戦国小町苦労譚
一五七〇年 十二月下旬
靜子閒得發慌。以目前情況除了待命別無他法,她提出的意見也被信長駁回,並被命令繼續處理戰後事務。
静子は暇を持て余していた。現状では待機する以外に出来る事がなく、具申した意見も信長に却下され引き続き戦後処理に当たるよう申し渡されていた。
那些平時忙碌時來訪、折騰靜子的要人們也無影無蹤。
忙しい時に訪問してきて静子を振り回すお歴々も音沙汰がない。
奇妙丸隨信長出征參與比叡山包圍戰,長可則與足滿一同防守小木江城,而行蹤難測的濃姬此刻亦杳無音訊。
奇妙丸は信長と共に比叡山包囲戦に出ており、長可は足満と共に小木江城の防衛、神出鬼没の濃姫だが今はなしのつぶてである。
對於戰死者與傷殘者的照護,也向慶次與才藏求助。
戦没者や傷痍者への対応は、慶次や才蔵にも助力を求めた。
首先為戰死者立了慰靈碑與供養塔。接著向各寺廟施米請其代為供養。此次戰役的戰死者超過千人,其中還夾雜著前奴隸與有前科者。
まず戦没者たちの為に慰霊碑及び供養塔を建立した。次に寺々に米を施入し供養を依頼する。此度の戦役における戦没者は千名以上にも及び、中には元奴隷や前科者も混じっていた。
然而,靜子向所有人支付相同數量的米,並要求同等的供養。
しかし、静子は全員同じ量の米を払い、皆同様の供養を依頼した。
光是這一點就已讓周遭驚訝,靜子卻不以為意,斬釘截鐵地說「任何人一旦死亡便為佛,故俗世的罪過與地位無從顧慮」,更使人震撼。
その一事だけでも周囲を驚かせた静子だが、周囲の驚嘆を意に介さず『如何なる者も死すれば仏。ゆえに俗世の罪科も地位も顧慮するに能(あた)わず』と言い放ち、更に震撼させた。
對傷殘者召集醫師設立臨時療治所,斡旋治療並寄發慰問書信。
傷痍者には医者を集めて臨時の治療院を設立し、そこでの治療を斡旋し見舞いの書状を送った。
需要大規模施策的,是對戰死者遺族的處理。
大がかりな施策を必要としたのは戦没者遺族への対処についてだ。
雖然發給弔慰金等一次性補助可暫時救濟,但失去家中主要收入者後終將陷入困窮,這是明顯的。
弔慰金などの一時金を支給すればその場の支援は可能だが、稼ぎ頭を欠く状態ではいずれ困窮するのは目に見えている。
若能再婚固然好,若成為寡婦(喪夫且不再婚的女性),終究難免生活潦倒。
再婚出来れば良いが、寡婦(夫と死別後、再婚しない女性)となれば、いずれ身を持ち崩すのは必定。
經過思索後,靜子想到的辦法是興建紡績工廠,讓遺族女性以女工身分就業。
何か良い方法はないかと思案した結果、静子が思いついたのは紡績工場を建て、そこに女工として就職させる方法であった。
紡績顧名思義是將棉、麻、絲、羊毛等加工成紗線。最初在小屋內進行的紡績,如今已發展成與平城等地同等規模的工廠。
紡績とは名前の通り、綿や麻、絹、羊毛などを糸にする事だ。最初は小さな建物で行っていた紡績も、今や平城と同等の広さを持つ工場へと発展した。
在廣大土地上建工廠,自然需要大量員工。
広大な土地に工場を建てれば、多くの従業員が必要となる。
需要從事紡績的工人與支援性人員、醫院與隔離病房以防疫、托兒所照看嬰幼兒、寺子屋教育下一代,還有保衛工廠的衛兵。
紡績業務に携わる者と業務をサポートする者、病院や隔離病棟など病の流行を防ぐ者、赤子や子どもを預かる保育所、次世代を担う子たちを教育する寺子屋、工場を守る衛兵が必要だ。
一座工廠會帶來各種就業機會,但並非沒有問題,其中最大的一項是若爆發流行性疫病。
工場一つで様々な雇用が生まれるが、問題がない訳ではない。中でも一番の問題は流行性の疫病が発生した場合だ。
若高傳染力的疾病流行,僅此便足以使包含工廠在內的整個周邊成為死亡之城。在缺乏抗生素與療藥的戰國時代,防疫(預防疾病)是生死攸關。
感染力の高い病気が流行すれば、それだけで工場を含む周囲一帯が死の街と化す。抗生物質や治療薬がない戦国時代において、防疫(病気を未然に防ぐこと)は死活問題だ。
要防止疾病流行,最快的是提高自然治癒力與免疫力。要提升這兩者,除了衣食住之外,還需考量公共衛生、法秩序等諸多面向。
病気の流行を防ぐには、自然治癒力と免疫力を高めるのが一番早い。この二つを高めるには衣食住は勿論、公衆衛生、法の秩序など様々な事を考える必要がある。
「幸好大多數都再婚了……但果然還是會有人成為寡婦。得增加一些安全背帶的數量才行」
「幸いにして、殆どが再婚したけど……やっぱり寡婦になる人が出てくるね。セーフティーハーネスの数を増やさないとな」
所謂セーフティーハーネス,正式名稱為嬰兒背帶,用來防止已能行走的嬰幼兒自行離開父母身旁。
セーフティーハーネス、正確にはベビーハーネスと呼び、歩けるようになった乳幼児が親元から勝手に離れないようにするための道具だ。
其起源在中世歐洲,當時為了協助剛學走路的嬰幼兒行走,會將繩狀物縫在衣服上;隨著時代演進,其用途改變,形成現代的樣式。
始まりは中世ヨーロッパで、当時は歩き始めた乳幼児の歩行を補助するため、服に縫い付けた紐状のものだった。それが時代と共に役割を変え、現代のような形となった。
在歐洲已有數百年歷史,主要在上層貴族間流行,甚至在描繪晚年路易十四與其家人的肖像畫中也可見嬰兒背帶。
欧州では数百年の歴史があり、主に上級貴族の間で流行し、晩年のルイ14世と家族を描いた肖像画などにもベビーハーネスは登場している。
當然從當時起便有批評之聲,與現代無異,但或許因為一點小意外就可能致命的時代背景,仍有不少貴族為保護孩子而使用它。
もちろん現代と変わらず当時から批判の声もあったが、小さな事故でも死に直結する時代背景からか、子どもを守るために利用する貴族は多くいた。
「那個東西在爺爺奶奶那一代非常不受歡迎。我難得動用權力來推廣它。」
「まぁあれ、爺さん婆さん世代からはすこぶる不評なのよね。久々に権力使って普及させたよ」
無論在歐洲或日本,無論戰國時代或現代,孩子做出突發行為的情形都無所改變。
欧州でも日本でも、戦国時代も現代でも、子どもが突拍子もない行動をする事は変わらない。
靜子聽過許多件這樣的事:母親正要扶起跌倒的孩子,另一個孩子卻掙脫母親的手衝出,跌入河中溺斃。
母親が転んだ子を助け起こそうとした刹那、別の子が母親の手を振りほどいて飛び出し、川に落ちて溺死した話は何件も静子の耳に届いている。
即使建立再多的托兒所也不能消除所有危險。為了降低下一代的死亡率,普及嬰兒背帶是不可或缺的。
幾ら保育所を作ろうとも危険がなくなる訳ではない。次の世代を担う子の死亡率を下げる為にも、セーフティーハーネスの普及は必要不可欠だった。
然而如同在歐洲,日本也出現反對聲浪。理當花時間逐步推行,但既然是生死攸關,普及刻不容緩。
しかし、欧州と同じく日本でも反対意見は出る。本来ならば時間を掛けて浸透させるのだが、命の問題だけに普及は急務だった。
因此靜子動用了平時鮮少使用的權力,教導母親避免用外來語稱呼,改稱為『迷子紐』並指導佩帶,還實施抽查,對未使用者施以罰則。
ゆえに静子は普段滅多に使わない権力を行使し、母親たちに横文字の名前を避けて迷子紐と呼称し着用の指導を行い、抜き打ち検査をして使っていない親に罰則を与えた。
「嗯,迷子紐的生產就交給別人去做吧。現在先把空中栽培的報告書整理好。」
「ま、迷子紐の生産は他人に任せよう。今は空中栽培の報告書を纏めるか」
靜子需要把薩摩芋空中栽培的實驗結果整理成報告,提交給信長。
静子は薩摩芋の空中栽培で出た実験結果を纏めて、信長に提出する必要があった。
薩摩芋的空中栽培雖然成功,但其體積仍比土壤栽培的小一圈。
薩摩芋の空中栽培は成功を収めたが、やはり太さが土壌で育てるものより一回り小さかった。
然而發現薩摩芋在四個月時達到巔峰,之後即使再多花時間也不會顯著生長。
しかし薩摩芋の大きさは四ヶ月をピークに、それ以上は時間をかけてもたいして成長しない事が判明した。
由此認為可以採取四月到八月、以及七月到十一月的兩期作。前期可收穫地瓜、莖與葉,後期則可收穫地瓜與莖。
この事から四月から八月、そして七月から十一月の二期作が可能だと考えられた。前期は芋、茎、葉が収穫でき、後期は芋と茎が収穫できる。
即使單顆地瓜稍小,但採二期作可增加整體產量。實際上,在每平方公尺五層三角架的專用面積上栽培,已達到每單作20公斤的產量。
芋が少し小さくても二期作する事で、全体の収穫量が増える算段だ。実際、専有面積一平方メートルの三角棚五段で栽培した結果、20キロの単作収量を達成した。
若實施兩期作,單純計算每平方公尺可望達到40公斤的產量。
二期作を行えば単純計算をしても、一平方メートルにつき40キロの単作収量が見込める。
「問題是為了實驗而產生的大量薩摩芋啊。」
「問題は実験の為にたくさん出来た薩摩芋よね」
一邊吃著地瓜片,靜子抱怨道。原本就有一定面積栽種以備作為救災糧,且此次又為實驗而栽培薩摩芋。
さつまいもチップスを食べながら静子はぼやく。もともと、非常食として一定の栽培を行っている上に、実験の為に薩摩芋を栽培したのだ。
理所當然收穫量比往年多,但薩摩芋的消耗量不變,於是多數被做成地瓜片等當零食消耗。
当然ながら収穫量は例年より多い。しかし薩摩芋の消費量は変わらないため、さつまいもチップスなどにして間食用に消費していた。
「報告書快完成了。比起這個,今天是少有的外出日,得好好準備。」
「まぁ報告書はあと少しで出来上がる。それより今日は、数少ない外出日だから準備しないと」
信長對靜子實施了嚴格的行動限制,但在一個月後放寬了限制。那是因為有些事情非她親自前往不可。
信長は静子に厳しい移動制限を課しているが、一ヶ月を境に制限を緩和した。それは、どうしても彼女が出向かなければならない話があるからだ。
其一便是接收馬匹。所謂的馬並非木曾馬等日本土生的馬種。
その内の一つが馬の受け取りだ。馬と言っても木曽馬(きそうま)など、日本古来にいる馬ではない。
而是來自海外、在現存改良馬中最早確立的阿拉伯馬種。
海外、それも現存する改良馬の中で最初に確立したアラブ種である。
著名的賽馬品種純種馬(サラブレッド)也是由這種阿拉伯馬與英國原生的獵馬等品種交配後形成的。
馬の品種で有名なサラブレッドも、このアラブ種とイギリス在来種のハンターなどの品種と掛けあわせた結果、生まれたものだ。
體高約150cm、體重約400kg,耐候性與耐久性優秀,但最重要的是阿拉伯馬是奔跑型的馬。
体高は約150cm、体重は約400kgで耐候性と耐久性に優れ、何よりもアラブ種は走る馬だ。
牠們適合在平坦地帶奔馳,耐力強,能長距離疾走。
彼らは平らな土地を走るのに適した馬で、スタミナが大きく長距離を駆ける事ができる。
但反面是食量極大,與木曾馬不同,對高低起伏地形較弱,且若以粗食無法發揮本來的潛力。
反面、非常に大飯ぐらいで、木曽馬と異なり高低差に弱く、粗食では本来のポテンシャルを引き出せない。
在六成國土為山地的日本難以直接使用,但若與木曾馬交配,可能誕生出像盎格洛阿拉伯(Anglo-Arab)那樣耐高低差、健壯、能耐粗食且飼養管理相對容易的馬。
国土の六割が山あいの日本では使い所が難しいが、木曽馬と掛けあわせれば高低差に強く、丈夫で粗食にも耐え、維持管理も比較的容易なアングロアラブと同等の馬が誕生する可能性がある。
換裝成男裝去見フロイス後,靜子與他會面並接收了雄30頭、雌20頭共50頭馬匹。然後從馬群中挑出最好的個體,並配上馬具。
フロイスと会う時にする男装を施した後、静子は彼と会い雄30頭、雌20頭の計50頭を受け取った。そして馬の中から一番良い個体を選び、馬具を装備させた。
因為若被信長看見,肯定會提出要分一頭給他,所以她在那之前先把最好的那一頭佔為己有。
信長が見れば確実に一頭よこせ、と言い出すのは目に見えていたので、その前に一番良い個体を自分のものにした。
「良い馬です」
「良い馬です」
「お気に召して良かったです」
「お気に召して良かったです」
騎著木曾馬的フロイス面帶笑容說出這句話。
木曽馬に乗っているフロイスが笑みを浮かべて言葉を口にする。
這次能把阿拉伯馬輸入日本,很大程度上要歸功於他的努力。當然,這並非無償的奉獻,而是雙方利害一致的結果。
今回、アラブ種を日本へ輸入出来たのも彼の尽力による所が大きい。もちろん、無償の奉仕ではない。互いに利害が一致した結果である。
因為歐洲早在1500年就已經引進阿拉伯馬,因此把大約五十頭馬調配給日本本身是可行的。
欧州は1500年にはアラブ種を輸入していた為、その馬を50頭ほど日本へ回すこと自体は可能だった。
只不過阿拉伯馬與西洋軍事關係密切,初期耶穌會也有所顧慮。考量到日本曾發生的土耳其安哥拉(ターキッシュアンゴラ)騷動,耶穌會想著能否用貓來敷衍過去。
ただしアラブ種は西洋軍事と関係が深く、当初はイエズス会も難色を示した。日本でのターキッシュアンゴラ騒動を考慮し、イエズス会は猫でごまかせないかと考えた。
中世歐洲可以說是貓的黑暗時代。貓被視為魔女的使者,尤其黑貓成為眾矢之的,許多貓被以莫須有的罪名當場火刑處死。
中世ヨーロッパは猫にとって暗黒の時代と言っても良い。魔女の使いと考えられ、特に黒猫が目の敵にされた時代で、多くの猫が無実の罪で生きたまま火刑に処された。
貓被視為邪惡象徵的來源,是基督教指控諾斯底派與『化為黑貓的惡魔結盟』所始。
猫が悪の象徴と見なされた理由は、キリスト教がグノーシス派を『黒猫に姿を変えた悪魔と手を結んでいる』と非難したのが始まりだ。
因此黑貓遭到迫害,並與以獵巫為代表的異端掃蕩結合,貓被認定為魔女的使者。
この事で黒猫が迫害され、更に魔女狩りに代表される異端者狩りと結びつき、猫は魔女の使いとされてしまった。
貓變少導致老鼠增多,進而帶有瘟疫菌的跳蚤擴散,結果在中世歐洲釀成鼠疫大流行。
猫が減る事でネズミが増え、それに伴いペスト菌を持つノミが拡散されてしまった結果、中世ヨーロッパでペストが大流行した。
將此歸咎於惡魔作祟的人們便更加殘忍地屠殺貓,但這反而增加了帶有跳蚤的老鼠,助長了瘟疫的傳播。
この事を悪魔の仕業と考えた人々が、更に多くの猫を虐殺していく。しかしそれはペストを媒介するノミが付着したネズミを更に増やしてペストの流行を手助けする結果となった。
另一方面,在日本與埃及,貓自古即被視為神秘而受重視的生物。捕食儲存穀物的老鼠的貓是珍貴的夥伴。
一方、日本やエジプトでは猫は古くから神秘的な生き物として重宝していた。貯蔵した穀物を食害するネズミを捕食する猫は貴重なパートナーであった。
在古埃及對貓的崇拜極為強烈,家貓死後主人會守喪,將貓製成木乃伊置入棺中隆重安葬。
古代エジプトでは猫への崇拝が強く、飼い猫が死ぬと飼い主は喪に服し、猫をミイラ化して棺に入れ丁重に葬った。
在日本,黑貓也被稱為福貓,備受珍視。
日本でも黒猫は福猫と呼ばれ、大変珍重されていた。
其中宇多天皇從先帝光孝天皇受賜並飼養五年的家貓,出現在飼貓日記《寬平御記》裡的來自唐朝的黑貓尤其有名。
中でも宇多(うだ)天皇が先帝光孝天皇より賜り、五年にわたり育ててきた飼い猫日記『寛平御記(かんぴょうぎょき)』に出る唐渡来の黒猫は特に有名だ。
枕草子中也記載一條天皇愛貓,幼貓誕生時施以與人相同的儀式,賜名「命婦のおもと」並賜五位之階。
また枕草子に出てくる一条天皇も猫を愛し、子猫が生まれると人と同じ儀式を行い、「命婦のおもと」という名と五位の位を与えた。
耶穌會並不理解這種歷史背景,但仍命令フロイス用貓來湊合,並連同書信一併寄去大量的山貓。
その様な歴史的背景を知らぬイエズス会だが、ともかく猫で何とか誤魔化せとフロイスに書と共にたくさんの山猫を送りつけた。
然而フロイス拒絕服從耶穌會的命令,反駁說在此國以失信之舉最為可惡,並說服耶穌會總部將阿拉伯馬送來日本。
しかしフロイスはイエズス会の命を拒否し、不義理な態度はこの国で最も嫌われると反論、イエズス会本部にアラブ種を送るよう説得した。
最終被說服的耶穌會決定將未閹割的五十頭阿拉伯馬送往日本。
最終的に説得を受け入れたイエズス会は、去勢されていないアラブ種50頭を日本へ送り出すことにした。
在那段期間,フロイス巧妙利用被送來的石虎(マヌルネコ)和幾隻異常巨大的白貓,作為馬匹運送延誤的謝罪,獻給靜子。
その間にフロイスは送られてきたマヌルネコや妙に大きい白猫を上手く使い、静子へ馬の輸送が遅れる詫びとして献上した。
靜子得知山貓們被強行捕捉後,對フロイス說『不必用動物來向某人獻禮類似這種行為。這次我收下,但今後應避免不經考量的亂捕亂獵』。
山猫たちが無理やり捕獲されている事を知った静子は、『今回の様な事で某に動物を献上する必要はない。今回は受け取るが以降は不用意な乱獲を控えるべし』とフロイスに伝えた。
她這番話是出於對日本生態系可能崩壞的擔憂,但可惜的是フロイス只理解成與佛教教義有關的說法。
日本の生態系が崩れる事を心配しての発言だが、残念な事にフロイスへは仏教の教えが絡んでいるとしか伝わらなかった。
(不過一開始我以為牠們會死於疾病,沒想到野生動物的生命力竟然這麼強)
(しかしまぁ最初は病死するだろうと思ったけど、思いのほか野生動物って生命力が強いよね)
石虎是棲息於菌少的高地的山貓。靜子原以為牠們無法承受劇烈環境變化而高機率病死。
マヌルネコは菌の少ない高地に生息する山猫だ。環境の激変に耐え切れず、病死する可能性が高いと静子は考えていた。
然而在船運途中牠們似乎變得強壯,或是眾多個體中只有最強的石虎存活下來,總之石虎們活蹦亂跳。
しかし船で運ばれている間に丈夫になったのか、それとも多くの個体の中で最も強いマヌルネコだけが生き残ったのか、ともかくマヌルネコは元気に暴れ回っていた。
因為是夜行性動物,牠們無差別地獵殺同樣夜行的各種鼠類。
夜行性である事から、同じく夜行性のネズミ類を問答無用で狩っていた。
雖然體型屬於較小的山貓,但除了同類貓之外,競爭捕食鼠類的對手大概只有日本水獺,且也沒有遭到大型肉食動物覬覦的顧慮。
比較的小型の山猫ではあるものの、ネズミを狙うライバルが同族の猫を除けば日本川獺(にほんかわうそ)ぐらいである事と、大型の肉食動物に狙われる心配がない。
不過牠們不會招惹維特曼一族的灰狼(ハイイロオオカミ)或猛禽之王白背鷲(オウギワシ的シロガネ),以及夜間猛禽赤鐵與黑鐵(アカガネとクロガネ)。
ただしヴィットマンたちハイイロオオカミ一家や、猛禽類の王者であるオウギワシのシロガネ、夜の猛禽類であるアカガネとクロガネには逆らわなかった。
那幾隻奇大無比的白貓種類不明。雖有類似斑點的花紋,但靜子並不熟悉動物到能僅憑花紋就斷定種類。
妙に大きい白猫は種類が不明だった。斑点のような模様があるが、それだけで動物が判断出来るほど静子は動物に詳しくない。
近世缺乏動物保護的觀念,因此連瀕危物種也會被毫不在意地捕捉。考慮到這點,那白貓有可能是珍貴動物,但目前除了養大牠之外別無判斷的依據。
近世は動物保護の思考がない為、絶滅危惧種の動物も平気で捕獲する。そこを考えれば白猫は貴重な動物の可能性もあるが、現状では成長させる以外判断材料がない。
目前已知的只有牠們是一對雌雄,並且兩隻是從不同的巢穴被帶出來的。
現状で分かっている事は雄雌のつがい、そして2匹は別々の巣から持ち出された事だけだ。
馬努爾貓警戒心強,很難親近。
マヌルネコは警戒心が強く中々懐かなかった。
不過,那隻體型較大的白貓起初雖然警戒,但在認定靜子是會給牠食物的人後警戒心便減弱,現在有時會跟在靜子身後走。
しかし、大きな白猫は最初こそ警戒したものの、静子が餌を与えてくれる存在と認識した頃から警戒心が薄れ、今では静子の後ろをついて歩くこともあった。
當然,牠們也有貓特有的任性,會不會跟來全憑牠們的心情。
無論、こちらも猫特有の気紛れさで、ついてくるかは彼らの気分次第であった。
因為不知那隻大白貓的品種所以沒有取名,但把馬努爾貓憑牠圓滾滾的樣子取名為「丸太」。
大きい白猫は種類が分からなかったゆえに名付けを見送ったが、マヌルネコはその丸々した風貌から『丸太』と名付けた。
(白貓那邊總覺得有不祥的預感。算了,別多想。倒不如趁他們願意輸入動物,試著要求一隻已滅絕的渡渡鳥來看看。)
(白猫の方はなーんか嫌な予感がするのよね。まぁ詳しく考えるのは止めよう。それよりせっかく動物を輸入してくれるのなら、この際絶滅したドードーでも要求してみようかしら)
雖然因為信長喜歡貓而給了貓的經費,靜子認為再增加更多動物並不妥,然而如果是已滅絕的動物那又是另一回事。
信長が猫を気に入った関係から猫の予算が与えられたとは言え、これ以上動物が増える事は好ましくないと静子は思っていた。しかしそれが絶滅した動物なら話は別だ。
渡渡鳥是在被發現後短短約一百年內就被滅絕的不能飛行的鳥。1598年有官方報告其存在,1681年之後便沒有目擊紀錄,被認為已滅絕。
ドードーは発見から僅か100年で滅ぼされた飛べない鳥だ。1598年に存在が公式に報告され、1681年を最後に目撃情報がなくなり、絶滅したと言われている。
靜子想道,如果有機會拜託來一隻也不壞。
機会があれば頼んでみるのも悪くはない、と静子は思った。
「(說起來那隻逃跑的大型猛禽,不知道怎麼了呢)弗羅伊斯大人,之前據說逃走的那隻大型鳥,不知道往哪裡去了嗎?」
「(そういえば逃げ出した大型の猛禽類、どうなったか知らないかなぁ)フロイス殿よ、以前逃げ出したと言われた大形の鳥、どこへ向かったかご存じないか」
「大型的鳥……啊,是指那隻鳥嗎。雖無確證,但聽聞有船員說看到牠帶著同伴從日ノ本飛離的傳聞。」
「大形の鳥……ああ、あの鳥ですか。確証はありませんが、船乗りが仲間を引き連れて日ノ本から飛び立つのを見た、という噂話をしているのを耳にしました」
帶著隨口問的心情向弗羅伊斯打聽,卻得到了意外的回答。靜子對於那逃走的猛禽竟然還特地帶著同伴感到一絲不安,但決定暫時不要無謂地慌張。
軽い気持ちでフロイスに尋ねると、意外な返事が返ってきた。逃げた猛禽類がわざわざ仲間を引き連れている事に、一抹の不安を感じた静子だが今はむやみに不安がらない事にした。
「哼哼,那可真可怕。不過現在擔心也沒用。比起這個有更重要的事要說。弗羅伊斯大人,運送這匹馬的期間,與某人的約定有遵守嗎?」
「ほほぅ、それは恐ろしい。まぁ今は気にしても仕方ないでしょう。それよりも重要な話があります。フロイス殿よ、この馬を運ぶ間、某との約束は守って頂けましたかな?」
「是的。運馬用了三百名船員。但一個人也沒有罹患吐血的病。」
「はい。馬を運ぶのに300名の船乗りを使いました。ですが、一人として血を吐く病にかかる事はありませんでした」
靜子和弗羅伊斯交易的是壞血病的治療方法。
静子がフロイスとトレードしたものは、壊血病の治療方法だった。
要向他們證明豆芽栽培確實有效,必須證明兩件事:不會罹患壞血病,以及罹患壞血病的人能被治癒。
もやし栽培が確実に効果がある、と彼らに証明するには壊血病にかからない事と、壊血病にかかった人間が治療される事の二つを証明しなければならなかった。
其中第一項已在運送胡椒幼苗與種子時得到證明。
内、一つ目は胡椒の苗や種を運ぶ時に証明された。
要證明攝取豆芽可以預防壞血病,必須請人從印度用超過三個月的航程將馬運到日本。
もう一つのもやしを摂取する事で壊血病を予防できる事を証明するには、インドから三ヶ月以上の時間をかけて日本へ馬を運んで貰う必要があった。
實際上花了約半年運來阿拉伯品種,但在此期間船員一次都沒罹患壞血病,從而證明了食用豆芽的效果。
実際は約半年かけてアラブ種を運ぶ事になったが、この間に船乗りが一度も壊血病にかからなかった事で、もやし摂取の効果を証明する事が出来た。
靜子對殖民政策可能加速感到不安,但弗羅伊斯等傳教士把此治療方法視為天主教會的秘術。他們首要要做的就是恢復教會失去的權威。
植民地政策が加速する不安があった静子だが、フロイスたち宣教師は、この治療方法をカトリック教会の秘儀とした。彼らは何よりも失墜した教会の権威を取り戻さなければならない。
能治療這種原因不明的壞血病的方法,被認為是重振天主教會權威的手段。
原因不明の壊血病を治療出来る方法は、カトリック教会の権威を再び復活する手段になると考えた。
「吐血的病嗎。我稱之為壞血病。」
「血を吐く病ですか。某は壊血病と呼んでおります」
「壞血病嗎?」
「壊血病、ですか?」
「會從牙齒出血,接著皮膚出血,伴隨嚴重的無力感與隱痛,最終致死的病。其原因是海上生活無法補充所需的蔬菜。鄰國明朝早已注意到『這種方法』。」
「歯から出血し、次に皮膚から出血し、脱力感や鈍痛がひどくなり、やがて死に至る病。その原因は海上生活では補充出来ない野菜の不足。隣国の明(みん)では早くから『この手法』に目をつけておりました」
「原來如此,從那個意義上說就是『壞血病』嗎。」
「なるほど、そういう意味で『壊血病』という事ですか」
「是的。不過如此一來就沒有必要再懼怕壞血病了。」
「はい。しかしこれで壊血病を恐れる理由はなくなるでしょう」
「是啊。這樣……」
「そうですね。これで……」
弗羅伊斯確實感受到了能夠恢復天主教會權威的實感。
カトリック教会の権威を取り戻せる、その手応えを確かに感じたフロイスだった。
十一月中旬,由本願寺派出的坊官下間賴旦等人率領的一揆民兵,其兵力已增至數萬。
十一月中旬、本願寺より派遣された坊官の下間頼旦らに率いられた一揆衆は、その兵力を数万にまで増やしていた。
在北勢四十八家──於伊勢國北部北伊勢地區有勢力的城主與豪族中,部分人加入長島一向一揆,反抗織田家的勢力正穩步增加。
北勢四十八家と呼ばれた伊勢国北部の北伊勢地域に勢力を持つ城主・豪族の内、一部が長島一向一揆に加担するなど、織田家に反旗を翻す存在は着実に増えていた。
他們攻下由伊藤氏一族擔任城主的長島城後,將該城作為長島一向一揆的據點。
彼らは伊藤氏一族が城主を務める長島城を攻め落とすと、その城を長島一向一揆の拠点とした。
接著他們乘勢向守備信興的小木江城進攻,目標直指小木江城。
続いて信興の守る小木江城を攻め落とさんと、彼らは勢いそのまま小木江城を目指した。
然而等待他們的只有一個詞:『絕望』。
しかし彼らに待っていたのは『絶望』の一言だった。
小木江城已成為導入混凝土城牆等最新建築技術的堅固要塞。
小木江城はコンクリート城壁など、最新の建築技術が導入された堅固な要塞と化していた。
即便外行人也能看出單靠蠻力無法攻下。城牆更設有防止以人數暴力強攻的種種設施。
素人目にも単純な力押しで攻め落とせない事が容易に知れた。更に城壁には数の暴力による力押しを許さない工夫が凝らしてあった。
靠近的雜兵會突然倒下,然後再也起不來。
近づいた雑兵たちが、突然倒れたまま起き上がらなくなるのだ。
現代人會懷疑毒氣或生物化學武器(BC武器),但在戰國時代並沒有這種武器的開發。
現代の人間なら毒ガスや生物・化学兵器(BC兵器)を疑うが、戦国時代にそのような兵器は開発されていない。
對長島一向一揆眾來說,他們只知道有人突然倒下。無論老幼男女紛紛死亡的情景,極大地降低了留下來的一揆民的戰意。
長島一向一揆衆には、人が突然倒れたという事しか分からない。老若男女問わず死んでいく様は、残された一揆衆の戦意を著しく低下させた。
白天未能取得顯著戰果而撤退的一揆眾,可不可能就這麼放過這些衰弱的敵人。
昼間は大した戦果を出せずに撤退した一揆衆だが、弱り目の連中をみすみす見逃す手は無い。
他們在敵方夜間休息時發動游擊戰,進行徹底的騷擾(ハラスメント)。
敵方が休息している夜間にゲリラ戦を仕掛け、徹底的な嫌がらせ(ハラスメント)を行う。
發現巡邏兵就用十字弓狙擊使其受傷,燃放爆竹干擾睡眠。
見回り兵を見つければクロスボウで狙撃して負傷させる。爆竹を鳴らして睡眠妨害を行う。
在敵人可能經過之處設下陷阱,由長可主導,每晚四處製造小規模火情等騷擾行動。
敵が通りそうな所に罠を仕込む。あちこちで小火騒ぎを起こすなど、長可主導で毎晩嫌がらせを行った。
白天至傍晚由足滿主導,夜晚到深夜由長可主導應對長島一向一揆眾。
朝から夕方は足満が、夜から深夜は長可が主導して長島一向一揆衆に対応する。
兩人的作戰既有正面硬幹,也有被人斥為卑鄙的非常手段,但共同目標都是徹底擊潰對方。
二人の作戦は正攻法もあれば卑怯者の誹りを受けるような邪道もあるが、徹底的に相手を叩く事を目的とするのは共通していた。
不分男女老幼,只要是一揆眾就決心視為敵人加以殲滅。
女子供の区別なく、一揆衆であれば敵として滅ぼす覚悟を持っていた。
長島一向一揆在包圍小木江城的同時,派出部份兵力前往桑名城,擊退城主滝川一益使其潰逃。
小木江城を包囲しつつ長島一向一揆衆は一部の兵を桑名城に送り、城主の滝川一益を敗走させた。
將周邊城池接連攻下使之孤立無援後,下間頼旦向小木江城勸降。
周囲の城も次々と落として孤立無援状態にした後、下間頼旦は小木江城へ降伏を促した。
但派往小木江城的使者被斬首,甚至有被斧頭從頭劈成兩半者被隨意丟棄;曾三度派出使者,回報皆同。
だが小木江城へ行った使者は首を斬られ、更に頭を鉈で真っ二つにされたものが無造作に投げ捨てられていた。3度ほど同じように使者を送ったが、どれも返答は同じだった。
「さて夜討ちはもう出来ないな。と言っても連中は攻め込む事が出来ない。謎の即死攻撃に兵が怯えているからな」
「さて夜討ちはもう出来ないな。と言っても連中は攻め込む事が出来ない。謎の即死攻撃に兵が怯えているからな」
「解明した所でどうにもならん。あれは我々の身近に存在しているものを、多少弄って危険な毒に変貌させているだけだからな」
「解明した所でどうにもならん。あれは我々の身近に存在しているものを、多少弄って危険な毒に変貌させているだけだからな」
終於有一天,僅僅互相對峙的戰鬥結束後,足滿與長可兩人討論起今後的事態發展。
睨み合いだけの合戦が終わったある日、足満と長可の二人は今後の展開について話していた。
「睨み合いのまま終わるはずはない。奴ら、何か仕掛けてくるだろうな」
「睨み合いのまま終わるはずはない。奴ら、何か仕掛けてくるだろうな」
「……まぁ比叡山の方で策を行使していれば、囲んだまま終わるというのもあり得る」
「……まぁ比叡山の方で策を行使していれば、囲んだまま終わるというのもあり得る」
足滿說得沒錯,信長利用正在主導構築織田包圍網的義昭,向各方推進和睦。
足満の言葉は正しく、信長は織田包囲網の構築を主導していた義昭を使い、各方面への和睦を進めていた。
若他在此拒絕並進一步強化對織田的包圍網,信長的性命也會有危險。
ここで彼が拒絶し、織田包囲網を更に強化すれば信長の命も危ぶまれた。
但義昭認為藉由居中斡旋和睦,既可向反織田聯合,也可向信長展現作為將軍的存在感,因此向朝廷奏請勅許。
だが和睦を仲介する事で、反織田連合にも信長にも将軍としての存在感を示せると考えた義昭は、朝廷へ勅許奏請をする。
在已將信長逼到絕境之際,卻自動放棄了討取信長的絕佳機會,從中可見義昭缺乏戰略眼光。
信長を追い詰めておきながら、信長を討ち取る絶好の機会を自ら捨てるところに、義昭の戦略眼のなさが伺えた。
「周囲には隠れる場所がない。よって地下から攻めてくる可能性は低い」
「周囲には隠れる場所がない。よって地下から攻めてくる可能性は低い」
「仮に攻めてきたら?」
「仮に攻めてきたら?」
「連絡犬は耳が良い。地の底から掘り進めている音を聞くだろう。場所が特定できれば、後は油を流して焼けば良い」
「連絡犬は耳が良い。地の底から掘り進めている音を聞くだろう。場所が特定できれば、後は油を流して焼けば良い」
足満心裡補充道:狹小洞穴一旦起火,就會有大量一氧化碳中毒致死的情況。
狭い洞窟で火災が起きれば、一酸化炭素中毒死が沢山出るしな、と足満は心の中で付け足す。
足滿凝望著能看見篝火的地方,低聲喃喃道。
篝火が見える場所を眺めながら、足満は小さく呟く。
「一気に攻めてくれると助かるのだがな」
「一気に攻めてくれると助かるのだがな」
「流石に敵も馬鹿じゃない。死ぬって分かっていて突撃はないだろう」
「流石に敵も馬鹿じゃない。死ぬって分かっていて突撃はないだろう」
足滿使用了屬於常見氣體但能致命的物質,然而靠那招能處理的最多也只有一千到二千人。
足満はありふれた気体だが致命の毒ともなるものを使ったが、それで始末出来たのはせいぜい1000から2000だ。
世上有些日常充斥的東西,經過加工就能瞬間變成對人體致命的毒氣。
世の中には日常に溢れているものに手を加えれば、一瞬にして人体に危険な毒ガスへ変貌する事もある。
例如人類存活需依賴氧氣,其濃度大約維持在21%左右。
たとえば人間が生きていく上で酸素は必要だが、その濃度は21%辺りが維持されている。
若比這更低或更高,人體都會受到影響;若氧氣濃度降到6%,會瞬間昏厥、呼吸停止並在六分鐘內死亡。
これ以上低くなっても、高くなっても人体には一定の影響が出てくる。もしも酸素濃度が6%になれば瞬時に昏倒し、呼吸停止が起き六分で死に至る。
他所用的東西也接近那種狀態。
彼の行ったものもそれに近かった。
無臭且比空氣比重更重,若製造出危險狀態的環境,人類就無能為力。
無臭で空気より比重が重く、危険な状態の環境を作れば人間は何も出来ない。
不過缺點是足滿的攻擊範圍狹窄,因為選用了會隨時間與空氣中氧氣結合而失去毒性的物質,最多也只有約十公尺半徑。
ただし欠点として足満の行った攻撃は範囲が狭かった。時間が経ち、空気中の酸素と結合して無毒化してしまうものを選んだ為、よくて半径10m程度だった。
即便如此效果仍然驚人,連試圖救助突然倒地者的人也被波及。
それでも効果は絶大で、突然倒れたものを助けようとしたものまで巻き添えにした。
特地將陣地要塞化,部分原因是作為誘敵前來集結的佈局。
わざわざ要塞化したのも、攻めてくる敵兵を集める為の布石にするのが理由の一つだ。
當然,從提升防禦力的角度來看,要塞化也是必要的。
無論、防衛力を高めるという意味でも、要塞化は必要であった。
「こちらも余裕はない。しばらく防衛に徹して、比叡山の方で動く事を期待しよう」
「こちらも余裕はない。しばらく防衛に徹して、比叡山の方で動く事を期待しよう」
將長島一向一揆眾釘住並堅守,盼信長在此期間能達成和睦。
長島一向一揆衆を釘付けにした状態で耐え、その間に信長が和睦にこぎ着ける。
這就是足滿的計畫;既然人數差距無論如何填補不了,唯一選擇就是挺住。
それが足満の作戦であった。どうあっても数の差は埋められない以上、耐え切る以外に選択肢はない。
火箭煙火、煙幕彈、辣椒素炸彈等若是對付一般足輕都能使用,但他們是無畏死亡的亡兵,對他們而言死亡只不過是前往極樂的過程。
ロケット花火も煙幕弾もカプサイシン爆弾も、相手が通常の足軽なら使用出来る。しかし彼らは死をも恐れぬ死兵であり、彼らにとって死は極楽へ行くためのプロセスに過ぎない。
此外,一向宗門徒是以佛教信仰凝聚的團體;只要他們不放棄信仰,即便戰敗、即便他們所在的國家滅亡,也絕不會屈服。
更に一向宗門徒は仏教という宗教によって結束している集団だ。彼らが信仰を捨てない限り、戦いに敗れようとも、自分たちのいる国が滅びようとも、屈服する事は決してない。
要對付一向宗門徒,唯一的方法就是迅速奪取他們的生命,逐步減少他們的人數。
一向宗門徒をどうにかするには唯一つ、速やかに彼らの命を奪い、その数を減らしていく以外にない。
(……若以兩敗俱傷可以接受,是有辦法,但即便信長想要使用那招,也得等上一年)
(……痛み分けで良ければ方法はあるが、もし信長があれを使おうとしても、一年は待つ必要があるな)
足滿知道一種在短短一天內殲滅長島一向一揆眾的方法。
足満には僅か一日で長島一向一揆衆を全滅させる方法を知っている。
那並非毒氣或危險氣體,而是更直接的暴力。信長已經擁有那種武器,問題只是何時扣下扳機。
それは毒ガスや危険な気体ではなく、もっと直接的な暴力だ。そして信長はその武器を既に手にしている。問題はいつ引き金をひくかだけだ。
「足滿大人,有一位使者從一揆那邊來了」
「足満様、一揆衆から使者が来ております」
「斬了他去」
「斬り捨ててこい」
「遵命」
「はっ」
聯絡兵不知是否從一開始就知道答案,處理得如行雲流水般。
連絡兵も最初から回答が分かっていたのか、流れるような対応だった。
沒多久便聽見那使者的慘叫聲,但兩人卻沒表現出太多在意,只是思索敵方可能採取的戰法該如何應對。
少しして使者の悲鳴が聞こえた二人だが、大して気に留める素振りも無く敵が取り得る戦法への対処を考える。
「既然不知對方會如何出手,暫時只能監視了吧」
「相手の出方が分からない以上、暫く監視しかないか」
兩人最終認為除了監視別無有效之策,於是同意加強監視的方針。
結局、監視以外に有効な手だてがないと理解した二人は、監視を強化する方針で合意した。
長島一向一揆眾再也無法比現在更進一步侵入尾張。
長島一向一揆衆は今以上に、尾張へ侵攻する事が出来なかった。
甦醒過來的三好三人衆攻下瓦林與茨木城以振奮士氣,但仍有其極限。
息を吹き返した三好三人衆は、瓦林・茨木城を攻略して気勢を上げたが、それでも限界というものはあった。
若被信長從背後包抄,他們會立刻陷入孤立。既然協作體制不穩,只要魯莽行事就只會自取滅亡。
もし信長に背後へ回りこまれたら、彼らはたちまち孤立する事となる。協力体制が不安定な状態である以上、無茶をすれば自滅するだけの話だ。
長島一向一揆衆亦同理。尾張有受命負責國防的兵士散布各處。
そしてそれは長島一向一揆衆も同様だった。尾張には国防を任された兵士たちが各地にいる。
若無視小木江城而向內部挺進,將會被國防兵分割而斷裂。
もし小木江城を無視して奥へ進めば、国防の兵士たちによって分断される。
只要有能指揮軍務的人在美濃與尾張,那絕非幻想之事。
軍の指揮が可能な人間が美濃・尾張にいる以上、それは決して夢物語ではなかった。
要解決問題只能攻略小木江城,但小木江城有著超乎想像的防禦力,並非易事。
どうにかするには小木江城を攻略するしかないが、想像を絶する防御力の小木江城攻略はそう簡単な話ではない。
人最怕的是無意義的死亡。
人間は無意味な死を最も恐れる。
既然一向一揆眾知道接近就會死,便無法進行無意義的突擊。
近づけば死ぬ事を一向一揆衆たちが認識している以上、無意味な突撃は出来ない。
因為一向宗念誦南無阿彌陀佛並不代表所有人都會成為不懼死亡的死兵。
それは一向宗が南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)を唱え、死を恐れぬ死兵に全員がなるわけではないからだ。
史實上信長大屠殺一向宗門徒時,其他門徒也因畏懼織田軍而隱匿不敢造次。
史実でも信長が一向宗門徒を皆殺しにした時、他の門徒衆は織田軍に反抗する事への恐怖を覚えてなりを潜めた。
因此,理解死亡恐懼的長島一向一揆眾在小木江城面前束手無策。
故に死の恐怖を理解した長島一向一揆衆は、小木江城を前に手をこまねいていた。
比叡山與信長,長島一向一揆眾與小木江城守備隊。
比叡山と信長、長島一向一揆衆と小木江城の守備隊。
雙方都陷入膠著,行動受限的信長為打破現狀,改為消滅各地小型反織田勢力的作戰。
どちらも膠着状態に陥り、長引く包囲戦に身動きが取れなくなった信長は、この状態を打破するべく、各地にいる小さな反織田勢力を壊滅する作戦へ切り替える。
首先,他命令在小木江城的長可兵二千再增備一千,去殲滅與近江一向門徒勾結的六角勢。
まず小木江城にいる長可の兵2000に予備1000を追加し、近江の一向門徒と結託した六角勢を壊滅するように命じた。
他們封鎖了美濃與京的交通,補給線被切斷的情況不可忽視。
彼らは美濃と京の交通を遮断しており、補給路が絶たれる事態は見過ごせなかった。
坐鎮橫山城的秀吉與丹羽也出兵討伐那些封鎖美濃與京交通的一向門徒;逼近京城的三好三人衆則由和田惟政奮力抵擋。
横山城にいる秀吉と丹羽も、美濃と京の交通を遮断している一向門徒を壊滅するべく討って出た。京に迫る三好三人衆は和田惟政が奮戦して食い止めていた。
部署於瀨田與草津間的德川援軍中,本多忠勝與榊原康政等主力正與六角勢發生小規模衝突。
瀬田・草津間に展開した徳川の援軍には、本多忠勝や榊原康政など主力級が六角勢と小競り合いを行っていた。
信長分別給慶次與才藏各一千預備兵,派他們前去支援德川。
慶次と才蔵にそれぞれ1000の予備兵を与え、徳川に助力すべく信長は彼らを派遣をした。
但出乎信長預料,靜子率領五十名弓騎兵與慶次等人一同出陣。
しかしここで信長の予想に反して、静子が弓騎兵隊50名を従え慶次たちと共に出陣した。
雖急忙欲阻止,卻被靜子一句「國家存亡之際,不能安然睡去」所逼得無言以對。
慌てて止めようとするが『国家の危機に安穏と寝ていられません』という静子の言葉に、信長は返答に窮した。
最後召集負責國防的人手給予約五百兵力,默許她出陣。
結局、国防を担う人間を集めて兵力を500ほど与え、彼女の出陣を黙認する事にした。
美濃與尾張的防守減弱,但信長無法忽視反織田烽火接連起事。
美濃・尾張の守備力は弱まったが、信長は反織田の烽火が連なるのを無視出来なかった。
長可表現出驚人的戰功;他以近乎魔鬼的直覺感知敵動,再憑豐富的智謀高效率地殲滅六角勢。
長可は目覚ましい活躍を見せた。彼は悪魔的な直感力で敵の動きを察知し、豊富な知力を持って効率的に六角勢を潰した。
那場徹底殲滅戰不僅敵人,連我方的一千預備兵也為之顫慄。
その徹底的な殲滅戦に敵はもちろんの事、味方の予備兵1000までが恐怖に震えた。
十一月上旬出陣的秀吉等人在十六日之前驅逐一向門徒與六角勢,恢復了交通。
十一月上旬に出陣した秀吉たちは、十六日までに一向門徒や六角勢を駆逐し、交通を回復させた。
處於援軍之援軍這微妙立場的靜子等人與德川順利會合後,立即著手剿滅六角勢與小勢力。
援軍の徳川軍の援軍というややこしい立場の静子たちは、無事彼らと合流すると、すぐさま六角勢や小勢力を潰すべく動いた。
認為分為兩隊行動比集中行動更有效率,他們遂分為兩路。
固まって動くより二部隊に分かれて動く方が効率的と考え、彼らはふた手に分かれる。
反映出令人咋舌的忠勝強烈意向,分成靜子、忠勝與半藏一組,慶次、才藏與康政一組,剩餘人手則留守陣地防守。
なお周囲が引くほどの忠勝の強い意向を反映し、静子と忠勝と半蔵、慶次と才蔵と康政の二組に分かれ、残りを陣の防衛に当てた。
慶次等人對讓靜子獨自一人感到不安,但眼下已無餘地多言。
静子を一人にさせる事に慶次たちは不安を覚えたが、今は四の五の言える状況ではなかった。
「忽略雜兵,徹底鎖定部隊長」
「雑兵は無視して、部隊長を徹底的に狙うよ」
如同靜子的宣言,完全不攻擊雜兵,而是徹底瞄準部隊長。即使想逃跑躲藏,也會在距離火繩銃標準射程五十米以外被狙擊,故他們無從應對。
静子の宣言通り、雑兵は全く狙わず部隊長を徹底的に狙った。逃げ隠れしようにも火縄銃の標準射程距離である50mを超える位置から狙撃される為、彼らには対応する事が出来なかった。
「嗚哇啊啊啊啊啊!!休想阻撓我!!」
「うおおおおおおおおおお!!!! 某の邪魔はさせんぞ!!」
氣勢逼人的忠勝如字面般連續斬過敵人,無人能擋。
覇気溢れる忠勝は敵を文字通り撫で斬りし続け、誰も手がつけられなかった。
一發現六角勢,他通常第一個衝鋒,忠勝的兵因此被帶入敵陣正中央,靜子與半藏負責跟上支援,成了慣例。
六角勢を発見すると大抵彼が最初に突撃し、それに引っ張られて忠勝の兵が敵陣の真っただ中に突っ込み、静子と半蔵がそれをフォローするのが定番だった。
因此半藏多少有餘裕觀察靜子,但同時對忠勝的行動感到無奈。
そのおかげで半蔵は静子を観察する余裕がいくぶん持てたが、同時に忠勝の行動に呆れていた。
(弓術出眾,指揮能力也不差。但從一開始就放棄武功,只專注於取勝的作風很不尋常。果如殿所言,並非她周遭的人不同,而是她本身異於常人,所以才會聚集同樣異質的人吧。)
(弓の腕は優れ、指揮能力も悪くない。だが最初から武勲を捨て、勝つ事だけに集中している様は異質だ。やはり殿の言う通り、彼女の周りが異質ではなく、彼女が異質だからこそ同じように異質な人間が集まるのか)
「右側敵軍有突擊的跡象。向他們齊發牽制箭,打亂他們的出擊節奏」
「右側の敵に突撃の気配がある。牽制の矢を一斉掃射し、彼らの出鼻を挫くよ」
(……直覺奇佳,卻對平八郎殿的傾慕渾然不覺,真是可憐,平八郎殿。既有同情卻無法同感。)
(……妙に勘が良いが、平八郎殿の懸想には気付かない鈍感さがある。哀れ、平八郎殿。同情はするが共感はせぬぞ)
於是停止深思的半藏把心思轉為殲滅六角軍。
そこで思考する事を止めた半蔵は、六角勢の壊滅に頭を切り替えた。
「我們在靜子殿掃射後向敵右側突擊!靜子殿,請給出信號!」
「我々は静子殿の掃射後、敵の右側へ突撃する! 静子殿、合図をよろしく頼む!」
「明白了……好,現在開始掃射!」
「分かりました……よし、今よ掃射開始!」
片刻之後,靜子一聲令下,箭雨便集中射向敵陣右側。
少しして静子が号令を出すと同時、矢の雨が敵陣の右側へ集中的に放たれる。
在絕佳時機遭受掃射的敵兵,被打亂突擊的開端,四處慌亂。
これ以上ないタイミングで掃射を受けた敵兵は、突撃の出鼻を挫かれて右往左往する。
「衝啊,開始突擊——!」
「行くぞ、突撃開始ー!」
在突然的側擊中混亂之際,半藏率兵斬入。敵人在還在重整部隊時便遭到突襲,已無法進行有組織的反擊。
突然の横撃に混乱するさ中、半蔵が兵を率いて斬り込む。部隊を立て直している最中に突撃を受け、もはや敵は組織だった反撃をすることが叶わなかった。
不久戰局定下,六角勢及各小勢力的反織田軍陷入殲滅。僥倖逃脫者亦被半藏追擊殆盡,喪命無數。
まもなく合戦の雌雄は決し、六角勢や小勢力による反織田軍は壊滅状態となる。辛うじて逃亡した者も半蔵の追撃を受け尽く命を落としていった。
「已經壓制得差不多了」
「だいぶ制圧出来たな」
用過晚餐的慶次一邊把玩煙管一邊低喃。靜子與才蔵,以及德川軍的忠勝、半藏、康政聽後點了點頭。
夕餉を取り終えた慶次が、口で煙管を弄びながら呟く。彼の言葉に静子と才蔵、そして徳川軍の忠勝、半蔵、康政は頷く。
近江六角氏的勢力可說已然瀕臨滅亡。眾多武將被討取,原本就稀少的兵力大半喪失,現已難以維繫軍務。
近江六角氏の勢力はもはや滅亡寸前と言っても過言ではない。多数の武将が討ち取られ、元々少ない兵の多くが失われ、今や軍を維持することすら困難な状態だ。
察覺到武將與兵力稀少,織田・德川聯軍將兩軍體制改為四軍體制,向各地反織田勢力施壓鎮壓。
武将や兵が少ない事に目をつけた織田・徳川連合軍は、2軍体制を4軍体制に変更し、各地の反織田勢力を鎮圧していった。
一旦細分,六角方只能在進一步分散本就稀少的兵力或放棄據點之間作二選一。
細分化されると六角側は少ない兵を更に分けるか、それとも拠点を見捨てるかの二択しかない。
若六角氏放棄據點,織田・德川聯軍的勝利便無可動搖,因為在無援軍到來的情況下,無人會死守據點。
六角氏が拠点を見捨てれば、もはや織田・徳川連合軍の勝利は揺るがない。援軍のこない状況で拠点を死守する者はいないからだ。
接下來只需寄去寫有以下內容的短勸告書到各據點即可。
後は以下の文を書いた短い勧告文を拠点に送りつければ良い。
「服從或死亡,選擇那個不會後悔的一方」
『服従か、それとも死か、後悔しない方を選べ』
對於這樣簡單的勸告文,協助六角家的國人們立刻明白了:他們的命運已被織田・德川聯軍掌握。
単純な勧告文に、六角家に協力している国人たちは即座に理解した。もはや自分たちの命運は、織田・徳川連合軍に握られている状態だという事を。
結果,被拋棄的據點全部投降,並保證今後不再協助反織田聯軍。
結局、見捨てられた拠点は全て降伏し、以降反織田連合軍に協力しない事を確約させた。
因為自保而放棄據點,出現了背離六角家的叛離者,其中就有曾給予大量支援的甲賀衆。
我が身可愛さに拠点を見捨てた事で、六角家から離反する者が出てきた。その中に今まで多大な支援をしていた甲賀衆もいた。
隨著家臣接連倒向聯軍,曾經稱霸南近江的六角家威光今已衰落得不成樣子。
家臣が次々と連合軍に寝返った事で、かつて南近江の雄であった六角家の威光は、今は見る影もないほど凋落した。
然而反織田勢力攻勢猛烈,織田軍情勢毫無好轉跡象。
しかし反織田勢力の猛攻は激しく、織田軍の状況が良くなる兆しは一向に見えなかった。
織田軍在各地奮力剿滅反抗勢力,但情勢只見惡化。
各地で反織田勢力を潰さんと奮闘する織田軍だが、情勢は悪化する一方だった。
到了十一月底仍盤據比叡山的淺井・朝倉軍未見投降,且各地反織田勢力勢力愈發擴大。
十一月末になっても比叡山に篭った浅井・朝倉軍は降伏する様子を見せず、各地の反織田勢力も勢いを増す一方だ。
若狹地區曾一度失勢的武田信方復權後,在大飯郡與遠敷郡掀起了反織田勢力的反撲。
若狭では一時失脚していた武田信方が復権すると、大飯郡や遠敷郡で反織田勢力が巻き返しに出た。
原本打算在十一月二十五日鞏固作為物資樞紐的堅田,卻在十一月二十六日遭到從比叡山出擊的淺井・朝倉聯軍。
物流の拠点である堅田を十一月二十五日に固めんとするも、十一月二十六日に浅井・朝倉連合軍が比叡山から討って出てきた。
戰鬥成為一場激戰,雖然前波景當被反擊,但織田軍失去了坂井正尚與安藤右衛門佐而陷入潰滅。
合戦は大激戦となり、前波景当を返り討ちにするも、織田軍は坂井正尚や安藤右衛門佐が討ち取られ織田軍は壊滅した。
堅田的豬飼昇貞、居初又次郎、馬場孫次郎曾內通信長,但因堅田之戰失利,他們捨棄堅田渡過琵琶湖逃亡。
堅田の猪飼昇貞、居初又次郎、馬場孫次郎が信長に内通したが、堅田の戦いで敗北した事により彼らは堅田を捨て琵琶湖を渡って逃走した。
圍困持續了超過兩個月,但情勢仍不樂觀。
二ヶ月以上包囲は続けられたが、依然として状況は芳しくない。
認為再繼續作戰已無可為,信長於十一月三十日動用朝廷與義昭策劃講和。
これ以上の継戦は限界と判断した信長は、十一月三十日に朝廷と義昭を動かして講和を画策した。
此時濃姬也憑形勢判斷信長將走向和議,便以仁比賣之名向朝廷進言。
この時、濃姫も状況から信長が和睦に走ると考え、仁比売の名を使って朝廷へ働きかけた。
朝廷記憶猶新於應仁之亂與其後地方叛亂等戰火,遂出手欲制止織田軍與反織田勢力的戰事。
応仁の乱やその後の地方で勃発した乱戦など、戦火の記憶が残っている朝廷は織田軍と反織田勢力の合戦を止めるべく動き出す。
前久也為了阻止反織田聯合,巧妙地挑唆京中的有力者,並在反織田聯合內部製造對續戰抱否定態度的氛圍。
前久もまた反織田連合を止めるべく、京の有力者たちを巧みにそそのかし、反織田連合の中に継戦に対して否定的な空気を作る。
對續戰感到不安的朝倉迅速接受了義昭的提議。延曆寺雖然一直反對和睦,但在朝廷下達綸旨後也不情願地接受了。
継戦に不安を持っていた朝倉はいち早く義昭の提案を受け入れた。最後まで和睦に反対していた延暦寺だが、朝廷から綸旨(りんじ)が下された事で渋々ながらも受け入れた。
十二月十三日,信長在三井寺與朝倉締結和議,並在朝倉氏築的壺笠山城交換人質。
十二月十三日に三井寺で信長は朝倉と和議を締結し、朝倉氏が築いた壺笠山城で人質の交換を行った。
此時,信長向義景遞了幾封起請文,其中據說寫有「天下歸朝倉殿,吾再不求天下」。
この時、信長は数通の起請文を義景に差し出し、その中に「天下は朝倉殿に、我二度と天下を望まず」と書いたとされる。
但身處幕府體制並受義昭擁戴的信長,並無資格寫下「不求天下」這種字眼,頂多也就是帶有「不問京事」之類的涵義吧。
しかし幕府体制と義昭の推戴の下にいた信長には、「天下を望まず」と書ける立場ではない為、よくて「京を望まず」ぐらいのニュアンスであろう。
信長有時可拋棄恥與面子,寫這種東西來討好對方對他來說是輕而易舉的事。
時には恥も外聞も捨てられる信長なら、この程度を書いて相手をおだてるぐらいの事は平気でする。
把近江北郡三分之一給淺井、三分之二給信長的方案,以及在人質交換於朝倉築的城中進行,對於若不脫離危機就沒有明天的信長而言,根本無從反對,他把自尊拋諸腦後泰然接受了。
近江北郡の3分の1を浅井、3分の2を信長とする案も、人質交換を朝倉の築いた城で行う事も、危機を脱しなければ明日がない信長には異論などあるはずもなく、矜持を道端に捨てて平然と受け入れた。
隔日十四日,信長即刻撤營,在大雪中返回岐阜。
翌十四日にすぐさま陣を払った信長は、大雪が降る中岐阜へ戻る。
各地分散的反織田聯合所對應的軍隊,也跟著信長撤營,返回美濃與尾張。
各地に散らばった反織田連合に対応する軍も、信長に続くように陣を払って美濃や尾張へ戻る。
淺井與朝倉則較晚撤兵回本據地。本願寺與延曆寺也收到山門安堵的綸旨後撤兵。
遅れて浅井・朝倉も陣を払い本拠地へ撤退した。本願寺や延暦寺も山門安堵の綸旨を受けて兵を引いた。
至此,信長成功度過被稱為元龜元年兩大戰役——「野田·福島之戰」與「志賀之陣」——的生死危機。
ここに信長の生涯において、絶体絶命の危機とまで言われた元亀元年の二大合戦「野田・福島の合戦」と「志賀の陣」を乗り越える事に成功した。
然而由信長驕慢招致的這兩場大戰,留下的傷痕並非那麼容易消失。
しかし信長の慢心が招いたこの二大合戦は、そう簡単には消えない傷跡を残した。
失去了大量兵力與許多家臣,好幾座城池被攻陷,並出現大量離反者。
多くの兵を失い、家臣を多数失い、幾つもの城が落とされ、大量の離反者を出してしまった。
各地反織田勢力勢力增強,認為織田家將被滅者中出現了離反者;若任其發展,織田軍將持續出現離反者。
各地で反織田勢力は勢いを増し、その勢いに織田家が滅ぶと考えた者の中から離反者は出てきた。このまま放置すれば、織田軍は今後も離反者が出てくる事になる。
即便了解此事,信長仍給予家臣們一定的休息。
それを理解しつつも信長は、家臣たちに一定の休息を与えた。
他又捐獻供養米以悼念戰死者,並給受傷的家臣們寄去慰問書信。
また戦死者を弔うために供養米を寄進し、負傷した家臣たちへ見舞いの書状を送った。
部分原本服從的家臣,可能因親眼見到織田軍意外的軟弱,開始不繳稅並將一部分收入私吞以肥自己的私庫。
今まで服従していた家臣たちの一部が、織田軍の意外な弱さを目の当たりにした為か税を納めず、一部を懐に入れて私服を肥やそうとし始めた。
信長則毫不留情懲罰地侍,既贏回百姓信任,也壓制住因政治不安而生的治安惡化。
これに対して信長は地侍を容赦なく懲罰し、百姓たちへの信頼を勝ち取ると共に政治的な不安から発生する治安悪化を押さえ込んだ。
「南蠻的馬真大啊」
「南蛮の馬は大きいな」
內政安定後,信長來視察靜子引進的五十匹阿拉伯種馬。
内政が落ち着いた頃、信長は静子が輸入したアラブ種50頭の視察にやってきた。
阿拉伯馬體高約150公分,比日本的木曾馬等平均130公分高出約20公分。
アラブ種は体高が約150cmで、日本にいる木曽馬などの平均130cmと比べて20cmも高い。
即便木曾馬中也有達145公分等異常高的馬,但大多數仍落在130公分出頭。
木曽馬でも145cmなど異常に高い馬も存在するが、大抵は130cm代が多い。
「您要騎馬嗎?」
「ご乗馬されますか?」
「嗯,準備好」
「うむ、準備せよ」
信長向靜子下達指示,卻發現她已經準備好了,馬很快就被牽了出來。
信長は静子に指示を出すが、彼女は既に準備は終えていたのですぐに馬が出てきた。
他瀟灑跨上馬背,輕撫馬頸。身為茶具收藏家也是馬匹收藏家的信長,一見就喜歡上這種阿拉伯馬。
颯爽と馬に跨ると、彼は馬の首を優しく撫でる。茶器コレクターであり、馬コレクターでもある信長は、アラブ種を一目で気に入った。
(啊,應該會說「把一匹送來給我」吧)
(あ、多分一頭寄越せって言うよね、これ)
看著跨馬的信長臉色,靜子預測接下來他會說的話。讓馬走一會兒、稍微快跑一下後,信長便如她所料開口了。
馬に跨った信長の顔を見て、静子は次に言う信長の言葉を予測する。暫く歩かせたり、少し走らせたりした後、信長は静子に予想通りの言葉を放った。
「喜歡,把一匹送到我這裡來」
「気に入った。わしの所へ一頭回せ」
果然如她所料,信長想要一匹馬。為免擅自挑選惹他不悅,靜子決定讓信長親自挑選。
案の定、彼女の予想通り信長は馬を一頭欲しがった。勝手に選ぶと機嫌を損ねると思った静子は、信長に欲しい馬を選んで貰う事にした。
逐一細看後,信長選定了一匹雄馬。雖然體高148公分,比平均略矮,但在阿拉伯種中牠的腿最粗壯。
一頭ずつじっくり観察した後、信長は一頭の雄馬を選んだ。体高148cmと平均より少し低めだが、アラブ種の中で一番足が太かった。
「我喜歡這匹」
「こやつが気に入った」
「明白了,我會準備馬具」
「分かりました。馬具をご用意致します」
作為軍馬使用的木曾馬與阿拉伯種在體高、腿的粗細等上有差異。
軍馬として使用されている木曽馬とアラブ種では、体高や足の太さなどが違う。
此外阿拉伯種是賽馬種與英阿混種的來源,因此自然更適合使用騎乘用的馬具。
またアラブ種はサラブレッドやアングロアラブの元である為、必然的に乗馬で使う馬具の方が向いている。
從牛仔使用的西式鞍、馬嚼子、固定之頭絡、韁繩、護蹄(即蹄鐵)等,馬具之數不勝枚舉。
カウボーイたちが使っていたウエスタン式の鞍や馬銜(はみ)、それを固定する頭絡(とうらく)、手綱(たづな)、護蹄(ごてい)(蹄鉄(ていてつ)の事)など馬具の数は枚挙にいとまがない。
但裝上馬具能提升馬的運動能力、讓外觀更佳,也讓騎馬奔馳的信長更顯威風。
だが馬具をつける事で馬の運動能力が向上し、見栄えが良くなり、馬で駆ける信長が栄える。
問題在於馬具的材料費相當可觀。尤其是鞍為了長時間騎乘也不易疲勞,其結構大量使用鹿皮。換言之,僅馬具就投入了巨額資金。
問題は馬具の材料費が馬鹿にならない事だ。特に鞍は長時間乗っていても疲労しないような構造にする為、鹿の革を大量に使用している。つまり馬具だけでも大金が投入されているのだ。
「這次又是失態」
「此度も失態だった」
兩人並列著馬行走時起初沈默,過了一會兒信長開口了。
馬を並べて歩かせる二人は最初こそ無言だったが、暫くして信長が口を開いた。
那是不可以讓他人聽到的自語。他作為織田家的當主,不被允許洩露弱音。
それは他人に聞かせられない独り言だった。彼は織田家当主として、弱音を吐く事は許されなかった。
一旦洩露弱音,現有的家臣團就會全面崩潰,織田家將從歷史中消失。
弱音を吐けば今の家臣団は総崩れとなり、織田家は歴史から消え去る事となる。
但凡事總有例外。對於信長來說,竟有少數可以允許他抱怨或吐露弱音的人,其中一位便是靜子。
だが何事にも例外はつきものだ。その愚痴や弱音を吐いても、許される相手が僅かながら信長にはいた。その内の一人が静子だ。
「大多數家臣都在離反,高舉反織田之旗。當我順風順水時,他們諂媚奉承;一旦我失勢,就翻臉無情。真是讓人對這些渣滓作嘔。」
「家臣の多くは離反し、反織田を掲げておる。わしが順風満帆の時はおべっかを使い、失墜しかけたら手のひらを返しおる。まっこと屑どもには反吐が出るわ」
「正因為知道不幸,才能真切感受幸運。館主大人,為了那些渣滓浪費時間實在可惜。此刻就算處於劣勢,也要細細品味仍然盡忠職守的義臣所帶來的『幸運』。也該為那些幾乎不做事的渣滓快快消失這件『幸運』而高興。」
「不幸を知るからこそ幸運を実感出来ます。お館様、そんな屑たちの為に時間を使うのは勿体のうございます。今はこの劣勢でも忠義を尽くす、義臣がいる『幸運』を噛み締めましょう。そして大して働きもしない屑が、さっさと消えてくれた『幸運』を喜びましょう」
「……呼、呼哈哈哈哈!!! 是啊,正如你所言。那些無用的渣滓自己跑去敵對了。也就是說,我有了無須顧忌地滅掉他們的正當理由了嗎?」
「……ふ、ふははははは!!! そうだな、貴様の言う通りだ。役に立たぬ屑どもが勝手に敵対してくれたのだ。わしは遠慮なしに奴らを滅ぼせる大義名分がある、という事か」
信長對靜子的話愣了一瞬,但下一刻就張口大笑。
静子の言葉に一瞬きょとんとした信長だが、次の瞬間口を開けて笑った。
他明白自己的煩惱是多麼可笑、多麼微不足道。敵對盡管來吧,這種情況下離去的家臣毫無用處,他毫不猶豫地將其斬斷。
自分の悩みが馬鹿らしく、そしていかに小さい事か理解したのだ。敵対結構、この状態で離れていく家臣など何の役にも立たない、と迷いなく切り捨てられた。
「你看似遲鈍,卻偶爾會說出鋒利的話。正因如此很有趣……但我有一件事在意。」
「貴様は抜けているようで、たまに鋭い事を言う。だからこそ面白い……しかしわしは一つだけ気になっておる」
「嗯? 是什麼呢?」
「はい? 何がでしょうか」
「你來到我身邊以來,從未親手殺過人。我本以為那或許是你的矜持,然而在此次戰鬥中你徹底討取了武將。你知道嗎?你的弓騎兵部隊還被冠上『武將殺手』的綽號。回到原題,你害怕殺人嗎?還是……後悔了?」
「貴様はわしの元に来てから、一度として人を殺めておらぬ。それが貴様の矜持かとも思ったが、此度の戦いで貴様は徹底的に武将を討ち取った。知っておるか? 貴様の弓騎兵隊は『武将殺し』の異名がついておる。話を戻そうか、貴様は人を殺めた事を恐れたか? それとも……後悔したか?」
「……這只是我的個人想法,但我不是會後悔的人。」
「……これは私の個人的な考えですが、私は後悔しない人間なのです」
靜子對信長的話無力地笑了笑。她直視前方,眼神像是望向遙遠天際般,繼續說道。
信長の言葉に静子は力なく笑う。彼女はまっすぐ前を見ると、遠い空の向こうに見るような目で言葉を続ける。
「我只是實踐當下我認為最為適切的道路。因此走完那條路後,不會回頭後悔或懼怕。即便我所選之路造成了最壞的結局……也是如此。」
「その場で私が最適だと思った道を、ただ実践しているだけなのです。だからその道を歩き終えた後、振り返って後悔したり恐れたりする事はありません。例え私が選んだ道のせいで、最悪の結末を生んだとしても……です」
「……」
「……」
「此外,後悔等同於否定當時的自己的一切。即便後悔也不會改變任何事、也不會產生任何東西……那麼反過來,回顧不成熟時的失誤、思考失敗的原因,並將之用於下一次才更為重要。不,這是選擇那條路之人的義務。」
「それに後悔するのは、その時の自分の全てを否定する事と同じです。後悔したって何も変わらない、何も生まれない……ならば未熟な自分の失態を振り返り、失敗の原因を考え、それを次に活かそうとする方が大事です。いえ……その道を選んだ者としての義務です」
「用那樣痛苦的語調說話並沒有說服力喔。」
「そんな辛そうな声で言っても説得力はないぞ」
正如信長所言,靜子發出了連她自己都未察覺的悲痛聲音。
信長の言う通り、静子は自分でも気付かないほど悲痛な声を出していた。
被指出後她終於注意到,於是用手捂住了嘴。
指摘されて彼女はようやく気付き、口元を手で隠した。
「……我有織田家當主的責任。不能輕易只對你溫柔。因此,當感到辛苦時要依靠同伴。你已不再是孤身一人。即便你不是這世上的人,也當如此。與能借你一肩的朋友一同前行。」
「……わしには織田家当主としての責務がある。安易に貴様だけを優しくは出来ぬ。だから、辛くなったら仲間を頼れ。貴様はもう一人ではない。例え貴様がこの世の人間ではないとしてもだ。だから肩を貸せる友と共に歩め」
「是的……」
「はい……」
「好了,這些悲涼的話就到此為止。去吃點好吃的東西,恢復精力吧。」
「さて滲みったれた話は終いじゃ。何か旨いものでも食べて、英気を養うとするか」
「……請問個不合適的問題,難道要做料理的是我嗎?」
「……付かぬことをお伺いしますが、まさか料理を作るのって私じゃないですよね?」
「若不快些回去,跟隨的小姓們會擔心的。」
「早く戻らぬと小姓たちが心配するな」
話音未落,信長便策馬疾馳朝馬廄而去。
言うやいなや、信長は馬を走らせて馬小屋を目指した。
對信長的行動露出茫然表情的靜子,在理解到的一瞬間向信長大喊。
信長の行動に呆けた顔をした静子だが、理解が追いついた瞬間、信長に向かって叫んだ。
「咦——剛才那股肅穆的氣氛去哪了!?等、等等館主大人——!!!聽得到嗎——!!請趕快雇個外出用的廚師吧——!!」
「あれー、さっきまでの神妙な空気は!? ってちょ、ちょっとお館様ーーーー!!! 聞こえていますかーーー!! いい加減、外出用の料理人を雇ってくださいーー!!」
靜子的叫聲在冬日的天空中淒然回蕩。
冬の空に静子の叫び声が虚しく響き渡った。
織田軍因反織田聯合所築的包圍網而在大規模作戰中失敗,並遭遇大量離反者,嘗到了屈辱。
織田軍は反織田連合が作る包囲網によって大規模作戦に失敗し、更に多数の離反者を出すという屈辱を味わった。
見到在政治與軍事上皆遭重創的織田軍,有些人開始趁勢而起。
政治的にも軍事的にも大敗を喫した織田軍を見て、調子に乗り出した輩が出始める。
其中首當其衝的是現任將軍義昭。他一知道織田軍的弱點,就試圖脫離信長的影響,聯合各地的反織田勢力,欲將織田的包圍網築得更為牢固。
その筆頭が現将軍である義昭だった。彼は織田軍の弱さを知るやいなや、信長の影響下から脱そうと各地にいる反織田勢力を糾合し、織田包囲網を強固に敷こうとした。
但他若非因為信長便無法成為將軍,亦缺乏相應的權威與威嚴。
だが彼は信長がいなければ将軍になれなかった上に、それらしい権威や迫力がない。
本願寺與延曆寺對他並無須服從的義務或情面。淺井與朝倉亦然,小型的反織田勢力也不覺得有必要特意聯合。
本願寺や延暦寺は彼に従う義務や義理がなかった。浅井や朝倉も同様の上に、小さな反織田勢力もわざわざ結託する必要を感じなかった。
但看著毫無凝聚力、且不情願地結成的反織田聯合,義昭誤以為信長就此完了。
だが碌なまとまりがなく、嫌々ながら結託した反織田連合を見て、義昭は信長もこれで終わりと勘違いした。
他向各地的反織田勢力發出檄文『討伐織田!』,試圖增加反織田勢力的數量,卻因各方衡量風險與報酬大多半信半疑。
彼は各地の反織田勢力に『織田を討て!』と檄文を出し、反織田勢力を今以上に増やそうとしたが、どの勢力もリスクとリターンを考慮し、話半分に聞いていた。
當義昭散布密書之際,信長正忙於應對發生在國境附近的人口綁架未遂事件。
義昭が密書をばら撒いている頃、信長は国境付近で起こる人攫い未遂事件の対応に追われていた。
那些人先前畏懼織田軍,但一聽到大敗的消息便開始在織田領內進行綁架。
今までは織田軍を恐れていた彼らだが、大敗の報せを耳にするやいなや織田領での人攫いをし始めた。
幸好封鎖了關原,且在橫山城的秀吉與丹羽實施道路封鎖,所有事件才以未遂收場。
幸いにも関が原を封鎖し、横山城にいる秀吉や丹羽が道路封鎖を行った為に全て未遂で終わった。
毋庸置疑,信長對他們的蠻行大為震怒。他任命長可為討伐綁架者的隊長,並命令徹底取締。
しかし信長が彼らの蛮行に激怒した事は言うまでもない。信長は長可を人攫い征伐隊の隊長に任命すると、徹底的な取り締まりを命じた。
這一人事不僅讓綁匪們害怕,就連沒有做虧心事、走正規手續的人販子也為之顫慄。
この人事に人攫い連中は勿論、やましい事がなく正規の手続きをした人売りすら震え上がった。
說起長可,他在他們心中是那種會做出連鬼都會哭著逃跑般殘酷無情行為的武將。
長可といえば鬼も泣いて逃げるほど、残虐非道極まりない事を平気で行う武将、が彼らの共通認識だからだ。
擔心一旦被抓不知道會遭遇什麼,人販子們像蜘蛛子四散般逃走。
捕まれば何をされるか分からない、と考えた人攫い連中は蜘蛛の子を散らすように逃げた。
但光是逃跑並不會讓長可放過,他按照信長的期望行動:把人一個個抓回,沒收除了褌以外的一切,並進行自稱為折檻的拷問。
だが逃げた程度で長可が許すはずもなく、彼は信長の期待通りの動きをする。片っ端から捕まえては褌以外全てを没収し、その上で折檻と称した拷問を行った。
情況竟然到了被綁架的人會向長可懇求原本應該痛恨的人販子饒命為止。當然,要是長可只因此就停手,那也沒那麼麻煩。
その様は人攫いされた人間が、憎いはずの人攫いの助命を長可に願い出るほどだった。勿論、その程度で長可が止まったら苦労はしない。
就這樣,長可既執行了信長的命令,又隨心所欲行事,他的惡名讓人販子在短短一週內就平息下來。
こうして信長の命じた事を実行し、更に好き勝手した長可の悪名のお陰で人攫いは僅か一週間で沈静化した。
「嗯,我能理解,真的能理解,但希望別把抱怨送到我這裡來。」
「いや、分かるのだけどね。分かるのだけど、私の所に苦情を持ってくるのは止めて欲しい」
看過堆積如山的抗議信後,靜子把臉轉向神色不悅的長可。
積もった抗議の手紙を一見した後、静子は不快な表情の長可へ顔を向ける。
要提出抗議的人相比起去找信長或森可成,反而更容易向靜子提出,因此針對長可的抗議信集中寄到靜子那裡也無可奈何。
抗議を出す人間も、信長や森可成より静子の方が出しやすい。必然的に長可宛の抗議文が静子に集中するのは仕方なかった。
長可自己認為只是服從信長的命令,卻被這樣抗議讓他感到不快。
長可本人としては信長の命令に従っただけなのに、この様に抗議される事が不愉快だった。
「不過嘛,既然擅自拿了別人的武器,不事先談清楚的話也難以樹立規矩不是?」
「でもまぁ人の武器を勝手に持ちだした手前、こういう話をしておかないと示しが付かないしね?」
若只是單純鬧事,頂多罵幾句就結束。但長可拿走了靜子委託刀匠製作的南蠻武器,事情就不能只用罵罵了事。
単純に暴れただけなら、小言を言って終わりだ。しかし、静子が刀工に依頼した南蛮武器を長可が持ちだした事で、小言では済まなくなってしまった。
委託的武器多種多樣,有哈爾巴德、巴爾迪什、格雷イブ、桿斧、方天畫戟、古爾卡刀、戰鎌(ウォーサイス)等,但長可拿走的只有巴爾迪什與古爾卡刀兩把。
依頼した武器はハルバード、バルディッシュ、グレイブ、ポール・アックス、方天画戟、グルカナイフ、戦鎌(ウォーサイス)と多岐に渡るが、長可が持ち出したものはバルディッシュとグルカナイフの二つだ。
巴爾迪什是利用刀刃重量猛擊斬切的類型,不是給足輕那樣輕裝者用,而是用來對付西洋的重裝備對手的武器。
バルディッシュは刃の重量を生かして叩き斬るタイプで、足軽のような軽装備向けではなく、西洋の重装備相手に使う武器だ。
當然,不是拿來對付比足輕還輕裝備的人販子的武器。
当然、足軽より軽装備の人さらいに対して使うものではない。
因為揮舞會造成過度攻擊的巴爾迪什,並在難以施展的地形用鉈和古爾卡刀對人販子進行兇猛的白兵戰,兩者都被貼上了極其兇惡的武器印象。
過剰な攻撃になるバルディッシュを振り回し、使いにくい場所では鉈とグルカナイフで人さらい相手に凶猛な白兵戦をしたお陰で、両方とも極悪な武器という印象が付いてしまった。
靜子原本想把它們作為軍隊的象徵武器,卻無論如何無法抹去那兩個惡名,結果只好把它們排除在候選之外。
軍の象徴武器に使おうと考えていた静子にとって、二つの悪印象はどうやっても拭えず、対象から外す羽目となった。
之後經過慶次使用哈爾巴德、戰鎌外觀不佳等種種曲折,最終選定了施以裝飾、作為儀式用的格雷イブ——庫澤。
その後、慶次がハルバードを使ったり、戦鎌は見た目が良くないなどの紆余曲折を経て、最終的に装飾を施した儀礼用のグレイブであるクーゼが選ばれた。
「既然明白就快點結束吧。」
「分かっているなら早く済ませてくれ」
「勝藏,你話太過分了。多少替靜子大人考慮一下她的心勞吧。」
「勝蔵、言葉が過ぎるぞ。少しは静子様の心労を考えろ」
在旁的才藏提出忠告。慶次沒說話,但也不是支持長可的一方。
傍にいる才蔵が苦言を呈する。慶次は何も言わなかったが、長可の味方でもなかった。
面對兩人無言的壓迫,連一向強勢的長可也閉口不語。但他似乎情緒高漲,顯得心神不寧、坐立不安。
二人からの無言の威圧に、流石の長可も口を閉ざす。しかし気持ちが高ぶっているのか、落ち着きがなくそわそわしていた。
(嗯?只是對抗議信生氣……而已嗎?)
(うーん? 抗議文に怒っている……だけじゃない?)
靜子覺得長可的樣子實在怪異。平常的長可應該會以傲慢的態度置若罔聞,卻不斷遊移視線並晃動身體。
どうにも長可の様子が変だと静子は思った。普段の長可なら不遜な態度で聞き流すはずが、視線を彷徨わせては身体を揺すっていた。
與其說情緒高漲,不如說看起來他無法控制自己。
気持ちが高ぶっているというより、自分で自分がコントロール出来ていないように見えた。
「……啊、啊——啊,原來如此。已經到那個年紀了嗎。」
「……あ、あー……あー、そっかぁ。もうそんな年か」
觀察長可一陣子並回想起他的經歷後,靜子終於理解長可行為怪異的原因。
暫く長可の様子を観察し、そして彼の経歴を思い出した瞬間、ようやく静子は長可の挙動不審さが何なのか理解した。
一旦察覺到這點,她也明白為何長可會在意外表、看到靜子或彩的某些部位就立刻轉開視線,或表現出奇怪的反抗態度。
それに気付けば、長可の身なりを気にしたり、静子や彩の特定の部位を見てはすぐに視線を反らしたり、妙に反抗的な態度を取り出した理由も分かった。
「靜子大人?有何見解嗎?」
「静子様? 何か思う所が?」
「啊,我在想勝藏君也進入第二次性徵期(思春期)了。不過我又不是他母親,被他反抗起來也不知道該怎麼處理。」
「いや、勝蔵君も第二次性徴期(思春期)に入ったのだなと思ってね。でも私は母親じゃないのに、反抗されても対応に困るよ」
「第二次性徵期?」
「第二次性徴期?」
聽到那話三人同時歪著頭。也在旁邊的彩理所當然地拿出紙和墨。
その言葉に三人が揃って首を傾げる。同じく傍に控えている彩は、それが当然のように紙と墨を取り出した。
「這沒什麼難的。第二次性徵期是身心從孩子向成人轉變的時期。會對別人的話感到不舒服、對異性的身體產生興趣、或對自己異常在意等,因為心裡發生劇烈變化,勝藏君本身跟不上這變化了。」
「難しい話じゃないよ。第二次性徴期ってのは、心身ともに子供から大人へ変化する時期の事だよ。他人の言葉が不愉快に感じる、異性の身体に興味を持つ、自分の事が異常に気になる、とか心に急激な変化が起きているから、勝蔵君自身がそれについていけていないのよ」
「唔、是、是這樣嗎……」
「ぐっ、そ、そうなのか」
「勝藏君,我再怎麼說也知道你的視線在看哪裡啦?那方面姑且當作男人的本性睜一隻眼閉一隻眼,但要是做出奇怪的事,就讓你和維特曼他們去愉快地跑山路吧。」
「あのね勝蔵君。いくら私でも君の視線が何処に向いているかぐらい分かるよ? まぁその辺りは男の性(さが)って事で目を瞑るけど、変な事をしたらヴィットマンたちと楽しい山岳走りをしてもらいます」
「不、不,那倒是不至於。我也受了照顧……嘛(你這笨蛋!你要是敢對她怎麼樣,本多平八郎不會饒了你!!我才完全沒有輕生的念頭!)」
「い、いやそれは流石にしない。世話になっているし……な(阿呆か! お前に何かしたら本多平八郎が黙ってないわ!! 俺は自殺する気は毛頭ない!)」
長可一時想脫口而出,但在最後一刻止住,狠狠吐了口氣。
思わず言いかけた長可だが、既のところで止めて思い切り息を吐いた。
「總之……是叫做第二次性徵期嗎?因為那個我的心在改變嗎?」
「ひとまずその……第二次性徴期って言うのか? それのせいで俺は心が変化しているってのか?」
「身體也是喔。會變聲、肩膀變寬、肌肉發達、臉型改變、性成熟等等。有些人是緩慢來的,但勝藏君看起來像是疾速衝上階梯那樣來的吧?所以身體的成長打破了和心裡的平衡,才會變得像現在這樣焦躁。我不是醫生所以沒法斷言喔。」
「身体もだけどね。変声(声変わり)したり、肩幅が広くなったり、筋肉が発達したり、顔つきが変化したり、性的に成熟したりするよ。人によっては緩やかだけど、勝蔵君の場合は階段を駆け上る勢いで来たのじゃない? だから体の成長と心の均衡が崩れ、今みたいに荒れた感じになったのじゃないかなーと。医者じゃないから断言出来ないけどね」
不過即使知道長可暴走的理由,靜子也無計可施。
しかし長可の暴走理由が分かっても、静子としては対処のしようがない。
第二次性徵期是為了確立從父母獨立、形成與他人不同的「自我」,並成長為成人所不可或缺的階段。
第二次性徴期は親からの自立や他人とは違う「自分」というものを確立させ、大人へ成長するためになくてはならないものだ。
強行阻止是不可能的,若是搞砸了就無法預測長可的精神會變成什麼樣。
無理に止める事は不可能だし、下手な事をすれば長可の精神面がどうなるか予測がつかない。
在這種情況下,只能忍耐地看著他,不論他臉上有多痛苦。
ここは彼がどんなに苦しい顔をしても、我慢して見守るしか出来ないのだ。
「嗯——先把第二次性徵期簡單說清楚,然後把話題引導成勝蔵君失控也是情有可原。之後請慶次さん和才蔵さん,如果有事就去跟他們說吧。有些事他可能不會對我說,男生之間比較好談。」
「うーんと、ひとまず第二次性徴期を噛み砕いて説明し、勝蔵君が暴走しているのは仕方ないって方向に話を持って行きましょうか。後は慶次さんや才蔵さん、何かあったら話を聞いてあげてください。私には言えない事もあるでしょうし、男同士の方が話しやすいと思いますので」
「知道了」
「承知しました」
「沒關係。還有,勝蔵暫時到我這裡住一陣子。你要是亂暴失控去襲靜っち,恐怕會成為狼的盤中餐。」
「構わんよ。後、勝蔵は暫く俺の所で寝泊まりしろ。お前が変に暴走して、静っちを襲ったら狼の餌になりそうだからな」
「……你有沒有想過靜子身邊那些狼要是醒來,在黑暗中襲擊有多可怕。嘛、嘛總之冷靜下來之前就由慶次照顧吧。就算頭腦能理解,內心也追不上。」
「……静子の周りにいる狼が起きて、暗闇の中襲われるってどれだけ怖いと思っているよ。ま、まぁ落ち着くまでは慶次の世話になる。頭で理解しても心が追いつかない」
「早上醒來發現血淋淋的屍體之類的,別來這一套。」
「朝起きたら血塗れの死体が出来ていた、なんてのは勘弁よ」
「不,不會到那種地步吧。」
「いや、流石にそれはない」
「希望如此。好了,話就到此為止。我這邊會多做些說明,勝蔵君你去讓前輩們聽你說說怎麼樣。本來是不行的,但現在我允許倉庫的酒最多兩桶。」
「そう願いたいね。さてこれで話はお終い。こっちから色々と説明しておくから、勝蔵君は先輩たちに話を聞いて貰ったらどうかしら。本来なら駄目だけど、今なら倉の酒は二樽まで許可するよ」
「那正好。拿瓶酒,一邊喝一邊男人之間好好聊一聊吧。」
「それは良いな。酒を片手に、男同士の語らいといこうじゃないか」
話音剛落,慶次一把抓住長可的衣領,笑著將他帶走了。
言った傍から長可の襟首を掴むと、慶次はそのまま笑いながら彼を拉致していった。
「等、等一下! 突然要做什麼啊!放、放開——!!」
「待てこら! いきなり何をするのだ! ええい、離せーー!!」
長可的喊聲迴盪開去,但靜子想了想後決定放棄救他,因為她認為對長可來說,慶次的強硬反而會起到好的作用。
長可の叫び声が響き渡ったが、静子は少し考えてから彼を見捨てる事にした。長可にとって慶次の強引さは良い方向に働くと考えたからだ。
「應該沒問題吧,多半如此」
「大丈夫でしょう、多分」
面帶隨意的靜子這話一出,才蔵沒有多說,保持沉默。
そこはかとなく適当さがにじみ出ていた静子の言葉に、才蔵は何も言わず沈黙を貫いた。