戦国小町苦労譚
千五百七十二年 九月上旬
みつお正在買東西。
みつおは買い物をしていた。彼はかつて子育てをした経験があり、育児に必要となるものを事前に把握していた。そのため必要になってから慌てるのではなく、事前に買い揃えておこうと考えたのだ。
「最優先是抱嬰帶吧。只要有了那個,抱著嬰兒也能雙手空出來,會輕鬆很多。」
「最優先は抱っこ紐ですかね。あれがあるだけで赤ん坊を抱いたまま両手が使えるから、飛躍的に楽になりますからね」
話說買東西也不像現代那樣貨品豐富,必然要買的數量也會受限。
買物と言っても現代のように豊富な品ぞろえがあるわけでもなし、必然的に購入する点数も限られてくる。
不過只有在尾張才有、能減輕育兒負擔的劃時代產品──抱嬰帶(亦稱子守帯(こもりおび))和噴霧器這兩樣,打算一定要買。
しかし尾張にしかなく育児の手間を軽減してくれる画期的な製品、抱っこ紐(子守帯(こもりおび)とも言う)と霧吹きの二つだけは購入する予定だ。
抱嬰帶是父母穿戴用來抱嬰兒時不佔用雙手的器具,噴霧器則是用來清洗嬰兒下半身的器具。
抱っこ紐は親が装着し、赤子を抱く際に両手を塞がないための道具であり、霧吹きは赤子の下半身を洗うための道具である。
理所當然地,嬰兒無法自行控制便意。
当たり前だが赤子は自分で便意を制御できない。
不像現代有高性能尿布可望,每次弄髒都得替換,但每回都用熱水浸洗負擔太大。
現代のような高性能おむつなど望むべくもなく、粗相(そそう)の度に替えてやる必要があるのだが、毎回お湯につけて洗ってやるのでは負担が大きすぎる。
這時噴霧器就派上用場了;換尿布時用裝了溫水的噴霧器清洗嬰兒,然後換上新的尿布。
そういう時に霧吹きが活躍する。おむつを替える際にぬるま湯を入れた霧吹きで赤子を洗ってやり、新しいおむつへと取り換えるのだ。
「店主,請給我這個」
「店主、これを下さい」
「多謝光臨」
「まいど」
抱嬰帶很容易買到。貨幣經濟普及,能用金錢而非物物交換購物,對任何人都很方便。
抱っこ紐の方は簡単に購入することが出来た。貨幣経済が浸透し物々交換ではなく金子で買い物ができるのは誰に取っても便利であった。
物物交換要讓雙方要求的物品價值平衡,常會不得不買本來不需要的東西,還需要看得出何者為等價的鑑別眼光。
物々交換では双方の求める品の価値が釣り合うようバランスを取るため、本来必要でないものまで購入する羽目になる上に、何を等価と見るかを見抜く目利きが必要とされるからだ。
把金子交給店家領了貨後,放進袋子裡重新扛起。接下來要找的是噴霧器。
金子を渡して商品を受け取ると、鞄にしまって担ぎ直す。次に探すのは霧吹きだ。
抱嬰帶用途單一,較容易掌握哪裡有在賣;但噴霧器不然,既用於園藝,也用於化妝。
抱っこ紐は用途が単一であり、扱っている店を把握し易いが、霧吹きは違う。園芸にも使用するし、化粧の際にも用いられる。
即便店家按照街道分門別類,噴霧器歸到哪一類還是看店主怎麼分類。
店の分類が街道ごとにされているとしても、霧吹きを何に分類するかは店主次第だ。
「東西真多啊。第一次到京時還荒涼得像笑話一樣,這樣熱鬧真是件好事」
「ものがいっぱいですね。初めて京へ行ったときは、冗談かと思うぐらい寂れていましたから、この賑やかさは良い事です」
一邊閒逛沿街的店家一邊找目標物。過了四半刻,在一家賣農具的店找到想要的東西。按大小分成三種──大、中、小,從中挑了大與中兩個噴霧器。
軒を連ねる店を冷やかしつつ目的の物を探す。四半刻後、農具を扱っている店で目当ての品を見つけた。大きさで三種類に分けてあり、大・中・小とある中から大と中の霧吹きを選ぶ。
大的自己用,中號是為鶴姬選的。
大は自分が使うものであり、中は鶴姫用に選んだ品だ。
在育兒上父親與母親各有不同的責任。父與母被期待擔負的角色不同,只有母親在照顧並沒有意義。
育児において父親と母親にはそれぞれ別の責任がある。父と母では求められる役割が異なり、母親だけが世話をするのでは意味がない。
第一個孩子是女兒時因不懂情況而手忙腳亂、犯了錯,但現在已經清楚明白了。
第一子である娘の時は勝手が分からず右往左往して失敗したが、今でははっきりと解る。
與忍受腹痛生下孩子的母親不同,男性父親是透過與孩子的接觸逐漸產生父親的自覺。
腹を痛めて我が子を産む母と異なり、男親は我が子との触れ合いを通して父親の自覚を持つのだと。
(世道紛亂,孩子可能會被無常的時代擺布。但如果我和鶴姬的育兒方式能夠慢慢傳開,那類不幸的孩子或許會減少……吧)
(世は乱世、明日も分からぬ時代に翻弄される子もいるのでしょう。ですが、私と鶴姫さんの子育てが徐々にでも広まっていけば、そういう不幸な子が減るかも……しれませんね)
雖然限於尾張與美濃,但兒童死亡率正在逐漸下降,被遺棄的孩子也略有減少。
尾張・美濃限定だが、子どもの死亡率は少しずつ低下している。捨てられる子どもも僅かに減っている。
即便陷入不得不遺棄孩子的狀況,織田家在一定程度上會收留,並在設施裡把他們養育成為家臣。
仮に子を捨てねばならない状況に陥っても、ある程度は織田家が引き取って施設で子飼いの家臣として育てている。
當然就算是厲害的織田家若無限收留也會破產,因此設有一定標準。
無論流石の織田家といえども無制限に引き取れば破綻するため、一定の基準が設けられているのだが。
而一旦被織田家收養的孩子無論在任何情況下都不會交還給父母。畢竟那些被選中的生命原本可能會死去,不能再交給那種父母照顧。
そして一度織田家に引き取られた子供は如何なる場合であろうとも親に返しはしない。何せ選に漏れれば死んでいた命だ、そのような親に任せる訳にはいかない。
但僅就織田領內而言,衛生環境較好,營養狀況也相對良好,因此早逝的孩子變少了。
しかし織田領内に限れば衛生環境も良く、栄養状態も比較的良いため早逝してしまう子供は少なくなっていた。
當然與現代相比醫療技術仍然低下,運氣不好罹病而早逝的情形仍然有。
無論現代と比較すると医療技術が低いため、運悪く病気を得て容易く亡くなってしまう事もあるのだが。
正當發呆地想著這些事時,みつお撞到某人。
そんな事をぼんやり考えていると、みつおは誰かとぶつかる。
「啊,失禮了」
「あ、失礼しました」
急忙轉身向前看時,對方懷裡抱著的貨物撒落一地。
慌てて前を向くと、ぶつかった相手が抱えていた荷物が地面に撒かれる。
掉在地上的都是蔬菜。みつお擔心若被踩壞會是大事(おおごと),情急之下彎腰連忙把蔬菜撿起來。
地に落ちたものは野菜類だった。踏まれてしまっては大事(おおごと)だと考えたみつおは、咄嗟に屈みこんで慌てて野菜を拾い集める。
「不,應該是我失禮了。因為在想事,沒看前面」
「いや、こちらこそ失礼した。考え事をしていたゆえ、前を見ておらなんだ」
對方也道了歉,像みつお一樣幫忙撿菜。幸好路上人不多,沒有被人踩踏,蔬菜都被收拾起來了。
相手も謝罪の言葉を口にし、みつおと同じように野菜拾いを手伝う。幸い往来も少なく、誰にも踏まれること無く野菜類は集めることが出来た。
雖然到處都沾了些泥土髒汙,持有者只輕輕用手拍了拍,似乎並不太在意。
ところどころ土汚れがついてしまったが、持ち主は軽く手で払っただけで然して気にしない様子だった。
「真的很抱歉。如果壞掉了我會賠償,請不要客氣儘管說」
「本当にすみません。駄目になっていたら弁償しますので、遠慮なく仰って下さい」
「不用那麼客氣。這也是我們的過失……若您真的堅持,能否請您喝杯茶作為回報?」
「それには及びませぬ。こちらの落ち度でもあるゆえ……どうしてもと仰るのなら、茶を一杯付き合っては貰えまいか」
「要喝茶嗎?沒關係的」
「茶をですか? 別にかまいませんよ」
「那就好。我對這一帶不熟,一直在找個可以休息的地方」
「それは良かった。この辺りには不案内で、どこか休める場所をと探しておったのです」
在みつお的帶領下移到附近的茶屋坐下後,みつお向那名男子問了許多事。男子名為四郎(しろう),說是為了療養病重的母親,最近來到尾張。
みつおの案内で近くにある茶屋へ移動し腰を落ち着けると、みつおは男に色々な事を尋ねた。彼の名は四郎(しろう)。病気の母を療養させるため、最近尾張に来たとの事だ。
「放棄一切,來到這裡是一種賭注。但自從來到這裡母親的病情逐漸好轉。曾一度以為是今生的別離,但如今總算安心了。雖然也讓妻兒受了些苦,終於能讓他們放心了」
「全てを捨てて、こちらに来る事は一種の賭けでした。ですが、こちらに来て以来母の容態は少しずつ良くなっております。一時は今生の別れを覚悟したものですが安堵いたしました。妻子にも苦労をかけましたが、ようやく安心させられそうです」
四郎露出和善的笑容。自己最初也讓鶴姬吃了苦頭,みつお對四郎生出同感。
四郎は人の良い笑みを浮かべる。自分も最初は鶴姫に苦労をかけたため、みつおは四郎に共感を覚えた。
「孩子幾歲了?」
「お子さんはおいくつですか?」
「(數え年)四歲。原本在故地總是板著臉,來到這裡後變得頑皮,讓我十分頭疼」
「(数え年)4つになります。古巣ではいつも暗い顔をしていたというのに、こちらに来てからはやんちゃになって手を焼いています」
「哈哈,不過很可愛吧。我也是不久前剛生了個女兒」
「ははっ、でも可愛いでしょう。私もついこの間、娘が生まれましてね」
「那真是值得慶賀」
「それはおめでたい」
說罷四郎舉起茶碗。察覺其意的みつお也拿起茶碗,與四郎碰杯。
そう言うと同時に四郎は茶碗を掲げる。意図を察したみつおは、茶碗を手に持つと四郎の茶碗と乾杯をした。
「願孩子健壯成長」
「子が健やかに育つことを願って」
「願我們的友誼長久」
「我らの親好が長久する事を願って」
話音未落,二人便一口喝盡茶。喝畢兩人不約而同笑了起來。
言い終えると同時、二人は茶を一気に呷る。飲み終えると二人はどちらからともなく笑い出す。
之後兩人互相談起彼此。然而快樂的時光總是短暫,轉眼半刻便過去了。
それから二人は互いの事を話し合った。だが楽しい時間とは早く過ぎるもので、あっという間に半刻が過ぎた。
覺得只憑一杯茶久坐有些不自在,兩人向店主道了歉便離開了店門。
流石に茶一杯で居座るには少々居心地が悪いと思った二人は、店主に長居を詫びつつ店を後にする。
「是段有意義的時光。若有緣再會」
「有意義なひと時でした。縁があればまた」
「請多保重。若有緣重逢,到時就邊喝好酒邊暢談吧」
「お気をつけて。ご縁あって再会が叶いますれば、今度はうまい酒でも飲みながら語り合いましょう」
「既然如此,那就到此為止」
「然様(さよう)ならば、これにて」
四郎揚起一手,轉身不回頭地離去。分別雖簡短,卻讓みつお不知為何感到一股清爽的風。
片手をあげると四郎は振り返る事なく立ち去った。実にあっさりした別れだが、みつおは不思議と爽やかな風を感じていた。
(說起來,除了五郎先生之外,還真是第一次有這樣的朋友)
(そういえば五郎さん以外では、初めてですね。こちらの友が出来るのは)
一邊自語,一邊みつお覺得自己其實很少與他人接觸;也可以說每天都過得很充實。是好是壞,他有些判斷不出來。
なんだかんだ言いながら、あまり他人と接していないなとみつおは思った。それだけ毎日が満ち足りているとも言える。良いのか悪いのか、少し判断がつかなかった。
「嘛,無妨。去鶴姬那裡吧」
「ま、いいか。鶴姫さんの所へ行きましょう」
みつお重新抱起行囊,朝鶴姬所在的醫院走去。
鞄を抱え直すと、みつおは鶴姫のいる病院へ足を向けた。
進入九月後,淺井與朝倉仍然困守城中不出。
九月に入っても浅井・朝倉が城に篭ったままだった。
諸將們開始猜測,那沉默與其說是懼怕織田,不如說像是在等待些什麼;正當此時,信長竟突然將城交付秀吉,自身返回岐阜。
その沈黙は織田に怯えているというより、何かを待っているのでは、と諸将たちが考え始めたころ、突然信長は秀吉に城を任せ、自身は岐阜へ帰国した。
一直負責包圍淺井・朝倉的信長,在九月中旬十六日突然歸國,主要的武將們對此感到納悶。
それまでずっと浅井・朝倉包囲を指揮していた信長が、九月も半ば十六日に突然帰国した事を、主だった武将は訝しげに思った。
同時也生出疑慮,是否有不妙的消息傳來,才促使他歸國?
だが同時に疑念をも抱いた。何か良からぬ情報が入り、それで帰国したのではないかと。
彷彿印證此意,家臣們獲知一則情報:曾經解散的包圍網正逐漸重新形成。
それを示唆するように、一旦解けた包囲網が徐々に再結成されつつあるという情報を、家臣たちは得る。
但僅憑這點並不足以成為問題。
だがそれだけでは問題にはならない。
與上次不同,並非退路被斷,京都也未見落入敵手。而且信長已歸岐阜。即便現在組成包圍網,也無法對織田造成致命打擊。
前回と違い、退路を断たれた訳ではなく、京が敵の手に落ちる様子もない。そして信長は岐阜に帰国している。この状態で包囲網を形成しても、織田に痛手を負わす事は叶わない。
即便如此,包圍網仍在形成,原因為何?當織田一方的武將們思量各種可能時,忽然想到一項重大危機。
それでも包囲網が形成されていく理由は何か。その予想を織田方の武将たちが巡らせた時、一つの重大な危機に思い至ってしまった。
「是武田要來攻嗎?」
「武田が攻める、ですか」
對此大事感到憂心的秀長,幾乎直截了當地向竹中半兵衛逼問。
その重大事を危ぶんだ秀長は、単刀直入と言わんばかりに竹中半兵衛へ詰め寄った。
「正是如此。即使現在再建立包圍網,也沒有足以對織田重創的戰力。然而,他們正試圖重建曾崩潰的包圍網。為何如此?若這樣想,答案自會浮現。」
「左様。今、織田包囲網を作り上げても、織田を相手に痛撃できる戦力などありはしない。されど、奴らは一度崩れた包囲網を、もう一度作り上げようとしている。それはなぜか? と考えれば自ずと答えは出よう?」
「嗯……確實近來武田的動向怪異,這麼想也不是沒有道理。」
「ふむ……確かに武田の動きは、ここの所怪しいですからね。そうお考えになるのも、無理はないでしょう」
「失禮了,難道閣下另有高見?」
「失礼ながら、何かお考えがおありで?」
「並非如此,但確實多少抱有些樂觀的看法。」
「まさか。ですが若干、楽観視しているのも事実」
對竹中半兵衛而言,武田侵攻織田並非新聞,但他並未將此事顯露於色。
竹中半兵衛にとって武田の織田侵攻は既知の話だが、それをおくびにも出さない。
秀長眯起眼像是在探尋,隨即又露出和善的笑容。
何かを探るように目を細めた秀長だが、すぐに人の良い笑みを浮かべる。
「能否請您用我等也能理解的淺顯說明?」
「できれば浅学な某にもわかるよう、ご教示願えまいか」
「並非什麼難事。他們的軍資遠不及我方。若他們攻來,只要城中堅守抵抗,遲早他們的軍資會耗盡,不得不回國。」
「そこまで難しい話ではありません。彼らでは軍資金が我々ほど多く用意出来ない、と知っているからです。もし攻めてきても、城に篭って抵抗し続ければ良い。いずれ彼らの軍資金は底をつき、国許へ帰らざるを得なくなります」
「本願寺在那裡。若他們提供資金,武田可戰上多年。」
「本願寺がおりますよ。彼らが資金提供をすれば、武田は何年も戦えましょうぞ」
「即便本願寺提供資助,也買不到士兵的心。」
「仮に本願寺が資金援助を行っても、兵士たちの心までは買えますまい」
「確實」
「確かに」
因此秀長表面上表示接受。然而這時,他知道竹中半兵衛正與靜子舉行秘密會談。
それで表面上は納得した秀長だった。しかしこの頃、竹中半兵衛が静子と秘密の会談を持っていることを彼は知っていた。
他那位為兄的秀吉相信是為討論戰鬥用食物而已。但既然如此,為何要把會談保密,這點讓秀長心存疑慮。
自分の兄である秀吉は、戦闘食について話し合っているということで納得している。しかし、それならばなぜ、会談を秘密にしているのか、そこが秀長には引っかかっていた。
(不會那麼輕易就說破。嘛,從情形看起來不像是叛變之類的事。若有機會便能弄明白。)
(そう簡単に口を割るわけはありませんな。まぁ、様子から裏切りとかのお話ではなさそうです。機会があれば知る事もできましょう)
不知道的事被揭露很有趣,但對未知事物加以種種猜想也很有趣。秀長這麼想,便不再深問竹中半兵衛。
知らないことを知るのは楽しいが、知らないことをあれこれ考えるのも楽しい。秀長はそう思い、これ以上竹中半兵衛へ深く尋ねようと思わなかった。
(不過,靜子殿總是令人驚訝。先前的包圍網,一眼看穿敵方目的並讓對織田家有利的家臣穩當生存下來,手腕真是精彩。或許此番的沉默也是有何妙計在行動之中。呵呵……不會允許無聊的結局,靜子殿。)
(しかし、静子殿にはいつも驚かされますな。前(さき)の包囲網、相手の狙いを読み切って織田家に有益な家臣はしっかり生き延びさせた手腕は見事の一言。果たして此度の沈黙もまた、何事かの妙案あっての行動やも知れぬ。ふふっ……つまらぬ結末は許しませぬぞ、静子殿)
當織田家家臣們各懷盤算與疑惑時,信玄已召集了幾乎所有家臣。其中也有後來被稱為武田四天王的馬場信房與山県昌景的身影。
織田家家臣の面々が思惑と疑惑を抱えている頃、信玄はほぼ全ての家臣を呼び寄せていた。その中には後の武田四天王と呼ばれた馬場信房や山県昌景の姿もあった。
「竟然連我們也被召集,御屋形大人看來是認真的」
「我らまで招集とは、御屋形様は本気のご様子」
「要把織田那小子壓碎,未必需要我們全軍出動,但想必是那些僧人吵鬧吧」
「織田の小僧を捻り潰すのに、我らが全軍でかかる必要もないが、坊主どもが煩いのであろう」
「說起來秋山殿,傳聞你趁織田把目光轉向近江時,攻打其支城,情況如何?」
「そういえば秋山殿、そなたは織田が近江へ目を向けている間、奴の支城を攻めているとの話。どのような様子じゃ?」
「就算是在御屋形大人的宅邸,也不該把這種事大聲商量吧」
「これ、いくら御屋形様の屋敷とはいえ、大きな声で話し合う内容ではなかろう」
各自還自由交談著,信玄一進來談話立刻停止。信玄像往常一樣坐下,開口第一句就是這樣說道。
各自が自由に喋っていたが、信玄が入ってきた途端、会話はピタリと止まった。信玄はいつもの様に座ると、開口一番こう言った。
「自神無月(十月)初日起攻打織田領」
「神無月(十月)の初めより織田領を攻める」
說畢,家臣們同時俯伏。必要的商議已結束。之後只需加緊準備侵入織田領地,因此軍議簡短地結束了。
言い終えると同時、家臣一同が平伏する。既に必要な話し合いは終わっていた。後はもう準備を進めて織田領へ侵攻するのみゆえ、軍議はあっさりと終わった。
「真是神速。不過對付織田那小子程度,沒必要徒增軍議」
「まさに神速。だが織田の小僧程度、いたずらに軍議を重ねる必要もなし」
「嗯。照御屋形的棋譜行動便無問題。勝利已成定局,接下來只需進行收束的詰將棋」
「うむ。御屋形様の棋譜通りに動けば問題ない。既に勝利は確定した、後は詰め将棋を進めるのみ」
已擬定討取家康與信長的算計。雖略顯傲慢,但他們不過是在實踐兵法「勝軍者先得勝而後開戰」罷了。
家康と信長を討ち取る算段は出来ていた。幾分傲慢にも見えるが、彼らは兵法の「勝軍は勝利を得てから開戦する」を実践しているに過ぎない。
若在開戰前就建立勝勢,無論如何變化也不會敗。
いくさを始める前から勝利している状態を作っておけば、どう転ぼうと負けはない。
這說法並非錯誤。若盤面自始即已詰,開戰瞬間勝利即定。然而,除信玄外,他們忽視了一件大事。
それは誤りではない。最初から詰んだ状態の盤面ならば、戦端を開いた瞬間勝利は確定する。ただし、信玄を除いて彼らは大きな見落としをしている。
他們若欲取得「已詰的盤面」,對方當然也會力求獲得「更早將對手詰死的盤面」。
自身らが「詰んだ盤面」を得ようとするなら、当然相手も「より早く相手を詰ませた盤面」を得ようとするという事に。
「諸位,無一疏忽地做好作戰準備」
「各々、ぬかりなく、いくさの準備をしておけ」
為了給家臣上緊發條,信玄用略強硬的口氣發出警告。
家臣に釘を刺す意味で、信玄は若干強めの口調で警告を口にした。
另一方面,返回岐阜的信長正緊密收集各方情報。雖事先有所預知,但對於武田將發動攻勢,他仍稍感緊張。
一方、岐阜へ戻った信長は、各方面の情報収集を密に行っていた。事前に知っていたとはいえ、武田が攻めてくる、という事に彼は若干緊張していた。
他已獲報其中一座支城岩村城正與武田發生小規模衝突。這明顯是挑釁,但信長無餘力增派援軍。
既に支城の一つ、岩村城(いわむらじょう)で、武田と小競り合いが起こっているとの情報を彼は得ている。明らかに挑発行為、だが信長には援軍を送る余裕はない。
若此時此地派出援軍,對付武田所需兵力將進一步減少;但若不派援軍,其他勢力也可能倒向武田。
今、ここで援軍を送れば対武田戦で必要な兵力が更に減る。とはいえ援軍を送らないと、他の者も武田へなびいてしまう。
(我明白。這正是靜子的策略……但仍覺沉重。自從聽聞今川上洛的消息以來就有這種心情。)
(分かっておる。これこそが静子の作戦だと……だが、やはり重苦しい。このような気持ちは今川の上洛の報を聞いて以来よ)
已接獲報告,新型火繩槍——已非昔日火繩槍,甚至進化為別系統的火器——已製造數百挺。
既に新型火縄銃、もはや火縄銃にあらず、別系統の銃にまで進化した銃が、数百丁製造されているとの報は受けている。
儘管如此,信長仍無法排除不安。那些火槍很強,但僅靠它們是否足以征服武田?信長心存疑問,卻未向靜子發問。
それでも、信長は不安を払拭できずにいた。例の銃は強い、だがそれだけで武田を降せるのかを。信長は疑問に思ってはいたが、それを静子に問いはしなかった。
畢竟當他宣告「一切交給妳」,她回答「可以」。若提出疑問,等同於在說他不信任靜子。
何せ「全てを任せる」との宣言に彼女は「出来る」と答えた。その問いを投げかければ自分は静子を信用していない、と語るも同然だからだ。
因此並不會因此改變與靜子的關係,但信長的全權委任並非輕率之事。
それで静子との間がどうなるわけではないが、信長の全権委任はそれほど軽い物ではない。
他認為一旦給予的信任再去懷疑,就是愚行,如同質疑鼎的輕重(即質疑有實力者的能力)。
一度置いた信を疑うは鼎(かなえ)の軽重(けいちょう)を問う(実力者の実力や能力を疑うこと)愚行、と彼は考えていた。
(不論我如何思考,仍找不出能屠戮武田的策略。只得押注於那些火槍與靜子的計畫,還有她所說的「新技術」。先前的包圍網她也出色完成,此處只能信任並等待。)
(何(いず)れにせよ、わしがどれだけ考えようとも、武田を屠り得る策が見いだせなかったのだ。あの銃と静子の作戦、それから奴のいった「新しい技術」に賭けるしかない。前の包囲網でも、奴は見事にやり遂げた。ここは信じて待つしかない)
此時,正在自由慵懶睡覺的土耳其安哥拉貓虎次郎進入信長視線。他看了虎次郎一眼,神色放鬆下來。
その時、自由気ままに寝ているターキッシュアンゴラの虎次郎が信長の視界に入る。少しだけ虎次郎を見て、彼は顔を緩めた。
(沒錯,焦急無法解決任何事。靜子比我,甚至比織田家任何人都更會衝進最危險之處。既然她拿生命賭注,我又何必慌張奔走。不過照常穩住陣腳即可。)
(そうじゃ、焦ろうが何も解決しない。静子はわしよりも、否、織田家の誰よりも一番危険な所に飛び込むのだ。奴が命をかけておるのに、わしが右往左往してどうする。いつもの様に、どっしりと構えておれば良いのだ)
信長撫摸虎次郎的背,虎次郎彷彿覺得舒服,神色放鬆,眯起眼咕嚕叫著,還催促要更多的撫摸。
信長は虎次郎の背中を撫でる。気持ちいいと言わんばかりに、虎次郎は顔を緩ませる。目を細めてゴロゴロしながらも、もっと撫でろと催促する。
再撫到下巴與頭部時,虎次郎已完全軟糯無力。到那時信長的不安也已煙消雲散。
顎の下や頭なども撫でると、虎次郎はもはやふにゃふにゃ状態だった。その頃には信長の不安は霧散していた。
「嗯。起初以為動物之類的沒什麼,但撫貓真舒服。是說……確實靜子曾說能減輕心中的不安與壓力。好極了,心情變輕了」
「うむ。最初は獣なぞ、と思っていたが、猫を撫でるのは心地良いの。なんだったか……確か心の不安を、静子はすとれす? と言っておったな。良いぞ、心が軽くなる」
信長雖然寵愛貓,但他並非唯一特別這樣的人。
猫を可愛がる信長だが、彼だけが特別という訳ではない。
織田家在城堡與砦的糧倉附近放養貓,作為防治竊食糧食的老鼠之策。
織田家は城や砦の中にある食料庫付近に猫を放し飼いにしている。これは食料庫にある食料を狙うネズミ対策だ。
自古以來日本,甚至全世界的執政者們皆為侵入糧倉的老鼠頭疼,而最有效的防鼠法便是放養貓隻。
古くから日本、否、世界の為政者たちは、食料庫に入り込むネズミに頭を悩ませていた。そのネズミ対策でもっとも効率の良い方法が猫の放し飼いである。
有一說從公元前約4000年起,人們就把被認為是家貓祖先的利比亞山貓放養在糧倉四周,並讓牠們同乘運送食物到其他地方的船隻。
一説には紀元前4000年前から、イエネコの祖先と言われているリビアヤマネコを食料庫の周りに放し飼いにし、他の場所へ食料を運ぶ船にも同乗させていたと言われている。
貓的捕鼠能力很強,且不會破壞糧倉裡的食物。若從出生兩個月起給予適當訓練,就不會對人抱有敵意。
猫はネズミ狩りの能力が高く、また食料庫にある食料を食い荒らしたりしない。生後二ヶ月から適切な訓練をすれば人に敵意を向ける事もない。
雌性比雄性更受優待,因為貓科動物是由母貓進行狩獵。要注意的是父母要有捕鼠經驗,以及幼子在長大之前不能離開母親。
オスよりメスが優遇されるが、ネコ科はメスが狩りを行う動物だからだ。注意すべき点は親がネズミ狩りの経験を積んでいる事と、子は大きくなるまで親元から放さない事だ。
貓基本上是從親代傳給子代狩獵技巧。正如前述,母貓在撫育幼貓的過程中會示範獵捕方法讓牠們學會。
ネコは基本的に親から子へと狩りの手法を受け継ぐ。前述の通り母ネコが子ネコを育てる過程で、狩りの手法を見せて覚えさせるのだ。
在育兒期的母貓會變成特別優秀的獵手,因為母性本能強的母貓會為了巢裡等著自己回去的孩子,盡可能多捕獲獵物。
子育て期の母ネコは特に優秀なハンターへと変貌する。これは母性本能の強い母ネコが、巣で己の帰りを待つ我が子のために少しでも多くの獲物を捕らえようとするからだ。
即便在現代,家貓把牠們捕到的老鼠或昆蟲屍體帶給飼主,仍被認為是把飼主當成無法捕獲獵物的幼貓,並試圖分享食物。
現代でも飼いネコが飼い主に己が狩ったネズミや昆虫の死骸を持ってくるのは、飼い主を狩りが出来ない未熟な子ネコだと考え、食料を分け与えようとしていると考えられている。
在織田家也用放養貓來解決針對糧倉的老鼠問題,比起雇人防鼠便宜,且不用擔心間者等問題。
織田家でも食料庫を狙うネズミ対策を、ネコを放し飼いにする事で解決していた。ネズミ対策に人を雇うよりも安く、間者などの心配をする必要もない。
只靠捕來的老鼠當餌也沒問題,不能輕易由人干預而使牠們的狩獵本能鈍化;當然若狩獵成果不佳也會給予飼料。
餌も狩猟するネズミだけでも問題なく、下手に人が手を加えて狩猟本能を鈍らせる訳にはいかない。無論、狩猟の成果が悪ければ餌を与えもするのだが。
「哈哈哈,討喜的小傢伙」
「はははっ、愛いやつめ」
看到抱在手裡磨蹭的虎次郎,信長的臉頰不自覺地放鬆。然而,他太專注於寵愛虎次郎,沒注意到那些投向他自己的目光。
手に抱きついてすりすりする虎次郎を見て、信長の頬が自然と緩む。しかし、虎次郎を可愛がる事に集中しすぎて、彼は自分に向けられた視線に気付かなかった。
信長察覺到糾纏在自己身上的視線後,快速抱起虎次郎拉開距離。向後退的同時從懷中掏出匕首準備投擲。
信長は己に絡みつく視線に気付くと、素早く虎次郎を抱えて間合いをとる。後ろへ下がると同時に小刀を懐から取り出して投げようとする。
但當他認出視線的主人時,信長便停下了手的動作。
だが、視線の主に気付いた所で、信長は手の動きを止めた。
「你在做什麼」
「何をしておる」
剛才緊張的氛圍消散,信長的表情浮現出無奈。門口微微開著,從那裡探頭出來的人是濃姫。
先ほどの緊迫した雰囲気は霧散し、信長の表情に呆れが浮かぶ。入り口が少し開けられ、そこから顔を覗かせている人物は濃姫だった。
她微微一笑,然後輕輕地推開門口。
彼女は小さく笑みを浮かべると、入り口を静かにあける。
「我還以為殿正在把可愛的孩子占為己有,所以就在這裡等著事情結束呢」
「殿が愛しい娘を手籠めにでもしておるのかと思い、こうして終わるのを待っていたのですよ」
「笨蛋。那種事我根本沒想過吧」
「馬鹿者が。そんな事、毛頭思っておらぬであろう」
從濃姫的態度可以推測,她是在愉快地看著一本正經的信長與虎次郎嬉戲。
濃姫の態度から、堅物の信長が虎次郎と戯れているのを楽しんで眺めていたと推測出来る。
信長雖覺得可惡,但既是自己出醜,無論現在說什麼也只會越抹越黑,於是閉口不言。
忌々しいと思った信長だが、無様を晒したのは自分ゆえ、今さら何を言おうとも恥の上塗りに過ぎないと考え口を噤む。
「那麼,有何事?」
「それで、何用だ」
當濃姫坐到他旁邊、把虎次郎放在肩上時,信長向她問道。享受超越常規自由的濃姫不會無緣無故來到信長這裡。
虎次郎を肩に乗せている間に隣へ座った濃姫に、信長は問いを投げる。常識を超えた自由を満喫している濃姫が、理由もなく信長の許を訪れる事はない。
「因為無聊。」
「つまらぬからです」
「什麼?」
「何?」
「雖說是大事,但殿完全沒有任何改變。簡直淡定到遲鈍的程度。請稍微手忙腳亂一些,讓妾得以娛樂。」
「一大事というのに、殿は全くお変わりがありません。それこそ鈍いぐらい動じておりませぬ。少しは右往左往して、妾を楽しませて下さい」
「關於你那惡趣味姑且不論。如今再手忙腳亂有何用?賽已擲出,接下來只需等待結果。」
「貴様の悪趣味については、言うても詮無きこととして。今さら右往左往して何になる。すでに賽は投げられた。後は結果が出るのを待つのみだ」
「哦,向來夜夜為此苦惱的殿,可是在此時想到妙策了嗎?」
「おや、毎夜あれほど悩んでおられた殿が、ここに来て妙案でも浮かんだのでしょうか」
「想知道就自己找答案吧」
「知りたくば自分で答えを見つけよ」
「呵呵,若答案輕易就明白就太無聊了。發現一塊碎片就思索各種可能也是一種趣味」
「ふふっ、確かに答えが簡単に分かってはつまらぬもの。欠片を一つ見つけてはあれこれ考えるのも一興」
這種談話大概不像夫妻,但這並非特例,信長與濃姫的對話基本上就是這樣。由於彼此心情他人難以理解,其他國家都認為他們夫妻關係糟糕透頂。
およそ夫婦らしからぬ会話だが、今回が特別ではなく信長と濃姫の会話は基本今回のような感じだ。余人には理解出来ぬ心情ゆえ、他の国では夫婦仲は最悪と思われていた。
因此接近濃姫的間者很多,但這是錯誤的選擇,間者也會親身體會到這點。
それゆえ濃姫に近づく間者は多いが、それが間違った選択肢である事を、間者は身をもって知る。
「儘管如此,立足點很容易看出。但這不說出口,先留在妾心裡。殿,若想知道妾的想法,就請自己找答案。」
「とはいえ、足懸かりは簡単に分かります。が、それは口にせず、妾の胸の内に留めておきましょう。殿、妾の考えを知りたくば、自分で答えを見つけて下さい」
「剛才是以其人之道還治其人之身嗎。哼,笨蛋。你的心思我早已看穿。你以為我和你相伴多少年了?」
「先ほどの意趣返しか。ふん、馬鹿者が。貴様の考えなどお見通しよ。何年、貴様と連れ添ったと思っておる」
「哦,這真是令妾高興的話。殿竟如此掛念妾呢」
「おや、これは嬉しい話です。殿はそれほど妾を思うてくれておられるのですね」
「隨你想吧」
「好きに考えよ」
「那我就隨便想好了。那麼,殿,妾要前往靜子那裡。再過不久就是能取得很多美味食物的時節。會邀請まつやねね一起去,好好享受美食。」
「では好きに考えさせて頂きます。さて、それでは殿、妾は静子の許へ向かいます。もうすぐ旨いものが多く手に入る時期。まつやねねも誘って、食を堪能して参ります」
曆法上進入秋季,包含稻米在內的許多食材會集中採收。靜子軍是職業軍人所以與田地農務無涉,但可能懷念農民時代會幫忙附近村子的收成。
暦では秋に入り、米を含む多くの食材が集まる時期だ。静子軍は職業軍人なので田畑の仕事は関係ないが、百姓時代が懐かしいのか近くの村の収穫を手伝う事はある。
就算靜子本人已晉升為重臣,仍會從事田間工作。尤其東南亞諸國的水果如今只有在靜子那裡才有。
静子自身も重鎮に上り詰めていようが、田畑の仕事は行っている。特に東南アジア諸国の果実は今、静子の許にしか存在していない。
最近有情報傳到濃姫那裡,說繼芒果之後開始收穫一種叫香蕉的作物。
そして最近、マンゴーに続きバナナという作物を収穫し始めている情報が濃姫の許に届いた。
「……隨你便」
「……好きにいたせ」
信長察覺到濃姫的目標是在香蕉,但沒有將那個問題說出口。
信長は濃姫の狙いがバナナにある事を察したが、その質問を口にはしなかった。
香蕉的採收時期會因栽培時期而異。另外,與現代的無籽香蕉不同,戰國時代只有可稱為原種的有籽香蕉。
バナナは栽培時期によって収穫時期が異なる。また、現代の種なしバナナと違い、戦国時代には原種とも言える種ありバナナしかない。
依照現代日本農林水產省的定義,香蕉被歸類為果樹。因為農林水產省把一年生植物定義為蔬菜,多年生植物定義為果樹(かじゅ)。
現代日本の農林水産省による定義では、バナナは果樹に分類される。農林水産省の基準では一年草を野菜、多年草を果樹(かじゅ)として定義しているためだ。
照這個定義來看,在流通上被當作水果的西瓜或甜瓜等,其實也是一年生植物(いちねんせいしょくぶつ),會被歸為蔬菜。
この定義に従えば流通上は果物に分類されているスイカやメロン等も一年生植物(いちねんせいしょくぶつ)であり、野菜になってしまうのだ。
在蔬菜之中還有一個特別的分類為「主食」,在日本是指定米,但在歐美則把米歸為蔬菜。
野菜の中でも特別な位置づけとして「主食」があり、日本では米が指定されているが、欧米では米は野菜に分類される。
何者被視為蔬菜、何者被視為果實,因地區而異,定義不同。
何を野菜にし、何を果実とするかは地域によって定義が異なる。
「香蕉雖然叫香蕉,但籽又硬又多,很難吃。而且也沒現代品種那麼甜」
「バナナって言っても、種が堅い上に多くて食べにくい。おまけに現代の品種ほど甘くない」
現代的香蕉含糖量高,但野生香蕉並不像所說的那麼甜。
現代のバナナは糖分が高いが、野生のバナナは言うほど甘くない。
其中有些品種的口感近似馬鈴薯泥,與其說是水果,不如說常被當作料理材料來烤或炸。
中にはマッシュポテトに近い食味を呈する品種もあり、果実というより焼いたり揚げたりと料理の材料に使われる場合がある。
此外,乍看之下香蕉似乎除了果實外別無可用之處,但從採收後的莖部可以取出堅韌的纖維。
また、一見すると果実以外に利用できる部位が無さそうに思えるバナナだが、バナナを収穫した後の茎の部分から丈夫な繊維を得ることができる。
這種纖維性質與麻極為相似,作為替代材料被用於各種製品。
この繊維は性質が麻と酷似しており、代用品として様々な製品に利用されている。
在從香蕉莖取纖維的解繊(かいせん)工程中,不需化學藥品處理且不費太多工夫,這點也受到肯定。
バナナの茎から繊維を取り出す解繊(かいせん)工程において、化学薬品による処理が不要かつ、手間が掛からない点も評価されている。
現代因栽培量大,香蕉的莖多被視為產業廢棄物,但在戰國時代的日本,僅在靜子那裡少量生產而已。
現代ではその栽培量から産業廃棄物扱いのバナナの茎だが、戦国時代の日本では静子のところでのみ少量生産されているに過ぎない。
因此並不需要特地花功夫去取纖維,且不挑氣候的麻就足夠了。
したがって別に手間をかけてまで繊維を取る必要はなく、気候を選ばない麻で充分事足りる。
另外也能從鳳梨葉取纖維,然而相較於投入的大量勞力,所獲纖維量少,生產性傾向於低下。
他にもパイナップルの葉からも繊維を取ることができる。しかし多くの労力を必要とする割に、得られる繊維量が少なく生産性が低い傾向にある。
用鳳梨葉纖維製成的布在菲律賓被稱為皮尼亞(ピーニャ),被傳為如羽衣般薄且細緻的織物。
パイナップルの葉からとれる繊維で作られる布はフィリピンに於いてピーニャと呼ばれ、羽衣のように薄く繊細な織物として伝えられている。
皮尼亞生產性低的原因之一據說是葉脈纖維易斷,要織出所需長度需要高度的技術。
ピーニャの生産性が低い一因は葉脈繊維であるため切れ易く、必要な長さに織り上げるには高度な技術が必要とされるからだと言われている。
此外,現代已開發出以易處理的蠶絲為經糸(たていと)的絲質皮尼亞,生產性與需求都在上升。
尚、現代では扱い易い絹糸を経糸(たていと)に用いたシルクピーニャが開発され、生産性と需要が上がってきている。
「花苞也吃過了,不過還算普通吧」
「つぼみも食べてみたけど、割と普通だったかなぁ」
香蕉會開紫色的花,花退去之後會自上而下逐漸轉成果實。然而先端會殘留一個大的雄蕊,那個雄蕊不會變成果實,會在適當時期被切除。
バナナは紫の花が咲き、それが後退した後、上から順に果実へと置き変わる。しかし、先端に大きな雄しべが残り、この雄しべは果実に変わらないため、適切な時期に切り落とされる。
放著不理的話會自己掉到地上,但切除可以將更多養分送到果實。此外,在日本雖不常見,但在東南亞花苞也被當作蔬菜食用。
放置してもひとりでに地面へ落ちるが、切り落とす事で果実へより多くの養分が送られる。また、日本では馴染みがないが、東南アジアではつぼみも野菜として扱われ食されている。
香蕉的花苞像筍一樣剝去外皮,只食用內部。口感與筍相似,但生吃會有些難以入口,且從衛生角度來說還是燙過比較好。
バナナのつぼみは、タケノコのように外皮を剥がして、中の部分だけを食す。食感はタケノコと似ているが、生のままでは少し食べづらく、衛生上の観点からも湯通しした方がよい。
在東南亞,ゲーン・フアプリー(名字如其義為香蕉花苞湯)是經典菜色。
東南アジアではゲーン・フアプリー(名前の通りバナナのつぼみスープ)が定番だ。
「嘛,放著讓它腐掉也太可惜了,還是把香蕉收了帶回去吧」
「まぁ放置して腐らせるのももったいないし、バナナを収穫して帰ろう」
會從為防止昆蟲而包袋的香蕉中,挑出熟成可以食用的果實來收成。現代通常在熟之前就採收,利用運送途中成熟,但既非商品就可以等到熟了再採。
虫がつかないように袋を被せられたバナナから、熟して食べられるものを選別して収穫する。現代では熟す前に収穫し、輸送中に熟させる方法が一般的だが、商品ではないので熟すまで待てる。
雖然也能用種子栽培,但香蕉多以從根元長出的吸芽株分來繁殖為佳。不過種子與吸芽在生長速度與收成時期上幾乎沒差別。
種からでも栽培出来るが、バナナは根元から出る吸芽を株分けして増やす方が良い。とはいえ、種と吸芽で成長スピードや収穫時期は殆ど変わらない。
單純是多被用於料理,所以對種子的期待不高而已。
単純に調理に使われる事が多いので、種はあまり期待していないだけだ。
只是株分只會增加克隆,要進行品種改良就必須採取種子。因此優良個體的果實不會拿來吃掉。
ただ株分けではクローンが増えるだけであり、品種改良をするためには種を採取する必要がある。このため優良個体の果実は食用に回されない。
透過種子與吸芽兩者栽培,固定對人類有用的遺傳性狀。這一點與其他作物無異。
種と吸芽、両方で栽培して人間にとって有用な遺伝形質を固定していくのだ。この点は他の作物と変わらない。
「好,回去吧」
「よし戻ろう」
靜子抱著裝有香蕉的籃子走出溫室。但在回家的途中,看見了熟悉的駕籠。隨即靜子轉身回望。
バナナが入ったかごを抱えて静子はビニールハウスを出る。しかし、家に戻る途中、見覚えのある駕籠が見えた。と同時に静子は回れ右をする。
「這、是要逃走的理由嗎?」
「これ、逃げるとはいかな理由ぞ」
但就在她轉身的瞬間,背後被人抓住雙肩。不知何時靠近迂回到背後,靜子完全不明白。然而會做這種事的人只有一個人。
だが回れ右をした瞬間、背後から両肩を捕まれた。いつの間に近づいて背後に回ったのか、静子は全く分からなかった。だが、そんな事をする人間は一人しか知らない。
「我不是要逃喔——只是想說可能需要點準備啦——」
「逃げた訳ではないですよー。準備がいるかなーと思っただけですよー」
靜子有些機械地說著辯解。辯解似乎沒有用,作為回應的是被扯了臉頰。
若干、棒読みで静子は言い訳を口にする。言い訳は通じなかったようで、返答の代わりに頬を引っ張られた。
「你那兒既沒有廚房也沒有倉庫喔。躲著我真寂寞」
「そちらには台所も倉もないぞえ。妾を避けるとは寂しいぞ」
「好啦,拜託,請幫幫忙吧」
「いいひゃら、はにゃひしてくだひゃい」
「喔,原來如此。那籃子裡的是什麼?」
「おお、そうじゃった。で、かごのものはなんぞえ?」
剛放開靜子的臉頰後,濃姫眼尖地發覺靜子提著籃子。裡頭是從未見過的形狀,濃姫立刻被吸引了興趣。
静子の頬を引っ張るのをやめた直後、濃姫はめざとく静子がかごを持っている事に気付く。中は見たこともない形をしたもので、濃姫はすぐに興味を引かれた。
「是南蠻來的果實,香蕉喔。之前是伴天連獻上的,我想館主也曾品嘗過吧」
「南蛮の果実バナナですよ。以前、伴天連より献上されて、お館様もお召し上がりになったと思いますが」
據留存的記錄,在日本最先吃香蕉的人被認為是信長。
記録として残っている中では、日本で最初にバナナを食べたのが信長とされている。
或許在此之前有日本人吃過香蕉的可能性存在,但沒有記錄的話便不予考慮。
もしかしたら、それ以前にバナナを食べた日本人がいる可能性はあるが、記録にないものは考慮されない。
現代的無籽香蕉是由突變產生,因此推測當時信長吃到的是籽很多的香蕉。
現代の種なしバナナは突然変異で生まれたものゆえ、当時信長が食べたのは種がつまっているバナナだと考えられている。
「喔,是這樣啊。好像抱怨說籽很多不好吃。」
「おお、そうじゃった。なにやら種が詰まって食べにくい、と愚痴をこぼしておられたな」
「嗯,也是呢……怎麼看都不像是能直接吃的東西。」
「まぁそうですよね……どう見ても、そのまま食べるものじゃないですよね」
原生種香蕉內充滿硬硬的籽。要把它變成無籽香蕉,必須讓原生種香蕉從「二倍體」(染色體成對)變為「三倍體」(染色體三套)的狀態。
原種バナナには硬い種が詰まっている。これを種なしバナナにするには、原種バナナが「二倍体」(染色体の数が二本ずつになっている)状態から「三倍体」(染色体の数が三本ずつになっている)状態に変化させる必要がある。
一般而言染色體變為三倍體後細胞分裂會變得不規則,因而不容易形成籽。有時甚至不成熟就會持續生長。
一般的に染色体が三倍体へ変異すると細胞分裂が不規則になる。それにより種が出来にくい性質を持つようになる。場合によっては成熟する事なく、成長し続ける事もある。
現代不只作物,連魚類等也積極研究如何製成三倍體。像飛驒大天女魚等在部分領域已建立方法並實用化。
現代で作物に限らず魚なども三倍体にする方法が盛んに研究されている。飛騨大天女魚(ひだおおあまご)など一部では方法が確立され実用化されている。
其原因在於牠們不會性成熟,因而不再將養分用於產卵,肉質維持不變地持續成長。
その理由は性成熟をしないため産卵に栄養を取られなくなり、肉質も変化しないまま成長し続けるためだ。
雖然還有其他理由,三倍體動植物最大的優點是對人類食用方便,且無法繁殖因此不會對生態系造成傷害。
他にもいくつか理由はあるものの、三倍体の動植物のもっともな利点は、人間が食用するのに都合が良く、子孫を残せないため生態系にダメージを与えない点だ。
(不過將三倍體魚放流到自然水域,依水產廳要綱是被禁止的)
(ただし三倍体魚の自然水域への放流は、水産庁の要綱(ようこう)で禁じられている)
「有沒有可能像對魚那樣把籽消除掉?」
「魚のように種を消す事は不可能かえ?」
「是說山女魚嗎?那個只要把卵放在溫水裡就能造成環境變化,但香蕉方面就不知道了……」
「アマゴの事ですか? あれは卵をぬるま湯に付けるだけで、環境変化を起こせましたがバナナはなんとも……」
把山女魚的受精卵在正常環境下孵育會誕生帶有二倍體染色體的山女魚;但若對受精卵施以如溫水的環境變化,便會產生三倍體的山女魚。
アマゴの受精卵を通常の環境で育てれば、二倍体の染色体を持つアマゴが誕生する。しかし、受精卵をぬるま湯につけるという環境変化を起こせば、三倍体のアマゴが誕生する。
對人類而言水與溫水差異不大,但對魚來說溫暖的水就是重大的環境變化。
人間からすれば水とぬるま湯にさしたる違いはないが、魚からすれば温かい水という時点で大きな環境変化が起きているのだ。
由此便會誕生三倍體的山女魚。通常一年即產卵並終老的山女魚,一旦成為三倍體便不產卵、持續成長數年。
それによって三倍体のアマゴが誕生する。通常一年で産卵し寿命を迎えるアマゴが、三倍体になると産卵せず数年成長し続ける。
談到染色體的變化,常被誤以為是在進行基因操作。
染色体の変化、というと遺伝子操作をしていると思われがちだ。
但實際上只是讓動植物感知到環境改變,例如浸於溫水、施加非自然的水壓等,使本應被排除的染色體得以保留,進而形成三倍體。
しかし実際はぬるま湯につける、通常の環境にはない水圧をかけるなど、動植物に環境変化だと認識させて、本来排除される染色体を保持させて三倍体にしているだけだ。
此外在人類也會發生類似三倍體的染色體突變,例如「超級男性症候群」、「超級女性症候群」、「克蘭費爾特症候群」等。
また「スーパー男性症候群」や「スーパー女性症候群」、「クラインフェルター症候群」など人間でも三倍体のような染色体の突然変異は起きている。
「山女魚本來也只是鮭魚的附帶研究,而且做成三倍體利潤更好嘛」
「アマゴは鮭のついででしたし、三倍体にした方が利益も良いですからね」
「一開始有人說那是山女魚的時候,我還以為是在戲弄妾呢」
「最初、あれがアマゴと言われた時は、妾をからかっておるのかと思うたぞ」
三倍體的山女魚依生長程度可長到一公斤。相比平均只有一百克的二倍體山女魚,被認為是另一種魚也不足為奇。
三倍体アマゴは成長具合如何によって一キロまでにも成長する。平均百グラムの二倍体アマゴに比べれば、別の魚と思われても不思議ではない。
事實上,當端出一尾六百克的三倍體山女魚時,靜子差點被信長揍了一拳。
実際、六百グラムの三倍体アマゴを出した時、静子は信長から拳骨を頂戴するところだった。
「只因微小的環境變化,便出現與本性不同的性質,生物真是奇妙啊」
「ちょっとした環境の変化で、本来とは違った性質を持つのですから、生物って不思議ですよね」
「別說些聽起來有道理的話來敷衍妾的問題」
「それっぽい事を語って、妾の質問をはぐらかすでない」
「被發現了嗎。香蕉也是有可能,不過植物相對較難,因此雖然覺得能做出三倍體,但無法保證何時能成」
「バレましたか。バナナでも可能ですが、植物は割と難しいのですよね。だから三倍体に出来るとは思いますが、いつ出来るかは確約出来ません」
現代也存在二倍體的無籽香蕉,但那是長年努力的結晶。若能如此輕易地產出三倍體或二倍體的無籽香蕉,便不會這般費心。
現代では二倍体の種なしバナナも存在するが、それはたゆまぬ努力の結晶だ。そう簡単に三倍体、二倍体の種なしバナナが出来れば苦労はしない。
現代市面上也有無籽西瓜,但比起山女魚或鮎要更費工。先栽培一般的西瓜,在發芽時期向芽灑上如秋水仙素等藥劑。
現代では種なしスイカなども出回っているが、アマゴや鮎より手間がかかる。まず通常のスイカを栽培し、芽生えの時期にコルヒチンなどの薬品を芽にかける。
若如此直接培育便會成為四倍體西瓜;隔年,將從四倍體西瓜採得的種子播種,並與二倍體西瓜授粉栽培。
これをそのまま育てると四倍体のスイカとなる。翌年、四倍体のスイカから採取した種をまき、二倍体のスイカと受粉させて育てる。
從培育出的西瓜採取種子時,那些種子已是三倍體;再培育出來便是三倍體,也就是無籽西瓜。單算時間就要花三年。
育てたスイカから種子を採取すると、その種子は三倍体の種子となっている。それを育てると三倍体、つまり種なしスイカが出来上がる。単純計算して三年もかかる寸法だ。
考慮到其中的工時與成本,無籽西瓜不會大量出現在市場也不足為奇。
その間の手間暇を考えれば、種なしスイカが市場に多く出回らないのも無理はない。
「別抱太大期待,先來好好享受靜子帶來的那串香蕉吧」
「期待せず待っておこう。まずは静子の持っているバナナとやらを堪能しよう」
「(啊,果然要吃啊)那麼,請用」
「(あ、やっぱり食べるんだ)では、どうぞ」
靜子從籃子裡挑了一串香蕉,扯下一根最末端的,遞給濃姬;她接過香蕉剝皮,凝視果肉片刻後咬了一口。
静子はかごに入っているバナナから1房を選び、一番端のバナナを一本千切る。濃姫に差し出すと、彼女はバナナを受け取って皮をむいた。しばし実を眺めた後、一口食べる。
「甜中帶著淡淡的酸味,讓甜味更突出啊。只是處理籽有些麻煩罷了」
「甘みの中に、ほのかな酸味がある。それが甘さを引き立てるのぅ。種の処分が少し面倒じゃが」
有籽香蕉像木通一樣,把籽和可食部分一同放入口中,在口中分離。雖然有點累人,但籽很硬,比起咬碎來說更輕鬆。
種ありバナナはアケビ同様、種ごと口に入れて可食部と種を、口の中で分離する。少々疲れる食べ方だが、種が硬いのでかみ砕くよりは楽だ。
濃姬下顎並不夠強壯到能把籽咬碎;因此她必然把可食部分和籽在口中分開,吐出籽後享用可食部分。
種をかみ砕くほど濃姫のあごは強くない。必然的に食べては可食部と種を口の中で分け、種をはき出した後、可食部を堪能していた。
「能理解大人說吃起來不方便這點了」
「殿が食べにくいと仰ったのも納得じゃ」
儘管如此,濃姬還是把三根香蕉吃光了。
そんな事を言いながらも、バナナを三本平らげた濃姫だった。