戦国小町苦労譚
一五七二年 十二月下旬
此時,歷史的車輪確實轉動了。織田·德川聯軍對武田軍的殲滅以及信玄的討死,使日本為之震撼。
この時、確かに歴史は動いた。織田・徳川連合軍による武田軍の壊滅および信玄の討ち死には、日ノ本を震撼させた。
宣告霸權世代交替的消息,也在遠江西方白須賀駐紮的信忠(奇妙丸)那裡於天未破曉前送達。
覇権の世代交代を告げる報せは、遠江の西に位置する白須賀で布陣していた信忠(奇妙丸)の許へも、夜明けを待たずに届けられた。
「太好了啊啊啊!!!!」
「いよっしゃあああ!!!!」
在聽完送來的報告前,信忠便先行高聲歡呼。接著屬下的武將們也大聲呼喊,雙手高舉向天,歡欣鼓舞。
齎(もたら)された報告を聞き終える前に、信忠は快哉(かいさい)を叫んだ。信忠に続いて配下の武将たちも大声で叫び、両手を天高く突き上げて歓喜した。
其中有人感動得眼含淚光,但這次實在情有可原。
中には感極まって涙ぐむ武将もいたが、今回ばかりは無理もなかった。
大家一直活在不安之中。所忍受的苦境與拼命呵護的一切,似乎都會在名為武田的壓倒性暴力前無力被奪去;那般景象誰都曾幻視。
皆が不安だったのだ。苦境に耐え、必死に育(はぐく)んできた全てが、武田という圧倒的暴力の前に為す術(すべ)もなく奪い去られる。そんな光景を誰しもが幻視していた。
在這個時代,武田軍正是如此的存在,是恐懼的象徵。自從聽聞武田信玄自甲斐出陣以來,那份恐懼便一刻也未曾消散。
この時代に於いて武田軍とはそれほどの存在であり、恐怖の象徴であったのだ。武田信玄が甲斐より出陣したという報せを耳にして以来、片時も忘れることが出来なかった恐怖。
這則吉報驅散了恐懼,先前被壓抑與萎縮的情緒終於爆發出來。
この吉報によって恐怖は払しょくされ、萎縮し抑圧されていた感情が爆発したのだ。
那不是悲痛的淚水,而是為成就如此大事的同袍感到驕傲,以及作為同一面旗幟下的一員所流的歡喜之淚。
悲嘆の涙ではなく、それほどの大事を成し遂げた仲間たちに対する誇らしさであり、同じ御旗を頂く一員であるという歓喜の涙であった。
這個消息終於也傳到了遠方的信長那裡。整夜奔馳的傳令把訊息告知近習,近習反覆確認無誤後,便顧不得旁人目光飛奔而出。
この報は遠く離れた信長の許へもついに届いた。夜通し駆け続けた伝令から報せを聞いた近習は、繰り返し確認して間違いではないと知るや、人目も憚らず走り出した。
他沒察覺護衛兵為其慌張模樣而驚訝張目,只顧著粗重腳步衝進信長所在的廣間。
余りの剣幕に警護の兵たちが何事かと目を剥いているのにも気付かず、足音も荒々しく信長のおわす広間へと駆けこんだ。
「稟報!!傳令帶著這個來了!」
「ご、ご注進!! で、伝令がこれを持って参りました!」
近習因全速奔跑氣喘吁吁,仍努力將書狀遞上。
近習は全速力で走ったため、咽(むせ)ながらも書状を差し出そうとする。
「說出內容來!」
「内容を告げよ!」
表面沉著但比誰都焦急的信長,未責備近習的失禮,而是命他轉述傳令的內容。
泰然(たいぜん)と構えながらも誰よりも気を揉んでいた信長は、近習の無作法を一切咎めることなく、伝令の内容を伝えよと命じたのだ。
近習深吸一口氣整理呼吸後,承受著信長那投射出驚人壓迫感的視線,吐出話來。
近習は一度大きく深呼吸をし、息を整えると凄まじい重圧を放つ信長の視線に耐えつつ言葉を紡いだ。
「在、在三方原台地,我軍與德川軍合力擊破了武田軍!」
「み、三方ヶ原台地にて我が軍と徳川軍が、武田軍を討ち破りました!」
短暫的寂靜之後,得知這是等候已久的雅報,織田家的家臣們發出歡呼。唯有信長裝作若無其事地沉著,卻在懷中暗暗握緊拳頭。
一瞬の静寂を置いて、待ち望んだ吉報だと知った織田家家臣たちが歓喜の声を上げた。信長だけは然(さ)も当然であるかのように泰然としていたが、懐に隠した手で力拳を作っていた。
「報告上還記載著已討取信玄!此外還列舉了數名武田名將。首先武田家最強的赤備山縣昌景,已被森勝蔵大人於一騎打中討取!」
「更に信玄を討ち取ったと記されております! 他にも名だたる武田家の将たちが並んでおります。まず武田家最強の赤備えである山県昌景は、森勝蔵様が一騎打ちの末、お討ち取りになりました!」
「喔喔!竟是討取了那個山縣嗎!」
「おおっ! あの山県を討ち取ったというのか!」
「理當獎賞勝蔵的殊勳」
「勝蔵の殊勲には報いてやらねばなるまい」
說到武田的赤備,乃是赫赫有名的精銳部隊,披戴統一為一色紅甲。
武田の赤備えと言えば、精強無比の誉れ高き部隊であり、赤一色に統一された甲冑を纏う。
戰場上若見到赤武者(即赤備),敵人便會喪失戰意,甚至主動向武田投降;其精銳程度廣為人知。
戦場で赤武者(赤備えのこと)と見(まみ)えた敵は戦意を喪失し、進んで武田の軍門に下ったとまで言われる精強さで知られている。
率領那支赤備的正是山縣昌景。人稱他在野戰的駕馭上無人能及,其英名流傳後世,確是武田家最強之人。
その赤備えを率いていたのが山県昌景だ。彼は「野戦の駆け引きにおいて並ぶ者なし」とまで言われ、その勇名は後世まで語り継がれた。まさしく武田家最強の男であったのだ。
討取山縣昌景的戰功極大,足以令信長立刻考慮褒賞;勝蔵之名將以擊敗山縣昌景者而響徹天下。
その山県昌景を討ち取った戦果は大きい。信長がすぐさま恩賞を考えるほどの大手柄であり、勝蔵の名は山県昌景を下した者として天下に鳴り響く。
「接著是馬場信春由可兒才蔵大人討取!更有——」
「続いて馬場信春を可児才蔵様が! 更に——」
武田主力諸將的名號一一被宣告,討取者的名字亦被列出;可以說參戰於三方原的人,武功幾無上限。
次々と武田の主力である武将の名が告げられ、討ち取った者の名が述べられる。もはや三方ヶ原の戦いに参戦した者の武功は青天井と言えた。
與其說是擊退武田軍,不如按損失程度來看,更應稱為殲滅。
武田軍を撃退したのではなく、損害度合からも壊滅させたと言うのが相応しい。
「……真的做到了。準備都妥當了吧!」
「……本当にやりおったわ。準備は済んでおるな!」
「是!一切都順利無誤!」
「はっ! 全て滞りなく!」
聽完報告後信長微笑一番,隨即向家臣下達號令。
報告を聞き終えた信長はニヤリと笑った後、家臣たちに号令する。
「從現在起進行最後的大掃蕩。諸君,別輸給與武田交戰之人,盡情立下武功。」
「これより最後の大掃除を行う。皆の者、武田と戦った者に負けぬよう、思うさま武功を立てよ」
在決定天下走向的這場大戰中勝出的織田·德川聯軍,帶著負傷的士兵返回濱松城。
天下分け目の大戦(おおいくさ)を勝ち残った織田・徳川連合軍の面々は、負傷兵を連れて浜松城へと帰還した。
戰鬥中因為亢奮而未曾察覺,回到濱松城後似乎真實感受到生還,士兵們互相擁抱慶賀平安。
戦闘中は興奮状態にあり気付いていなかったが、浜松城へ戻ると生還を実感できたのか、兵たちは互いに抱き合って無事を喜んだ。
「啊,對了靜子。我完全忘了這件事」
「あー、ところで静っち。すっかり忘れていたんだが」
靜子等人在等候入城時,慶次忽然向靜子搭話。
静子達が入城待ちをしていると、ふいに慶次が静子へ声をかけた。
看到慶次露出明顯尷尬的表情,靜子心中掠過不祥的預感,便招手讓慶次靠近。
見るからにばつが悪そうな表情を浮かべる慶次を見て、嫌な予感が過(よぎ)った静子は、慶次に傍へ寄るようにと手招きする。
「(我不會生氣的,老實說吧)」
「(怒らないから、正直に言いなさい)」
「(那個,嗯。其實我捕獲了一名武將……但完全忘了回報)」
「(あの、だな。実はある武将を捕縛したのだが……すっかり報告を忘れていた)」
「(是說那個武藤喜兵衛殿的事嗎?)」
「(それって武藤喜兵衛殿の事?)」
(啊——對了。回到本陣稍作休息,整個就忘掉了)
「(あーそうそう。本陣に戻ったところで休憩したら、すっぽり抜け落ちてしまった)」
真是荒謬至極,被掌握生殺大權還被丟在敵陣裡放任,簡直等同於拷問。對於一直將無處可歸的俘虜放任至今這一事實,靜子掩著眼望向天。
酷い話もあったもので、生殺与奪を握られた上に敵陣で放置されるなど拷問にも等しい。身の置き所が無い捕虜を、今の今まで放置していた事実に、静子は目元を覆って天を仰いだ。
「請快點帶來。雖說是敗軍之將,但這有違信義」
「早く連れてきて下さい。敗軍の将とは言え、信義にもとります」
「喲,馬上就帶來」
「おう、すぐに連れてくる」
在靜子的催促下,慶次慌忙去叫武藤喜兵衛。看起來他也覺得自己有錯,難得顯得謙恭。
静子に急かされ慶次は慌てて武藤喜兵衛を呼びに行った。本人も悪い事をしたと思っているようで、珍しく殊勝な様子だった。
「妳就是總大將嗎」
「貴女が総大将か」
被白白等候許久的武藤喜兵衛面色不悅地問道。雖說無權抱怨如何被對待,但沒人會樂於遭受粗暴對待。
散々待ちぼうけをくらった武藤喜兵衛は渋い顔で問うた。どのように扱われても文句が言える立場ではないが、粗略に扱われて愉快に思う人物はいない。
「在照管前田大人的意義上是如此。首先為讓您久等的不周之處致歉」
「前田様をお預かりしているという意味ではそうなります。まずは長くお待たせした不手際をお詫びいたします」
「不,我方也該改變態度。之前約定的一半你們已遵守,剩下的一半如今也已遵守」
「いや、こちらも態度を改めるとしよう。先に約束の半分は守って頂き、残る半分も今守られた」
武藤喜兵衛對靜子將慶次的失誤當作自己的失禮致歉感到驚訝,但很快轉換心情回應。
静子が慶次の失態を、己の不手際として謝罪したことに驚いた武藤喜兵衛だったが、すぐに意識を切り替えると返答した。
「那麼,斬首大概何時進行?」
「して、斬首はいつ頃になろうか」
「什、什麼!?戰已經結束了。我並不想要首級,現在拿首級也沒用。雖不能護送回去,但若要回去隨君自便」
「え!? いくさは終わりました。私は首級を欲しておりませんし、今さら首を頂いても困ります。送り届ける訳には参りませんが、お帰り頂くならばご随意に」
「哈?」
「は?」
武藤喜兵衛無法理解靜子言論與常識有太大落差,面露茫然。通常對於被俘的武將處置大致有兩種。
静子の余りにも常識から乖離した言い分が理解できず、武藤喜兵衛は呆然とした表情になる。通常では捕虜とした武将の扱いは大きく二つである。
一是審訊獲取情報後斬首,將首級作為戰功;另一是將其納為己所屬,保留性命成為戰力。
一つは情報を聞き出した上で斬首し、討ち取った首級として武功とする。もう一つは存命のまま配下に組み込み、己の戦力とするの二つだ。
對於靜子所說「若想回去就自由離去」的處置,若真如此便失去了辛苦俘虜他的意義。
静子の言う捕縛した武将に対して、帰りたいなら自由にどうぞというのでは苦労して捕らえた意味がない。
「我曾以我首相換,請求保全兄長與士兵性命。既已接受代價,卻不能恬不知恥地存活」
「わしは己の首と引き換えに、兄上の首と兵たちの助命とを願った。既に対価を受け取っておきながら、おめおめと生き恥は晒せぬ」
「即便如此,論功行賞還要日後,眼前的緊急戰後處理已經完成。如今要叫正為慶功慶祝而沸騰的士兵們去做這種髒活實在難以開口。況且不是慶次當場沒有取下首級嗎?」
「そうは仰いましても論功行賞はまだ先として、既に急ぎの戦後処理は済みました。これから祝勝会だと湧いている兵たちに、今から汚れ仕事を頼むのは忍びないです。そもそも慶次さんがその場で首を取らなかったんでしょう?」
既然實際拼命參戰的慶次有意沒取首級,那就是他的判斷,應尊重他的意志。
実際に命を懸けて戦った慶次が意図して首を取らなかったのだから、それが慶次の判断であり、彼の意思を尊重するつもりだった。
對不欲升遷的靜子而言,首級並不特別重要,沒必要做出搶奪部下功勞之類的事情來獲得。
出世を望まぬ静子にとって首級など殊更欲しいものでもなく、部下の手柄を横取りするような真似をしてまで得る必要がなかった。
因此最終上只在乎慶次想怎麼做。
ゆえに最終的には慶次がどうしたいか、それだけであった。
「我能給的路有兩條。要麼就這樣回甲斐故里,要麼若堅持殉主,我也不介意幫你斬首收尾。隨你選擇吧」
「俺が示せる道は二つだ。このまま甲斐へ帰国するか、それともあくまで主君に殉じるってのなら介錯せんでもない。まあ好きに選んでくれ」
慶次察覺到靜子的心意,決定讓武藤喜兵衛自行選擇去向。被迫做出意外選擇的武藤熟思片刻後發話。
静子の心中を察した慶次は、武藤喜兵衛自身に己の行く末を選択させることにした。予想外の選択を迫られた武藤喜兵衛は熟考の後、口を開いた。
「……那麼,容我說出我的願望。慶次殿所示的兩條路,我皆不選。我要先看清真田家將如何發展。無論真田是延續還是滅亡,只要看清了去向,我必然前來投靠於妳。」
「……しからば、わしの望みを申します。慶次殿が示された二つの道、そのいずれも選びませぬ。まずは真田家がどうなるか、それを見届けとう思います。真田家が続くにせよ、絶えるにせよ、行く末が見えたのなら、必ずや貴女の許へと参じます」
「若您前來我這裡,自是歡迎,但難免被誣為叛徒。現在選擇與真田共存亡的道路,也是還能做出的選擇喔?」
「こちらへ参られるのならば歓迎いたしますが、裏切り者の誹(そし)りは免れませんよ。このまま真田と命運を共にする、という道をお選び頂くことも、今ならば出来るのですよ?」
聽到武藤的話,靜子提出直率的疑問。武藤說會在看清兩位兄長亡故後,再來投靠靜子。
武藤喜兵衛の言葉に静子は率直な疑問を投げた。兄二人が没した真田がどうなるかを見届けた後、静子の許に来ると武藤喜兵衛は言った。
這顯然是對宗家武田家的背叛,一旦向宗家舉刀,就再無可能回到甲斐。
これは明らかに主家たる武田家への裏切りであり、主家に対して弓を引いた以上は二度と甲斐に戻ることは叶わない。
從他的語氣看來,似乎要和家人斷絕關係,單身投靠靜子。那樣便永遠無法再見家人,最壞的情況還可能與家人對立並互相殘殺,成為修羅之路。
彼の口ぶりからは、家族とは袂を分かち単身で静子に下るようだ。そうなれば二度と家族と会うことも出来ず、最悪の場合は家族と敵対して殺し合わねばならない修羅の道だ。
「冒昧直言,妳的家臣們都太過傻直,和妳很像」
「無礼を承知で言わせて頂ければ、貴女の家臣たちは皆、貴女に似て馬鹿正直すぎる」
「那又如何?」
「それが何か?」
靜子用手按住因武藤直言而動怒的士兵,示意他繼續。武藤喜兵衛露出不懷好意的笑,受促繼續說下去。
武藤喜兵衛の口憚らぬ物言いに気色ばんだ兵士たちを手で制し、静子は続きを促した。不敵な笑みを浮かべた武藤喜兵衛は、促されるままに言葉を続ける。
「對我剛才的反應,正是會讓妳陷於危險。妳的家臣與兵士對妳崇拜不已,為妳願意拋棄性命。過去或許這樣也無妨,但一旦被評為打敗了武田,那就不行了。他們的態度太過明顯,很容易被看出尊貴之位在此,並從周遭的反應中讀出妳的企圖。需要有人代妳站在箭雨前,能做些腹黑的手段。」
「今のわしへの反応。それが貴女を危うくする。貴女の家臣や兵は貴女に心酔し、貴女の為ならば喜んで命も投げ捨てましょう。今までならばそれでも良かったのかも知れませぬ。しかし武田を下したという評価がつけば、それではいけない。彼らの態度は判りやすく、そこに貴人が居ると容易に知れてしまいますし、周囲の反応から貴女の思惑を読み取られてしまいます。貴女の代わりに矢面に立ち、腹芸の一つもこなせる者が必要となりましょう」
「所以你就是那個人嗎?」
「それが貴方というわけですか」
「正直與誠實作為一個人當是美德。但作為一個領袖如何?這會成為超越無能的害處。妳的名聲已在織田家穩固不動。從今以後不一定都是明顯對立的敵人會出現,會有人以親近態度接近,伺機讓妳下台的敵人必然會出現。」
「正直で誠実というのは人としては美徳でありましょう。しかして、人の上に立つ者としてはどうか? これは無能を越える害悪となり申す。貴女の名は織田家に於いて不動のものとなった。ここから先は判りやすく敵対してくれる相手だけとは限りませぬ。親しげな態度で近づき、貴女の失脚を狙う敵が必ずや現れましょう」
「那麼這不足之處由你來補足嗎?」
「その不足を貴方が補って下さるのですか?」
對靜子的問話武藤慢慢點頭。這態度或許近乎傲慢,然若無此種膽識,便難以應付智者間的詭計互鬥。
静子の問いに武藤喜兵衛はゆっくりと頷いた。ややもすると傲慢ともとられかねない態度だが、それぐらいの胆力がなければ知恵者相手の化かし合いは務まらない。
他本有不失任何東西就回國的選擇。然而他仍在四面皆為敵的情形下,賣力展示自己的可用性。
彼には何ら失うことなく国許へ帰るという選択肢があった。しかし敢えて周囲が全て敵という状況で、自身の有用さを売り込んで見せた。
武藤喜兵衛已然明白,武田的敗亡並非偶然。
武藤喜兵衛は既に理解していた。武田が敗れたのは偶然ではない。
有些將領雖勇猛而不惜性命,但若將其従之便成亂世梟雄,反之以德治民的君主才是正道。武田的敗北是必然的。
己の身を惜しまぬ勇猛な将に、それらを従えつつも乱世の梟雄となるのではなく、徳を以て民を治める主君。武田の敗北は必然であった。
往後武田恐難以恢復昔日之力。於織田家雖可得要職但旁支薄弱,他看到能發揮自身能力之處,即歸於靜子的麾下,是最有前景的未來。
これから先も武田にかつての力が戻ることはないだろう。織田家に於いて要職を得ながらも脇が甘く、己の力を活かせる場所、即ち静子の配下に収まるのが最も有望な未来と見た。
單純地從武田轉投織田,對於像真田這樣無根之草來說,將會變成一吹即散的存在。
単純に武田から織田へと鞍替えしたところで、根なし草となる真田など吹けば飛ぶような存在となる。
為了讓真田家延續,即使被人蔑稱為表裡不一,也必須成為靜子的直參這一點絕對必要。
真田家を存続させるためには、表裏比興(ひょうりひきょう)の者と蔑まれようとも、静子の直参となることが絶対に必要だった。
這不是單純的推薦。這是一場以武藤喜兵衛與真田全族的生存為賭注的一生一世的孤注一擲。
これは単純な売り込みではない。武藤喜兵衛と真田家一族全ての生存を賭けた一世一代の博打であった。
「(果然是連家康都畏懼、以智將著稱的真田昌幸嗎)好吧。我不認為離開此地是明智之舉,反而欣賞你自我推銷的手腕。我不能擅自雇用你,須先取得館主的同意,但應該不會有人反對。」
「(流石は家康すら怯えた知将として名高き真田昌幸か)よいでしょう。この場を去ることを良しとせず、逆に己を売り込んだあなたの手腕を買いましょう。私が勝手に雇い入れる訳には参りませんので、お館様の了解を得てからになりますが、まず反対されることはないでしょう」
「哈哈」
「ははっ」
他晚年雖然不遇,但作為戰國時代著名的智將與謀將,他的才能究竟如何,讓靜子滿懷期待。
晩年は不遇だったが、戦国時代に名高き知将・謀将として活躍した彼の腕は、どれほどのものかと静子は期待に胸を躍らせた。
「那麼就前往濱松城吧。剛才還是敗軍之將,但即便只是暫時,也已是我的客將。我可不是會容忍對你不當對待的狹隘之人。」
「では浜松城へ向かいましょう。先ほどまで敗軍の将でしたが、今は仮とは言え私の客将です。貴方への不当な扱いを許すほど、私は心狭き者ではありません」
靜子如此說著,命人解開武藤喜兵衛的束縛。士兵們一時驚愕,但還是照命行事,解下他的束縛,並歸還先前收走的刀。
そう言って静子は武藤喜兵衛の拘束を解くよう命じた。一瞬、驚いた兵たちだが命じられるままに武藤喜兵衛の拘束を解いた。併せて取り上げた刀も返す。
「之前的我,是不是讓你以為那只是為了引出你的鬆懈的偽裝,實際上是在等待機會向你斬出一刀?」
「今までのわしは、貴女の油断を引き出すための偽り、実は貴女に一太刀浴びせる機会を狙っていたとは思われぬのですか?」
「到那時,也不過是留下個被狸貓耍弄而死的笨蛋的名號罷了。但若你砍了我,我發誓你將會後悔。真田家會以成為客將卻以恩報怨的卑鄙者名留青史,而你本人也將痛苦到渴望死亡降臨的地步。」
「その時は狸に一杯食わされて死んだ間抜けがいた、と歴史に残る程度ですよ。しかし私を斬れば誓って貴方は後悔することになるでしょう。真田家は客将となりながら恩を仇で返した卑怯者として名を残し、貴方自身は死の訪れを切望する程に辛い思いをすることになります」
靜子以不帶情感、淡然陳述已定未來的口吻,散發出難以言喻的說服力。
感情を交えず、確定した未来を淡々と語るかのような静子には、何とも言えない説得力があった。
而且她竟不可思議地直覺到自己的命運將如她所言般發展。
そして自身の行く末については、不思議とその通りになると直感してしまった。
「哈哈,認輸。我自認是狸貓,看來你養了一頭鬼。」
「ははっ、参りました。わしは狸を自認しておりましたが、貴女は鬼を飼っているようだ」
武藤喜兵衛朗然一笑,將遞來的刀遞向靜子。
武藤喜兵衛は朗らかに笑いながら、渡された刀を静子へと差し出した。
「這就是我對你的忠誠。若你察覺到任何可疑動向,請毫不客氣地行動。」
「これがわしの貴女への忠でござる。もしも疑わしき動きを見たと、お思いならばご遠慮召されるな」
只要露出一絲可疑之處,盡可毫不留情地斬除——武藤喜兵衛的態度雄辯地表明了這點。
少しでも怪しい様子を見せれば、遠慮なく切り捨てて頂いて結構。武藤喜兵衛の態度はそれを雄弁に語っていた。
靜子心想果然是個難以對付的狸貓。他一方面表現出決心,另一方面其實也在試探靜子。
やはり食えぬ狸だと静子は思った。己の覚悟を見せながらも、その実静子を試してもいるのだ。
但她並不覺得不悅。能與世間聞名的智將一較真功,這是歷史愛好者無論多麼渴望也無法達到的位置,而靜子此刻就站在那裡,想到這點,她感到無比喜悅。
しかし悪い気はしなかった。世に名高き智将と真剣勝負できるのだ。歴史好きの者がどれほど願っても出来ないところに、静子は今立っている。そう思うと、これほど嬉しい事はない。
「我會代為保管。不過我想應該不會派上用場便歸還的。」
「お預かりしましょう。しかし使う事なくお返しすると思いますよ」
「那就不抱期待地等待吧。」
「期待せずに待つとしましょう」
當靜子接過武藤喜兵衛的刀時,入城等待的隊列開始移動。意識到即將進入濱松城的靜子帶著和善的笑容對武藤喜兵衛說。
武藤喜兵衛の刀を静子が受け取った時、入城待ちの行列が移動を開始した。もう少しで浜松城へ入れる事を理解した静子は、人の良い笑みを浮かべて武藤喜兵衛に言った。
「那麼請慢慢品嚐我國釀造的酒吧。」
「では我が国で作られた酒、じっくりと堪能して下さいませ」
靜子大量運送的並非籠城物資,而是在排除軍需物資後,預計戰前戰後會舉辦宴會所需的食糧。
静子が大量に輸送させたものは籠城用の物資ではなく、軍需物資を除くといくさ前後に催される宴会を見込んだ食料だった。
理所當然地不疑勝利,大量的糧食與酒桶被運進來。
当然のように勝利を疑わず、大量の食料と酒樽が運び込まれていた。
「諸位,辛苦了。借此向諸位致謝。」
「皆の者、よくぞ戦ってくれた。この場を借りて感謝する」
靜子向織田軍的足輕與雜兵們道謝,然而大多數士兵並未聽進耳內,反而焦躁不安。靜子暗自苦笑,仍繼續說話。
織田軍の足軽や雑兵たちに向かって、静子は礼を述べる。しかし殆どの兵たちは聞いておらず、そわそわとしていた。静子は内心苦笑しながらも言葉を続けた。
「哈哈!你們比我的話更想喝酒啊。既然是慶祝之酒,就當作無禮講。酒和食物都準備充足,大家好好喝好好吃吧!!」
「ははっ! 皆は私の言葉よりも早く酒が飲みたいのだな。折角の祝い酒だ、無礼講としよう。酒も食べ物もたんまり用意させた、皆大いに飲んで食べてくれ!!」
「嗚啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊!!!」
「うおおおおおおおおおおおおおっ!!!」
「來了啊啊啊啊啊啊啊啊!!!」
「きたあああああああああああっ!!!」
「今天只有今日,沒有織田也沒有德川。這是獻給與我們共同對抗強敵的戰友們的一點薄禮。今天不講拘束,好好地大吃大喝、盡情喧鬧吧!」
「今日だけは織田も徳川もない。共に強敵と戦った戦友たちへ、私からのささやかな礼だ。今日は固い事は申さぬ、存分に飲み食いして騒ぐが良い!」
以靜子的聲音為信號,士兵們蜂擁向食物,各自開始飲食。
静子の声を合図に、兵たちは各々が料理に群がり、それぞれに飲み食いを始める。
由於不清楚士兵們的喜好,備有濁酒與清酒兩種,但稀有的清酒似乎消耗得更快。
兵たちの好みまでは判らないため、濁り酒と清酒の両方が用意されたが、やはり珍しい清酒の方が減りも早いようだった。
因為沒有後顧之憂的祝勝會,比起戰前一天的宴席更熱鬧,靜子如此想著,攜足滿一同前往家康處。
後顧の憂いも無くなった祝勝会だけに、いくさ前日の宴よりも賑やかだと思った静子は、足満を伴って家康の許へと向かった。
「足滿叔叔,也要好好款待那些間者喔。雖然沒有看得見的戰果,但他們在需要時提供了精確情報,應該給予相應的報酬才行。」
「足満おじさん、間者さんたちにもちゃんと振る舞ってね。目に見える戦果はないけど、正確な情報を必要な時に届けてくれたのだから、それに応じた報酬を渡さないとね」
「知道了。我會替你告訴他們。」
「分かった。連中にはわしから言っておく」
「拜託了,那麼待會見。」
「よろしくね。それじゃ後で」
於是靜子的護衛由足滿換成才藏。當兩人的腳步聲消失不見時,足滿輕輕嘆了口氣。眼神仍然保持著,僅以意識向鳶加藤傳達道。
そこで静子の護衛は足満から才蔵に変わる。二人の足音が聞こえなくなった頃、足満は小さく息を吐く。そして視線はそのままにし、意識だけ鳶加藤に向けて告げた。
「酒和飯都放在那裡。想吃就吃,想喝就喝。就今天而言,即便醉倒也不會有人責怪。」
「酒と飯を置いておる。好きに食べ、好きに飲め。今日ばかりは酔い潰れても文句は言わん」
(……哈哈)
(……ははっ)
「……還有靜子交代轉告的話。『救了我們,謝謝你』。」
「……それと静子からの言づてだ。『助かりました、ありがとうございます』だ」
(……)
(……)
「不會再說第二次了。好好咀嚼那充滿的感謝之言吧」
「二度は言わん。存分に感謝の言葉を噛みしめておけ」
話音未落,足滿便朝靜子等人走去。當感覺不到足滿的氣息時,鳶加藤低聲喃喃道。
言い終えると同時に、足満は静子たちの許へと向かう。足満の気配が感じられなくなった頃、鳶加藤はポツリと呟いた。
(『謝謝』……是嗎。雖然被人畏懼倒是常有,但第一次聽到感謝之語。並非難受。)
(ありがとう……か。恐れられる事はあっても、感謝の言葉は初めてだ。悪い気はしない)
一邊如此低語,鳶加藤便消失了。他原本所在之處,留下了一小片水漬。
そう呟くと同時に鳶加藤は姿を消す。彼がいた場所には、小さな水の染みが出来ていた。
與其他武將及足滿會合後,靜子等人步調一致朝家康所在之處走去。到達家康所在的大廳時,慶祝席已經布置好了。
他の武将や足満と合流した静子は、足並みを揃えて家康の許へ向かう。家康がいる広間に到着すると、既に祝いの席は出来ていた。
原本與鄰近之人談笑的德川家家臣們,一得知靜子進來,便立刻停止了談話,向靜子深深鞠躬。
近くの者と談笑していた徳川家家臣たちだが、静子が入ってきた事を知るやいなや、会話をぴたりと止め、静子に向かって深々と頭を下げた。
「我們都很感謝您。因為此番之戰,我等得以討倒武田,並守護了我國的榮譽與安全」
「みな、貴女に感謝しておるのです。此度のいくさで我々は武田を討ち倒した誉と、我が国を守り切る事が出来ましたゆえ」
家康向仍為驚訝所擾的靜子說明家臣們的舉動。靜子掩不住有些難為情的神色,坐到了指定的席位上。
びっくりして驚いている静子に家康が、家臣たちの行動を説明する。何とも面映ゆい態度を隠さず静子は指定の席に座る。
織田軍的武將們落座後,家康端著杯子發言。
織田軍の武将たちが座ったところで、家康は盃片手に言葉を発した。
「首先衷心感謝由織田大人所遣來的後援諸位。多虧諸位,我等德川才能阻止武田的侵攻。坦白說,若只有我們一方,能否擋住武田尚且令人存疑」
「まずは織田殿より送られた後詰めの皆様方に、心より感謝いたします。お陰で我ら徳川は武田の侵攻を食い止める事が出来申した。率直に申せば、我らだけでは武田を足止めできたかすら怪しい」
家康的話切中要害。若依史實,家康在三方ヶ原之戰曾遭遇慘敗。
家康の言葉は的を射ていた。史実通りであれば三方ヶ原の戦いで家康は惨敗している。
但因靜子等人的盡力,未發生大敗,象徵家康性格的「しかみ像」遂不再存在。
しかし静子らの尽力により、大敗を喫することがなかっため、家康の人物像を象徴する『しかみ像』は存在しなくなった。
「靜子大人,此番之恩必將回報。若有任何所求,盡管吩咐」
「静子殿、此度の御恩は必ずやお返しいたしましょう。ご要望があれば何なりとお申し付け下さい」
「哈,受之過重,不勝榮幸。既然如此,冒昧地有一個請求」
「はっ、過分なお言葉有り難き幸せ。さにあらば、早速で申し訳ございませぬが、一つお願いがございます」
「盡管說吧」
「何なりと」
家康聽了靜子的回答,露出和煦的笑容。
静子の返答に家康はにこやかな笑みを浮かべる。
「那麼……我想為此次戰亡者舉行弔念。因此,懇請允許在三方ヶ原台地為亡者致哀」
「では……此度のいくさで亡くなった者を弔いたく思います。そのため、三方ヶ原台地にて、死者を弔う許可を頂きたく思います」
「咦,我聽說亡者已被運進營中了吧?」
「はて、亡くなった者は運び込まれたと聞いておりますが」
織田與德川聯軍的死傷者很少。而且,死者為了後續的弔祭,已被搬運回營中。
織田・徳川連合軍の死傷者は少ない。その上、死者は後に弔われるために陣へと運び込まれていた。
死者會集中火化,遺髮與遺物送返本國,由親屬妥為哀悼。家康不懂她究竟要祭祀誰,因而歪著頭。
死者は纏めて荼毘に付されたあと、遺髪や遺品の形で国許へと帰り、身内によって手厚く弔われる。一体誰を弔うつもりなのか分からず家康は首を傾げた。
德川家家臣們亦是如此,亦不明白靜子要為誰弔念。
それは徳川家家臣たちも同様で、静子の弔う相手が誰か分からなかった。
「此番之戰我方傷亡輕微而獲勝,然戰場上陣亡者眾多,遺骸仍曝於野外。我等雖失去兵士,然武田所失者非我等可比」
「此度のいくさは我が方の損害軽微にて勝利を収めました。しかし戦場で散った者は多く、今もその亡骸(なきがら)を野に晒しております。我らも兵を失いましたが、武田の失った兵は我らの比ではありません」
大量屍體若曝曬腐爛,腐食性動物將傳播疫病使周遭一帶受汙染。為了避免此事,靜子認為必須為亡者進行掩埋。
多くの死体が野晒しとなり腐敗すれば、腐食性の動物たちが疫病を媒介して周辺一帯が汚染される。それを避けるためにも、死者の埋葬がどうしても必要だと静子は考えていた。
「當然,我理解德川與武田之間有難以消弭的深仇故怨。因此無意強逼,若不能接受便會作罷」
「無論、徳川様と武田との間に、容易には拭えない確執があるのは理解しております。ゆえに無理強いするつもりはなく、受け入れられねば諦める所存です」
說完靜子望向家康,她視線中映出家康捂著眼角啜泣的身影。
そう言って静子は家康へと目を向けた。彼女の視界には目頭を押さえて嗚咽する家康の姿が映っていた。
不只是家康,德川家家臣與織田方的武將們也都流露出淚光。
家康だけではない。徳川家家臣や、織田家側の武将たちですら涙を滲ませていた。
正當眾人心想若怨恨如此深重是否可用石灰處理之類的辦法時,家康毅然抬頭高聲道。
泣くほど強い確執があるのなら、石灰処理とかで何とかするかと考えた矢先、決然と顔を上げた家康が声を張った。
「諸位聽著!竟然也要對那些任意入侵者施以憐憫……靜子殿實在大慈大悲。我由衷感動,並為自己的狹隘感到愧恨」
「聞いたか皆の者! 身勝手に攻め入った者たちへも慈悲を垂れるとは…… まことに静子殿は情け深い。わしは心の底より感動し、己の狭量さを恥じておる」
「咦、那個,請等一下。我總覺得這有點大走樣……」
「え、あの、ちょっとお待ち下さい。何か盛大にズレている気が……」
「我們一旦受命就會奔赴任何戰場,將生命散盡。武田那邊也有年輕人吧,或許有等待歸來的妻兒。他們的身影有朝一日也會是我們的模樣,勝利的我們若不為他們哀悼,還有誰會?人人或有積年怨恨,但死去即為眾生成佛。讓我們恭敬地為英勇戰死的武田家之人弔念吧」
「我らとてひとたび命が下れば、どこへでも馳せ参じてその命を散らすのだ。武田にも若者がいたであろう、帰りを待つ妻子がいたやも知れぬ。彼らの姿はいつの日かの我らの姿でもあるのだ、勝利した我らが弔わずして誰が彼らを弔うと言うのか。皆も積年の恨みはあろう、しかし死ねば即ち皆仏よ。見事戦い散っていった武田家の者たちを丁重に弔おうではないか」
如今的三方ヶ原到處橫陳屍體,宛如屍山血海。
現在の三方ヶ原は至る所に死体が転がり、まさに屍山血河の様相を呈している。
靜子從衛生角度提議趁寒冷時屍體不易腐敗趕快埋葬,卻被家康誤解為別的意思。
静子は衛生面の観点から、寒さで死体が腐敗しにくい今のうちに埋葬したいと提言したが、家康には違った受け止められ方をしてしまった。
(現在也說不清了吧)那麼,呃……可以埋葬嗎?
「(今更違うとは言えないよね)それで、あの……埋葬してもよろしいでしょうか?」
「當然可以。我等也會協助,請儘管命令」
「勿論ですとも。我らもお手伝いいたしますゆえ、何なりとお命じ下さい」
「承蒙特別關照,萬分感謝」
「格別のご配慮、ありがとうございます」
靜子認為與其多說撩撥爭端,不如即便有誤解也直接推進更為妥當,於是不消除誤解便著手收攏事事宜。
余計な事を言って藪を突くよりも、誤解があってもそのまま進めた方が得策だ。そう考えた静子は誤解を解消することなく、話を纏めにかかった。
幸好家康沉浸於勝利之中,未察覺靜子的用意,於是事就這樣繼續推進,待時機成熟,家康宣布後勝利宴會便開始了。
幸い家康は勝利に酔っており、静子の思惑に気付くことなく話を進め、頃合いを見計らって家康の宣言と共に勝利の宴会は開始された。
宴會很快就結束了。
宴会は短時間で終わりを告げた。
因為靜子提供了大量清酒,平時少有機會飲清酒的德川家家臣們爭先恐後痛飲,爽口之外酒精熾烈,結果醉倒一片。
何しろ静子が大量の清酒を供出したため、清酒を口にする機会が少ない徳川家家臣が先を争うようにして痛飲し、爽やかな飲み口とは裏腹に強い酒精に酔い潰れてしまったからだ。
忠勝等人看見靜子親自把酒斟入杯中,便一口乾了,馬上就醉倒了。
忠勝などは静子自らが杯に酒を注ぐと、そのまま一息に呷ってすぐさま酔い潰れてしまった。
面前倒下的忠勝讓靜子慌了神,但半藏與康政用手制住她,將忠勝字面上拖出宴會廳,摔進了備用的房間。
目の前で倒れた忠勝に慌てた静子だが、半蔵と康政が彼女を手で制し、忠勝を文字通り宴会場から引きずって控えの間へと叩き込んでいた。
兩人像看待生垃圾般搬運著夢囈般喃喃自語的忠勝,打開通往備用房間的襖門,便從走廊把他丟了進去。
夢見心地で何やら呟いている忠勝を生ごみでも見る目で運んだ二人は、控えの間への襖を開け放つと廊下から忠勝を放り投げた。
似乎撞到柱子,發出「咯噔」一聲響亮的撞擊,但忠勝面帶愉快表情,於是安靜地把襖關上封了起來。
柱にでもぶつかったのかごちんと派手な音がしたが、忠勝はご機嫌な表情を浮かべていたので、静かに襖を閉めて封印した。
不只忠勝,其他人也接二連三醉倒被抬出,宴會便這樣草草結束了。
忠勝だけではなく、他の者も次々と酔い潰れて運び出され、宴会はなし崩し的に終了した。
當然,靜子一滴酒也沒喝,為了不讓德川家家臣勸她喝酒,足滿、才藏、竹中半兵衛、柴田與光秀輪流以鐵壁般的防守封殺了所有提議。
無論、静子は一滴たりとも酒を口にせず、徳川家家臣からも酒を勧められないよう、足満と才蔵と竹中半兵衛と柴田と光秀が代わる代わる鉄壁の防御で封殺した。
「呼,結束了」
「ふぅ、終わった」
靜子一邊吹著夜風一邊喃喃自語。雖然沒喝酒,但被氣氛感染而有些醉意,便靠著夜風清醒一下。
夜風にあたりながら静子は呟く。酒を飲んだ訳ではないが、雰囲気で酔った気分になっていたので、こうして夜風にあたって気分を覚ましていた。
「這邊一結束,接下來就是館主進攻長島一向眾的時候了呢」
「こちらが終わった事で、今度はお館様が長島一向衆を攻める事になるね」
當武田與織田·德川聯合軍交戰並取得勝利時,靜子的最後作戰便會啟動。
武田と織田・徳川連合軍が戦い、これに勝利した時、静子の最後の作戦が発動する。
計畫是在武田敗北的消息傳開、周遭尚未從混亂中回復之前,迅速攻打長島將他們驅逐。
それは武田の敗北を知って周囲が混乱から立ち直る前に、長島を攻めて彼らを追い払う作戦だ。
歷史上說對長島的攻擊曾造成數萬人死亡,但靜子的作戰是快速而確實地攻擊,以短期內結束戰鬥為目標。
史実では何万人も殺されたと言われる長島への苛烈な攻めだが、静子の作戦は手早く、しかし確実に攻めて短期で決着をつける作戦だ。
為此做了整整一年的前置準備。既然與武田的戰事已然成功,長島也有很高的成功機率。
そのための下準備を一年かけてやったのだ。武田とのいくさが成功した以上、長島も成功する確率は非常に高い。
當然仍有萬一,但那已非靜子所能掌控。
万が一の事も考えられるが、それは静子ではどうしようもない。
「從明天起織田軍的大部分會行動起來吧。我會留下來協助驅逐遠江的武田軍。」
「明日から織田軍の殆どが移動するね。私は残って遠江の武田軍追い出しに協力するけども」
織田軍從明天起會分成好幾隊行動。多數武將會參戰長島,而靜子、才藏、長可等人則與德川軍合作,負責驅逐盤踞在遠江城中的武田軍。
織田軍は明日から複数に分かれて活動する。大半の武将は長島でのいくさへ参戦するが、静子や才蔵、長可たちは遠江の城に居座る武田軍を追い払う仕事を徳川軍と共同で行う。
慶次說自己累了,因此不參加長島攻擊而回國;高虎因擁有最多的黑鍬衆,將負責在三方原台地的埋葬工作。
慶次は疲れたと語っていたので、長島攻めには参戦せず帰国する。高虎は一番多く黒鍬衆を抱えているので、三方ヶ原台地での埋葬作業に従事する事となった。
靜子親自重視的鐵炮眾會和其他家臣一樣前往長島,作為信長直屬部隊行動。
静子肝いりの鉄砲衆は他の家臣たちと同じく長島へ向かい、信長直轄部隊として動く事になる。
預計信長準備就緒抵達長島,以及鐵炮眾和各武將與信忠會合抵達長島,大抵會在二十四或二十五日幾乎同時到位。
予想では信長が準備を終えて長島に着陣するのと、鉄砲衆や武将たちが信忠と合流して長島に到着するのはほぼ同時の二十四日か二十五日になる。
距離正月的日子不多,靜子認為若能攻下大約一半的砦就算不錯了。
正月までの日数は少ないが、半数ぐらいの砦を落とせれば御の字だと静子は考えていた。
不過靜子的預想將被大大打臉,而她知道這件事則是在一切結束之後。
だが静子の予想は大きく裏切られる事になる。その事を彼女が知るのは全てが終わった後だった。
「啊,算了算了,想太多也沒用。好了,睡覺吧─」
「あーやめやめ、余計な事を考えても仕方ない。ほら、寝るぞー」
靜子呼喚身旁的維特曼們,他們搖著尾巴聚集過來,靜子被維特曼一家團團包圍著入睡。
傍にいるヴィットマンたちに声をかけると、彼らは尻尾を振って集まってきた。静子はヴィットマンファミリーにぐるりと囲まれて眠りにつく。
次朝前來喚醒靜子的德川小姓看到那景象驚得癱坐在地,這就不用多說了。
翌朝、静子を起こしにきた徳川の小姓が、その光景を見て腰を抜かしたのは語るまでもない。
武田的敗北與信玄的死訊。一送到信忠與信長手上,反織田聯盟陣營及一向保持中立的人們也開始接到這個消息。
武田の敗北と信玄の訃報。信忠や信長に届くと同時に、反織田連合陣営、そして中立を保っていた者たちにも、その報せは届き始めていた。
接獲消息的朝倉立刻回國,理由是冬深、積雪會延誤行軍,但看在誰眼裡都像是因武田敗北而率先脫離反織田聯盟。
報せを受けた朝倉はすぐさま帰国した。冬が深まり積雪で行軍が遅れるというのが理由だが、誰が見ても武田の敗北を受けて反織田連合からのいち早い離反にしか見えなかった。
淺井連重要家臣都心神不寧,甚至有人開始內通織田。因為重臣們這般,士兵們也為了自保企圖脫逃。
浅井は主だった家臣ですら浮足立ち、中には織田へと内通する者も出始めた。重臣たちがそのような様子であるため、兵たちもまた保身から逃亡を図った。
留在小谷城的士兵多為傷病者或無法全身而退之人。能轉守為攻保衛城池的兵力變少,幾處防禦設施因此被放棄。
小谷城に残された兵は、傷病者や逃げ切れる余裕のない者たちばかりとなった。城に対して防衛に回れる兵が少なくなったため、いくつかの防衛施設は放棄された。
其他加入反織田聯盟的小國國人們也大同小異,反應類似。
その他の反織田連合へ参加した小国の国人たちも、対応は似たり寄ったりだった。
本願寺等寺社勢力也受到震撼。不是武田軍逐漸敗退,而是一次戰鬥就徹底潰敗、無一倖免。
本願寺たち寺社勢力も衝撃を受けた。快進撃を続けていた武田軍が徐々に負けたのではなく、たった一度のいくさで完膚なきまで敗北したのだ。
在石山本願寺的顕如無法理解傳令的報告。下間頼廉亦然,對於武田如何、為何會敗,完全抓不住頭緒。
石山本願寺にいる顕如は、伝令の報告を理解できなかった。下間頼廉も同様で、何がどういう理由で武田が敗れたか、糸口すら掴めなかった。
隨著理解局勢,他們認為現狀下與織田交戰非上策,便緊閉大門固守城池,並派間諜遍佈各地蒐集情報。
だが状況を理解するにつれて、彼らは今の状態で織田と戦うのは得策ではないと考え、門を堅く閉ざして籠城に徹し、各地に間者を放って情報収集を手配した。
卻不知緊閉城門本身將成為一大問題。
門を閉ざす事自体が大きな問題になるとも知らずに。
將軍義昭等人最初甚至不相信報告,還大聲辱罵並驅趕傳令。
将軍義昭など最初は報告が信じられず、伝令を大声で罵倒して追い払うほどだった。
然而從周遭的反應察覺傳令所報為真後,便突然軟弱起來,不停抱頭驚恐。這副可憐相,連當初跟隨將軍反叛織田的家臣也看傻了眼。
しかし、周囲の反応から伝令の報告が事実だと悟ると、急に弱腰になり、頭を抱えて怯えてばかりとなる。その情けない姿に、将軍に付き従って織田へ反逆した家臣たちも呆れ果てた。
對抗織田者們的動盪極為劇烈。足見武田信玄的敗北這一事實有多麼沉重。
織田に敵対した者たちの動揺は凄まじかった。それほどに武田信玄が敗北したという事実は重い。
信長則打算最大限度利用此勢,從長島驅逐一向宗。
対して信長はこの勢いを最大限利用して、長島から一向宗を駆逐する気でいた。
如同卡在喉嚨的小魚刺般令人煩惱的一向宗,要確實將其驅逐,正是良機。
のどに閊(つか)える魚の小骨の如く、鬱陶しい存在の一向宗を確実に駆逐するには、今が好機だったのだ。
朝倉回國讓西側防線獲得喘息空間,信長便立刻率兵前往長島;同一時間,從濱松城出陣的織田軍與信忠會合後也向長島進發。
朝倉が帰国した事で西側の防衛網に余裕が持てた信長は、早速兵を連れて長島へと向かう。時を同じくして、浜松城より出陣した織田軍は信忠と合流して長島を目指した。
二十四日清晨,信長本軍與信忠帶領的二軍合計約五萬大軍在長島集結。於小木江城商議軍事後,決定自午前前分為多路軍隊展開侵攻。
二十四日の早朝に信長本軍、信忠の二軍、合計で五万の軍勢が長島に集結する。小木江城で軍議を行った後、昼前から複数の軍に分かれて侵攻する事が決定した。
為阻止桑名方面獲得支援,一旦滝川與九鬼水軍抵達,便在海上實施封鎖。
桑名方面から支援されるのを阻止するため、滝川や九鬼水軍が到着次第、海上封鎖を行う。
各自行動確定後,開始進行為進軍做準備的各項作業。
こうして各自の行動が確定した後、それぞれが進軍のための作業を開始する。
無論何事,製造新式火槍的彈藥都是當務之急。能否大量投入這把新式火槍,將決定戰局的巨大差異。
何においても新式銃の弾薬製造が急務だった。この新式銃が大量投入出来るか否かで、戦況が大きく異なるからだ。
但即便材料充足,製作雷管比起普通的紙藥包要耗時得多。因此合戰開始日並未採取大量投入新式火槍的作法。即便如此,織田軍的猛進仍未停歇。
しかし材料はあっても雷管を作るのは、通常の紙薬包よりも遥かに時間がかかる。そのため、合戦開始日は新式銃の大量投入を見送った。それでも織田軍の快進撃は止まらなかった。
「奇妙大人,已攻下一ノ江砦,正繼續向鯏浦砦推進」
「奇妙様、一ノ江砦を陥落させ、続いて鯏浦砦へ進軍中との事」
「明智大人已向大湊的會合衆確認,保證不會偏袒願証寺」
「明智様が大湊の会合衆に願証寺へ肩入れせぬ、との確約を取り付けたとの事」
「柴田大人已攻下香取砦,正向願証寺進軍中」
「柴田様が香取砦を陥落させ、願証寺へ進軍中との事」
「九鬼大人的船隊已抵達,可自明日起參與海上封鎖」
「九鬼様の船団が到着。明日より海上封鎖に参加出来るとの事」
一份接一份的報告被擺在信長面前,無一不讓信長滿意,且都暗示長島一向宗正遭受單方面敗績。
信長の前に次々と報告書が置かれる。そのどれもが信長を満足させるものであり、長島一向宗が一方的に敗北している事を示唆する内容だった。
這也不足為奇。無論門多堅固,一枚炸裂筒一插就會被炸得粉碎。就算拿出珍貴的火繩銃,也會在開火前被織田方的新式火槍掃蕩。
それも無理はない。どれほど強固な扉を作ろうとも、一本の炸裂筒が刺されば木っ端微塵に吹き飛ぶ。虎の子の火縄銃を出そうとも、撃つ前に織田方の新式銃で薙ぎ払われる。
從一開始長島一向衆就沒有勝算。雖說這是織田・德川聯軍與武田之間的戰鬥,但信長對上長島一向衆根本成不了正常意義上的戰爭。
長島一向衆に最初から勝ち目などなかった。織田・徳川連合軍と武田とはいくさだったが、信長と長島一向衆とではいくさにならない。
強者以武力狩獵弱者,這是單方面的蹂躪(一面倒的局面)。
強者が弱者を力ずくで狩る、一方的な蹂躙(ワンサイドゲーム)だった。
「盡是令人爽快的報告。命令攻城的將領們,讓敵人儘量活著帶走。讓他們回去向友軍宣傳我方的強大與可怕」
「胸のすくような報告ばかりじゃ。砦攻めを行っている武将たちに命じろ。敵はなるべく生き残らせておけとな。連中が味方に我々の強さと恐ろしさを喧伝してくれようぞ」
信長的命令立刻傳達到各武將,不是徹底折磨至死,而是留下一些活口,讓逃走的敵人在逃到之處向同伴述說織田的恐怖。
信長の命令はすぐさま各武将に伝えられる。徹底的に痛めつけるのではなく、ある程度生き残らせておき、逃げた敵が逃げた先で織田の恐ろしさを味方に語るようにする。
信長模仿了武田在攻德川時所使用的手法,效果遠超預期。武田被織田擊敗與砦在一日之內倒下,對守堡者造成了超乎想像的恐懼。
武田が徳川を攻める時に使った手法を信長は真似た。効果は予想以上だった。武田が織田に負けた事と、一日で砦が落ちた事、それが砦を守る者にとって想像以上に恐怖となった。
砦一日之內淪陷,意味著即便請後援也來不及。對守堡者而言,沒有比這更可怕的了。
砦が一日で落ちる、それは後詰めを頼んでも間に合わない事を意味する。砦を守る者たちにとって、これほどの恐怖はない。
外圍輪中意識到絕對無法取勝後,那些堡壘以家族性命為條件提出投降。
絶対に勝てないと悟った輪中(わじゅう)の外側にある砦は、家族たちの助命を条件に降伏を申し出た。
信長接受了他們的投降,附加條件為解除武裝、離開長島並不繞路,直接前往石山本願寺。
信長は武装解除と長島より去り、寄り道せず石山本願寺へ向かう事を条件に加え、彼らの降伏を受け入れた。
當然,也傳達了若有一絲可疑舉動就立刻根切(屠滅一族)的威脅。
無論、少しでも不審な動きをすれば、その場で根切り(一族郎党皆殺し)するという脅しも伝えた。
在四面八方遭受織田軍猛攻的願証寺,亦在短短半日內陷落。此處雖抵抗最為激烈,但織田方幾乎無損,絕大多數是一向宗的屍體。
四方八方から織田軍の猛攻に晒された願証寺も、僅か半日で陥落した。ここは最後まで抵抗が激しかったが、織田側の損害は殆どなく、大半が一向宗の死体だった。
就這樣,僅僅數日之內,除輪中內的長島、屋長島、中江、篠橋與大鳥居五城外,其他全數淪陷。
こうして、僅か数日で輪中にある長島・屋長島・中江・篠橋・大鳥居の五城を残して他は全て陥落した。
「從明日起鐵砲衆將站上最前線。首先是篠橋城與大鳥居城」
「明日から鉄砲衆が最前線に立つ。まずは篠橋城と大鳥居城じゃ」
由於之前只是砦,因而能迅速攻滅,但接下來將會是攻城戰。敵方會拼命防守,誰都預料戰況會比以往更為嚴峻。
今まで砦だったために手早く攻め滅ぼせたが、次からは城攻めとなる。敵も必死になって守るため、今までよりも厳しい戦いになると誰もが予想した。
「別那麼緊繃。長島已接近淪陷,別用力過頭而白忙一場」
「そう気構えるな。もはや長島は陥落手前だ。力みすぎて空回りせぬように」
佐久間與柴田負責大鳥居城,津田信廣與丹羽長秀負責篠橋城,剩下的邊緣牽制由信長本陣攻略長島城。
佐久間や柴田が大鳥居城、津田信広や丹羽長秀が篠橋城を担当し、残りは周囲を牽制しつつ信長本陣が長島城を攻略する運びとなった。
竹中半兵衛與他帶來的部隊,回到置於近江長濱的秀吉處。光秀在策反大湊的會合衆後也為了京都的任務返回京中。
竹中半兵衛や彼が連れてきた兵たちは、近江長浜に置かれた秀吉の許へと戻った。光秀も大湊の会合衆を調略後、京での任務のために京へと戻っていった。
這是兼具牽制其他勢力的部署,但根本不需牽制。沒有人冒險攻擊變薄的京都,只是每每聽到信長的猛進便心驚膽顫。
他勢力への牽制を兼ねた布陣だが、牽制などする必要もなかった。誰一人として手薄となった京を突こうとはせず、信長の快進撃を聞く度に戦々恐々としているだけであった。
秀吉軍與明智軍雖抽出部分兵力導致兵力略減,但織田軍的猛攻不但未止反而越發迅猛。
秀吉軍や明智軍が抜けて兵数が少し減りはしたものの、織田軍の猛攻は止まる事はなく、逆に勢いが増すばかりだった。
「主公! 確認在長島城前有根來衆與雑賀衆的鐵砲隊列陣! 人數大約有2000!」
「お館様! 長島城前にて根来衆と雑賀衆の鉄砲隊が布陣しているのを確認! その数、2000ほどかと!」
一份報告送到在有押付砦與殿名砦位置的信長處,稱長島城前鐵砲衆齊聚。新式火槍裝備的織田本陣鐵砲衆僅配置約300。
押付砦と殿名砦のある場所に布陣した信長の許へ、長島城前にて鉄砲衆が勢揃いしているとの報告が届く。新式銃を使う織田の鉄砲衆は、本陣には300ほどしか配されていない。
靜子的鐵砲衆總數也只有約1000人,因而2000這個數字看來十分可怕。
静子の鉄砲衆は総勢で1000ほどしかいないため、2000という数は脅威に思えた。
「主公! 應當把分散於其他隊的鐵砲衆召回!」
「お館様! 他の隊に分散させた鉄砲衆を引き戻すべきです!」
「不必。300足夠」
「要らぬ。300で問題ない」
信長斷然駁回諫言的家臣,無視驚愕的家臣,召來率領鐵砲衆的玄朗。
進言する家臣の言葉を信長は一蹴する。唖然とする家臣を無視して、信長は鉄砲衆を率いている玄朗を呼ぶ。
「敵方約兩千在那裡待命。你率三百鐵砲衆,去痛快地把他們打散」
「敵は2000で待ち構えている。貴様は300の鉄砲衆を率い、見事蹴散らしてこい」
「兩千嗎。有點小看我等了呢」
「2000ですか。ちと物足りませぬな」
「哈哈哈,說得好!」
「はっはっはっ、よう言うたわ!」
玄朗對信長的命令露出一抹冷笑,言外之意是太過簡單無聊。信長聽了欣然大笑。
信長の命令に対して玄朗はニヤリと笑うと、簡単すぎてつまらないと言外に語った。それを聞いた信長は上機嫌で笑った。
「那麼請稍候片刻。若有一刻即可分出勝負」
「それではしばしお待ち下さいませ。一刻もあれば決着はつきましょうぞ」
「半刻內給我解決」
「半刻で終わらせろ」
「明白了。四半刻內結束。」
「わかり申した。四半刻で終わらせます」
對於不知情的人來說,信長與玄朗的對話聽來荒唐不經,但他們在四半刻後便會知道那並非說大話或虛張聲勢。
事情を知らない人間からすれば、信長と玄朗の会話は滅茶苦茶な内容だった。だがそれが嘘偽りやハッタリでない事を、彼らは四半刻後に知る。
「各位,我等受命掃蕩根來衆與雜賀衆。什麼,四半刻就足夠。快快結束,讓他們見識我等之力!」
「皆の者、我らは根来衆と雑賀衆を蹴散らす役目を仰せつかった。何、四半刻もあれば十分だ。さっさと終わらせて、我らの力を知らしめようぞ!」
「喔!!」
「おおっ!!」
玄朗鼓舞火槍手後,向根來衆與雜賀衆布陣之處移動。抵達後,看見對岸擠滿了根來衆與雜賀衆。
玄朗は鉄砲衆を鼓舞すると、根来衆と雑賀衆が布陣している場所へ移動する。到着後、対岸に根来衆と雑賀衆がひしめき合っているのが見えた。
玄朗判斷他們會從河最窄處渡河進軍,想在織田軍上岸前以火槍殲滅對方。
川の幅が一番狭いところから渡河進軍するとみて、織田軍が上陸する前に鉄砲で殲滅する作戦だと玄朗は考えた。
「恐怕即便想從別處上岸,渡河本身也困難。而且他們會置監視兵,會很快被發現然後被彈雨籠罩。既然如此就只有一件事可做。」
「おそらく他から上陸しようとしても、渡河そのものが難しい。そして監視の兵を置いているじゃろうから、すぐに見つかって弾の雨に晒されるであろう。であればやることは一つじゃ」
「玄朗大人,距離大約在250到300公尺之間,完全在射程內。」
「玄朗殿、距離は250から300メートルの間との事。十分射程内です」
「好,齊射!」
「よし、斉射じゃ!」
隨著玄朗的號令,新式火槍發射了彈丸。對岸的根來衆與雜賀衆紛紛倒下,玄朗毫不在意,繼續進行壓制射擊。
玄朗の号令とともに新式銃から弾が発射される。川の向こう側にいる根来衆と雑賀衆が倒れていくが、玄朗は気にせず制圧射撃を続ける。
不到二十分鐘便分出勝負。根來衆與雜賀衆合計約七百人陣亡,受傷者恐超過一千;對照之下,玄朗的火槍衆死傷皆為零。
20分と経たない内に決着はついた。根来衆と雑賀衆の死者合わせて700ほど、負傷者数は1000以上にもなろうか。対して玄朗の鉄砲衆は死者ゼロ、負傷者ゼロだ。
這結果理所當然。根來衆與雜賀衆的火力無法射及,而新式火槍則輕鬆在殺傷範圍內。
この結果となるのも当然だ。根来衆と雑賀衆は弾が届かないのに対して、新式銃は余裕で殺傷圏内である。
因為幾乎沒有三百公尺以上的射擊訓練,所以彈著率不好,但以發射數彌補。
300以上の距離で射撃訓練がほぼないので、弾の命中率は悪かった、そこは発射数でカバーした。
即便命中率低也屬壓倒性勝利。誰看得出來、無論怎麼找藉口,都改變不了在戰國時代以火槍名手著稱的雜賀衆與根來衆遭到剿滅的事實。
命中率は低くとも圧勝である。誰が見ても、どのように言い訳を並べようが、戦国時代において鉄砲名手の名をほしいままにした雑賀衆と根来衆が駆逐された事に変わりはない。
「不愧是」
「流石じゃ」
三十分鐘後,來到玄朗處的信長看著對岸的慘狀滿意地點頭。
30分後、玄朗の許へ来た信長は、向こう岸の惨状を見て満足げに頷いた。
織田軍持續勢如破竹的猛進。信長減少攻長島的部隊,對曾協助長島的豪族以軟硬兼施,逐一策反。
織田軍は破竹の快進撃を続けていた。信長は長島を攻める部隊を減らし、長島に協力的だった豪族たちに飴と鞭を使い、次々と調略していった。
若斷絕與長島的關係,過去之事可一筆勾銷;但若仍持續協助長島,便要連根拔起、無論藏於何處也必剷除。
長島との関係を断つなら、これまでの事は水に流そう。しかし、あくまでも長島に協力するのならば、草の根を分けてでも探し出し、根切りに処す。
信長的主張不外乎此:若斷絕關係則從寬,若仍援助長島則根絕。再明白不過了。
信長の言い分はこれに尽きた。関係を断つならば寛容な態度で対応しよう、しかしなおも長島へ協力するならば根絶やしにする。これほど分かりやすい内容はなかった。
大多數豪族向信長屈服。少數反抗者也在未過一日便被連根斬除。
殆どの豪族は信長に服従した。一部反逆した豪族もいたが、一日と経たずに根切りとされた。
二十九日黎明,近似最後抵抗的行動中,以下間頼旦為首,長島一向宗的指揮者與一千名精銳發動對信長本陣的特攻。
二十九日明け方、最後の抵抗と言わんばかりに下間(しもつま) 頼旦(らいたん)を初めとする、長島の一向宗を指揮してきた者と精鋭兵1000が信長本陣に特攻を仕掛けた。
但在抵達信長本陣之前,下間頼旦等多數指揮官便被射殺,結果以失敗告終。
だが信長の本陣に届く前に、下間頼旦以下多くの指揮官が撃ち殺されるという結果に終わった。
得知此結果後,徹底絕望的願證寺五世顯忍(證意的嫡子)投身木曾川自盡。
この結果を知り、全てに絶望した願証寺五世の顕忍(証意の嫡子)は、木曽川に身を投げて自殺した。
認為再無法抵抗,長島方面向信長請求開城,以全員獲赦為條件。
これ以上の抵抗は不可能と判断した長島側は、信長に全員の助命を条件に開城を願い出た。
信長回應接受投降,條件是解除武裝、禁止攜帶不必要財物、按我方指示撤離長島並直赴石山本願寺不得繞道。
対して信長は武装解除、不必要な財の持ち出し禁止、こちらの指示に従って長島を退去し石山本願寺へ寄り道せず向かう事を条件に、降伏を受け入れると返事する。
雖稍有遲疑,長島方面接受了信長的條件,命令屋長島與中江兩城停止抵抗並服從信長指示。
少し時間がかかったが長島側は信長の提示した条件を受け入れ、屋長島と中江の二城に対して抵抗を止めて信長の指示に従うよう命じた。
從二十九日白晝起,駐守各城的兵士與平民在織田兵的監視下陸續離城。
二十九日の昼から、各城に籠もっていた兵や一般人が、織田兵に監視されながら城を出て行く。
信長檢查已撤離的城堡與砦,查看是否有人藏匿財物或武器。
信長は退去がすんだ城や砦を検査する。どこかに財産や武器を隠していないかを調べた。
結果如信長所料,從長島城到諸多城砦都有金銀與金幣被藏匿。
結果は信長の予想通りだった。長島城を始め、多くの城や砦に金銀や金子が隠されていた。
藏留金銀與財物的原因是他們打算日後奪回砦城。信長明白,他們的投降不過是為了度過眼前的一個樣子而已。
金銀や金子を隠して残す理由、それは彼らが後に砦や城を奪いにくる気だからだ。つまり彼らの降伏はこの場を乗り切るポーズに過ぎない、と信長は理解した。
內心怒火震顫的信長命士兵將那些財物粗暴搬出堆成山。堆好後,信長召集了參與長島一向一揆的武將們。
内心怒りに震える信長は、兵を使ってそれらを無造作に運び出して山のように積む。積み終えると、信長は長島一向一揆に参戦した武将たちを集めた。
「這是什麼?」
「何だこれは」
面對堆放的金銀,信長向自軍的武將們發問。是否不期待回答,或本就無意詢問,信長無視他們的驚愕繼續說話。
金銀や金子を前に、信長は自軍の武将たちに質問を投げた。返答は期待していないのか、それとも元々聞くつもりもなかったのか、信長は武将たちの驚きを無視して言葉を続ける。
「明明侍奉佛門卻涉入俗世,甚至不必要地積聚財物。利用民眾的信仰作為爪牙,自己卻成家過著奢華的生活。那等之輩竟還口稱佛名!」
「仏に仕える身でありながら俗世に関わり、あまつさえ不必要に財を蓄える。民の信心を利用して手先としながら、自分たちは妻子を持ち贅沢な暮らしをする。そんな奴らが仏の名を語るというのか!」
信長踢開堆積的金銀,一部分崩落四處滾散,卻無一人轉頭去看。眾人被信長發出的怒氣籠罩,動彈不得。
積もった金銀を信長は蹴り飛ばす。一部が崩れてあちこちに金や銀が転がるが、誰一人としてそちらに視線を向けなかった。みな信長の放つ怒気にあてられ身動きできずにいた。
「什麼佛的庇佑。說到底,他們重視的不是佛而是自己。噁心透頂,令人作嘔!」
「何が仏の加護だ。結局、奴らは仏ではなく己が大事なだけだ。醜き奴らめ、虫ずが走るわ!」
如同吐出怒氣般,信長重重嘆息。稍微平復後,信長望向諸將繼續說話。
怒りをはき出すように、信長は盛大にため息を吐く。幾分落ち着いた信長は、武将たちに視線を向けながら言葉を続けた。
「我在軍中禁絕亂取財物。為何如此?若從民間搶奪生計,百姓便不為我等工作。民心一離,國家便會在不知不覺間傾頹。故此禁令。然而此次就姑且許可!」
「わしは軍に乱取りを禁止しておる。それは何故か。民から生きる糧を奪えば、民はわしらのために働かなくなる。民の気持ちが離れれば、国はあれよあれよという間に傾く。じゃから乱取りは禁じた。だが此度だけは許そう!」
「哇啊啊啊!!」
「おおおおっ!!」
亂取解禁的命令讓足輕們歡呼。武將們也覺得這能成為士兵們發洩鬱悶的好機會,於是對信長解除禁令表示歡欣。
乱取り解禁の命に足軽たちが声を上げて喜ぶ。武将たちも兵たちの良き憂さ晴らしになると思い、信長の乱取り解禁を喜んだ。
「如果是佛門的財物,我也會禁止亂奪。但那些人自己囤積的財產只是為了自己,對那樣的傢伙不要猶豫去搶奪!徹底搶光他們!」
「仏の財ならば、わしも乱取りを禁じよう。だが奴らが蓄えた財は、己のためだけじゃ。そんな連中から奪い尽くす事を躊躇うな! 根こそぎ奪い尽くせ!」
解禁掠奪的大號令下達。從那天起花了兩天,長島從角落到角落被徹底搜查一遍。
乱取り解禁の大号令が発令された。その日から二日かけて、長島は隅から隅まで調べ尽くされた。
武器彈藥自然不談,金銀以及大量的金子、還有保存食等都被藏在各處。
武器弾薬は勿論、金銀や大量の金子、そして保存食などがあちらこちらに隠されていた。
那些東西全被足輕與雜兵奪走。有的足輕滿載金塊回去,有的雜兵在迎接新年前,臉上滿是因能帶給家人好禮物而得意的神情。
それら全てを足軽や雑兵たちが奪った。中には金塊をたんまり持ち帰る足軽や、正月を迎える前に家族へ良い土産が出来たとほくほく顔で喜ぶ雑兵もいた。
史實上據說在長島有數萬人被屠殺的事件並未發生,但足輕與雜兵為搶奪財物展開的無仁義之戰卻上演了。
史実で数万人が殺されたと言う長島での虐殺は起きなかったが、足軽や雑兵が財を奪い合う仁義なき戦いは繰り広げられた。
完全不知那種事正在發生的靜子軍,自濱松城出發後抵達尾張。
そんな事が起きているとはつゆ知らず、浜松城にいた静子軍が尾張へと到着した。
驅逐遠江的武田軍居然意外地簡單結束。用間者散播武田軍敗北的消息後,原本唯有強氣的武田軍紛紛爭先恐後地逃跑。
遠江の武田軍追い出しは実にあっけなく終わった。間者を使って武田軍が負けた事を触れ回ると、それまで強気一辺倒だった武田軍は我先にと逃げ出した。
因為家康佔了上風,向武田降服的遠江國人們轉而投向德川。有人幾乎當作手土產般,在甲斐撤退途中的諏訪勝頼與高坂昌信背後發動襲擊。
家康が優勢になった事で、武田の軍門に下った遠江の国人たちは、徳川へ鞍替えをした。中には手土産と言わんばかりに、甲斐へ撤退中の諏訪勝頼や高坂昌信を背後から襲った。
但面對有「逃げ弾正」異名的高坂昌信,遠江的國人們被輕易應付,諏訪勝頼也在沒有遭受重大損失的情況下成功撤回甲斐。
しかし「逃げ弾正」の異名を持つ高坂昌信を前に遠江の国人たちは軽くあしらわれ、諏訪勝頼はたいした損害もなく甲斐への撤退に成功する。
「結果是用來摧毀無人守備的長島城呢,最終兵器」
「結局、無人の長島城を破壊するために使ったのね、最終兵器」
回到屋敷後收到長島的報告,靜子知道了最終兵器是如何被使用。靜子所說的最終兵器,是用鋁粉末製成的類テルミット彈。
屋敷に戻ってから長島の報告を受けた静子は、最終兵器がどのように使われたか知る。静子のいう最終兵器とは、アルミ粉末を使ったテルミット弾もどきの事だ。
把鋁傘的鋁骨架處理成粉末,和幾種素材混合燃燒,就會引發テルミット反應。
アルミ傘のアルミフレームを粉末にして処理し、いくつかの素材と混合し燃焼させるとテルミット反応を起こす。
此時反應中心會產生高達攝氏三千度的高溫,輻射熱襲向周圍。
この時、反応の中心では摂氏3000度にも達する高温が生じ、輻射熱が周囲を襲う。
這樣一來處於有效範圍內的人會消失(……)。連燃燒都不被允許,瞬間化為灰燼。
そうなると有効範囲内に居る人間は消える(・・・)。燃焼すら許されず即座に灰となり果てる。
即便幸運地不在中心,也會在數公尺半徑內被高溫曝晒,突然噴出火焰並燃燒起來。
運よく中心におらずとも半径数メートルは高温に晒されており、突如として火を噴いて燃え上がる。
再往外一點,被加熱的空氣會灼傷肺部,一口氣就可能致命,是極為危險的兵器。
更にその外側に居ても熱された空気が肺を焼き、一呼吸で人を死に至らしめる危険極まりない兵器であった。
「嘛,雖然和最初的計畫不同,但只要沒對人發射應該就沒問題吧」
「まぁ当初の予定と違うけど、人に向けて撃ってなければ良いか」
原本テルミット彈打算用在石山本願寺的城門等處,希望讓人明白抵抗是徒勞無功,所以才計畫使用。
元々テルミット弾は石山本願寺の城門などに使い、抵抗は無駄だと悟らせるために使用する予定だった。
如果石造城門瞬間融解(……),或許會讓人覺得籠城毫無意義,這也是考量之一。
石造り城門が一瞬で融解(・・)すれば、籠城など無意味だと考えるかも、とも思っていた。
當然,信長也不是單純地使用它就算了。他讓從長島城撤出的一向宗好好將テルミット彈的威力記在眼裡,然後才放他們離開。
勿論、信長も単に使った訳ではない。長島城から出て行く一向宗に、テルミット弾の威力をしっかり目に焼き付けてから解放させた。
比起信長自己宣傳,從盟友那裡傳出的報告更能煽動數倍的恐懼。信長在與長島一向宗的戰鬥中學到這點。
信長自身が吹聴するよりも、味方からの報告の方が何倍も恐怖を煽れる。長島一向宗との戦いで信長はそのことを学んだ。
同時也認識到靜子堅決說過絕對不能對人使用的テルミット彈的威力。
同時に静子が頑なに人へ向けては駄目、と言っていたテルミット弾の威力も認識した。
在理解了這點之後,日後信長下令靜子將テルミット彈封印起來。
認識した上で後日、信長は静子にテルミット弾を封印するよう命じた。
「話說,新年過不久就要搬到新居了,得整理行李……來年的事就留給明年努力吧」
「さて、新年明けて少ししたら新居に移動するから、荷物整理しないといけないのだけども……来年の事は来年頑張ろう」
靜子讀完報告,把報告放在桌上後就倒在地板上。附近的維特曼家族見她躺下便立刻起身,在她周圍守護。
報告書を読み終えた静子は、報告書をテーブルに置くと床に転がる。近くにいたヴィットマンファミリーは静子が床に寝転ぶとさっと立ち、彼女の周りを陣取る。
維特曼們最近學到:靜子一躺下就等於工作結束。所以如果靜子不躺下,他們就不會在旁邊守候。
静子が床に寝転ぶ、イコール仕事は終わった、と最近ヴィットマンたちは学んだ。だから静子が寝転ばないと、傍に陣取る事はない。
「呼啊——明年想悠閒地過。明年要忘掉戰事,到田裡做農活度過」
「ふあ〜あ、来年は気楽に過ごしたいなぁ。来年はいくさなんて忘れて、畑仕事をして過ごしたい」
靜子每年年末都許下類似的願望,但她忘了這願望從未實現。反而因為她是擊敗武田的主角,必須更加站到台前。
毎年同じような事を年末に願っているが静子は忘れている。その願いが一度も叶ったためしがないことを。むしろ武田を倒した主役、という事で更に表舞台に立たなくてはならなくなった。
然而不在意自己身分的靜子,和維特曼們一起無憂無慮地睡去。
しかし、己の立場を意識しない静子はヴィットマンたちと呑気に眠りこけていた。