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戦国小町苦労譚

1569年 七月中旬

七月,葡萄牙宣教師弗洛伊斯帶著羅倫索訪問岐阜。

七月、ポルトガル宣教師のフロイスはロレンソを連れて岐阜を訪問する。

來訪的理由是為了制止在京發生的驅逐宣教師運動,並向信長請求庇護。

訪問の理由は京で起こっている宣教師追放の動きを止めるため、そして信長に自身の保護を求めるためだ。

最初,驅逐宣教師運動的主導者日乘與親自保護弗洛伊斯等宣教師的和田惟政之間,以書信往返。

最初は宣教師追放運動の主導者である日乗と、フロイスたち宣教師を日乗から身をもって守る和田惟政の間で手紙のやり取りが行なわれていた。

雖然日乘在天正元年後逐漸淡出政治,但此時的他可謂是信長的心腹。

天正元年を境に政治から消える日乗だが、この時の彼は信長の懐刀と言っても過言ではない。

他以卓越手腕在信長對京的統治各方面盡展所長,且因熟悉宮中諸事,還擔任與朝廷的聯絡窗口。

彼はその卓越した手腕を、信長の京支配の万般において遺憾なく発揮した。更に禁中の諸事情に精通している事から朝廷との窓口も担った。

作為信長外交的一角,日乘始終主張排斥宣教師。

信長の外交政策の一翼を担う日乗は、一貫して宣教師排斥に動いていた。

他曾向信長進言:「有宣教師之處必生騷亂而致覆滅」,由此可見他或知悉某些情況,對宣教師抱持危機感。

「宣教師のいるところは騒乱が起きて破滅する」と信長へ進言した所から、彼は何かを知り宣教師に対して危機感を覚えたのだろう。

可惜史書未記載他究竟見到或得知了什麼。

しかし残念な事に、彼が何を見て、何を知ったかは記録に残っていない。

憎恨基督教的日乘與和田惟政之間幾無實質和解,反而越趨惡化。

キリスト教を憎悪している日乗と、和田惟政の話し合いに進展はほぼなく、逆に悪化の一途を辿る状況だった。

為解決此事,弗洛伊斯決定向信長求得庇護。

この状況を解決するため、フロイスは信長に保護を求める事を決意したのだ。

他首先在夜半過後四時出發前往近江國,於坂本與羅倫索會合。

彼はまず夜半過ぎの四時に近江国へ出発し、坂本でロレンソと合流した。

當時羅倫索手持日乘的書信,正在和田惟政所在的越水城。

その時、ロレンソは日乗の書状を持参して和田惟政のいる越水城にいたからだ。

據說惟政看過日乘的書信後,曾將其摔在地上。

なお惟政は日乗の書状を見た後、それを床に投げ捨てたとの話が残っている。

由此推測,日乘的書信內容對他應是不利或令人不快的。

そこから推測するに、日乗の書状は彼にとって好ましくない内容だったのであろう。

羅倫索得知弗洛伊斯將前往美濃後,惟政交給羅倫索兩封書信:一封給信長家臣,一封給岐阜旅館的主人。

ロレンソからフロイスが美濃へ向かう事を知ると、惟政は信長の家臣宛に一通、岐阜にある宿の主人宛に一通、計二通の書状をロレンソに渡した。

羅倫索帶著那兩封書信與弗洛伊斯會合,搭船從坂本前往朝妻。

その二通の書状を持ってロレンソはフロイスと合流し、船で坂本から朝妻へ向かう。

到達朝妻後住了一晚,次日改走陸路從近江國入美濃國,並入住惟政推薦的岐阜旅館。

朝妻に到着後一泊し、翌日陸路で近江国から美濃国へ入り、岐阜にある惟政推薦の宿屋に泊まった。

之所以暫不行動,是因佐久間信盛與柴田勝家尚未從京返回岐阜,且秀吉仍留在尾張。

すぐ動かないのは佐久間信盛と柴田勝家が京から岐阜に戻っておらず、また秀吉が尾張にいるためだ。

閒暇之際,弗洛伊斯便與羅倫索一起在岐阜城下町散步。

時間を持て余したフロイスはロレンソと共に岐阜の城下街を散策する。

他感覺到四處皆喧囂,彷彿呈現巴比倫市井的熙攘景象。

あちらこちらから喧騒が聞こえ、さながらバビロンの雑踏の様相を呈していると彼は感じた。

岐阜城下因樂市樂座政策而繁榮,來訪者可真切感受到富足。

岐阜の城下街は楽市楽座政策のお陰で、訪れた人々が豊かさを実感出来るほど賑わっていた。

樂市樂座作為領國經濟振興策,在信長實施前,今川義元、齋藤道三、六角承禎等人曾有施行。

楽市楽座は領国経済振興策として、信長が実施する前に今川義元や斎藤道三、六角承禎などが実施していた。

但他們僅局部引入,真正全面推行者為信長首創。

しかし彼らは部分的にしか導入しておらず、本格的に導入したのは信長が初である。

他於永祿十年(1567年)將岐阜城下加納市場定為樂市,次年頒布樂座令,以此排除商業交易中的既得利益。

彼は永禄十年(1567年)に岐阜城下加納市場を楽市とし、翌年に楽座令を発布した。これにより信長は商取引における既得権益を排除した。

自室町末期起,既得權益的弊端已開始顯現。

室町末期から既得権益の弊害は目立ち始めていた。

商人若欲開業,必先向管理市集的寺院繳納納入金,藉此取得營業權。

商人が商売を始める場合、まず市を統括する寺院に納入金を払う必要があった。この納入金によって営業権を取得したのである。

若未繳納納入金,武裝團體便會破壞營業用具與店鋪,甚至有時對商人及其家屬施以暴行。

納入金を支払わなかった場合、武装集団が商売道具や店を破壊、場合によっては商人やその家族にまで乱暴狼藉を働いた。

此外,座掌握從生產到販售的壟斷權,加入該座亦需持有稱為株的會籍權。

また座も生産から販売の独占権を持ち、この座に加入する場合も株という会員権が必要だった。

當然,若未取得此權而經商,亦會遭武裝團體的暴行。

無論、これを取得せず商売をした場合、やはり武装集団が乱暴狼藉を働いた。

為消除此弊,信長施行樂市樂座,並徹底取締行凶作亂者。

この弊害をなくすため、信長は楽市楽座を施行すると共に、乱暴狼藉を働く者を徹底的に取り締まった。

此外,信長亦整頓關所制度。

更に信長は関所の整理も行った。

由於關於關所有諸多誤解,故先說明關所的性質。

この関所についてはそれなりに誤解が多い為、最初は関所について説明する。

首先,江戶時代設置的關所與江戶時代以前(室町~安土桃山時代)的關所,其角色不同。

まず江戸時代からの関所と、江戸時代以前(室町~安土桃山時代)の関所では役割が違う。

江戶時代的關所設於要地,執行類似現代入境手續的事務,如審查所謂「身分改め」的往來手形(身分證明)、關所手形以通行關所,以及檢查有無危險物品攜入攜出等行李檢驗。

江戸時代の関所は要地に設置されており、そこで「身分改め」という往来手形(身分証明書)と、関所を通るための関所手形の検閲、危険物の持ち込み・持ち出しがないか荷物検査等、いわば現代の入国手続きに近い事を行っていた。

此外,江戶時代對女性通過關所格外嚴格,乃為防止作為人質的大名妻兒逃走。

なお江戸時代で女性の関所通過が非常に厳しい理由は、人質である大名の妻子が逃げ出さないようにする為だ。

因此,從江戶獨自行動的女性必定在關所被攔截,必須由親兄弟同行、或有包含男性的團體旅行、或有男性僕從等。

その為、江戸から女の一人旅は確実に関所で弾かれた。親兄弟同伴か、男性を含むグループ旅行、男性の使用人等がいなければならなかった。

此外,女性除一般手形外,還需另外持有稱為御關所女手形的特別通行證。

更に女性には通常の手形の他に、御関所女手形なる物が特別に必要だった。

欲取得此證,須先由藩中相關人員或名主出具證明書。

これを入手するには、まずは藩の係の人や名主から証明書を発行して貰う。

然後持該證明向町奉行申請許可。

次にそれを持って町奉行で許可を貰う。

最後向幕府御留守居役提交必要文件,方得發給御關所女手形。

最後に幕府御留守居役に必要書類を提出して、ようやく御関所女手形が発行された。

但有了御關所女手形也不能就這樣直接通過。

だが御関所女手形があれば素通り、という訳にはいかなかった。

江戶時代全國有五十三處關所,其中重要的有二十二處。

江戸時代は全国に五十三箇所の関所があり、内重要な関所は二十二箇所だ。

其間有十七處設有稱為人見女(ひとみおんな)或改姥(あらためうば)的女性專屬檢查官。

その内、十七箇所には人見女(ひとみおんな)や改姥(あらためうば)と呼ばれる、女性専用の検査官がいた。

她們兩人一組進行檢查,只要其中一人否定,不管持有多少御關所女手形,都不准通過關所。

彼女たちは二人一組で検査を行い、どちらかが駄目だしをすれば、いかに御関所女手形があろうと関所を通る事は許されなかった。

在此檢查被拒的女性必須返回江戶,由幕府御留守居役重新簽發證文,然後再度前往關所,耗費極大心力。

この検査で弾かれた女性は、再び江戸へ戻り幕府御留守居役から新しい証文を発行して貰い、再度関所に向かうという途方も無い労力を強いられた。

有紀錄顯示她們要等十五天才終於通過關所,可見女性通關之嚴格。

十五日経ってようやく関所を通った、という記録が残るほど女性の関所通過は厳しかったのだ。

此外,雖然時代劇常把關所想成單一,但被稱為最重要的「箱根の関所」除了本關所外,還有五處後關所,所有這些(包含本關所)都以柵欄相連。

更に時代劇等で関所は一つに思われがちだが、最も重要な関所と呼ばれた「箱根の関所」は本関所の他に、五つの裏関所というものがあり、本関所を含むそれら全てが柵で繋がれていた。

要繞過這些關所需付出驚人勞力,若被發現則是問答無用的死罪,因此除非有極為不得已的隱情,縱使耗時也還是通過關所較為安全。

これらを迂回するには途方も無い労力を必要とし、見つかれば問答無用の死刑という重罪だった為、よほど後ろ暗い事がない限り、時間がかかっても関所を通過した方が安全だった。

相比之下,江戶時代以前的關所並非由幕府設立,而是由當地領主隨意設置。

対して江戸時代以前の関所は、幕府ではなくその地を治める領主が勝手に設置したものだ。

對於攜帶的物品沒有統一的關銭(せきせん),各領主各行其是。

そして持ち込む物に対して、統一された関銭(せきせん)がなく領主によってまちまちだった。

本來,關銭(せきせん)是作為到下一個關所間安全保證的警固費(對價)。

本来、関銭(せきせん)は次の関所までの安全保証に対する警固料(対価)だった。

但不知不覺間,領主們把它當作一種稅收,增加關所數量,甚至在短短十五公里間(伊勢的桑名到日永)出現多達六十處關所。

しかしいつしか領主たちは租税の一つとして関所の数を増やし、ついには僅か十五キロの間(伊勢の桑名から日永)に六〇もの関所が作られる所も出来た。

連接大坂與京都的淀川一帶,曾一度設置近四百處關所,徵收各式各樣的關銭(せきせん)。

大坂と京都を結ぶ淀川の問には、一時期四百近くの関所が設けられ、多種多様な関銭(せきせん)が課せられた。

因此運輸業者與商人的移動成本暴增,造成物流動脈硬化。

これにより輸送業者や商人の移動コストが跳ね上がり、物流の動脈硬化が起こった。

阻止幕府、朝廷與寺社濫立關所並廢除不必要關所的,正是信長。

この幕府・公家・寺社による関所の乱立を止め、不要な関所を廃止にしたのが信長である。

他先整頓尾張與美濃的關所,上洛後又整理畿內的關所,並清理在伊勢國受其影響之地的關所。

彼はまず尾張・美濃の関所を整理し、上洛を果たした後は畿内の関所を整理し、伊勢国で影響下にある土地の関所を整理した。

不過所謂的關所整頓聽起來像是物理上廢除關所,實際上並非如此。

ただしこの関所整理、物理的に関所を無くしたように聞こえるが実はそうではない。

關所廢止政策是考量國防、流通路線、運輸成本與時間等因素,僅在必要之處徵收交通稅,不在不必要之處徵稅。

関所廃止政策は、国防、流通ルート、輸送コストや輸送時間など様々な事を考慮し、必要な場所だけで交通税を取り、不必要な場所では交通税を取らないようにしただけだ。

而且他對敵對勢力的關所找近乎刁難的藉口,強迫廢除其交通稅。

更に彼は敵勢力の関所に対して難癖に近い理由をつけ、無理やり交通税を廃止させた。

此舉既剝奪敵方的財源,也使商人與商品更順暢流入他的領地。

これは敵勢力の資金源を奪うと共に、自分の領土へ商人や商品が円滑に流れるように仕向ける為だ。

換言之,信長並非一味清除或破壞既得權益,而是把原本存在的既得權益導向由織田家「獨占」。

つまり信長は既得権益を排除、もしくは破壊して回ったのではなく、元々あった既得権益を織田家が「独占」出来るよう仕向けただけに過ぎない。

此外,樂市樂座聽起來像市場開放,但在岐阜時更帶有重建因戰亂荒廢的城下町的意味。

更に楽市楽座は市場開放のように聞こえるが、岐阜の時は合戦で荒廃した城下町復興の意味合いが強かった。

即便如此,對商人而言仍是難得的恩惠;僅憑「在織田領內誰都可自由經商」這句話,商人們便蜂擁而至岐阜。

それでも商人たちにとってはありがたく、「織田領では誰でも自由に商売が出来る」という言葉だけで商人たちが岐阜へこぞって押し寄せた。

當然那並非為所欲為的自由,而是有明確規則。

勿論、何をしても良い自由ではなく明確な規則があった。

商人們可享諸稅免除、債務抹消與各種勞役豁免,但必須嚴守不得強行買入、不得擾亂治安、不得鬥毆爭吵、不得非法占據、亦不得讓不法之人進入市內等規定。

商人たちは諸税免除、債務破棄、諸々の労役が免除される代わりに、押し買い、狼藉、喧嘩、口論、不法占拠、不法者を市の中へ入れない事を厳守しなければならない。

即便說諸稅免除,若要享受織田家的公共服務仍需繳稅,開店時雖為最低額但仍須支付保證金,且商業交易雖低於他國市集,仍會被課一定稅負。

また諸税免除と言っても、織田家の公共サービスを受けるには税金を支払う必要があり、店を構える時には最低限ではあるものの保証金を支払う必要があり、他国の市より低いとはいえ商取引には一定の税が課せられていた。

(岐阜物產豐饒,人們為此聚集並將金錢留在此地。織田大人的政策極佳,需考慮是否能在我國導入。)

(岐阜は物に溢れ、それを目当てに人が集まり、そしてこの地にお金を落とす。織田殿の政策は素晴らしい。我が国にも導入出来ないか検討が必要だ)

他認為都會以外地區能繁榮必有其理由,思考此一手法是否可套用於自己國家。

都から離れた地域が繁栄するには、何か理由があると考えた彼は、この手法が自分の国でも応用出来ないか考える。

但他無太多時間沈思,眼前先解決敵人更為當務之急。

しかし考えこむ時間は余りない。まずは目の前の敵をどうにかするのが先決だ。

佛羅伊斯(フロイス)與柴田、佐々會談,巡視岐阜,等待秀吉自尾張返回。

フロイスは柴田や佐々と会談し、岐阜を見て回って秀吉が尾張から戻るのを待つ。

與柴田見面時,佛羅伊斯雖得以與信長會見,卻無法當場展開會談。

柴田と会った時、フロイスは信長と会う事は出来たがその場で会談を開くことは叶わなかった。

數日後秀吉終於自尾張返回,他們立即採取行動;也因此得以安排與秀吉的會談。

そして岐阜について数日後、ようやく尾張から秀吉が戻ってきたため彼らはすぐに行動を起こす。その甲斐あってか秀吉と会談の場を設ける事が出来た。

協議後秀吉把佛羅伊斯等人帶來的草案交給信長。信長確認內容後召來右筆,草擬給朝廷與義昭的書狀,內容為庇護宣教師們。

秀吉は協議後、フロイスたちが持参した草案を信長へ渡す。信長は内容を確認した後、右筆を呼び寄せて朝廷と義昭に宣教師たちを庇護する内容の書状をしたためた。

之後信長又將蓋有天下布武印、庇護宣教師之書狀授予秀吉,秀吉亦為佛羅伊斯等人向惟政與日乗各草擬一封庇護書狀,並將兩封交給佛羅伊斯。

その後、天下布武印がついた宣教師たちを庇護する内容の書状を秀吉に与え、更に秀吉はフロイスたちの為に、惟政と日乗へフロイスを庇護する書状をしたためて両方をフロイスに渡した。

「此次實在感謝不盡。」

「此度は誠にありがとうございました」

為了感謝書狀,佛羅伊斯請柴田安排與信長的會談。信長似乎也有諸多想法,聽完柴田的話便立刻邀他們入居館。

書状のお礼を述べるため、フロイスは柴田に信長との会談を頼んだ。信長も色々と思う所があったのか、柴田から話を聞くやいなや彼らを居館へ招いた。

「不必介意。」

「気にするな」

信長帶著微笑如此回道。佛羅伊斯再次鞠躬致謝後,突然環顧四周,感到一絲違和。

信長は笑みを浮かべながらそう答える。フロイスはもう一度お礼と思って頭を下げた後、ふと周囲を見て違和感を覚える。

因為看不見信長的智囊──頭巾宰相(靜子)的身影。

信長の知恵袋である頭巾宰相(静子)の姿が見えないからだ。

他原以為頭巾宰相總隨信長行動,但再仔細想想,佛羅伊斯回想起信長在京時,頭巾宰相反而常常不在的情形較多。

常に信長と行動していると思ったが、よく考え直せば信長が京にいる時、彼がいない時の方が多かった事をフロイスは思い出す。

「大人,試吃會的準備已經就緒」

「お館様、ご試食会の準備が整いました」

「嗯? 喔,對了。フロイス殿,原本今天預定要舉行料理試吃會,不知閣下意下如何?」

「ん? おお、そうじゃった。フロイス殿よ、本日は料理の試食会を行う予定じゃったのだが、貴殿もどうかね」

「可以嗎?」

「宜しいのでしょうか」

「無妨。雖非京料理,請好好享受岐阜的菜餚」

「構わん。京の料理ではないが、岐阜の料理を堪能していきたまえ」

「多謝,我就一同享用」

「ありがとうございます。お相伴(しょうばん)させていただきます」

對フロイス的話感到滿意的信長,露出愉快的笑容,點了好幾次頭。

フロイスの言葉に満足した信長は、楽しそうな笑みを浮かべて何度か頷く。

當然,他露出笑容並非因為滿意フロイス的回答,而是某個企圖已經成功了。

勿論、彼が笑みを浮かべた理由はフロイスの返事に満足したのではなく、ある目論見が成功した為であった。

「開始!」

「始めろ!」

隨著信長的號令,入口的襖靜靜被打開。

信長の号令と共に入り口の襖が静かに開けられる。

隊首是穿著與フロイス謁見時相同服裝的靜子,後方兩名小姓各自端著お膳(ぜん)(放一人份器皿與食物的托盤)進來。

先頭にはフロイスと謁見した時の格好をした静子、その後ろに小姓たち二人がそれぞれお膳(ぜん)(一人前の食器と食物を載せる台)を手に入ってきた。

フロイス見到靜子不禁向她轉頭,但靜子不以為意,坐到信長面前後,將お膳(ぜん)輕輕放下。

静子を見たフロイスは思わず彼女の方へ顔を向けるが、静子は気にせず信長の前に座るとお膳(ぜん)を静かに置く。

「第一道是雞皮蔥炒飯。把雞皮、蔥和飯以及打散的蛋混合後炒成的簡單料理。請用木匙舀著享用」

「一品目は鶏皮と葱の炒め飯でございます。鶏皮と葱と飯、そして溶き卵を混ぜて炒めただけの単純な料理でございます。木匙ですくってお召し上がり下さい」

從信長旁邊稍微移開後,靜子清了清喉嚨,開始說明料理。

信長から少し横に移動した後、静子は咳払いをしてから料理の説明をする。

「就用這把木匙吃吧……嗯,真好吃。只是把拌飯炒一炒,味道竟然能這樣改變」

「この木匙で食すのだな……うむ、旨い。混ぜ飯を炒めるだけで、こうも味が変わるとはな」

看到信長用淺底的木匙吃,フロイス和ロレンソ也跟著模仿著吃。

底の浅い木匙で食べる信長を見て、フロイスとロレンソも見様見真似で食べる。

一入口,フロイス驚訝於米粒如同在口中浮動的口感;隨之而來的是醬油的香氣、雞皮的酥脆,每咀嚼一次便被新的味道與香氣所震撼。

口の中に入れた瞬間、飯粒が浮遊するような食感にフロイスは驚く。次いで醤油の香ばしい匂い、鶏皮のカリカリした食感など咀嚼するたびに新しい味や匂いに目を回す。

「好吃」

「美味しい」

雖然是極為平凡的形容,但フロイス找不到比這更貼切的詞。

極めて月並みな表現だが、フロイスはそれ以外に的確な表現が見つからなかった。

「嗯,不只是把雞皮炒了而已。明明皮幾乎沒有油,飯卻沒有吸油變得黏膩」

「ふむ、鶏皮を炒めただけではないな。皮の脂が殆どないのに、飯が脂を吸ってべとべとになっておらん」

帶著頑皮孩子般笑容的信長,一邊吃著炒飯一邊拋出問題。

悪戯っ子のような笑みの信長が、炒飯を食べながら質問を投げる。

「多謝您的慧眼。雞皮一炒會出許多油,本來會丟棄,但把蔥、蒜頭與薑放進這些油裡讓油帶香,就能做出具有獨特香氣的油,稱為鶏油(チーユ)。剛才的炒飯就是用這種鶏油(チーユ)調理的」

「ご慧眼恐れいります。鶏皮は炒めると油を沢山出します。本来なら捨ててしまう所ですが、この油に葱と大蒜(おおひる)(ニンニクの事)、生姜を入れて油に香りをつけますと、独特の香ばしい風味をつける油、鶏油(チーユ)というものが作れます。先ほどの炒め飯は、この鶏油(チーユ)を使って調理しました」

「原來如此。把本來會丟掉的油,變成能為飯增添風味的油,真是見事的逆轉發想」

「なるほど。本来なら捨ててしまう油を、飯に風味をつける油へ変えたのか。実に見事な逆転の発想じゃ」

信長心情大好地稱讚靜子。雖然沒有說出口,フロイス也有同樣的感想。

信長は上機嫌で静子を褒める。言葉にこそしなかったが、フロイスも同様の思いだった。

說是用剩餘材料做成,聽起來或許不中聽,但能用剩料做出如此優秀料理的人究竟有多少?

余り物で作った、と言えば聞こえは悪いが、余り物でこれほど素晴らしい料理を作れる人間が一体どれほどいるのだろうか。

フロイス再次驚嘆於頭巾宰相的智慧與創意。

改めて頭巾宰相の知恵、そして発想力に驚いたフロイスだった。

「能讓諸位盡興我深感榮幸。那麼,接下來上下一道菜」

「ご堪能頂けて幸いです。では、次の料理に参ります」

靜子輕輕拍了拍手,這次三名小姓端著擺有新料理的お膳走上前來。

静子は軽く両手を叩く。今度は小姓が三人、新しい料理を乗せたお膳を運んできた。

お膳擺在信長面前後,靜子清了清喉嚨開始說明料理。

お膳が信長の前に並べられると、軽く咳払いをしてから静子は料理の説明を口にする。

「第二道是雞肉馬鈴薯煮(鶏肉じゃが)。用雞腿肉、馬鈴薯、洋蔥、白滝,採用砂糖、味醂、酒、醬油與高湯調成的煮汁,慢火耗時燉煮而成」

「二品目は鶏肉じゃがでございます。鶏モモ肉、ジャガイモ、玉葱、しらたきを砂糖、味醂、酒、醤油、ダシ汁で作った煮汁で時間をかけて煮ました」

「馬鈴薯……? 那個觀賞用的馬鈴薯嗎?」

「ジャガイモ……? あの観賞用のジャガイモの事ですか?」

聽到馬鈴薯這個詞,フロイス皺起了眉頭。

ジャガイモ、という言葉にフロイスは眉をひそめる。

馬鈴薯傳到歐洲是在16世紀,但作為食物獲得地位則是在18世紀中葉。

ヨーロッパにジャガイモが伝来したのは16世紀だが、食品としての地位を獲得したのは18世紀中頃である。

在歐洲最早把馬鈴薯當作食物的人,是普魯士王腓特烈二世。

欧州で最初にジャガイモを食品と考えた人物はプロイセン王フリードリヒ二世だ。

腓特烈二世認為馬鈴薯耐寒、即使被踩踏也無妨、產量是小麥的三倍,且可以在需要時收穫,這些特性使其成為富國強兵的理想作物。

フリードリヒ二世はジャガイモが寒さに強く、踏まれても大丈夫、収穫量は小麦の三倍、必要な時に収穫出来るという点が、富国強兵を進める上でうってつけの作物だと考えた。

他於1756年頒布了馬鈴薯令,鼓勵領民種植馬鈴薯。

彼は1756年にジャガイモ令を公布し領民たちにジャガイモの栽培を推奨した。

在馬鈴薯被歐洲接受為食物之前,它曾被當作觀賞用的花來對待。

欧州でジャガイモが食品として受容されるまで、ジャガイモは観賞用の花として扱われていた。

同時也被視為「聖經未記載的作物」,遭受「魔鬼的植物」的污名。

同時に「聖書に載っていない作物」として「悪魔の植物」扱いも受けた。

當番茄傳入時,在歐洲未被視為食物接受也有相同的理由。

トマトが伝来した時、ヨーロッパで食用として受容されなかったのも同様の理由である。

因此對フロイス而言,馬鈴薯是魔鬼的植物,根本沒把它當作可食用的材料看待。

だからフロイスにとってジャガイモは悪魔の植物であり、食用として用いられる材料と露ほども思っていなかった。

「馬鈴薯若吃下芽或變綠的部分會引起腹痛與嘔吐,但把那些部分去除後,實際上可以作為食材使用」

「ジャガイモは芽や緑色になった部分を摂取すれば腹痛や嘔吐を起こしますが、取り除けば実は食用として利用出来ます」

馬鈴薯被歸類為茄科,芽和變綠的部位含有大量作為天然毒素之一的茄鹼與查科寧(也稱為カコニン)。

ジャガイモはナス科に分類され、芽や緑色になった部分には天然毒素の一種であるソラニンやチャコニン(カコニンとも呼ぶ)が多く含まれている。

食用會引起頭痛、嘔吐、腹瀉、食慾不振等症狀。

これを摂取すると頭痛、嘔吐、下痢、食欲減退などが起こる。

當時的歐洲對馬鈴薯的料理方法很粗糙,居然流行著會攝取到茄鹼的食譜,導致接連有人中毒。

当時の欧州はジャガイモに対するレシピがいい加減で、このソラニンを摂取するようなレシピが平然と世に出回っており、中毒を起こす人が続出した。

有一則軼事說沃爾特·羅利獻上馬鈴薯給伊莉莎白女王時,廚師誤把葉與莖入菜,結果女王食物中毒。

ウォルター・ローリーがジャガイモをエリザベス女王に献上した際、料理人が誤って葉と茎を調理したため女王が食中毒を起こした逸話もある。

「馬鈴薯很入味,而且鬆軟口感也很好。不過不一定要用馬鈴薯,里芋也許可以代替。叫五郎研究一下里芋能否當作替代品,吩咐他去做」

「ジャガイモによく味が染みておる。それにほこほこして食感も良い。しかしジャガイモでなくとも、里芋で代用出来そうだな。五郎に里芋が代用品に出来るか研究せよ、と命じておけ」

「遵命」

「了解致しました」

聽著信長和靜子的對話,弗洛依斯看著馬鈴薯擺出為難的表情。

信長と静子の会話を聞きつつも、フロイスはジャガイモを前に難しい顔をしていた。

猶豫了近一分鐘後,他鼓起勇氣把馬鈴薯塞進口裡。

一分近く逡巡した後、彼は思い切ってジャガイモを口の中に放り込む。

起初眼泛淚光、面露嫌惡的弗洛依斯,表情逐漸舒緩。

最初は涙目で嫌そうな顔をしていたフロイスだが、徐々に顔が和らいでいく。

「……好吃。聽說馬鈴薯又苦又帶土味,根本沒辦法吃,但只要改變料理方式竟能變得如此美味嗎」

「……美味しい。ジャガイモは苦くて、土臭くて、とても食べられたものではない、と聞いていたが、料理の仕方を変えるだけでこれほど美味しくなるのか」

忘了最初的反感,弗洛依斯連續把雞肉馬鈴薯放入口中,瞬間吃光。

最初の嫌悪も忘れ、フロイスは鶏肉じゃがを次々と口の中に入れ、あっという間に平らげる。

「這湯裡混著什麼……嗯,是醬油嗎? 這把味道提得很好」

「この汁に混ざっている何か……ええと、醤油でしたか? これがとても良い味を引き出しております」

「能喜歡上我國開發的醬油真是幸運」

「我が国で開発された醤油を気に入って頂けるとは幸いだ」

醬油的起源有好幾種,早期則以溜まり醬油為主。

醤油の起源は幾つかあり、更に初期はたまり醤油であった。

既然在十七世紀已經出口到日本國外,可確定在那之前本格醬油已被發明並量產。

一七世紀には日本国外へ輸出されていた事から、それまでに本格醤油が発明され量産された事は間違いない。

然而不幸的是,沒有文獻記載溜まり醬油轉向本格醬油的具體時期。

だがたまり醤油から本格醤油に切り替わった時期を記す文献は残念ながら存在しない。

換言之,在信長時代,醬油要麼只在某些地方使用,要麼就是用與靜子所知的現代製法不同的方法製成醬油。

つまり信長の時代には、醤油はどこか一部でしか使われていないか、それとも静子が知っている現代の製法ではない方法で、醤油として製造しているかのどちらかだ。

正因如此,信長為了把他偏好的醬油與自己的名號一同刻入歷史,才故意斷言「我國所開發的」。

だからこそ信長は、贔屓の醤油を自身の名と共に歴史へ刻むため、あえて「我が国が開発した」と断言したのだ。

因此即便本來的醬油存在於某處,已經打上織田印記的醬油被散發給朝廷、將軍、同盟國,原本的醬油便無法見諸史冊。

故に本来の醤油がどこかに存在していても、既に織田印がつけられた醤油が朝廷、将軍、同盟国にばら撒かれているので、歴史上に名が出てくる事はなくなってしまった。

另外,他另一個喜愛的調味料「だし入り味噌」也是以同樣手法被信長推廣。

なお、もう一つのお気に入りの調味料である『だし入り味噌』も、信長は同じ手段を用いて広めていた。

回到正題。

話を戻そう。

信長叫來小姓,命他將已火入處理的醬油裝瓶後交給弗洛依斯。

信長は小姓を呼ぶと、火入れ済の醤油を瓶詰めした後、フロイスに渡すよう命じた。

此時,將醬油裝入陶製瓶(コンプラ瓶)並以蠟封存的瓶子中,有一瓶被送往葡萄牙,落入枢機卿、後來成為葡萄牙王的恩里克之手。

この時、陶器の瓶(コンプラ瓶)に詰めて歴青で密封した醤油瓶の内、一本がポルトガルへ届けられ、枢機卿であり後のポルトガル王になるエンリケの手に渡った。

此後他終其一生熱愛醬油,熱衷把醬油分送給親族、葡萄牙的大貴族、聖職者與官僚,這又是另一段故事了。

以降、彼は死ぬまで醤油をこよなく愛し、親族は勿論、ポルトガルの大貴族、聖職者、官僚に至るまで醤油をばら撒く熱狂ぶりを見せるのは、また別の話である。

「接下來介紹第三道菜」

「三品目のご紹介に移ります」

餐盤上放著一大盤炸雞排。

お膳には大皿一枚にチキンカツが乗せられていた。

旁邊附有小碟,裡面放著番茄醬、蘿蔔泥加柚子醋以及塔塔醬三種。

その横にトマトケチャップ、大根おろしポン酢、タルタルソースの三種類が入った小皿が添えられていた。

「這道料理是將雞腿肉裹上衣後油炸的炸物。先用酒、水、醬油醃底味,然後依序裹上麵粉、蛋液、麵包粉再去炸。淋醬分別是以番茄製成的番茄醬、淋上柚子醋的蘿蔔泥,以及塔塔醬」

「鶏モモ肉に衣をつけ、油で揚げたカツという料理でございます。酒、水、醤油で下味をつけた後、小麦粉、溶き卵、パン粉の順に衣をつけて揚げました。かけ汁はトマトから作ったトマトケチャップ、大根おろしにポン酢をかけたもの、そしてタルタルソースでございます」

「勝つ(カツ)か。何とも良い名前だな」

「勝つ(カツ)か。何とも良い名前だな」

「也可做成對『懦弱的自己(チキン)』而『勝つ(カツ)』的雙關語」

「弱い自分(チキン)に勝つ(カツ)、という語呂合わせも可能でございます」

「ふはははっ! 何とも良い意味だ! 気に入ったぞ」

「ふはははっ! 何とも良い意味だ! 気に入ったぞ」

他笑得心情大好,然後用三種醬汁比較著吃炸雞排。

上機嫌で笑った後、信長は三種類のタレでチキンカツを食べ比べする。

弗洛依斯等人在信長之後稍晚一步開始品嚐比較。

フロイスたちは信長に一歩遅れる形で食べ比べをした。

「僅僅是淋在上面的醬料,味道竟然會有如此大的變化,真新鮮」

「上にかけるもので、こうも味が変わるとは新鮮です」

「炸衣的口感很令人愉快」

「衣の歯触りが心地よいです」

三道菜都受到弗洛依斯和羅倫索的好評,靜子心中暗自鬆了一口氣。

三品ともフロイスとロレンソに好評で静子は内心ホッとした。

其實所謂的試吃會完全是謊言,信長的目的是用他們的料理讓弗洛依斯等傳教士驚訝。

実は試食会をするというのは大嘘で、自分たちの料理でフロイスたち宣教師を驚かす事が信長の目的だった。

尤其信長非常熱衷推銷醬油,甚至指示靜子用南蛮人討厭的食材來製作醬油料理。

特に信長は醤油を売り込む意気込みが強く、静子に南蛮人が苦手とする食材を使った醤油料理を作れ、という指示を出すほどだった。

靜子注意到馬鈴薯被嫌棄,於是端出主菜看似以馬鈴薯為主但易於調味的雞肉馬鈴薯燉菜。

ジャガイモが毛嫌いされている事に着目した静子は、メインがジャガイモに見えやすく、それでいて味の調整がし易い鶏肉じゃがを出す事にした。

「以上就以此結束料理試吃會,接下來移至點心試吃會」

「以上を持ちまして料理の試食会を終了させて頂きます。続いて菓子の試食会に移らせて頂きます」

隨著靜子的話語,盛著點心的餐盤被端了上來。

静子の言葉と共に菓子を乗せたお膳が運ばれる。

不過小姓端來的餐盤,比剛才料理時用的那個大上一圈。

しかし小姓が運んできたお膳は、先ほど料理で使ったお膳より一回り大きかった。

原因是餐盤上放著附托盤的咖啡杯,還有一個比較大的兩段重箱。

その理由はソーサー付きコーヒーカップ、そして比較的大きめの二段重箱がお膳に乗せられているからだ。

「這是什麼,這黑色的液體?」

「何じゃ、この黒い液体は」

信長歪著頭看著咖啡杯裡的黑色液體,向靜子發問。

コーヒーカップに入っている黒い液体に信長は首を傾げ、静子に質問を投げる。

「請先打開重箱的蓋子。裡面有三種點心。」

「まずは重箱の蓋をお取り下さい。その中には三種類の菓子が入っております」

信長等人照著吩咐打開重箱。看見裡面後信長不禁嘆了口氣,弗洛伊斯則是面部肌肉僵了一下。

言われるまま信長たちは重箱の蓋を開ける。中を見て信長は感嘆の息を吐き、対してフロイスは顔の筋肉を硬直させた。

「上層由左至右依序為金平糖、淋蜂蜜的鬆餅、野莓大福;下層由左至右依序為醬油蜜漬串團子(みたらし団子)、紅豆餡甜甜圈、羊羹。黑色液體則為所謂的大豆咖啡。」

「上段の左から順に金平糖、パンケーキの蜂蜜かけ、野いちご大福。下段に参りまして左から順にみたらし団子、餡ドーナツ、羊羹になります。黒い液体は大豆コーヒーという飲み物でございます」

「大豆……咖啡?」

「大豆……コーヒー?」

聽到『咖啡』這個詞,信長當然如此,弗洛伊斯與羅倫佐也都歪了歪頭。

コーヒーという単語に信長は勿論、フロイスやロレンソも首を傾げる。

弗洛伊斯不認識咖啡也不足為奇。咖啡在被威尼斯商人帶到歐洲並廣為流傳之前,直到17世紀前半都被視為稀奇的飲品。

フロイスがコーヒーを知らないのも無理はない。コーヒーは17世紀前半にヴェネツィア商人を介してヨーロッパに広まるまで珍奇な飲料扱いであった。

因此,除了植物學家和醫學家外,幾乎沒有人知道它的存在。

その為、植物学者や医学者以外の人間には、その存在を殆ど知られていなかったのである。

反倒在伊斯蘭世界,咖啡自古就被愛飲,早在9世紀就有關於咖啡豆烹調法的記載。

逆にイスラーム世界でコーヒーは、9世紀に豆の調理法が記述されるほど古くから愛飲されている。

「是的。先把大豆炒過放涼,再將烘過的豆子磨成粉,將磨好的大豆用布包起來,注入熱水後過濾,所得即為大豆咖啡。」

「はい。大豆を炒って熱を冷ました後、煎った豆を挽きます。その挽いた大豆を布で包み、熱湯を注いで漉したものが大豆コーヒーでございます」

作為替代咖啡之一,口感比不上真正的咖啡,但它不含咖啡因,入口清爽帶苦且富有厚實的風味,並有大豆特有的香烤氣息。

代用コーヒーの一つであるため、本来のコーヒーと比べて物足りない感じはするが、カフェインがなく、軽い飲み口ながら爽やかな苦みと豊かなコク、大豆独特の香ばしさがある。

此外由於大豆的營養價值受重視,大豆咖啡有時也被當作健康食品對待。

更に大豆の栄養価が評価され、大豆コーヒーは健康食品として扱われる事もある。

「苦……但吃完點心再喝,這苦味會讓人上癮。」

「苦い……しかし菓子を食べた後に飲むと、この苦味が癖になる」

「清爽的苦味能把被點心甜膩的口腔洗淨。」

「爽やかな苦味が、菓子で甘くなった口を洗ってくれます」

「甜甜的餡料與酸味強烈的野莓交織,混成一種難以言喻的滋味在口中蔓延。」

「甘い餡、そして酸味の強い野いちご、両方が混ざって何とも言えぬ味が口の中に広がります」

信長、弗洛伊斯、羅倫佐三人似乎非常喜歡這些點心與大豆咖啡,雖然才試了三種,卻瞬間把六種點心吃得一乾二淨。

信長、フロイス、ロレンソの三人は、菓子と大豆コーヒーをいたく気に入ったようで、三品試食した後というのに、六品の菓子をあっという間に平らげた。

「好吃。但淋蜂蜜的份量有點不夠。」

「旨かった。しかし蜂蜜かけの量が、少々物足りぬ感じだ」

嗜好重口味、重鹹以及甜食的信長,覺得蜂蜜量不足。

味の濃い物、塩分の多い物、そして甘いものが好物の信長は、蜂蜜かけの量が物足りないと感じた。

「那是適量。」

「それが適量でございます」

然而預期會聽到這句話的靜子立刻反駁信長。

しかしその言葉が必ず出てくると考えていた静子は、即座に信長へ反論した。

「多少多一點應該沒問題吧?」

「多少なら問題ないだろう?」

「不行。」

「駄目です」

「多做點餐後運動就——」

「食後の運動に励めば――」

「請自重。」

「ご自重下さい」

「……沒辦法。」

「……仕方ない」

「能得到諒解我很高興。過度攝取甜食會有害健康,請務必多加注意。(……不過我總覺得他們私底下會多淋很多就是了)」

「ご理解頂けて幸いです。過度な甘味の摂取は健康を害しますので、くれぐれもお気をつけ下さいませ(……私の知らない所でたっぷりかけそうな気はするけどね)」

靜子端正姿勢,目視三人一回後深深鞠躬說道。

姿勢を正した静子は、一度三人を見据えた後、深々と頭を下げてこう言った。

「至此,某人的試食會結束。各位陪同至今,誠摯感謝。」

「これにて、某の試食会は終了になります。皆様、お付き合い頂き、誠にありがとうございました」

信長與弗洛伊斯的會談在和樂的氣氛中結束。弗洛伊斯在信長的送別下,與羅倫佐一同返回岐阜的旅館。

信長とフロイスの会談は和やかな雰囲気で終わった。フロイスは信長に見送られ、ロレンソと共に岐阜の宿屋へ戻る。

「從今以後以織田大人為中心,這個國家會開始改變吧。」

「これから織田殿を中心に、この国は変わっていくでしょうね」

「是的。許多我們想不到的事,正被一一實現。」

「はい。我らが思いもつかないような事を、次々と実現しております」

「不過發現頭巾宰相大人竟然對料理也很精通,真是意外。他既是出色的武人,也該是高素養的文化人。」

「しかし頭巾宰相殿が、料理にも詳しいとは意外な発見です。彼は優れた武人であると同時に、教養が高い文化人でもあるのでしょう」

弗洛伊斯愉快地說道。對他而言,凡事皆是神的引導。

フロイスは楽しそうに言葉を口にする。彼にとってどんな事も神の導きである。

因此弗洛伊斯認為遇到像靜子這樣的異端兒,亦是上帝對自己的考驗。

よってフロイスは静子のような異端児と出会う事も、神が自分に試練を与えていると考えた。

好說是非常積極,壞說則是凡事盲信神明的思維。

良く言えば非常に前向き、悪く言えば何でも神を盲信する考え方だ。

「總有一天若此國被織田大人所治理,想邀請他至我國。若他真是那位擁有智慧的人,定能給出解答。」

「いずれこの国が織田殿に支配された暁には、彼を我が祖国に招待したいですね。あの叡智の持ち主であれば、きっと回答を頂けると思います」

「那是……?」

「それは……?」

羅倫索一說話,弗羅伊斯帶著和煦的笑容這麼回答。

ロレンソの言葉にフロイスはにこやかな笑みを浮かべてこう言った。

「是讓船夫畏懼吐血的病(壞血病),以及襲擊我國與周邊諸國的黑色瘟疫(黑死病)。兩者都曾使我教會的威信受損……不過我想他應該知道些什麼」

「船乗りが恐れる血を吐く病(壊血病)と、我が祖国や周辺国を襲う黒い病(黒死病)です。共に我が教会の権威を失墜させた病……ですが彼ならば、何かしら知っていると思います」

「那、那個恐怕真的不行吧」

「そ、それは流石に無理なのでは」

「不,光看過コンフェイト的他,就製作出形狀相似的金平糖。我覺得他知道一些我們不明白、卻能觸及要點的事」

「いいえ、彼はコンフェイトを見ただけで、同じような菓子である金平糖を作りました。何か我々には分からないような、それでいて核心に迫る何かを知っていると思います」

羅倫索半信半疑,弗羅伊斯卻堅信靜子有所了解。

ロレンソは半信半疑だったが、フロイスは静子が何か知っていると確信していた。

擁有可與賢者匹敵的智慧之人出發,絕不可能沒有任何人去阻止。

賢者に匹敵する叡智を持つ人間の旅立ちを、誰一人として止めないのはあり得ない。

弗羅伊斯認為,她大概是得知了什麼,因此被當時的執政者視為威脅而遭到放逐。

きっと何かを知り得たが、時の権力者に脅威と見なされ追放されたのだろうとフロイスは考えた。

「先就今日之事向織田大人進獻一份禮物吧。無需焦急,慢慢接近他,自然也能與頭巾宰相建立聯繫。」

「ひとまず織田殿に本日の件で贈り物をしましょう。焦る必要はありません。徐々に彼へ近づけば、自ずと頭巾宰相と繋がりを持つ事も出来ます」

之後弗羅伊斯把某樣東西獻給信長,信長很快判斷那東西難以駕馭,便全數推給靜子處理。

その後、フロイスは信長にあるものを贈るが、彼はすぐに『それ』は手に余ると理解し静子へ丸投げした。

「好大啊!」

「でっか!」

長可發出近乎驚叫的喊聲。當然,不只是他吃驚,慶次與才藏也露出呆然的表情,彩更是差點昏過去。

絶叫に近い叫び声を長可が上げる。無論、驚いているのは彼だけでなく、慶次や才蔵も呆然とした表情だった。彩に至っては失神そうな勢いだ。

「喔……這可真是相當稀奇的東西呢」

「おお……これはまた随分珍しいものだね」

靜子好奇地望向信長所賜的大型籠內的動物。

信長の下賜品である巨大な檻、その中にいる動物に静子は物珍しげに見る。

她面前的籠子每邊超過二公尺,高度足足是人的兩倍以上,裡面威風凜凜地端坐著一隻鷲(ワシ)。

彼女の眼前にある檻は一辺が2m以上、高さはゆうに人の倍はある。その中に威風堂々たる姿で鎮座しているのは一羽の鷲(ワシ)だ。

在日本可見到大鷲(オオワシ)、犬鷲(イヌワシ)、尾白鷲(オジロワシ)三種;大鷲會為尋找鮭魚而到北海道,尾白鷲則於冬季飛來北日本(冬候鳥),因此戰國時代的人幾乎只會見到犬鷲,難以見到其他兩種。

日本では大鷲(オオワシ)、犬鷲(イヌワシ)、尾白鷲(オジロワシ)の三種が見られるが、大鷲(オオワシ)は北海道に鮭を求めて、尾白鷲(オジロワシ)は冬季に北日本へ飛来(冬鳥)する為、戦国時代の人間が犬鷲以外を見る事はまずない。

順帶一提,日本的獵鷹主要使用鷂(ハイタカ)與大鷹(オオタカ)兩種:對小鳥用小型鷂,對雉、鴨或兔則用中型的大鷹。

余談だが、日本の鷹狩りは主に鷂(ハイタカ)と大鷹(オオタカ)の二種が使われ、小鳥には小型の鷂(ハイタカ)を、雉(キジ)や鴨、兎には中型の大鷹(オオタカ)が用いられていた。

「牠一直忙著四處張望,是來到陌生土地變得更警覺了嗎?先給牠生肉吃?」

「周りを忙しなく見回しているけど、見知らぬ土地で警戒心が強くなったかな? とりあえず生肉食べる?」

一見到生肉,鷲的表情立刻改變,明顯露出獵食者的神情,但籠子阻擋住,牠無法出手。

生肉を見せた瞬間、鷲の顔つきが変わる。明らかに獲物を狙う顔だが、ケージが邪魔で狙う事は叶わず。

「嗯……牠被訓練成把給牠肉的人當主人,非常親人。請務必好好疼愛牠……真有這回事嗎?」

「えーと何々……肉を与える者を主人と見なすよう調教しています。とても人懐っこい子です。是非とも可愛がって下さい……って本当かいな」

靜子讀著隨附的說明書,內容讓人難以置信。

一緒に届けられた説明書を読むが、にわかに信じがたい内容だった。

但認定鷲確實餓了的靜子,將家鴨的肉投進了籠中。

しかし鷲が空腹なのは間違いないと考えた静子は、家鴨の肉を檻の中へ投げ入れた。

瞬間,鷲以肉眼難及的速度從棲木躍下,用爪子按住肉,確認周圍無干擾後開始啄食。

瞬間、止まっていた木の棒から目にも留まらぬ速さで鷲が飛び降りる。肉を足で押さえつけ周囲に邪魔者がいない事を確認した後、肉を啄み始めた。

與其說是在啄,不如說是在用力撕扯肉塊,這樣的表現更貼切。

啄んでいるというより、肉を引き千切っていると表現する方が正しいが。

這豪邁的進食景象讓靜子理解到,牠之前一定被大量節省餵食。

威勢の良い豪快な食事光景だが、それは相当餌が抜かれていた事だと静子は理解する。

「在日本要取得獸肉並不容易啊(……這小傢伙是不是和維特曼一樣,因為人類的方便被強行帶離了故鄉呢)」

「そりゃ日本じゃ獣肉なんて簡単に手に入らないよね(……この子もヴィットマンと同じく、人間の都合で生まれ故郷から無理やり連れ出された子か)」

這隻鷲在雛時被從棲地帶走,於船上受訓後來到日本的九州。

鷲は雛の状態で生息地から運び出され、船の上で調教されながら日本の九州にやってきた。

起初接受獻上的國人還很高興,但隨著牠長大食量增加,最後所需的糧食相當於一個工人三個月工資所能買到的量,卻在短短一個月內耗盡。

最初は献上された国人も喜んでいたが、成長するに従って食事量は増加。ついには人夫一人が三ヶ月雇える金子で買える食料を、僅か一ヶ月で消費するまでに至った。

到了這種程度,國人的家計無法負擔,終究將鷲退還給傳教士;其他大名也同樣無法應付,最後連傳教士自己也對鷲束手無策。

こうなると国人は懐事情が無視出来ず、ついに宣教師たちへ鷲を返すまでに至った。他の大名も同じ結果になり、遂には宣教師たちも鷲を持て余すようになった。

傳教士們認為這些鷲作為進貢品已無利用價值,便把牠們推給京中的弗羅伊斯,讓他當作進貢物處理。

献上品としての利用価値がないと判断した宣教師たちは、京のフロイスへ献上品として使えと押し付ける。

被推給的弗羅伊斯起初也不知如何處理,但抱著一線希望,認為喜好獵鷹的信長會喜歡鷲,於是將牠獻給信長。

押し付けられたフロイスも最初は扱いに困ったが、鷹狩りが好きな信長なら鷲を喜ぶと考え、一縷の望みをかけて彼へ献上する。

然而信長判斷牠超出自己可掌控的範圍,便以下賜品之名推給靜子。

しかし信長は自身の手に余ると判断し、静子に下賜品の名目で押し付けた訳である。

弗羅伊斯所不知的是,實際上還有一隻比賜給靜子的那隻更大型的鷲存在。

フロイスも知らない事だが、実は静子に下賜された鷲より更に大型の鷲が一羽いた。

但半年前,飼主曾把鷲從鐵製籠換到木製籠。

しかし半年前、飼い主が鉄で出来た檻から木製の檻へ鷲を移し替えた。

幾天後的夜裡,那隻大型鷲粉碎木籠,悠然自得地逃走了。

それから数日後の夜、大型の鷲は木製の檻を粉砕し悠々自適に逃亡したとの事だ。

「我們有維特曼他們,所以肉很多,再多一隻鷲也沒什麼大差別嘛」

「うちはヴィットマンたちがいるから、肉が沢山あるのよね。今さら鷲が一羽増えても大した差じゃないね」

信長擴展了養殖範圍到雞、家鴨、鵝,最近甚至開始養合鴨(あいがも)與鵪鶉(うずら)。

信長は鶏、家鴨、鵞鳥、そして最近では合鴨(あいがも)と鶉(うずら)の養殖まで手を広げた。

他新設了名為五鳥衆(ごちょうしゅう)的鳥類養殖專職,足見其決心。

五鳥衆(ごちょうしゅう)という鳥養殖専門の職業を新設した事から、彼の意気込みが伺える。

五鳥衆的基本職責包括:養殖技術的規格統一、對生態的觀察與研究、將養殖手法通用化與簡化的研究、尋求效率更高的養殖方法,以及從羽毛到其他資源的無浪費利用等多樣化研究。

この五鳥衆(ごちょうしゅう)とは養殖技術の規格統一は勿論、生態の観察及び研究、養殖の手法を汎用化や簡略化の研究、効率の良い養殖方法の研究、羽毛一本に至るまで無駄のない利用方法の研究等、多種多様の研究が基本的な役割だ。

信長認為「不把技術做到極致就無法理解其內涵的養殖技術是無價值的」,因此在鳥類養殖方面徹底追求規格統一、通用化與合理化。

信長は『極めなければ内容が理解出来ない養殖技術は無価値』と考え、鳥養殖に関しては徹底的に規格統一と汎用化、合理化を突き詰めていた。

受正月發放的「食十二條」影響,雞蛋產業在尾張、美濃的百姓間迅速蔓延,如今已發展成一大產業。

正月に配布された「食十二ヶ条」の影響もあり、鶏卵産業は尾張・美濃の百姓の間で瞬く間に広まり、今では一大産業にまで発展した。

「那麼,我要讓牠坐在手臂上……有人想挑戰嗎?」

「さて、この子を腕に乗せてみるけど……誰か挑戦したい人はいる?」

頓時大家都揮手拒絕,但他們的反應完全正常。

瞬間、全員が手を振って拒否する。しかし彼らの反応は至って正常だ。

籠中的鷲和大鷹(オオタカ)相比,差距如同大人與嬰兒。爪子看起來超過十五公分,全長近一公尺。

檻にいる鷲は大鷹(オオタカ)と比べると、大人と赤子ほどの差がある。爪の長さは見た感じ十五センチ以上、全長は一メートル近くもあるのだから。

雖然有些害怕,但想把鷹放到手臂上的靜子在自己手臂上繫上粗繩,外面再套上鹿皮做的手套。

多少怖さはあるものの、鷹を腕に乗せたい欲求があった静子は、自身の腕に太い縄を巻き、その上に鹿の皮で作った手袋を重ねる。

準備就緒後,靜子轉向籠內的鷲。她細看之後發現對籠裡的鷲有些眼熟。

準備が整うと静子は檻の中にいる鷲へ顔を向ける。鷲をよく観察した彼女は、檻の中にいる鷲に見覚えがある事に気付く。

「這是……扇尾鷲?」

「これ……オウギワシ?」

頭頂的黑色扇形冠羽、臉周圍蓬鬆的毛,看起來全長近一公尺,爪子長接近二十公分,完全符合扇尾鷲的特徵。

頭頂にある黒い扇形の冠羽、顔の周りにあるもこもこした毛、見る限り全長一メートル近く、爪の長さは二〇センチ近く、とオウギワシの特徴と尽く一致した。

從全長推測是大型的雌性個體,因為在猛禽類中雌性通常比雄性更大。

全長から大型の雌個体である事が推測出来る。雄より雌の方が大型化する猛禽類だからだ。

「難道是從美洲原住民那裡得到的嗎?」

「もしかしてネイティヴ・アメリカンから貰ったのかな?」

美洲原住民會捕捉生於中美到南美的扇尾鷲並馴養,將冠羽用作裝飾。

ネイティブ・アメリカンは中央アメリカから南アメリカに生息するオウギワシを捕らえて飼いならし、装飾用に冠羽を使っていた。

據說飼養活扇尾鷲的人會受到同伴極大的尊敬。

また、生きたオウギワシを飼っている者は、仲間から大変尊敬されたと言われている。

(不會吧,那種比這還要大的鷲……不會是已經滅絕的那種吧)

(まさかこれ以上の大きさの鷲って……絶滅したあの鷲じゃないでしょうね)

靜子否定了自己的想法說不可能,但歷史記載中並沒有證據顯示在記錄的年代已經滅絕。

まさかそんな、と静子は自分の考えを否定する。しかし歴史に記されている年月に絶滅したという証拠はない。

那只是推測可能已經滅絕,因此不能否定還有少數個體存活的可能性。

単に絶滅したであろうと推測したに過ぎず、そのため少数ながら生き続けている可能性は否定出来なかった。

「(嗯,現在先專心在扇尾鷲上)來,這裡,坐在這裡。好乖好乖……乖孩子乖孩子」

「(まぁ今はオウギワシに集中しよう)ほらここ、ここに乗るの。おーよしよし……いい子いい子」

她指著自己的手臂等牠上來。過了一會兒,牠歪著頭但還是從籠裡出來,落到靜子的手臂上。

自分の腕を指さしながらオウギワシが乗るのを待つ。暫くして首を傾げながらも、オウギワシは檻から出て静子の腕に乗った。

當然不會被一百以上的握力緊握,但將近十公斤的重量仍壓在靜子的手臂上。

流石に握力百以上で握られる事はないが、それでも十キロ近い重さが静子の腕にのしかかる。

「(記得電視上鷹師會給予獎勵)這是獎勵的肉哦」

「(確かテレビとかで、鷹師はご褒美を与えていたなぁ)ご褒美のお肉だよ」

似乎是久違的肉食,扇尾鷲專心致志地撕扯著家鴨的肉吞食。

久々のお肉なのか、オウギワシは一心不乱に家鴨の肉を引き千切っては食べていた。

「(大概如果長時間不給肉就不會認主人吧)好,得為你做個小屋了。鐵籠子應該太狹窄了」

「(多分、長期間肉を与えないと主人とは認めないだろうね)よし、君用の小屋を作らないとね。鉄製の檻は狭いだろうし」

靜子認為扇尾鷲不會像信裡說的那樣,僅僅把給牠肉的人當作主人。

静子はオウギワシが、手紙通り単に肉を与えた人間を主人と認めるとは思えなかった。

不會向人討好,不與其他個體成群,只和一位伴侶共度一生,這種孤高的生活方式正是猛禽類的魅力;若不能與該猛禽建立信賴關係,恐怕不會被視為主人。

人間に媚を売らず、他の個体と群れず、ただ生涯一人の伴侶と生きる。そういう孤高な生き方が猛禽類の魅力だ。その猛禽類と信頼関係を結べなければ、主人と認められないだろう。

獵鷹也是同理。正是因為鷹匠與獵鷹之間有堅固的信賴,獵鷹狩獵才得以成行。

鷹狩りでも同じだ。鷹匠と鷹の間に固い信頼関係があるからこそ、鷹狩りは可能なのだ。

「那麼,暫時就將就住在鐵籠裡吧」

「ま、暫くは鉄の檻で我慢してね」

不知是理解了靜子的話,扇尾鷲特別高聲鳴叫了一聲。

静子の言葉を理解したのか、オウギワシは一際高く鳴いた。

靜子正式飼養的動物是維特曼等人的灰狼與信長賜予的扇尾鷲,但她周遭的動物不只這兩種。

静子が正式に飼っている動物は、ヴィットマンたちハイイロオオカミと信長より下賜されたオウギワシだ。しかし彼女の周りにいる動物はその二種だけではない。

靜子的居住地一帶仍在開墾,主要進行基礎設施整備,規模不大。

静子の居住地一帯は今も開墾が続けられているが、主にインフラ整備であり規模は小さい。

人口密度低,利用畜力開墾視規模可能需花數年,因此仍有許多人跡未及的自然保留著,各種野生動物開始在那裡落腳。

人口密度も低く、畜力開墾は規模によっては数年を要するため、まだ人の手が入っていない自然が多く残されたままだ。そこを多種多様の野生動物が住み着き始めた。

在其中有幾種與靜子產生了關係。

その中で幾つかの種が静子と関わりを持った。

首先是與農業密不可分的烏鴉。日本常見細嘴烏鴉與厚嘴烏鴉兩種,現代日本都市常見被列為大型鳥類的厚嘴烏鴉。

まず農業と切っても切れない関係のカラスだ。日本にはハシボソガラスとハシブトガラスの二種が多く、現代日本では大型の鳥類に分類されるハシブトガラスが都市部でよく見られる。

順帶一提,細嘴烏鴉與厚嘴烏鴉有幾個明顯的不同。

余談だがハシボソガラスとハシブトガラスは大きな違いが幾つかある。

首先,細嘴烏鴉多半單獨或成對活動,相對地厚嘴烏鴉常以群體行動。

まずハシボソガラスは単独かペア行動が多く、対してハシブトガラスは群れでの行動が多い。

此外,細嘴烏鴉常在地面行走,而厚嘴烏鴉除非覓食或洗澡外,通常停在高處。

またハシボソガラスは地面を歩く事が多いが、ハシブトガラスは食べる時と水浴びをする事以外、常に高いところにいる。

據說這是因為細嘴烏鴉習於開闊地帶生活,而厚嘴烏鴉則在森林中棲息的緣故。

これはハシボソガラスが開けた場所で生息するのに対し、ハシブトガラスが森林の中で生息していた事が理由と言われている。

細嘴烏鴉比厚嘴烏鴉體型小,常被搶食,但也因此他們的創意和學習能力非常高。

ハシボソガラスはハシブトガラスより小さく、よく餌を奪い取られたりしているが、その分、彼らは創意工夫や学習能力が非常に高い。

在現代日本,會在斑馬線放核桃讓車輛碾破、從賽錢箱偷錢、或用自動販賣機買鴿食的那些烏鴉,多半是細嘴烏鴉。

現代日本で横断歩道に胡桃を落として車に割らせたり、賽銭箱から金を盗み鳩の餌を自動販売機から購入したりするカラスは、たいていハシボソガラスだ。

當然這並不代表厚嘴烏鴉愚笨,厚嘴烏鴉也有許多聰明的逸聞。

無論、ハシブトガラスが低能という訳ではなく、ハシブトガラスもまた数々の賢い逸話を持っている。

偏好動物性食物的厚嘴烏鴉與主要偏好植物性食物的細嘴烏鴉,後者將靜子居住地周邊作為勢力範圍是理所當然的結果。

動物系を好むハシブトガラスに対し、主に植物系の餌を好むハシボソガラスが静子の居住地周辺を縄張りとしたのは当然の結果だ。

起初為了防止農作物受害而驅趕細嘴烏鴉的靜子,過了一陣子後停止了驅趕行為。

最初こそ農作物被害を防ぐためハシボソガラスを追い払っていた静子だが、暫くして彼女はハシボソガラスを追い払う事を止めた。

絕非放棄驅趕ハシボソガラス,而是因為ハシボソガラス有著令人驚訝的策略。

決してハシボソガラスを追い払うのを諦めた訳ではない。そこにはハシボソガラスの驚くべき戦略があった。

他們認為若盯上農作物會被静子想出對策,於是把食物來源從農作物轉向田裡的害蟲。

農作物を狙えば静子に対策を練られると彼らは考え、餌を農作物から畑の害虫へ切り替えた。

雜食性的ハシボソガラス也吃昆蟲與青蛙,從農作物改以害蟲為主食毫無問題。

雑食のハシボソガラスは昆虫やカエルなども食べる。農作物から害虫を主食に切り替えても何ら問題はなかった。

藉由不斷向静子示好、表明自己不是敵人,他們逐漸消弭了她的敵意。

こうして自分たちは敵ではない、と静子にアピールし続ける事で彼女の敵愾心を無くしていく。

這個策略大獲成功,ハシボソガラス的族群順利在静子居住地附近取得了勢力範圍。

この作戦は大成功をおさめ、見事ハシボソガラスの集団は静子の居住地近くに縄張りを持つ事に成功した。

約三十隻的群體可以盡情啃食蔬菜碎屑、間引掉的農作物,以及僅限於被害蟲侵襲的作物。

およそ三〇羽の群れは、野菜屑や間引きした農作物、害虫にやられた作物限定なら食べ放題だった。

静子與野生動物的共存關係絕非僅限於ハシボソガラス。

静子と野生動物の共存関係は何もハシボソガラスに限らない。

在養殖ホンモロコ的區域,ニホンカワウソ定居下來,將從養殖場逃入外河的ホンモロコ以及周圍的青蛙當作食物。

ホンモロコを養殖している地域にはニホンカワウソが住み着き、養殖場から外の川へ逃げたホンモロコや周囲に住むカエルを餌としていた。

此外,静子種植椎茸的山林裡,不知何時已有兩三對的オオワシ落腳。

更に静子が椎茸を栽培している山には2,3組のつがいのオオワシがいつしか住み着いていた。

牠們在夏末至初冬為了鮭魚飛往北海道,其餘季節則以ホンモロコ為主要目標,偶爾也會去漁村討些零碎餘食。

彼らは夏の終わりから冬の初めは鮭を求めて北海道へ。それ以外の季節はホンモロコが主目的、たまに漁村でお零れを貰いに行っていた。

蠶產業活躍或穀物存放的區域,不久便有無數的日本猫定居。

蚕産業が活発な地域や穀物を保管する区画には、いつしか無数の日本猫が住み着いた。

一得知此事,静子便立即掛上寫著「不得以項圈拴住貓」的木牌。

それを知るや否や、静子はすぐに「猫を首輪で繋げるべからず」という禁令が書かれた木札を掲げた。

之所以下令,是因為很多飼主為了盡量不失去珍貴的寵物貓,習慣把貓以項圈拴住。

貴重な愛玩動物の猫をできるだけ失わないようにするために、首輪を繋ぐ飼い主が多かったからだ。

發布禁令後起初招來飼主不滿,但自從嚴令放養貓隻後,因鼠而生的鼠害明顯驟減。

禁令を出した事で最初は飼い主たちから不満が出たが、猫の放し飼いを厳命した時期を境に、鼠による鼠害が目に見えるよう激減した。

親眼目睹這個結果的飼主們理解到把貓拴在項圈上會阻礙貓作為驅鼠者的本分,因此向静子道歉,收回了抗議。

この結果を目の当たりにした飼い主たちは、猫を首輪に繋げる事は鼠を駆逐するという猫本来の役割を阻害していたと理解し、静子へ抗議した事を謝罪した。

人與動物共存的環境會吸引許多大小生物定居,其間形成循環系統,生態金字塔由此建立。

人間と動物が共存する環境は、大小問わず多くの生き物が住み着く。そしてその中で循環サイクルが出来上がり、生態ピラミッドが完成する。

因此各種野生動物會聚集在静子周遭,實屬理所當然。

故に静子の周りに様々な野生動物が集まってくるのは自明の理であった。

「不過話說回來,我可不想要連野犬也來,吧?」

「だからと言って野犬まで欲しくない、かなぁ」

然而在野生動物之中也有不受歡迎的訪客,其中問題最大的是野犬。

しかし野生動物の中には招かれざる客もいる。その中で一番問題視している動物が野犬だ。

鼬鼠(イタチ)雖然也是害獸,但鼬鼠不會出現在有大型猛禽棲息的區域。

鼬鼠(イタチ)も野犬と同様の害獣だが、鼬鼠(イタチ)は大型の猛禽類が生息している地域には住まない。

鹿在現代日本會肆虐農作物是害獸,但在静子居住地周邊因有多種肉食動物生存,鹿更像是破壞山域環境的問題動物。

鹿は現代日本なら農作物を食い荒らす害獣だが、静子の居住地周辺は多くの肉食動物が生息する関係で、害獣というより山の環境を破壊する問題動物扱いだ。

「大概、是在這一帶……」

「多分、この辺りだと思うのだけど」

静子帶著カイザー等人前往野犬侵入的區域。

静子はカイザーたちを引き連れて、野犬が侵入した区域に移動する。

對カイザー等來說,對闖入地盤的野犬施以懲戒並收拾掉有示範意義,但静子不願意白白流血,即便對象是野犬也不例外。

カイザーたちとしては縄張りに侵入した野犬は見せしめの意味も含めて始末したい所だが、静子は例え野犬といえども余計な血を流したくなかった。

但維持地盤的支配對静子來說是必要的職責,若怠忽這點,ヴィットマン們便無法安心。

しかし縄張りの支配は静子にとって必要な仕事だ。これを怠ればヴィットマンたちが安心出来ない。

因此她決定迅速且精準地處理掉統率野犬群的領頭者。

そこで彼女は素早く、しかし正確に野犬の群れを統率するリーダーを始末する事にした。

藉此她可讓ヴィットマン們覺得她可靠,並使野犬群屈服。

これをする事で静子は頼りがいがあるとヴィットマンたちに思わせ、かつ野犬の群れを屈服させる事が出来るのだ。

當然無傷亡最好,但若不戰便會失去地盤,被野犬奪走地盤將給周遭帶來極大困擾。

犠牲なしが一番良いが、戦わなければ縄張りを失う。そして野犬に縄張りを奪われる事は、周囲に多大な迷惑を被らせる事になる。

作為ヴィットマン們的飼主,静子必須盡責守護地盤。

ヴィットマンたちの飼い主として、静子は縄張りを守り通す責務を果たさなければならない。

既然要以強者的理論強壓野犬並處決其領導者,至少要不讓那份犧牲白費,這是最低的慰祭。

しかし強者の理屈を野犬に押し付けてリーダーを殺める以上、その犠牲を無駄にしないのがせめてもの手向けだ。

領導者會被妥善掩埋,其餘的野犬在去除壁蝨與跳蚤、完成各項健康檢查並受訓後,會被重新培育成警戒犬或傳令犬。

リーダーは丁寧に埋葬し、残りの野犬はダニやノミの除去、各種健康診断後、訓練を経て警ら犬や伝令犬として生まれ変わらせていた。

「那麼,應該在這附近……咦?」

「さて、この辺りのはず……おや?」

她把複合弓架在肩上警戒四周,這時野犬群映入眼簾,但牠們並未朝這邊注意,而是盯著樹下的某樣東西。

コンパウンドボウを構えて周囲を警戒すると、野犬の群れが目に入る。だが彼らはこちらに意識を向けず、木の下にある何かに意識を向けていた。

然而那也只是短暫,當牠們察覺到静子等人的氣味時,便發出警戒與威嚇的叫聲。

だがそれも僅かだった。静子たちの匂いに気付くと、野犬たちは警戒と威嚇の声を上げる。

有一隻吠得特別大聲、且被野犬護衛的狗讓静子認出牠是群首領;她一邊從箭筒取箭,一邊從四周的灌木叢裡看見野犬接連現身。

一際大きく吠え、野犬に護衛されている犬が群れのリーダーだと静子は気付く。矢を筒から取り出すと同時、周囲の茂みから野犬が次々と現れた。

但静子毫無恐懼,摸了摸近旁可靠的護衛們,搭箭就短促地下達了指示。

しかし静子に恐怖はなかった。すぐ傍に在る頼もしい護衛たちを撫でると、矢を番えながら短く告げた。

「カイザー、ケーニッヒ,前後警戒。アーデルハイト、リッター、ルッツ,左右警戒。一擊決定。」

「カイザー、ケーニッヒ、前後の警戒をお願い。アーデルハイト、リッター、ルッツは左右の警戒。一撃で決めるよ」

瞬間カイザー等發出猛然的咆哮。

瞬間、カイザーたちが猛々しく咆哮する。

静子手下有五隻ハイイロオオカミ,而野犬則帶著接近三十隻的群體;數量上明顯處於劣勢,但カイザー等不僅體型勝過大型犬,更有截然不同的鬥志。

静子は五匹のハイイロオオカミ、対して野犬は三十匹近くを従えていた。数の差では圧倒的に不利だが、カイザーたちは大型犬を超える体躯である事、何より闘争心の違いがあった。

被那股氣勢壓倒的野犬們低下頭、把耳朵貼向頭部,領頭者見狀便朝周圍的野犬嗥叫,試圖振奮那些驚慌的犬隻。

その勢いに飲まれた野犬たちは、頭を低くし耳を頭の方へ倒した。それを見たリーダーが、怯える犬たちに発破をかけようと、周囲の野犬たちに向かって吠え出した。

(移開視線了!)

(目を逸らした!)

她沒有錯過領隊的注意力從靜子轉向手下的那一瞬間。她搭在弦上的箭射向領隊的顱頂。

リーダーの意識が静子から手下に変わった瞬間を、彼女は逃さなかった。番えていた矢をリーダーの脳天目掛けて放った。

領隊注意到放箭的聲音,但在把視線從靜子移開的情況下,面對時速超過100公尺的複合弓箭仍無法應對。

矢を放つ音にリーダーが気付いたが、流石に静子から目を離した状態で、秒速100mを超えるコンパウンドボウの矢には対処しきれなかった。

被箭貫穿顱頂的領隊邊流血邊倒在地。微微抽搐後,沒有發出一聲呻吟就斷氣了。

脳天を貫かれたリーダーは、血を流しながら地面に倒れ伏す。僅かに痙攣した後、呻き声一つ上げず絶命した。

接下來事情迅速結束。群體的領頭死了,野狗們失去抵抗意志,仰面躺下對靜子擺出服從的姿態。

そこからは話が早かった。群れのリーダーが死んだ事で野犬たちは抵抗の意志を失い、仰向けに寝転んで静子に服従のポーズを取った。

「魯茲,把信送給彩醬。阿德爾海特和利特把野狗排好。凱澤和肯尼希暫時負責周圍警戒。」

「ルッツ、彩ちゃんに手紙を届けて。アーデルハイトとリッターは野犬を整列。カイザーとケーニッヒは一応周囲の警戒をお願い」

似乎即使沒有犬哨也能理解靜子的話,凱澤等各自完成了自己的任務。

犬笛が無くとも静子の言葉を理解しているのか、カイザーたちがそれぞれの役割を全うする。

魯茲為了把信送到彩那裡跑了出去,阿德爾海特和利特以吠叫向野狗下達命令。

ルッツは手紙を彩に届けるため駆け出し、アーデルハイトとリッターは吠え声を上げて野犬たちに命令を飛ばした。

靜子合掌向已死的領頭致意後,走向野狗們感興趣的地方。移到樹下,明白了野狗們感興趣的是什麼。

静子は絶命したリーダーに合掌をすると、野犬たちが興味を示していた場所へ向かった。木の下まで移動すると、野犬たちが興味を示していたものが何か理解する。

「……貓頭鷹?」

「……フクロウ?」

樹下的是貓頭鷹的雛鳥。但羽毛髒兮兮、動作遲緩,一看就知道衰弱。

木の下にいたのはフクロウの雛だった。しかし毛は薄汚れており、動きも緩慢で、見るからに衰弱しているのが分かる。

還能從樹上聽到鳴叫聲,至少有兩隻貓頭鷹雛。

更に鳴き声が木の上からも聞こえ、少なくともフクロウの雛が二羽いる事が分かった。

爬上樹檢查巢時,巢中也有一隻快要衰弱而死的雛鳥。

木を登って巣を確認すると、こちらも衰弱死手前の雛が一羽いた。

沒有找到父母的蹤跡,可能是出於某種原因父母拋棄了孩子,或是受傷或生病而死了。

親の痕跡が見当たらない所から、何らかの理由で親が子供を放棄したか、それとも怪我や病気で死んだかのどちらかだろう。

「沒辦法了。既然都看到了,也不能視而不見嘛。」

「仕方ない。見てしまった以上、見過ごす訳にもいかないしね」

把雛鳥連巢一起抱下樹後,把地上的雛放回巢裡。

雛を巣ごと抱えて木から下りた後、地面にいた雛を巣の中に入れた。

兩隻都已長出成鳥的羽毛,靜子估計大約兩個月大。

二羽とも大人の羽根が生えてきている所から、生後二ヶ月程度だと静子は思った。

「好像貓頭鷹三個月大就接近成鳥了……不過這樣看起來還是偏大耶。」

「確かフクロウって生後三ヶ月で大人と遜色ない姿になるけど……それにしては大きいような」

由於還殘留著絨毛,確定雛鳥大約兩個月大無誤。

産毛が残っている事から、雛が生後二ヶ月程度なのは間違いない。

即便考慮到沒有被親鳥餵食,對於貓頭鷹雛來說還是顯得大隻。

しかし親鳥から食事が与えられていなかった点を考慮しても、フクロウの雛にしては大きいのだ。

而且大的不只是掉落的那隻,巢裡的雛也同樣不遜色地大。

そして大きいのは落ちていた雛だけでなく、巣の中にいた雛も負けず劣らず大きい。

(……來到我們家的都是大型猛禽嗎?)

(……うちに来るのは大型の猛禽類ばっかり?)

雖然有種不好的預感,靜子還是把兩隻貓頭鷹雛帶回家,為牠們搭了個小屋。當然,後來靜子才知道牠們並非普通的貓頭鷹。

なんだか嫌な予感がしつつも、静子はフクロウの雛二羽を家へ持ち帰り、彼らの為の小屋を設置した。勿論、彼らが単なるフクロウではない事を、後に静子は知る事となる。