功が確定する、という事ですぞ兄上!」
「不用說我也知道!原來如此……這兩處,或者說只要攻下大嶽城,勝利的天秤就會傾向我們!」
「言われずとも判っておる! なるほど……この二つ、いや大嶽城だけでも落とせば勝利の天秤は我らに傾く!」
「殿在那個位置設本陣,想必也是預料到這點。大概數日內會有何種動靜,之後便是與時間的競賽了。」
「上様があの位置に本陣を置かれたのも、これを見越しての事でしょう。恐らく数日のうちに、何かしらの動きがあると思われます。そこからは時間との勝負かと思われます」
靜子喃喃自語,確認太陽的位置推估時間。估計若此刻出發,當天日照尚存時便可抵達光秀處。
さて、と呟いて静子は太陽の位置を確認して時間を推測する。今から出発すれば、光秀の許に日があるうちに到着できると見積もった。
由於光秀的軍隊為遊擊隊,規模較小,所以補給運送與鐵砲手的部署不需太多時間。
光秀の軍は遊撃隊であるため規模が小さく、物資運搬や鉄砲衆の配置にそれほど時間を要しない。
明日預定前往朝倉一帶的柴田勝家與前田利家的陣地,因此今日的工作預計可按部就班結束。
明日は朝倉方面の柴田勝家や前田利家の陣へと向かう予定であるため、本日の業務は予定通りに終わる見込みだ。
「既然時間緊迫,便在此失陪了。」
「それでは時間も押しておりますので、私はこれにて失礼いたします」
靜子向秀吉等人道別,但已無一人聽見,大家正圍著地圖討論各種意見。
静子は秀吉たちに辞去を告げるが、既に誰の耳にも届いていなかった。皆が地図を囲んであれやこれやと意見を交わしている。
這種幾近拼命的武功執念,或許正是秀吉軍的強處。靜子這麼想著,微微鞠了一躬便轉身離去。
この必死とも言える武功への執念が秀吉軍の強みなのだろう。静子はそう思いつつ、一つ頭を下げると彼らに背を向けた。
(不愧是靜子大人。精確洞悉事物本質,並能清楚傳達給他人。真想知道這次的戰事她會怎麼使之有趣。)
(流石は静子殿。的確に物事の中核を見抜き、それを判り易く他者に伝える。さてはて、此度のいくさを彼女はどのように楽しくしてくれるのやら)
秀長笑得開心,目送靜子離開軍議之地。
静子が軍議の場から去る姿を、秀長は楽しそうに笑いながら見送った。
靜子略為加快腳步抵達光秀的陣地。因為事先有通報,當她向守衛說明來意後,物資便立刻開始搬運。
少し急ぎ足で静子は光秀の陣へと到着した。事前に通達していたため、警備の兵士に用件を告げるとすぐさま物資の搬入が始まった。
攻打丁野城的部隊中,編配了100名鐵砲手。
光秀が攻略する丁野城攻めの部隊には鉄砲衆が100配置される。
相較於秀吉的250、柴田和前田的450,這數目顯得較少。這是因為光秀的部隊被編為遊擊隊。
秀吉に250、柴田や前田に450という比率を見ると少なく見える。これは光秀の部隊が遊撃隊として編成されているためである。
人數多必然拖慢行軍速度,因此只配置了100人。此外,光秀的陣中除鐵砲手外,還有50名龍騎兵(配備新式火銃的騎兵)。
大人数を引き連れれば必然的に行軍速度が遅くなるため、100名のみの配置となっていた。そして光秀の陣には鉄砲衆の他に、竜騎兵(新式銃装備の騎兵)50が配置された。
以100名鐵砲手與50名龍騎兵為主,光秀對丁野城發起攻擊。
鉄砲衆100に竜騎兵50、これらを運用して光秀は丁野城を攻める。
「辛苦了,靜子大人。」
「ご苦労様です、静子殿」
正在指揮物資搬入時,光秀從背後搭話。靜子內心輕嘆,但表情仍和顏以對。
物資搬入の指揮を執っていると、背後から光秀が声を掛けてきた。静子は内心ため息を吐きつつ、しかし表情はにこやかに光秀に応じる。
「是明智大人啊。」
「これは明智様」
「啊啊,就免掉那套客套吧。感謝你迅速的物資搬入,多虧如此我們的鐵砲手也不用擔心彈藥了。」
「ああ、堅苦しい挨拶は抜きにしましょう。迅速な物資搬入ありがとうございます。お陰でこちらの鉄砲衆も弾薬の心配がなくなりました」
新式火銃的配備並不順利,因需高精度加工,製造耗時。
新式銃の配備はそれほど順調ではない。高い工作精度を求められるため、製造には時間を必要とする。
因此大多數部隊仍持續使用舊式火繩槍。也可以說信長因恐被敵方繳獲而嚴格挑選配備對象。
その為、殆どの部隊では従来の火縄銃を継続して使用している。万が一にも敵に鹵獲されるのを信長が恐れて配備先を厳選しているとも言える。
火藥方面因靜子自初期便持續製造,當其他國人還為採購苦惱時,信長已能為家臣們提供足夠供給。
火薬については静子が初期から製造し続けていたため、他の国人たちが調達に四苦八苦しているなか、信長は家臣たちに十分な量の供給を実現していた。
「若是不夠,請提出申請。追加最多一百三十三貫(約五百公斤)可自由使用,已獲殿的許可。」
「足りなくなったのなら、申し出て下さい。追加で百三十三貫(約五百キロ)までなら、自由に使っても良いと上様の許可を頂いております」
聽到「約五百公斤」的數量,附近的士兵與數名侍女都露出反應。機警的光秀僅此便大致掌握了情勢,他一邊帶笑繼續說道。
約五百キロという物量に、近くにいた兵士や小間使いの数名が反応する。察しの良い光秀は、それだけでおおよその状況を把握した。彼はにこやかに笑みを浮かべながら続ける。
「那就太好了。光是我們這裡(……),還能再融通一百三十三貫(……),而本陣甚至還有更多(……)的餘裕,這是件好事。」
「それは重畳。我が陣だけで(・・・・・・)、あと百三十三貫(・・・・・)も融通して頂ける余裕があるという事ですね。そして本陣にはそれ以上(・・・・・・・・)の余裕もあると、それは良き事です」
那些有反應的侍女與士兵臉色僵硬,但也只是短暫,隨即匆忙恢復工作。此事如此明顯,光秀罕見地露齒笑了。
反応を見せた小間使いや兵士たちの顔が強張った。しかしそれも僅かな時間に過ぎず、そそくさと仕事を再開する。余りにも露骨すぎて、光秀には珍しく歯を見せながら笑っていた。
「真是不成。年紀大了就忍不住喜歡取笑年輕人。」
「いけませんね。歳を取るとついつい若者をからかいたくなります」
「有時回歸童心也是重要的吧。」
「時には童心に帰る事も大事かと」
「正是如此。話說聊得太久了,聽說您接下來沒有行程,不如一起用晚餐如何?」
「左様ですな。さて、立ち話が長くなりました。この後のご予定はないと聞いております、ご一緒に夕餉など如何ですかな?」
「承蒙關照,那我就不客氣地接受您的好意。」
「お心遣い痛み入ります。それでは、お言葉に甘えさせて頂きます」
雖然有所預料,但面對不擅長的耍腹藝,靜子還是覺得頭痛。然而如同對秀吉一樣,她並未表現出來,只是微笑應對。
予想はしていたが、苦手な腹芸を前に静子は頭が痛くなった。とはいえ秀吉と同じく、表情には出さずにほほ笑んで対応する。
晚餐內容樸素,雖能攝取基本營養無大礙,但缺乏華麗的色澤。
夕餉の内容は質素なものだった。最低限の栄養は取れるため、問題ないが彩りの華やかさは無かった。
若說講究那倒也無須奢華,但靜子仍認為食物應該也能讓人賞心悅目。
贅沢と言われればそこまでだが、やはり食事は目でも楽しめる要素が欲しいと静子は思った。
「靜子大人,可否稍微談幾句?」
「静子殿、少しだけお話してもよろしいでしょうか?」
氣氛原本和樂,但光秀帶著幾分嚴肅的表情向靜子開口,便結束了那份輕鬆。見到光秀的樣子,靜子收起心神,放下了筷子。
和やかな雰囲気の食事だったが、それは光秀が幾分真剣な表情で静子に声を掛けたことで終わりを告げた。光秀の様子を見て静子も気を引き締め、箸を置いた。
「若是我能回答的事,儘管請說。」
「私に答えられることでしたら、何なりと」
「謝謝。其實有關我所受付託的坂本街,有些想與您商量的事。」
「ありがとうございます。実は私が任されている坂本の街について、ご相談したきことがございます」
「那是什麼內容呢?」
「それはどういった内容でしょうか?」
坂本被稱為比叡山延曆寺的門前小鎮與石砌街區,尤其以穴太衆那優美的石砌聞名。現今被國家指定為重要傳統建造物保存地區。
坂本は比叡山延暦寺の門前町や石積みの町と言われている。特に穴太衆の美しい石積みが有名だ。現代では国から重要伝統的建造物保存地区の指定を受けている。
在坂本,交付給光秀的職責是監視延曆寺、控制琵琶湖,以及確保通往京的街道。因此信長命令光秀築造坂本城。
その坂本で光秀に託された役割は、延暦寺の監視と琵琶湖の支配、それに京へと通じる街道確保だ。その為に信長は光秀に坂本城の築城を命じている。
光秀對築城頗有研究,因此把坂本城設計為利用琵琶湖水域的水城形式,並建成兼具大天守與小天守的華麗城郭。
光秀は築城に造詣が深く、それゆえ坂本城を琵琶湖の水を利用した水城形式にした。さらに大天守と小天守を戴く豪華絢爛な城として築城した。
史實記載直到天正十年明智秀滿放火焚城並與一族自盡為止,坂本城曾被路易斯·弗羅伊斯評為僅次於安土城的美麗城郭。
史実では天正十年に明智秀満が城に火を放って一族とともに自害するまで、坂本城は安土城に次ぐ美しい城だとルイス・フロイスに評されていた。
現今的坂本城大半沉眠在琵琶湖湖底,能讓人想起當時的僅存少數石垣。
現在の坂本城の殆どが琵琶湖の湖底で眠り、当時を思わせるものは僅かに残された石垣のみだ。
「如您所知,我等曾將坂本街徹底燒盡一回。因此町人反感強烈,統治上有些困難。故此想請教靜子殿您的意見。」
「ご存知のように、坂本の街を我らは一度、徹底的に焼き払いました。それゆえに町人の反発が強く、統治に少し難儀している状態です。そこで静子殿のご意見を窺えまいかと思いまして」
「我若是靜子,不會考慮那樣做。被燒掉住家所生的惡感情,不論怎樣討好對方都不會消失。與其耗費力氣在那種事上,不如整備道路、改善生活環境,哪怕一點點也更有意義。」
「私なら考慮致しません。住み家を焼かれたことに起因する悪感情は、どれだけ相手に媚びを売ろうとも決して消えません。そのような事に労力を費やすぐらいなら、道路を整備して少しでも生活環境を向上させる方が有意義です」
光秀對於這番不像以民為本的激烈意見有些愕然,但靜子不為所動繼續說下去。
民を大事にする静子とは思えない苛烈な意見に光秀は少し面食らうが、静子は気にせず言葉を続けた。
「這麼說或許有失偏頗,但對百姓而言誰是統治者其實無所謂。他們歡迎的是『會守護他們生活、帶來美好未來的統治者』。從這個角度看,燒毀城鎮的我們就是生活的破壞者,自然不會留下好印象。」
「こう言うと身も蓋もありませんが、民に取って誰が支配者であろうと構わないのです。彼らは『自分の生活を守ってくれる、良い未来を与えてくれる支配者』を歓迎します。その観点から見れば街を焼き払った我々は、生活の破壊者ですから良い印象がありません」
沒有人會對奪走家產的人抱有好感,多少有些不滿是理所當然的。
家財を奪った相手に好印象を抱く人間はいない。少なからず不満はあって当然だ。
尤其是坂本作為比叡山延曆寺的門前町而繁榮。
特に坂本の街は比叡山延暦寺の門前町として栄えていた。
那些從延曆寺溢出的恩惠分得好處、靠此謀生的人們看來,織田家是奪走他們飯碗的可惡對手。
延暦寺から漏れるおこぼれに与って甘い汁を吸っていた人間からすれば、織田家は自分達の飯の種を奪った憎い相手である。
「以此為前提,我認為權力者用懷柔是常見的手段。但若由我來治理,會把權貴與貧民一視同仁,視為個體,追求最大多數人的最大幸福。起初可能會有不滿,但若從那些不滿出發,思考『解決哪一件事能讓最多人得到幸福?』並據此施政,我認為不滿之聲會逐漸減少。當然這並非說可以忽視或壓迫少數派,理想是人人都能幸福。」
「これを前提にすると、権力者の懐柔がよく実施される手だと思います。しかし、私ならば権力者も貧民も全て平等に一個人として扱い、最大多数の最大幸福を追求する統治を行います。最初は不満も出るでしょう。しかし、それらの不満から『何を解消すれば最も多くの人が幸せになるか?』を考えて政策を施せば、不満の声は徐々に小さくなると私は考えます。とは言え少数派を無視して弾圧しても良いというのではなく、理想は全員が幸福になることです」
讓全體達成最大幸福當然最好,但身為非神的人,是不可能的事。人與人之間即使因小事也會衝突,實現全員的最大幸福是不可能的。
全員の最大幸福が最上。しかし神ならぬ身である限り、不可能な話だ。人と人は些細な事でも衝突する生き物である。全員の最大幸福を実現するというのはあり得ない。
因此她把理想定為全體幸福,但在現實上追求最大多數人的最大幸福。靜子認為這大概是目前能採取的最可行政策。
それゆえに理想は全員の幸福と定め、現実的には最大多数の最大幸福を実現する。これが現状取り得る最もマシ(・・)な政策ではないかと静子は考えていた。
「……」
「……」
光秀露出愕然的表情。不只是他,與會的明智家的家臣們也都一樣。
光秀は呆気にとられた表情を浮かべる。彼だけではない、同席していた明智家の家臣たちも同じだった。
她心想是不是說了什麼奇怪的話,回顧自己的發言。她的言論接近民主主義思想,明白在這個時代談民主是不會得到認同的。
何か変な事を言ったかな、と思い自分の発言を振り返る。自分が語った内容は民主主義の思想に近かった。この時代に民主主義を語っても、賛同は得られないと理解した。
因為人們的思維不同。民主主義亦然,那類思想不是憑空冒出,而是因為社會變得需要才會產生。
なぜなら、人々の思考が違うからだ。民主主義でもそうだが、そうした思想はポンッと出てくる訳ではない。社会がそれを求めるようになったから、思想が生まれるのだ。
若在社會未有需求時強行套用,會只帶來混亂,社會會陷入功能失調。
社会に生きる人々が求めていないのに適用すれば、人々は混乱するだけで社会は機能不全に陥る。
「啊、不好意思,是剛才讀過的南蠻書籍的影響跑出來了。我要把頭腦清空,從頭再想一次。」
「あ、いえ、少し前に読んだ南蛮の本の影響が出ていますね、すみません。頭を真っ白にして、一から考え直します」
「啊、啊啊……」
「あ、ああ……」
靜子慌忙羅列藉口掩飾話題。幸好光秀似乎還沒理解過來,仍維持剛才那般愕然的神情。
慌てて言い訳を並べて静子は話を誤魔化した。幸い、光秀は理解が追いついていないのか、先ほどと変わらず呆気にとられたままだった。
「既然是坂本,怎麼樣在琵琶湖築港呢?水運當然重要,坂本的景觀也相當出色。運行觀光船讓人欣賞風光……如此一來若有金錢流入坂本,應該可以逐漸消弭不滿。呃,琵琶湖大致是這個形狀……航線可以像連結這裡和這裡,怎麼樣?」
「坂本ですから、やはり琵琶湖に港を作るのは如何でしょうか。水運は勿論、坂本の景観は素晴らしいものがあります。この景観を楽しめる観光船なども運行するとか……そうやって坂本にお金が落ちれば、徐々に不満は消えていくかと思います。えーと、琵琶湖はこのような形ですから……航路はこことここを結ぶ感じでどうでしょうか」
中途請人拿來紙筆,靜子在紙上大致畫出琵琶湖的形狀,標上坂本、大津、安土、長濱等地並圈起來,再以線連起來。
途中、紙と筆を持ってきて貰い、静子は紙に琵琶湖の形をざっくりと描く。それに坂本や大津、安土、長浜などを書き込んで丸をつけ、それらを線で結んだ。
她把簡單畫有航線的紙遞給光秀。他讀著時似乎平靜下來,專心地端詳靜子畫的琵琶湖航路案。
簡素ながら航路を書いた紙を光秀に渡す。読んでいる内に落ち着いたのか、彼は静子が描いた琵琶湖の航路案をじっくり眺めていた。
「原來如此。有港口街道便會充斥人與貨。人貨集聚則生意開始,生意興盛則人民有活力。人們有活力,流入坂本的金錢也會增多,不滿也會逐步減少。」
「なるほど。港があれば街は人と物で溢れかえります。人と物が集まれば商売が始まり、商売が盛んになれば人々は活気づく。人々が活気づけば、坂本に落ちる金も多くなり、不満も徐々に小さくなりますね」
「嗯、是的……雖然要花些時間……啊,說起來那艘被視為失敗作的中型輸送船,也許可以改造成琵琶湖的商船。」
「え、ええ……少し時間はかかりますが……あ、そういえば失敗作にされてしまった中型の輸送船、あれを琵琶湖の商船に改造出来るかもしれません」
「哦,那倒是有趣的提議呢」
「ほう、それは興味深いお話ですな」
靜子所說被視為失敗作的中型輸送船,是帶螺旋槳的輸送船。當然不是和船,而是有龍骨的船。
静子の言う失敗作にされた中型の輸送船とは、スクリュープロペラの輸送船だ。無論、和船ではなく竜骨のある船だ。
該船曾被使用過幾次,但被評為河川使用過大、海上使用又過小,評價低落。
建造された船は何度か使用されたものの、河川で使うには大きすぎ、海上で使用するには小さすぎる、という低評価を受けた。
因此被打上失敗作的標籤。靜子想,如果在琵琶湖使用,那艘輸送船或許能重見天日。
それゆえ失敗作という烙印を押されてしまった。その輸送船も琵琶湖で使うならば、日の目を見ることになるのでは、と静子は考えた。
幸好即便聽說是失敗作,光秀仍對採用該輸送船的方案感興趣。
幸い失敗作と聞いても、光秀は輸送船を採用する話に乗り気だった。
關於琵琶湖的話題聊得熱絡時,光秀與他家臣們已把靜子談到的那套類似民主主義的思想拋在腦後。
琵琶湖についての話で華を咲かせた頃には、光秀も、光秀の家臣たちも静子が語った民主主義もどきの思想は頭の中から消えていた。
靜子心裡暗自高興。不過她沒察覺到,光秀等人已開始認為她多少受所讀書籍的影響。
その事に内心快哉を叫んだ静子だった。ただし静子は読んでいる本の影響を少なからず受ける、と光秀たちに思われるようになった事には気付かなかった。
一天並未就此在歡樂中結束。日落前夕,信長的使者來到光秀的陣地。內容不是給光秀,而是要找靜子。簡單來說就是叫她到本陣去。
楽しい話で一日は終了、とは行かなかった。日が沈む直前、光秀の陣へと信長の使者がやってきた。内容は光秀ではなく、静子に対してだった。端的に言えば本陣に来い、である。
接到傳喚的報告後,靜子忙得起身。她匆匆把飯吞下,檢查士兵們的工作狀況,並迅速下達剩餘的工作指示。
呼び出しの報を受けてから、静子は慌ただしく動いた。食事を流し込むように食べ終えると、兵たちの作業状況を確認し、残りの仕事の指示を矢継ぎ早に出していく。
「抱歉如此匆忙。」
「慌ただしくて申し訳ありません」
「不不,沒什麼。是愉快的時光。若有機會還請務必再來。」
「いえいえ、何の。楽しい一時でした。また、機会があれば是非に」
靜子向來送行的光秀道歉,但從光秀本人看不出介意的樣子。她鬆了一口氣,握緊韁繩。
見送りに来てくれた光秀に静子は謝罪するが、光秀本人からは気にしている様子を窺えなかった。ホッと胸をなで下ろすと、静子は手綱を握る。
「那麼我就先告辭了。如有事請向留下的士兵打聽,負責的人會回答的。那麼!」
「それでは私は失礼します。何かあれば残した兵にお訊ね下さい。担当の者がお答え致します。それでは!」
話音剛落,靜子策馬疾馳。慌忙奔去的她讓光秀苦笑,但此刻的靜子連注意此事的餘裕都沒有。
言い終えると同時、静子は馬を走らせる。慌てて駆けていく静子の様子に、光秀は苦笑を浮かべていたのだが、今の静子にはその事に気付く余裕すらなかった。
太陽已經快要落山了。照這樣下去到達本陣前就會天黑,靜子無論如何都想避免那種情況。
日は既に沈みかけている。このままでは本陣に着く前に夜になってしまう。それはなんとしても避けたい静子だった。
幸好把馬拼命趕,總算在可以說是日暮的最後一刻抵達本陣。
幸い馬を酷使したお陰で、ギリギリ日暮れと言える時間に本陣へ到着した。
「遲了」
「遅い」
然而,信長一開口便發出不滿之聲。靜子一邊想著究竟有沒有那麼急的事,一邊向信長道歉。
しかし、信長からは開口一番、不満の声が飛んできた。それほど急ぐ用件があったかな、と思いつつ静子は信長に謝罪する。
「看這個」
「これを見よ」
信長指向鋪在簡陋桌前的地圖。靜子照著指示看了地圖。與秀吉那張不同,這張地圖上畫有敵我布陣等細緻的情報。
信長は簡素な机の前に広げて置かれた地図を指し示す。言われた通り静子は地図を見る。秀吉のそれと違い、敵味方の布陣状況など細かい情報が地図に描かれていた。
也就是說,可以說調略之手已深入淺井與朝倉雙方陣營。不然不可能取得如此詳細的敵方情報。
つまり浅井と朝倉両陣営に、調略の手は深く浸透していると言っても良い。でなければこれほど詳細に、敵方の情報を得ることはできない。
「(朝倉壓過周遭的反對,決定這次出陣。如此一來,對義景心生反感的宗族與家臣順信長的調略也是理所當然)幾乎是勝券在握了,對吧」
「(朝倉は周囲の反対を押し切って、今回の出陣を決めた。となれば、義景に反感を持つ一族や家臣が、信長の調略になびくのも当然か)ほぼ勝ち、ですね」
「說出理由」
「理由を述べよ」
靜子一邊想著她對秀吉說的內容是否也傳到了信長耳中,一邊指向地圖上的某處。
秀吉に語った内容が信長の耳にも届いたのかな、と思いつつ静子は地図のある地点を指さす。
「若燒尾砦攻下後,剩下的就只有大嶽城。到此淺井與朝倉便陷入絕境。朝倉這次壓過周圍反對而出陣,若大嶽城失守,他們為援軍奔來的正當理由也將喪失。」
「焼尾砦の攻略が済めば、残りは大嶽城だけとなります。これにて浅井・朝倉は詰みとなります。朝倉は今回、周囲の反対を押し切って出陣しました。大嶽城が落ちれば、援軍に駆けつけた大義名分を失います」
「繼續說」
「続けよ」
「若大嶽城一旦失守,朝倉軍將廣泛動搖,撤退的聲音將會高漲。義景也無法反抗。只是,朝倉軍若要撤退,必須從本陣經過一條狹長的山道前往敦賀。也就是說,他們會被迫做直線、長距離的行軍。之後……只要從後面用槍刺一刺就結束了。」
「大嶽城が落ちれば、朝倉軍に動揺が広まり、撤退の声が大きくなります。これには義景も逆らえないでしょう。ですが、朝倉軍が撤退するには本陣から敦賀まで、細長い山道を通る必要があります。つまり、一直線に、長い行軍を強いられます。後は……尻を槍で突いてやれば終わりとなります」
「考慮到那點,你會怎麼做?」
「それを踏まえて、貴様ならどうする」
雖然仍不清楚信長在想些什麼,但靜子照著吩咐,向信長說出她的「如果是我的話會這樣做」的想法。
信長が何を考えているか依然として不明だったが、静子は言われた通り信長に『自分ならこうする』という内容を告げた。
這些當然不是可以大聲說出的內容,所以她把音量壓到只有信長能聽見的程度。
流石に大きな声で言う内容ではないので、信長に聞こえる程度の声量に絞ったのだが。
「有趣。雖然會受天候影響,但能把他們嚇一大跳。呵呵,話說回來,這實在讓人吃驚啊」
「面白い。天候に左右されるが、奴らの度肝を抜けるな。くくっ、それにしても、これは流石に驚いたぞ」
「謀略講求的正是出其不意,而且我軍正有一個相當適合執行此種計策的人選。」
「策と言うのは『まさかそんな』が肝心かと思います。それに、我が軍にはこのような策に、うってつけの人物がおります」
「真是愉快。燒尾砦的攻略明天就會結束。總之,聽了你的話,那猴子正拼命地在琢磨計謀呢。」
「愉快じゃ。焼尾砦の攻略は明日にも終わろう。何しろ貴様の話を聞いて、サルが必死に計略を練っておるからな」
果然,信長很可能以某種方式得知了靜子對秀吉所說的內容。若是如此,靜子認為他也掌握了她對光秀說的那些事。
やはり静子が秀吉に語った内容を、信長は何らかの手で知ったのだろう。そうであるならば、光秀に語った内容も、彼は把握していると静子は考えた。
不過,或許光秀的事不在他的興趣範圍,信長並未就坂本的事追根究底地詢問。
ただし、光秀の話は興味の対象外なのか、信長が坂本の件で根掘り葉掘り聞いてくる事はなかった。
「從明天起會很忙」
「明日から忙しくなる」
信長說得神情從心底顯得十分愉快。
心底楽しそうに信長は言った。