戦国小町苦労譚
1570年12月下旬
若史實如記,靜子知道明年初就會開戰,因此在信長與人和議之前就已專注於增產箭矢。
史実通りであれば来年早々にも合戦が始まる事を知っている静子は、信長が和睦を結ぶ前から矢の増産に注力していた。
現代可使用鋁合金(ジュラルミン)或碳纖維製的箭矢重複使用,但戰國時代由矢竹(しのめ竹)加工成箆矢,基本上是拋棄式的。
現代ならばジュラルミン製やカーボン製の矢を用いて繰り返し使用できるが、戦国時代の矢竹(しのめ竹)から加工され箆(の)矢として作り出される矢は使い捨てが基本となる。
因此並非用於狙擊的箭,而是大量射擊用的箭不追求品質。關鍵在於如何在短時間內以必要的最低品質確保數量。
故に狙撃に用いるような矢ではなく、数打ち用の矢は質を求めない。如何に短期間に必要最低限の品質で量を確保できるかが肝要である。
若貪求過多、追求超出必要的品質,完成就會延遲。如此浪費時間便趕不上時勢的變化。
多くを望み必要以上の質を求めればそれだけ完成が遅れる。そうやって時間を浪費すれば時勢の変化に追い付けない。
對於弓兵眾多且大量使用箭矢的靜子軍,若無法在短期內取得通用性高的箭,持續作戰能力將會降低。
特に弓兵が多く、矢を大量使用する静子軍にとって、短期間に汎用(はんよう)性の高い矢を確保出来なければ継戦能力が低下してしまう。
只要先準備出作為兵器合格的最低限度『質』的箭並備足『量』,之後再追求更高的『質』並逐步汰換即可。
兵器として通用する最低限の『質』を確保した矢を充分な『量』用意した後に、『質』を追求し逐次入れ替えれば良い。
「一天三千支啊。因為也要供應給其他軍隊,照這樣可能趕不上吧。」
「日に3000本か。ほかの軍にも納品している関係から、このままじゃ間に合わないかな」
除非使用和弓的人另當別論,織田軍用以牽制的短弓因規格統一,任何足輕使用都能發揮最低限度的性能。
和弓を使う人間は別として、織田軍が使うけん制目的の短弓は仕様が統一されているため、どの足軽が使用しても最低限の性能が引き出せるようになっている。
當然能力會有差異,但基本性能沒有任何改變。
無論、能力によって違いは発生するが、基本的な性能は何一つ変わらない。
要防止足輕損失,只需用火繩槍掃射衝過來的敵兵即可。
足軽の損害を防ぐには突撃してくる敵兵を火縄銃でなぎ払えば良い。
不過現況即使有火藥也難以備齊火繩槍。即便是資金充足的織田家,要獨占性地調達數千把火繩槍,考慮到與其他國家的牽制也很困難。
だが、現状は火薬があっても火縄銃をそろえるのが困難だ。潤沢な軍資金がある織田家でも、さすがに数千丁の火縄銃を独占的に調達することは他国との兼ね合いもあり困難だ。
於是信長想出用簡單弓的一斉射擊,也就是讓敵人遭受箭雨、構築彈幕的戰法。
そこで信長が考えたのが簡素な弓での一斉射撃、つまり敵に矢の雨を降らせ、弾幕を張る戦法を採用した。
起初曾考慮過弩(クロスボウ),但發現若弦的威力不足,數十公尺外的人也無法致命。
最初はクロスボウを考えたものの、弦の威力が弱ければ数十メートル先の人間も殺せないことが判明した。
複合弓(コンパウンドボウ)零件多且要求高『質』,因此最後決定量產結構簡單的短弓。
コンパウンドボウは構成部品も多く高い『質』を要求する武器であったため、最終的に簡素な作りの短弓を量産することで落ち着いた。
有效射程約100公尺,但最重要的是經過訓練可以把搭箭到發射的時間縮短到1到2秒左右。
有効射程距離は100メートル程度だが、何よりも訓練させれば矢をつがえて放つまでの時間が1,2秒と短くできる。
假如有敵軍以平均13秒衝刺100公尺,便約能下起十次左右的箭雨。
仮に100メートルを平均13秒で突撃してくる敵軍がいたとしたら、およそ10回もの矢の雨を降らすことが可能になる。
判斷可期待足夠效果後,信長打算將弓的齊射戰法納入各軍。
充分な効果が期待できると判断し、信長は弓の斉射戦法を各軍に取り入れようとした。
統籌那些弓與箭的製造的是靜子。
その弓と矢の製造を総括しているのが静子だ。
這原本就是她確立的戰法,所以靜子擁有大量生產的技術經驗是理所當然的。
元は彼女が確立した戦法であるため、大量生産できるノウハウを静子が持っているのは当然ではある。
而且不只是大量生產,還存在一套讓足輕能有效率地使用所生產弓箭的機制。
更に大量生産だけではなく、生産される弓矢を足軽が効率的に扱えるようにするための仕組みが存在した。
箭的長度據說是以張開雙手的長度減去38.1cm(15inch)後除以2所得的數值為適當長度。
矢の長さは両手を広げたときの長さから38.1cm(15inch)引き、2で割った数値が適正な矢の長さと言われている。
若大幅偏離此長度,便無法順利拉開箭,也會傷及關節等。為了解決此問題,靜子的對策是讓士兵配合箭的規格。
この長さから大きく逸脱すると、矢がうまく引けず、また関節等を痛める。この問題を解決するため、静子がとった対策が、矢に合わせて兵を揃えることだ。
也就是說不是為每名足輕量身訂做箭,而是統一箭的長度規格,然後備齊適合該規格的足輕。
つまり足軽一人ひとりに矢を合わせるのではなく、矢の長さを規格統一し、それに適合する足軽を揃えているだけだ。
「非常抱歉。我認為再提高產量很困難。」
「申し訳ありません。今以上の生産は厳しいと思われます」
「沒辦法。就把我們的部隊放後面,優先供應其他部隊吧。當然,要先向主君確認交付先的優先順序。」
「仕方ないね。じゃうちの軍を後回しにして、ほかの軍に納品するのを優先して頂戴。無論、お館様に納品先の優先度を確認してからだよ」
「明白了。」
「了解しました」
「對了對了,天變得相當冷,注意身體喔。我倒是從剛才就覺得很熱。」
「そうそう、随分と寒くなってきたから、体調には気をつけてね。私はさっきから暑いのだけど」
靜子在冬天還會感到熱,原因是維特曼他們都縮在她身邊。
静子が冬でも暑い理由はヴィットマンたちが、彼女の周りで丸まっているからだ。
狼的體溫常維持在攝氏40.6到41度之間,而且不是靠出汗調節體溫,而是張口吐舌來調節。
オオカミの体温は常に摂氏40.6から41度と高く、さらに汗をかいて体温調節するのではなく口を開けて舌を出すことで体温調節を行う。
「戰鬥食……嗯,竹中大人那裡有收到『いくさ飯』的菜單表嗎?」
「戦闘食……えっと竹中様へ『いくさ飯』の献立表は届いた?」
竹中半兵衛認為稱軍用食為戰鬥食會讓人難以理解,便向靜子寄去文書,將名稱改為『いくさ飯』。靜子對名稱並不執著,沒有反對改名。
竹中半兵衛は軍用食を戦闘食と呼んでは意味が分かりにくい、との話で静子に名称をいくさ飯に変更する文を送った。静子も名称には特にこだわりがなく、名前変更に反論はしなかった。
自此,織田軍自備的合戰用食糧就固定稱為『いくさ飯』。
以降、織田軍に自前で用意する合戦用の食料を『いくさ飯』と呼ぶことが定着した。
「昨天,早馬來報說已經平安送達。」
「昨日、無事届いたと早馬がきました」
「那個5公升手動加壓泵的試作品完成了嗎?」
「5リットルの手動式加圧ポンプの試作品は完成していたっけ?」
「幾天前試作品已送來,昨天已與靜子大人所寫的報告書一起回送了。」
「数日前に試作品が届けられ、昨日静子様が書かれた報告書と共に返送しました」
「喔,是嗎。那就好。」
「あれ、そうだっけ。ならいいや」
為了有效散布用以防除害蟲的驅避劑,已委託生產加壓式手壓泵。
害虫を防除するために使用する嫌忌剤を効率的に散布するため、加圧式ハンドポンプの製造依頼を出していた。
最近各種委託與詢問接踵而至,她反而忘記了試作品送到後自己有做過驗證這件事。
最近は色々な依頼や問い合わせが殺到するため、彼女はその試作品が届いて自らが検証した事を失念していた。
在驗證中靜子發現的問題是噴嘴的精度,因技術極限,收斂不夠,單次噴霧量過多。
検証において静子が問題としたのは噴霧口のノズル精度で、技術的限界により絞りが甘く一回の噴霧量が多すぎる。
會在五分鐘內耗盡攜帶罐容量,因而無法發揮作用。
携行タンクの容量を5分で使い切ってしまうため用を為さない。
「最近一直在做各種東西送來,檢驗後又回了報告書,所以完全忘記了啊」
「最近、いろいろと作っては届き、検証しては報告書を返していたから、すっかり忘れていたよ」
「看起來很疲累呢。不如休息一段時間如何?」
「お疲れのご様子ですね。しばらく休まれてはいかがでしょうか」
「是啊,年末年始快到了,我就稍微休息一下吧。」
「そうだね。もうすぐ年末年始だし、少し休むことにするよ」
新年伊始,信長立刻整頓軍備,命秀吉完全封鎖連接京與北陸的路線(陸路與海路),並讓丹羽入城佐和山城,藉此確保岐阜至南近江之間街道的安全。
年が明けてすぐ信長は軍備を整え、秀吉に京と北陸を結ぶ経路(陸路と海路)を完全に遮断させ、丹羽を佐和山城に入城させることで岐阜から南近江の間にある街道の安全を確保した。
史實上從此以破竹之勢向外侵進,五月有長島一向一揆的征伐、九月則是比叡山的焚燒討伐。
史実ではここから破竹の勢いで侵攻し、五月には長島一向一揆の征伐、九月には比叡山焼き討ちが待っている。
想到來年仍是忙碌的戰事日子,靜子感到心灰意冷。
来年も忙しい合戦の日々を思い、静子はげんなりした気持ちになった。
(各種手動式工具能夠再現了……但性能都不怎麼樣呢。雖然一開始就要求高性能本來就是不行的。)
(いろいろと手動式の道具を再現できるようになったけど……どれもいまいちな性能しか出ないよね。最初から高性能を求める方が駄目なのだけど)
因為知道高性能的完成形,想到必須反覆檢驗與改良,像把沙堆一層層堆到天上的工作,靜子的心情就萎靡了。
高性能な完成形を知っているだけに、何度も検証と改良を繰り返す砂山を天まで積み上げるような作業を思うと気分が萎える静子だった。
即便性能不足,但若能滿足必要功能,就先實用化、讓大量人實際試用,以此找出問題與改進點,這是她想採用的方法。
性能面が不十分でも必要とされる機能を満たした物は、一度実用化し実際に多数の人間が試用する事で問題点や改善点を洗い出す方式にしたかった。
比起磨練到極致的完成形,更需要找到適合這個時代的人們運用的最優形式。
洗練され切った完成形よりも、この時代の人々が運用する上で最適な形を見出す必要があった。
她認為與其自己一人判斷,不如集納多數使用者的意見,踏實地接近理想比較好。
それには自分一人で判断するよりも、多くの使用者から意見を集約し地道に理想に近づける方が良いと思っている。
但實際上只有靜子能進行檢驗,技術街和她之間反覆改修與試驗,並以靜子的合格判斷作為製品化程序。
だが実際には静子しか検証が行えず、技術街と彼女との間で改修と試験を繰り返し静子の合格判断を以て製品化する手順となっている。
因此,現狀可以說是檢驗的負擔落在靜子一人身上。
ゆえに、現状は静子1人に検証の負担がかかっている状態と言える。
這是讓眾多產品問世所需的過程,但因為只有靜子能做判斷無法替代,成了瓶頸(註:指無論改善其他部分多少也無法改善局勢的致命處)。
多くの製品を世に出すためには必要な過程だが、判断できるのが静子一人で代替が効かないためボトルネック(注釈:他を幾ら向上させても状況改善しない致命的な箇所を指す)となっていた。
(即便如此,「道具」也逐漸開始齊備。我本希望能稍微輕鬆些……但不知為何反而變得忙碌。說起來近衛大人所說的「第二個無理的請求」到底是什麼呢?自那之後完全沒有任何動靜。)
(それでも少しずつ『道具』がそろい始めている。そろそろ楽になってほしいのだけど……なぜか忙しくなるのよねぇ。そういえば近衛様が言っていた『第二の無茶なお願い』って結局何だったのだろう。あれ以来、何も言ってくる気配がないし)
她根本沒想到那所謂的「第二個無理的請求」竟會是把前久和猶子牽在一起之類的事。
その『第二の無茶なお願い』が前久と猶子を結ぶこと、などとは彼女は夢にも思っていなかった。
判斷思考無法得出答案後,她想要換換心情就去泡溫泉。
考えても答えが出ないと判断した彼女は、気分を変えるために温泉につかろうと考えた。
在雪花紛飛的冬日岐阜,信長靜靜等待時機。即使周遭有人想棄織田家而去,他也只是專注伺機,過著忍耐潛伏的日子。
雪が降りしきる冬の岐阜で、信長は静かに時機(とき)を待った。周囲が織田家を見限ろうと、彼はただひたすら機会を窺い雌伏の日々を送っていた。
「可成,直率問你一句:你不覺得我已經完了嗎?」
「可成、率直に聞こう。わしはもう終わりだと思っておらぬか」
信長一邊品嘗柳川鍋(やながわなべ),一邊向對面森可成這麼問道。
柳川鍋(やながわなべ)を口にしながら、対面にいる森可成に信長はそう尋ねた。
森可成露出驚訝之色,迷惑於下一步該如何回答,視線徘徊。信長見狀並未生氣,微笑著繼續說話。
森可成は驚きも露わに、次にどう答えるべきか迷い視線を彷徨わせた。その様子を見て信長は怒る事なく、小さく笑いながら言葉を続けた。
「很好。從你的態度我已經看得很清楚了。」
「良い。貴様の態度でよく分かった」
「……非常抱歉。」
「……申し訳ありません」
「你不必道歉。確實我敗了。曾經認識那個一度掌握京城的我之人,恐怕會覺得現在的我十分寒酸。」
「貴様が謝ることではない。確かにわしは負けた。一時期、京を支配したわしを知っている者なら、今のわしはみすぼらしく見えるのであろう」
「主君」
「お館様」
森可成不知道該如何開口,卻始終找不到合適的言語。
何と声をかけるべきか森可成は悩んだ。しかし彼にはついぞかける言葉を見出せなかった。
察覺到森可成心情的信長,像往常一樣帶著無畏的神情斷言道。
そんな森可成の心情を察した信長は、いつもの様に不敵な面持ちで断言する。
「別擔心,可成。我並非在哀嘆自己的際遇。對於在此種情況下仍然留下來的義臣,我心懷感謝。正因如是,我不會放棄。我要一個個擊潰敵人,直到將天下握在手中為止。」
「心配するな、可成。わしは己の境遇を嘆いているわけではない。そして、この様な状況でも残ってくれる義臣に感謝しておる。だからこそ、わしは諦めない。敵を一つずつ叩き潰し、この手に天下を握るまではな」
「主君!! 雖然我已是老態,但我決心粉骨碎身,助主君達成宿願。」
「お館様!! 某は既に老いた身なれど、お館様の宿願を叶えるため粉骨砕身する覚悟で御座います」
「有你在真是太好了。雖然突然,但我有一件事想拜託你。」
「貴様がいてくれて助かる。早速で悪いが貴様に頼み事がある」
「是,請儘管吩咐。」
「はっ、なんなりとお申し付けください」
左肩受傷已無法拿槍的森可成,若是信長的命令,即便把槍綁在身上也願意作戰。
左肩を負傷しすでに槍が持てぬ森可成だが、信長の命(めい)とあらば体に槍を括りつけてでも戦う気でいた。
然而信長的所求,是他料想之外的內容。
しかし信長の頼みは、彼の予想外の内容だった。
「我要拜託的正是靜子的事。」
「頼みというのは他でもない、静子のことだ」
「靜子殿怎麼了……?」
「は、静子殿が何か……?」
「你也應該知道。這次靜子立下了許多武功。那正是問題所在。」
「貴様も知っていよう。今回、静子は幾多の武勲を立てた。それが問題なのだ」
聽到信長說『立功是個問題』,森可成歪著頭不解。
武功を上げるのが問題、という信長の言葉に森可成は首をかしげる。
靜子在自己倒下後仍率兵站在宇佐山城前線,阻止淺井・朝倉聯軍的攻城,堪稱功勞者。
静子は自分が倒れた後も兵を率いて宇佐山城の前線に立ち、浅井・朝倉連合軍の城攻めを食い止めた功労者だ。
後來她因過勞倒下,長可代替她四處擊退反織田軍,之後復歸的靜子也帶著慶次與才蔵加入,恢復了南近江的交通網。
後に過労で倒れたが彼女の代わりに、長可が各地で反織田軍を蹴散らし、途中から復帰した静子も慶次と才蔵を連れて加わり、南近江の交通網を回復させた。
那些以前嘲笑靜子是「在戰場上毫無功勞、只是運氣好的女人」的人,對於這等功績也都無言以對。
今まで静子を『戦場において何ら功を持たぬ運が良いだけの女』と揶揄していた連中も、言葉を失うほどの功績だ。
森可成無法想像她的功績有何問題。
彼女が上げた功績の何が問題なのか森可成には想像がつかなかった。
「靜子的作戰方式正是『異端』。不是為了斬首立功,而是只為她自己定下的勝利條件而戰。我並不把那個本身當作問題。問題在於若靜子比現在更立下武功,她身為『女性』這一點就會成為問題。」
「静子の戦い方はまさに『異端』だ。首級(しゅきゅう)を上げるのではなく、ただ己が決めた勝利条件のために戦う。わしはそれ自体を問題視してはおらぬ。問題は今以上に静子が武功を上げると、奴が『女』であることに問題が出てくる」
「那是……?」
「それは……?」
「靜子已經二十歲,早已錯過適婚年齡。但可成想想看。既有武功又在內政上有影響力的靜子如果仍是單身,代表會有人想把她所擁有的影響力納入己手。」
「静子は齢二十を数え、すでに妻となる適齢期を逃している。だが、考えても見よ可成。武勲もあり、内政にも影響力を持つ静子が一人身ということは、奴の持つ影響力を手中に収めようとする人間が出てくることを意味する」
在戰國時代,通常最早十歲前、最遲也會在十八歲之前結婚成家。
戦国時代の通例では早ければ10歳前、遅くとも18歳までには結婚し家庭を持つ。
像お市二十一歲結婚也有例子,但據說是信長不願放手お市,或也有說法是お市曾先婚一次,因某些理由離婚後又與淺井長政再婚。
お市のように21歳で結婚する例もあるが、これは信長がお市を手放すのを嫌ったとも、実はお市は一度結婚し、何らかの理由で離婚後、浅井長政と再婚したとも言われている。
不論如何,沒有婚姻經驗、即使已二十仍單身的靜子,在戰國時代會被視為錯過婚期的女性。
いずれにせよ結婚経験がなく、20歳でも独り身の静子は、戦国時代で言えば婚期を逃した女性と言われる立場だ。
「不要像以前那樣惹出多餘的紛擾。我不能把她當作政治婚姻的棋子。靜子腦中藏有許多祕術,所以讓她與誰結婚也是個問題。我想過一個能提升她地位,且能讓她輕易回絕這類事情的方法。」
「以前のように余計な騒動は願い下げだ。奴を政略結婚の駒に使うわけにはいかぬ。静子の頭の中には、多くの秘儀が眠っているゆえ、誰かと結婚させるのも問題だ。奴の立場を高め、かつこの手の話を簡単に断れる方法を考えた」
「要讓她成為館主的養子嗎?」
「お館様の養子にする事でしょうか」
「我也考慮過收養的事,但在繼承問題上必然會起爭執。我希望靜子能擔起織田家的分家。為了那個目的,比起把她收為養子,不如讓她收養我的孩子為養子較好。但光讓她有個養子也不行,必須是有特殊情況的孩子。」
「養子の件も考えたが、後継者問題で必ずもめる。わしとしては静子には織田家の一分家を担ってほしいと思っておる。そのためには養子にするより、奴にわしの子を養子として取らす方が良い。だが単に養子を持たせても駄目だ。特別な事情がある子にせねばな」
戰國時代收養、政略婚姻司空見慣,接近天下人的信長也不例外,會把自己的孩子送為養子或作為人質。
戦国時代は養子縁組、政略結婚が当たり前であり、天下人に近い信長も例に漏れず我が子を養子に出したり、人質として差し出したりした。
讓靜子收養他的親生孩子為養子,就能把她納入織田家的一份子。
静子に自身の子を養子として持たせることで、彼女を織田家の一員として取り込むことが可能だ。
並且若以信長的孩子為繼承人而非她自己的孩子,能向周遭彰顯對信長的忠誠。
そして自身の子ではなく信長の子を後継者とすることで、信長に対しての忠誠心を周囲に知らしめることができる。
然而即便名義上成為織田家一員,也有可能遭受宗室親族的嫉妒。
だがまがりなりにも織田家の一員となれば、親族からのやっかみを受ける可能性がある。
因此,要把她納為織田家成員,必須取得一種非常微妙的平衡──讓她收養養子但其地位仍然尷尬。
そのため、織田家として取り込むには、養子を取らせたが立場は微妙、という非常に難しいバランスが要求される。
「可成,我的請求並非別的,請你擔任我有特殊情況孩子的教育監護人。要向曾立下無數戰功的你提出這種事讓我過意不去,但除了你之外無人能擔此任。」
「可成、頼みというのは他でもない。訳ありのわが子の教育係となってくれ。今までに幾多の戦功を打ち立てた貴様にこの様なことを頼むのは忍びないが、貴様以外にこの役を担える人間がおらんのだ」
森可成侍奉信長十六年來立下許多武功。
森可成は信長に仕えてから16年の間に多くの武功を上げた。
他努力助信長承襲家督並統一尾張國,參陣今川義元的桶狹間之戰,信長上洛時曾與柴田勝家共同擔任先鋒。
信長の家督相続と尾張国統一に尽力し、今川義元との桶狭間の戦いに参陣し、彼が上洛(じょうらく)の際には柴田勝家と共に先鋒(せんぽう)を務めた。
在六月爆發的姉川之戰中阻止了磯野員昌隊的進擊,在宇佐山城之戰則率先衝鋒持續戰鬥。
六月に起こった姉川の戦いには磯野員昌隊の進撃を阻止し、宇佐山城の戦いでは先陣を切って戦い続けた。
對信長來說,森可成自古以來及往後仍是他的得力臂膀。
信長にとって森可成は昔から、そしてこれからも右腕である事に変わりはない。
現要他擔任那個人──凡是最好的情況也只能成為末座分家的孩子──的教育監護人,而非接任信長的繼承人。
その森可成を信長の後継者でなく、良くて末席の分家になれる程度の子の教育係になれと言うのだ。
信長認為森可成覺得這是屈辱也不奇怪。但正如他所言,能理解靜子那種特殊情況並輔佐她的,除了森可成別無他人。
森可成が屈辱ととっても不思議ではないと信長は考えていた。しかし彼が言ったとおり、特殊な事情の静子を理解し、彼女の補佐をできるのは森可成を措いて他にありえなかった。
「殿下請不必擔心。某雖無法持槍,是個無用之人,但若這把老骨有用,無比欣慰。那重任,我必將完成。」
「お館様、ご心配無用でございます。某は槍を持てぬ穀潰しですが、この老骨が役立つのでしたら、これほど嬉しい事はございません。その大任、見事成し遂げてみせます」
說完後,森可成深深地低下頭。
そう言った後、森可成は深く頭を下げた。
在外人眼裡會視為貶職,甚至被推到末席。然而理解靜子存在何等珍貴的森可成,能體會信長經過多少苦心才做出的決斷。
人から見れば左遷、それも末席に追いやられたと見るだろう。しかし、静子の存在がどれほど貴重か理解している森可成は、信長がどれほど苦心して出した結論か理解できた。
無論立多少功,靜子都有無法改變的缺點──也就是她是女性這一事實。
いくら功績を上げようとも、静子は覆しようのないデメリット、つまり女という事情を抱えている。
這一點今後也不會改變。因為女性的身分有時會威脅到她的存在,信長想事先防範,森可成也理解了。
それはこれからも変わることはない。この女という立場が、時として彼女の存在を脅かす可能性が高いため、事前に防ごうと信長は考えた、と森可成は理解した。
「拜託了,可成。」
「頼むぞ、可成」
聽到森可成的話,信長露出和緩的笑容,這樣說道。
森可成の言葉を聞いて、信長は和らいだ笑みを浮かべながらそう言った。
即使突圍第一次織田包圍網,織田家的不利局勢仍持續著。
第一次織田包囲網を切り抜けても、織田家に不利な状態が続いていた。
之前搭上他順風車的人翻臉不認人,找各種理由欲倒向反織田聯合一方。
今まで彼の勝ち馬に乗っていた人間は手のひらを返し、さまざまな理由をつけては反織田連合側につこうとした。
信長雖然將離去者一概斷定為無用之人,但在此情況下仍珍惜沒有倒戈的家臣,盡情慰勞他們。
去っていく人間は使えぬ無能と切り捨てた信長だが、この状況下でも離反しない家臣たちを大事にし、彼らを存分にねぎらった。
當然以靜子為首的時光穿越組──みつお、足満──根本無意背叛信長,她們周遭的人也持同樣想法。
当然ながら静子を筆頭にみつお、足満のタイムスリップ組は信長を裏切る気は毛頭なく、また彼女たちの周りにいる人たちも同じ考えだった。
然而她們不只停留在宣誓忠誠。
しかし静子たちタイムスリップ組は、忠誠を誓うだけに留まらなかった。
足満在戰鬥上貢獻,みつお在料理與畜產上,靜子則以農業及眾多技術使尾張、美濃繁榮。
足満は合戦で、みつおは料理や畜産で、静子は農業や多数の技術関係で尾張・美濃を繁栄させた。
尤其靜子以數年的農業改革,使尾張湧現出在戰國時代難以想像的食物充裕。
特に静子は数年に及ぶ農業改革で、戦国時代ではあり得ないほど尾張に食べ物を溢(あふ)れさせた。
在織田家領地內,人民不需為了獲取食物而殺人搶奪,也不至於在農閒期被逼得以命相搏去出外打工。
織田家所領に限れば食料を手に入れるため民は他者を殺して強奪する必要はなく、農閑期に命を賭けて出稼ぎするほど追い詰められてもいない。
整頓尾張、美濃的街道,施行治水,維持治安,發展產業,變成物產人潮充沛的國家,都是因為由信長主導而靜子傳授技術所致。
尾張・美濃の街道を整備し、治水を行い、治安を維持し、産業を発展させ、人と物の溢れる国になったのも、音頭を取った信長に静子が技術を伝授したからだ。
一部分離反者知道這些事,因此想挖角靜子作為送給反織田聯合的好禮,這是理所當然的推論。
離反者の一部はそのことを知っている。ならば静子を引き抜くことは、反織田連合への良い手土産になると考えるのは当然の帰結だ。
「就算把途中關卡的通行費提高五十倍也不放棄,真希望他們把這股幹勁用在其他地方。」
「途中にある関所の通行料を五十倍にしても諦めないって、そのやる気を別のところに発揮してほしいよ」
只剩下嘆息。然而靜子認為什麼都不做放任不管也有問題,於是召集了現時被策反的人。
ため息しか出なかった。しかし何の対策も採らず放置も問題だと考えた静子は、現時点で調略を受けている人間を集めた。
那就是靜子、足滿、みつお、五郎四人。之所以在前三人之外加入五郎,是因為他從三人那裡得到大量料理配方,如今幾乎成為信長與濃姬的專屬料理人。
それが静子、足満、みつお、五郎の4人だ。前の3人に五郎が追加された理由は、彼が3人から多数の料理レシピを受け取り、今や信長・濃姫の専属料理人に近い立場だからだ。
五郎曾在前久的宴會擔任料理長,可以說是最瞭解現今尾張與美濃食材的人。
五郎は前久の宴会で料理長を務めることもあり、今の尾張・美濃にある食材を最も知り尽くしている人間と言える。
「聚得真多啊。拿去當焚燒祭品的材料如何?」
「たくさん集まったな。おたき上げの材料にでもするか?」
足滿看著眼前那堆文書聳了聳肩。光是紙張就堆成小山般的量,顯而易見地說明他們在織田家家臣中佔據多重要的地位。
目の前にある文の山を見ながら足満が肩をすくめる。紙だけでちょっとした小山ができるほどの量が、彼らがいかに織田家家臣内で重要な位置を占めているかを如実に示していた。
「我對政事沒興趣。要是能讓廚藝進步我會考慮,但就現在來看對我最好的還是織田家吧」
「俺は政(まつりごと)には興味ねぇ。料理の腕が上がるなら考えるけど、現状を考えれば一番良いのは織田家だよなぁ」
「背叛之後也不見得能保住地位。若對方只是以『挖角』為目的,背叛後不只是裝作不知不覺,還有可能被抹殺」
「裏切った先で立場が保証されるとも限りません。あくまで『引き抜く事』を目的としていた場合、裏切った後は知らぬ存ぜぬならまだしも消される可能性もあります」
「就是啊~。像大叔說的,想不出背叛會帶來什麼好處」
「そうなんだよなー。おっさんの言うとおり、裏切っても全然良いことが思い付かないんだよね」
「不是大叔,我是みつお」
「おっさんではなくみつおです」
五郎對料理以外無興趣,但換言之,只要是為了料理之道,他也有可能背叛織田家。
五郎は料理以外に興味はないが、それは裏を返せば料理の道のためなら織田家も裏切れる、ということを意味していた。
「依我得到的情報,反織田聯合沒有凝聚力。也就是說即便五郎先生背叛,反織田聯合很可能也不會正面接納他」
「私の仕入れた情報では、反織田連合はまとまりがありません。つまり仮に五郎さんが裏切っても、反織田連合はまともに取り合わない可能性が高いと考えられます」
靜子以她的方式婉轉說服五郎。依現狀,背叛後等著他的只有毀滅。
静子なりにやんわりと五郎を説得する。現状、裏切っても彼に待っているのは破滅だけだ。
特別是如果此刻就做出斷然離棄信長之事,他的頭顱很可能會與軀幹說再見。
特にここで信長を見限るような真似をすれば、彼の首が胴体とさよならする可能性が高い。
「不,我知道的。就算我再不懂政事,若在這時背叛織田家,頂多也只能被斬成兩半吧。被人照顧著,卻因不方便就說再見,實在有違信義」
「いや、分かっているよ。幾ら政に疎い俺でも、今の今で織田家を裏切れば、良くて真っ二つってのがね。世話になっているのに、都合が悪いからさよならは流石に信義に悖(もと)る」
「是明智的判斷。放心吧,若你要背叛,由我來做個漂亮的首級處理」
「賢明な判断だ。まぁ安心しろ、裏切るのならわしが奇麗な首を作ってやる」
「那哪裡有什麼讓人安心的要素……?」
「それのどこに安心できる要素が……?」
「總比被陌生人處決好,算是家人處理比較能接受?」
「見知らぬ人間よりは、身内に処分される方がマシ、って所ですか?」
靜子被三人的奇怪對話弄得頭疼。
3人の不思議なコントに頭が痛くなった静子だった。
不過三人看起來都沒要被策反的樣子,她心裡也鬆了一口氣。若讓時空穿越者散落各處,確實會引發泥沼般的戰事。
しかし3人とも調略に落ちる様子はなく、彼女は内心胸を撫で下ろした。下手にタイムスリップの人間が散らばれば、確実に泥沼の合戦が起こる。
對靜子來說,那件事無論如何都必須避免。
静子にとって、それだけは何としても避けなければならならなかった。
「目前我想策反會持續下去,請今後一切都向館主報告」
「取りあえず今後も調略が続くと思いますが、すべてお館様にご報告するようにお願いします」
靜子認為大家的意見已經統一,於是以那句話結束了會議。
全員の意思が統一できたと認識した静子は、その言葉と共に会議を終わらせた。
雖然甲賀衆已經脫離六角氏,但那並不等於他們直接歸附於信長。
六角氏から離反した甲賀衆だが、それがそのまま信長へ従属には結びつかなかった。
本來甲賀衆的生存方式並非好戰。他們為了在不安定的社會情勢中保護自己而使用武力與忍術。
もともと、甲賀衆の生き方は攻撃的なものではない。不安定な社会情勢から自分たちを守るために武力や忍術を行使してきた。
他們之所以協助六角氏,也是為了甲賀衆的存續。目睹六角氏的衰微後,他們逐漸傾向親近信長。
六角氏に協力していた理由も、甲賀衆の存続を考えてのことだ。六角氏の衰退を目の当たりにして、彼らは信長寄りの姿勢を固めていった。
但甲賀衆並未真正臣服於信長。他們對信長高壓的態度心存不滿。即便口頭上表示臣從,也會是表面服從心懷不軌。
だが甲賀衆は決して信長に臣従(しんじゅう)したわけではない。彼らは信長の高圧的な態度に不満を持っている。仮に甲賀衆が臣従すると言っても面従腹背になる。
處在微妙立場的甲賀衆,接到了一則令他們震驚的情報。
微妙な立場に置かれた甲賀衆だが、そんな彼らにとって衝撃的な情報がもたらされる。
「不可能……那麼多金子到底藏在哪裡!?」
「ばかな……それだけの金をどこに保有してたのじゃ!」
起因是尾張那邊派出的斥候的報告。
始まりは尾張に放っている斥候からの報告だった。
收到信長從尾張各地用荷車搜集某物的通報後,甲賀衆增加了忍者的數量。
信長が尾張各地から荷車で何かを集めている、その様な報告を受けた甲賀衆は忍びの数を増やす。
他們試圖查明荷車裡裝的是什麼,但因為嚴密的警備,根本無法靠近。僅從深深刻下的車轍痕跡,就推測出那是相當沉重的物件。
荷車の中身が何か調べようとしたが、厳重な警備で運ばれる荷車には近づくこともできなかった。ただ深く刻みつけられた轍(わだち)の跡から相当な重量物であろうと推察できた。
然後得知車內物品的好機會到來。正當快到岐阜時,其中一輛荷車的車輪破裂,裡頭的東西大規模灑落出來。
そして荷車の中身を知る好機が訪れる。岐阜に差し掛かろうという時に荷車の一つの車輪が破損し、中身が盛大にぶち撒けられたのだ。
運送的竟是金條。且不是幾根這麼少,而是數十根,甚至說不定超過一百根的金條堆在車上。
運搬していた物は金の延べ棒だった。それも数本という少ない数ではなく、何十本、下手すると100本以上ある金の延べ棒が積まれていた。
光是那點就足以令人驚愕,而更令他們瞠目結舌的事實也呈現在眼前。
それだけでも充分に驚嘆に値するのだが、更に瞠目すべき事実が目の当たりになる。
織田兵認為車輪破損無法修復,便把金條分散放在前後的荷車上。放在前後的荷車也同樣堆著大量的金條。
車輪の破損から修復は不可能だと考えた織田兵は、金の延べ棒を前後の荷車に分散して乗せることにした。その前後にある荷車にも、同じように大量の金の延べ棒が積まれていた。
最終共有86根金條、52根銀條被載運。因為在調換前後車時看到金條,甲賀的忍者理解到所有貨物全都是金條與銀條。
最終的に金の延べ棒は86本、銀の延べ棒が52本載せられていた。前後も載せ替える時に金の延べ棒が見えたことに、甲賀の忍びは荷物すべてが延べ棒であると理解する。
慌張的他們與其他斥候交換意見後,立刻把情報傳回甲賀衆。
そのことに慌てた彼らはほかの斥候たちと意見をまとめると、すぐさま甲賀衆に情報を送った。
接到報告的甲賀衆頭目立刻召集幹部開會。
報告を受けた甲賀衆の頭目は即座に幹部を集めて会議を設けた。
「有那麼多金子,滅了我們簡直是小事一樁!」
「それだけの金があれば、われらを滅ぼすなど造作も無いことじゃ!」
「正是。我等一夜之間就可能被滅。認為臣服於織田,或許是活下去的選擇」
「左様。われらなど一夜にして滅ぼされる。ここは織田に臣従する方が生き延びる道と考える」
親眼見到信長擁有大量黃金後,他們從討論是否臣服信長,直接大幅傾向於向信長臣服。
信長が大量の金を保有していることを目の当たりにした彼らは、信長に臣従することの是非を問う状態から、信長に臣従する方へ大きく傾く。
正因為他們明白自己是信長腹中之患,甲賀衆才慌亂不已。人一旦焦慮,思考與視野就會狹隘,原本能看見的事物也會看不見。
自分たちが信長に対する獅子身中の虫であることを理解しているからこそ、甲賀衆は慌てふためいた。人間は焦ると思考や視野が狭くなり、本来見えることが見えなくなってしまう。
若斥候們沒有因大量金條而驚慌失措、匆忙回報,而是細緻調查,就能察覺到信長所設的陷阱:大多數貨車並未載有金條。
もしも斥候たちが大量の金の延べ棒に驚いて慌てて報告を上げず、じっくり調査をしていれば信長が仕掛けた罠に気付けただろう。大半の荷車には金の延べ棒が載っていないことに。
然而他們把信長擁有大量黃金視為『事實』。自此以後,即便暗中打探未發現金條,也只會認為那是『信長在隱藏』。
しかし彼らは信長が大量の金を持っていることを『事実』と認識した。以降、信長に探りを入れて金の延べ棒が見つからなくとも、それは『信長が隠している』としか考えない。
「越拖越久,織田就越會對我等抱持不信。最遲在年明之時,必須給出答案。」
「遅くなればなるほど、織田はわれらに不信の目を向ける。遅くとも年が明けるころには、答えを出さねばならない」
甲賀五十三家集合商議,結論早已不需多言。資金不足的甲賀衆無力與資金充足的信長為敵取勝。
甲賀五十三家が集まって合議するが、結論は議論するまでも無く出ていた。資金力の乏しい甲賀衆では潤沢な資金を持つ信長を敵に回して勝利を掴む目は無い。
也有人主張加入反織田聯合軍,但該聯合軍缺乏凝聚力,即便參陣也很可能被消耗殆盡。
反織田連合軍へ参陣する声も上がったが、まとまりがない反織田連合軍では仮に参陣しても使い潰される可能性が高かった。
經過多次商議後,甲賀衆決定向信長臣服。
何回も行われた合議の末、甲賀衆は信長へ臣従することを決定した。
向信長送上臣服文,並由望月家與山中家獻上精選的忍者作為人質。同時命令散落各地的甲賀忍者返營。
信長に臣従の文を送り、望月家と山中家からえりすぐりの忍びを、人質として信長に差し出した。合わせて各地に散らばっている甲賀の忍びに帰陣(きじん)を命じた。
對於甲賀衆的臣服請求,信長暗自竊喜,既准予他們一定自治,卻命令其今後的作戰行動逐次通報織田家。
甲賀衆の臣従申し出に信長はほくそ笑むと、彼らに一定の自治を認めつつも以降の作戦行動を逐次織田家に知らせることを命じた。
此外,除了被獻上的人質外,又雇用了幾名忍者,分配給柴田勝家等家臣。
また差し出された人質以外にも何人かの忍びを雇い入れ、柴田勝家などの家臣に与えた。
優秀的甲賀忍者被接納進第六軍,在滝川一益麾下任職勤勉。
優れた甲賀の忍びは第六軍へ迎え入れ、滝川一益の元で仕事に励むこととなる。
如此強化了情報蒐集的信長,立刻命第六軍展開各種情報收集。
こうして情報収集面を強化した信長は、早速第六軍にさまざまな情報収集を命じた。
岐阜的信長居館籠罩著刺痛般的緊張感。信長的義弟長政、他的家臣遠藤與三田村,以及長政的妻子、亦為信長妹子的市,正與信長面談。
岐阜にある信長の居館はひり付くような緊張感に包まれていた。信長の義弟に当たる長政、彼の家臣である遠藤と三田村、長政の妻であり信長の妹でもあるお市が信長と対面していた。
向來近乎出家脫俗的長政如今面帶清爽表情,半年前的醜態已全然不見。
今まで世捨て人同然だった長政だが、今はすっきりと爽やかな表情を浮かべており、半年前の醜態は何処にも見られなかった。
「義兄上,那有那麼值得驚訝嗎?」
「義兄上(あにうえ)、それほど驚くに値しますか?」
長政含笑相向,但信長心中卻複雜。長政的提議連信長也萬萬未料到。
ほほ笑みかける長政だが、反対に信長の心中は複雑であった。長政の申し出は信長にとっても予想だにしなかった内容だった。
「……若說你要成為一名兵卒,無人不會驚愕。」
「……貴様が一兵卒になる、と言われて驚かぬ者はおらぬ」
「哈哈,義兄上總是讓我驚訝。偶爾陪義弟一時的興致,也不失為一樂。」
「ははっ、いつも義兄上には驚かされてばかりでした。たまには義弟の道楽に付き合うのも一興やも知れませぬぞ」
長政笑了笑,隨即收起表情。
笑う長政だがすぐに表情を引き締める。
「首先,感謝您在我近乎廢人之時扶持我。但我不能再繼續依賴義兄上了。」
「まずは、腑抜け同然だった私を支えて下さった事を感謝いたします。ですが、これ以上、義兄上に甘えるわけには参りませぬ」
「那麼,成為一兵卒與之有何關連?」
「それと一兵卒になると、どう繋がるのじゃ」
「這並非什麼難事。如今我已被淺井家放逐,而淺井家也背叛了織田家。無論我今後做何,這個事實不會消失。淺井家注定滅亡,將作為背叛之族載入史冊。」
「何も難しい話では御座りませぬ。今の私は浅井家から放逐された身。そして、浅井家は織田家を裏切りました。今後、どの様なことをしようとも、その事実が消えることはございませぬ。もはや、浅井家は滅ぶが宿命。そして、歴史に裏切りの一族として名を残すでしょう」
長政已接受了這個宿命。
長政は運命を受け入れていた。
此外,織田家與淺井家在兵力與資金上規模相差太大。再者信長對叛徒毫不留情,並不會允許把長政安置為家主以維持淺井家存續這種願望。
そして、織田家と浅井家では兵力も、資金力も規模が違いすぎる。更に信長は裏切り者には容赦しない、長政を家長に据えて浅井家を存続させる等という望みはない。
「然而,我曾是淺井家的當主。因此,我要親自了結與父上的恩怨。但無論如何也不能向叛徒求兵相助。既然如此,除了在義兄您的麾下從一兵卒做起,別無他法。」
「しかし、私もかつては浅井家の当主でございました。ゆえに、父上との決着は私自らが付けたく存じます。ですが、裏切り者が兵を貸してくれなどとは口が裂けても申せませぬ。ならば、義兄上の元で一兵卒から身を立てる他に術は御座いませぬ」
「……若是在那之前我先討了貴方的父親,如何處置?」
「……もし、その前にわしが其の方(そのほう)の父を討った場合は如何いたす」
「那只能說是天意。意謂我無資格站在討父之舞台。義兄上,切莫想把我納為家臣。若那麼做,義兄您的家臣定會不滿。」
「それは天の配剤というもの。私には父を討つ舞台に立つ資格がなかったということでしょう。義兄上、私を家臣にしようと考えてはなりませぬぞ。それをすれば義兄上の家臣たちは面白くないと思うは必定」
「若順利討了那位大人的父親之後,打算如何?」
「首尾よく其の方の父を討った後はどうするのじゃ」
對於信長的質問,長政露出清爽的笑容。
信長の問いに長政は爽やかな笑みを浮かべる。
「如我先前所言,淺井家注定滅亡。討了父親之後……嗯,或許我會成為威脅義兄上根基的存在吧。」
「先ほど申したとおり、浅井家は滅びる運命(さだめ)。父を討った後は……そうですね、義兄上の足元を脅かす存在になりましょうか」
「胡說」
「ぬかせ」
對長政的話,信長笑著帶過。既知長政堅定的決心,他明白自己的角色是沉默觀察。
長政の言葉に信長は笑って流す。長政の堅い覚悟を知った今、黙って見届けることが自分の役目だと理解したからだ。
「哈哈,我想得太遠了……義兄上,若是善於權衡世事之人,會歸於義兄您的麾下。但我不會為了保命而拋棄自尊。這或許稱不上聰明的活法,但這就是我的活法。」
「ははっ、大きな夢を語りすぎましたね……義兄上、世渡りの達者な者ならば、義兄上の軍門に下りましょう。ですが、己が矜持を捨ててまで命を惜しむつもりはありませぬ。賢い生き方とは申せませぬが、これが私なりの生き様でございます」
「我已確知你的覺悟。但要實現它有一個條件。」
「其の方の覚悟、確かに受け取った。しかし、それを叶えるには一つ条件がある」
「若談條件的話?」
「条件と申されますと」
聽到條件一詞,長政露出狐疑表情。相反地信長露出不屑的笑,盯著長政與市說出條件。
条件という言葉に長政は訝(いぶか)しげな表情をする。反対に信長は不敵な笑みを浮かべると、長政と市を見据えながら条件を口にした。
「時常到市那裡露面。若見到市的臉色陰沉,就當你的頭上會落下一道雷霆。」
「折に触れて市に顔を見せに参れ。市の顔が曇れば其の方の頭に雷が落ちると思え」
「那可真可怕。義兄上的雷霆乃是穿骨之痛,坊間皆云。」
「それはそれは、恐ろしゅうございます。義兄上の雷は骨身に沁みると専らの噂」
先是信長笑,接著長政也笑,然後市等人也被感染而笑。
最初に信長が笑い、続いて長政が、そして2人につられて市たちが笑う。
「義弟啊,如果一切結束後,什麼也提不起勁,不妨當作自己已死,去世間走一遭吧」
「義弟(おとうと)よ、もしすべてが終わった後に、何もやる気が起きぬのなら、死んだと思って世を回ってみよ」
「當作已死……是嗎?」
「死んだと思って……でございますか?」
信長看得出來。長政在討了父親久政之後,原打算切腹自盡。
信長は見抜いていた。長政は父・久政を討った後、腹を切って自害するつもりでいる事を。
不論外界評價如何,信長喜歡長政那份拘謹的性格。即使被人說笨拙,他仍愚直地貫徹自己的信念,這讓信長覺得耀眼。
周囲の評価は別として、信長は長政の堅苦しい性格を好いていた。他人から不器用だと言われても、愚直なまでに己の信念を貫こうとする姿が、信長にはまぶしく見えた。
「做任何事都自由……但那自由與死亡相鄰。然而死人無須畏懼死亡。試著當作已死去生活。舍棄自我,在蔚藍天空下像展翅的鳥般自由、隨性地活著。至於何時死,之後再說也不遲」
「何をするにも自由……されどその自由は死と隣り合わせ。だが、死人が死を恐れる理由はない。死んだと思って生きてみよ。我を捨てて、青き空の下で羽ばたく鳥の如く自由に、気ままに生きてみよ。死ぬのはそれからでも遅くなかろう」
「義兄上……您全看透了嗎。是啊……化作死人般生活,也許不錯。隨心所欲地活,時至則以地為枕而終。身為淺井家當主做不到……哈哈……真奢侈……嗚咳……嗚嗚……」
「義兄上……すべてお見通しですか。そうですね……死人となって生きる、それも良いかもしれませぬ。気の向くままに生き、時が来たら地を枕に絶え果てる。浅井家の当主ではできぬ……ははっ……ぜいたくで……うくっ……うう……」
話還沒說完,長政便雙手覆面。曾經擊退六角氏、以出色戰功令眾多家臣心服的北近江領主流下了眼淚。
最後まで言い終える前に、長政は両手で顔を覆った。かつて六角氏の支配をはねのけ、見事な戦いぶりに多くの家臣を心酔させた北近江の支配者が泣いた。
在戰國時代背叛為常,但失敗無法僅以自身生命贖罪,連坐制度下整個宗族郎黨會被處以死刑。
戦国時代に於いて裏切りは世の常であるが、失敗は己の命では償い切れず連座制で一族郎党が死罪となる。
考量到可能被逼到不得不背叛的情勢,為免宗族血脈斷絕,會將子嗣養出他家或把女兒嫁出。
どうしても裏切らねばならない情勢に追い込まれる事を考慮して一族の血統が絶えぬよう、他家へ養子を出したり娘を嫁がせたりするのだ。
回頭看淺井家並未採取此類對策,這次對背叛的處罰範圍自然也及於長政。
振り返って浅井家の場合はそういった対処を取っておらず、此度の裏切りに対する処罰範囲は無論長政にも及ぶ。
可以說長政已是死刑犯,目前僅處於執行緩期的階段。
言うなれば長政は既に死刑囚であり、現在は単に執行猶予の段階に過ぎない。
然而信長的態度無論是在掌管北近江為國主時,或成了罪人之後都毫無改變。
しかし信長の態度は北近江を支配する国主であった時も、咎人(とがびと)となった今も何一つ変わらなかった。
得知他超越家這個戰國時代的框架,以個人身分尊重長政,心為之顫動。
家という戦国時代の枠組みを超えて、一個人としての長政を尊重してくれていると知り、心が震えた。
不知不覺間,自己雙眸滂沱淚水湧出而無法止住。
気が付けば己の双眸(そうぼう)から滂沱(ぼうだ)と溢れる涙を留める事が出来なかった。
哭畢的長政露出清爽的表情,對信長深深一躬。信長未語僅點頭一次。彼此無需言語,想說的已傳達。
泣き終えた長政はすっきりと爽やかな表情を浮かべ、信長に深く頭を下げた。信長は何も言わず1度だけうなずいた。言葉を交わさずとも互いに言いたいことは伝わっていた。
抬起頭的長政,這次將身體轉向遠藤與三田村那邊。
頭を上げた長政は、今度は遠藤と三田村の方へ身体を向ける。
「遠藤、三田村,我要從一名普通兵卒重新開始。像我這樣的人,願意跟隨我嗎?」
「遠藤、三田村、私はただの一兵卒からやり直す。こんな私だが、付いてきてくれないか」
「殿……是,無論到哪裡都跟隨您」
「殿……はっ、どこまでもお供いたします」
遠藤與三田村忍住幾乎要溢出的淚水,緊握拳頭向長政深深一拜。
遠藤と三田村は溢れそうになった涙を堪え、拳を固く握り締めて長政に深々と頭を下げた。
不論何時,為權力而爭的鬥爭永無止境。久政再度就任為北近江的支配者,但敗於信長導致政局混亂。
いつの世も権力をめぐる争いは尽きない。久政が北近江の支配者に、再び着任したが信長に敗れた事で政情が混乱した。
部分家臣對把長政連同妻兒一併放逐感到反感,一面表面服從內心不服,伺機向信長歸順。
家臣の一部は長政を妻子諸共に放逐したことに反発し、面従腹背しつつ信長へ帰順する機会を窺っていた。
然而信長敗於本願寺勢力,使近江國內部情況更為混亂,意見分歧。
しかし信長が本願寺勢力に敗北したことで、近江国の内情は更に混乱し意見の対立を生んだ。
現在近江國的土豪們只在盤算跟隨誰能搭上勝利者的便車。
今や近江国の土豪は誰に従えば勝ち馬に乗れるか、そればかり思案していた。
在織田家家臣之間也爆發了權力鬥爭。迄今為止談及織田軍首推森可成,卻在宇佐山城之戰受傷無法再站在前線。
織田家家臣の間でも、権力を巡る争いが発生した。今まで織田軍と言えば森可成が筆頭だったが、彼は宇佐山城の戦いで負傷し前線に立つ事ができなくなった。
森可成從軍事事務退居,轉而輔佐信長處理政務。
森可成は軍事関係から身を引き、信長の政務を補佐する立場となる。
森家由長子森可隆繼承家督,軍事由次子長可負責,三男蘭丸、四男坊丸、五男力丸則以小姓身分侍奉信長。
森家は長男・森可隆が家督継承し、軍事関係は次男・長可が担い、信長の小姓として三男・蘭丸、四男・坊丸、五男・力丸が仕える。
森可成的六男忠政尚在襁褓,是否讓他以信長小姓身份服侍尚待決定。
森可成の六男・忠政は産まれたばかりのため、信長の小姓として仕えさせるかは保留となる。
柴田勝家、丹羽長秀、滝川一益、明智光秀、木下秀吉五大將為鞏固自身地位展開權力鬥爭。
自分の立場を優位に立たせようと柴田勝家、丹羽長秀、滝川一益、明智光秀、木下秀吉の五大将が権力闘争を繰り広げる。
各武將各有長短,實力相互抗衡。他們最想拉攏的,便是於權力鬥爭中保持我行我素的靜子,以及由她率領的靜子軍。
各武将は長所と短所が存在し、力量は拮抗(きっこう)していた。そんな彼らが最も味方に引き込みたい人物が、権力闘争でわれ関せずを通している静子と、彼女が率いる静子軍であった。
在坂本阻擋淺井・朝倉聯軍、牽制延曆寺與淺井・朝倉,守住連接京城要路的重要宇佐山城未被攻陷,並將六角勢力徹底殲滅的戰功,堪稱在志賀之陣救了信長於危難之中。
浅井・朝倉連合軍を坂本で足止めし、延暦寺や浅井・朝倉の抑えであり、京の要路を繋ぐ最重要の宇佐山城陥落を防ぎ、六角勢力を壊滅に追い込んだ武勲は、志賀の陣で信長の危機を救ったと言っても過言ではない。
在糧秣與武具補給上只要她站在一邊便能靈活調度。五大將的苦惱在於尾張與美濃的特產幾乎由她掌控,且她本人無欲,難以找到拉攏的切入點。
食料や武具補給の面でも彼女が味方であれば融通が利く。五大将の悩ましい所と言えば、尾張・美濃の特産品はほぼ彼女が関与しており、本人が無欲であるため調略の足掛かりが掴めないことにあった。
靜子軍被定位為信長直轄部隊,日後由後繼者奇妙丸繼承指揮權已內定,無法成為他們的直臣。
静子軍は信長直轄の部隊という位置づけであり、後に後継者の奇妙丸が指揮権を引き継ぐことが内定している。自分たちの直臣にすることも不可能だ。
最後除了直接會面、遣文、偶爾贈送禮物等基本手段外,別無他法。當事人靜子對於突然增多的書信也只是歪頭疑惑而已。
最終的に直接会う、文を送る、たまに贈り物をするという基本的なこと以外に打つ手がなかった。当の本人である静子は、急に文が増えたことに首を傾げるだけだが。
如此的靜子正著手投入將於來年度開始試驗的水耕栽培。
そんな静子は来年度から試験を開始する水耕栽培(すいこうさいばい)に取り組んでいた。
水耕栽培乃是不使用培質的養液栽培方法。
水耕栽培(すいこうさいばい)とは培地を用いない養液栽培(ようえきさいばい)方法だ。
所謂水耕或水栽培,能栽培過去被認為不可能的根菜類,且在園藝上廣泛被利用。
水耕や水栽培と言われ、従来は不可能とされた根菜類の栽培が可能で、園芸でも垣根なく栽培に利用されている。
以此栽培法受惠最多的就是山葵栽培。
この栽培方法で最も恩恵を受けるのがわさび栽培だ。
山葵需清流、適當水溫、高含氧且不受直射日光之處所等栽培條件相當嚴苛。雖非絕對必要,但若循環用水則需大量充氣設備。
わさびは清流と適切な水温、酸素を多く含むのと直射日光を受けない場所と栽培条件が難しい作物だ。必須ではないが水を循環させる場合は、大量に空気を送り込む設備が必要になる。
首先需要清流的原因,是為了沖走山葵所釋放的芥子硫代異硫氰酸酯(アリルイソチオシアネート)。
まず清流が必要な理由は、わさびが放出するアリルイソチオシアネートを洗い流すためだ。
許多植物藉由根部共生的VA菌收集土中之磷與水分,但山葵沒有VA菌,因而競爭力較弱。
多くの植物は土の中にあるリン酸や水分を根にいるVA菌を使って集めるが、わさびにはVA菌が無いため競争力が弱い。
因此會向土壤釋放名為烯丙基異硫氰酸酯的物質,使其他植物無法靠近,但此物質同時也會阻礙山葵本身的生長。這種現象稱為自家中毒。
そこでアリルイソチオシアネートという物質を土の中に放出し、ほかの植物を寄せ付けないようにしているが、この物質は同時にわさび自身の成長も阻害する。この現象を自家中毒と言う。
額外一提,把山葵磨得愈細的原因,是因為細胞內的ミロシナーゼ這種酵素與シニグリン配糖體這類成分反應時,會產生辛味成分烯丙基異硫氰酸酯。
余談だがわさびをきめ細かくすりおろす理由は、細胞内にあるミロシナーゼという酵素とシニグリン配糖体という成分が反応したときに、辛味成分のアリルイソチオシアネートが生成されるためだ。
為防止自家中毒,山葵必須持續曝露在流水中。
自家中毒を防ぐためにも、わさびは常に流水に晒す必要がある。
如果水有混濁,混濁的主要成分粘土會擴散,使山葵根部缺氧。因為會發生這種障害,山葵只能在清澈的溪流中生長。
このとき、水に濁りがあると濁りの主成分である粘土分が広がり、わさびの根が酸素不足を起こす。この障害が起きるため、わさびは澄んだ清流でないと育たないのだ。
接著說明為何需要適當水溫,山葵的適正平均水溫是在15度以下。超過16度時水中溶解的氧氣會不足。
次に適切な水温が必要な理由だが、わさびは平均水温15度以下が適正水温だ。16度を超えると水中に溶けている酸素量が不足してしまう。
氧對山葵生長很重要,越冷的水(平均水溫約12度)越理想。因為水溫越低氧越容易溶解於水中。
わさびの成長に酸素は重要で、なるべく冷たい水(平均水温12度)が望ましい。水温が低いほど酸素が溶けやすいのが理由だ。
在讓栽培用水循環時,向水中注入空氣的理由是為了把溶於水中的烯丙基異硫氰酸酯驅散掉。
栽培用の水を循環させる場合、水に空気を送り込む理由は水に溶けたアリルイソチオシアネートを飛ばすためだ。
由於烯丙基異硫氰酸酯揮發性高,進行曝氣(ばっき)(向液體供給空氣的行為)能防止其累積。
アリルイソチオシアネートは揮発性が高いため、曝気(ばっき)(液体に空気を供給する行為)を行えば蓄積を防げる。
需滿足繁複條件:流水清澈、只有礫石與小石無粘土、平均水溫約13至14度、且水中溶解大量氧氣,並盡量有遮陰。
奇麗な水が流れ、砂利や小石だけで粘土分がなく、水温が平均13度から14度程度、水は酸素が豊富に溶け、なるべく日陰という面倒な条件を満たさなければならない。
利用自然環境栽培會受限於土地,但水耕栽培較容易滿足栽培所需條件。
自然環境を利用しての栽培は土地を選ぶが、水耕栽培は栽培に必要な条件を満たしやすい。
靜子為山葵栽培準備的環境很簡單。先設置供水槽,接著多段式安置栽培槽;在最高層的山葵栽培槽上方設置過濾槽。
静子がわさび栽培用に用意した環境は単純だ。まず水供給槽、次に栽培槽を多段式に設置する。最上位のわさび栽培槽の上にろ過槽を設置する。
過濾槽用多段式的有孔底板,每個槽內鋪滿火山岩,並將水以淋浴般方式灑入這些過濾槽。
ろ過槽は穴あき底板を多段式に設置し、それぞれの槽に火山岩を敷き詰める。このろ過槽に水をシャワーのようにかける。
水接觸火山岩時被過濾,且採用淋浴式注水可增加水的表面積,使氧氣更容易被吸收。
火山岩に触れることでろ過され、また水の流入をシャワー式にすることで水の表面積を増やし酸素を取り込みやすくした。
這些清澈的水流入山葵的栽培槽。每個栽培槽的出口都有排水口,水經由此處流向下方的栽培槽。
この奇麗な水がわさびの栽培槽に流れる。各栽培槽の出口には排出口が存在し、この場所を通って下部の栽培槽に水が流れる仕組みだ。
流至最低層的栽培槽的水會回到供水槽,並被送入進行曝氣的槽。若是現代可以用氣泵曝氣,但在戰國時代並不存在氣泵。
最下位の栽培槽まで通った水は水供給槽に戻り、曝気を行う槽へ送られる。現代ならエアポンプを使えば曝気を行うことは可能だが、戦国時代にエアポンプは存在しない。
看似沒有方法,但利用負壓原理可以製作類似氣泵的裝置。
方法がないように見えるが、負圧の原理を使いエアポンプもどきを作ることは可能だ。
首先在供水槽下方建一個曝氣槽,並穿過連接供水槽的竹製排水管。
まず水供給槽より下に曝気槽を作り、水供給槽につながった竹製の排水パイプを通す。
在該排水管上鑽出直徑如吸管般的孔,穿入ファクチス製的管子(以下稱為エアチューブ),並將先端斜切。
その排水パイプにストロー程度の径を持つ穴を開け、ファクチス製のチューブ(以降、エアチューブとする)を通して先端を斜めにカットする。
把斜切的開口朝向排水出口方向,然後把エアチューブ的另一端露出於空氣中。
斜めにカットした口が排水の出口の方へ向けた後、エアチューブの反対側を空気中に出す。
與空氣接觸會產生バキューム圧(負壓),藉由壓力吸入空氣,向水供給大量氧氣。
空気に当たることでバキューム圧(負圧)が発生し、圧力が空気を取り込んで水に大量の酸素を供給する。
利用此負壓原理向水中大量供氧,同時也將烯丙基異硫氰酸酯揮散掉。
この負圧の原理を応用して水へ酸素を大量に送り込み、同時にアリルイソチオシアネートを飛ばす。
簡單來說就是用現有材料做成的擴散器(ディフューザー)。把這些水抽送到過濾槽後,就能再次輸送含氧豐富的清流。
端的にいえば有り合せの材料で作ったディフューザーだ。この水をくみ上げてろ過槽へ送れば、再び酸素を多く含む清流を送り込める仕組みだ。
靜子用於山葵栽培的是循環型多段山葵栽培裝置。若能做出把供氧後的供水槽水用水擊泵抽上去並流入過濾槽的裝置,後續就能自動處理。
静子がわさび栽培に用いたのは、循環型の多段わさび栽培装置だ。酸素供給された水供給槽の水を水撃ポンプでくみ上げろ過槽に流せる装置を作れば、後は自動で処理される。
從排水閥排出的水也會經由利用水車與齒輪的抽水裝置回到供水槽。
排水弁から排水された水も、水車と歯車を利用したくみ上げ装置を経由して水供給槽に戻る。
如果用溫室栽培可以盡量避免害蟲。若水溫升高,也可把水換成附近山區的地下水。
ビニールハウス栽培すれば害虫をなるべく避けられる。水も水温が高くなれば近場の山にある地下水に入れ替えを行えば良い。
每日需要檢查水溫,其他大致只要換水。一年後即可長出漂亮的澤山葵;栽培兩年則能收成在戰國時代難以見到的優良山葵。
毎日水温チェックは必要だが、それ以外は水の入れ替え程度だ。1年も経てば立派な沢わさびが出来上がる。2年栽培すれば戦国時代では見ることのできない立派なわさびが収穫できる。
「本山葵是在美濃發現的,礫石和小石可以從附近的河裡取來。我預留了約2公頃的面積,大概能栽培四萬株吧?」
「本わさびは美濃で見つけたし、砂利や小石は近くにある川から取ってくれば良いからね。2haほどの広さを取ったから4万本ぐらい栽培できるかな?」
「你栽培數量的位數還是一如既往地誇張啊。不過若能大量生產山葵,國家也會因而受惠。」
「相変わらず栽培数の桁がおかしいな。しかしわさびが大量生産できるのなら、わが国も潤うというものよ」
正在和靜子一起看山葵栽培裝置的奇妙丸讚嘆地點頭。雖有記錄顯示山葵從飛鳥時代就被栽培,但真正開始大規模栽培則是在江戶時代前期。
わさび栽培装置を静子と一緒に見ていた奇妙丸が、感心したようにうなずく。わさびは飛鳥時代から栽培されていた記録が残っているが、本格的に始まったのは江戸時代前期だ。
戰國時代並未進行山葵栽培,食用上僅是採收野生山葵。
戦国時代にわさびの栽培は行われておらず、食用は自生しているわさびを収穫するだけだ。
「根、莖、葉、花都沒有浪費的地方。嘛,大家最想要的應該還是根吧。」
「根、茎、葉、花と捨てるところがないからね。まぁ皆が欲しがるのは根っこだろうけども」
「在京裡聽說,磨下山葵時好像會用鯊魚皮之類的東西?」
「京で聞いたが、何でも下ろすのに鮫の皮? とやらを使うそうだな」
「省略複雜的說明,憑細目慢慢磨下去辛味成分會更容易釋出。就這點而言鯊魚皮是最好的。」
「難しい説明は省くけど、細かい目でゆっくりすり下ろすと、辛味成分がよく出るのよ。そういう意味でも鮫の皮が一番ね」
靜子一邊回答奇妙丸的問題一邊確認水溫。雖有冬寒,但水溫為12度,對山葵栽培相當合適。
奇妙丸の質問に答えながら静子は水温を確認する。冬の寒さもあるが水温は12度とわさび栽培に都合の良い温度だった。
隨著玻璃製造成為可能,棒狀水銀溫度計也能被製造出來。
ガラス製造が可能となったことで棒状水銀温度計の製造も可能となった。
雖然難以量產,但因為實用價值高,靜子委託製作了合計10支,用於溫室及水溫、地溫檢查。
量産が難しいものだが利用価値が高いので、静子はビニールハウスや水温、地温チェック用に合計10本の製造を依頼した。
有了棒狀水銀溫度計後,溫室內的溫度變得較易觀測,室溫確認的作業也能迅速完成。
棒状水銀温度計のおかげでビニールハウス内の温度も観測しやすくなり、室温確認の作業が手早く済むようになった。
「把一年生的本山葵和兩年生的本山葵分開栽培,同時進行品種改良如何?」
「1年ものの本わさびと、2年ものの本わさびを分けて、栽培しつつ品種改良をするか」
從野生山葵採種,與正在栽培的山葵雜交,總有一天會培育出適合水耕栽培的品種。何時出現不得而知,但比持續種植同一品種要好。
自生のわさびから種を採取し、栽培しているわさびと掛け合わせれば、いずれ水耕栽培に適した品種が生まれる。生まれる時期は分からないが、常に同じ品種を栽培し続けるよりは良い。
「嗯——工作結束了。接下來得安排發酒了呢。」
「んー、作業終わり。次は酒を配る手配をしないとなぁ」
「真是辛苦啊。既然是岐阜酒造公司的創立者,也只能說請你加油了」
「大変じゃのぅ。まぁ岐阜酒造会社の設立者なのだから、頑張れとしか言いようがない」
「我並不想站在那麼了不起的地位上啦」
「そんなご大層な立場に立つ気はなかったのだけれどね」
靜子對奇妙丸的話苦笑。尾張・美濃的酒業界直到不久前還是一片崩壞的狀態。
奇妙丸の言葉に静子は苦笑する。尾張・美濃の酒業界は少し前まで壊滅状態だった。
但是靜子把它納入釀造街並進行重建、增加酒的多樣性後,不僅有濁酒,還有以岐阜米或尾張米釀造的清酒、以薩摩芋為原料的芋燒酎、使用白色烈酒製作的梅酒等果實酒、以糖蜜為原料的蘭姆酒,現在已成為著名的釀酒之地。
しかし静子が醸造街に組み込んで立て直しを図り、酒のバリエーションを増やしたことで、濁酒はもちろん、岐阜米や尾張米で作られる清酒、薩摩芋を原料とした芋焼酎、ホワイトリカーを使った梅酒など果実酒、糖蜜を原料としたラムと、今では名だたる酒造の地となった。
各地釀造的酒統一命名為「岐阜酒」,並將尾張・美濃所有從事釀酒的人納入名為「岐阜酒造公司」的組織。
各土地で作られた酒は名称を「岐阜酒」に統一し、尾張・美濃で酒造にかかわる人間を「岐阜酒造会社」という組織に加入させた。
岐阜酒造公司是一個連結釀造街與商人的橋樑組織。戰國時代,人們不講究把商品安全送達,有時會搶奪金子殺害商人,反之亦然,是個相當殘酷的時代。
岐阜酒造会社は醸造街と商人の橋渡しをする組織だ。戦国時代、商品を正しく届ける考えなどなく、場合によっては金子を奪って商人を殺害、またその逆もしかりと殺伐した時代だ。
為了避免那種情況發生、讓商人能安全買賣酒、抑制過度競爭、使商人隸屬於單一公司並統一管理稅收,於是設立了岐阜酒造公司。
その様な事態にならないよう商人が安全に酒を売買でき、過当競争を抑え、商人を一つの会社に所属させ、税の徴収を一元管理することを目的として岐阜酒造会社は設立された。
基本上是連結酒造家與商人的公司,加入本身免費。但向酒造家購買酒需買入稱為「株式」的東西,這相當於現代所謂的出資金。
基本的に酒造家と商人を繋ぐ会社で、加入自体は無料だ。しかし酒造家から酒を買うには「株式」と呼ばれるものを購入する必要がある。これは現代でいう出資金に当たる。
出資金越多的人越被視為對釀造街的發展有貢獻,因此其持有的株式數會增加。可購買的酒量上限依株式持有數來決定。
この出資金が多い人間ほど醸造街の発展に貢献しているため、株式の保有数は増える。株式の保有数に従って買える酒の限度量が決まる。
就算未持有株式的人也能購買酒,但持有株式因為有助於釀造街的發展,會附帶各種特典。
酒を買うこと自体は株式を保有していない者でも可能だ。しかし株式を保有することは、醸造街の発展に寄与しているため、さまざまな特典が付く。
持有株式者可行使參與岐阜酒造公司運營的權利。如同現代,持股越多者越容易讓意見被採納。
株式を持っていれば、岐阜酒造会社の運営にもかかわれる権利を行使できる。現代と同じく株式の保有数が多い者ほど意見が通りやすい。
即便只持有一株的人也可以提出議題,但要通過則需獲得相當於已發行股份過半數的贊成。
議題を提起することは1株しか持っていない者でも可能だが、可決には発行済み株式の過半数に相当する賛成が必要となる。
此外,購酒的量與金額比未持股者更優惠。舉例來說,持股者以100文可買到1公升,而未持股者以100文只能買到700毫升。
次に酒を買う金額は株式未保有者より低い。例として、株式保有者が100文で1リットル購入できるのに対し、株式未保有者は100文で700ミリリットルしか購入できない。
若有利潤,會每年進行一次利潤分配。分配時可選擇以金子或酒作為分配對象。
また利益が出た場合、年に1回の利益分配が行われる。分配される対象は金子か酒かを選ぶことができる。
股份可以轉讓,但若向織田家起而反抗,所有股份權利將全部消失。
株式の譲渡は可能だが、織田家に反旗を翻すと株式の権利はすべて消失する。
作為表彰株式的有價證券會發行股券,採半券方式,織田家保管一半,購買者保管剩下的一半。
株式を表章する有価証券として株券を発行するが半券方式で半分を織田家が保管し、残り半分を購入者が保管する。
行使權利時會進行核對,並製作議事錄,記錄誰為了何種事由行使了權利。
権利を行使する際は突き合わせが行われ、また議事録を作成して誰がどの様なことのために権利を行使したか記録される。
持股比例為:批准設立並提供軍事力量的信長持有30%、統籌者森可成持有11%、創立品牌的靜子持有10%。
株式の保有数は設立を承認し軍事力を貸し出している信長が30%、取りまとめ役の森可成が11%、ブランドを立ち上げた静子が10%保有している。
餘下49%由商人購買,因此若信長、森可成與靜子的意見一致,該意見不會通過。換句話說,只要說服並讓三人中的任一人接受,即使信長反對,意見仍可通過。
残り49%を商人が購入している関係から、信長と森可成、静子の意見が一致すると意見は通らない。逆を言えば3人の内誰かを説得し、納得させれば信長が反対しても意見が通る。
這是信長為避免變成獨斷所做的安排,也包含了讓商人看起來有利可圖以誘使其出資的考量。
これは信長の独断にならないよう、彼自身が配慮した結果だ。商人に旨みがあるように見せて出資金を出させる計算も含まれてはいる。
酒的購買是在釀造階段就計算大致生產量,總量會通知給株式持有者。
酒の購入は仕込みの段階でおおよその生産量が計算され、総量が株式保有者に伝達される。
聽到數量後,商人向織田家申請欲購買的酒量。
それを聞いた商人が織田家へ購入する酒の量を申請する。
之後織田家會先買下生產出的酒,送給商人並要求加上根據酒量計算的酒稅後的代金。商人支付代金後即可安全取得酒品。
後は生産された酒を織田家がいったん買い取り、商人へ届けて酒の量にあった酒税を加算した代金を要求する。代金を支払うことで商人は、安全に酒を手に入れる寸法だ。
未被購買的酒,除去酒造家自用或分送鄰里部分外,織田家會全部收購。
購入されなかった酒は酒造家が自分で消費する分や、近所に配る分を除き織田家がすべて買い取る。
靜子每年都以10%的配額購入到能購買的上限。她並不是為自己喝,而是供慶次、才藏、長可、奇妙丸等人飲用。
静子は毎年10%で購入できる限界まで酒を購入している。彼女が呑むのではなく、慶次や才蔵、長可、奇妙丸が呑むためだ。
即便如此,尾張・美濃所生產的酒仍有約一成無法由個人消費消化,因此會以低價把剩餘部分賣給武將。
それでも尾張・美濃で生産される酒の1割は、個人消費では収まらない量だ。ゆえに余剰分を武将に低価格で売っていた。
由於酒的品種增加,各武將所偏好的酒款反而明確分流。
酒のバリエーションが増えた結果、各武将が好む酒が奇麗に分かれてしまった。
柴田與佐々偏好酒精度數高的蘭姆酒,前田利家偏好梅酒,森可成與秀吉偏好清酒,丹羽則喜歡以芋製成的燒酎。
柴田や佐々はアルコール度数の高いラムを、前田利家は梅酒、森可成や秀吉は清酒、丹羽は芋から作られた焼酎を好んだ。
「蘭姆酒的出貨量確實很吃緊呢」
「さすがにラムは出荷量が厳しいね」
用廢糖蜜製作的蘭姆酒需要長期陳放,因此不像日本酒那樣能在釀造當年出貨。
廃糖蜜から作られるラムは長期間寝かせる必要がある。その関係で日本酒のように仕込んだ年に出荷することができない。
「嘛,現狀只有兩個人喝所以沒問題啦」
「まぁ現状、2人しか呑まないから大丈夫だけど」
目前只有柴田勝家和佐々成政會喝,但若喝的人增加,現行生產體制無法應付,靜子認為有必要檢討生產體制。
現状は柴田勝家と佐々成政しか呑まないが、呑む人間が増えれば今の生産体制では賄いきれない。生産体制を見直す必要があると静子は思った。
從山葵栽培的塑膠溫室回到家後,靜子翻閱彩準備的目錄。
わさび栽培のビニールハウスから家へ戻ると、静子は彩が用意した目録に目を通す。
酒量被妥善整理,但可能還不熟悉算盤,只有需計算的部分是空白的。
酒の量がきちんとまとめられているが、まだそろばんを扱い切れていないのか計算する部分だけ空白だった。
靜子把算盤放在桌上,計算要賣的酒量與金額、以及剩餘的酒量。
静子はそろばんを机の上に置くと、売る酒の量と金額、残りの酒量を計算する。
「說起來,酒沒有像羊羹那樣發生爭執嗎?」
「そういえば酒は羊羹(ようかん)のようには揉めなかったのか?」
一邊與貓玩耍沉思的奇妙丸突然像想起什麼般喃喃自語。
猫と戯れながら思索に耽っていた奇妙丸が、ふと思い出したようにつぶやく。
「……嗯,謝謝你提醒我那件我刻意不去回想的事」
「……うん、意識して思い出さないようにしていたことを思い出させてくれてどうもありがとう」
羊羹一般是指以小豆(あずき)為主的餡料灌入模型後,用寒天凝固而成的和菓子。
羊羹は一般的に小豆(あずき)が主体の餡(あん)を型に流し込み、寒天で固めた和菓子を指す。
用大量寒天緊實凝固的稱為煉羊羹(ねりようかん),減少寒天使之較柔軟的則稱為水羊羹(みずようかん)。
寒天でしっかり固めたものを煉羊羹(ねりようかん)、寒天を少なくして柔らかくしたものを水羊羹(みずようかん)と言う。
用小麥粉或葛粉與其他材料混合蒸製,代替寒天的做法稱為蒸羊羹。
また寒天の代わりに小麦粉やくず粉を混ぜて蒸したものを蒸し羊羹と呼ぶ。
由於羊羹含糖量非常高,只要狀態適當,常溫下可長期保存超過一年。
羊羹は糖度が非常に高いため、適切な状態であれば常温で1年以上の長期保存が可能だ。
利用這個特性,現代有時作為應急食品或軍隊的營養補充食品使用。
この特長を生かして現代は非常食、または軍隊の栄養補助食品として扱われることもある。
如此高效的羊羹,靜子不把它採用為織田軍的軍糧是有原因的。
それほど高効率の羊羹を、静子が織田軍のいくさ飯として採用しないのはワケがある。
簡言之,是因為柴田與秀吉兩人各憑喜好引發了爭執。
端的に言えば柴田と秀吉の2人が、互いに自分の好みで諍(いさか)いが起きたからだ。
更確切地說,不只是他們,像明智光秀、丹羽長秀、瀧川一益、森可成等武將各自也有不同偏好。
正確には彼らだけでなく明智光秀、丹羽長秀、滝川一益、森可成など武将ごとに好みが分かれてしまった。
挑起這場騷動的正是靜子本人。
この騒動の引き金を引いたのが他ならぬ静子だった。
現代的羊羹種類繁多,但戰國時代主要只有兩種:豪用砂糖的糖羊羹,以及不加砂糖、僅用小豆的羊羹。
現代の羊羹は多彩な種類があるが、戦国時代は砂糖を贅沢に使った砂糖羊羹と、砂糖を使わず小豆だけの羊羹の二種類が主だ。
靜子在那基礎上像現代般製作了漉餡、粒餡、栗子、抹茶、鹽、蜂蜜、柚子、紅茶等豐富口味。
そこに静子は現代と同じくこしあん、つぶあん、栗、抹茶、塩、蜂蜜、柚、紅茶と豊富な種類を作り上げた。
雖然大致形成了若干派別,但偏好完全分裂,且人人都主張自己喜歡的羊羹才是最棒的,使得要把某種羊羹作為軍糧變得困難。
ある程度のグループはできたものの、好みが完全に分かれてしまった上に己の好む羊羹こそが最高と言い出し、いくさ飯として採用するのが困難になった。
若草率採用其中一種,問題恐怕不會止於家臣之間的爭執;但信長竟覺得這場騷動有趣,無人能制止。
下手に一つだけを採用すれば、それこそ家臣同士での諍いでは済まなくなる。それなのに信長は騒動を楽しむから誰も止められなかった。
被稱為「羊羹之亂」的一連騷動,既擴大了羊羹的名聲,也使其無法被採用為軍糧。
『羊羹の乱』と呼ばれた一連の騒動は羊羹の名前を広めたと同時、いくさ飯として採用することが不可能となった。
「表面上不再爭吵了,但水面下仍然在繼續呢」
「表立って争わなくなったけど、水面下ではまだ続いているのだよね」
看似平息但家臣間的羊羹爭鬥仍在持續。因為不是權力鬥爭而是食物喜好之爭,信長也並不太在意便任其發展。
沈静化したように見えて家臣内の羊羹争いはいまだ続いている。権力闘争ではなく食べ物の好みによる諍いのため、信長も大して気にとめず放置している。
「口味這種事真難說啊」
「食の好みは難しいのぅ」
「嘛,因為那個緣故開了店,某種程度上也可以說是個好結果吧……?」
「まぁそのお陰で店ができたから、それはそれで良い結果? とも言える……か?」
織田家臣中對羊羹的熱情以超出她預期的速度蔓延,如今已成為一種地位象徵。下位者夢想能大啖羊羹,日夜努力立功。
織田家家臣内の羊羹熱は彼女の予想を超える早さで広まり、今やステータスシンボルの一つとなった。下の者は羊羹をたらふく食えることを夢見、日夜武功を上げようと励む。
上位者則把羊羹當作賞賜購買,佐酒小吃或配茶享用。這樣一來,僅靠靜子一人已無法應付所需數量。
上の者はご褒美用に羊羹を買い酒の肴にしたり、茶と羊羹を楽しんだりしている。こうなると静子1人では対処できない量が求められる。
無奈之下靜子任命五郎為監督,在岐阜開了織田家御用的甜點店「岐阜屋」。因保存能力仍薄弱,改為接單生產,但訂單仍排到半年後。
仕方なく静子は五郎を監督にし、岐阜に織田家御用達の甘味処『岐阜屋』を開いた。まだ保存能力が弱いことから受注生産の形にしたが、それでも半年先まで予約が埋まっていた。
「差不多彩醬一個人已經處理不完這些文件了,我們需要一位事務/會計負責人。」
「そろそろ彩ちゃん1人じゃ書類をさばききれないし、事務・経理担当が欲しいところ」
然而,要找一個事務負責人並不容易。雖然有許多人立下武功以求仕途,但要找到願意在幕後扶持主君的文吏極為困難。
しかし、事務担当の人間を探すのは容易ではない。武勲を立てて立身出世を目指す者は多くいても、主君を陰で支える文官を探すのは極めて困難だ。
縱然有人存在,也常已服侍於其他主君。因此,事務人員不是去找來,而必須自行培養。
仮にいたとしても既に他の主君に仕えていることが多い。ゆえに、事務担当の人間は探すのではなく、自分で育て上げる必要がある。
(從這個角度看,彩醬確實很優秀……但實在不能讓她過度勉強了吧)
(そういう意味でも彩ちゃんは優秀なのだけど……さすがに無理はさせられないかな)
靜子思索著能否想出對策,但難以輕易打破現狀的方案仍未浮現。
何とかならないかと考えた静子だが、簡単に現状を打破する案は浮かばなかった。