戦国小町苦労譚
1571年 四月上旬
靜子一邊用手示意周圍的人停止,一邊回頭轉動馬頭。看到她把馬轉向玄朗,慶次和士兵也跟著模仿靜子。
静子は手で周囲の人間に停止の命令を出しつつ馬首を返した。彼女が玄朗の方へ馬の向きを変えたのを見て、慶次や兵たちも静子に倣う。
「怎麼了? 這麼慌張?」
「どうしたの? そんなに慌てて」
「剛才有傳令來,說館主大人要明天到館裡來。」
「先ほど伝令が参りまして、お館様が明日、館へ来るようにとのことです」
玄朗一邊冒汗一邊把傳令的內容告訴靜子。靜子覺得在這個時期信長召喚人很少見。
汗を流しながら玄朗が静子に伝令の内容を伝える。この時期に信長が呼び出すのは珍しいと静子は思った。
不知他又在打什麼壞主意,還是像往常一樣心血來潮,難以判斷,但她別無選擇只得前往。
また何か良からぬことを考えているのか、それともいつものように気まぐれなのか、判断しづらいところではあるが、彼女に行く以外の選択肢はない。
「知道了。請準備好以便明早出發。」
「分かりました。明朝に出立できるよう準備をしていてください」
「是!」
「はっ!」
她精神飽滿地回了話,然後像來時一樣玄朗跑開了。靜子也命令護衛士兵、慶次、才藏、長可、蕭等人為明天做好準備。
元気よく返事を返すと、来たとき同様玄朗は走ってその場を去っていった。静子も護衛の兵や慶次、才蔵、長可、蕭に対して明日に備えるよう命令を出す。
前往信長宅邸本身是常事,各自照例做好準備。這次順道讓蕭與高虎一同前往,靜子朝信長的宅邸前去。
信長の居館へ向かうこと自体は、よくあることなので各自つつがなく準備を整える。今回は見学がてら蕭や高虎も同行させ、静子は信長の居館に向かった。
只有足滿不在,他似乎是以不同路線被信長召喚。靜子理解為信長把足滿視為另一類別的人物。
足満だけいないが、静子とは違うルートで信長からの呼び出しがかかったようだ。つまり足満だけ信長は別枠の人物と捉えている、と静子は理解した。
(一直覺得很奇怪,足滿大叔到底做了什麼?最近總是取得一些危險的毒草,會不會與此有關?)
(前から不思議だったけど、足満おじさんは何をしたのだろう? 最近、やたらと危険な毒草を入手しているけど、その辺が関係しているのかな)
足滿以為自己在暗中收集毒草,但靜子已掌握他的動向。
足満は隠しているつもりの毒草収集であったが、静子は動向を把握していた。
因為建立海外取得管道的是靜子自己,若利用織田家的關係從海外調貨,必然會落入她的掌握之中。
海外からの入手ルートを構築したのは静子自身なので、織田家の伝手を使って海外より取り寄せれば必然的に彼女の知るところとなる。
然而靜子佯裝不知道。足滿選擇隱瞞,代表不知道反而較好。沒必要拚命掌握一切,不應多事去插手而妨礙他。
しかし、静子は知らないふりをしていた。足満が隠すということは、それを知らない方が良いという意味だ。下手に全てを把握しようとする必要はない、余計なことに首を突っ込んで彼の邪魔をするべきではない。
因此靜子在知道狀況的同時,選擇信任足滿、不做任何探查,佯裝一無所知。
ゆえに静子は状況を知りつつも、足満を信用し一切の詮索をせず、何も知らないふりをすることに決めた。
「館主大人,靜子大人已到達。」
「お館様、静子様がご到着なさいました」
「放進來」
「通せ」
在信長命令下,小姓靜靜地掀開襖。行了一禮進入房內,靜子的目光看到信長、森可成、竹中半兵衛、滝川、明智、足滿等一眾重量級人物。
信長の命令と共に小姓が静かに襖を開ける。一礼をしてから部屋に入ると、静子の目に信長と森可成、竹中半兵衛、滝川、明智、足満とそうそうたる面子が目に入る。
見到負責情報收集的滝川在場,靜子稍微歪了歪頭,但仍在空位坐下。
情報収集担当の滝川がいることに、静子は若干首をかしげながらも、空いている場所に腰を下ろす。
「大家都集合了。那麼,馬上開始說明吧。」
「全員集まったな。では、早速話を始めよう」
信長一說完,眾人都緊繃表情。他特地召集的陣容,想必會是重大的商議,這點容易預見。
信長の言葉に全員が表情を引き締める。彼がわざわざ招集をかけた面子だ、重大な話し合いになるのは簡単に予想できた。
「不必再多解釋我等的現狀了。周邊諸國盡是敵人,叛徒接二連三,情勢一片慘淡。要突破這局面,只能一個一個剷除敵人。」
「わしらの現状を、今更説明する必要はなかろう。周辺国は敵だらけ、裏切り者は続出、と散々な状態じゃ。これを打破するには一つずつ敵を潰していく他ない」
除了講義氣的上杉之外,基本上可以認為其他人都與織田家敵對。武田雖未明確表示敵意,但確定不是織田的盟友。
義理堅い上杉以外、基本的に織田家に敵対していると考えて良い。武田も明確な敵意表明をしていないが、織田家の味方でないことは確実だ。
朝倉家、淺井家、武田家、延曆寺、本願寺、雜賀衆、長島等四面八方皆是敵人。與武田不同,不積極表現敵對的上杉家也不可掉以輕心。
朝倉家、浅井家、武田家、延暦寺、本願寺、雑賀衆、長島と四方八方敵だらけだ。武田と違い、積極的に敵対する様子を見せない上杉家も油断ならない状態だ。
反而像上杉家那種態度,比起明顯對抗的敵人更難對付。偽裝成盟友的敵人,一旦處理不當,難以提出正當名義,且容易在內部產生同情對方的聲音。
むしろ上杉家のような態度が、下手に敵対している者よりたちが悪かった。味方のふりをする敵は対応を間違えれば大義名分を掲げられず、また内部から相手に同情的な意見が出やすい。
「明智,你如常把守京都。公方可能又會圖謀不軌,但要給予適當應對。」
「明智、貴様は変わらず京を押さえておけ。公方がまたぞろ良からぬ事を企むだろうが、適当にあしらっておけ」
「是!」
「はっ!」
光秀回應了信長的話。靜子理解這是分配各人負責區域的場面,對自己會被配置到哪裡感到有些在意。
信長の言葉に光秀が返事を返す。誰がどこを担当するか、を伝える場と理解した静子は、自分の担当がどこになるか少々気になった。
被召到此處,等同於已被承認有一定的個人裁量。若在某地表現良好,便能藉此強化發言權。
この場に呼ばれるということは、すでにある程度個人の裁量が認められるということと同じだ。場所によっては良い働きができ、それで発言権を強めることが可能となる。
(我不太渴求權力,但為了獲得一定發言力,還是需要權力。要設法立些功績,促使投入土地基礎建設,否則就只會讓尾張與美濃獨享繁榮。)
(権力は余り欲しくないけど、ある程度の発言力を獲得するためには権力も必要になるよね。何かしら手柄を立てて、土地のインフラ整備に力を注ぐよう仕向けないと、このままじゃ尾張・美濃だけが繁栄するに留まってしまうし)
如果暫時被賦予土地的統治權,靜子首先會進行基礎設施整備。要促進人與物的流動、活絡經濟活動,基礎建設必須先到位。
土地の支配権を仮にでも与えられた場合、静子がまず行うのはインフラ整備だ。人とものを動かして経済活動を活発にするには、まずインフラ整備が万全でなくてはならない。
基礎設施整備完成後會轉為治安維持,但靜子認為到那時土地可能已由他人掌管。
インフラ整備が終われば治安維持になるが、そのころには別の人間が土地を支配していると静子は考えていた。
信長不會長期把靜子束縛在某塊土地。對信長而言,靜子是能提高土地生產力的人才,一旦土地生產力進入穩定期,收回也沒問題。
静子を長期間、特定の土地に縛り付けることを信長はしないからだ。信長にとって静子は土地の生産力を上げる存在であり、土地の生産力が安定期に入れば手元に戻しても問題ない。
「靜子,你和サル及竹中一起壓制淺井與朝倉。不過,足滿要跟我同行。」
「静子、貴様はサルや竹中と共に浅井・朝倉を押さえろ。ただし、足満はわしと共に行動しろ」
「是!(啊,果然足滿大叔是另派負責嗎?大概是比叡山那邊吧?)」
「はっ!(あーやっぱり足満おじさんは別担当か。多分、比叡山の方かな?)」
回了話的同時,靜子理解了足滿被另行召喚的理由,然而仍不明白為何特地把足滿單獨分開。
返事をしつつ、静子は足満が別枠で呼ばれた理由を理解する。しかし、わざわざ足満だけを分ける理由は分からなかった。
她一度以為是因為足滿與自己在宗教態度上不同,但覺得不僅如此。信長絕不是那種會因為這種程度就把人留在身邊的膚淺之人。
自分と同じで宗教に対する考えが違うからか、とも思ったがそれだけではない気がした。信長がその程度で人を手元に置こうと考えるほど、浅い人間ではないからだ。
「還有事要和你談。留下來待命。」
「後、貴様に話がある。残っておくように」
之後繼續宣佈各自的負責範圍。但分工行動要等攻打長島之後才開始。
その後も各自担当が告げられる。だが分担作業に入るのは長島を攻めてから、とのことだ。
放任長島這個咽喉之地危險,因此要把它敲打一番,讓其在一段時間內無法進行軍事活動。對付長島的話,得製作各式各樣的「兵器」,靜子這麼想道。
喉元の長島を放置しておくことは危険、ゆえにしばらく軍事活動ができない程度に叩いておくのが理由だ。長島相手なら、いろいろと『兵器』を作っておく必要がある、と静子は考えた。
(在長島上希望能將兵員損失盡量壓低。膛線火繩槍還沒準備好,要是在那種地方使用炸藥,以後的統治會變得困難。嗯,果然還是遠程型兵器比較好吧)
(長島で兵の損害は抑えたいところ。ライフリング火縄銃はまだだし、あんなところで爆薬を使ったら後々の支配が困難になる。うーん、やっぱり遠距離系の兵器かな)
若能以協商解決當然最好,但對方根本不打算聽我們說。那麼只有一個辦法,為了讓對方坐上談判桌,就用戰事取勝。
話し合いで片付けば一番楽だが、相手はこちらの話を聞く気は全くない。ならば取る方法は一つ、相手を話し合いの席につかせるために、いくさで勝利する。
不過,徹底滅盡長島也可能壓制其他一向一揆。事實上,信長對長島一向一揆採取苛烈手段後,其他一向一揆都收斂了。
ただし、長島を完膚なきにまで滅ぼすことで、ほかの一向一揆を押さえ込める可能性もある。事実、信長が長島一向一揆に対して苛烈な対応をしたことで、ほかの一向一揆がなりを潜めた。
靜子也打算效法這點,對長島一向一揆採取不留情的作戰。那樣反而能壓制其他一向一揆,並避免雙方出現更多不必要的損害。
静子もそれに倣って長島一向一揆に対し、手加減無用の作戦を行う気でいた。それがほかの一向一揆を押さえ込み、双方に余計な被害を出さない結果になる。
雖然思考該採取何種作戰,但沒想出什麼特別好的方案。會議結束後,聽完信長的話,靜子率軍踏上歸途。
如何なる作戦を行うか考えたが、これといった良い案が浮かばなかった。会議が終わり、信長の話を聞き終えた静子は軍を連れて帰路につく。
信長說的事情極為簡單,是要重建靜子的府邸,改成武家屋敷。信長早就介意她的身分和宅第規模不相稱。
信長の話は至極単純な内容で、静子の家を新調し、武家屋敷にすることだった。身分と家の規模があっていないことを、信長は前から気にしていた。
靜子並不需要太大的宅第,但為了培養下一代,讓她擁有與身分相符的家對信長來說是必要條件。
静子は規模の大きい家を必要としないが、次の世代を育てるために静子が身分にあった家を持つことは、信長にとって必要な条件だった。
同時靜子居住周邊的各種擴建也已被決定。一切都是既定事項,靜子沒有任何插手意見的餘地。
合わせて静子が住む周辺も、様々な拡張を行うことがすでに決定されていた。何もかもが決定事項で、静子が意見を介入させる余地は一つも無かった。
因為如果交給靜子處理,她會為了田地多佔土地。關於塑膠溫室的事她能提出些意見,但是否採用還未可知,機率大約各半。
これは静子に任せると田畑のために土地を多く取るからだ。ビニールハウスの関係である程度の意見は出せたが、採用されるか否かは半々だ。
(頭好痛……規模一旦那麼大,兩個人是不夠的。從一開始就是以增加人手為前提在計畫的吧)
(頭痛い……あれだけの規模になれば、2人だけじゃ足りない。最初から人を増やすこと前提で計画を立てたな)
一旦變成武家屋敷,彩和蕭兩人無法管理整個家。至少需要十名下人。進出宅第的繁複程度也遠非現在可比。
武家屋敷になれば、彩と蕭だけで家を管理することは不可能だ。最低でも10人の使用人が必要になる。家へ入るのも今とは比較にならないぐらい手間がかかる。
取而代之,維特曼等人的寢所、赤金、白金、黑金的小屋、象龜過冬的小屋、牧羊犬們的睡處,都會變得前所未有地寬敞。
代わりにヴィットマンたちの寝所、アカガネ、シロガネ、クロガネの小屋、象亀が冬に過ごす小屋、シェパードたちの寝所が、以前とは比較にならないほど大きくなる。
不僅如此。信長的計畫完成後,某種意義上會成為接近隔離設施的場所。比喻來說就像織田領內的鎖國區域,類似江戶時代存在的出島。
それだけではない。信長の計画が完了すれば、ある意味では隔離施設に等しい場所になる。例えるなら織田領内の鎖国地域、江戸時代に存在した出島のようなものだ。
「……把廢湯的排放處做成壕溝,用微溫的水圍起來吧。那樣的話,或許也能養些喜暖氣候的動物。馬上給フロイス殿發文吧」
「……廃湯の捨て先を堀にして、若干温かい湯で囲うかな。それなら、温暖な気候の動物も飼えそう。早速、フロイス殿に文を送るか」
對靜子而言信長的行動看來過頭,但對信長來說,靜子是會下金蛋的母雞。
静子にとっては信長の行動は過剰に見えるが、信長にとって静子は金の卵を産む鶏だ。
若收到周遭間諜增多的報告,而靜子又不採取任何行動,信長出手對策是理所當然的。
周囲に間者が増えたと報告を受け、それに対して静子が何もしなければ、対策に乗り出すのは至極当たり前だ。
靜子雖然不太理解信長的用意,但既是命令又沒有明確拒絕的理由,於是沒多想就接受了信長的安排。
そんな信長の思惑がなかなか理解できない静子だが、命令である上に明確に拒否する理由もないので、余り深く考えず信長の話を受け入れた。
抵達尾張後,靜子解散軍隊,看著大家各自回家後,手持飼料來到她專屬的池塘。
尾張に到着すると静子は軍を解散し、それぞれが帰宅していくのを見送った後、餌を片手に自分用の池へやってくる。
靜子專用的池中放入了紅白或純紅的鯉魚與色彩繽紛的金魚,但正好在忙碌時期到貨,導致她注意到鯉和金魚的時間稍微晚了些。
静子専用の池には紅白か紅一色のコイとカラフルな金魚が入荷されていたが、ちょうど忙しい時期に入荷されたので彼女がコイと金魚に気付くのが少し遅れた。
幸好金魚和鯉是雜食性,基本上什麼都吃,說不定連死去的同伴也會吃。
幸いにも金魚とコイは雑食なので基本的に何でも食べる。下手をすれば死んだ仲間でも食べる。
鯉一天要餵好幾次,而金魚一天一次就沒問題。
コイの餌やりは一日に数回だが金魚は一日一回で問題ない。
「來喔~,有飼料啦」
「ほ~れ、餌だぞ」
飼料一投入池中,鯉和金魚就以驚人的速度撲上去。丟下能在五到十五分鐘內吃完的量後,靜子檢視牠們的狀況。
餌を池に投げ入れた瞬間、コイや金魚が恐ろしい勢いで餌に食らいつく。5分から15分程度で食べきれる量を入れた後、静子はコイや金魚の様子を確認する。
看到牠們沒有生病或受傷、健康地游動,靜子不禁露出笑容。但並非只有愉快,有時也會有危險生物靠近鯉和金魚的池塘。
病気や怪我はなく元気に泳ぐ姿を見て、自然と笑みが浮かんだ。しかし、楽しいことばかりではない。コイや金魚の池には、稀に危険な生物が近づくこともある。
「喂,丸太。這些魚不是你的飼料」
「こら丸太。この魚はお前の餌じゃないの」
靜子無奈地抱起探頭看池塘的馬努爾貓丸太。赤金和黑金有了新的洗澡地後,對鯉和金魚都不再理會,但只有丸太例外。
池をのぞき込むマヌルネコの丸太を、静子はあきれ顔で抱え上げる。アカガネやクロガネは新しい水浴び場を用意すると、コイや金魚など見向きもしなくなったが丸太だけは別だった。
「フニャアアアアアア!! フーッ! フーッ!」
「フニャアアアアアア!! フーッ! フーッ!」
丸太被突然抱起發出威嚇聲,但只是掙扎四肢,毫無氣勢。過了一會兒似乎累了,便垂放四肢任人擺布。
いきなり抱え上げられ丸太が威嚇の声を上げるが、手足をじたばたさせるだけで迫力は皆無だった。そのうち疲れたのか、だらりと手足を投げ出してされるがままになった。
靜子把丸太夾在小臂下朝家走去。在到家前,她看到タマ和カイザー在嬉鬧。
静子は丸太を小脇に抱えると家を目指す。家に到着する手前で、タマとカイザーがじゃれ合っているのが目に入った。
在那附近有兩隻奇大無比的貓,亦即被稱為幻獸的雪豹在打哈欠。美麗的白底黑斑本來很夢幻,但現在被泥土弄髒,整個都毀了。
その付近で妙に大きい猫、もとい幻の動物と言われたユキヒョウ2匹があくびをしていた。美しい白と黒の斑点模様は幻想的だが、今は土で汚れてて色々と台無しだった。
「ゆっきー、しろちょこ,在這種地方睡會弄髒的喔」
「ゆっきー、しろちょこ、こんなところで寝ていると汚れるよ」
確定是雪豹後,公的被命名為ゆっきー,母的叫しろちょこ。她招呼兩隻,但牠們優先考慮睡覺,只搖搖尾巴不肯動。
ユキヒョウと判明してからオスの名前がゆっきー、メスの名前がしろちょこと名付けられた。2匹に声をかけるが、寝る方が優先なのか尻尾をふるだけで2匹とも動こうとしなかった。
另一方面,カイザー和タマ看到靜子後停止打鬧,跑到她身邊。
一方、カイザーとタマは静子の姿を確認すると、じゃれ合いをやめて静子の元に駆け寄る。
「フギャア!」
「フギャア!」
先是カイザー到達靜子身邊,接著到來的タマ先爬上カイザー的背,然後以被夾在小臂的丸太背為踏點,一躍跳上靜子的肩膀。
まずカイザーが静子の元にたどり着き、続いて到着したタマが最初にカイザーの背へのぼり、次に小脇に抱えられている丸太の背を台にして静子の肩に飛び乗った。
在打盹時背部受到衝擊,丸太驚醒四處查看。然而,以丸太背為踏台的タマ在靜子肩上呼嚕撒嬌。
うたた寝しているところに背中へ衝撃を受けたのだから、丸太は驚いて周囲を確認していた。しかし、丸太の背中を飛び台にしたタマは静子の肩でゴロゴロ甘えていた。
カイザー也對丸太的驚嚇不感興趣,繼續向靜子撒嬌。最後丸太似乎明白看周圍也找不出原因,於是又把四肢攤開重新睡去。
カイザーも丸太の驚きに興味を示さず静子に甘えていた。結局、周囲を見回しても原因が分からないことを理解したのか、丸太は手足を投げ出して再度寝はじめた。
「好啦好啦,天冷了,進屋吧」
「よーしよし、寒いから家の中に入ろうね」
她撫摸兩隻撒嬌者的下巴,靜子把タマ放在肩上,左側抱著丸太,右側並著カイザー,順帶帶著不知何時起身的ゆっきー與しろちょこ一起開門。
甘えてくる2匹の顎をなでると、静子は肩にタマを乗せ、左側に丸太を抱え、右側にカイザーが並び、少し後ろにいつの間にか起き上がったゆっきーとしろちょこを連れて玄関を開ける。
彩和蕭可能在處理其他事務,沒有來迎接她。雖覺得有些寂寞,但靜子進了屋後便直直走向自己的房間。
彩や蕭は別の用事を片付けているのか、2人からの出迎えはなかった。少々寂しく思いながらも、静子は家に上がると一直線に自分の部屋へ向かう。
打開襖首先映入眼簾的是在那一帶雜亂睡著的維特曼家族。
襖を開けるとまず目に入ったのは、その辺りで雑魚寝しているヴィットマンファミリーだった。
「……我的房間不是睡覺的地方。雖然確實把環境弄得很舒服,但也沒辦法啊」
「……私の部屋は寝床じゃないぞ。いや、確かに快適な環境を作ってはいるけどさ。まぁ仕方ないか」
把丸太和タマ放到地上後,靜子在沙灘椅上躺下。那本是放在海邊或泳池邊的沙灘椅,但既然難得有寬敞的房間,就改造成室內用。
丸太やタマを床に下ろすと、静子はビーチチェアに寝転がる。本来は浜辺やプールサイドに置かれるビーチチェアだが、せっかく広い部屋にいるのだからと室内用に改造した。
不過室內用的沙灘椅以木曽檜和黑柿製成,因而顯得格外高級。坐墊大量使用絲、棉與麻,躺起來極為舒適。
ただ室内用ビーチチェアは木曽檜(きそひのき)と黒柿(くろがき)でできているため、無駄に高級品であった。クッションも絹と木綿と麻をふんだんに活用しているため、寝心地は最高だ。
房間裡還有室內用吊床等,關於舒服地躺著這點十分享受完善。
ほかにも室内用のハンモックなど、快適に寝転ぶことに関しては充実している部屋だった。
「……タマ和ハナ都用貓窩,你為什麼要爬到我的肚子上呢」
「……タマとハナは猫ちぐらを使うのに、お前は何で私の腹の上に乗るかな」
一邊戳著趴在自己肚子上的丸太,靜子一邊嘟囔。丸太無視她的低語,擺出彷彿那裡就是牠落腳處的表情捲成一團。
自分の腹の上に乗っている丸太をつつきながら、静子はそんなことをぼやく。丸太は彼女の呟きを無視して、そこが自分の居場所と言わんばかりの顔で丸くなっていた。
注意到丸太的維特曼們,彷彿在說礙事般戳了丸太,但當事者毫無反應地睡著了。
丸太に気付いたヴィットマンたちが、邪魔と言わんばかりに丸太をつつくが、当の本人は一切反応を示さず寝ていた。
「聽著」
「良いか」
說完那句話後,靜子摸了身旁アーデルハイト的頭。維特曼們立刻以「我也要」的姿態聚過來,頗為可愛。
それだけを呟くと、静子は傍にいたアーデルハイトの頭をなでた。すぐに自分も、といった態度でヴィットマンたちが集まるのはご愛敬だった。
四月一到,靜子率軍前往京城。目的不是進攻,而是例行巡視。
四月に入ると静子は軍を率いて京へ向かう。進軍目的ではなく定期的な巡回が目的だ。
對信長而言京城若失守是生死攸關,必須定期從尾張、美濃到京,再從京回尾張、美濃巡查,隨時注意有無異常。
信長にとって京が落ちることは死活問題だ。定期的に尾張・美濃から京、京から尾張・美濃を巡回させ、異常が無いか目を光らせる必要があった。
以靜子為首,慶次、才蔵、長可三位武將與五百兵構成軍隊。高虎尚早、彩與蕭留守,維特曼一行並非參與軍事行動而只是巡視,因此也留守在本陣。
静子を筆頭に慶次、才蔵、長可の3武将と兵500の軍を構成する。高虎は時期尚早、彩と蕭は留守番、ヴィットマンたちは軍事行動でもなく単なる見回りのため留守番となった。
足滿因出身身分關係不能上京,但靜子並不知其內情,將他留在尾張作為緊急應變成員。
足満は素性の関係で京へ行けないが、静子が彼の裏事情を知るはずもなく、緊急時の対応メンバーとして尾張に残した。
京城的巡視雖然樸實無華,卻是重要的工作,因此配備與一般軍事行動無異。
京の巡回は地味だが重要な仕事であるため、通常の軍事行動と変わらぬ装備で行う。
使用永樂錢紋旗,甚至末端的士兵也配備武具。外觀看來即便說像是在進行軍事行動也毫無違和感的隊伍。
永楽銭紋旗を使用し、末端の兵まで武具を装備させる。はた目には軍事行動をしていると言われても、違和感を覚えない集団だった。
然而,在其中有異彩紛呈之處。不用說便是靜子與慶次、才蔵、長可。更確切地說,是他們手中所持的武器吸引目光。
しかし、その中で異彩を放つ存在がいた。言うまでもなく静子と慶次、才蔵、長可だ。正確には彼らではなく、彼らが手に持っている武器にある。
靜子所持的武器是被稱為クーゼ的儀式用長戟,施以鮮豔裝飾,特徵為蒼藍的刃與柄尖繞有紅布。
静子が持つ武器は鮮やかな装飾が施され、蒼い刃と柄の先端に紅い布が巻き付けられていることが特徴のクーゼと呼ばれる儀礼用グレイヴだ。
慶次用的是ハルバード,長可是バルディッシュ。然而,ハルバード與バルディッシュ都採用了日本刀與槍的製造技術。
慶次はハルバード、長可はバルディッシュだ。しかし、ハルバードとバルディッシュは日本刀や槍の製造技術が応用されている。
慶次起初操作過各式武器,最終為ハルバード的華麗所傾心。他施以獨自改造,本就多功能的ハルバード變得更為多才,字面上成為慶次專用的武器。
慶次は最初、色々な武器を扱っていたが最終的にハルバードの派手さに惚れ込んだ。独自の改造を施し、多芸なハルバードがさらに多芸となり、文字どおり慶次専用の武器となった。
長可的バルディッシュ厚實而具份量,目的就是字面上要把頭盔也一併砸碎的武器。
長可のバルディッシュは肉厚で重量感がある。文字どおり『兜ごと叩き潰す』を目的とした武器だ。
那凶惡的外形帶來獨特的威壓感,バルディッシュ使得見者心生畏懼。
凶悪なフォルムから独特の威圧感があるバルディッシュは、見る者を恐怖に陥れる。
只有才蔵使用的是普通的大身槍,但槍身材料是稱為大馬士革鋼的特殊鋼材製成。
才蔵だけ普通の大身槍だが、槍身の材料がダマスカス鋼という特殊な鋼で作られていた。
大馬士革鋼的製造技術在十九世紀曾中斷,但在戰國時代仍有許多流傳。靜子已取得多塊鑄錠,便請刀匠以大馬士革鋼打造槍身。
19世紀に途絶えたダマスカス鋼の製造技術だが、戦国時代には数多く残っている。すでに多くのインゴットを入手した静子は、ダマスカス鋼で槍を作ることを刀工に依頼した。
刀匠們初次見到大馬士革鋼時既畏懼又驚嘆,但看見以大馬士革鋼製成的匕首後為之傾心,經過數次失敗後,終於完成了靜子所期望的槍身。
初めて見るダマスカス鋼に刀工たちは恐れおののいた。だが、ダマスカス鋼で作られたナイフを見て惚れ込み、何度か失敗したのち静子の望む槍身が完成した。
見到有木紋狀花紋的大身槍,才蔵是一見鍾情。
木目状の模様がある大身槍を見た才蔵は、一目見た瞬間惚れ込んだ。
不知不覺間他取起大身槍,以平時難以想像、某種程度近乎強硬的渴望想要擁有那柄槍。
気付いたら彼は大身槍を手に取り、普段からは想像もできないほど、ある意味では強引なまでの願いで大身槍を欲した。
面對一向沈著冷靜的才蔵所展現出的狂熱情感,靜子沒有異議,便將大身槍讓給他。
常に沈着冷静な才蔵がみせた猛り狂う情熱を前に、静子は異論などあるはずもなく彼へ大身槍を譲った。
三人各有各的樣子,得到心愛武器後要做的只有一件事。抱著雖新卻順手的武器,他們在一向衆引發的小衝突中大肆揮舞,有時甚至借陣上陣,在戰場上放肆行動。
三者三様、惚れ込む武器を手に入れればやることは一つだ。新しい武器だが手になじむ武器を抱えて、彼らは一向衆が起こす小競り合いへ、時には陣借りまでして合戦場で暴れた。
因此,用バルディッシュ將人兩斷的長可得了「鬼斬武者」之稱,在戰場上亦傾向豪放的慶次被稱為「織田家首屈一指的傾奇者」,而因無法攜帶的首級被塞入竹葉的才蔵則獲得「竹葉才蔵」的綽號。
それゆえ、バルディッシュで人間を両断した長可は「鬼斬武者」、合戦場でも傾く慶次は「織田家随一の傾奇者」、持ち運べない首級に笹をくわえさせた才蔵は「笹の才蔵」の渾名を得た。
只是因為過於專注試驗武器,常忘記領取報酬,荷包日益單薄,最終這三人向靜子借了錢。
ただし、武器を試すことに集中しすぎたため、たびたび報酬を受け取り忘れて懐が寂しくなり、最終的に静子からお金を借りた3人だった。
抵達京後,靜子進入分配給軍隊的屋敷。解除武裝後,按計畫將金子分給兩百名讓其休息、一百名負責屋敷警護,剩下兩百名命令待命。
京へ到着後、静子は軍にあてがわれている屋敷に入る。武装解除後、計画どおり金子を200名に渡して休息、100名に屋敷の警護、残り200名には待機を命じた。
雖然數目不多,但目的是讓士兵花些金子、在當地購買物品以活化京的經濟。當然,違反信長所訂之法、賭博或買春、或用於賄賂者皆被禁止。
わずかだが金子を使わせることや、現地でものを買わせることで京の経済活性化が目的だ。無論、信長が決めた法を破ること、賭博や女を買うこと、賄賂に使うことは禁じられている。
違反禁令者將遭到嚴厲處罰;若情節惡劣,甚至會被示眾斬首。
禁制を破る者には厳しい処罰が下される。内容が悪質であれば晒し首になる場合もある。
上洛時信長也曾因窺視女子容貌之罪或偷一銭之罪斬殺兩名雜兵。世所稱的「信長的一銭切り」被用來宣傳織田軍的嚴格紀律。
上洛時も信長は女子の顔をのぞいた罪、一銭を盗んだ罪で雑兵2人を斬り捨てている。世に言う「信長の一銭切り」は、織田軍には厳格な規律があることの宣伝として使われた。
那嚴格的紀律延續至今,對於對女子行惡者、在飯店賴帳者、或違反禁制者,不問地位一律示眾斬首。
厳格な規律は今もなお続いており、女子に乱暴狼藉を働いた者、飯屋で料金を踏み倒した者、禁制を破った者は立場問わず晒し首となった。
「但是,我有工作所以行動受限。上頭在工作時,下邊就無法輕鬆玩樂,所以你們兩個照常去玩吧」
「しかし、私は仕事があるので身動きがとれません。上が仕事していると、下が気楽に遊べないと思うので、2人はいつものように遊んでください」
「知道了」
「承知した」
慶次與長可精神爽朗地回應靜子的話。即便軍紀嚴明,僅此仍會令人感到窒息。
静子の言葉に慶次と長可が元気良く返答する。軍の規律が高くても、それだけでは息が詰まる。
為了舒緩緊張,也需要讓士兵盡情玩樂;然而只要靜子在工作,士兵們仍會掛念,無法盡興。
緊張をほぐす意味でも、兵たちには思う存分遊んでもらう必要があった。しかし、静子が仕事をしていれば、兵たちは気になって満足に遊べない。
於是靜子便放縱慶次與長可大肆遊樂,以抹去他們的罪惡感。至於才藏沒參加,多半是因為他自身的性格所致。
そこで静子は慶次や長可を派手に遊ばせ、彼らの罪悪感を打ち消した。なお、才蔵が参加しないのは彼自身の性格によるところが大きい。
兩人像是早已等不及般接過金子後便飛奔出了門外。
早速と言わんばかりに金子を受け取った2人は外へ飛び出していった。
「感覺不到任何緊張感呢」
「緊張感が感じられませぬな」
才藏看著兩人的變化,既無奈又嘟囔起來。
2人の身の変わりように才蔵は呆れつつぼやく。
「沒辦法啦。誰都不想過那種窒息般的日子嘛」
「仕方ないよ。誰だって窮屈な毎日を過ごしたくないしね」
「某人受命為靜子大人的馬廻衆,至今從未覺得窮悶。且從今以後也不會改變」
「某は静子様の馬廻衆を任され、今日まで窮屈と感じたことはございませぬ。そして、それはこれからも変わることはありませぬ」
「呵呵,謝謝你。京中就靠你了」
「ふふっ、ありがとね。京では頼りにしているよ」
「是!」
「はっ!」
靜子對才藏的回應心滿意足後,便轉回桌前坐下。
才蔵の返事に満足すると静子は机に向き直った。
身在越後春日山城的謙信,近日對織田領,特別是靜子的情報蒐集相當熱心。
越後の春日山城にいる謙信は、ここのところ織田領、特に静子の情報収集に熱心だった。
不只自己這邊,織田家的家臣也是一群難以捉摸的人物。要在那群人中爬升為重鎮,單憑近衛家出身這點理由是不夠的。
自分のところもそうだが織田家家臣もくせ者ぞろいだ。その中で重鎮に上り詰めるには、近衛家の者という理由だけでは無理がある。
謙信確信她必定有某種能力,且那能力能讓周遭之人信服。而他的想法也正中要害。
何かしらの能力があり、それが周囲も納得する才能だと謙信は確信していた。そして彼の考えは正鵠を射ていた。
「嗯……醫院還有紡織工廠? 有些地方我無法理解啊」
「ふむ……病院に紡績工場とな? いくつか理解が追いつかぬものがあるな」
聽了景綱轉述軒猿的調查報告後,謙信露出疑惑的神色。
軒猿からの調査報告を景綱から聞いた謙信は、不思議そうな表情をする。
「軒猿自己也很困惑。但自從近衛靜子出現後,織田家的腰包明顯豐厚起來。此外,他也體恤百姓,讓人民不用飽受饑餓折磨,能過上看不出是亂世的安穩生活。為何要做出那種事,實在奇怪」
「軒猿自身も困惑しておりました。しかし、近衛静子が現れてから、織田家の懐は格段に潤っております。また、民には飢えに苦しむことなく、乱世を感じさせない穏やかな生活が出来るよう配慮されております。なにゆえ、その様な真似をするか、まことに奇怪」
景綱帶著幾乎想說『奇怪』的表情回答。他自己對軒猿的報告也是半信半疑,但若軒猿報告不真,便無法解釋織田家富裕的原因。
奇っ怪と言いたげな表情で景綱が答える。彼自身も、軒猿の報告に対して半信半疑だった。しかし、軒猿の報告が正しくなければ、織田家が裕福な理由の説明がつかなかった。
「解釋是有的。要點就像建築物一樣。若以民為基礎穩固,便能撐過不少事。今日本亂世,無論武家、公家,或有僧侶的寺院,都在向民眾掠奪。一旦開戰,什麼都被洗劫,最後甚至有人販賣人口。我也一樣……四處都是如此行徑」
「説明はつく。要は建物と同じだ。民という土台がしっかりしていれば、多少のことも耐え抜ける。今の乱世は武家も公家も仏家(僧のいる寺)も、みな民からすべてを奪う。いくさとなれば何もかも略奪し、揚げ句の果てに人売りをする。それはわしとて変わらぬ……どこも同じことをしておる」
「但若不這樣做,國內將會充斥飢餓的人民」
「しかし、そうしなければ国には飢えた民で溢(あふ)れてしまいます」
「正是如此。她的強大,就在於此」
「そうじゃ。そこにこそ、彼女の強さがある」
景綱無法理解謙信想表達的意思,臉上露出困惑之色。
謙信の言いたいことが理解できず、景綱は困惑した表情を浮かべる。
「諸國皆有飢餓,吾國亦然。但有一人不把飢餓放在眼裡,反而給予人民口糧、衣物與可安心居住的房屋。那被壓迫的人民,便會成為為其赴死而不懼的戰士。這差距在宇佐山城與野田、福島之事上展現得淋漓盡致」
「どの国も飢えが多い。それはわが国とて変わらぬ。しかし、そこに飢えをものともせず、民に食い扶持を、着る服を、安心して住める家を与える者が現れた。ならば抑圧された民は、その者のために死を恐れぬ兵となる。その差は宇佐山城と野田・福島で如実に出た」
「確實如此。本願寺與織田軍之戰,織田軍大多處於防守。但宇佐山城雖遭受重大損失,卻守到底。雜兵們本有無數逃走的機會,卻沒有選擇離去」
「確かに、そうですな。本願寺と織田軍のいくさは、織田軍が防戦一方でした。しかし、宇佐山城は甚大な被害を出しながらも、最後まで守り通した。雑兵には逃げる機会が幾らでもあったにもかかわらず」
景綱的話令謙信點頭。多數戰爭不過是為了搶奪口糧,或為了減少他方的糧食來源。各國只為自身領地而戰,根本沒人在意他國之事。
景綱の言葉に謙信は頷く。合戦の殆どは食い扶持確保の略奪戦だ。もしくは、食い扶持を減らすための合戦だ。己が領国のためだけに戦い、誰も他国のことなど考えてもいない。
不,誰都忙於自家領國,沒有餘力去顧慮他國。
否、誰も己の領国で手一杯、他国のことを考慮する余裕がないのだ。
「靜子殿看得很清楚。若宇佐山城被攻破,織田家便會滅亡。那意味著在公方與織田家之下恢復秩序的治世,將再次回到亂世」
「静子殿は分かっていた。宇佐山城を抜けられれば、織田家が滅びることを。それは公方様と織田家の元で落ち着きを取り戻している治世が、再び乱世に逆戻りすることを意味する」
「若回到亂世,人民又將遭受掠奪。正因為靜子殿與追隨她的人民有此認知,才寧可付出巨大犧牲,也要從朝倉·淺井聯軍手中守住宇佐山城」
「乱世に戻れば、また民は略奪される。その意識が静子殿と彼女に従う民にあったからこそ、多大なる犠牲を出してまで、朝倉・浅井連合軍から宇佐山城を守り通した」
宇佐山城之戰,織田軍所受損害實在罕見。周邊諸國得知那場出死人數超越第四次川中島之戰的慘況後,皆為織田軍的兇猛而震驚。
宇佐山城の戦いで織田軍の損害は、まさに異常の一言だった。第四次川中島の合戦を越える死者を出した宇佐山城の戦いを知った周辺国は、織田軍の凄まじさに震え上がった。
問題不只在於有那麼多死者,而在於出現那等死傷的同時,織田軍仍然奮戰到最後。
それだけの死者を出したことではない。それだけの死者が出るほど、織田軍は最後まで戦い抜いたことに、だ。
「果然,靜子殿是有義的。無視本願寺一方的請求吧。想看看那些固守舊態、剝削人民的人,與立志創造新世代的人,究竟哪一方更受天所眷顧」
「やはり、静子殿の方に義がある。本願寺側の要請は無視しろ。旧態依然に民を搾取してきた者たちと、新しき世を作る者たち、果たしてどちらがより天に愛されているか見てみたい」
「是! 但若織田覬覦我國時,該如何是好?」
「はっ! しかし、織田がわが国を狙ってきたときは、如何いたしますか」
景綱的憂慮很合理。眼下織田與上杉雖結盟,但終有一日織田會攻入上杉領國;屆時,不知謙信將如何應對,令人掛心。
景綱の懸念はもっともだ。今は織田と上杉は同盟関係だが、いずれ織田は上杉の領国へ攻めてくる。そのとき、謙信はいかような対応をするかが気がかりだった。
「無需改變。以戰事求一個無遺恨的結局。若我敗,那便證明新世受天所愛;若我勝,天便欲我為某事而行。僅此而已」
「何も変わらぬ。いくさにて遺恨なき決着をつけよう。わしが負ければ、新しき世が天に愛されている証拠。逆にわしが勝てば、天はわしに何かをさせようとしておる。それだけのことじゃ」
「……御實城樣」
「……御実城様(おみじょうさま)」
「因此要仔細偵察靜子軍。當我軍與織田軍交戰時,那些人必是關鍵。我的直覺如此示警」
「そのためにも静子軍をつぶさに調べ上げよ。我が軍と織田軍が合戦をするとき、必ずあの者たちが肝になる。わしの予感がそう告げておるのじゃ」
「承知。會命軒猿等人詳查」
「承知しました。軒猿たちに詳しく調べ上げるよう命じておきます」
謙信點頭回應景綱的話後,靜靜閉上了雙眼。
謙信は景綱の言葉に頷いた後、静かに目を閉じる。
(若吾與織田交戰時,她依舊如初,或許天真會眷顧她。但如此也好。若能為人民打造一個溫柔的世代,吾已準備好成為那基礎)
(もし、わしが織田といくさをするときに彼女が変わらぬままなら、おそらく天は彼女を愛すだろう。だが、それで良い。民が優しく生きられる世ができるのなら、わしは礎となる覚悟はできておる)
靜子抱頭呻吟。每每如此,總被信長那種如突發奇想或似乎在設下陷阱般的提案弄得頭疼。
静子は頭を抱えて唸る。毎度のことながら信長の思いつきのような、騙し討ちのような話の持って行きように頭痛がした。
「要參加試驗性戰鬥之類的……事前能不能先說說啊」
「試し合戦に参加せよとか……事前に話をしてほしいなぁ」
不過縱使在啟程赴京前被告知,她是否會同意參加也未必能確定。靜子在不可避免的戰事中會出手,但其他時刻她盡量避免出風頭。
しかし、仮に京へ発つ前に教えられていたとしても、果たして参加を承諾したかは自分でも怪しかった。合戦など致し方ない場面では静子も手を出すが、それ以外はなるべく目立つ行為は控えたかった。
「不過……既然關乎織田家的威信,恐怕也只能做了吧」
「でも……織田家の威信をかけるから、やるしかないのかなぁ」
雖然不甚情願,但理解在這個時期舉行試合的理由。對信長而言,是想讓周圍知道織田軍仍然健在。
気は乗らないが、この時期に試し合戦をする理由は理解した。信長としては織田軍はいまだ健在だという姿を周囲に知らしめたいのだ。
去年接連大敗後,織田軍開始被周邊諸國稍微輕視。於是信長打算藉此向外界展示織田軍的強大。
昨年、あれだけ大敗続きだった織田軍は、周辺国から若干舐められた態度を取られるようになった。ゆえに、織田軍の強さを周囲に見せつけようと信長は考えた。
靜子的回應形同無物,事情順利進展。織田軍派出了明智軍、柴田軍以及靜子軍。
静子の返答などあってなきが如く、話はとんとん拍子で進む。織田軍からは明智軍、柴田軍、そして静子軍が出ることとなった。
畿內也有多支軍隊為了信長給上位者的賞金而參加。靜子抵達京城四日後,在將軍足利義昭與朝廷使者注目下,信長主辦的試合開始了。
畿内からも、信長が上位者へ出す賞金目当てでいくつもの軍が参加する。そして静子が京に到着してから四日後、将軍・足利義昭や朝廷の使者が見守る中、信長主催の試し合戦が始まった。
「啊——嗯,大家也知道這是試合,跟平常的合戰有點不同喔」
「あーうん、皆も知っての通り試し合戦だから、普段の合戦と少し毛色が違うよ」
被誰看到都顯得毫無氣勢與逼力的靜子,用悠閒的聲音對士兵們說話。根據規定,兵力限定為一百名。
誰が見ても気力や迫力が皆無の静子が、のんびりした声で兵たちに話しかける。兵の人数は規則で100名と決まっている。
靜子自弓騎兵隊挑出五名,其餘為九十五名步兵。其中靜子隊三十五名,慶次、才蔵、長可各出二十名精銳組成。
静子は弓騎兵隊から5名、残り歩兵95名とした。内、静子隊から35名、慶次、才蔵、長可からそれぞれ20名の精鋭兵で構成されている。
以一百名兵與五名武將,共一百零五人的軍隊進行試合。靜子只有三名武將,但規定只要不超過五名便無妨,因此沒問題。
兵100と、5名の武将、計105名の軍で試し合戦は行われる。静子は武将の数が3人しかいなかったが、5名を超えなければ問題ない規則のため、何も問題はなかった。
「靜醬。稍微表現出點氣勢啦~」
「静っちー。少しは気迫を入れてくれ~」
慶次打趣,周圍一陣大笑。靜子戴著遮住整張臉的面具,外表雖然嚴肅,但聲音悠閒,使得整個軍隊的氣氛相當寬鬆。
慶次が茶化すと周囲がどっと笑う。静子は顔全部を覆う総面を付けているため外見は物々しいが、声がのんびりしているので軍全体の空気はゆるやかだった。
「哈哈哈,那是太過分的要求。不過說正經的,首戰對手是攝津半國守護和田殿。既然是幕臣,千萬不可掉以輕心。」
「はっはっはっ、それはむちゃな注文って奴だよ。でもまぁ真面目な話をしようか。初戦の相手は摂津半国守護・和田殿。幕臣だけに油断は禁物よ」
「我氣合十足,先陣就交給我吧!」
「俺は気合十分だぜ。先陣は俺に任せてくれ!」
充滿幹勁的長可大喊。然而大家原以為即便他不喊也會站在最前,因此靜子的下一句話讓所有人吃驚。
気合十分の長可が叫ぶ。しかし、彼が叫ばなくとも長可が先頭に立つのは間違いないと思っていた。だからこそ、静子の次の言葉に誰もが驚かされた。
「啊,勝蔵君拿盾負責防守喔」
「あ、勝蔵君は盾もって防御担当ね」
「喂!等一下!」
「うぉい! ちょっと待て!」
「把話聽完。重點是,這次要展示織田軍的威信。若是勝蔵君站在最前方直接擊倒對手,也沒什麼意義。正因為會把意想不到的人擺在意想不到的位置,才能顯示織田軍的實力。」
「話は最後まで聞きなさい。いいこと、今回は織田軍の威信を見せつけるの。勝蔵君が先頭に立って、そのまま相手を倒しても意味はない。こういうときは、予想外の人物が予想外のところに配置されているからこそ、織田軍の強さを見せつけられるのよ」
長可雖然發出抗議聲,但在靜子的說明下收回話。靜子的論點正確,縱使長可將幕府軍打散,周遭也會覺得以他剛勇無雙的年輕武者身分是理所當然。
抗議の声を上げた長可だが、静子の説明に言葉を引っ込める。静子の言葉は正しく、仮に長可が幕府軍を蹴散らしても、剛勇無双の若武者である彼なら当たり前だと周囲は思う。
但若由長可負責防守,而另有人破開血路,眾人便會驚訝並對織田軍的厚實戰力感到畏懼。
しかし、長可が防御を担当し、別の人物が血路を切り開けば、周囲は驚き織田軍の層の厚さに恐れおののく。
「所以,突擊請交給才蔵先生。慶次先生為遊擊隊,突擊的號令由我發出,但之後請依戰場情況自行行動。」
「そんなわけで、突撃は才蔵さんにお願いします。慶次さんは遊撃隊、突撃の合図は私が出すけど、それ以降は合戦場の状況を見て独自に動いてください」
「是!明白了」
「はっ! 承知しました」
「嗚——竟然讓他們為所欲為,靜醬真大膽呢」
「ひゅー、好き勝手しろとは静っちは大胆だねぇ」
「喔……我也想突擊啊」
「おぉ……俺も突撃したかった」
沉穩的才蔵、露出愉快笑容的慶次,以及稍微氣餒的長可,三人各有不同反應。
落ち着いた態度の才蔵と、楽しげな笑みを浮かべる慶次、若干気落ちをしている長可と三者三様の態度だった。
「第一印象很重要。沒事,雖說看對手情況,下一次突擊可能就是勝蔵君喔」
「第一印象が重要だからね。大丈夫、相手しだいだけど次の突撃は勝蔵君かもよ」
「真的嗎!好,算你答應!下一次就由我突擊!!」
「ほんとか! いいか、約束だぞ! 次は俺が突撃するからな!!」
「不、我說的是看對手……算了。下一支軍可能會出現許多受傷者,先提醒一下比較好」
「いや、だから相手しだいって……まぁ良いか。次の軍はけが人が多く出るかもしれないから、事前に伝えておこうかしら」
一聽到有機會成為下一波突擊隊,實際的長可興奮得兩手一舉。靜子想到下一次試合或許會有人死亡,只能露出乾笑。
現金なもので次に突撃隊になれると分かった長可は、もろ手を挙げて喜んでいた。次の試し合戦では死人が出るかも、と思った静子は乾いた笑いしか浮かばなかった。
「靜子大人,真的允許某人當突擊隊嗎?」
「静子様、本当に某が突撃隊で宜しいのでしょうか」
帶著困惑的才蔵向靜子開口。與其說困惑,更像內心猶豫不決。靜子明白他為何猶豫,露出慈善的笑容後開口。
困惑気味の才蔵が静子に声をかける。困惑と言うより何か迷っている風にも見えた。何が彼を迷わせているか理解した静子は、人の良い笑みを浮かべてから言葉を口にする。
「不必猶豫。我會接納你的全部,所以把胸中悶著的東西釋放出來吧。」
「迷う必要はありません。私はあなたのすべてを受け止めます。だから、胸の内にくすぶっているものを解放してあげなさい」
說完這句,靜子讓馬走到既定位置。才蔵先是一臉驚訝,但下一刻露出平時少見的不羈笑容,向靜子低頭致意。
それだけ言うと静子は決められた位置に馬を歩かせる。一瞬、驚いた顔をした才蔵だが次の瞬間、普段浮かべることがない不敵な笑みを浮かべると静子に向かって頭を下げた。
當他再次抬起臉時,才蔵的表情已非平靜,而是顯出一種粗獷之色。
再び顔を上げたとき、才蔵の表情は落ち着いた者の表情ではなく、まさに荒くれ者といった表情を浮かべていた。
「開戰!」
「合戦始めぇ!」
和田軍與靜子軍就位後,不久負責發號令的兵吶喊開始信號。
和田軍と静子軍が所定の位置についた後、少しして合図役の兵が開始の合図を叫んだ。
剛聽到開始信號,才蔵與二十名士兵便發起突擊。以防守見長的才蔵竟持槍衝鋒,令眾人驚呼不已。
開始の合図が聞こえた瞬間、才蔵と20名の兵は突撃を開始した。防戦に於いて優れた実績を持つ才蔵が、槍を持って突撃する様に周囲は驚きどよめいた。
然而,那份驚訝不久便變成震驚。
しかし、間もなくその驚きは驚愕に変貌する。
「礙事啊!!」
「邪魔だぁ!!」
在與槍隊相撞的瞬間,才蔵等人下馬直衝槍隊。槍隊持有的長槍約五公尺,而才蔵隊的槍為手槍約二點七公尺,僅約一半長度。
槍部隊とかち合う寸前、才蔵たちは下馬すると槍部隊に突撃した。槍部隊の持つ棒は長槍(約5メートル)、対して才蔵部隊が持つ槍は手槍(約2・7メートル)と半分しかない。
眾人以為才蔵會成為長槍的祭品,然而出乎他們預料,才蔵隊躲開了長槍,潛入對方懷中,並將手槍用力擊向敵人的腹部。
周囲は才蔵が槍の餌食になると思った。しかし、彼らの予想に反し、才蔵部隊は槍部隊の槍を躱し、懐に潜り込むと手槍を相手の腹に力いっぱい叩きつける。
許多士兵被掃倒,其中有些人甚至被擊飛超過一公尺。
何人もの兵がなぎ倒された。中には1メートル以上も吹っ飛ばされた人間もいた。
在才藏與他手下的突擊下,和田軍的士兵如同破抹布般被掃倒,轉眼間十名以上的兵士喪失戰鬥力。
才蔵と彼の兵たちの突撃で、和田軍の兵はボロぞうきんの如く薙ぎ倒され、あっという間に10名以上の兵士が戦闘不能となった。
「吾,曾被畏懼為能吞噬鬼怪的羅刹——可兒才藏!若不惜性命,就來阻我之道吧!」
「俺(・)が鬼をも喰らう羅刹と恐れられた可児才蔵よ! 身を惜しまぬのなら俺(・)の道を阻んで見せよ!」
在戰場正中央才藏怒吼,那聲音大到連遠處觀戰的義昭、朝廷使者、信長與畿內的國人都聽得見。
合戦場のど真ん中で才蔵が吠えた。その声は遠くから観戦していた義昭や朝廷の使者、信長や畿内の国人の耳にも届くほどの大音声だった。
和田軍瞬間被恐懼吞沒,有人手中武器落地,也有人僵立當場失禁。
一瞬で和田軍は恐怖にのまれ、武器を手落とす者、その場に立ち尽くして失禁する者もいた。
將他們擊潰並殲滅長槍部隊後,才藏趁勢向和田軍主力發起突擊。
彼らを叩き潰し槍部隊を壊滅させると、才蔵は勢いそのまま和田軍の本隊へ突撃を仕掛ける。
「怎麼樣!畿內的將領就只有這種程度嗎!!」
「どうした! 畿内の将とはこの程度か!!」
自從來到靜子身邊後,才藏變得深思熟慮,常保沉穩的氣質。但原本他是美濃首屈一指的剛勇無雙的年輕武者,是個粗獷野性的武將。
静子の元に来てからの才蔵は、思慮深く、常に落ち着いた雰囲気の人物だ。しかし、元は美濃随一の剛勇無双の若武者であり、荒くれ者で粗野な武将だった。
起初他在周遭的規勸下勉強收斂安分,但不知不覺中如今的風格已定型。
最初は周囲にたしなめられて嫌々大人しくしていた彼だが、いつの間にか今のスタイルが定着してしまった。
他自己回顧過往時,甚至會疑問道「為何我曾那麼好鬧脾氣呢」,因此周遭便將才藏視為沉著冷靜的武將。
本人も過去を振り返るとき、「なぜ、某はあれほど暴れん坊だったのだろう」と疑問を口にするほどだ。そのため、才蔵は周囲から沈着冷静な武将と思われるようになった。
然而,胸中沉睡的野獸一直伺機而動。但一想到若將野獸顯露會惹靜子不悅,才藏便提不起勇氣邁出那一步,變得畏縮。
しかし、胸の内に眠る獣は常に外へ出る機会を窺っていた。だが獣を表に出して静子の不興を買ったら、と思うと才蔵は一歩前に出られず及び腰になっていた。
這次得到靜子「委細問題なし」的告知。失去一切恐懼的才藏,將內心沉睡的野獸釋放出來。
それが今回、静子より『委細問題なし』と告げられた。何も恐れる心配がなくなった才蔵は、内に眠っている獣を外へ解放した。
看到才藏發出野獸般的咆哮掃倒士兵,和田軍的士氣完全崩潰。
獣の咆哮を上げながら兵を薙ぎ倒す才蔵の姿を見て、和田軍の心は完全に折れていた。
「差不多……吧。慶次隊,突擊。途中我會惡作劇,不要在意喔」
「そろそろ……かな。慶次隊、突撃。途中、私が悪戯をするけど気にしないでね」
「哈哈──真讓人期待。那我就出發了!」
「はっはー、それは楽しみだ。じゃあ行ってくるぜ!」
話音未落,慶次隊已策馬奔進。如靜子所料,為了從側面攻擊,慶次隊沿著邊緣縫隙般移動。
言うやいなや慶次隊は馬を走らせる。静子の予想どおり、側面から攻撃するため、慶次隊は端を縫うように移動していた。
「嗯,我覺得不太必要,但還是得做點事啊」
「まぁ必要ないと思うけど、一応お仕事しないとね」
輕輕轉動肩膀後,靜子搭上鏑矢(かぶらや)。
軽く肩を回した後、静子は鏑矢(かぶらや)をつがえる。
「……三、二、一、發射」
「……3、2,1、発射」
鏑矢發出高亢的聲響,朝與慶次隊相反的方向飛去。
甲高い音を鳴らしながら、鏑矢は慶次隊とは反対方向へ飛んでいく。
和田軍對於突然響起的異音下意識做出反應。雖只是瞬間,但成為分出勝負的分水嶺。
和田軍は突如聞こえた異音に、無意識の内に反応してしまう。時間にしてわずかだが、それが勝敗を分ける分水嶺となった。
「哇!側面有敵人!?呀啊!」
「うわっ! 側面から敵が!? ぎゃあ!」
在正面才藏隊與側面慶次隊的攻擊下,和田軍主力全軍覆沒。剩下的人抱著破罐破摔衝向靜子隊,卻在長可面前無一倖免地倒下。
正面からの才蔵隊、そして側面からの慶次隊の攻撃を受け、和田軍の本隊は壊滅した。残った者たちがやけっぱちで静子隊へ向かってきたが、長可の前に全員為す術もなく倒れた。
「大將旗,拿下!!」
「大将旗、とったりぃ!!」
試合式的演練戰不是生死相搏之戰。因此士兵佩戴代表性命的布印,總大將則插掛大將旗參戰。
試し合戦は生死のやりとりをする合戦ではない。ゆえに、兵には命代わりの布印を、総大将には大将旗をつけさせて戦わせる。
若士兵被對方奪取布印,視同討死並從戰場退場;若武將手中的大將旗被奪走,則該時勝負即定,這是規則。
兵は相手に布印を取られたら討ち死に扱いとし、そこで合戦場より退場させる。そして武将の持つ大将旗が相手に取られると、その時点で勝敗が決する規則だ。
因為熱血有時會打得過火,而布印是戴在後腦勺,故也可能被從背後悄然接近的敵人扯下。
熱が入って過剰に殴り合うこともあるが布印は後頭部につけるため、背後から忍び寄った敵にもぎ取られることもある。
「勝者,織田軍!」
「勝者、織田軍!」
主持從高台上宣告靜子軍勝利。即便宣告後仍有數人扭打,但被周遭拉開。
司会進行役が櫓(やぐら)から静子軍の勝利を叫ぶ。宣言をしても取っ組み合いをする者が何人かいたが、周囲が引き剥がしていた。
然而,剛勇無雙的才藏連靠近都難,慶次與才藏交手也無法手下留情,雙方可能受傷,大家因此苦思該如何是好。
しかし、剛勇無双の才蔵は近づくことすらままならず、慶次も才蔵相手なら手加減ができず、双方怪我を負う可能性があったため、どうしようかと考えあぐねていた。
「到此為止。」
「そこまでです」
不知何時已移到和田軍前方的靜子向仍舉著手槍的才藏喊話。
いつの間にか和田軍の手前まで移動した静子が、いまだ手槍をふるう才蔵に声をかける。
聲音毫無威嚴,幾乎沒有氣勢,但竟使過去如烈馬般的才藏奇蹟般停止了動作。才藏將手槍放於地上,朝靜子屈膝下跪。
覇気はなく、迫力も皆無に等しい声だったが、今まで暴れ馬のような才蔵が嘘のように動きを止めた。才蔵は手槍を地面に置くと、静子の方へ跪く。
「非常抱歉。因為熱血過頭,失去了冷靜。」
「申し訳ございません。熱が入り、冷静さを失っておりました」
「叫你解放內在野獸的是我……某。無需放在心上。如果你非要做點什麼,就在下一場試合好好履行你的職責吧。」
「内なる獣を解放しろ、と言ったのはわた……某です。気に病む必要はありません。どうしても、と仰るのなら次の試し合戦で、立派に務めを果たしてください」
「承蒙寬大體諒,感謝不盡。」
「寛大なご配慮、感謝いたします」
才藏對靜子的話深深低頭致意。
静子の言葉に才蔵は深々と頭を下げる。
竟用短短一句就讓那曾狂暴不羈的才藏閉嘴。此景令和田兵當然震驚,遠處觀戰的國人也都失聲,唯有知道來龍去脈的信長露出愉悅的笑容。
あれだけ荒れ狂っていた才蔵を、たった一言で黙らせた。そのことに和田兵はもちろん、遠くで観戦していた国人たちも声を失った。唯一、理由を知っている信長だけ楽しそうに笑っていた。
「撤收!」
「撤収するぞ!」
「是!」
「はっ!」
在靜子的號令下,士兵們整齊列隊,以一絲不亂的統制動作組成隊伍前進。那機械般精準的動作極為美麗,觀者無不屏息。
静子の号令に従って兵たちが整列すると、一糸乱れぬ統制された動きで隊をなし行進する。機械のような正確な動きは美しく、見ている者たちは息をのんだ。
正如「立つ鳥跡を濁さず」這句話所言,靜子軍乾淨利落的離去方式給周邊國家留下了強烈的印象。
立つ鳥跡を濁さずという言葉の如く、静子軍の奇麗な去り方は周辺国に強烈な印象を与えた。