戦国小町苦労譚
倉庫整理
靜子所擁有的倉庫很多。作為稅收得到的、被贈送的、靜子自己購買的等,許多物品都被保管著。
静子が保有する倉は多い。税として得たもの、贈られてきたもの、静子自らが購入したものなど、多くの品々が保管されている。
僅論種類豐富程度,足以不輸給堺的商人。但除了酒等消耗品外,基本上不會減少。
種類の豊富さだけで言えば、堺の商人にも引けを取らないほどだ。しかし、酒などの消耗品以外は、基本的に減る事がない。
因此若如此便得無限興建倉庫,靜子便每半年將未使用的物品從倉庫搬出販售。
そうなると無限に倉を建てる必要に迫られるので、静子は半年に一回、使わないものを倉から運び出して販売していた。
販售的方式類似江戶時代大名在商業城市設置的蔵屋敷。從倉庫中挑選長期未使用的物品,經品質檢查後運往蔵屋敷。
販売の形は、江戸時代に大名が商業都市へ設置した蔵屋敷(くらやしき)に近かった。倉の中から長期間使用していないものを選別し、品質チェックをしてから蔵屋敷へ運び出す。
「照例人真多呢」
「毎度ながら人が多いね」
在蔵屋敷開放的日子,遠遠觀看的靜子看到人潮擁擠的屋敷便發出感想。擺放的物品從特產到衣物、食糧及工藝品等多種多樣。
蔵屋敷開放の日、遠巻きに見ている静子は人でごった返す屋敷を見て感想を口にした。並べられた品々は特産品から衣類、食料に工芸品など多岐にわたる。
對庶民而言光是看看就很享受,對商人而言則是能低價進貨高價販售的日子。人潮自然會聚集也不足為奇。
庶民からすれば見るだけでも楽しめるし、商人は安く仕入れて高く売る事が出来る日だ。必然的に人が集まるのも無理はない。
「那我就先告辭了」
「じゃ、俺はこれにて失礼」
一進入蔵屋敷,慶次便一手揚起要離開。但在那之前有兩隻手抓住了他,是才蔵與長可。
蔵屋敷に入ると同時、慶次が片手を上げて去ろうとする。しかし、その前に彼を掴む手が二つあった。才蔵と長可である。
「等一下,先做事」
「待て、仕事をしろ」
「不准去喝酒之類的」
「酒の所へ行こうなど許さねぇぞ」
「放開我,兩個人!我要喝酒──!」
「離せ二人とも! 俺は酒をのむんだー!」
平常明明毫不客氣地喝酒,靜子覺得頭痛,心想他們還沒喝夠嗎。
普段、遠慮なしに酒を飲んでいるのに、まだ飲み足りないのかと頭が痛くなった静子だった。
表面上,靜子擁有很多酒。買來的、被進貢的、或與他物交換的,聚集的來源有好幾種。
建前上、静子は多くの酒を所有している。購入したり献上されたり他の何かと交換したり、集まる理由はいくつかある。
但靜子受信長頒布禁酒令,得到酒也一滴不能喝。因此在蔵屋敷以非常便宜的價格出售。
だが静子は信長から禁酒令を頂いている身、酒を貰っても一滴も飲めない。それゆえ蔵屋敷にて格安の値段で売っていた。
「那三個酒鬼,喝那麼多還不夠嗎」
「そこな飲んべえ三人、あれだけ飲んでてまだ足りないか」
「不夠!」
「足りない!」
帶著無奈一問,那三人像要立刻扭打起來般齊聲回答。靜子已無意多言,只能感到無奈。
呆れつつ質問すると、とっくみあいでも始めそうな三人が揃って返答した。何も言う気がなくなった静子は、呆れるより他なかった。
「好了,我知道你們想喝酒,但現在去工作」
「まぁ君らが飲みたいのは良く分かったけど、今は仕事をしなさい」
靜子一句話讓三人頓時洩氣。既然在賣酒,配合享用的下酒菜也會一起販售。在蔵屋敷稍遠處舉辦宴會是理所當然的結果。
静子の一言に三人は盛大に落ち込む。酒の販売となれば、共に楽しむ肴も一緒に売られる。蔵屋敷から少し離れた場所で、宴会が行われるのは当然の結果だった。
為免鬧事,靜子提供了飲酒場所。當然不是免費,而是會收取稱為お通し的場地費。
暴れられても困るので、静子は飲む場所を提供した。無論無料ではなくお通しという場所代が必要になる。
同樣做生意的商人也有稅,但那不是場地費,而是稱為營業稅的東西。稅率會依照銷售額與經營場所而變動。
同じく商売をする商人も税はあったが、それは場所代ではなく売上税というものだった。売上と商売した場所で税率が変動する仕組みだ。
在好地段賣得多的人,稅率會提高;反之地點不佳或銷售平平時,稅率會降低。
良い場所で多く売り上げを得た者は税率が高くなり、逆に場所が悪かったり、売り上げがいまいちだった場合は税率が低くなった。
把酒客的場地費、商人的營業稅,以及賣出的商品合計後,扣除各項經費所得的金額就是靜子的利潤。
飲んべえたちの場所代と商人たちの売上税、そして売れた品々を合算し、そこから諸経費を引いた額が静子の利益となる。
一年只舉辦數次,但仍有相當利潤。不過即便有利潤也會立刻投資到別處,金子並未累積的跡象。
年に数回しか催されないが、それなりの利益は出ていた。もっとも、利益が出てもすぐに別の事へ投資されるので、金子が貯まる様子はないのだが。
「入妾眼的東西雖少,卻備有良品」
「妾の目に止まるものは少ないが、良き品々を揃えておる」
「……又來做什麼的呢,市大人?」
「……また何をしに参られたのですか、お市様」
在視察蔵屋敷時,突然被從背後拍肩。回頭一看,看到滿心歡喜讓侍女拿著各種布料的市。
蔵屋敷の視察をしていると、ふいに後ろから肩を叩かれた。振り返ると、そこには色々な布を侍女に持たせてご満悦な市がいた。
看見茶茶和初不在,靜子理解她大概把孩子留在家裡看守。因為有些地方人潮擁擠,帶著孩子走動不便。
茶々や初がいない所を見るに、家で留守番をさせているのだろう、と静子は理解した。人でごった返している所もあるので、子どもを連れて歩くには不便だからだ。
「說『做什麼』未免失禮。是為尋找好貨。合妾眼緣的東西不多罷了」
「何をとは失礼な。良き品を求めての事。妾の目に適うものは少なかったがな」
「儘管如此,您買得不少呢」
「その割には結構買っておられますね」
「只是剛好有合適茶茶和初的東西而已。放心吧,出費的是哥哥」
「茶々や初にはちょうど良いものもあったまでの事じゃ。安心せよ、費用を出すのは兄上じゃ」
「一點也令人安心不起來。要是買太多,館主也會生氣喔?」
「何一つ安心出来る要素がないです。あまり買いすぎては、お館様も怒りますよ?」
和服布料並不是令人瞪大眼睛的昂貴,但也絕非便宜。乍看之下,市就拿著超過十種布料。可以立刻看出花了不少金子。
着物の生地は目を剥くほど高いわけでもないが、決して安いわけでもない。ぱっと見た限りでも、市は生地を十種類以上持っている。それなりの金子がかかっている事はすぐに分かる。
「哼,兄上不是會因這點小事生氣的狹量之人。要是有難處就去求義姊(濃姬)幫忙就行了」
「何、兄上はこの程度で怒るような、器の小さい男ではない。困ったら義姉(濃姫の事)に助けを求めるまでよ」
「啊啊……是這樣嗎」
「ああ…… そうですか」
お市之夫淺井長政與柴田勝家,皆為對抗天下人而覆滅。而市本人也在最後絕望自盡,因此被稱為薄命的美人。
お市の夫であった浅井長政と柴田勝家、どちらも天下人に対抗して滅亡した。そして市自身も最期は世を儚んで自害したため、その波瀾万丈な人生から薄幸の美女とも呼ばれている。
但對面這位被稱作薄命美人,靜子只是歪著頭。她是真正意義上自由奔放的人物。
しかし、目の前の人物が薄幸の美女と言われても、静子は首を傾げるばかりだ。本当の意味で自由奔放な人物なのだから。
同樣被視為自由奔放的信長,卻有遵守自己獨特規矩的一面,有時甚至固執到堅持原則。
同じく自由奔放な人物に見られる信長だが、彼は自分独自の決まりを守り、時として頑固なまでに原則にこだわる面があった。
「請適可而止喔」
「ほどほどにして下さいよ」
最後再叮嚀一句,靜子想繼續視察,但在那之前被市抓住了肩膀。
最後に釘を刺して静子は視察を続けようとした。だが、その前にお市に肩を掴まれた。
「等一下,靜子。我們在這裡相遇也是有緣分的。陪妾去買東西吧。」
「まぁ待て、静子。ここで会ったのも何かの縁じゃ。妾の買い物に付き合うが良いぞ」
「怎麼會得出那種結論實在令人不解,而且我正在工作。」
「何をどうしたらその結論になるか、はなはだ不明なのですが、私はお仕事中です」
「別說得那麼嚴肅。如今世道動盪,不趁現在享受一番就太虧了。」
「そう固いことを申すな。今の世は荒れておる。今この時を楽しまねば損というものよ」
「市大人請稍微想想未來的事。」
「お市様は少しは先の事を考えて下さい」
市與靜子的你來我往的攻防持續著。視察本不是義務,對靜子而言,比起應付市,去視察反而較輕鬆。
市と静子による一進一退の攻防が続く。視察は別に義務ではないが、静子からすれば市の相手より視察の方が気楽だ。
但市一旦決定就很難改變主意,她想盡各種辦法把事情按照自己的想法辦成。
だが市は一度決めると中々意見を変えない。あの手この手を尽くして自分の思い通りにしようとする。
某種程度上可以說她有操縱對方的才能,但被牽扯進來的人可受不了。
ある意味では相手を操れる才能があると言えるが、巻き込まれる方はたまったものではない。
「這不是很好嗎?」
「良いではないか」
「不好。況且──」
「良くないです。そもそもーー」
兩人的爭執持續著。來到藏屋敷的人們帶著笑意看著,但同時保持距離以免被牽連。
二人の争いは続く。蔵屋敷に来ていた人々は、それを微笑ましく、しかし巻き込まれないように距離を取って見ていた。