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戦国小町苦労譚

千五百七十一年 九月中旬

靜子不禁覺得政治的世界真是不可思議。

政治の世界とは摩訶不思議である、そう思わずにはいられない静子だった。

從京城到岐阜,從岐阜回到尾張,靜子等人解散軍隊後各自返家。相隔一個月回到自家,完全沒變,唯一改變的是與來時不同,人多了。

京から岐阜、岐阜から尾張へと戻った静子たちは、軍を解散すると各々帰路につく。一ヶ月ぶりの我が家は全く代わり映えしなかった。変わったことと言えば、行きと違って人が増えた事だ。

「以織田家重鎮的身份來說竟然這麼寒酸……失禮,是樸素的宅邸呢」

「織田家の重鎮にしては酷くみすぼらしい……失礼、素朴な邸宅ですな」

「失禮了啊,半藏殿。不過確實感覺有點小」

「失礼だぞ、半蔵殿。しかし流石に小さい気はする」

在德川家臣團中,身為德川十六神將一員的服部半藏,以及成為德川三傑之一的本多忠勝兩人,對靜子的家發表感想。

徳川家臣団の内、徳川十六神将の一角になる服部半蔵、そして徳川三傑の一人となる本多忠勝の二人が、静子の家を見て感想を述べる。

除了知道信長與家康之間進行了某種交易,兩人被托付給靜子外,靜子並不清楚其他事。

信長と家康の間で何かしらの取引が行われ、二人が静子に預けられる形となった事以外、静子は知らない。

雖然會想資訊安全上是否有問題,但靜子手上的技術大多散佈各地,與其集中調查她,不如在各地布置忍者來得快捷。

情報セキュリティ的に問題ないかとも思ったが、静子の元にある技術の大半は各地に散らばっている。今さら彼女を集中的に調べるよりは、各地に忍びを配置する方が手っ取り早い。

剩下的要麼是戰國時代無法再現的現代品,要麼是尚未大量生產出來的物品。

残っているものは戦国時代では再現出来ない現代品か、それとも生産が追いついていない物だけだ。

「(即便如此也應該注意吧)有幾點要注意,特別請勿進入山中。那大半是野生動物的領地,牠們會為驅逐外來者而發動攻擊。特別是深處的闊葉林區會有熊出沒,請留意。」

「(それでも一応、注意しないと駄目だよね)注意点が幾つかありますが、特に山へ入らないよう注意お願いします。大半が野生動物の縄張りゆえに、外敵を排除しようと攻撃を仕掛けてきますからね。特に奥の広葉樹林地区には熊が出ますので、ご留意下さい」

在本土生息的動物中,位於生態金字塔頂端的就是月輪熊(ツキノワグマ)。

本土に生息する動物の中で、生態系ピラミッドの頂点に位置する動物がツキノワグマだ。

月輪熊雖屬熊類中小型,但具有時速30到60公里的奔跑能力與能維持數小時的耐力,從帶有像小刀般利爪的前肢發動的攻擊能連灌木都擊倒。

熊の中では小型に分類されるツキノワグマだが、時速30から60キロで走る脚力とその状態を数時間維持できるスタミナ、小刀ほどもある爪を備えた腕から繰り出される攻撃は灌木すらなぎ倒す。

因此若遭月輪熊攻擊,人類根本不是對手;若牠用後腿站立並以頭部襲擊,頸部以上就會與軀幹悲慘分離。

故にツキノワグマに攻撃されれば人間など一溜まりも無く、後ろ足で立ち上がり頭でも狙われようものなら首から上が胴体と泣き別れになるほどである。

牠們的食性出乎意料地偏向植食,屬雜食性,以橡果和栗子為主食,但也會捕食昆蟲、動物屍體、猛禽類的雛鳥或草食動物的幼獸。

そんな彼らの食生は意外にも植物食傾向の強い雑食だ。どんぐりや栗などを主食とするが、昆虫や動物の死骸、猛禽類の雛や草食動物の幼獣を捕食する事もある。

談到熊常會想像牠們吃鮭魚,但吃鮭魚的並非月輪熊,而是棕熊或灰熊(ヒグマやグリズリー)。

熊と言えば鮭をよく食べているイメージはあるが、鮭を食べている熊はツキノワグマではなくヒグマやグリズリーである。

「想請各位注意,我們飼養了各種動物。只要是觀賞程度無妨,但請盡量避免接觸。許多都是依御館大人的指示飼育的珍貴動物,若不慎將其殺害,可能會向德川大人索取鉅額賠償,甚至足以買下一座城池的金額。」

「ご配慮願いたいこととしまして、うちでは色々と動物を飼育しております。眺める程度なら構いませんが、可能な限り接触は避けて下さい。御館様のご指示により生育している貴重な動物が多いので、万が一にも殺めてしまうと徳川様に莫大な金子を請求することにもなり得ます。それこそ城一つ贖えるほどの金額です」

「例如是哪些獸類呢?」

「例えばどの様な獣かね」

「有我國的特有種雷鳥、南蠻犬、貓、狼,以及象龜這種長壽的象徵。特別是南蠻貓深得御館大人和近衛大人的喜愛,若傷及牠們一定會惹來不悅。」

「我が国の固有種である雷鳥、南蛮の犬、猫、狼、そして長寿の象徴である象亀です。特に南蛮猫はお館様や近衛様のお気に入りですので、確実にご不興を買うことになるでしょう」

大多數野生動物聚居在食物豐富的落葉闊葉林區,但在針葉林區則有雷鳥棲息。

野生動物の大半は餌が豊富な落葉広葉樹林地区にいるが、針葉樹林地区には雷鳥が生息している。

現代日本特有種的日本雷鳥已被指定為特別天然紀念物;但在戰國時代尾張的小山也能確認其存在,由此可見過去分布更為廣泛。

現代では日本固有種の日本雷鳥は特別天然記念物に指定されている。しかし戦国時代の尾張にある小山にも生息が確認出来る所を見るに、昔はもっと広範囲に生息していた事が窺える。

因為飛行能力較弱,母鳥、幼鳥和蛋容易成為狐狸或烏鴉等天敵的目標,但靜子周邊有許多捕食這些天敵的動物,對雷鳥來說是良好環境。

飛翔能力が低い事からメスや幼鳥、卵がキツネやカラスなどの天敵に狙われやすいが、静子の周辺は天敵を捕食する動物が多い事から、雷鳥にとっては良い環境だった。

然而以高山地帶為領域的雷鳥為何會降至平地,依然是個謎。

しかし高山地帯がテリトリーの雷鳥が、平地にあたる地域へ降りてきた理由は未だに謎だった。

「明白了。會牢記在心。」

「わかり申した。しかと心に留め置くように致す」

「還請多多關照。詳細之後再說,先帶兩位去住宿的屋敷。」

「よろしくお願い致します。詳しい話はまた今度に致しますが、まずはお二人が寝起きされる屋敷にご案内致します」

靜子請其中一名兵士引導忠勝與半藏。當然,因為兩人是德川家臣,並非住在靜子居住的區域,而是在外緣的屋敷內住宿。

静子は兵士の一人に忠勝と半蔵の案内を頼む。無論、二人は徳川家臣であるため、静子の住むエリアではなく、外縁部にある屋敷で寝泊まりする。

「真可惜。」

「残念だ」

忠勝從心底感到洩氣,重重地嘆了口氣。

心底気落ちしている忠勝が重い溜息を吐く。

「這是理所當然的措施。即便是殿與織田殿安排,也沒有理由輕易讓人住得那麼近。」

「当然の措置であろう。幾ら殿と織田殿が決めた事とはいえ、そう易々と近くに住まわせる理由はない」

半藏露出一副覺得麻煩的表情,回應忠勝說那是理所當然。半藏本以為會被引到更遠的屋敷,卻是個能肉眼看見靜子宅邸的近處屋敷。

面倒臭そうな表情の半蔵が、自明のことだと忠勝へツッコミを入れる。半蔵はもう少し遠くの屋敷へ案内されると考えていたが、静子の屋敷が目視できる程度の近場にある屋敷であった。

雖覺得或許有些鬆懈,但在有人類與野獸不斷監視的地方,潛入並非易事。

油断しているのかとも思ったが、人と獣が常時見張っている場所に、忍び込むのはそう容易い話ではない。

(如果只是地面還好說,但在天空也被監視的情況下,就算想接近到能觀察生活樣態的程度也會很困難;而最可能鬆懈的山區則棲息著猛獸。乍看寬鬆,實則沒有縫隙的警備體制。)

(地だけならいざ知らず、空からも見張られている状況は、暮らしぶりが観察出来る程近くへ忍び込むにも多大な苦労を背負う。そして警備が一番手薄になるであろう山には猛獣が棲んでいる。一見、甘いようで隙間がない警備体制だ)

月輪熊是於清晨或傍晚等微暗時段活動的薄明薄暮性動物;但那只是基本規律,依個體與環境也可能在白天或夜間活動。

ツキノワグマは朝や夕方などの薄暗い時間帯に活動する薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)動物だ。だがそれは基本であって、個体や環境によっては昼間や夜間でも活動する場合がある。

此外由於食物豐富,許多鹿群居,近來也已確認有野豬與日本狼棲息。雖是小山,卻有大量動物定居,足以被山中的豐富食物所支撐。

更に餌が豊富にある事から鹿が多数生息し、最近では猪や日本狼も生息が確認されている。小さな山に多数の動物が住み着いているが、それを支えられるほど山の餌は豊富なのだ。

當然若牠們居住到周邊地區會造成困擾而被驅逐,但山的大部分已成為獸類的根據地。靜子所使用的地方也只是其中一小部分。

流石に周辺地域に住まわれると困る事になるので追い払っているが、山の大部分は獣たちの根城と化している。静子が使っている場所も、ほんの一部に過ぎない。

「你可沒圖謀不軌吧,半藏殿?」

「良からぬことを企んでおらぬだろうな、半蔵殿」

忠勝瞪著沈默的半藏,那反應似乎令他頗為有趣,半藏微微一笑後回答。

沈黙したままの半蔵を忠勝はジロリと睨む。その反応が余程面白かったのか、半蔵は小さく笑みを浮かべながら答えた。

「只是覺得接下來一陣子會有有趣的事罷了。」

「暫く面白い事が続くであろう、と思ったまでじゃ」

本多忠勝與服部半藏兩人很快就接受了靜子的洗禮。對於用餐方式與時間、沐浴以及其他在三河不熟悉的生活習慣感到驚訝,但幾日後便習慣了環境。

本多忠勝、服部半蔵の二人は静子の洗礼を早くも受ける。食事の取り方と時間、風呂、その他三河では馴染みのない生活習慣に面食らう。それでも数日も経てば、環境に慣れていった。

五日後兩人已完全融入,忠勝沉迷於沐浴,半藏則成了清酒的俘虜。半藏會在晚餐時,偶爾陪慶次等人喝酒。

五日経った頃には二人ともすっかり溶け込み、忠勝は風呂、半蔵は清酒の虜になった。半蔵は夕餉と、その後稀に慶次たちの呑みに付き合ったりしていた。

不曉得兩人是表面和睦抑或真的變得友好,但靜子認為至少比互相敵對好,決定持續觀察。

両者が表面上か、それとも本当に仲良くなっているかはよく分からないが、少なくともいがみ合うよりは良いと考え、静子は見守る事にした。

話說回來,她也忙於教育最近出生的德國牧羊狼犬(ジャーマン・シェパード・ウルフドック)。

尤も、最近産まれたジャーマン・シェパード・ウルフドックの教育に忙しかったとも言える。

「站住!」

「待て!」

總共十隻謝帕德·狼犬瞬間服從靜子的命令停下。カイザー與謝帕德生了五隻,ケーニッヒ與謝帕德生兩隻,リッター與謝帕德生三隻。

総勢十匹のシェパード・ウルフドックは、瞬時に静子の命令に従い止まる。カイザーとシェパードから五匹、ケーニッヒとシェパードで二匹、リッターとシェパードで三匹産まれた。

果然沒在ヴィットマン和バルティ之間生出幼崽。靜子認為,因為環境穩定,並非那種生與死共存的野生環境,繁衍後代的本能可能已經薄弱了。

やはりというか、ヴィットマンとバルティの間に仔は産まれなかった。環境が安定し、生と死が共存する野生環境ではないため、子孫を残す本能が薄れているのでは、と静子は思った。

即使在野外會繁殖,在被飼養的狀態下有時甚至連繁殖行為都不會有。

野生の環境では繁殖をしても、飼育下では繁殖行動すらしなくなる場合もある。

有人說,若能獲得穩定的食物與無危險的領域,便會認為增加個體數並不利於生存,這可能是原因。

安定した食事と危険のないテリトリーが得られれば、個体数を殖やすことが生存に寄与しないと考えてしまう事が原因とも言われている。

(糟了不行。現在得訓練狼犬)

(おっといけない。今はウルフドックの躾をしないと)

所有個體共有的特徵是立耳、下垂且蓬鬆的尾巴、結實的體格與柔軟的身體、有上下毛層的雙層被毛,以及讓人聯想到狼的銳利眼神。

全ての個体に共通するのは立ち耳、垂れ尾でふさふさ、体つきがしっかりし、柔軟性のある身体に上毛と下毛があるダブルコート、そして狼を髣髴とさせる鋭い目つきだ。

牠們的反射速度、持久力,以及整體運動神經都非常高,有些個體雖然只有數個月大,但已可匹敵成犬的柴犬。然而狼犬在內在性格上的差異則相當明顯。

反射速度や持続力、総じて運動神経が非常に高く、生後数ヶ月ながら成体の柴犬に匹敵する個体もいた。しかしウルフドックに共通する、内面の違いは顕著に出ていた。

首先カイザー的子嗣體型較大,多數性格親人,但一無事可做就容易出現問題行為。牠們在訓練前便對領導非常服從。

まずカイザーの子は身体が大きく、人懐っこい性格が多いが、暇になると問題行動を起こしやすい性格をしている。躾する前からリーダーに対して非常に従順だ。

接著ケーニッヒ的子嗣平常表現冷靜,但若不理牠們便會立刻撒嬌,是有點麻煩的性格;在三種類型中牠們的服從心最強。

次にケーニッヒの子は普段はクールに振舞っているが、相手をしないと途端に甘えだす面倒な性格の子だ。そして三種類の中で最も服従心が強い。

最後リッター的子嗣在情境判斷能力上非常優秀,其他狼犬通常是在下令後才反應,但リッター的子嗣會觀察靜子的動作,預測命令並主動行動。

最後にリッターの子は状況判断能力が非常に優れており、他のウルフドックが命令を出した後に反応するが、リッターの子たちは静子の動きを見て命令を予測し行動する。

「很賣力呢」

「精が出ますな」

半蔵對正在訓練狼犬的靜子搭話。這幾日一直在觀察靜子的他,看出靜子擁有特殊的才能。

ウルフドックに躾をする静子へ半蔵が声をかける。ここ数日、静子を監視していた彼は、静子が特殊な才能を持っていることを見抜いていた。

她能指揮眾多動物,受足輕們尊稱為『殿』,並能統馭難搞的武將。在這個非同尋常的下克上的時代,沒有血緣關係的家臣們凝成鐵一般的團結,光是這點就很不尋常。

多数の動物を従え、足軽たちから『殿』と慕われ、気難しい武将たちを纏めていた。表裏常ならぬ下克上の世において、血の繋がりを持たぬ家臣たちが鉄の結束を固めている事はそれだけで異常だ。

同時又存在著緩和的『遊鬧』,看起來似乎缺乏緊張感。表面像是無秩序,實則有秩序;各自看似隨性行動,卻以靜子為中心有規律地運作。

それでいて緩やかな『あそび』が存在し、緊張感が足りないように見える。無秩序のように見えて秩序があり、それぞれが勝手気ままに動いているように見えて、静子を中心に規則性を以て運用されている。

這就是半蔵在數日間從靜子這個頂點到最末端的下人調查後得出的結論。

それが数日の間、静子という頂点から末端の下男に至るまでを調べた半蔵の結論だった。

「才不是那樣。訓練狗是飼主的義務嘛」

「そんな事はないですよ。犬を躾けるのは飼い主の義務ですからね」

「唔……我倒沒養過狗,但訓練是飼主的義務嗎?」

「ほぅ……某は犬を飼った事はありませぬが、躾は飼い主の義務ですか」

半蔵一邊說話一邊向靜子放出殺氣。然而靜子完全沒反應,只有她周圍的狼犬對殺氣有反應。狼犬發出低沈的嗥聲威嚇半蔵。

語りながら半蔵は静子に向かって殺気を放つ。しかし静子は全く反応せず、彼女の周りにいる狼犬だけが殺気に反応した。狼犬は低い唸り声を上げつつ半蔵を威嚇する。

「呃、呃、怎麼了。沒事的,放心吧」

「お、お、どうした。大丈夫、安心して良いよ」

靜子撫摸突然嗥叫的狼犬以安撫牠。那隻一直瞪著半蔵的狼犬,理解半蔵不會採取行動後便停止了嗥叫。

突然唸り声を上げた狼犬を撫でて、静子は狼犬を落ち着かせようとする。暫く半蔵を睨んでいた狼犬だが、半蔵が行動を起こさないと理解すると唸り声を止める。

(竟然對殺氣沒反應,這姑娘真的能在亂世中活下來嗎)

(殺気に反応せぬとは、この娘は本当に乱世を生き抜けるのか)

雖然是調查對象,但半蔵對靜子的無防備感到有些擔憂。正當他嘆了口氣,背部便遭受強烈衝擊,力道之大使他連調整姿勢的機會都沒有,滾落在地。

調査対象とはいえ半蔵は静子の無防備さに若干心配を覚える。ため息を吐いた瞬間、半蔵は背中に強い衝撃を受ける。余りの勢いに、体勢を立て直す暇もなく地面を転がる。

「靜子殿! 您沒事吧!? 」

「静子殿ぉ! ご無事ですか!?」

把半蔵打飛的人是忠勝。他一手持蜻蛉切,以超乎常人的速度衝到靜子身邊。

半蔵をふっ飛ばした人物は忠勝だった。彼は蜻蛉切を片手に、常人離れの速度で静子の元に駆けつけた。

只是半蔵恰巧在他奔跑的路線上,忠勝並非刻意要把他擊飛。

たまたま彼が走る線上に半蔵がいただけで、忠勝は彼を意図して吹っ飛ばしたわけではない。

「好像感到一些殺氣,但請放心! 本多平八郎在此! 任何人都不能接近靜子殿!」

「何やら殺気を感じましたが、ご安心下さい! この本多平八郎! 人っ子一人静子殿に近づけませぬぞ!」

「啊,不,呃……那個先不說,半蔵先生他……」

「あ、いや、あのー……それはともかく半蔵さんが」

「咦?哦,半蔵殿。這是靜子殿的面前啊,哪怕再隨便,躺在那裡也太失禮了」

「ぬ? おお、半蔵殿。静子殿の御前であるぞ、如何に気安いお人柄とは言え寝転がるなど無作法が過ぎる」

忠勝順著靜子指的方向老實看去。離忠勝一到二公尺的地方半蔵倒在地上,但他竟然完全沒想到自己把半蔵打飛,還給了些苦言。

静子が指差す先を忠勝は素直に見る。忠勝から一メートルから二メートル先に半蔵が地面に倒れ伏しているが、彼は自分が半蔵をふっ飛ばしたのだと露も思わず苦言を呈する。

半蔵在地上躺了一會兒,忽然無聲地站起來,默默走向忠勝,然後用盡力氣揍了他一拳。

暫く地面に倒れ伏していた半蔵だが、ふいに音もなく立ち上がると無言のまま忠勝に近づき、そのまま力一杯彼を殴った。

「你幹什麼!」

「何をする!」

「你幹什麼,那才是我該說的台詞!」

「何をする、はこちらの台詞よ!」

眼前突然開始扭打起來,靜子慌了神。

突然、目の前で取っ組み合いが始まった事に静子はオロオロする。

「真令人無言」

「呆れたものだな」

不知何時出現的足滿一邊把手搭在靜子的肩上,一邊低語。他不同於靜子,是那種字面上對忠勝與半蔵的扭打感到無奈地看著的人。

いつの間に現れたのか、足満が静子の肩に手を乗せつつ呟く。彼は静子と違い、言葉通り忠勝と半蔵の取っ組み合いを呆れながら見ていた。

「大概是男人之間的胡鬧吧。靜子,被牽扯進來會很危險。把這兩個笨蛋丟著不管,去喝茶———」

「男同士の馬鹿騒ぎなのだろう。静子よ、巻き込まれたら危険だ。こんな阿呆二人は放っておいて茶でもーーー」

足滿還沒說完,便被忠勝像對半蔵一樣擊飛了,所以話沒說完。

足満が最後まで言う事はなかった。その前に忠勝が半蔵と同じく、足満を吹っ飛ばしたからだ。

與半蔵不同,足滿在空中轉身,接住落點華麗地著地。

半蔵と違って足満は空中で身体の向きを変えると、受け身を取って華麗に着地した。

「你這傢伙! 隨便把手搭在靜子殿的肩上,真是難以容忍! 連本某都沒碰過……咳咳!總之對女人太過隨便了!」

「貴様ぁ! 気安く静子殿の肩に手を乗せるなど許し難い! 某ですら触れたことが無い……ゲフンゲフン! 兎に角女人に対して気安過ぎる!」

剛才還在扭打的忠勝臉漲得通紅,朝足滿大喊。足滿無視激動的忠勝,把左手搭在脖子上咔咔地活動關節。

先ほどまで取っ組み合いしていた忠勝が、顔を真っ赤にして足満に叫ぶ。足満は激昂する忠勝を無視して、左手を首に添えるとコキコキと骨をならした。

(啊,不行了)

(あ、駄目だこれ)

靜子一眼就看出足滿在生氣。她覺得情況非常危險,但到了這種地步,靜子的聲音也傳不進足滿的耳朵。

一目見て足満が怒っていると静子は理解する。非常に危険な状態だと思ったが、こうなると静子の声でも足満の耳には届かない。

「會說有趣話的餓鬼。真合我意,現在就讓你好好嚐嚐地面的滋味。順便說一句,靜子我不會給你。」

「面白い事をほざく餓鬼だ。気に入った、今から地面の味をたっぷりと味わわせてやろう。ついでに言っておくが貴様に静子はやらん」

「什、什麼!你、你和靜子殿是什麼關係?」

「なっ! き、貴様、静子殿とどういう関係だ」

「哼,和你不一樣,我和靜子從她這麼小的時候就是一夥的。」

「ふっ、貴様と違って静子がこ〜んなに小さい頃からの仲だ」

足滿得意洋洋地回答忠勝的質問。忠勝面露絕望,但雙手拍了拍臉提起幹勁。

勝ち誇ったような表情で忠勝の問いに足満は答える。絶望感を漂わせる忠勝だが、両手で顔を叩いて気合を入れる。

「嗯……雖然不太懂你們在說什麼,但如果可以的話還是希望能和平解決啊……哈哈哈」

「あのー、何の話をしているか分からないけど、出来れば穏便に終わらせて欲しいなぁ……なんて、はははっ」

她戰戰兢兢地說了出來,但果不其然,兩人對靜子的話毫無反應。彼此已經只看得到對方了。

おそるおそる言ってみたが案の定、どちらも静子の言葉に無反応だった。もはや互いが互いしか見えていない状態だった。

「換言之,只要打倒你,就能和靜子殿一起栽種花了吧?」

「つまり貴殿を倒せば、静子殿と共に花を育てられるのだな」

「餓鬼想起風情還早了一百年。回去去吃奶母的奶吧。」

「餓鬼が色気づくなど100年早いわ。帰って乳母の乳でもしゃぶっていろ」

靜子彷彿聽到一瞬間空氣裂開的聲音。曾與忠勝扭打的半藏似乎也感覺到不祥的氣息,悄無聲息地離開了忠勝。

瞬間、空気が割れる音が耳に届いた気がした静子だった。忠勝と取っ組み合いをした半蔵も、不穏な空気を感じ取ったのか、音を立てず忠勝から離れる。

「看來我和你沒辦法做好朋友啊」

「貴様とは仲良くなれそうにないな」

「真巧,我剛才也是這麼想的。」

「奇遇だな、わしもそう思っていた所だ」

兩人邊說著這些話,忠勝把懸在腰間的刀放下,足滿則把刀和籠手卸下丟到一旁。即便怒氣佔了上風,雙方仍保有足以認為刀傷是禁忌的理性。

互いにそんな事を言いながら、忠勝は腰に下げている刀を、足満は刀と篭手を外してその辺りへ置く。怒りに心が支配されていても、刃傷沙汰はご法度と考えるだけの理性は残っていた。

接著脫下外衣,像是事先約定好一般把它們丟到一旁。半藏收起忠勝的,靜子收起足滿的,兩人和對方之間拉開距離。

武器に続いて上着を脱ぐと、示し合わせたようにその辺りへ投げ捨てる。忠勝のは半蔵が、足満のものは静子が回収すると二人は向かい合う二人から距離を取る。

兩人沉默對視,然後足滿與忠勝都微微下沈腰身。要在不動刀劍的情況下決鬥的方法,就是相撲。

無言で見つめ合っていたが、やがて足満と忠勝の二人とも腰を若干落とす。刃傷沙汰に及ばず戦う方法、それは相撲だ。

以相撲為名也說得過去。就算受了點傷,也不會有人在意。

相撲なら訓練という名目が立つ。多少怪我を負おうとも、誰も気にしない。

「現在是求饒的最後機會喔」

「許しを請うのなら今のうちだぞ」

「胡說,餓鬼。來吧,我陪你一戰。」

「ほざけ、餓鬼が。来い、相手をしてやる」

話語落下後流露出一陣短暫的寂靜,率先打破它的是忠勝。稍稍遲了一步的足滿也動了。兩人互相衝撞(相撲術語:體當たり),肉身相撞。

交わした言葉の後に流れる僅かな静寂、それを先に破ったのは忠勝だった。僅かに遅れて足満も動く。互いにぶちかまし(体当たりの相撲用語)をし、肉と肉がぶつかりあう。

但從肩膀撞擊時傳出的聲響,像是用木槌狠狠敲打土牆倉庫般的巨響。即便撞得那麼激烈,兩人卻都不曾向後仰退,依然互相推擠著。

だが肩からぶつかりあった時の音は、まるで土壁の蔵に木槌を思い切り叩きつけた時のような音だった。それほど激しいぶつかり合いをしたのに、どちらも後ろへのけぞる事なく、互いに押し合いをしていた。

「哼!」

「ふんっ!」

雙方一時都不讓一步,但抓住一絲縫隙的足滿把忠勝摔了出去。被摔的忠勝很快爬起,又向足滿衝去撞擊。

暫く両者一歩も譲らなかったが、僅かな隙を見逃さなかった足満が忠勝を投げた。投げられた忠勝だがすぐに起き上がると、また足満へぶちかましをする。

「兩個人真拼啊」

「頑張るなぁ、二人とも」

靜子半帶無奈地看著兩人的相撲。大約分出勝負四次左右後,觀眾漸漸開始聚集。

半分呆れながら静子は二人の相撲を見物する。四回ほど勝敗が決まった頃から、徐々に観客が集まりはじめた。

有些人像忠勝和足滿那樣脫下外衣加入相撲。當然,加入的並非只有靜子一方的人。

中には忠勝や足満と同じように、上着を脱いで相撲に混ざりはじめた。勿論、混ざっているのは静子側の人間だけではない。

本多忠勝和服部半藏雖然名義上被交付給信長,甚至更確切地說是交給靜子,但被交付的並不只有他們兩個。

本多忠勝と服部半蔵が信長、更に言えば静子に預けられる形となったが、預けられたのは彼ら二人だけではない。

在本多忠勝隊中,約有三十名精銳中的精銳家臣同行行動。

本多忠勝隊の内、精鋭中の精鋭である家臣たちが30名ほど行動を共にしていた。

其中有作為本多宗家繼承人而培養忠勝的叔父,本多肥後守忠真。

その30名の中には、本多宗家の後継ぎとして忠勝を育てた叔父の本多(ほんだ) 肥後守(ひごのかみ) 忠真(ただざね)。

長坂 彦五郎 信政,綽號「血鑓九郎」,曾將各種戰鬥事務灌輸給忠勝。

「血鑓九郎(ちやりくろう)」の異名を持ち、いくさに関する事を忠勝に叩き込んだ長坂(ながさか) 彦五郎(ひこごろう) 信政(のぶまさ)。

在忠勝病倒臥床時,曾代替他指揮軍卒的桜井庄之助勝次。

忠勝が病気で寝込んでいる時、彼の代わりに軍卒を指揮した桜井(さくらい) 庄之助(しょうのすけ) 勝次(かつつぐ)。

本多家的首席家老筑紫惣左衛門秀綱。

本多家の筆頭家老である筑紫(つくし) 惣左衛門(そうざえもん) 秀綱(ひでつな)。

與筑紫氏一同,作為家老世代支撐本多家的梶氏的梶金平勝忠等一干要人,皆作為忠勝隊參陣。

筑紫氏と共に、家老として代々本多家を支えてきた梶(かじ)氏の梶(かじ) 金平(きんぺい) 勝忠(かつただ)など、そうそうたる人物が忠勝隊として参陣していた。

不知是因為家康那莫名其妙的命令,還是因為環境變化帶來的壓力,大家紛紛脫下外衣參加相撲。

家康のよく分からない命令のせいか、それとも環境が変化した事によるストレスか、みな上着を脱いでは相撲に参加する。

隨著參與人數增加,觀眾們也為相撲瘋狂。有時被摔飛的力士會衝入觀眾之中,但沒有人在意。

参加する人数が増えるにつれ、観客たちも相撲に熱狂する。時には投げ飛ばされた力士たちが観客の中へ突っ込む事もあるが、それを気にする者は一人もいなかった。

「……嘛,這樣也可以吧」

「……まぁこれもありかな」

相撲參與人數增多之後,靜子覺得危險,於是從稍遠處建築的二樓觀望。本來不該從上方俯視,但大家都沉迷其中,沒人介意。

相撲をする人数が増えた頃から、静子は危険と感じて少し離れた建物の二階から見学していた。本来は上から見下ろすなどしてはいけないが、熱中しているので誰も気にしていなかった。

「好啦,接下來誰來當對手!」

「さぁ、次は誰が相手だ!」

「那我來當你的對手!」

「では某がお相手仕ろう!」

把對手摔出去的慶次在土俵上揮拳拍打著肌肉。忠勝隊中有人舉手接受他的挑戰,然後上了土俵。

相手を投げ飛ばした慶次が、土俵の上で力こぶを作って叩く。彼の挑戦に忠勝隊の誰かが挙手しながら土俵に上がる。

或許是因為相撲,他們之間像織田或德川那樣的隔閡已經消失。靜子啜著茶,對著享受相撲的男子們低聲嘀咕。

相撲をしたお陰か彼らの間にはすでに織田だの徳川だの、そういった壁はなくなっていた。茶をすすりながら静子は相撲を楽しむ男衆に向かって呟く。

「男人真簡單呢──不過,這一點倒讓人羨慕。」

「男って単純だねー。でも、そういう所は羨ましいよ」

忠勝他們在靜子的城鎮安頓一週後,信長寄來了朱印狀。內容一看,原來此次靜子收留他們,是作為她對德川領地進行調查的前置準備。

忠勝たちが静子の街に居ついて一週間後、信長から朱印状が届く。内容を確認すると、今回静子が彼らを預かったのは、彼女が徳川の領土を調査する為の前準備との事だ。

家康接受靜子的地形調查,是名為成熟從容的勉強強硬。也是表明他並非甘願被當作家臣般對待的意志表示。

家康が静子の地形調査を受け入れたのは、大人の余裕という名の精一杯の強がりだ。家臣同然の扱いを甘んじて受け入れているわけではない、という意思表示でもあった。

但關鍵的信長即便知道家康的真意也並未太在意,反倒顯示出能輕易應允家康要求的氣量。

しかし、肝心の信長は家康の真意を知ってもさして気に留めず、逆に家康の要求を簡単に呑むぐらいの度量を示した。

信長認為即便把家康的勢力放在靜子身邊也無妨,這其中是有理由的。

信長が静子の許に家康の手勢を置いても、問題ないと判断したのには理由がある。

起初靜子作為關鍵人物被束縛於她所承擔的所有事務,但自從足満與みつお加入後,得以建立起分工體制,這點很重要。

最初は静子が手掛ける全事業に静子がキーマンとして拘束されていたが、足満とみつおが合流してからは分業体制を確立できたことが大きい。

在現行體制中,靜子負責農林水產與研發,みつお負責畜產,足満負責軍事全般,分工明確。

現体制では静子が農林水産業及び研究開発、みつおが畜産関係、足満が軍事全般にと明確に棲み分けが出来ている。

由於最受其他國注視的軍事情報由足満統括,即便對靜子派間諜,也頂多能得出一些已被軍方採用並實戰配備的物品相關技術資訊。

他国が最も注視しているであろう軍事情報は足満が総括しているため、静子に対して間諜を放ったところで既に軍で採用され実戦配備が済んでいる物品に関する技術情報が出てくる程度である。

再者,若限定在靜子與足満之間,理解會話內容所需的素養門檻很高,根本不必特別在意反諜。

更に静子と足満間に限定すれば会話の内容を理解するのに必要なリテラシーの敷居が高く、別段防諜を意識する必要すらない。

例如靜子需要炸藥,除了足滿之外的人得從『炸藥是什麼』開始說明;但對足満只需說『發破×本、在○月前需要』就夠了。

例えば静子がダイナマイトを必要とした場合、足満以外ならダイナマイトとは何か、から始める必要がある。ところが足満相手ならば「発破×本、〇月までに必要」だけで事足りる。

僅靠聲音要把「葉っぱ」與「炸藥」聯想在一起都很困難。

音だけで判断するには「はっぱ」と「ダイナマイト」を結びつけることすら困難である。

即便如此,若長期共同生活、長時間接觸,內容有被模糊掌握的危險,但等到完全理解時多半已經陳舊,不再是機密。

それでも生活を共にし、接する時間が長期間に亘ればおぼろげに内容を掴まれる危険もあるが、全てを理解する頃には陳腐化して機密ではなくなっている。

因此即便把將來可能成為敵人的德川家臣置於靜子身旁,也被判定不會造成大問題。

この為将来的に敵になる可能性がある徳川家臣を静子の傍に置いても、大した問題にならないとの判断が下された。

靜子雖不知那些政治上的權謀,但從朱印狀可以知道能對她想要的地點進行地形調查。

そういった政治的駆け引きは知らない静子だが、朱印状から静子が望んだ場所の地形調査が可能な事は分かった。

(那麼,剩下一年能把三方ヶ原台地調查到什麼程度呢)

(さて、残り一年で三方ヶ原(みかたがはら)台地(だいち)をどこまで調査できるかな)

三方原之戰發生於元龜三年十二月二十二日,在三方ヶ原台地由武田軍與織田・德川聯合軍間爆發的戰鬥。

三方ヶ原の戦いは元亀三年十二月二十二日に、三方ヶ原台地で起こった武田軍と、織田・徳川連合軍との間で起こったいくさだ。

武田軍當時動員了武田氏可調動的最大兵力三萬,可說是名副其實的總力戰,且以家康大敗而聞名的合戰。

武田軍は当時の武田氏が動員出来る最大兵力三万であり、文字通り総力戦だった事と、家康が大敗した事で有名な合戦だ。

靜子雖了解史實的大致經過,但有一件事她不清楚,那就是當時三方ヶ原台地的地形。

史実がどの様な流れだったか把握している静子だが、一つだけ分からない事がある。それが、当時の三方ヶ原台地の地形だ。

現代已不再保留原貌,難以想像其究竟為何形狀。因此作為最後拼圖的三方ヶ原台地地形調查,是左右對武田之戰勝敗的重要調查。

現代では原型を留めていないため、一体どの様な形なのか想像すら難しい。よって最後のピースになる三方ヶ原台地の地形調査は、対武田戦の勝敗を左右する重要な調査だ。

朱印狀到達後,靜子召集了家臣們。

朱印状が届くと静子は家臣たちを集める。

這次是慶次、才藏、長可、足満,以及高虎五人。高虎尚為見習被召來讓慶次等人感到驚訝,但他們認為靜子自有用意,便未多發表意見。

今回は慶次、才蔵、長可、足満、そして高虎の五名だ。いまだ見習いの高虎が呼ばれた事に慶次たちは不思議がったが、静子なりの考えがあると思い、意見は述べなかった。

「三方ヶ原台地的地形調查許可已下來。我們將組成調查隊,用一年時間進行縝密調查。短期內黑鍬衆行動會不便,但黑鍬衆人數已大增,應該不會有太大問題。」

「三方ヶ原台地の地形調査の許可が下りました。これから調査隊を結成し、一年かけて綿密に調査します。暫く黒鍬衆が動きにくくなりますが、黒鍬衆も随分と人が増えたのでさして問題はないと思います」

靜子手下的黑鍬衆不僅在人數上,且由各種專業領域的人員組成。

静子お抱えの黒鍬衆は人員は勿論、様々な専門分野の人間で構成されている。

以預製工法為基礎,並針對戰國時代改良出的獨特工法構築陣地,因此在織田軍內備受肯定。

プレハブ工法を基本とし、戦国時代にあわせて改良した独自の工法による陣地構築のお陰で、織田軍内では高く評価されていた。

以羅馬軍團兵為標竿的黑鍬衆,是優秀的白兵戰鬥員,同時也是工兵。

ローマ軍団兵を目標にした黒鍬衆は、優れた白兵戦闘員であり工兵でもあった。

平時以土木工程為主要任務,從堅固陣地的搭建、將寺院改造成恆久駐屯地,到為行軍整理公路等多種工作。

普段は土木工事が主な任務で堅牢な陣の設営、寺を恒久的な駐屯地に改造、進軍の為の公道整備など様々な仕事に従事する。

他們修築的道路品質之佳,後來甚至被信長作為其中一條商業路線使用。

彼らが作った道路は、後に信長が商業ルートの一つとして利用するほどの出来映えだ。

雖然大多從事樸實不顯眼的工作、很少出現在戰場上,但他們的實力連信長也讚嘆不已,信長麾下的岡部也曾多次倚賴他們完成任務。

地味で目立たない仕事が多く、戦場に立つ事が少ない彼らだが、その実力は信長すら唸らせるほどで、信長お抱えの岡部も何度か彼らを頼って仕事をこなした。

靜子所組成培育的黑鍬衆,堪稱織田軍的幕後支柱部隊。

静子が結成し、育てた黒鍬衆はいわば織田軍の縁の下の力持ちな部隊である。

這次靜子計畫從黑鍬衆中帶去包含地形專家在內的兩千人部隊,前往三方ヶ原台地進行地形調查。

今回、三方ヶ原台地の地形調査に静子は黒鍬衆から地形関係の専門家を含む2000人の部隊を連れて行く予定だ。

然而,不論人數如何增加,要抽調多達兩千人來做地形調查幾乎可說是不可能。畢竟黑鍬衆是需求極高的部隊,會引起相當不滿是顯而易見的。

しかし、幾ら人数が増えたと言っても2000人もの人間を地形調査に引き抜く事は、ほぼ不可能と言っても良い。なにしろ黒鍬衆は需要の高い部隊だ、かなり不満が出る事は目に見えている。

雖是靜子所培育的部隊,但遺憾的是身為組織一員,要動員至損害原有功能的程度,即便是重鎮靜子也難以為之。

静子が育てた部隊だが、残念ながら組織の一員である以上、本来の機能を損なう程の動員を掛けることは重鎮の静子でも難しい話なのだ。

因此雖然她請求了兩千人的過多人員,靜子認為實際能帶走的應該不到一半。

よって2000人という過剰な人員を要請してはいるが、実際に連れて行けるのは半数以下になるだろうと静子は考えていた。

「嘛——黑鍬衆因能力高,請求不斷……能夠動員到地形調查的頂多也就是一千人。然後,調查隊將帶我、足満大叔、才藏先生,還有與吉君去。慶次先生和勝蔵君就留作陣借吧。」

「まー黒鍬衆は彼らの能力の高さ故に要請が引きを切らない部隊ですが……地形調査に動員できるのは、せいぜい1000人が限界でしょう。で、調査隊には私と足満おじさんと才蔵さん、そして与吉君を連れて行く。慶次さんと勝蔵君は陣借りかな」

「所謂陣借……沒必要特意分開,乾脆全員一起移動不就好?」

「陣借りって……わざわざ分ける必要ないし、全員移動で良いだろ」

「畢竟全軍移往德川領地不太妥。慶次先生和勝蔵君的軍隊有很強的名聲,對外上若不顯得只有約一半戰力,反而會給周圍帶來不必要的刺激。」

「流石に全軍で徳川領土に移動はね。慶次さんと勝蔵君の軍は強いって評判だし、対外的にも戦力の半分程度って見せておかないと、余計な刺激を周囲に与えてしまうのよ」

靜子軍在織田軍內,以及其他國人之間也頗有名聲。若靜子軍全兵力移入德川領地,容易被解讀為對德川有叛意,即便德川接受也可能讓周邊國家誤以為在準備戰事而集結兵力,從而提升緊張感。

静子軍は織田軍の中、そして他の国人の間でもそれなりに名が売れている。静子軍の全兵力が徳川領土に移動すれば、徳川に対して叛意有りとも取られかねないし、徳川が納得しても近隣がいくさの準備として兵力を集めていると緊張感を高める可能性もある。

為了信長,也必須避免引發不必要的騷動。

信長の為にも余計な騒動を招く真似は慎まなければならない。

「哼哼,既然是那種理由就沒辦法了」

「ふふん、そんな理由なら仕方ない」

長可似乎因被說強而高興,鼻息粗重地點頭。慶次對他那副自得其樂的態度感到無奈,但覺得去戳他打斷話題太麻煩,便以帶點不冷不熱的目光看著他。

強いという評判に気をよくしたのか、長可は鼻息を荒くしながら頷く。調子の良い態度に慶次は呆れたが、彼をつついて話の腰を折ると面倒だと思い、生暖かい目で見守った。

「說起來之前提到的那匹馬,大概什麼時候會到?」

「そう言えば前に言っていた馬、あれはいつ頃になる?」

「啊──那個喔。前陣子有聯絡,聽說大概會在九月中左右。大概調查要從十月開始,所以在借營前應該來得及。」

「あー、あれね。この前連絡があって、九月中かそこらって聞いているよ。恐らくだけど調査は十月ぐらいからだから、陣借りまでには間に合うよ」

在耶穌會的安排下,德斯特里亞被運入日本。作為重型馬種的德斯特里亞不僅運送困難,更難以確保維持牠們所需的飼料。

イエズス会の手により、デストリアは日本へ運び込まれていた。重馬種に分類されるデストリアは運ぶのも一苦労だが、何よりも維持するための食料を確保するのに困難を極めた。

因此與阿拉伯種不同,雖然用了好幾艘船,能運來的也寥寥無幾。

その問題によりアラブ種と違って、船を何隻も使っていながら運べたのは数えるほどだ。

靜子因為知道曾有把象運到日本的史實,原本認為重種的運輸是可能的,卻沒想到耗費巨資也只能運來幾頭,對於意外高昂的成本感到頭疼。

日本へ象を運んだ史実がある事から、重種運搬は可能とは考えていた静子だが、大金を費やして運べるのが数頭になるとは思わず、予想外にコストがかかったと頭を抱えた。

「那麼,如果沒有其他問題就結束了,有什麼要問的嗎?」

「ま、他に質問がなければ終わるけど、何かあるかな?」

「把與吉帶去是為了什麼?」

「与吉は何のために連れて行くのだ?」

慶次的問題讓才藏和足滿微微反應。與吉還未脫離見習的階段。

慶次の質問に才蔵と足満が僅かに反応する。与吉はまだ見習いを脱していない状態だ。

他並不是適合被帶去做地形調查這種重要工作的人選。不過靜子帶他去的理由尚未說明。

地形調査という大事な仕事に連れて行く人物ではなかった。それでも静子が連れて行く理由がまだ話されていない。

「啊──與吉君是要混在黑鍬衆裡學習土木技術」

「あー、与吉君は黒鍬衆に混じって土木技術のお勉強です」

「是!啊、那個──靜子大人。我完全想不出某加入黑鍬衆的理由是什麼」

「はいっ! あ、あのー静子様。某が黒鍬衆に混じる理由が皆目見当付かぬのですが」

高虎被這突如其來的話嚇得發出異聲,但很快又鎮定下來,戰戰兢兢地向靜子詢問理由。

予想外の言葉に高虎が素っ頓狂な声を上げる。しかし、すぐに気を持ち直すとおそるおそる理由を静子に尋ねた。

「以我的判斷,與吉君有築城的能力。所以想讓他混入黑鍬衆學習土木技術。嘛,我並不是要勉強他,這也是確認那類能力的場合」

「私の見立てでは、与吉君には築城能力があると思うの。だから、黒鍬衆に混じって土木技術を学んで欲しい訳。ま、無理にとは言わないよ? そういうのを確認する場でもあるからね」

「啊、不……是。既然靜子大人說有希望,某便沒有異議。只是有點驚訝罷了」

「あ、いえ……はい。静子様が見込みありと仰るのでしたら、某には異論はございませぬ。ただ少々驚きはしました」

在史書上藤堂高虎被評為擅長築城,但他真正發揮才能是在江戶時代初期。因此靜子希望高虎能在黑鍬衆底下學習建築技術,使其築城天分能早期綻放。

歴史上では築城技術に長けていたと評される藤堂高虎だが、彼が才能を発揮するのは江戸時代初期だ。ゆえに静子は高虎に黒鍬衆の下で建築技術を学び、築城技術の才能を早期に開花させて欲しいと考えた。

「抱歉啊,讓你做這麼勉強的事。把武將放在那樣的位置確實讓人猶豫,不過你能接受我就放心了」

「ごめんね、無理言って。流石に武将をそんな配置にするのは、どうかと思ったけど納得してくれて良かったよ」

另外靜子並未察覺的是,高虎雖然接受了她的說明,但因為受到足滿和才藏宛如殺氣般的目光,想到若拒絕後果恐怖,才不得不點頭同意。

なお、静子は気付いていないが高虎は静子の説明には納得したものの、足満と才蔵からの殺気に似た視線を受け、断れば後が恐ろしくなって頷いたのもある。

「那麼,還有其他事嗎?如果沒有我就結束會議」

「それじゃ、他にはないかな? なければ会議を終了します」

「是!」

「はっ!」

對於靜子的會議結束宣言,所有人都精神抖擻地回以應答。

静子の会議終了宣言に、全員が元気良く返事を返した。

八月二十八日,對於駐在日本的耶穌會傳教士們來說發生了一件重大事件。

八月二十八日、日本にいるイエズス会の宣教師たちにとって重大な事件が起こった。

在白井河原之戰,長期庇護弗羅伊斯等傳教士的和田惟政戰死。

白井河原(しらいかわら)の戦いにて、フロイスたち宣教師を庇護し続けた和田惟政が討ち死にした。

自細川氏的內訌(永正之錯亂)以來,攝津國便一直是戰亂之地。

細川氏の内紛(永正(えいしょう)の錯乱(さくらん))以降、摂津国は常に戦乱の地である。

如今和田惟政與茨木重朝、荒木村重與中川清秀正展開權力爭鬥。自信長上洛後雖曾平靜,但仍未統一。

現在は和田惟政と茨木重朝、荒木村重と中川清秀が権力闘争を繰り広げていた。信長が上洛してからは落ち着いていたが、いまだ一つに纏まっていなかった。

自志賀之陣信長敗北後,牽制解除,雙方再度對立,並在八月二十八日於白井河原對峙。

志賀の陣で信長が敗れて以降、ストッパーが外れてまた両者は対立しあい、八月二十八日に白井河原を挟んで互いの連合軍が対峙する事態にまで発展した。

這場合戰象徵了世代交替。活躍於戰國時代的攝津三守護(和田惟政為其中之一)從舞台上消退,安土桃山時代的武將們則興起。

この合戦は世代交代の象徴的合戦であった。戦国時代に活躍した摂津三守護(和田惟政はその内の一人)が表舞台から消え、安土桃山時代の武将たちが台頭したのだから。

與和田惟政同樣保護傳教士的高山友照與右近父子,與和田惟長(和田惟政之子)一道固守高槻城,卻被荒木與中川聯軍完全包圍。

和田惟政と同じく宣教師たちを保護している高山友照・右近父子は、和田惟長(和田惟政の子)と高槻城の守りを固めたが、荒木・中川連合軍に完全に包囲されていた。

情勢進一步惡化,松永久秀與其子久通、三好義継、篠原長房等加入了包圍高槻城的行列。他們花兩日將高槻城的城下町焚燒殆盡並徹底破壞。

更に状況は悪化し、松永久秀と子の久通、三好義継、篠原長房などが高槻城の包囲に参戦した。彼らは高槻城の城下町を2日かけて焼き払い破壊し尽くした。

原本在旁觀望的弗羅伊斯,擔心高槻城周邊的基督教會會被毀,便派羅倫索·了齋前往織田信長處陳述窮狀。

今まで成り行きを見守っていたフロイスだが、このままでは高槻城周辺にあるキリスト教会が破壊される事を危惧し、ロレンソ了斎を織田信長のもとに派遣し窮状を訴えさせた。

攝津國為畿內要衝,此戰又發生在企圖稱霸的信長勢力範圍內,他便自告奮勇出面調停。九月九日派佐久間信盛為使者,建議即時停戰並雙方從高槻城撤退,然而兩軍未接受信長的調停。

摂津国と言えば畿内の要衝、天下人たらんとする信長の足元で起こった合戦に彼は調停を買って出た。九月九日に佐久間信盛を使者として派遣し、即時停戦と双方の高槻城から撤退を勧告した。しかし、両軍は信長の調停を受け入れなかった。

雖然信長面子被打了個落空,但此事的結局卻延宕到九月底才定。

まんまと面目を潰された信長だが、この決着は九月末までずれ込むことになる。

當高槻城上和田惟長與高山父子及荒木·中川聯軍對峙之際,一件讓信長聲名震動全日本的歷史事件發生了。

高槻城で和田惟長と高山親子、荒木・中川連合軍が睨み合っている頃、信長の悪名を日本中に轟かせた歴史的事件が起こる。

元龜二年(1571年)九月十二日,尚未見日出之時,信長率約三萬大軍包圍比叡山延曆寺。

元亀二年(1571年)九月十二日、日の昇らない内から信長はおよそ3万という大軍で比叡山延暦寺を取り囲んだ。

嚴格來說並非直搗延曆寺本堂,而是封鎖延曆寺僧兵所用的道路,以及坂本的陸路與海路出入口。由於兵力無縫隙地包圍,坂本的長者們獻金懇求停止攻擊。

正確には比叡山延暦寺ではなく、延暦寺の僧兵が使う道、そして坂本の陸路と海路の出入り口だ。隙間なく兵が取り囲んでいることに、坂本の老人衆は金を贈って攻撃中止を嘆願した。

「這就是武家的戰爭」

「これが武家のいくさだ」

然而信長不接受,將他們遣回。

しかし、信長は受け入れず彼らを追い返した。

判斷合戰不可避免後,坂本的僧兵退入包圍較薄弱的日吉大社奧宮八王子山,卻不知這正是信長設計要讓他們逃入的陷阱。

合戦止むなしと判断した坂本の僧兵たちは、比較的包囲網の弱い日吉大社の奥宮の八王子山に立て籠もる。そこへ逃げ込ませるように信長が仕組んだとも知らずに。

當日出之時,信長命令全軍總攻,以名為合戰的屠殺揭開序幕。

そして日が昇ると同時、信長は全軍に総攻撃を命じ、合戦という名の虐殺が幕を開ける。

織田軍先在坂本、堅田一帶縱火,作為信號,各處的武將吹響法螺貝並高喊鬨聲向前攻上。

織田軍はまず坂本、堅田周辺を放火すると、それを合図に各所にいる武将が法螺貝と鬨の声を上げながら攻め上がった。

明智光秀、池田恒興、柴田勝家、佐久間信盛、武井夕庵、中川重政、丹羽長秀,以及從靜子軍出來的足滿與森長可參與了坂本之戰。

明智光秀、池田恒興、柴田勝家、佐久間信盛、武井夕庵、中川重政、丹羽長秀、そして静子軍から足満と森長可が坂本の合戦に参加していた。

歷史上出現的木下藤吉郎秀吉之所以不在,是因為他與靜子本軍一同包圍小谷城,負責牽制久政。

史実にいた木下藤吉郎秀吉がいない理由は、久政の押さえとして静子本軍とともに小谷城を包囲している為だ。

「嗚! 救、救命——呀啊!」

「ひぃ! た、助けーーぎゃあ!」

「求求你饒命……呃!」

「お命ばかりは……ぎっ!」

四處回響著悲鳴與哀求,但織田軍無一人聽從他們的訴求,只冷冷地將坂本中的人殺戮。

あちらこちらで悲鳴と哀願の声が木霊する。しかし、織田軍の誰一人として彼らの言い分を聞く事はなく、淡々と坂本にいる人間を殺していた。

不論僧兵與否,也不分老幼男女或任何身分,他們一視同仁地斬下首級。

僧兵は勿論だが老若男女問わず、またどの立場の人間であろうと関係なく、平等(・・)に首を刎ねた。

織田軍焚燒了所有建築,凡被視為敵人就連嬰兒也毫不留情地殺害,但奇怪的是,比叡山延曆寺那可稱為本堂的地方卻完全未被觸及。

建物という建物を焼き、敵であれば赤子ですら容赦なく殺していた織田軍だが、不思議と比叡山延暦寺の本堂ともいうべき場所は、全くの手つかずだった。

要知道,織田軍曾將藏匿於日吉大社的僧兵連同大社一併焚燒。

日吉大社に立て籠もった僧兵たちを、大社ごと焼き払った織田軍が、である。

信長放過延曆寺本堂是有原因的;他本來並無意徹底滅絕延曆寺的一切。

信長が延暦寺の本堂を放置したのは理由がある。もともと、彼は延暦寺の全てを滅ぼす気は一つもなかった。

當時的延曆寺既是軍事據點,又以坂本為首擁有巨大的商業都市;然而多數僧侶已下山,將坂本或下坂本作為生活根據地。

当時の延暦寺は軍事拠点であり、坂本を筆頭に巨大商業都市を抱えていた。しかし、殆どの僧は比叡山を下り、坂本や下坂本を生活の拠点としていた。

延曆寺有院來、堂衆、學生、公人四階層僧眾,而腐敗的核心正是被稱為公人的僧侶。

延暦寺は院来、堂衆、学生、公人という僧の四階層があり、腐敗の中心は公人と呼ばれる僧だった。

他們尋歡作樂,理直氣壯地吃魚鳥;若缺乏遊興費就偷竊法儀費與布施、接受不正賄賂,甚至涉足貪婪的高利貸業。

彼らは女色を漁り、魚鳥を平然と喰らっていた。また、遊興費に困れば法儀料や布施などを盗み、不正な賄賂を受け取り、阿漕(あこぎ)な高利貸業にも手をつけた。

有時將對方逼到不得不借錢的地步,將宅院、土地、甚至婦孺當作抵押,用暴力討債。

時には相手を借金せざるを得ない状況に追い込み、家屋敷や土地、女子供までを担保に取り、暴力を以てこれを取り立てた。

公人倚仗延曆寺的權勢催促山領年貢,遇事便頭裹白布、手持武器在各地肆虐。

また公人は延暦寺の権力をバックに山領の年貢を催促し、有事の際は白布を頭に巻き、武器を手に各地で暴れまくった。

他們甚至抬著神輿衝入京城,鬧到要求被接受為止才罷休。

時には神輿をかついで京へなだれ込み、要求が通るまで暴れ回ったりもした。

坂本的日吉山權現如延曆寺般在全國擁有眾多社祠,自恃國內勢力強大。

坂本の日吉山権現は延暦寺と同じく全国に多数の社を持ち、国内の権勢を誇っていた。

以坂本濱為外港,將酒稱作般若湯、妓女稱作蓮の葉的隱語,從參詣延曆寺的團體所使用的旅店與歡樂街獲取龐大利益。

坂本浜を外港にして酒を般若湯(はんにゃとう)、遊女を蓮の葉(はすのは)と隠語で呼び、延暦寺に参詣する団体が利用する旅籠や歓楽の巷から莫大な利益を得ていた。

《信長公記》記載其腐敗為「不以天下之嘲弄為恥,不顧天道之畏」,僧侶大多染指俗務、沉溺享樂,忘卻信仰。

その様は『信長公記』に「天下の嘲弄をも恥じず、天道のおそれをも顧みず」と書かれるほどの腐敗ぶりで、僧の殆どが世俗に塗れ享楽に耽って信仰を忘れていた。

延曆寺將信長的焚討稱為「元龜之法難」,但史實亦顯示信長並未焚毀比叡山的一切建築。

延暦寺は信長の焼き討ちを「元亀の法難」と称しているが、史実でも信長は比叡山の全てを焼き払っていない。

然而信長對坂本周邊實施了完全封鎖,因而無第三者能直接目睹他對延曆寺所為。

しかし、信長は坂本周辺一帯を完全に封鎖したため、延暦寺に対して何をしたか直接目にした第三者は一人もいなかった。

關於信長的焚討,留有佛羅伊斯的報告、《言継卿記》、《御湯殿上日記》等記載,但如前所述,這些人並未親眼見到織田軍的焚討。

信長の焼き討ちに関してはフロイスの報告書や『言継卿記』、『御湯殿上日記』など数々の記録が残されているが、先にも述べた通り彼らは織田軍の焼き討ちを直接見ていない。

那些記載不過是傳聞而已,而古今中外,傳聞在流傳中常被誇大並添油加醋。

それらは伝聞の内容を記録しただけに過ぎない。そして古今東西、伝聞とは途中で誇張され面白おかしく装飾される。

昭和時代的發掘調查顯示,信長燒討延曆寺的形象,從被視為定論的大屠殺其實只不過是被誇大的虛像。

信長の比叡山延暦寺焼き討ちが、それまで定説とされていた大虐殺から実は誇張された虚像に過ぎない事が昭和に実施された発掘調査で判明する。

參與發掘的兼康保明報告指出:「信長所焚的建物僅有根本中堂與大講堂」。

発掘調査に携わった兼康保明氏は『信長が焼き討ちした建物は根本中堂と大講堂のみ』と報告している。

延曆寺的許多建築在元龜以前已廢毀,出土遺物幾乎沒有顯示元龜時期遭焚毀的證據。

また延暦寺の建物は元亀以前に廃絶(はいぜつ)したものが多く、出土遺物は元亀の焼亡を示すものが殆どなかった。

調查也發現,比起信長,更為徹底的是細川政元對延曆寺的焚討,當時多數主要設施被燒失。

信長よりも細川政元による延暦寺焼き討ちの方が徹底しており、この時殆どの主要施設が焼失している事も判明した。

而當時比叡山的主事者為正親町天皇之弟覺恕法親王;若信長真實行全山焚討,他恐怕早已不在,且可將信長視為朝敵。

そして当時の比叡山の主は、正親町天皇の弟である覚恕法親王である。もし、信長が全山焼き討ちを実行したら彼も生きてはおらず、信長を朝敵にすることも可能だった。

然而焚討後正親町天皇對信長的態度並未改變,沒有採取任何具體回應的記錄。

だが、比叡山焼き討ち後も、正親町天皇は信長に対して態度を変えず、特にこれといった対応を取った記録もない。

覺恕法親王也未向朝廷運作,反而依靠曾庇護延曆寺的武田氏。

また覚恕法親王も朝廷へ工作を行わず、延暦寺を庇護していた武田家を頼った。

史實上信長原本放任比叡山焚討的謠言不管,但這次他利用第六軍在京與堺散播訊息。

史実ではそのまま比叡山焼き討ちの噂を放置した信長だが、今回彼は第六軍を使って情報を京や堺にばらまいた。

那些內容像是「使延曆寺腐敗的是坂本的人們」或「織田家不再容忍冒稱佛門的惡鬼」等,彷彿在哀嘆延曆寺的腐敗並決心斬草除根。

「延暦寺を腐らせたのは坂本にいる者たち」や「織田家はこれ以上、仏を騙る悪鬼を見逃す気はない」など、まるで延暦寺の腐敗を嘆き原因を絶たんとする内容であった。

此外,他們讓織田軍對坂本採取軍事行動的事,到了九月初便在京與堺成為公開事實;其間攜帶資產從坂本逃走的人,信長並未追討。

しかも彼らの手によって織田軍が坂本へ軍事行動を行うことは、九月初めには京や堺で公然の事実として定着していた。その間、資産を持って坂本から逃げた者を信長は追わなかった。

他們在九月十日就將織田軍部署於坂本附近,也就是說到了九月十二日仍留在那裡的人,要麼輕視織田軍,要麼決意徹底抗戰,如此一來被逼入絕境。

更に坂本付近に織田軍を配備させたのは九月十日、つまり九月十二日になっても残っている連中は織田軍を侮っているか徹底抗戦をする覚悟の者、という状況に彼らを追い込んだ。

現在他們再喧囂也已為時晚矣。

今さら彼らが騒いでも既に手遅れだった。

在京與堺,信長散發的瓦版(新聞)早在攻入坂本之前就已流傳,替信長鋪陳出有利的資訊。

京や堺では信長の手によって瓦版(新聞)がばらまかれ、坂本侵攻より前から信長にとって都合の良い情報が定着していた。

並且利用甲賀眾假扮從坂本逃出的者散布消息;在資訊戰徹底獲勝的情況下,信長毫無手下留情也不加顧忌地攻滅坂本。

また、甲賀衆たちを使って坂本から逃げ延びた者を演じさせつつ情報拡散を行った。情報戦で完全に勝利を収めた信長は、手加減も遠慮も一切せず坂本を攻め滅ぼす。

「一切合切不加區別,盡行鏖殺」

「一切合切の区別なく鏖殺せよ」

無數求饒的哀求送至織田軍,但信長的回應毫無改變。

助命の嘆願が幾つも織田軍に舞い込んできたが、信長の返答は一切変わらなかった。

攻擊的訊息是刻意散布的,前一日還展示了並非虛假的證據,既然如此,若對方仍採取徹底抗戰的姿態也只有如此了。

攻め込む情報はわざと流した、前日に嘘でない証拠も見せた、その上で徹底抗戦の構えなら仕方ない。

信長對周遭人說:在在眾人面前再曝露沾滿污穢的醜態之前,斬殺不軌之人反而是一種慈悲。

これ以上衆目に汚濁に塗れた醜態を晒す前に、不埒者を斬り捨てることは慈悲である、と信長は周囲に語った。

過去對延曆寺抱有尊敬之情的人們,親眼目睹了住在坂本的僧兵們的醜惡,於是發覺信長的想法是正確的。

今まで延暦寺に対して尊敬の念を抱いていた者たちも、坂本に住む僧兵たちの醜悪さを目の当たりにし、信長の考えが正しいことに気付いた。

即便如此,仍有人忍不住手下留情;但對此信長已有一個對策。

それでも思わず手心をくわえる人間はいる。しかし、それに対して信長は一つ策を講じていた。

「もう一度問う。何故、坂本の人間を逃した」

「もう一度問う。何故、坂本の人間を逃した」

那是足滿對味方的監視。所謂味方並非織田軍,而是此次隨軍到坂本的織田家家臣以外的人。

それは足満による味方の監視だ。味方といっても織田軍ではなく、今回の坂本に従軍した織田家家臣以外の者たちに対してだ。

之所以這麼做,是因為秀吉沒有參與坂本的侵攻:在比叡山焼討中織田軍燒盡坂本時,光秀與柴田依信長之命徹底摧毀了坂本。

これを行っている理由は、秀吉が坂本侵攻に参戦していないことが理由だ。比叡山焼き討ちで織田軍が坂本を焼き払った時、光秀や柴田は信長の命令通り徹底的に坂本を破壊した。

然而負責橫川一帶的秀吉放過了從坂本逃走的人。可以說他是在偷懶,但這並不是因為秀吉是什麼人道主義者,也不是他因憐憫而放人。

しかし、横川方面を担当した秀吉は坂本から逃げる人間を見逃していた。言うなれば仕事をサボっていた訳だが、これは単純に秀吉が人道主義でも、逃げる人間に情けをかけた訳でもない。

為何光秀與柴田忠於命令,而秀吉違背信長的命令?那與他的出身有關。

何故、光秀や柴田は命令に忠実で、秀吉は信長の命令に背いたのか。それは彼の生まれが関係する。

秀吉出身農民,幾乎不像光秀或柴田那樣與有力者有聯繫。有人說他出身下級足輕,無論如何都幾乎相當於沒有與其他家族的關係。

秀吉は農民の出であり、光秀や柴田の様に有力者との繋がりが殆どない。下級足軽の生まれとも言われているが、いずれにしても他家との繋がりがないに等しい状態だ。

相對而言,光秀與柴田有家族歷史,對有力者也有一定的面子。這種差異在攻打坂本時,明顯以應對方式呈現出來。

対して光秀や柴田は家の歴史があり、有力者に対しても一定の顔がきく。この差が坂本を攻めるとき、対応の差として如実に現れた。

換言之,秀吉為了取得與有力者的關係,僅放過了從坂本逃出者中,擁有勢力的人(……)而已。

つまり秀吉は有力者との繋がりを手に入れるため、坂本から逃げてきた者の内、力を持つ者(・・・・・)だけ見逃したのだ。

這些人在日後存活下來,當秀吉掌握天下時,便從坂本取得了大量的上納金。

これが後に生き、秀吉は天下を握った時に坂本から多くの上納金を手に入れる事となった。

信長並不知此事,但他憂慮會有以金錢放走敵人的味方出現,從而導致包圍網被突破,於是命足滿監視味方。

その事を信長は知らないが、彼は金子で敵を逃がす味方が現れ、それによって包囲網を突破される事を危惧し、足満に味方の監視を命じた。

「そ、それは……」

「そ、それは……」

面對足滿的質問,武將哽咽說不出話,瞥了一眼滾在近處的母親與兩個孩子的屍體。他把妻兒的模樣投射到自己的家人身上,不由得生出憐憫而手下留情。

足満の問いかけに武将は言葉を詰まらせる。近くに転がっている母親と子ども二人の死体を一瞥する。彼は妻子の姿に自分の妻子を重ねてしまい、つい情けをかけてしまった。

然而他的始末全被足滿的部下(以鳶加藤為首的忍者集團)看見了。他們立刻將妻兒拘捕,毫不問辯地斬殺。

だが一部始終を足満の配下(鳶加藤を筆頭とする忍び集団)に見られていた。彼らの手によってすぐさま妻子は捕縛され、問答無用で斬り捨てられた。

並將屍體擲到武將眼前,足滿正在逼問他。

そして死体を武将の眼前に転がし、足満が問い詰めている状態だ。

「坂本の人間は一人たりとも生かしてはおかぬ、慈悲は一切無用。その命に反する理由を答えよ」

「坂本の人間は一人たりとも生かしてはおかぬ、慈悲は一切無用。その命に反する理由を答えよ」

被瞪視的武將不由退後一步。他並不是把足滿的目光當作看待味方的眼神,而只是因為脊背湧起寒意才退後了一步。

睨まれた武将は思わず一歩後ろに下がる。彼には足満の目が味方を見るような目に見えず、背筋に寒気を感じたため一歩下がっただけだ。

然而,足滿判斷那態度有可疑之處,便微微眯起了眼。

しかし、その態度に後ろ暗いところがあると判断した足満は僅かに目を細める。

「三人で許そう」

「三人で許そう」

「何……?」

「何……?」

「貴様が逃した人数分の首で許そう、と言っておるのだ」

「貴様が逃した人数分の首で許そう、と言っておるのだ」

對於足滿的話,武將無法理解他想表達的意圖。不,或者說他不願去理解。

足満の言葉に武将は彼が何を言いたいのか理解できなかった。否、理解しようとしなかった。

簡單來說就是以你放走的人數作為同等數目的首級來贖罪。這既無法理解,也無法令人服氣。

端的に言えば逃がした人数と同じ数だけ己の配下を殺せ、である。とうてい理解できるものでないし、納得できる内容ではなかった。

見武將猶豫,足滿輕輕吐了一口氣,舉起手示意。瞬間,不知從何處飛來的箭矢貫穿了靠近武將的足輕們的顱頂。

迷っている武将を見て足満は小さく息を漏らすと、腕を上げて合図を出した。瞬間、どこからともなく矢が飛来し、武将の近くにいた足軽たちの脳天を貫いた。

「織田殿の命は皆殺し、それすら出来ぬ無能に用はない」

「織田殿の命は皆殺し、それすら出来ぬ無能に用はない」

武將正欲發出抗議之聲,但在足滿等人的殺氣下,話語不由得吞回。

抗議の声を上げようとした武将だが、足満たちの殺気を前に思わず言葉を飲み込む。

到此武將終於明白:足滿並不把他們當作味方,只是判斷他們不是自己的敵人而已。

ここにきてようやく武将は理解した。足満は自分たちを味方とは思っていない。ただ自分たちの敵ではないと判断しているに過ぎない事を。

若在此處明確與他為敵,足滿會乾脆將他們視為敵人並皆殺之。而即便他處置了他們,也不會受責,武將已充分理解這一點。

この場で彼と明確に敵対すれば、足満はあっさり自分たちを敵と見なして皆殺しにするだろう。そして彼が自分たちを処分しても、お咎めなしである事も、武将は十分に理解した。

「すまなかった。次からは気をつけよう」

「すまなかった。次からは気をつけよう」

在尊嚴與驕傲還是求生之間掙扎後,武將選擇了後者。

意地と誇りを取るか、それとも生き残る事を取るか、悩んだ末に武将は後者を選んだ。

「次はない」

「次はない」

話說完後,足滿連看都不看武將一眼,帶著部下離去。留下的只有咬牙切齒、滿懷屈辱的武將與家臣,以及被殘酷殺害的母子遺體。

それだけ語ると足満は武将を見向きもせず、配下を連れて立ち去った。後に残ったのは屈辱に歯噛みする武将と家臣、そして無残に殺された親子の遺体だけだった。