戦国小町苦労譚
千五百七十三年 一月下旬
年末。迎接新年的人們依所屬陣營明顯分為明暗兩類。
年の瀬。新年を迎える人々は、属する陣営によってはっきりと明暗が分かれていた。
以織田家為首,與其結盟的德川家也期待著輝煌的新年,匆忙卻熱鬧地度過歲末。
織田家を筆頭に、同盟関係にある徳川家も輝かしい新年に期待し、慌ただしくも賑やかな歳末を過ごしていた。
相對地,反織田同盟的人們則在如守夜般沉重的氣氛中走向歲暮。
対照的に反織田同盟の面々は、お通夜のような重苦しい雰囲気の中、暮れつつあった。
那是因為曾為反織田同盟旗頭的武田家敗北這一事實沉重地壓在他們心頭。
それと言うのも反織田同盟の旗頭であった武田家の敗北という事実が重く圧し掛かっていたからだ。
這不是局部敗北,乃至武田家傾盡全力仍遭遇可謂徹底完敗的無可挽回之敗。
局地的な敗北ではなく、武田家の総力を挙げて尚、完敗と言える程に完膚無き敗北を喫したのだ。
反織田勢力中沒有一人料到武田會敗,縱有些許苦戰,也未懷疑武田軍會上洛。
反織田勢力は、誰一人として武田の敗北を想定しておらず、多少の苦戦はすれども武田軍の上洛を疑っていなかった。
然而事實揭曉後,首領武田信玄以及馬場信房、山県昌景、內藤昌豐等武田四天王中竟有三人戰死。
しかし、蓋を開けてみれば首魁である武田信玄をはじめ、馬場 信房、山県 昌景、内藤 昌豊という武田四天王のうち、実に三人までもが討ち死にした。
雖然勉強逃出的諏訪四郎勝頼(後為武田勝頼)倖存,但武田家的有力武將幾乎盡數陣亡,造成足以令人擔憂家族存續的慘況。
辛うじて諏訪四郎勝頼(のちの武田勝頼)は逃げ延びたものの、武田家の有力な武将は軒並み戦死しており、武田家の存続が危ぶまれる程の惨状となっていた。
相比之下織田一方的損失輕微,織田與德川合計約五百人死傷,卻無有力武將被討取之事。
それに比べて織田側の損害は軽微であり、織田・徳川合わせて500程の死傷者を出しはしたが、有力な武将が討ち取られるようなことは無かった。
在三方原之戰大勝、震撼天下的織田・德川軍,隨後織田軍的行動卻令反織田同盟的參戰者目瞪口呆。
三方ヶ原の戦いで圧勝し、天下を震撼せしめた織田・徳川軍だが、その後の織田軍の行動は反織田同盟の参加者たちの度肝を抜いた。
距武田軍的歷史性大敗兩日後。儘管織田包圍網瀰漫混亂,信長仍一鼓作氣攻下長島。原有十四座防衛要塞,也以一天三座之不可思議速度被攻克。
武田軍の歴史的大敗から二日。混迷を極める織田包囲網をよそに、信長は一気呵成に長島を攻め落とした。十四を数えた防衛の要たる砦も、日に三つという非常識な速度で攻略された。
在世人尚未從武田敗北的震驚中恢復之前,長島已被剝得一乾二淨,並在織田軍開始攻入長島城前就遭遇投降的命運。
世の中が武田家の敗北という衝撃から立ち直る前に長島は丸裸にされ、織田軍による長島城への侵攻が始まる前に降伏の憂き目を見た。
促成這次閃電侵攻的,是向天下昭示了那個震撼事實:在三方原之戰中自軍確信勝利,尚有餘力可用。
この電撃的な侵攻を可能としたのは、三方ヶ原の戦いに於いて自軍の勝利を確信し、余力を残していたという衝撃的な事実を天下に知らしめたのだ。
於十二月中旬決定增援德川家,僅半個月左右世局便翻天覆地。或許是歷史的轉捩點,但對身處漩渦之人而言難以承受。
十二月の中頃に徳川家への増援を決定し、僅か半月ほどで世の中は一変してしまっていた。歴史の転換点だったのだろうが、渦中に居る者にとっては堪ったものではない。
尤其對於一夕之間被逼入劣勢的反織田同盟支持者來說,這歲末成了在逼近死亡氣息下凍結身心、連喘息也不被允許的嚴峻時刻。
特に一転して劣勢へと追い込まれた反織田同盟に与する者たちにとって、この年の瀬は迫りくる死の気配に身を凍らせる、一息つくことすら許されぬ厳しいものとなった。
對外宣稱信長打敗了武田信玄,嫡子信忠(奇妙丸)擊潰了長島一向宗。
対外的には信長が武田信玄を打ち破り、嫡男の信忠(奇妙丸)が長島一向宗を蹴散らしたとされている。
然而在織田家內部,大家認為支撐那些大事的靜子之存在,才是勝利的關鍵。
しかし織田家家中に於いては、それらの大事を支えた静子の存在こそが、勝利の要であったと理解されていた。
實際上,作為對德川的後援而赴濱松城,說服在逼迫戰況中顫慄的德川家家臣,導致三方原之戰獲勝;以及支撐長島快進擊的兵力訓練與武裝整備,皆為靜子細密策劃之功。
実際、徳川への後詰めとして浜松城へ赴き、逼迫(ひっぱく)する戦況に慄(おのの)く徳川家家臣たちをも説得し、三方ヶ原の戦いを勝利に導いたのも、長島での快進撃を支えた兵の練度と武装を整えたのも、全て静子が入念に計画を練り上げた賜物であった。
巧合或如武藤喜兵衛所預言,日益在織田家內外展露存在的靜子,習慣上會在元旦黎明前被信長召喚,儘管平日會留在家中。
奇しくも武藤喜兵衛が予言したように、織田家内外にその存在を示しつつある静子は、普段ならば自宅で過ごす元日の夜明け前より信長の呼び出しを受けていた。
理由是要她陪同一起觀賞初日之出。
それも初日の出を拝むから供をせよ、という理由からだ。
「好冷……」
「寒い……」
「覺得冷所以才會冷」
「寒いと思うから寒いのだ」
「不、真的很冷啊。話說為何是我?請讓我在溫暖的家裡賴到日出吧」
「いや実際寒いですよ。というか何故、私なんですか。日の出までは温かい家でごろごろさせて下さいよ」
即便信長意圖掌握天下、即便靜子累積多少武功,旁人的目光雖改變,兩人的關係卻未改。
信長が天下に手を掛けようとも、静子がどれほど武功を積み上げようとも、周囲の見る目は変わったが、二人の関係は変わらなかった。
「什麼,想讓你看見這一幕罷了。除此之外還需要理由嗎」
「何、貴様にこの光景を見せたいと思ったからよ。それ以外に理由など必要あるまい」
「是嗎」
「そうですか」
這番話太有信長的風格,靜子不得不接受。黎明前的寒冷使得素來多話的信長也話少了,於是沉默落在兩人之間。
あまりにも信長らしい言い様に、静子は納得せざるを得なかった。夜明け前の冷え込みに、流石の信長も口数が少なくなり、二人の間に沈黙が落ちた。
這不是尷尬的沉默,而是靜靜等待時間流逝;忽然夜色中射出一道光明。
気まずい沈黙ではなく、静かに時間が過ぎるのを待っていると、夜闇に一筋の光明が射した。
不約而同把目光投向光處,發現太陽正從地平線彼端升起,將周遭染成朝霞。
どちらからともなく光へと目を向けると、地平線の彼方から周囲を朝焼けに染めつつ太陽が昇ってきていた。
「哇」
「わぁ」
那是一幅壯麗的初日景象。或許因空氣格外清冽,夜色比現代更為分明地退去。
それは見事な初日の出の光景だった。空気が澄んでいるためか、現代よりもはっきりと夜が明け行く様が見えた。
題外話,元日之日の出有『ご来光』與『初日の出』兩詞,常被混淆。
余談だが元日の日の出を指す言葉として『ご来光』と『初日の出』があり、この二つは混同され易い。
但『ご来光』是指從高山觀見的日出,比擬釋尊伴隨光背而來迎;即信仰對象為佛陀,屬於佛教行事之一。
しかし『ご来光』は高山から見る日の出を意味し、釈尊が光背と共に来迎するのになぞらえたものである。つまり信仰対象は仏陀であり、仏教行事の一つに数えられる。
而『初日の出』則因信仰日出同時年神降臨而成為參拜對象;信仰對象為年神,成為神道中正月的核心行事。
対する『初日の出』は、日の出と共に年神様が降臨すると信じられていたことから参拝対象となった。信仰対象は年神であり、神道に於ける正月の中心行事となった。
「心情不錯」
「悪くない気分だ」
長久阻礙在前的憂慮被驅散,加上首次迎來的元旦,信長將重生的太陽比平常更神聖莊嚴地銘刻於心。
長く立ち塞がっていた懸念が払しょくされ、初めて迎える元旦という事も相まって、信長は再生される太陽をいつもより神聖で荘厳なものとして心に焼き付けた。
「不過,竟然真的擊敗了武田啊」
「しかし、本当に武田を破るとはな」
即便是信長也偶爾會覺得自己是否還在做夢。
今でも時折夢を見ているのではないかと、信長でさえ思う事がある。
真實的自己或許在三方原之戰無法擊破武田,躲在岐阜城中畏懼逼近的死亡,而現在的自己是否只是絕望中所見的美好泡影?
本当の自分は三方ヶ原の戦いで武田を撃破出来ず、岐阜城に籠り迫りくる死に怯えており、今の自分は絶望から見た都合の良い泡沫(うたかた)の夢ではないのかと。
即使認為那不可能,偶爾仍會去確認也是無可厚非。
そのような事はあり得ないと思ってはいても、折に触れて確認してしまうのも無理からぬことだった。
「我不會說我做不到的事能做到。既然說能做到,就是有把握才會如此行事」
「私は出来ない事を出来るとは言いません。出来ると言ったからには、ちゃんと勝算あってのことです」
「哼……話說那種新式火槍真是可怕。能從對方攻擊範圍外的遠距離單方面狙擊。若在交火開始前就被迫承受重大損失,即便是再愚鈍的人也會裹足不前」
「ふっ……それにしてもかの新式銃は凶悪だな。向こうの攻撃が届かぬ遠間より、一方的に狙い撃てるのだから。撃ち合いになる前に大損害を強いられるとあらば、どれほど物分かりの悪い阿呆とて二の足を踏もう」
「這不只是火槍的功勞。正因為大家信任我的話而追隨,才能取得這樣的大戰果。我認為這次的戰功不該由我一人獨享,而是應該由眾人共同承受」
「銃だけの功績ではないのですよ。皆が私の言葉を信じてついてきてくれたからこそ、この大戦果を得られたのです。此度の戦功は私個人が受けるのではなく、皆が受けるのが相応しいと思います」
「你還是一如既往。從第一次見面起,什麼都沒變」
「貴様は変わらぬな。初めて会ったときから、何も変わっておらぬ」
他帶著懷念之情溢於言表。自第一次見到時就覺得是個奇怪的人,但奇怪地給人一種紮實踏實的安定感。
昔を懐かしむように溢す。初めて目にした時から妙な奴だとは思っていたが、不思議とどこか地に足がついた安定感があった。
或許因為以持續向大地挑戰為生的農人身分,他帶著牢牢紮根於大地的奇特存在感。
延々と大地に挑み続ける農業を生業とするからか、しっかりと大地に根を張った奇妙な存在感を持っていた。
即便立下人人稱羨的大戰果,也絲毫不動搖,仍然和當初一樣自然。
誰もが羨む大戦果を打ち立てながらも寸毫(すんごう)もぶれることなく、最初と同じように自然体であり続ける。
對信長而言,靜子大概會繼續是那種任其枝葉恣意伸展、修剪費力但能帶來豐碩果實的大樹般的「奇怪傢伙」。既是過去如此,亦將如此。
信長にとって、静子とは好き放題に枝葉を伸ばし、酷く剪定に手が掛かるが、大きな実りを齎しもする大樹の如き「変な奴」であり続けるのだろう。今までも、そしてこれからも。
「武田大概已經不可能恢復昔日的勢頭。上杉的去向尚不明,北條則極為動搖。本願寺也失去依靠,內部肯定一片混亂。至於那個不顧自身的將軍,會派足滿去對付他」
「武田がかつての勢いを取り戻すことは最早ないだろう。上杉の帰趨は判らぬが、北条は酷く動揺しておる。本願寺も頼みの綱が断たれたとあって、内部では上を下への大騒ぎだろう。そして己を顧みぬ将軍には足満を遣わせる」
「是要派足滿大叔去嗎?」
「足満おじさんをですか?」
「嗯。如果看到他還能繼續做夢般糊塗,那我會改觀,但那種器量他大概沒有。此事不能手軟。要強逼他獻出兒子作人質,並命令他本人幽居」
「うむ。奴を目にして尚、寝ぼけた夢を見られるようなタマであれば見直しもするが、そんな器量は無かろうよ。流石に此度の件では甘い対応は取れぬ。息子を人質に差し出させ、その上で奴自身の蟄居を申し付ける」
儘管語氣強硬,從信長的樣子卻可看出徒勞感。義昭將軍一事對信長而言應是令人頭疼的問題。
強い語調とは裏腹に、信長の様子からは徒労感が窺えた。将軍義昭の件は信長にとって頭痛の種なのだろう。
即使只是個擺樣子的神轎,但若毫無政治感覺,抬著的人也難以忍受。
幾らお飾りの神輿とは言え、ここまで政治感覚が無いと、担いでいる方も堪ったものではないのだ。
「未來一年。你的軍隊不會整體運用,而是改編為小規模編成以發揮作用。當然也包括你那群珍貴的鐵炮衆」
「この先一年だ。貴様の軍は纏まって運用するのではなく、小規模に編成しなおして活躍して貰う。無論、貴様の虎の子である鉄砲衆も含めてだ」
「是為了建立堅固的統治體制嗎?」
「盤石な支配体制を確立するためですか?」
「以現行的統治方式,若各地起義,就會影響兵力運用。維持畿內安寧對於打擊本願寺是必須的。當然不太可能輕易到需要你親自出馬的地步」
「今の統治では各地が反旗を翻せば、それだけで兵の運用に支障が出る。畿内の安堵は本願寺を叩く上で必須だ。まあ貴様自身が出向くような事態はそうそうなかろうがな」
「欸,那是什麼意思?」
「え、それはどういう意味ですか?」
沒有回答靜子的提問,信長只是露出一抹笑。靜子以經驗知道,每當信長採取這種態度時,通常是在打算不留情的手段。
静子の問いには答えず、信長はニヤリと笑みを浮かべるのみだった。こういう態度を取る時の信長は、たいてい容赦のない事を考えていると、静子は経験的に学んでいた。
「不論你如何看待,靜子軍在與武田及長島的戰事中的表現都遠超群。若靜子軍的本隊不動,而是在各地派出別動隊,敵人會如何解讀?」
「貴様自身がどう思おうと、武田と長島とのいくさで為した静子軍の働きは頭抜けておる。その静子軍の本隊が動かず、各地に別動隊が派遣されれば敵はどう受け取る?」
「……派遣別動隊是一種警告。就算擊退了,仍可能被雙倍的兵力攻滅」
「……別動隊の派遣は警告。たとえ退けたところで、倍する軍勢に攻め滅ぼされるといったところでしょうか」
「好判斷。若輕易屈服則無面子,但面對連武田也曾被挫敗的本隊,則絕無勝算。在警告階段如何巧妙應對,僅被盯上就已是難以估量的精神負擔」
「良い読みじゃ。簡単に屈したとあっては面目が立たぬが、武田をも挫いた本隊が相手では勝負にならぬ。警告段階で如何に上手く立ち回るか、目を付けられたというそれだけで心労は計り知れぬ」
靜子覺得那是可怕的精神壓力。如今織田軍以付城戰術為標準,瞬間就被四面包圍,無論衝出去都會被新式火槍打散,被迫陷入無援軍的絕望性固守。
酷い精神的重圧だと静子は思った。今や付城戦術が標準の織田軍だ。瞬く間に周囲を包囲され、打って出ようにも新式銃で蹴散らされ、援軍の無い絶望的な籠城を強いられる。
不知道何時會從四面八方被攻擊,眼見著逐刻減少的糧食,等待終將到來的死亡,那是緩慢的自殺。正常的神經無法承受。
四方八方からいつ攻められるともしれず、刻一刻と減りゆく兵糧を眺めて、やがて訪れる死を待つ緩慢な自殺。まともな神経では耐えきれるものではない。
「哼,這只是實施以一罰百的教訓罷了。見識到吞食屍肉、以血潤喉的慘狀後,誰還會輕易反抗?」
「何、一罰百戒を実践しておるだけじゃ。死肉を貪り、血で喉を潤す惨状を知れば、迂闊に歯向かおうなどとは思うまい」
「雖然覺得一罰或許過於苛烈,但也沒辦法。衡量彼我差距並採取最佳手段是國人的職責;對於擁有判斷失誤的國人,只能讓他們承擔後果」
「一罰が苛烈過ぎる気もしますが、まあそれは仕方ないのでしょう。彼我の差を推し量り、最善の手を講じるのが国人の仕事ですから。判断を誤る国人を擁いた報いは受けて貰う他ないかと」
「正是如此。好了,初日出也已充分享受。差不多該回去了,不然年節料理會被狠狠吃光」
「その通りじゃ。さて、初日の出も充分に満喫した。そろそろ戻らねば、濃めに正月料理を食いつくされようぞ」
話音剛落,信長便轉身離去。愣住的靜子回過神來後慌忙追上信長的身後。
言葉を言い終えると同時に、信長は踵(きびす)を返した。呆気に取られていた静子だが、我に返ると慌てて信長の後を追った。
「今年看來又要忙著奪天下了」
「今年も天下取りで忙しくなりそうじゃ」
一邊聽著靜子靠近的腳步聲,信長低聲如此喃喃。
静子が近づいてくる足音を聞きながら、信長はそんな事を呟いた。
元旦的早晨。信長規定要先向他的家族致意。這是基於信長的想法:「輕視家人親族者,亦無法對家臣與兵將給予應有的對待」
元日の朝。信長が最初に挨拶を述べるのは、彼の一族衆と定められている。これは「家族や親族を軽んじる者は、家臣や兵をも同様に扱えぬ」という信長の考えによるものだ。
為了率先示範,信長會與妻子及親族一起過新年。換言之,之前和靜子一同去看日出,意味著在信長心中靜子等同於家人。
率先して範を示すべく、信長は正月を妻子や親族と迎える。つまり、それ以前に静子と日の出を見に出かけた事は、信長にとって静子は家族も同然と言うことを意味している。
信長是有意這麼做還是無意之舉,外人無從得知。
信長がそれを意図していたのか、それとも無意識だったのかは彼以外には窺い知れない。
「阿嚏。唔……是不是有人在議論我什麼呢?」
「ぶえっくしょ。うう……誰か噂でもしているのかな」
在參拜完初日出後,靜子回了一趟家,但過了中午後又得前往信長那裡。
初日の出を拝んだ後、一度家へと戻った静子だが、昼を過ぎた頃に再び信長の許へと赴く必要があった。
那是為了參加信長在元日舉行的茶會。平時一向決定不參加的靜子,這次也不得不出席。
それは元日に催される信長の茶会へ参加するためだ。いつもは不参加を決め込んでいる静子だが、流石に今年ばかりは参加せざるを得なかった。
雖覺麻煩,靜子仍換上正裝。整妥儀容後,由彩送行,靜子出發前往信長的居城。
面倒だとは思いつつ、静子は正装へと着替える。身支度を整えた静子は彩に見送られて、信長の居城を目指して出発した。
果然到了正月,人流減少,平日商人往來不絕的大街也顯得冷清。
流石に正月ともなれば人々の往来も減り、商人たちがひっきりなしに行き来する大通りも閑散としていた。
不僅主要街道,沿路的大道都鋪得平整,旅途中毫無差池,順利抵達岐阜城。
主要な街道はおろか、街道沿いの大通りは全て舗装されているお陰で、道中何事もなく岐阜城へと辿り着くことが出来た。
既然是被視為最接近天下人的信長所在的岐阜城,前來向信長年賀的人們排成隊伍,包含隨從在內擠得幾乎沒有容身之地,熱鬧非常。
天下人に一番近いと目される信長がおわす岐阜城ともなれば、信長への年賀の挨拶に訪れた人々が列をなしており、付き人なども含めれば足の踏み場もない程の賑わいを見せていた。
靜子把馬託付給熟識的小姓,開始尋找與他約好的人們。
静子は馴染みの小姓に馬を託すと、待ち合わせをしている面々を探す。
「好像是說在現地集合……啊,在這裡。」
「確か現地集合って話なのだけど……あ、いた」
才藏與長可也被召在正月到場,但他們已回家,因此決定採取現地集合,午間一起前往向信長致意。
才蔵や長可も正月には呼ばれていたが、彼らは家に戻っていたため、昼から赴く信長への挨拶に現地集合という事になっていた。
靜子環顧四周發現了才藏的身影,她跑向才藏,才藏也注意到靜子。
辺りを見回すと静子は才蔵の姿を見つける。静子が才蔵の許へ駆け寄ると、才蔵の方も静子に気付いた。
「新年快樂」
「新年、あけましておめでとうございます」
「新年快樂,靜子大人。今年也請多關照。」
「あけましておめでとうございます、静子様。本年もよろしくお願いします」
兩人互道新年問候,結束後才藏如往常般站在靜子身後。靜子原本想到新年也許可以讓他不用再做馬廻衆的事,但還是讓才藏隨他喜好去做。
二人は新年の挨拶を交わす。それが終われば才蔵は、普段通り静子の後ろに立つ。新年から馬廻衆の仕事をしなくても良いのでは、と思った静子だが才蔵の好きにさせる事にした。
之後又陸續與長可、足滿、高虎會合。令人驚訝的是慶次也出現在正月的賀年之中。
その後、長可に足満、高虎と次々と合流する。驚いたのは慶次が正月の挨拶に現れた事だ。
「果然是被養父大人說今年去一趟啊。」
「流石に今年は行ってこい、と養父殿に言われてな」
以傾奇者自居的慶次也對有恩情的養父沒轍,聽從養父讓他去拜訪致意的話無法反抗。他似乎心有戚戚,臉上帶著微妙的表情。
傾奇者の慶次も恩義ある養父には弱く、今年は挨拶をしてきなさい、という養父の言葉に逆らえなかった。色々と思うところがあるようで、慶次は微妙な表情をしていた。
「不是很好的養父嗎。『想孝順的時候父母已不在』啊。」
「良い養父殿じゃないですか。『親孝行、したいときに親はなし』ですよ」
「我知道啦。但到了這把年紀,真不知道該做些什麼才好。」
「分かってはいる。が、どうにもこの年になると何をして良いのか」
慶次過去一直以傾奇者的身分生活,想不出什麼是對養父算得上孝順的事。抓破頭也想不出好主意,他迎來了一個苦惱的正月。
今まで傾奇者として生きてきた慶次にとって、何が養父にとって孝行になるか思いつかなかった。頭をかきむしっても良い考えが浮かばず、彼は悶々とした正月を迎えていた。
「嘛,慢慢想就好吧?有句話說匆忙會把事做壞。該走了吧。」
「まあ、ゆっくりと考えれば良いんじゃないですか? 急いては事を仕損じる、って言いますし。そろそろ行きましょう」
話題到此打住後,靜子與眾人步調一致朝信長去處前進。足滿並排在旁,慶次、才藏、長可跟在靜子身後。
話を打ち切ると静子は信長の許へと向かうべく、皆と歩調を合わせて進んでいく。足満が隣に並び、慶次や才蔵、長可は静子の後に続く。
邊走邊能聽到各處低聲交談。內容多種多樣,有讚揚靜子功績的,也有帶著羨慕、嫉妒,甚至近乎惡罵的話語。
進むうちにあちらこちらから囁き合う声が耳に届く。その内容は様々であり、静子の業績を称えるものもあれば、羨望や嫉妬、悪罵に近いものまでがあった。
成為羨慕的對象是無可避免的。完成了戰國最強的交替,既然坐在最強之位,就不存在比這更高的武功了。若有人對靜子的武功挑毛病,反而會成為自己丟臉的事。
羨望の的になるのは仕方がない。戦国最強の代替わりを成し遂げた。最強の座に居る限り、これ以上の武功は存在しない。静子の武功に難癖を付ければ、恥をかくのは己となるのだ。
能在武田身上留下黑星,對那些曾輕視靜子只是幕後人物的人來說,是壓倒性的武功,無論怎麼掙扎也難以匹敵。
武田に黒星を付けたという事は、静子を所詮は裏方と軽んじていた人間が、逆立ちをしても敵わない圧倒的な武功であった。
另一方面,面對嫉妒與惡意的指向,靜子像柳遇風般泰然自若地一一化解。
一方、嫉妬や悪意を向けられる静子は、柳に風とばかりに平然と受け流していた。
她認為既然人是感情的生物,被那種惡意指向也無可避免,乾脆割捨認為只會浪費時間,沒必要去應對。
人とは感情の生き物である以上、そういった悪意を向けられるのは仕方ないと割り切り、付き合うだけ無駄だと切り捨てた。
建設性的意見或有意義的批評會接受,但單純情緒化的誹謗中傷只會讓人疲憊、毫無所得,根本沒有打算去應對。
建設的な意見や、意味のある批判なら受け止めるが、単なる感情を持て余した誹謗中傷の類では、疲れるだけで得るものもないため、付き合うつもりは毛頭ない。
元日的信長上午會與家人及一族共度,因此對外的拜訪自然集中在午後進行。
元日の信長は、午前中を家族や一族と過ごすため、必然的に対外的な挨拶は午後に集中する。
主要家臣也是如此,但為了準備奔走的人們使得元日的岐阜城始終有人聲不絕。
主要な家臣も同様ではあるが、準備の為に動く人々は奔走しており、元日の岐阜城から人の気配が絶える事はない。
當然就信長而言,即便二日以後訪客也不會斷。總之靜子和其他訪客一樣列隊,獲准面見信長並致以新年問候。
尤も信長に限れば、二日以降も訪問客が途絶える事はないのだが。ともかく静子も他の訪問客と同様に並び、信長へと目通りを許され正月の挨拶を述べる。
「今年也請多多關照。」
「今年もよろしく頼むぞ」
當靜子說出新年問候時,信長露出一抹不懷好意的笑容。靜子隱約感到不祥的預感,已經有想早點離開的念頭,而她的預感並未錯。
静子が正月の挨拶を告げた時、信長は不敵な笑みを浮かべていた。何やら嫌な予感がした静子は、早くも帰りたい気持ちになった。そして彼女の予感は当たっていた。
(嗯——為什麼會變成這樣呢)
(えーと、なんでこんな事になっているんだろう)
靜子心中抓著頭苦思,但眼前的景象並未改變。
静子は内心頭を抱えたが、目の前に映る光景は変わらない。
「怎麼了。不用客氣,儘管說出你想要的東西。」
「どうした。遠慮はいらん、望みのものを申すが良い」
信長自信滿滿地開口。他面前擺著曜變天目茶碗(ようへんてんもくちゃわん)。
自信満々に信長は言葉を発した。彼の目の前には曜変天目茶碗(ようへんてんもくちゃわん)が置かれていた。
在現代此物為國寶,而且現存僅有三件的最上級天目茶碗——曜變天目茶碗,被毫不吝惜地擺放著。
現代においては国宝。それも現存する数は三つのみという最上級の天目茶碗である曜変天目茶碗が、惜しげもなく置かれていた。
不僅如此,還擺著信長常用的其他茶器。不只是茶器,甚至日本號、實休光忠等名槍以及他愛用的刀也一一陳列。
それだけではなく、他にも信長が愛用している茶器が並べられていた。茶器だけではなく日本号や実休光忠などの名槍や愛用の刀まで置かれていた。
面對這些名物,靜子嘆了口氣。信長在三方原之戰中給予武田決定性的敗仗,並成功驅逐長島的一向衆。
名物を前に静子はため息を吐く。信長は三方ヶ原の戦いで武田に決定的な敗北を与え、かつ長島の一向衆を駆逐する事に成功した。
對最大功勞者靜子,信長說要賞賜她所願的褒美。與上次不同,這次他將各種實物展示於靜子面前,開始論功行賞。
その最大功績者である静子に、信長は望みの褒美を与えると語った。前回と違い、今回は様々な現物を静子に見せつつ、彼は論功行賞を始めた。
(該怎麼辦呢。茶器我不需要,還不好打理……可刀或槍之類的又太無趣了)
(どうしようかなあ。茶器なんていらないし、扱いに困るし……かといって刀や槍ってのも味気ないよねえ)
靜子在心中呻吟著思考。她認為突然在正月論功行賞,信長肯定另有打算。
腹の中で唸りながら静子は考える。突然、正月に論功行賞をするのも、信長に何か考えあっての事だろうと彼女は思っていた。
明明擺了許多實物,卻一句話也不提土地,這本身就很耐人尋味,顯示論功行賞裡夾帶了某種用心。
現物が沢山あるのに土地については一言も語らない時点で、思惑が込められた論功行賞だと存外に語っているようなものだ。
想了一會兒後靜子下了結論。她認為這樣既能保全信長的面子,又能拿到自己想要的東西。
暫く考えて静子は結論を出す。これならば信長の面子を守り、かつ自分の欲しいものを手に入れられると、彼女は考えた。
「哦……咳咳,上様(・・)。那麼我有三件事要請求。」
「おや……コホン、上様(・・)。それでは3つお願いがございます」
「上様」是對信長的敬稱。以前是稱呼為『お館様』,但從年末開始周圍的人便改以『上様』稱呼信長。
上様とは信長の敬称になる。前まで『お館様』だったが、年末頃から周囲は信長の事を『上様』と呼ぶようになった。
究竟是因為打敗了武田與長島而改變了稱呼,還是純屬偶然不得而知,但靜子也改以『上様』來稱呼信長。
武田と長島を倒した事で呼び方が変わったのか、それとも単に偶然かは不明だが、静子も信長の事を『上様』と呼ぶように改めた。
「說來聽聽吧」
「申してみよ」
在信長催促下,靜子整理坐姿。從他露出一抹笑意、擺出聽她說話的樣子來看,信長似乎在享受靜子的言行。
信長に促されて静子は居住まいを正す。ニヤリと笑って話を聞く態勢となった所作から、信長は静子の言動を楽しんでいるように見えた。
「……那麼第一,想請求許可建造一座為戰死者安魂的社祠。第二,請協助收集藤四郎吉光的刀。第三,想請求賜與日本號。」
「……では一つ目、いくさにて散った者の御霊を鎮魂する社の建築許可を頂きとうございます。二つ目は藤四郎吉光(よしみつ)の刀蒐集にお力添えを願います。三つ目は日本号を頂戴しとう存じます」
「好吧,日本號就賜給妳。」
「良かろう、日本号は其方(そなた)に遣わそう」
信長對靜子的願望毫不猶豫地應允。連一瞬的遲疑也沒有,反倒讓靜子有些錯愕。
静子の願いに信長は躊躇いなく了承を口にした。一瞬の迷いすら見せなかったことに、逆に静子の方が戸惑ったぐらいだ。
但信長看著靜子的狼狽,只是微微一笑。靜子深呼吸幾次使自己冷靜後,向信長低頭行禮。
だが信長は静子の狼狽振りを見てニヤリと笑うだけだった。何度か深呼吸して気持ちを落ち着けた後、静子は信長に頭を下げる。
「承蒙厚賜,實在感激。那麼,為了準備運送日本號,告辭了。」
「有り難き幸せ。しからば、日本号の運搬準備をするため、これにて失礼します」
靜子打算以準備運送日本號為名離席,也可說是因為過度操心而感到疲憊。她想藉機稍作休息,信長並未多在意便允許了。
日本号を運ぶ準備をする、という名目で静子は席を外す気でいた。気を遣いすぎて疲れたとも言える。少し休憩する時間が欲しくて言った理由だが、信長はさして気にせず承知した。
「被抓到就放棄吧」
「捕まったら諦めよ」
信長最後說的話讓靜子歪了頭。可是在準備運送日本號時,靜子才明白信長話中的含義。
最後に信長が言った言葉に静子は首を傾げた。しかし、日本号の運搬準備をしている時、静子は信長の言葉の意味を知る。
「靜子啊。不跟妾行個禮就想回去,真是相當不近人情的行徑呢?」
「静子よ。妾に挨拶なしで帰ろうとは、随分と不人情な仕打ちよのう?」
「累了。我再也不想去了。」
「疲れた。もう二度と行きたくない」
在準備運送日本號時,不巧被濃姬逮住,靜子遭遇了麻煩。
日本号の運搬準備をしている時、運悪く濃姫に捕まったために、静子は大変な目にあった。
雖然她好不容易下達了運送相關指示,但還沒來得及多說什麼,就被濃姬拉走了。
何とか運搬に関する指示は出せたものの、それ以上何かを言う前に、静子は濃姫に引きずられていった。
途中被市和茶茶等人發現,然後被強行帶到女子們聚集的房間。從那之後對靜子來說便是地獄。
途中で市と茶々たちにも見つかり、そのまま女子たちが集まっている部屋へと強制連行された。そこからは静子にとっての地獄だった。
濃姬與市這對組合完全不顧及她的感受,反而那些初次見面的人似乎已對靜子抱有某種印象,僅僅應對就相當吃力。
濃姫と市のコンビは全く気を遣わない、逆に初対面の人間は既に静子に対して何らかのイメージを持っているのか、応対するだけで大変だった。
「唔……至少上様已經確約賜下藥研和亂之類的,應該算是不錯了吧……」
「まぁ上様に薬研や乱とかの下賜を確約して貰えただけ、良かったと思おうか……」
藥研藤四郎曾是足利將軍家的重寶,但當松永彈正暗殺足利義輝時,與不動國行等一同被奪取並持有。
薬研藤四郎(やげんとうしろう) は足利将軍家の重宝だったが、松永弾正が足利義輝を暗殺した際、不動国行(ふどうくにゆき)などとともに分捕って所持していた。
然而,據傳在元龜四年一月十日,松永彈正將藥研藤四郎和不動國行獻給了信長。
しかし、元亀四年一月十日に、松永弾正は薬研藤四郎と不動国行を信長へ献上したと伝えられている。
「啊,要不就順便說『也把不動國行給我吧』會不會更好呢。嘛,不過說要當作摯愛佩刀多半不可能就是了。」
「あ、どうせなら不動国行も頂戴、と言えば良かったかな。ま、愛刀にするから無理だろうけども」
「靜子様,統計已經完成了。」
「静子様、集計が終わりました」
一邊這樣想一邊望著天空時,彩走過來和她說話。雖然從正月開始就讓人工作,想到這點靜子還是有些為難。
そんな事を考えながら空を眺めていると、彩が声をかけてきた。正月から働かせる事になってしまったが、それを考えても少し困った状況が静子にはあった。
「那,總共有多少?」
「で、幾らあったの?」
「加上上様的賜予,合計為二萬七千五百貫文。」
「上様(・・)からの下賜を合わせて2万7500貫文になります」
問題就在於靜子持有的金子數額。
問題とは静子の金子所持額だった。
「就算給我一大筆金子也會很困擾啊」
「大金渡されても困るのだけどねぇ」
「沒辦法。這裡尾張和美濃的事大多由靜子様插手,因此以金子來給予最為穩妥。」
「仕方ありません。ここ尾張や美濃のものは、殆ど静子様が関わっております。それゆえ金子が一番無難なのでしょう」
之所以靜子會持有大筆金錢,是因為信長會以茶器或金子作為對有戰功者的報酬。
何故、静子が大金を所持しているかと言うと、信長は武功のあった者には茶器や金子で報酬を支払っていた。
當武將們追求茶器時,靜子則從信長那裡得到金子用於開墾。因此漸漸地對靜子以金子作為褒賞成了常例。
武将たちが茶器を求める中、静子は信長から金子を得て開墾を行っていた。それゆえ、いつしか静子には金子で褒賞を渡すのが常となっていた。
但在尾張與美濃地區,除了像在知多半島引農業用水這類國家級的超大型工程外,基本的開墾已經完成。
だが尾張・美濃においては、知多半島に農業用水を引くなどの国家的超巨大な工事以外、一定の開墾は終えていた。
其他地區各有其統治者,靜子無權插手那裡的開墾事宜。
他の地域はそれぞれ支配者がいるので、静子は開墾について口を挟む権利がない。
她的影響力限於尾張與美濃。即便如此,能在信長勢力範圍內做事,本身就可說是一種特權。
彼女の影響力は尾張・美濃に限定されていた。それでも信長のお膝元で色々と出来るのは、それだけで特権とも言えるのだが。
「那該怎麼好呢……啊,伊勢神宮還有嘛。為了神宮式年遷宮來捐獻吧。暫且捐三千貫左右。」
「どうしようっかなあ……あ、伊勢神宮があったね。神宮式年遷宮(じんぐうしきねんせんぐう)のために寄進しよう。とりあえず3000貫ぐらいかな」
「以靜子様的性格,我本以為會分給家臣或兵士們。」
「静子様の事ですから、家臣や兵たちに分け与えるかと思っていました」
「那也不錯,但該開始把錢分散給外面的人了。較大的機構來運用會比較方便。另外,透過捐獻也能宣示『織田家並無意滅亡寺社勢力』。」
「それも良いけど、そろそろ余所にもお金を回さないとね。それには大きめの所が使う方が楽なの。後、寄進する事によって『織田家は寺社勢力を滅ぼす気はない』ってアピールも出来るしね」
信長對寺社勢力雖採強硬態度,但基本上處事公平。若為敵,無論何種宗教或宗派皆會對抗;若中立或援助己方,則一視同仁地保護。
信長は寺社勢力に苛烈な態度をとり続けているが、基本的に扱いは平等だった。敵対するならどの宗教、宗派問わず戦い、中立や味方陣営に与するならば平等に保護した。
靜子用來捕鯨的鯨神社能在信長面前不受干涉地活動,也是因為他們無意與信長為敵,且如其所言只專注於與鯨相關的事務。
静子が捕鯨で活用している鯨神社が信長から何も言われず活動できるのも、彼らは信長と敵対する気はなく、掲げている言葉通り鯨に関する事しか従事していないからだ。
反過來說,一旦開始購買武具、雇用浪人,就會被信長盯上。
逆を言えば武具を購入し浪人を雇い始めると、信長から目を付けられる事になる。
「先去向上様取得向伊勢神宮捐獻的許可。其他的等其他人回來時再商量。」
「とりあえず上様に伊勢神宮への寄進について許可を得ておいて。それ以外は、他の面子が帰ってきた時に考えよう」
「明白了。」
「承知しました」
「拜託囉~。快要搬家了,搬家結束後大家就來分配職位吧。該差不多好好組織起來了,不然會不知道誰負責什麼」
「よろしくー。もうすぐ引っ越しだけど、引っ越しが終わったらみんなに役職とか割り当てようね。そろそろちゃんと組織化しないと、誰が何を担当しているか分からなくなるから」
搬進信長為靜子準備的宅邸後,家中的人手會比現在更多。
信長が用意した静子の邸宅に引っ越すと、今以上に家人が増える事となる。
這樣一來就不能像以前那樣隨便組織了。為了順利經營家務,有必要分配職務。
こうなると今までのように、いい加減な組織では運営出来なくなる。円滑に家を運営するにも役職を割り当てる必要があった。
「已經有想法了嗎?」
「お考えは既におありでしょうか」
「暫且要把表面和內裏分開。表面由慶次先生和勝藏他們位居頂端,內裏應該由彩醬和蕭醬為首吧」
「とりあえず表と裏を分けないとね。表は慶次さんや勝蔵君たちが頂点で、裏は彩ちゃんと蕭ちゃんが頂点かなあ」
「……那個……」
「……それは……」
彩有點猶豫。蕭是前田利家與まつ的孩子。出身無可挑剔,實力也為其他人所認可。如今視情況而定,她也有權在書狀上蓋上「蕭」的印章進行處理。
彩は少しだけ迷った。蕭は前田利家とまつの子だ。家柄は申し分なく、実力も他の人間が認めるほどだ。今では内容にもよるが、書状に「蕭」の印鑑を押して処理する権限もある。
換言之,說靜子的家由蕭在打理也不為過。
つまり静子の家は、蕭が切り盛りしていると言っても過言ではない。
相對地,彩的工作則是管理靜子私人與公家所有的物品,也就是倉庫的物品與金錢管理。換言之,彩的職責相當於現在所說的管財人。
対して彩の作業は、今も静子が私的、公的問わず所有しているものの管理となる。つまり倉のものと、金の管理。言い換えれば彩の仕事は現在で言うところの管財人となる。
「根本不用在意出身啦。說實在的,我最為苦惱的就是該把倉庫交給誰管理」
「家柄なんて気にする必要ないよ。と、言うか私は倉の管理を誰にしようか一番迷う所だったんだよね」
「那是為什麼呢?」
「それは、何故でしょうか」
「很簡單。我的倉庫裡放著各種東西,其中有些是還不想讓世人知道的。我要倉庫由那些不會被誘惑而能認真做事的人來負責。就算是武田之戰,如果倉裡保管的新式火銃流出,也不會有現在的結果呢」
「簡単だよ。私の倉は色々と入っている。その中には、まだ世に知られたくないものもある。そういうものの誘惑に負けず、しっかり仕事する人が倉を担当して欲しいのよ。武田戦だって、倉に保管している新式銃が流出していたら、今のような結果にはならなかったしね」
雖然說得婉轉,但靜子想表達的就是她最信任的是彩。
遠回しだが静子の言いたい事は、一番信用を置いているのは彩、という事だった。
「願以侍奉來報答靜子大人的信任」
「静子様の信に報いられるよう、ご奉公致します」
「稍微撒嬌一下嘛,彩醬。現在沒什麼人,快來!在姊姊懷裡流下感動的淚水吧!」
「ちょっとはデレようぜ、彩ちゃん。今は人がいないのだから、さあ! お姉さんの胸で感激の涙を流すのだ!」
看著張開雙手歡迎的靜子,當被說出信任時,彩心中的感謝之情瞬間消散了。
両手を広げてウェルカムをする静子を見て、信用していると言われたときに抱いた感謝の気持ちは霧散した彩だった。
「那麼我去準備3000貫文」
「それでは3000貫文、用意して参ります」
「喂~,這樣下去我會相當寂寞的說……唔,彩醬會什麼時候撒嬌呢」
「お〜い、このままだと私はかなり空しいのだけど……くっ、彩ちゃんがデレる日はいつになるのだ」
「別說傻話了,好好過個有新年氣氛的日子吧」
「馬鹿な事を仰っていないで、正月らしい事をして過ごして下さい」
說出那番話的彩自己並沒意識到,她正淡淡地露出微笑。
そんな事をいう彩は気付いていない。彼女はうっすらと笑みを浮かべている事を。
正要搬家的時候,來自信長的命令到達靜子的府上,叫她隨行前往京城。
もうすぐ引っ越しというタイミングで信長から京へと同行しろ、という命令が静子の許に届く。
表面上的理由是去打獵,但靜子明白真正的目的另有其人。畢竟為了打獵還指示了不相稱的武裝。
鷹狩りを行うというのが表向きの理由だが、本当の狙いは別にあると静子は理解した。何しろ鷹狩りを行うには不相応な武装を指示されているからだ。
這明顯是示威行為。信長想展示他的氣勢,扼殺敵對者反抗的萌芽。靜子認為他是打算利用靜子軍來達成這目的。
明らかに示威行為だ。信長は己の勢いを見せつけて、敵対者の反抗の芽を摘むつもりでいるのだ。そのために静子軍を活用する気だと静子は思った。
「想出挺狠的辦法啊。不過如果因此能減少戰事,那也無妨」
「中々に酷い事を考えるなあ。まあこれでいくさが減るなら良いのだけれど」
讀完命令書後,靜子指示彩去召集平常那班人。只有慶次不知在哪兒,花了點時間,但總算成功把人全部聚集起來。
命令書を読み終えた静子は、彩にいつもの面子を集めるよう指示した。慶次だけは、どこにいるか分からず時間はかかったが、何とか全員を集める事に成功する。
「呼啊~,在睡覺的時候被叫醒,靜醬真過分呢」
「ふわぁ〜、寝ている所を起こすとか、静っちは酷いぜ」
「對不起喔。嘛,就當成工作吧,忍耐一下。這事一結束應該就會比較有空了」
「ごめんね。ま、お仕事と思って諦めてね。これが終われば、多分暇になると思うから」
對著大哈欠並抱怨的慶次,靜子一手合十般地道歉。慶次似乎也沒多抱怨,被才蔵用肘肘戳一下後便摸著臉閉嘴了。
大あくびをしつつ愚痴を零す慶次に、静子は片手で拝むようにして詫びる。慶次もそこまで文句はなかったようで、才蔵が肘でつつくと頬をかいて黙る。
「這次就單純去京城而已。不過因為各種意圖牽扯在內,所以會正規武裝上路。或許是為了向人展示我們有這麼大的實力吧」
「さて、今回は単純に京へ行くだけだよ。ただ色々と思惑が絡んでいるから、ちゃんと武装して行く事になる。まあこっちはこれだけの力があるんだぞ、って見せつけるためかな」
「真是提不起勁的事。為了那個我們有必要出動嗎?」
「なんとまあ、やる気の出ない話だ。その為に俺たちが出る必要はあるのか?」
「好啦好啦,這樣被過濾掉的對手本就不用期待。若當作是藉著展示力量來篩選還有戰鬥鬥志的對手,這也不算壞事吧」
「まあまあ、これでふるい落とされる相手なんて、最初から期待しなくて良いじゃない。力を見せつけて、なお戦う気概を持つ相手を見定めると思えば、悪い事じゃないと思うの」
「嗯、嘛……確實如此」
「む、まあ……確かにな」
靜子設法安撫了最先抱怨的慶次。她自己也沒有什麼幹勁。
いの一番に愚痴を零した慶次を、静子は何とか宥める。やる気が出ないのは静子も同じだ。
不必特地做那種事,已經在武田之戰充分展示實力了。靜子也認為沒必要再繼續展示下去了。
わざわざそんな事をしなくとも、既に武田戦で散々実力を見せつけたのだ。これ以上、見せつけるような事をする必要はないと、静子も思っていた。
「嘛,在京城玩一下也沒關係吧?費用的話我會出一部分」
「まあ、京では遊んでいても問題ないのじゃない? 費用ぐらいなら、ある程度は出すよ」
「呼~,不愧是靜醬,真識相呢」
「ヒュー、さすが静っち。話が分かるじゃないか」
「喂,別說難看的話。雖然看起來不起眼,但示威行為也是重要的工作」
「こら、みっともない事を言うな。地味に見えるが、示威行為も重要な仕事だ」
「我知道啦,我知道,不過無聊的東西就是無聊」
「分かっているよ。分かっているけど、つまらないものはつまらん」
「嘛我也不太有興趣。不過得去拿那個東西,倒也算剛好」
「まー私も乗り気ではないよ。ただ、例のものを受け取らないといけないから、ちょうど良かったと思っておくよ」
「喔,那麼終於能交接了嗎!!」
「お、じゃあようやく引き渡しが出来るのか!!」
靜子的話讓長可有反應。靜子對長可的詢問點頭後,他雙手高舉表示歡喜。
静子の言葉に長可が反応する。長可の問いに静子が頷くと、彼は諸手を挙げて喜んだ。
所謂那件事,是指海外的土著貓。自從愛上土耳其安哥拉貓後,信長也開始留心其他外國貓。
例のもの、それは海外の土着猫の事だ。ターキッシュアンゴラに惚れて以降、信長は他の海外猫をも気に掛けていた。
信長漸漸產生了想要更多海外貓的慾望,於是命令靜子「金錢不必計較,把其他貓也都收集來」。
海外の猫がもっと欲しい、いつしかそんな欲求を抱くようになった信長は、静子に「金に糸目はつけない。他の猫も集めよ」と命じた。
靜子動用所有人脈,盡其所能地蒐集西洋貓。
持てるコネを最大限に駆使して、静子は西洋猫を集めた。
首先是自然產生於俄羅斯東部的土著貓──西伯利亞貓。從西元一千年左右開始有記載,現代也被俄羅斯歷任總統所喜愛。
まずロシア東部で自然発生した土着猫サイベリアン。西暦千年ごろから存在が確認され、現代ではロシアの歴代大統領に愛されている猫だ。
這種貓好奇心強且頭腦靈活,同時性情溫和、有耐心,且很黏人。
好奇心旺盛かつ頭脳明晰ながら温厚で忍耐強く、そして甘えん坊な性格の猫だ。
而且牠們有卓越的狩獵能力,在一般討厭水的貓種中,甚至有人發現西伯利亞貓會捕魚。
それでいて卓越した狩猟能力を持ち、水を忌避する猫種にあって、魚を捕獲するサイベリアンまでもが確認されている。
接著是英國的土著貓英國短毛貓。據說起源於古羅馬入侵英國時,為了防治覓食的老鼠而帶來的貓。
次にイギリスの土着猫ブリティッシュショートヘア。始まりは古代ローマがイギリスを侵攻した際、食料を狙うネズミ対策として連れてきた猫が始まりと言われている。
雖然在二十世紀才確立品種標準,但早在一個世紀以前,英國境內就已對這種土著貓抱有關注。
20世紀に品種の標準化が確立したが、それより一世紀も前にイギリス国内で土着猫として関心が向けられていた。
本種為短毛,但亦有一種稱為英國長毛貓的長毛變種,這是比較新的品種。
本種は短毛種だが、長毛種としてブリティッシュロングヘアーという猫も存在する。こちらは比較的新しい猫の品種である。
再來是挪威的土著貓「ノシュク・スコグカット」,英語稱為 Norwegian ForestCat,意指如同挪威語一般的「挪威森林貓」。
次にノルウェーの土着猫ノシュク・スコグカット。英語でノルウェージャンフォレストキャットと呼ばれ、意味はノルウェー語と同じくノルウェーの森林ネコだ。
此種為在挪威長久存在的土著貓,但關於起源仍有諸說:有人說已有四千多年歷史,也有人認為南歐的短毛貓為了適應挪威寒冷變成長毛,或稱為十一世紀由維京人帶來,至今來源仍未明確。
ノルウェーで古くから存在する土着猫だが、四千年以上前から存在する猫だと言われたり、南ヨーロッパにいた短毛種がノルウェーの寒さに耐えるため長毛種に変化したと言われたり、十一世紀にバイキングが連れてきた猫が元だと言われたり、今もなお起源が判然としない。
明確的是牠們長有具防水功能的雙層毛皮,適應挪威的環境。
はっきりしている事は、防水機能のある2重状の毛などノルウェーの環境に適応している点だ。
但因為是適應寒冷地帶的品種,在亞熱帶或熱帶地區易罹患中暑,為了防水而分泌的皮脂也容易導致皮膚炎。
ただし寒冷地方に適応した品種のため、亜熱帯や熱帯地方では熱中症にかかりやすく、防水のための皮脂は皮膚炎になりやすい問題がある。
最後是被稱為最古老家貓的埃及土著貓——埃及貓(エジプシャン・マウ)。「マウ」在古埃及語中意指貓。
最後に最も古いイエネコと言われているエジプトの土着猫エジプシャン・マウ。マウとは古代エジプト語で猫を意味する。
在金字塔壁畫上也有可能是埃及貓的圖像,因此有人推測埃及貓自古埃及時代便存在,但無法確證。
ピラミッドの壁画にも、エジプシャン・マウらしきものが描かれており、エジプシャン・マウは古代エジプトから存在しているのでは、と推測されているが確証はない。
這種貓有斑點花紋,而這些花紋在貓的品種中是唯一被認為不是人為培育而成,而是自然形成的。
斑点模様を持つ猫だが、この模様は猫の品種の中で、唯一人の手が加えられてついたものではなく、自然と斑点模様になったと言われている。
現代的埃及貓雖以最古老貓類聞名,但有說法指出俄羅斯公主娜塔莉從埃及帶來數隻家貓,並隨貓一起移居美國後進行育種,之後被正式登記為品種,因此也有人認為現代品種實際上是較新的美國原產。
なお現代のエジプシャン・マウは最古の猫として有名だが、ロシア王女ナタリーがエジプトよりイエネコを数匹取り寄せ、アメリカに猫とともに亡命してから品種改良した猫が正式な品種として登録されたため、比較的新しいアメリカ原産とも言われている。
靜子帶來的是據說娜塔莉公主從埃及引進的家貓。為避免混淆,靜子決定稱之為埃及貓(エジプシャン・マウ)。
静子が取り寄せたのは、ナタリー王女がエジプトより取り寄せたと言われるイエネコだ。混乱を防ぐため、静子はエジプシャン・マウと呼ぶことにした。
靜子購買這些土著貓的方式有些特殊。首先在那個時代,貓是保護貨物免受老鼠侵害的重要存在。
これらの土着猫を購入した静子だが、その購入方法は少し特殊だった。まずこの時代、猫は荷物をネズミから守る重要な存在だった。
即便是常見的土著貓,南蠻商人也不會輕易交付。因此靜子採取先暫時保管貓,在日本繁殖後再把親貓歸還給南蠻船的手法。
見慣れた土着猫とはいえ、南蛮商人は猫を簡単に手渡す訳にはいかなかった。そこで静子は猫を一時的に預かり、日ノ本で繁殖させてから南蛮船に親猫を返却するという手法をとった。
當然,那段期間船隻無法航行,但相關費用由信長(更精確地說是堺的商人們)承擔。
無論、その間船舶は移動が出来なくなったが、それらの費用は信長(正確には堺の商人たち)が受け持った。
就這樣養育出的幼貓終於到了可以接收的時候,接收地點如往常在京城進行。
こうして育てられた子ネコが、ようやく引き受けられる時期になった。受け取りはいつもと同じく京で執り行われる。
靜子還委託了其他事物,但那些可以下次再處理,沒問題。
他にも静子が依頼していたものがあるが、それはまた今度でも問題なかった。
「好好,我現在忽然充滿幹勁了」
「よしよし、俺は俄然やる気が出てきたぞ」
「真是現實啊」
「現金なものだな」
對於長可翻臉,才蔵感到無奈,但他認為有幹勁總比沒有好,便未再多說責備的話。
長可の手のひら返しに才蔵は呆れた。だがやる気がないより、ある方がマシだと思い、それ以上の苦言は口にしなかった。
慶次雖然態度不積極,但大概認為可以消磨時間,於是沒強烈拒絕。
慶次はやる気ない態度ではあるものの、暇つぶしにはなるだろうと思っていたのか、強く拒絶はしなかった。
「嘛,輕鬆面對就好,那麼就拜託了」
「ま、気楽に構えよう。それじゃあよろしく」
對靜子的結語,眾人各自做了自己的回應。
静子の締めの言葉に、おのおの自分なりの返答をした。
一月下旬,將軍義昭因武田戰敗而不情願地向信長投降。然而信長本人甚至不知道義昭曾為對抗織田家而起兵。
一月下旬、将軍義昭は武田が敗れた事で、嫌々ながらも信長に降伏した。しかし、当の信長は義昭が対織田家のために挙兵していた事すら知らなかった。
與其說不知道,不如說根本沒在他的意識中;畢竟在靜子擊敗武田之前,他的腦中一直專注於那件事。
知らなかった、というより意識にも上らなかった。何しろ彼の頭の中は、静子が武田を破るまでずっとそちらに集中していたのだ。
最先知情的光秀雖然有呈報,但之後仍專注於武田,等回到京城時義昭的使者來了,信長才終於記起這件事。
最初に知った光秀も報告こそ上げはしたが、それ以降は武田に集中したため、京に戻った時に義昭からの使者が来てようやく思い出したという状況だった。
義昭的舉兵對信長而言竟然只是微不足道的小事。
それほどまでに義昭の挙兵は、信長にとって些事に過ぎなかった。
雖然表面上是對形式上輕率起兵的義昭提出責難,但京中人人都以為信長是為懲罰義昭而來。
今回、形式上は軽はずみに挙兵した義昭へ苦言を呈する形だが、京の誰もが信長は義昭を懲罰するためにやってきたと思っていた。
事實上這種想法是對的,若只是責罵並不會帶兵而來;京民認為軍隊是用來對義昭施壓和威嚇的。
実際その考えは正しく、ただ叱責するだけなら軍を連れてはこない。軍は義昭に対する威圧と脅しのためだと京の民は思っていた。
「說起來,好像織田軍快要來了哦」
「そういえば、もうすぐ織田軍が来るらしいぞ」
「將軍大人都起兵了,結果還沒打過一仗就投降,真是可悲啊」
「将軍様は挙兵したってのに、一回もいくさする前に降伏だったかな。全く情けねぇよな」
「真的真的,至少打一仗吧——我就是這麼想的」
「ほんとほんと、せめて一回は戦えよーって思ったわ」
迄今為止的一再言行交織,已無法對將軍義昭抱持敬意;本來若不受敬重,連天下人也會被京中百姓嘲弄。
今までの言動が重なり、将軍義昭に対する敬意など望むべくもなかった。そもそも敬意がなければ、天下人すらコケにするのが京の民だ。
如果是一戰未打就投降,縱然是將軍也會被嘲笑,成為笑柄。正當他們談論這種事時,有個男人從他們面向的相反方向跑了過來。
一回も戦わず降伏したとなれば、幾ら将軍とは言え嘲笑するし、笑いのネタにもする。そんな話をしていると、彼らが向いている方とは反対側から、男が一人走ってきた。
「喔,去探看的傢伙回來了。怎麼樣?」
「お、様子を見てきた奴が戻ってきたぞ。どうだった?」
「不、不是要問『怎麼樣』!不、總之給我退後,你們!」
「ど、どどどうだったじゃねぇ! と、とにかく下がれ、お前ら!」
那名雙膝撲地調整呼吸的男人慌忙將人推到一旁。困惑的男人們見狀異常慌張,勉強服從。
両膝に手をついて呼吸を整えた男は、慌てて押し出すようにして男たちを端に寄せようとする。困惑した男たちだが、尋常ではない慌てぶりに渋々言う事を聞く。
靠到路邊沒多久,便看見織田軍的旗幟。正要探頭偷看的男人被那個去察看的男人急忙拉回。
道路の端に寄ってから少しして、織田軍の旗が見えた。のぞき見ようと首を伸ばした男を、様子見した男が慌てて引っ込める。
「(怎、怎麼回事。看一下應該沒問題吧)」
「(な、なんだよ。見るぐらい問題ないだろ)」
「(聽我說的做就對了)」
「(いいから俺の言うとおりにしておけ!)」
在這樣的交談中,織田軍已靠近到進入他們視線。他們也因此知道了那個去察看的男人變得異常的原因。
そんなやりとりをしている内に、織田軍が彼らの視界に入るまで近づいていた。そして、様子見してきた男が、異常な様子になっている理由を、彼らは知った。
織田軍的行軍非常有紀律。以五人為一列,形成像粗大木幹般的隊形。
織田軍の行進は非常に統率が取れていた。五人を一列とし、太い木のような列をなしていた。
通常若混有雜兵或足輕,隊形無法整齊,會變成細長的隊伍;能以等間隔排列,本身就是令人震驚的景象。
通常、雑兵や足軽が混ざれば列は形を成さず、細長い形になる。それが等間隔に列をなしていれば、それだけで驚愕する光景だ。
更令人驚訝的是武裝。兩端的人持槍矛,中間三人配備火槍,組成長長的隊列。懂行的人光看就會認為他們擁有大量火繩槍。
更に武装も驚きだった。両端の人間は槍を携えていたが、中3人は銃を装備していた。それが長い列を成す。理解の良い者なら、それだけで大量の火縄銃を所持している、と考える。
更何況是遠方觀察的間諜,單憑那一幕就會為如何回報而頭疼。
ましてや遠巻きに見ている間者なら、その光景だけでどう報告するべきか頭を悩ますだろう。
(真是的,上樣也太會做文章了。肯定是要同時給將軍與留在京的間者們看吧。現代來說像是軍事閱兵?)
(やれやれ、上様も人が悪い。きっと将軍向けと、京にいる間者たちの両方に見せつけているんだろうね。現代で言う軍事パレードかな?)
一邊掃視那無數次見到也數不清的京中民眾驚愕面孔,靜子握緊韁繩。徒步行軍訓練是以提升體力為目的的基本訓練,連現代自衛隊也有實施。
もう何度見たか分からない京の民の驚いた顔を流し見しつつ、静子は手綱を握る。徒歩行進訓練は現代の自衛隊も行うほど、体力の向上を目的とした基本的な訓練だ。
另有一個目的為掌握地形,但靜子主要是為了增強體力。這在兵士訓練所是最基本的基本,所有入伍者都得反覆練習。
もう一つ、地形の把握という目的もあるが、静子は体力の向上を主としていた。兵士訓練所では基本中の基本であり、入隊した者全てが数え切れないほど行う。
依訓練不同,背囊的重量會有所差異,輕則約20公斤,重則約60公斤。距離短則數公里,長則可能從尾張移動到岐阜。
訓練によっては背納の重さが代わり、軽ければ20キロ、重ければ60キロを背負う。距離も短ければ数キロだが、長ければ尾張から岐阜まで移動する事もある。
因此信長將靜子軍帶到京。整齊的軍隊配備大量火繩槍(半數以上為無射擊性能的訓練模型)的景象,足以挫傷敵方士氣。
それゆえ信長は静子軍を京へ連れてきた。統率の取れた軍が多くの火縄銃(半分以上は訓練用の射撃性能がないモックアップ)を装備している光景は、敵の戦意を挫くのに十分だ。
光是武裝行軍就能壓制反抗的萌芽、減少無謂的戰事,並削弱投靠敵方者;而隨從信長的正是曾擊敗武田的靜子軍。
武装して行進するだけで、反抗の芽を摘み、無用ないくさを減らし、敵に味方する者をも減らすことができる。しかも、信長に付き従うは武田を倒した静子軍だ。
對信長而言,沒有比這更有效的策略了;旁人看來不過是徒步而行,敵人卻會因此減少。
信長からすれば、これほど効率が良い策はなかった。傍目にはただ歩くだけで、敵が減るのだから。
(嗯,我也贊成能減少無謂戰爭這點)
(まあ、無用ないくさが減るのは私も賛成だけどね)
帶著這些想法,靜子朝目的地前進。
そんな事を考えつつ静子は目的地に向かう。
那些以呆然表情目送他們的京中民眾,愣了好一陣子。
彼らを呆然とした表情で見送った京の民は、しばらく呆気にとられていた。
「……那、那個,織田軍是不是比上次看到的還要更強了?」
「……な、なんか、前回見たときより更に強くなってないか、織田軍って」
有人低聲嘟囔,隨後似乎終於有了實感,男人們臉上冷汗直冒。
誰かがポツリと呟き、続いてようやく実感がわいたのか、男たちは顔から汗を吹き出す。
「糟了吧……想反抗那種人簡直是笨蛋會做的事」
「やばいよな……あんな連中に逆らおうって考えるのは、馬鹿のする事だぜ」
「對對,再想想看。織田軍強,就代表這城鎮安全了」
「そうだそうだ。それに考えてみろ。織田軍がつえぇって事は、この街が安全って事だ」
「聽說武田軍可是全力以赴地打,結果被打得稀巴爛還被趕回去了喔」
「噂じゃ武田軍が全力で戦ったのに、ボロッボロにして追い返したそうだぞ」
「唔——,織田軍真厲害」
「うーん、織田軍はすげぇわ」
之後男人們七嘴八舌談論那些事,聽到的人再傳給別人,原本的話不僅被添油加醋,還越傳越誇張,自己跑開了。
その後も男たちはあれやこれやと語り合い、その会話を聞いた連中が別の人へと話を伝え、いつしか元の話に尾ひれどころか脚まで生えて独り歩きしてしまっていた。
聽到京中民眾對織田軍的傳聞時,信長毫不顧忌地放聲大笑。
京の民の織田軍に対する噂を聞いたとき、信長は人目も憚らず呵々と大笑いした。