戦国小町苦労譚
一五七一年 八月中旬
七月上旬,靜子率領兩千名精銳部隊上京。
七月上旬、静子は2000の精鋭兵を連れて京へ上洛した。
此次目的,是隨軍護送信長要向帝王進貢的土耳其安哥拉幼崽。儘管如此,精兵全副武裝,隨時可投入戰鬥。
今回の目的は、信長がターキッシュアンゴラの子を帝へ献上するための従軍だ。それでも精兵は完全武装し、いつでも戦闘出来る状態だ。
把在家中管理事務的彩和お市等留在尾張,出發上京的成員則有侍女蕭(しょう)、武將慶次、才藏、長可三名,以及見習的高虎。
家の中を管理する彩とお市たちを尾張に残し、それ以外の面子である侍女の蕭(しょう)、武将の慶次、才蔵、長可の3名と見習いの高虎が上洛に参加した。
此外這次沒有使用平常的木曾馬,而是用了阿拉伯品種的馬。
更に今回はいつもの木曽馬ではなく、アラブ種の馬を使用している。
話雖如此,實際騎乘的只有靜子與慶次、才藏、長可四人。其餘騎兵以及高虎、蕭(しょう)則騎著木曾馬。
使用していると言っても、跨っているのは静子と慶次、才蔵、長可の四名だけだ。残りの騎兵と高虎、蕭(しょう)は木曽馬に跨っている。
以慶次為首的一群打扮浮誇的傾奇者也很醒目,但比起他們更吸引京中百姓目光的是靜子。
慶次を筆頭に派手な身なりをした傾き者たちも目立っていたが、それより更に京の民から注目を浴びていたのが静子だ。
當然並非靜子本人,而是圍繞在她身旁的那些獸類異常地引人注目。
尤も静子本人ではなく彼女の周囲にいる獣たちが、異常なまでに目立っていた。
體高約155cm的較為高大的阿拉伯品種;圍繞馬匹的是ヴィットマン一家,靜子的左臂上有シロガネ,馬頭上有アカガネ,靜子前方有クロガネ,這些動物都在她身邊。
体高約155cmと比較的高いアラブ種、馬を囲うようにヴィットマン一家、静子の左腕にシロガネ、馬の頭の上にアカガネ、静子の前にクロガネと、静子の元にいる動物たちがいた。
最顯眼的恐怕是ヴィットマン一家。其體格無法與柴犬或日本狼相比,眼神銳利,英挺的氣勢令觀者為之震懾。
一番目立っていたのはヴィットマン一家だろう。柴犬や日本狼とは比較にならない体躯、眼光は鋭く、凛々しい雰囲気は見る者を圧倒させていた。
然而靜子帶他們來只是因為最近沒時間玩耍,帶來玩玩而已,並沒有太深的用意。
だが静子が彼らを連れてきたのは、最近遊べてないから連れてきただけで、それほど深い意味はなかった。
靜子一進入在京經常使用的居館,就開始檢查土耳其安哥拉貓的健康狀況。
静子は京でいつも利用している居館に入ると、ターキッシュアンゴラの健康状態をチェックをする。
檢查耳、眼、口、鼻、呼吸、身體、皮膚與被毛,接著觀察是否有異常行為或食慾不振。雖是簡單檢查,但確認無異常後,就把貓送往信長處。
耳、目、口、鼻、息、体、皮膚、被毛をチェックし、次に奇妙な行動や食欲不振がないかチェックする。簡単なチェックだが全てに異常がない事が分かると、猫を信長の許へ送った。
把貓送到信長那兒後,靜子的工作就算差不多完成了。之後只要在屋敷等待指示即可。所謂待命並不嚴苛,只要不做過分招搖的行為,在京中遊玩也無妨。
信長の許へ送れば静子の仕事は終わったも同然だ。後は指示があるまで屋敷で待機していれば良い。待機と言っても余程目に余る行為をしなければ、京の街で遊んでも問題なかった。
慶次帶著大筆金錢消失不見,長可如往常般去相撲部屋挑戰道場,才藏雖不出屋但只顧著下圍棋與將棋,除了蕭(しょう)和高虎之外,其他人都沉浸在遊玩中。
慶次は大金を持って何処かへ消え、長可は毎度の如く相撲部屋へ道場破り、才蔵は屋敷を出ないものの囲碁や将棋で遊ぶばかり、蕭(しょう)と高虎以外は遊びに興じていた。
「那我們也去玩吧」
「では私たちも遊びに行きましょう」
作為屋主的靜子也閒得發慌,於是決定前往京中遊覽。同行的是靜子、才藏、高虎與蕭(しょう)。
屋敷の主である静子も暇を持て余していたので、京の街へ出向く事にした。面子は静子、才蔵、高虎、蕭(しょう)だ。
想著去逛櫥窗購物的靜子,覺得京市相比岐阜較小,並無太多吸睛之物。但販售的商品帶有岐阜市場所沒有的「伝統」氣息。
ウィンドウショッピングと洒落こんだ静子だが、岐阜と比べて市場が小さい事もあり、あまり目を惹くものはなかった。だが売られている品々には、岐阜の市場にない『伝統』の匂いがあった。
「有些傳統的東西,但說不上有什麼特別有趣的東西」
「伝統的な物はあるけど、これと言って面白いものがないね」
「靜子大人本應是創造有趣事物的一方嗎……嗯」
「静子様は面白いものを作る側では……む」
似乎察覺到什麼,才藏用手示意眾人止步。順著他的視線看去,有一群人聚集起來。從才藏的反應判斷,這人群看起來不像是好事。
何かに気付いたのか才蔵が手で全員を制する。彼の視線の先を見ると、何やら人集りが出来ていた。才蔵の反応を見るに、あまり良い意味での人集りとは思えなかった。
「與吉君,聯絡警巡隊。蕭(しょう)醬,為了以防萬一,從我方召來一百名左右的兵士。這種事是與時間賽跑。出發!」
「与吉君、警ら隊に連絡。蕭(しょう)ちゃんは万が一を考えて、うちから兵100人ほど呼んできて。こういうのは時間との勝負。はい、動く!」
靜子迅速下達指示,兩個經驗不足的人慌忙不安。但靜子一催促,他們似乎明白該做的事,便各自朝目標地點奔去。
手早く指示を飛ばす静子に対し、この手の経験が少ない二人はオロオロしていた。しかし静子が発破をかけると自らがすべきことを理解したのか、それぞれ目的の場所へ向かって駆け出した。
「才藏,我去確認裡面發生了什麼。能悠哉觀望當然最好,但看起來並非如此。」
「才蔵さん、中で何が起きてるか確認するよ。悠長に様子見できるならそれに越した事はないけど、どうもそんな風に見えないからね」
「是。然後請多加留意周遭。混在人群中或許有可疑之人盯上靜子大人。」
「はっ。しかし身辺にはお気をつけ下さい。人混みに紛れて、怪しい者が静子様を狙うやも知れません」
「嗯,不會魯莽行事。只要能拖到警巡隊到來就好了。」
「うん、無茶はしないよ。警ら隊が来るまでの時間稼ぎが出来れば御の字」
兩人一邊警戒周圍一邊靠近人群。幾乎靠到眼前時,喧囂傳入他們耳中,從對話中可聽出一方在大聲咆哮。
二人は周囲を警戒しつつ人混みに近づく。殆ど目と鼻の先まで近づくと、喧騒が二人の耳に届いた。会話のやり取りから片方が怒声を上げている事が分かる。
才藏從對話內容判斷出事態一觸即發,便走到靜子前面深吸一口氣。
才蔵は会話の内容から一触即発の事態を理解すると、静子の前に出ると息を大きく吸い込んだ。
「在有天皇居住的京城裡你們在喧嘩什麼! 忘了此地嚴禁鬧事的規矩了嗎!!」
「帝のおわす京で何を騒いでおる! ここでの揉め事は厳禁である旨を忘れたか!!」
那聲音是平時的才藏無法想像的怒吼。聲音之大令附近的人皺眉回望,但見到帶有出征武士氣勢的才藏後,大家急忙移開視線。
それは普段の才蔵からは想像すら出来ないほどの怒声だった。余りの大声に近くの人間がしかめっ面で振り返るが、合戦に出るいくさ人の雰囲気を漂わす才蔵を見て、慌てて視線を逸らす。
才藏跨出一步,人群自然分開。
才蔵が一歩前へ足を踏み出すと人垣が割れた。
「雙方把兵刃放下!好好看看四周!!」
「双方得物を静かに下ろせ! 周りをよく見よ!!」
走到爭執中心後,才藏向雙方當事人發出警告。
揉め事の中心につくと、才蔵は当事者双方に警告する。
「你、你是誰,突然大聲……噫!」
「な、何だてめぇは、いきなり大声……うっ!」
那男剛要抱怨,卻被才藏銳利的目光制止,話到一半吞了回去。才藏掃視一圈後,用手中長槍的槍頭狠狠敲擊地面。
男が文句を口にしたが、才蔵の鋭い眼光を受け、途中で言葉を飲み込んだ。騒動を起こした者たち全てを一瞥した才蔵は、手に持っている槍の石突で地面を力任せに叩いた。
沉悶而巨大的聲音使圍觀者後退數步。起鬨的一方也被才藏散發的氣勢所震懾。
鈍く大きな音に野次馬たちが数歩後ろへ下がる。騒動を起こした片方の集団も、才蔵から発せられる気迫にたじろぐ。
「好了,把武器收起來。那邊的兩位也可以了嗎?」
「はい、武器を収めてね。そっちの二人も良いかな?」
靜子帶著儘量不顯敵意的笑容,向與鬧事男子對立的兩名少年詢問。兩人似乎猶豫不決,年輕的那位不停地遊移視線。
静子は騒動を起こした男たちの対面側にいる二人の少年に、なるべく敵意を感じさせない笑みで尋ねる。二人は考えあぐねているようで、しきりに年の若い少年が視線を彷徨わせている。
但他們最終認為收起武器為上,便將手中的刀入鞘。
しかし武器を収める事が一番良いと結論を下し、手に持っていた刀を鞘に納める。
對面領頭的仍不放下刀,擺出不遜的態度,但在才藏擺好長槍後,他慌忙把刀入鞘。
相変わらず反対側のリーダー格は刀を手に、不遜な態度を取っていたが、才蔵が槍を構えると慌てて鞘に納めた。
「那麼,究竟為何而喧鬧?」
「それで、何で騒いでいたのかな?」
「哼,要跟你說……不,沒什麼。」
「けっ、お前に話す……いや、何でもありません」
那男子擺出悶悶不樂的態度轉過頭去,但在才藏的殺氣下滿頭冷汗、退縮。儘管如此他仍不改態度,看來是不想在手下面前露出膽怯的一面。
ふてくされた態度でそっぽを向いた男だが、才蔵の殺気に冷や汗をかいてたじろぐ。それでも態度を改めない所を見るに、部下に気弱な所が見せられないのだろう。
假裝堅強是誰都看得出來,但靜子明白挑這點也沒辦法開始談話,便將臉轉向兩個少年中年紀較大的那位。
やせ我慢をしているのは、誰の目にも明らかではあるが、そこをつついても話は始まらないと理解すると、静子は二人の少年の内、年上の方へ顔を向ける。
「那對夫婦的孩子,據那男人所言是奴隸。但夫婦說是養子。依我看法,夫婦是正確的,所以我站在夫婦一邊。」
「そこな夫婦の子が、その男曰く奴隷だとの事だ。しかし夫婦は養子だと言う。わしの見立てでは夫婦が正しいと感じた。故に夫婦の味方をした」
「事情大概就是這樣,沒錯吧?」
「という話だけど、間違いはないかな?」
「是啊。我是從奴隸商人那兒用五貫文買的。亂戰混亂時跑掉了,不過終於找到了。」
「そうだよ。そいつぁ奴隷商人から五貫文で買った。乱戦のどさくさに紛れて逃げやがったが、ようやく見つけたんだよ」
綜合雙方的說法,那名像山賊的男人以五貫文買了奴隸,但在被捲入宇佐山城之戰時,奴隸趁亂逃走。經過波折之後,他好像發現了那孩子已被夫婦收為養子。
双方の話を纏めると山賊風の男が五貫文で奴隷を買った。しかし宇佐山城の戦いに巻き込まれてその間に奴隷が逃げた。紆余曲折の後、夫婦の養子となった所を見つけたようだ。
「話題有點偏了,兩人都是認識這對夫婦嗎?」
「話は逸れるけど、二人ともこの夫婦の知り合い?」
最難理解的是兩人的來歷。看起來,年長的約十五歲,年幼的約十一歲。
一番分からない事が二人の素性だ。見た所、年上は十五歳、年下は十一歳程度だ。
靜子見年長者衣著較好,認為是武家子弟與小姓。若此推論正確,便想不出少年們特地去助那對夫婦的理由。
年上の方が身なりが良い所を見るに、武家の子と小姓だと静子は思った。その推論が正しいと仮定した場合、少年たちが夫婦にわざわざ助太刀する理由が思いつかない。
可能是被突襲,或為了守護主君,年幼的少年肩膀受了傷。
不意をつかれたか、主を守るためか、年下の少年は肩に怪我を負っていた。
「我和那對夫婦之間沒有血緣關係。但若見弱者而棄之,違背我的道義。」
「わしと夫婦の間に、血の繋がりはない。しかし弱きを見捨てては、わしの道義に反する」
「……就只有這樣嗎?」
「……それだけ?」
「沒有其他理由了。」
「それ以外の理由などない」
靜子確信少年沒有別有用心,他斷言時毫無猶豫。
迷いなく断言する様に、静子は少年は腹黒い事を考えていないと確信する。
若他有心機,剛才的問答中應該會更會說話,但他雖然笨拙,卻絲毫不修飾言詞。
もしも考えているならば、先ほどの問答でもう少し上手く言葉を選ぶはずだ。だが少年は不器用ながらも、一切言葉に装飾をしなかった。
「好,謝謝。那麼要問那對夫婦,據說是把那孩子當養子帶回的,從哪裡帶回來的?」
「はい、ありがとう。では、夫婦さんにお尋ねします。その子を養子として引き取ったという話だけど、何処から引き取ったの?」
「啊、嗯、是的。那個……是從織田家管轄的孤兒院來的。」
「え、あ、はい。えと……あの、織田家が管理する孤児院から、です」
「那應該有養子收養的證文,你們有好好保管嗎?」
「じゃあ養子引取証文があるはずだけど、それをちゃんと保管している?」
織田家管轄的孤兒院不是奴隸販賣所,而是以使失去父母的孩子自立、成為社會一員為目標。
織田家管轄の孤児院は奴隷売り場ではなく、親を失った子を自立させて社会の一員とする事を目的としている。
因此大多成為工匠工房的徒弟,但也有極少數被收為養子。
故に大半は職人の工房に弟子入りするが、稀に養子として引き取られる事もある。
在那時,管轄孤兒院的織田家機關會發行的公文書即為「養子引取證文」。
その時、孤児院を管轄する織田家の組織から発行される公文書が『養子引取証文』である。
「啊、是的!確實收到了!」
「あ、はい! 確かに受け取りました!」
「那麼假如那是真的……贖金的請求對象會是織田家,請你們與他們交涉。」
「ではそれが本物と仮定すると……代金の請求先は織田家になりますので、そちらとやり取りをお願いします」
靜子對山賊首領宣判死刑。若孤兒院的孩子實際上是奴隸,且為逃亡奴隸,則購買費用應由織田家支付。
山賊のリーダー格に静子は死刑宣告をする。孤児院にいる孤児が本当は奴隷であり、逃亡奴隷であった場合、買取代金を織田家が支払う事になっている。
但那要是在能證明是從奴隸商人那買走孤兒的人情況下才成立。若無法證明,且信長心情不佳,將會有慘痛的報復。
しかしそれは奴隷商人から孤児を買った人間である事を証明出来た場合だ。証明出来ない上に、信長の機嫌が悪ければ手痛いお返しが待っている。
「哼、哼哈哈哈哈,開什麼玩笑!我還損失了五貫文……!」
「ふ、ふふふふふふざけんなよ! こちとら五貫文も損して……ッ!」
火冒三丈的男人又要伸手拔刀,但注意到周遭的看熱鬧者已消失,取而代之的是全副武裝的足輕包圍四周,他的動作停了下來。
激高した男は、再び刀に手を伸ばしかけた。しかし周囲にいた野次馬たちは消え、完全武装した足軽たちが周りを取り囲んでいる事に気付き、その動きを停止させた。
「大人。依照您的命令,我已集結了100人。」
「殿。ご命令通り、100人集めて参りました」
單是這點就幾乎讓山賊們氣勢瓦解,但當其中老練的士兵在靜子面前恭敬行禮後說出那句話時,山賊們徹底崩潰。
それだけでも山賊たちの心が折れそうになっていたが、その中から老練な兵士たちが静子の前で恭しく礼をしながら口にした言葉で木っ端微塵に砕け散った。
接下來事情順利解決。核對交來的養子引取證文,證實並非偽造,證實了夫婦的說法正確。
その後はとんとん拍子で話が片付いた。渡された養子引取証文を照会したが偽証文(にせじょうもん)でない事が証明され、夫婦の言い分が正しい事が証明された。
山賊們因挑起騷動被警備隊帶走。年輕的少年們因保護夫婦未受處分,但因沒有呼叫警備隊而受到了嚴重警告。
山賊たちは騒動を起こした罪で警ら隊に連行されていった。若い少年たちは夫婦を守った事でお咎め無しだが、警ら隊を呼ばなかった事で厳重注意を受けた。
最後確認少年的傷勢,出乎意料是重傷,需縫合,於是想要治療,卻被少年固執地拒絕。
最後に少年の怪我を確認したが、予想外に深手であり縫合が必要な怪我だったので治療をしようとしたが、少年が頑なに拒絶し始めた。
「這種程度的傷,不算什麼。」
「この程度の傷、大した事はない」
「嗯,你這麼說,不過在癒合之前也可能腐爛喔?」
「うーん、そう言うけど引っ付くまでに腐る場合があるよ?」
戰國時代的武將極度厭惡接受傷口治療,因為接受治療會被貼上軟弱者的標籤;相對地,百姓則利用自家的療法來處理傷口。
戦国時代の武将は怪我の治療を極端に嫌う。これは治療を受けると軟弱者という烙印を押される事が理由だ。反対に百姓たちは独自の治療法を利用し、怪我の治療を行っていた。
而戰場上的治療方法極為粗暴,放到現代看幾乎是效果可疑、荒唐無稽的做法。
一方戦場での治療方法と言えば実に荒っぽく、現代からすると効果の怪しい荒唐無稽なものであった。
在合戰中常見的箭傷,通常是用蠻力拔出箭矢,之後只讓傷者安靜休息。
合戦での負傷に多い矢傷の場合、矢を力任せに引き抜いて後は安静にさせるのみ。
而所謂的安靜休息,還包含因擔心睡著會死而不允許睡眠,甚至不給進食,幾乎等同折磨的粗暴方式。
しかも安静にするとは言え眠れば死ぬからと眠ることを許さず、しかも食事も取らせないという拷問にも等しい乱暴なものであった。
戰場上沒有藥物,於是便流行起利用身邊物品的可疑民間療法。
戦場には薬などないため、身近にあるものを利用した怪しい民間療法が蔓延する。
例如流傳著把馬糞熬成的水喝了就能止血,或者喝尿能減輕疼痛之類的迷信盛行。
例えば馬糞を煎じた水を飲めば血が止まるであるとか、小便を飲めば痛みが和らぐと言った迷信がまかり通っていた。
靜子廢止那些治療方法,並派遣專門治療負傷兵的金瘡醫衆隨軍。
静子はそれらの治療方法を廃止し、負傷兵の治療を専門とする金瘡医衆を従軍させている。
雖然無法做到現代醫學那般高階的治療,但在現代醫學中學過負傷兵治療法和藥學的金瘡醫,仍對靜子軍降低戰死人數貢獻良多。
現代医学ほど高度な治療は出来ないが、それでも現代医学の中で負傷兵の治療方法や薬学を学んだ金瘡医は、静子軍の戦死者軽減に大きく貢献している。
受傷的靜子軍足輕與雜兵不易喪命的理由,無非是他們在幕後擔當了支撐的角色。
負傷した静子軍の足軽や雑兵が死ににくい理由は、彼らが縁の下の力持ちとして力を発揮しているより他ならない。
「呃……沒問題!」
「う……問題ないッ!」
「若不把傷好好治療,那傷可能會在半年後成為死亡原因,或傷口腐爛長蛆,甚至細菌侵入骨頭,承受難以想像的劇痛……不過嘛,我不會強求你。」
「傷をちゃんと治療しないと、その傷が原因で半年後に死んだり、傷口が腐って蛆虫が湧いた挙句、骨まで菌が入り込んで想像を絶する痛みを味わう可能性があるけど……まぁ無理にとは言わないよ」
靜子的話讓年下的少年面色發白,但他搖了搖頭,把那些想像從腦中趕走。
説得しているのか脅しているのか判別し難い静子の言葉に、年下の少年は顔を青くする。しかし頭を横に振って、自身の想像を頭の中から追い出した。
年長的少年看完始末後重重嘆了口氣,轉向靜子。
一部始終を見ていた年上の少年は、重い溜息を吐くと静子の方へ向き直る。
「抱歉,可否請您救治他?這傷真的可能如您所言致命。我不想失去他,求您了。」
「申し訳ないが、彼を治療して頂けないでしょうか。この怪我では、本当に貴女の言う通り死ぬ場合があります。わしは彼を失いたくない、どうかこの通りです」
「殿……我剛才失禮了。從在下這裡也拜託您,請救治他。」
「殿……我儘を申しました。某(それがし)からもお願い申します、治療をお願いいたします」
說罷,年長的少年低下頭。被侍奉的人受到那般懇求,年下的少年也幾乎把頭貼向地面般低下。
言い終えると同時、年上の少年が頭を下げる。仕える相手にそこまで言われて我儘は言えないと考えた年下の少年は、頭を地面に擦り付ける勢いで頭を下げた。
「兩位抬起頭來。不過在市集的一角占據來治療多少有些不妥,如果你們沒意見的話,請到我的府邸來接受治療……可以嗎?」
「二人とも頭を上げて。しかし市場の一角を占拠して治療するのは問題ね。二人が良ければだけど、私の屋敷に来て貰うけど……問題ない?」
「沒問題。」
「問題ありません」
「殿,雖說是孩子,但把陌生人帶進府邸還是……」
「殿、童とは言え見知らぬ輩を屋敷に入れるのは……」
一直沉默的玄朗看向才藏,向靜子提出警告;但才藏把手放在玄朗肩上,露出一臉無奈地搖頭。
今まで黙っていた玄朗は、才蔵を見つつ静子へ苦言を呈する。しかし才蔵は玄朗の肩に手を置くと、何もかも諦めた顔で首を横にふった。
玄朗見狀也捂著額頭呻吟,然後小聲嘆息。
それを見た玄朗も額に手を当てて呻いた後、小さくため息を吐く。
「沒錯,殿您連才藏大人都會無言以對的程度毫無防備。老人的牢騷現在就隨他去吧。」
「そうでした、殿は才蔵様も呆れるほど無防備でした。今さら爺の小言など、簡単に流しましょう」
「不不不,既然帶著金瘡醫衆,還是交給他們來處理。而且我也會小心,不會讓玄朗老爺太操心的。」
「いやいやいや、金瘡医衆を連れているのだから、流石に彼らに頼むよ。それに玄朗爺ちゃんを悩ましすぎないように、ちゃんと気をつけているよ」
靜子全力否認,但才藏與玄朗只是齊聲嘆氣。光是沒怎麼帶護衛就在京城大搖大擺地走,根本就是大意過頭了。
全力で否定する静子だが才蔵と玄朗は揃ってため息を吐くだけだった。ろくに護衛も付けず京の街を練り歩いている時点で、油断し切っている様なものだ。
把那些牢騷收進心裡後,玄朗又嘆了口氣。
そんな小言を胸の中に仕舞い込んで、玄朗はもう一度ため息を吐く。
「比起那些,殿,別是打算就這樣回府吧?」
「そんな事よりも殿、まさかそのままご帰宅するとは申しませんよね?」
「被一口帶過我差點哭出來……不過,還是照常回去啦?」
「あっさり流されて泣きそうなんだけど……いや、普通に帰るけど?」
不懂問題意圖的靜子歪著頭,見她這樣無奈的玄朗按了按太陽穴。
質問の意図が分からない静子は首を傾げるが、そんな彼女に呆れたのか玄朗はこめかみを押さえる。
「既然要回府,在場的我們會護送您回去請放心!還有殿!您實在太輕視自己了!」
「ご帰宅なされるのなら、ここにいる我らが護衛致しますのでご安心下さい! それから殿! 貴女はご自身の事を軽んじすぎております!」
「好、好的。請多關照?」
「は、はい。よろしくお願い致します?」
覺得最好別硬碰硬的靜子老實點頭。玄朗雖然還有些懷疑,但轉向士兵們提高聲音下令。
下手に逆らわない方が良いと考えた静子は、玄朗の言葉に素直に頷く。若干疑いの目を向けていた玄朗だが、兵士たちの方へ顔を向けると声を張り上げる。
「你們!殿要回府了!全員就位!」
「お前たち! 殿が屋敷へお戻りになるぞ! 全員、配置につけ!」
在玄朗的聲音下,士兵們像被彈開般一齊將靜子圍住。形成一個連一個人都難以接近的防護陣,靜子只露出一絲苦澀的笑容。
玄朗の声に弾かれたように、兵士たちが一斉に静子の周囲を固める。人っ子一人近づけない防御陣に静子は乾いた笑みしか浮かばなかった。
「(哈、哈哈……隨便你們)那麼……回府囉——」
「(は、はは……もう好きにして)で、では……帰投しまーす」
與玄朗鏗鏘的聲音相反,靜子以有些無精打采的聲音對士兵們下達號令。
玄朗の声とは対象に、気の抜ける声で静子は兵士たちへ号令をかけた。
少年的傷比想像中嚴重,拆線要等到兩週後。
少年の怪我は思いのほか酷く、抜糸出来るのが二週間後だった。
最壞的情況是得留下金瘡醫衆再返回岐阜,但信長那邊似乎也需要時間,因此決定再在京城多逗留一段時間。
最悪の場合は金瘡医衆を残して岐阜に帰還する事になるが、信長の方も何やら時間がかかっている為、もう少し京へ滞在する事となった。
「朝廷看起來規矩很多呢。蕭(しょう)醬,給我三根柴火。」
「朝廷って色々と決まり多そうだしね。蕭(しょう)ちゃん、薪を三本頂戴」
因為意外停留閒得無聊,靜子在府邸裡那座耐火磚砌的拱形石窯中做起點心來。
予定外の滞在に暇を持て余した静子は、屋敷に備え付けている耐火レンガ製のアーチ型石窯で菓子を作っていた。
這次用石窯烤的是蜂蜜蛋糕(カステラ)。當然不會一個人吃完這些。
今回石窯で焼いた菓子はカステラだ。無論、それらを一人で食べる訳ではない。
「拿去,三根柴火。」
「どうぞ、薪三本です」
「嗯,謝謝妳。」
「ん、ありがとうね」
接過柴火後,靜子立刻丟進兩根以增加火力。看火勢其實不需要三根,於是把剩下的一根放在旁邊。
薪を受け取ると、静子はすぐさま二本放り込んで火力を上げる。火の様子から三本要らないと分かると、残り一本の薪を横に置いた。
「把家門敞開會被賊闖進,真是老梗呢。」
「家を開けっ放しにすると、賊が侵入するとか古典的だよね」
平時少人使用的府邸一旦有人進出,盜賊便會趁機進入偷取行李;而潛入者總是會盡量選擇人少的時候下手。
普段使われていない屋敷に人が入ると、荷物狙いの賊が侵入してくる。そして忍び込む人間はなるべく人が少ない時を狙ってくる。
靜子和慶次等人外出時,有三個賊為了貴重物品潛入屋內。
静子や慶次たちが出払った時、金目の物目当てで賊が三人忍び込んできた。
但先察覺到賊闖入的維特曼他們與白金、黑金、赤金毫不客氣地襲向他們。
だが賊の侵入をいち早く知ったヴィットマンたちとシロガネ、クロガネ、アカガネが問答無用で彼らに襲いかかる。
結果,第一個人被維特曼等人咬傷了脖子、手與腳,幾近半死,最後巴爾蒂像要了結似地咬斷了賊的喉嚨。
結果、一人目はヴィットマンたちに首、手、足を噛まれて半死状態にされた挙句、バルティが止めと言わんばかりに賊の喉を食い千切った。
第二個被白金的爪子貫穿眼窩直達腦部當場死亡,第三個則被赤金與黑金的爪子壓碎了眼睛、肺與內臟,最後掉入池中窒息而亡。
二人目はシロガネの爪が眼窩を貫き脳に達して即死、三人目はアカガネとクロガネの爪に目や肺、内臓を潰された挙句、池に落ちて窒息死した。
一邊聽玄朗唸叨,靜子就讓士兵們把不想直視的屍體抬走。就連有豐富戰場經驗的士兵們,似乎也不想看那露出腦與內臟的屍體,便用布蓋上不讓人直視。
玄朗の小言を聞きながら、静子は兵を使って直視したくない死体を運び出す。合戦経験が豊富な兵たちも、脳や内臓が露わな死体は見たくないのか、布を被せて直視しないようにしていた。
這起賊闖入事件後,不用說,守衛開始在靜子所在的屋敷巡邏。
この賊侵入事件後、静子のいる屋敷に兵たちが見回りをするようになったのは言うまでもない。
靜子覺得維特曼他們可能積了壓力,自事件後常常陪他們玩耍。
ヴィットマンたちはストレスでも溜まっていたのか、と思った静子は事件後から彼らと遊ぶ事が多くなった。
靜子比平時更常照顧他們,讓維特曼一家、白金、黑金、赤金都雀躍不已。
いつも以上に静子が構ってくれる事に、ヴィットマン一家、シロガネ、クロガネ、アカガネの気分は高揚する。
就連在石窯烤蜂蜜蛋糕時,白金也像在說「來玩吧」一樣用翅膀拍打靜子。
石窯でカステラを焼いている時も、遊んでと言わんばかりにシロガネは羽で静子を叩いていた。
「對不起,今天有客人來。」
「ごめんね、今日は来客があるの」
道歉的同時,靜子撫摸白金的頭。白金喜歡被撫摸,把身體靠在靜子身上,顯得很舒服。
謝罪の言葉を口にしつつ静子はシロガネの頭を撫でる。シロガネは頭を撫でられるのが好きなので、静子に身体を預けて気持ち良さそうにしていた。
靜子的撫摸結束後,牠鳴了一聲飛起。停在屋敷裡喜愛的樹上,又再鳴了一聲。
静子の撫でが終わるとひと鳴きして飛び立つ。屋敷にあるお気に入りの木へ止まると、そこでまたひと鳴きした。
「呵呵,明天就能玩了,所以今天要忍耐喔。」
「ふふっ、明日は遊べるから今日は我慢してね」
說完後靜子又轉向石窯。當香噴噴的蜂蜜蛋糕烤好時,小姓跑向靜子告知有客人來訪。
言い終えると静子は石窯へ向き直る。やがて美味しそうなカステラが焼けた頃、小姓が静子の元に駆け寄って来客を告げた。
「可以帶他們進來嗎?」
「ここに通してくれるかな」
「不,啊……那個……」
「いえ、あの……その」
小姓語氣吞吞使靜子歪頭。治療的答謝想表達,少年們今天會來拜訪的事,已經傳達給小姓與士兵們了。
小姓の歯切れが悪い事に静子は首を傾げる。治療のお礼がしたい、との事で少年たちが本日訪ねてくる事は小姓や兵たちに伝えている。
就算兩人帶了陌生人來,也只是親屬某人或是搬運行李的工人罷了。小姓不可能為了那種程度慌成這樣,因此只能想到一個可能。
仮に二人が見知らぬ人間を連れてきても、それは親族の誰かか、もしくは荷物運びの人夫ぐらいだ。その程度で小姓がここまで慌てるとは思えない。故に考えられる事は一つだった。
「難道是別的人來訪了嗎?」
「もしかして違う人が訪ねてきた?」
「是……德川大人來了……」
「はい……徳川様が、参られ、ました……」
「……抱歉,可以再問一次嗎?」
「……ごめん、もう一回尋ねて良いかな?」
驚得不敢相信的靜子按著太陽穴向小姓拋出問題。
我が耳を疑った静子は、こめかみを押さえながら小姓に質問を投げる。
「不,既不是謊話也不是亂說,德川大人確實來了。」
「いえ、嘘でも何でもなく、徳川様が参られました」
「欸,為什麼?我不記得有邀請他,而且也沒把我在這裡的事告訴他。總、總之先帶他到客房吧。我整理一下就──」
「えー、何で? 私、招待した覚えもないし、第一ここにいるって伝えた覚えもないよ。と、とりあえず客間に通してくれるかな。ここを片付けたらーー」
「不用了。像我這種突然來訪的人,坐在縁側就足夠了。」
「それには及びません。突然の来訪をしたわしなど、縁側で十分ですぞ」
靜子正要命小姓把家康引到客間,卻被打斷有人插入對話。在這種情況下只會想到一個人,靜子抱頭戰戰兢兢地詢問。
小姓に家康を客間へ案内するよう指示を出そうとしたが、静子の声を遮って誰かが会話に混ざってきた。この状況では一人しか思いつかないが、静子は頭を抱えつつ恐る恐る尋ねる。
「德川大人……對吧。無論如何,坐在縁側會不太失禮嗎……」
「徳川様……ですよね。幾ら何でも縁側は失礼では……」
「哈、哈、哈,坐在這裡的是被好吃的香氣引來的狸貓,靜子殿」
「はっはっはっ、ここにいるのは旨そうな匂いに釣られた狸ですぞ、静子殿」
那話讓人難以回應。讓自己冷靜下來後,靜子轉向家康。
返答に困る言葉だった。頭を落ち着けさせると、静子は家康の方へ向き直る。
坐在縁側盡頭的家康面帶和煦的微笑。護衛武將站在他後方,但都是熟悉的臉孔。
縁側の奥にいる家康はにこやかな笑顔を浮かべている。彼の後ろに護衛の武将がいたが、全員見知った顔だった。
(本多大人、榊原大人……服部大人?警備果然相當嚴密呢)
(本多様に榊原様に……服部様? えらく厳重な警護だなぁ)
家康不等靜子的回話就隨意盤腿坐下。護衛的三人也各自移到指定位置。
家康は静子の返事を待たず、適当な場所にあぐらをかいた。護衛役の三人もそれぞれ所定の位置に移動する。
「抱歉。平八郎說聞到甜香,雖有些強行,還是來打擾了。」
「申し訳ありませんな。平八郎が甘い匂いがすると申しまして、些か強引でしたがお邪魔させて頂きました」
「殿!?那、某可不是那個意思──」
「と、殿ぉ!? そ、某はそのような意味では……」
面帶意味笑講話的家康,忠勝慌忙否認,半藏與康政也竊笑,但靜子不懂他們在想什麼,歪頭。
含み笑いしながら理由を語る家康に、忠勝は慌てて否定する態度を取る。半蔵や康政も含み笑いをしていたが、静子は三人の考えが分からず首を傾げる。
「雖不清楚,但我要拿出刀具切蜂蜜蛋糕,能的話請不要有反應喔」
「何か分かりませんが、カステラを切る為に刃物を出すので、出来れば反応しないでくださいね」
為以防萬一,靜子洗手後拿出麵包刀。雖然刀刃是波刃,和平常的刀不同,但那三位武將還是不自覺地有了反應。
念の為宣告しつつ静子は手を洗った後、パン切り包丁を取り出す。通常の刃物と違って波刃ではあるものの、やはり武将の三人は無意識の内に反応していた。
感受著有些刺痛的視線,靜子把剛放涼的蜂蜜蛋糕四周邊角切掉。做完後再切成一定厚度就完成了。
少し痛い視線を感じつつ、余熱を取ったカステラの四方を切る。それが終わると一定の厚さにカットすれば完成だ。
「殿,關於那兩位,剛剛收到消息說有急事無法前來了。」
「殿、例のお二人ですが急用が出来てしまい、ここへ参る事が出来なくなったとの連絡が先ほど届きました」
正當她把蜂蜜蛋糕盛到盤子上時,報告的是玄朗而非小姓。聽到報告的靜子心裡雖覺得可惜,卻沒有表露,微微點頭。
カステラを皿に盛っていると、小姓ではなく玄朗が報告を上げてきた。報告を聞いた静子は内心残念に思ったが、表情には出さず小さく頷いた。
「若是有急事也沒辦法呢」
「急用なら仕方ありませんね」
「是的。聽說在國內的父母生病了……相關情形都寫在這封信上。這裡請。」
「はい。何でも国にいる親が病気を患ったとの事で……その辺りの事情は文に記載されておりました。こちらになります」
接過遞來的信,靜子將手紙攤開。信上寫著因父母生病無法造訪、對於突如其來的事表示抱歉。靜子把信小心折好放入懷中。
差し出された文を受け取ると静子は手紙を広げる。親が病気のために訪問出来なくなった事、急な事で申し訳ないという内容が書かれていた。静子は文を丁寧にたたむと懐に仕舞う。
「有緣的話下次還會有機會。到時再收下謝禮就好。」
「縁があれば次の機会が訪れるでしょう。その時にお礼を受け取れば良いだけの事です」
「不,他們已隨信送來謝禮。這把太刀就是。」
「いえ、彼らは文と共にお礼の品を届けております。こちらの太刀がそれになります」
「說不定以後腰上會掛七把太刀吧……」
「その内、七本ぐらい腰に太刀をぶら下げる事になりそうだね……」
在戰國時代,常見的贈禮說起來就是黃金、馬與太刀這三樣。
戦国時代で定番の贈り物と言えば黄金、馬、太刀の三つだ。
雖然偶爾也會像信長贈送屏風給上杉謙信那樣送稀奇的物品,但大多數情況還是從這三樣中擇其一,其中最常被贈送的是太刀。
稀に信長が上杉謙信へ屏風(びょうぶ)を贈ったように、珍しい品物を贈る事はあるものの、大抵の場合はこの三つの内どれかが選ばれる。その中で一番贈られるものが太刀だ。
「嗯,不該對禮物挑剔。就心懷感謝地收下吧」
「まぁ贈り物にケチを付けるのは良くないね。ありがたく頂戴しよう」
雖然會放到倉庫保存,但靜子沒有說出口,只在心裡如此低語。
倉で保管になるけど、と口にはせず心の中で呟いた静子だった。
將烤好的蛋糕切成十六片,每盤擺兩片。三條都切成十六片,並請人各送一條給信長,另一條送給應該在花街的慶次。
焼けたカステラを十六切れにカットし二切れずつ皿に盛る。三本とも十六切れにカットするが、信長に一本、花街にいるであろう慶次に一本届けるよう依頼する。
靜子有種預感,長可也差不多會與慶次同行,因此判斷送給慶次就沒問題。
長可もそろそろ慶次と行動を共にしている予感が静子にはあったので、慶次に届ければ問題ないと判断した。
「口感很特別呢」
「変わった食感ですね」
家康為那鬆軟的口感與順滑的入口點頭稱讚。忠勝和半藏等人也有同感,吃一口便滿意地點頭。
ふんわりとした食感となめらかな口当たりに家康は太鼓判を押す。忠勝や半蔵たちも同じ気持で、口に入れては満足気に頷いていた。
家康沉默地享用了一會兒蛋糕,然後放下盤子並整理坐姿;受到激發,靜子也不自覺地挺直了身形。
暫くは無言でカステラを堪能していた家康だが、ふぃに皿を置くと居住まいを正した。それに触発されて静子も無意識の内に居住まいを正す。
「本日是來向靜子殿請求一件事。」
「本日は静子殿にお願いがあり伺いました」
「請求……嗎?」
「お願い……ですか?」
「請不用擔心。我已取得織田大人的許可。」
「ご心配なく。織田殿の許可は頂いております」
家康使了個眼色,半藏便將書狀遞給靜子。她接過並查看後,確實是信長的朱印狀;但深入讀內容後,發現寫著不可思議的事。
家康が目配せすると半蔵が書状を静子に差し出す。受け取って中を改めると、信長の朱印状で間違いなかった。しかし内容を深く読むと、あり得ない事が書かれていた。
靜子不由自主抬起臉,用疑問的眼神看向家康。被那眼神盯著的家康先是露出和善的微笑,然後開口提出請求。
静子は思わず顔を上げ、家康に疑問の視線を向ける。その視線を受けた家康は、にこりと人の良い笑みを浮かべてからお願いを口にした。
「想請您暫時收留我方的平八郎與半藏一陣子。」
「うちの平八郎と半蔵を、少しの間預かって頂きたい」
那對靜子而言,可說是晴天霹靂般的請求。
それは静子にとって青天の霹靂とも言うべきお願いだった。
另一方面,作為靜子原本客人的兩名少年,花了數日趕往某處。抵達後,他們獲得那處主人的接見,一開口便這麼說。
一方、静子の本来の客である二人の少年たちは、数日かけてとある場所へ向かった。到着後、彼らはその場所の主人に目通りを許されるなり、開口一番こう言った。
「只今回來了,御實城大人」
「只今戻りました、御実城様」
受靜子委託在火繩槍上刻膛線已一年,足滿終於將工程推進至完成階段。
火縄銃にライフリングを刻む事を静子に頼まれて一年、足満はようやく完成までこぎ着けた。
在槍械上刻膛線的方法大致可分為兩種。
銃にライフリングを刻む方法は大きく分けて二種類ある。
一種是使用稱為ライフリングブローチ的專用工具進行切削加工,另一種是所謂冷間鍛造法(コールドハンマーリング),用錘擊機械敲打成形膛線。
ライフリングブローチと呼ばれる専用工具で切削加工を行う方法と、冷間鍛造法(コールドハンマーリング)と呼ばれるハンマー機械で叩いてライフリングを整形する方法の二種類だ。
冷間鍛造法(コールドハンマーリング)雖有使製造設備大型化的缺點,但能一次成型從膛線到藥室,適合大量生產。
冷間鍛造法(コールドハンマーリング)は製造設備が大型化する欠点はあるものの、ライフリングから薬室まで一度に成型でき、大量生産に向いている方法だ。
然而需要用水壓或油壓做超高壓壓制的設備,在戰國時代根本不可能存在,必然只能選擇以ブローチ刃進行切削加工。
しかし水圧や油圧を使って超高圧プレスする設備など、戦国時代で望めるはずもない。必然的にブローチ刃による切削加工しか選択肢はなかった。
以ブローチ刃進行切削本身沒有問題,但出現了加工時間非常長的問題。
ブローチ刃による切削加工は問題なかったが、加工時間が非常に長くなる問題が発生した。
作業首先將ライフリングブローチ置入槍身,邊旋轉邊拔出重複數次;接著用リーマ修整因毛刺而不均的膛線凸起,使其均勻。
作業はまずライフリングブローチを銃身に入れて、回しながら引き抜く事を数回繰り返す。次にバリで不均一になったライフリングの山を、リーマを通して均一にする。
當膛線的凸起變得均勻後,又再進行一次ライフリングブローチ的作業。
ライフリングの山が均一になれば、ライフリングブローチの作業をまた行う。
這工作在精神層面比技術層面更為嚴苛。中途建了以水車動力刻膛線的設備,卻發生扭力不足的問題。
技術よりも精神的に厳しい作業内容だった。途中から水車動力でライフリングを刻む施設を建設したが、トルクが足りない問題が発生した。
透過齒輪咬合提高扭力解決了部分問題,但關鍵的去除毛刺並使膛線凸起均勻的問題並未解決。
歯車を噛みあわせてトルクを上げる事で問題を解決したが、肝心のバリを削ってライフリングの山を均一にする問題は解決しなかった。
結果每天只做數小時作業,剩餘時間轉而製造其他零件,以此紓解精神負擔。
結局、一日に数時間だけ作業を行い、残りの時間は別の部品を製造する事で精神的負担を解消した。
火繩槍一般製作一把需一到二天,然而若要刻膛線,僅刻膛線就要五天,合計至少要六天。
火縄銃は一丁作るのに一日から二日ほどかかる。しかしライフリングを刻んだ火縄銃は、ライフリングを刻む作業に五日かかる事から、最低でも六日かかる計算になる。
若有齒輪箱或扭力轉換器、以及能交替進行切削與去毛刺的機械,工作會更有效率,但那些都需高度技術,足滿判斷不可行便放棄了。
ギアボックスやトルクコンバーター、切削加工とバリ取りが交互に行える機械があれば、もう少し作業が捗るがどれも高度な技術を要求される為、足満は不可能と判断して諦めた。
(看過關於私造手槍的節目時,曾以為要好幾天很軟弱,沒想到實際上對精神壓力相當沉重。真有點想要奴隸……但從資訊安全的角度有問題所以做不到。)
(密造拳銃に関する番組を見た時、数日もかかるなど軟弱だと思ったが、これは意外と精神的にくる。少しだけ奴隷が欲しくなったぞ……情報せきゅりてぃ的に問題があるから出来ぬが)
一邊檢查進入最後工序的火繩槍槍身,足滿重重嘆了口氣;但想到完成後靜子會高興,原本消沉的幹勁又振作起來。
最終工程に入った火縄銃の銃身をチェックしつつ、足満は重い溜息をつく。しかしこれが完成すれば静子も喜ぶと思えば、萎えかけた気力も盛り上がる。
槍身完成也不是終點,還需要製造能發揮膛線性能的米尼葉彈製造工具。那一切完成後裝上槍身,最後試射便算完成。
銃身が完成してもそれで終わりではない。ライフリングの性能を活かすミニエー弾の製造道具が必要になる。それが終われば銃身を組み込んで、最後に試射をすれば完成だ。
「終於完成一挺了」
「ようやく一丁完成した」
外觀接近恩菲爾德步槍,槍托不是像以前那樣貼頰式,而是靠肩支撐式。
見た目はエンフィールド銃に近く、今までのように頬付け形ではなく肩付け形の銃床だ。
因此出現了需要研究便於佩戴甲冑的槍托形狀的必要,這是因為他想把它做成溫徹斯特 M1873卡賓槍的形狀所引發的問題。
この事で甲冑でも持ちやすくなる形を研究する必要が出たが、これは彼がウィンチェスターM1873カービンの形にしたいと考えた為に出た問題だった。
從旁人看來足滿像是自討苦吃,但他在研究槍械外形的時候是最閃亮的。
傍から見ると余計な苦労を背負った足満だが、彼は銃の形を研究する時が一番輝いていた。
(是南蠻火槍嗎)
(南蛮銃でございますか)
「可以這麼說。性能之後讓你們看看。先把報告說來吧」
「そうとも言えるな。性能は後で見せてやる。先に報告を聞こうか」
他把手中的火繩槍放在桌上,足滿坐到椅子上。鳶加藤沉默了片刻後開口說道。
持っていた火縄銃をテーブルの上に置くと、足満は椅子に腰を下ろす。鳶加藤は少しだけ間を置いてから言葉を口にした。
(在反織田聯合中,對織田家懷有最大敵意的是延曆寺。淺井家目前不具備發動軍事行動的狀態。朝倉家的當主不願出手,這在家臣之間引起不滿。本願寺部分勢力正趁此喧囂,想要建立一向一揆之國。)
(反織田連合の内、一番織田家に敵意を抱いているのは延暦寺でございます。浅井家は今、軍事行動を起こせる状況にあらず。朝倉家は当主が動こうとせず、それが家臣の間で不満になっております。本願寺は一部がこれを機に、一向一揆の国を打ち立てようと騒いでおります)
「果然最礙眼的組織還是靠近京城的延曆寺嗎」
「やはり一番目障りな組織は京に近い延暦寺か」
(……恕我直言,延曆寺相當危險。如今的延曆寺受到武田家的庇護。若對延曆寺下手,將會把擁有強大力量的武田家變成敵人。)
(……恐れながら延暦寺は危険にございます。今の延暦寺は武田家が庇護しております。もし延暦寺を叩けば、それは強大な力を持つ武田家を敵に回す事になります)
延曆寺是由平安時代的僧人最澄(さいちょう)創立的,擁有悠久歷史的天台宗本山寺院。
延暦寺は平安時代の僧である最澄(さいちょう)により開かれた、長い歴史を持つ天台宗の本山寺院だ。
住持被稱為天台座主(てんだいざす),與金剛峯寺(こんごうぶじ)並列為平安佛教的中心。
住職は天台座主(てんだいざす)と呼ばれ、金剛峯寺(こんごうぶじ)とならんで平安仏教の中心だった。
因為獲得皇室與貴族的崇敬而擁有龐大權力,其武裝化發展到連以強大權勢施行院政的白河法皇也無法控制的地步。
皇室や貴族の尊崇を得て大きな力を持った事で、強大な権力で院政を行った白河法皇ですら制御出来なくなるほど武装化が進んだ。
到了戰國時代,延曆寺怠於修行、沉溺酒色,凡遇不合其意之事,便或持兵殺人,或抬著神輿上街強訴,成為一個以武力行事的集團。
戦国時代には修行を怠り、酒色に耽(ふけ)り、自らの意に沿わぬことが起こると戦に出て人を殺すか、神輿を奉じて強訴する集団と化していた。
「哼,那個人已經沒多少時間了,但讓人以為他逃了也覺得不甘。這樣啊……把他徹底抹殺並為己增光也未嘗不可」
「ふっ、あの男にはもう時間がないが、逃げたと思われるのも癪だ。そうだな……潰して箔をつけるのも悪くはない」
(您說要滅掉武田家……嗎。那種事……)
(武田家を滅ぼす……と仰るのですか。そんな事が……)
「這並非不可能。聽著,鳶加藤。這世上沒有絕對的強者。無論是武田、上杉、延曆寺或本願寺,終有一天會敗亡。當然,我等也有被滅的可能性。」
「不可能ではない。良いか、鳶加藤。この世に絶対の強者など存在しない。武田だろうが、上杉だろうが、延暦寺だろうが、本願寺だろうが、いつかは負けて滅ぶ。無論、我々も滅ぶ可能性は十分にある」
(……)
(……)
「不過,我根本沒有要滅亡的念頭。好了,談話結束。目前沒有特別的大事。去除武田的行走巫女與上杉的軒猿……說到最近,順便處理那些小心煩人的德川伊賀者。無需審問,反正他們也帶不來什麼有用的情報。」
「もっとも、わしは滅ぶ気など毛頭ないがな。さて、話は終わりだ。今、大きな仕事は特にない。武田の歩き巫女や上杉の軒猿……そうだな、最近ではちょこまか煩い徳川の伊賀者を始末しろ。尋問する必要はない、どうせろくな情報は持っておらん」
彷彿這樣就算談話結束,足滿從懷中取出一個裝有金子的袋子放在桌上。
それで話は終わりと言わんばかりに、足満は懐から金子の入った袋をテーブルの上に置く。
然後他肩扛起放在桌上的火繩槍,未向鳶加藤多言便離開了房間。
そしてテーブルの上にある火縄銃を担ぐと、彼は鳶加藤に声をかける事なく部屋を後にした。