戦国小町苦労譚
捨棄了死地
慶次獨自在縁側賞月飲酒。夜空點綴著數以千萬計的星辰、格外明亮的月亮,那種現代無法體會的夜空閃爍成了酒的佐料。
慶次は縁側で一人月見酒を楽しんでいた。夜空を彩る幾千万の星々、ひときわ明るく輝いている月、現代では決して味わえぬ夜空の煌めきが酒の肴だった。
他躺著盡情觀賞夜空,偶爾想起就坐起來斟酒一飲。慶次享受著緩慢但自由的時光流淌。
寝転んでは夜空を堪能し、思い出したように起き上がっては杯を傾ける。ゆったりとした、しかし自由な刻の流れを慶次は堪能していた。
「可以嗎」
「良いかな」
腳步聲傳入慶次耳中時,一個聲音同時朝他傳來。說話的人從一開始就打算坐下,沒等慶次回答便在縁側坐下。
慶次の耳に足音が届くと同時、彼に向かって声が飛んできた。声の主は最初から座る気だったようで、慶次の返事を待たず縁側に腰を下ろす。
「帶個可愛的女子來一個吧,才藏」
「可愛い女子の一人も連れて来いよ、才蔵」
「喝酒的話不必帶女子來吧」
「酒を飲むのに女子を連れてくる必要はないだろう」
在旁邊坐下的人向才藏戲謔地說話,但當才藏一本正經地回應時,慶次苦笑了。
隣に座った人物、才蔵におちゃらけた声をかけた慶次だが、才蔵から真面目に返されると苦笑する。
原本也不是認真的,但才藏總是這麼真誠地當真。然而,那讓慶次感到舒服。
元より本気ではなかったが、才蔵はいつも真正直に受け取る。だが、それが慶次には心地良かった。
「想問一件事」
「一つ聞きたい」
兩人沉默地享受賞月飲酒了一會兒,打破沉默的是才藏。他仍然望著月亮,繼續說道。
暫く互いに無言で月見酒を堪能していたが、その沈黙を破ったのは才蔵だった。彼は視線は月に向けたまま、言葉を続ける。
「最近看起來似乎有些提不起勁。是有什麼令人擔心的事嗎?」
「ここ最近、どうも気が抜けているように見受けられる。何やら心配事でもあるのか?」
「……不是那樣。只是覺得,沒有可供赴死的場所了罷了」
「……そうじゃねえ。ただ、死に場所がなくなったなあと思っただけさ」
「是嗎」
「そうか」
對慶次的回答,才藏只說了那句便喝酒。慶次從才藏的態度理解為:想說就說,不想說就換話題。
慶次の返答に才蔵はそれだけ言うと酒を飲む。言いたければ話せ、話したくないなら話題を変えろ、と慶次は才蔵の態度からそう受け取った。
慶次輕笑一聲,將杯中酒一飲而盡。
慶次は一度小さく笑うと、杯にある酒を飲み干す。
「跟我作戰的真田曾說『從今以後是鐵砲的世』。那種事我早就懂了——是在看到那支銃的時候」
「俺と戦った真田は「これからは鉄砲の世だ」と言った。そんな事、とっくの前に理解していたよ。あの銃を見た時にな」
「那和失去死處有什麼關係?」
「それと死に場所を失った事に、何の関係がある」
「很簡單。那是強力的武器。從此以後用刀或槍互相廝殺的戰事會減少。金錢的力量和那把銃的力量,僅憑這兩樣敵人就會投降。我認為可作為我赴死之地的戰場,已經到處都沒有了。這令人非常悲哀」
「簡単だよ。あれは強力な武器だ。これから刀や槍でやり合ういくさは減る。金の力とあの銃の力、それだけで敵は降伏する。俺が死に場所と定めるいくさは、もうどこにも残ってはいない。それが酷く悲しい」
「死處啊……確實如你所說。武士的時代或許要迎來終結了。世間由金錢運轉,不為金錢所使喚者會被視為局外人」
「死に場所か……確かに言うとおりだな。もう武士の世は終わりを迎えるかも知れぬ。世は金で回り、金で動かぬ者は、はみ出し者として扱われる」
「真是孤寂的世代。但這或許就是時代的潮流」
「寂しい世だ。だが、これが世の流れなのかもしれない」
慶次喝盡酒後躺下。看到那情形的才藏也把杯中剩的酒一飲而盡,跟著躺下。
酒を飲み干すと慶次は寝転がる。それを見た才蔵も、自身の盃に残っている酒を呷り、慶次に続いた。
縁側上兩個男人躺著望月。雖無華美之景,卻有種使人放鬆的舒服氣氛。
縁側に男二人が寝転び月を眺める。華はなかったが、気を緩められる心地よい空気があった。
「鐵砲的時代啊。其實更早就知道了。靜子的做法在減少戰爭,也企圖讓世間平靜這件事也是如此」
「鉄砲の世か。本当はもっと前に知っていた。静っちのやり方はいくさを減らし、世を平穏にしようとしているという事もな」
「是嗎」
「そうか」
「明白了之後,還是想過。靜子所描繪的世界會是什麼樣子呢。即使因此要放棄死處也是如此。哈哈,真田那傢伙此刻或許正在笑吧,說別這麼經常換死處」
「理解して、それでも思ったよ。静っちが描く世はどんなものなんだろうかって。たとえ死に場所を捨てる事になっても、な。ははっ、真田の奴は今ごろ笑っているかもな。そんなに死に場所をころころ変えるなって」
「那也無妨。死的場所不一定只有戰場」
「良いではないか。死に場所はいくさ場だけとは限らぬ」
才藏這麼說著,傾杯入口飲酒。
そう語ると才蔵は盃を傾けて酒を口に含む。
「我很單純。至今如此,今後也會侍奉靜子大人。若能如此,願死後仍能侍奉她」
「某は単純だ。これまでも、そしてこれからも静子様にお仕えする。願わくば、死してなおあの方にお仕えしたい」
慶次心想:真是才藏的作風。他望向月亮,回想起至今之事。
才蔵らしい、と慶次は思った。視線を月に向けると、慶次はこれまでの事を思い返す。
起初覺得這組合高低不平。好鬧的勝藏、難以相處的才藏、還有我這個怪人。一般來說,難以想像能正常運作的組合。
最初はデコボコな組み合わせだと思った。暴れん坊の勝蔵、気難しい才蔵、そして傾奇者の自分。普通に考えれば、まともに機能するとは思えない組み合わせだ。
但靜子像潤滑油般介入後,不合的齒輪開始一起轉動。慶次純粹地覺得靜子的存在了不起。
だが静子という潤滑油が間に入る事で、かみ合わない歯車が一緒に回り始めた。静子の存在を純粋に凄いと慶次は思った。
「勝藏那傢伙會怎麼做呢」
「勝蔵の奴はどうするのだろうな」
「哼,他雖然什麼都說,但凡事總是黏著靜子大人。我不覺得他此時會離開靜子大人的身邊」
「ふっ、奴は色々と言うが、何かにつけて静子様に甘えておる。今さら奴が静子様の許を離れるとは思えぬがな」
「啊,沒錯。若有人想把他強行帶走,他會拼命耍賴吧」
「あー、違いない。仮に引き離されそうになったら、全力で駄々をこねるな」
兩人想像如果要離開靜子的所在,長可會怎麼行動,便忍住笑聲互相竊笑。
もし静子の許を離れるとなった時、長可がどういう行動をするかを想像した二人は、声を殺して笑い合う。
「嗯,我也是不打算離開的」
「まあ、そういう俺も離れる気はないがな」
「沒了美味的飯和酒可不行」
「旨い飯に酒がなくなるからな」
「要過豐盛的人生,美味的飯和酒很重要」
「豊かな人生を送るのに、旨い飯と酒は大事だぜ」
「沒錯。不過一說到飯又餓了呢」
「違いない。しかし、飯の話をすると腹が減るな」
「雖然拿了倉庫的鑰匙,但如果再犯以前那種失誤就有麻煩了」
「倉の鍵は貰っているのだが、以前のような失敗をしたら問題だな」
「說得也是」
「それは言えている」
慶次所說的以前的失誤,是指為了找下酒菜而打開倉庫時,把靜子為獻給信長準備的「鮑魚肝鹽辛」說配酒就全部吃光了那件事。
慶次のいう以前の失敗とは、酒の肴を求めて倉を開けたとき、静子が信長に献上するために用意した「アワビ肝の塩辛」を、お酒に合うといって全部食べてしまった件だ。
罐子上確實貼著「禁止偷吃」的札,但拿出時似乎掉了,完全沒有發現。何況當時還醉了,就算有札也不知會不會注意到。
きちんと壺に「つまみ食い禁止」の札が貼られていたが、取り出したときに外れていたようで、全く気付かなかった。元より酔っていたから、札があっても気付いたか不明だが。
當然,翌日被靜子發現食物吃光後,慶次、才藏和不在場的長可一同前去道歉是不言而喻的。
無論、翌日に食べ尽くした事を知った静子に、慶次と才蔵、そしてここにいない長可が揃って謝罪したことは言うまでもない。
「不過既然不能喝酒,靜子為何能做出那麼多下酒菜呢?」
「しかし、酒が飲めないのに、静っちはどうしてあれだけ酒の肴を作れるのだろうか」
「據說是常為父上和祖父做料理。因此只要有材料,某種程度上能做出來,她曾這麼說過」
「何でも父上殿や祖父殿によく作っていたとの話。ゆえに、材料があればある程度は作れるとおっしゃっていた」
「是嗎。不過織田大人應該依舊發布禁酒令吧。能做出那麼多美味的下酒菜,卻不能喝酒真是可惜啊」
「そっか。でも織田の殿様から相変わらず禁酒令が出ているんだろう。あれだけ旨い酒の肴が作れるのに、酒が飲めないなんて勿体ないな」
「下酒菜配飯也合適,所以好像也不會太困擾」
「酒の肴は飯にも合うから、そう困る事はなさそうだがな」
「沒錯」
「違いない」
之後話題仍聊不盡,兩人偶爾飲酒望月、躺著繼續談笑。
その後も話は尽きず、二人はたまに酒を飲んでは月を眺め、寝転んでは談笑を続けた。