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戦国小町苦労譚

一五六九年 六月下旬

對於一直沒有顯露侵攻伊勢動向的信長,各國派來的間諜為向主君報告的事感到頭疼。

一向に伊勢侵攻への動きを見せない信長に、各国が派遣した間者達は主への報告に頭を悩ませていた。

沒有任何為行軍做準備的特別動作,除了對突發事件的處置外,幾乎沒有下達任何明確的指示。

行軍に向けた特別な動きは皆無であり、突発的に発生する事案に対する差配以外はこれと言った指示すら出す事が無かった。

只要有空就主辦小規模的角力比賽,自身也參加競技揮汗,有時忽然消失,幾天都沒有音訊。

暇を見つけては小規模な角力大会を主催し、自らも出場して競い合い汗を流す。時折ふらりと姿を消したかと思うと数日間音沙汰が無い。

(實際上是去靜子的村,在溫泉裡放鬆)雖然無法時刻監視,但從零星傳來的信長行動看來,實在只像是在沉迷玩樂。

(実際は静子の村へ足を運び温泉で寛いでいた)流石に始終監視が出来ている訳ではないが、漏れ伝わってくる信長の行動を鑑みると、どうも遊びに興じているようにしか見えなかった。

結果間諜們只能報告:「信長日常無異,只要有空便沉浸於遊戲」。

お陰で間者は『信長は日々変わりなく、暇を見つけては遊びに興じています』としか報告を上げられない。

當然,反覆聽到這類報告的雇主開始懷疑間諜怠惰,最終勃然大怒並嚴厲斥責他們。

当然、そんな報告を繰り返し聞かされる雇い主は間者の怠慢を疑い、ついには激怒し間者を激しく叱責する。

因為如實報告會被斥責,間諜便強行捉拿以獲得國人想要的信息,或把報告內容修飾成雇主想聽的樣子,最後甚至乾脆捏造。

事実をありのままに報告すると叱責されるため、間者は国人が望む情報を得ようと無理をし捕縛されたり、報告内容を事実ではなく雇い主が望むように脚色し、ついには完全に捏造するに至る。

結果從多條途徑上來的報告變得支離破碎、互相矛盾,形成責罵間諜的惡性循環,陷入死胡同無法自拔。

結果として複数経路から上がってくる報告は整合性の無い支離滅裂な物となり、更に間者を責めるという悪循環に嵌り込み袋小路から抜け出せないでいた。

事實上,起初間諜們報告的內容是切中要害的:信長確實在重視圍棋和將棋等遊戲。

実際のところ当初間者達が報告していた内容は的を射ていた。信長は囲碁や将棋といった遊戯に力を入れていた。

在戰國時代,圍棋和將棋的規則並不統一,存在數個流派。

戦国時代、囲碁や将棋はルールが統一しておらず、幾つかの流派が存在していた。

信長研習並整合這些規則,制定出新的獨有規則,編成規定書推廣為尾張圍棋、尾張將棋。

信長はそれらを研究し、統合した上で新たな信長独自のルールを制定して、尾張囲碁、尾張将棋として規定書を設け広めた。

在那時也向靜子徵詢了意見。

その際に静子からも聞き取りを行った。

靜子在現代時曾陪村裡老人下圍棋或下將棋,對一般規則有所瞭解。

静子が現代に居た頃は、村の老人相手に囲碁や将棋の相手をしていたため通り一遍のルールを把握していた。

背景是把代代相傳、去蕪存菁、較為洗練的現代規則與雖粗糙但具特色的戰國時代規則整合,然後取捨出信長認為合理的項目。

脈々と受け継がれ無駄を省き洗練された現代のルールと、荒削りながらも特色のある戦国時代のルールを統合し、そこから信長にとって合理的だと判断できるルールを取捨選択していったという背景が存在した。

外人看來可能只覺得他熱衷於娛樂,但信長在這些遊戲中看到了可能性。

周囲から見れば余興に熱を上げているようにしか見えないが、信長はこれらの遊戯に可能性を見出していた。

那是為了鍛鍊「想像力」。信長回顧過去,發現有能的人才往往想像力豐富。

それは『想像力』を鍛える事だ。信長は今までを振り返り、有能な人材は『想像力』が豊かであるという事に気が付いた。

但鍛鍊這種「想像力」非一般努力可得;若能輕易獲得,這世上便會充斥著有能人才。

だがこの『想像力』を鍛える事は並大抵の努力では叶わない。容易く『想像力』を手に入れられるならば、この世は有能な人材で溢れる事になる。

思考如何達成時,信長盯上了遊戲。

どうするべきか、と考えて信長が目につけたのが遊戯だ。

他打算利用圍棋、將棋等遊戲來強化部下的「想像力」。

彼は囲碁や将棋などの遊戯を使い、配下たちの『想像力』を強化しようと考えた。

作為遊戲,能讓人不拘泥於被賦予的責任,愉快地投入其中。

遊戯ならば己に課せられた責務と肩肘張らずに本人が楽しんで取り組める。

對外也能呈現為推廣藝事的文化人,而非逞強好勇的武夫,這也是理由之一。

また外部に向けては武張った猪武者ではなく、芸事を振興する文化人として見えるというのも理由の一つだ。

事實上,沒有一個間諜能準確掌握信長重視遊戲的真正理由。

事実、信長が遊戯に力を入れている理由を、どの間者も正確に把握していなかった。

因為他的推廣對象不限於自己麾下。

それは広める対象を己の臣下に限らなかったからである。

信長把自己制定的規定書與器具分發到商人和百姓,且頻繁主辦任何人都能參加的遊戲大會,優勝者除了獎金還授予名人之名譽。

信長は商人や百姓にまで自ら定めた規定書と器具を配布し、更に誰でも参加出来る遊戯大会を頻繁に主催し、優勝者には奨励金と共に名人の名誉を与えた。

「無論對手是誰都要盡全力。那也是對對手表示尊重。不要因為覺得沒有勝算就貶低對方,那是對過去努力的否定。如果有這種愚蠢之人站出來,讓我親自以鐵拳制裁他!」

「相手が誰であれ全力を尽くせ。それが相手へ敬意を払う事にもなる。そして勝ち目が無いからといって相手を貶めるな。それは今までの努力を無に帰する行為だ。そんな愚か者がいたら前に出てこい。わし自ら鉄拳制裁を与えてやる!」

在舉辦遊戲大會時,信長像教誨般對眾人說話。

遊戯大会を開いている間、信長は皆に言い聞かせるように語る。

他從未失去作為國人的威嚴,但行事寬宏、開明,像個文化人。

決して国人としての威厳を崩さず、しかし鷹揚で開明的な文化人のように振る舞っていた。

「不問身分貴賤,自覺有能者請自告奮勇」

「身分の貴賤は問わぬ。我こそはと思わん者は名乗りを上げよ」

在這股遊戲熱潮沸騰的尾張,為尋找各種家畜而遠行的みつお他們回來了。

そんな遊戯ブームに沸き立つ尾張に、様々な家畜を求めて旅立ったみつおたちが帰ってきた。

但他除了帶回家畜外,還帶回了讓靜子等人意想不到的東西。

だが彼は家畜の他に、静子たちにとって予想外なものを持ち帰った。

一股尷尬的氣氛籠罩屋內。

気不味い空気が部屋を支配する。

みつお確實帶回了以琉球在來豚為原種的阿古豬(アグー)。雖不知詳情,卻也從琉球國王那裡得到了賜品。

みつおは確かに琉球在来豚を原種としたアグーを持ち帰ってきた。何をしたか不明だが琉球國の王から下賜品を受け取ってもいた。

他還入手了山羊,可以說是大獲成功。隨行的久治郎也取得了孟宗竹和作物種子,同樣達成了目的。

山羊も入手しており彼は大成功を収めたと言っても過言ではない。彼に同行した久治郎も孟宗竹や作物の種を入手しており、こちらも目的を達していた。

雖然對從琉球國帶來的賜品感到驚訝,但並非值得擔憂的事。

琉球國からの下賜品に驚かされはしたものの問題視する話ではない。

「對了……那邊那位是誰?」

「所で……そちらの方はどなたですか?」

問題在於比出發時多了兩個人。

問題は行った時より人が二人追加されている点だ。

一人是穿著華麗和服、看起來年幼的少女;另一人則是接近三十歲的女性,從舉止判斷應是她的侍女。

一人は華やかな着物を着た見るからに幼い少女だ。そして、もう一人が三十代手前の女性で態度から彼女の侍女と思われる。

靜子起初甚至失禮地想著他是否買了奴隸,但一問才知那位年僅八歲的少女舉止有著不可言喻的氣質,怎看都不像是百姓出身。

最初は奴隷でも買い入れたのかと恐ろしく失礼な事を考えた静子だが、聞けば御年(おんとし)八歳という少女は立ち居振る舞いに気品が感じられ、どう見ても百姓の類には見えない。

「說來話長」

「話せば長くなるのですが」

「不需要長篇大論,簡潔說出要點即可。」

「長い話など要らぬ、簡潔に要点のみを話せ」

足滿毫不留情地斬斷了みつお的話。

みつおの言葉を足満が容赦なく斬り捨てる。

「我去了琉球比飲(比賽飲酒量的活動),回到薩摩就被抓了,為了贖釋賭上比飲,贏了的話,不知為何被說要把姬君嫁給我,這讓我很困擾」

「琉球に行って呑み比べ(飲酒量を競う催し)をして、薩摩に戻ってきたら捕まって、釈放を賭けて呑み比べをして勝ったら、どういう訳かお姫様を嫁に、と言われて困っております」

判斷起來頗為為難。根本不清楚他們為何要比喝酒。

判断に困る内容だった。そもそも呑み比べをしている理由が全くもって不明だ。

「みつお……你酒量好,但不會想靠喝酒比賽來拿到孩子吧?」

「みつお……お前アルコールに強いからといって、呑み比べをして子どもを貰おうと考えたのではなかろうな?」

「大叔,怎麼可能會那樣──」

「おっさん、幾らなんでもそれはないわー」

「請等一下。為什麼會認為我會想那種事呢?那是嚴重的誤會。」

「ちょっと待って下さい。何故、私がそういう事を考えたと思ったのですか。酷い誤解です」

「那麼,為什麼要比喝酒……?你在酒精分解能力上,簡直得了名譽俄羅斯人的稱號吧。」

「なら、何故呑み比べを……? 貴様はアルコール分解能力だけは名誉ロシア人の称号を得ておろう」

「是對方提出來的,沒辦法啊。況且被抓的我,哪有決定這種比賽結果的權利?」

「向こうが申し出てきたのですから、仕方ない事なのです。そもそも捕まった私に、そういう勝負の決定権があるとでも?」

「還是說,你曾打算想方設法讓比賽對自己有利?」

「いや、勝負を有利に運ぼうと考えたとか?」

靜子一邊聽著老傢伙們(みつお、足滿、五郎)的對話,一邊抱臂思索著該如何處置她。

おっさんズ(みつお、足満、五郎)の会話を聞きながら、彼女をどうするべきか静子は腕を組んで悩む。

最後她放棄深思,對著被足滿和五郎追問得一臉為難而反駁的みつお這麼說道。

やがて考えるのを諦め、足満と五郎の突っ込みに困り顔で反論しているみつおにこう言った。

「請好好享受第二次的夫妻生活吧」

「第二の夫婦生活を謳歌してください」

多管閒事只會捲入更多麻煩。靜子理解這點,便轉開了視線。

首を突っ込めば余計な騒動に巻き込まれる。それを理解した静子は視線をそらした。

みつお帶著快要哭出來的表情看向足滿,卻見足滿立刻也躲開了她的視線。

みつおは泣きそうな顔で足満を見る。瞬間、彼もまたみつおの視線から逃げた。

更不用說五郎、長可、慶次、才蔵了。

五郎、長可、慶次、才蔵は言うに及ばず。

「該怎麼辦才好呢?」

「どうしたらいいのでしょうか」

「這個……就算你問我也……是島津家正式說要她做妻子吧。既然如此就接受當夫妻吧。」

「いや、私に言われましても……島津家から正式に妻として、と言われたのですよね。だったら諦めて夫婦をやって下さい」

「沒錯喔,みつお。這是第二人生,加油!」

「ソウダゾー、ミツオ。ダイニノジンセイダ、ガンバレー」

「沒錯喔,大叔」

「ソウダゾー、オッサン」

足滿與五郎以極其敷衍的語氣機械地說道。

凄まじく投げやりな態度で棒読みをする足満と五郎。

みつお了解沒有人站在自己這邊,耷拉著肩嘆了口氣。

味方がいない事を理解したみつおは、大きく肩を落としてため息を吐いた。

雖然可憐,但只能讓她放棄。畢竟若無禮地拒絕正式以妻子之姿入贅的她,會損害島津家的顏面。那樣一來,就算みつお再受寵,也不會善了。

可哀想だが諦めて貰う他ない。何しろ正式に妻として輿入れした彼女を、無下に断れば島津家の面子を潰す事になる。そうなれば、いくらみつおが気に入られていても、ただでは済まない。

「……先介紹一下。她是鶴姬(つるひめ),侍女是芝(しば)さん。」

「……とりあえず紹介します。彼女は鶴姫(つるひめ)、そして侍女の方は芝(しば)さんです」

被介紹的兩人深深地低下頭行禮。

紹介された二人が深々と頭を下げる。

結果眾人因為みつお的迎娶騷動錯失了商討今後方針的機會,便就這樣草草結束了對話。

結局みつおの嫁取り騒動で今後の方針を話し合う機会を逸した一同は、なし崩し的に会話を打ち切った。

雖然對みつお感到抱歉,但決定讓他專心於增加阿古豬(アグー)的工作。

みつおには申し訳ないが、彼にはアグーを増やす仕事に専念してもらう事にした。

這只是把問題往後推,但對現在的みつお來說似乎是件好事,忙碌的工作他也帶著笑容答應了。

問題を先送りしているだけだが、今のみつおにはそれが良かったのか、忙しい仕事も笑顔で了承する。

奶畜業的問題解決後,靜子開始著手養殖某種東西。

酪農の問題がなくなった静子は、あるものの養殖に取り掛かった。

靜子要養殖的,是甲魚(スッポン)。

静子の養殖、それはスッポンである。

理由是去年信長唯一給出的好評,還有田裡生存的田螺(タニシ)。

去年、信長が唯一好意的な評価を出したのと、田んぼに生息しているタニシが理由だ。

在現代日本也有一種叫作ジャンボタニシ的田螺,學名スクミリンゴガイ,被視為害蟲而令人畏懼。

現代日本でもジャンボタニシという名前で、害虫として恐れられているスクミリンゴガイというタニシがいる。

值得慶幸的是,ジャンボタニシ是在1981年為食用目的由台灣被人為引入到日本,之後野生化並對水田作物造成危害,成為入侵有害動物。

幸いにしてジャンボタニシは1981年に台湾から日本へ、食用を目的に人為的に輸入された後、野生化して水田作物に加害性を現した侵入有害動物である。

也就是說戰國時代並不存在ジャンボタニシ。

つまり戦国時代にジャンボタニシは存在しない。

不過田螺本身是存在的,像是作為肝吸蟲中間宿主的豆田螺(マメタニシ)等都有,基本上是吃泥底積存的垃圾等的有益生物。

ただしタニシ自体は存在しており、肝臓ジストマの中間宿主であるマメタニシなどはいるものの、基本的に泥底に溜まったゴミなどを食べるありがたい生き物だ。

基本上是有益的動物,但不知為何在尾張,田裡和灌溉溝渠出現了大量田螺繁殖的情形。

基本的には有益な動物だがどういう訳か尾張では、水田や用水路にタニシが大量発生する事態となっていた。

戰國時代根本不可能有橡膠長靴,田間作業時刺進腳裡的田螺成了農民共同的敵人。

戦国時代にゴム長靴など望むべくもなく、田んぼで作業する際に足に突き刺さるタニシは農民たちの共通の敵でもあった。

雖然可以拿來食用,但如前所述可能帶有寄生蟲,處理起來很麻煩。因此靜子想著是否能把牠們當成雜食性甲魚的餌食來利用。

食用にすることも出来るが前述の通り寄生虫を宿している可能性があり処理に難儀していた。そこで静子は雑食性のスッポンの餌として利用できないかと考えた訳だ。

因為過去有放流甲魚來驅除ジャンボタニシ並獲得成效的案例,所以田螺可以作為甲魚的餌食。

ジャンボタニシの駆除にスッポンが放流され、効果を上げた実績がある事からタニシはスッポンの餌として使える。

在現代日本甲魚相當有價值,曾有把甲魚放流到田裡後被無良之人偷走的事例。

現代日本ではスッポンは大変価値があるものなので、田んぼに放流したスッポンを心無い人たちが盗んだという事例がある。

但在戰國時代野生的甲魚四處可見,捕獲一些並不成問題。

しかし戦国時代では野生のスッポンがあちこちに生息している。多少捕獲しても何の問題もない。

最重要的是,作為尾張的統治者,信長允許靜子在一定程度上伐採與捕獲的自由。她可以在附近的河裡捕捉鼈和鰻魚,帶回家也沒有人會責難她。

何より尾張の支配者である信長より、静子はある程度の伐採や捕獲の自由が許されている。その辺りの川からスッポンや鰻を捕獲し、家へ持ち帰っても誰にも咎められないのだ。

不過她很守規矩,如果有人居住就會先打招呼,並回報捕獲數量以確認沒有過度取用後才離開。

だが彼女は律儀にも人が住んでいれば断りを入れ、捕獲した数を報告して過剰に取ってないか確認してから帰る。

因此她與鄰近村落保持一定交流,而且被當成「總是蒐集不明物品的奇怪有身份人士」來看待。

このお陰で彼女は近隣の村と一定の交流があり、かつ『よく分からないものをかき集める変わった偉い人』扱いを受けていたりする。

「抓到二十對鼈!孵化場不用了,正想著能不能利用溫泉的廢湯……用這些鼈最合適了。田螺也能抓到多得嚇人。」

「スッポンの番(つがい)を二十組確保! 孵化場が要らなくなったから、何か温泉の廃湯が使えないか考えていたけど……このスッポンなら最適だね。タニシなんて腐るほど捕まえられるし」

既然養雞已在尾張、美濃全境普及,靜子特意維持孵化場持續孵小雞的意義就變得薄弱了。

養鶏が尾張・美濃全土に広まった以上、静子が特別孵化場を維持してヒヨコを作り続ける意味は薄くなった。

覺得不用可惜,於是她想著利用廢湯來養殖鼈。

使わないのは勿体無いと考えた結果、廃湯を使ってスッポンの養殖をしようと考えた訳である。

恰巧又是鼈的產卵期(六月到八月),這也是其中一個原因。

丁度スッポンの産卵時期(六月から八月)だというのも理由だ。

為防止鼈逃逸,養殖池將池底挖低一層,並在池中央附近設置岩區,供鼈曬太陽。

養殖池はスッポンの逃亡を防ぐため、底を掘り下げて一段低くすることと、スッポンが日光浴をする場所として養殖池の中央付近に岩場も設けた。

然後沿岸鋪上泥土並覆蓋水草,以確保鼈有藏身處。鼈非常膽小,若無藏身處會感到壓力。

後は沿岸部まで泥を敷き上に水草を被せてスッポンの隠れる場所を確保する。スッポンは非常に臆病な動物であり、隠れる場所がないとストレスを感じる。

若這種壓力長期持續,鼈會互相殘食而死,故為鼈製造藏身處是養殖場的重要工作。

このストレスが長期間続くとスッポンは共食いをして死んでしまう。故にスッポンが隠れる場所を作る事は、スッポンの養殖場を作る上で重要だ。

最後再設置產卵用的沙地,以及連接該處的入口,基本設備就完成了。

最後に産卵場の砂場、そしてその場に繋がる入り口を設置すれば一通りの設備は完成だ。

孵化器不像雞那樣需要精密的環境,有土和噴霧器就沒問題。竹製噴霧器已經完成,對鼈的養殖毫無障礙。

孵化器も鶏のように細かい環境は不要で、土と霧吹き器があれば問題ない。竹製霧吹き器が完成している今、スッポンの養殖には何の支障もない。

從稚龜池和育成池的規模推測,容納量約為兩萬隻左右,但即便超載也有對策。

稚亀池と養成池のサイズから、許容量は二万匹程度だと推測する。だが許容量をオーバーしても対策はある。

可在休耕田注水並搭屋頂以免雨水直接進入,並設置柵欄等防止鼈逃跑。

休耕田に水を入れて屋根を設置して雨が直接入らないようにし、また柵などを設置してスッポンが逃げないようにする。

如此一來只要適度餵食就能充分成長,另外作為副產物養分也會回流到田裡。

こうすれば後は適度に餌を与えているだけで十分成長する。更に副産物として田んぼに栄養が戻る。

「鼈啊……就是去年吃過的那個吧?」

「鼈(スッポン)ねぇ……去年食べた奴だよな?」

「應該是吧。會咬人的龜……本以為是雜食之類,沒想到滋味卻能滲入體內。」

「そうであろう。噛み付き亀か……あれは悪食の類(たぐい)と思っていたが、体に染みわたる旨さだった」

「看他們燒了很多厚底土鍋,應該是要認真大量繁殖了吧。」

「何やら厚底の土鍋を大量に焼いていたから、本格的に殖(ふ)やすのだろうな」

慶次、才蔵、長可三人從後方看著靜子的作業景象,此時他們腦中只剩下吃鼈的念頭。

静子の作業風景を後ろから眺めている慶次、才蔵、長可の三人。彼らは既にスッポンを食べる事しか頭になかった。

「……頭好痛」

「……頭が痛い」

不過他們的話也未必全錯。

しかし彼らの言う事はあながち間違いではない。

鼈富含胺基酸、鈣和維生素,還具有優良的淨血作用。如今作為高級料理並不普遍,但在江戶時代是庶民也會食用的廉價食材。

スッポンはアミノ酸、カルシウム、ビタミンの宝庫で、更に優れた浄血作用がある。今日(こんにち)では高級料理として一般的にはなじみの少ない食材だが、江戸時代には庶民も食す安価な食材であった。

但像狐狸與狸一樣,某些地方也會把鼈視為妖怪。

だがキツネやタヌキ同様、土地によってスッポンは妖怪視されてもいた。

而且鼈的內臟與血液中有寄生蟲,因此食用生血時必須非常小心。

そしてスッポンは内臓や血に寄生虫がいる。よって生血は十分に注意する必要があった。

「把活血用燒酎調開當作補品也是一招。蒸餾器也可能靠ファクチス發揮效用,因為怕寄生蟲就把內臟投入廚餘堆肥。剩下的肉拿來食用,土鼈甲拿去當漢方藥出售。」

「生き血は焼酎で割って精力剤にするのも手だね。蒸留器もファクチスのお蔭でものになりそうだし、寄生虫が怖いから内臓は生ごみ堆肥に回すか。残りの肉は食用、土鼈甲(どべっこう)は漢方薬として売りに出そう」

將鼈的甲殼曬乾稱為土鼈甲。把它磨成粉末常被當作漢方藥,經常用作補藥或保健食品的原料。

スッポンの甲羅を乾燥させたものを土鼈甲(どべっこう)と言う。これを粉末にしたものは漢方薬として扱われ、精力剤や健康食品の原材料に用いられる事が多い。

無法利用的部分則挖深坑與生石灰一同掩埋,以防病害蟲擴散。

どうしても使えない部分は、深い穴を掘って生石灰と一緒に埋めてしまう事で病害虫の拡散を防止することにした。

「唉……為了在後面吵鬧的那三人組,再去釣一次鼈吧。」

「はぁ……後ろで騒いでいるトリオの為に、もう一度スッポン釣りをしてくるか」

靜子一邊以帶點無奈的目光看著三人為鼈的滋味展開白熱討論,一邊如此喃喃自語。

スッポンの味について白熱した議論をしている三人を、生暖かい目で見ながら静子はそう呟いた。

鼈的產卵期是六月到八月,一次產卵約十到五十顆。平均一隻雌龜約產三十顆,但仍視個體而定。

スッポンの産卵期は六月から八月で、一回の産卵で十から五十個ほどを産む。平均すると一匹のメスが三十個程度産卵する計算になるが、こればかりは個体次第だ。

繁殖期是四月到六月,因此六月捕獲的雌龜已經交配過。仍捕獲公龜作為配對,是為了來年不會缺乏公龜,並累積養殖經驗。

繁殖期は四月から六月なので、六月に捕獲したメスは既に交尾済みだ。にも関わらず番になるようにオスも捕獲した理由は、翌年以降オスに困らない為と、養殖育成の経験を積むためだ。

鼈要等到五到六年才具有生殖能力,也就是說這次捕獲的配對要作為繁殖用努力好幾年。

スッポンは生殖可能となるまで5~6年掛かる。つまり今回捕獲した番(つがい)は数年間繁殖用として頑張って貰うことになる。

或許運氣不錯,過了一陣子被飼養的雌龜們完成了第一次產卵。

運が良かったのか、それから暫くして飼育中のメスたちが一回目の産卵を終えた。

或許因為環境突然改變,平均產卵數為二十顆,總蛋數約三百五十顆。

環境が突然変わった影響か、平均産卵数は二十個で、卵の合計は三百五十個程度だった。

但一季中會產兩到三次蛋,所以即使第一次數量偏少也無需擔心。

しかし一シーズン中に二回から三回産卵するので、一回目の数が少なくとも気にする必要はない。

剛產下的蛋需要迅速回收。即便架起了防鳥、防獸的網,也絕不可鬆懈;實際上已有幾隻鳥停在各處盯著那些蛋。

産まれた卵は素早く回収する必要がある。いくら防鳥・防獣ネットを張っているとはいえ、油断は禁物だ。現に卵を狙って何匹かの鳥が、あちこちに止まっていた。

不只有鳥,蛇和小型哺乳類也會覬覦蛋。幸好維特曼等大型肉食動物將地盤看守著,小型哺乳類幾乎不敢靠近。

鳥だけではない。蛇や小型哺乳類も卵を狙う場合がある。幸いにしてヴィットマンたち大型肉食動物が縄張りとして見張っている為、小型哺乳類はほぼ近寄る事はない。

還需注意像青大將或蝮蛇這類會出現在人居附近的蛇,但城鎮周圍有牆與護城河隔離,不與灌木接觸,能進入的絕對數量很少。即便少數突破重圍進來,也被飢餓的士兵當作零食消滅了。

アオダイショウやマムシに代表される人里にも現れる蛇にも注意を払う必要があるのだが、街の周囲は塀と堀で囲われており藪と接触していないため入り込む絶対数が少ない。またその難関を潜り抜けた少数の蛇も腹を空かせた兵士たちの間食として消えていた。

收回的蛋首先需要判別是有精卵還是無精卵。

回収し終えた卵はまず有精卵か無精卵か判別する必要がある。

有相關知識的話這判別很簡單。孵出後一、兩天,如果是有精卵,蛋殼上方會變得白濁。

これは知識があれば簡単に判別可能である。生まれてから一、二日経つと、有精卵であれば卵殻の上部が白く濁る。

這種濁質被稱為「極」,沒有它就能判別為未受精卵。

この濁りは『極』と呼ばれ、これが無いと無精卵として選り分ける事が出来る。

把未受精卵或因某種原因受損的蛋剔除後,剩下約三百個左右。

無精卵や何らかの要因で損傷した卵を取り除く、残りは約三百個程度になった。

將蛋上出現的「極」朝上,避開直射日光保存。多虧有雞隻孵化經驗,打造約三十度左右的孵化場並不困難。

卵に現れた『極』を上にし、直射日光を避けて保管する。鶏孵化環境での経験があったお陰で、三十度前後の孵化場を作るのに苦労はしなかった。

不過甲魚若濕度不夠就無法孵化,於是於孵化用木桶鋪上水苔。不能直接把蛋弄濕以免窒息死亡,所以弄濕周圍的水苔以提高濕度。

ただしスッポンは湿度が高くないと孵化しない為、孵化用の木桶にミズゴケを敷く。直接卵を濡らすと窒息死するので、周囲にあるミズゴケを濡らして湿度を上げる。

溫泉的廢湯能保持一定濕度,故在溫度與濕度方面沒有發生大問題。

温泉の廃湯である程度の湿度が保たれているので、温度と湿度に関しては大きな問題は発生しなかった。

之後早晚以噴霧器噴濕,堅持約六十天的話,或許會孵化。

後は朝と夕方に霧吹きを行い、六十日ほど頑張れば孵化する、かもしれない。

「如果順利的話大概有九成會孵化吧。話雖如此這是第一次嘗試,也不一定那麼容易成功……。嘛,比起想為何做不到,思考要怎麼做比較有建設性不是嗎?」

「うまく行けば九割ぐらい孵化するかなぁ。とはいっても、これは初めての試みだから、そう簡単に行くか分からないけど……。ま、出来ない理由を考えるより、どうやったら出来るかを考える方が建設的よねぇ」

甲魚的養殖進行順利。不過僅就『甲魚養殖』而言是如此。

スッポンの養殖は順調だった。あくまで『スッポンの養殖』については、だが。

如果說有問題的話,是因為靜子新開始的甲魚養殖讓出入的商人眼睛發亮,還有以信長為首的人們送來想要品嚐甲魚的請求。

問題があるとすれば、静子が新しく始めたスッポンの養殖で出入りの商人たちが目の色を変えている事と、信長を筆頭にスッポンを食したいとの話が来ている事だ。

推測商人們是為了可作為漢方藥販售的土鼈甲,而信長等人則以甲魚料理為目的。

推測だが商人たちは漢方薬として売れる土鼈甲(どべっこう)を、信長たちはスッポン料理を目的としているのだろう。

久治郎等人似乎完全沒有要隱瞞的意思,比平時更多了幾分可疑的笑容來談事情。

久治郎など隠す気はさらさらないようで、いつも以上に怪しげな笑みで話を持ってきた。

六月下旬。

六月下旬。

將捕獲的甲魚中雌的考慮到產卵而放回養殖場,只有雄的留作食用。

捕獲したスッポンの内、メスは産卵を考えて養殖場に放流し、オスのみを食用とする事にした。

在乾淨的水中浸幾日去泥味後,開始處理甲魚的烹調。

数日ほど綺麗な水に入れて泥抜きをした後、スッポンの調理にとりかかる。

然而不懂甲魚料理的靜子決定交給足滿與みつお處理。

しかしスッポンの調理法など知らない静子は、足満とみつおに任せる事にした。

足滿自回到戰國時代後就曾釣野生甲魚來吃,另外みつお曾做過甲魚鍋,據說懂得烹調方法。

足満は戦国時代に戻ってから野生のスッポンを釣って食べていた。またみつおはスッポン鍋を作った事があり、調理方法を心得ているとのことだった。

「用鍋裡剩下的高湯做成的雜炊是絕品,所以用未受精卵來做雜炊吧。」

「鍋の後に残る出汁を使った雑炊が絶品なので、無精卵を使って雑炊に仕上げましょう」

「嗯,跟雞蛋比起來較小,要九人份的話九顆夠嗎?」

「ふむ、鶏卵に比べると小ぶりだが九人分として九個で足りるのか?」

「若放太多蛋液會讓味道變淡,我覺得這個數量剛剛好。」

「あまり多くの玉子を溶き入れると味がボケるので、これぐらいで丁度良いと思います」

「甲殼、骨頭和昆布都準備好了。不是只加水,還要加酒一起煮嗎?」

「甲羅と骨と昆布の用意出来たよ。水だけじゃなくてお酒も入れて煮るの?」

三人利落地行動。

三人はてきぱきと動く。

此次要吃甲魚鍋和雜炊的人是信長因各種理由派來的秀吉與竹中兄弟。

今回、スッポン鍋と雑炊を食べる人物は、信長が色々な理由で派遣してきた秀吉と竹中兄弟。

總計九人,擔任試味的有慶次、才蔵、長可、彩、みつお的妻子鶴姫、以及侍女芝。

味見役の慶次、才蔵、長可、彩、みつおの妻鶴姫、侍女の芝の計九人だ。

話雖如此,甲魚鍋從下處理就很耗時,必須在所有人到齊前數小時就開始作業。

とは言えスッポン鍋は下処理からして時間がかかる。全員が集まる数時間前から、作業を始めなくてはならない。

「棲息於常年流動的清流的甲魚還好說,但養殖在泥中的就不一樣了。為了去除腥味要加入酒和薑煮出來。」

「常に流れる清流に棲むスッポンはまだしも、泥の中で養殖していますからね。臭み対策としてお酒と生姜を加えて煮だすのですよ」

「原來如此。用於烹調的清酒和味醂是用削出的吟釀酒做的,幸好有這些,不然要是用濁酒味道會怎樣呢?」

「なるほどね。調理用に使う分の清酒と味醂は、吟醸酒の削った分で仕込んでいたから助かったけど、濁酒ならどんな味になったのだろう?」

「就交給你的想像吧。」

「ご想像にお任せします」

在為甲魚特製的土鍋內鋪上乾昆布與薄切的土生薑,放上處理好的甲魚肉和斜切的九條蔥,再注入烹調用清酒。

スッポン用に誂(あつら)えた土鍋に乾燥昆布と薄切りにした土生姜を敷き、その上に捌いたスッポンの肉と九条葱の斜め切りを乗せ調理用酒を注ぎ入れる。

「咦,不蓋鍋蓋嗎?」

「あれ、蓋はしないのですか?」

「本來為了去腥會讓湯吹溢所以不蓋,但在野營時若味道太大會不便,所以會特意用落蓋。」

「本来は吹き溢した方が臭みが取れるので蓋はしないんですが、野営しているときに強い臭いが立ち上ると都合が悪いのでわざと落とし蓋をしていました」

從這時起足滿約專注於二十分鐘的撇浮沫與燉煮作業。

ここから足満はおよそ二十分間、アク取りと煮込み作業に専念する。

在撇浮沫與下處理階段,要用熱水淋甲殼並把表面的薄皮剝掉丟棄,否則會變成泥腥味很重、無法食用的鍋。

このアク取りと、下処理の段階で甲羅に熱湯を回し掛け、表面にある薄い皮を剥ぎ取って捨てないと泥臭い鍋になってしまい食用に耐えない。

果然因為往大鍋放了九人份的甲魚,浮沫多到讓鍋變得一片白濁。

流石に大鍋へ九人分のスッポンを入れた為、鍋が真っ白に染まるほどアクの量が多い。

不斷撇去浮沫,みつお一邊看煮滾程度調味,靜子則去迎接來客。

どんどんアクを取り除き、みつおは煮詰まり具合を見ながら味を調え、静子は来客の出迎えを行った。

等甲魚熟透就加入當季蔬菜與香菇,用醬油和味醂調味煮沸一次。全部完成後連湯一起分裝到一人份的土鍋。

スッポンに火が通ったら旬の野菜や椎茸を入れ、醤油と味醂で味を整え一煮立ちさせる。全てを終えると汁と共に一人分の土鍋へ分ける。

將昆布與柴魚片以醬油、醋和柚子擠汁醃漬一晚後取出,用笊(ざる)濾除固形物。

昆布と鰹節に醤油と酢に柚子の搾り汁を加えて一晩漬けた物を取り出し、笊(ざる)で固形物を濾しとる。

這就是極力還原的現代柑橘醬油醋(ポン酢)。加入磨碎的生薑放入深盤。

現代のポン酢を極力再現したものがこれだ。これにおろし生姜を加えて深皿に入れる。

即便省略了前一天的準備,從開始料理也已經過了三個多小時。

前日からの仕込みを省いても調理開始から三時間以上が経っていた。

「久等了。」

「お待たせしました」

靜子說完的同時,悄悄地打開了入口。

静子がそう言うと同時に入り口を静かに開ける。

即便砂鍋蓋著,濃郁的香氣仍從縫隙中溢出,充滿整個屋內。先是薑與醬油的香味,接著像鯛魚潮汁般的海鮮鮮味撲鼻,刺激了所有人的食慾。

土鍋に蓋がされているにも関わらず漏れ出でる芳醇な香りが室内を満たす。まずは生姜と醤油の香り、続いて鯛の潮汁に似た魚介の旨さを彷彿とさせる匂いで全員の食欲が刺激される。

就連平日寡言的竹中半兵衛,也不由得吞了一口口水,凝視著鱉鍋。

それは普段寡黙な態度の竹中半兵衛ですら、思わずつばを飲み込んでスッポン鍋を凝視するほどだった。

靜子把放在特製七輪上的砂鍋分別擺到秀吉與竹中兄弟面前,足滿擺給慶次等四人,みつお則放到鶴姬與芝的面前。

静子が秀吉、竹中兄弟へ、足満が慶次たち四人に、みつおが鶴姫と芝へとスッポンの養殖に合わせて調達した特製七輪に乗せた土鍋を置く。

擺盤完畢後,靜子坐下,身後則是みつお與足滿就座。

配膳が終わると静子、その後ろにみつおと足満が座る。

「這是懷著成為尾張名物之願所做的鱉鍋。請以分餐盤上的柚子醋(ポン酢)食用。食材吃完後會用那湯做雜炊,請保留湯汁。那麼,請慢用」

「尾張名物になる事を願って作りましたスッポン鍋です。取り皿にあるポン酢でお召し上がりください。具材がなくなった後に、その汁で雑炊を作りますので、汁は残しておいて下さい。では、どうぞお上がり下さい」

彷彿在說『等不及了』一般,慶次率先動筷。

待っていましたと言わんばかりに、最初に慶次が箸をつける。

他熟練地從砂鍋中取出鱉,沒沾柚子醋就直接送入口中。

慣れた手つきで土鍋からスッポンを取り出すと、ポン酢をつけずそのまま口に入れる。

「呼~~~,好好吃!以前吃過的鱉也很美味,但這個更好吃啊!」

「くぅ~~~、旨い! 以前、食べたスッポンも旨かったが、こいつは更に旨いねぇ!」

鱉肉的口感與雞肉或合鴨不同。

スッポンの肉は鶏や合鴨とも違う食感だ。

勉強說的話,覺得最接近的是富有彈性的雞里肌(ササミ)。

強いて言えば弾力に富む鶏のササミと表現するのが近いと感じる。

雖然像ササミ那樣肉質緻密,卻有一咬就彈開的彈性,咀嚼時脂肪的鮮味從其中溢出。

ササミのような緻密な肉質ながらぷりっぷりっと弾ける弾力があり、噛みしめると中から脂肪の旨みが溢れ出す。

像拉麵湯所代表的雞骨高湯那樣熬煮並去除雜味、使之清澈的上湯(シャンタン),那種似乎矛盾卻由鱉獨有的鮮味實現,將肉昇華為誘人的味道。

ラーメンスープに代表される鶏ガラスープの上湯(シャンタン)を煮詰めつつ、雑味を取り除き澄ませたような矛盾を実現するスッポン独自の旨みが肉を蠱惑的な味に昇華する。

那種與其他獸肉或魚類都不同、鱉特有的滋味在舌尖蔓延開來。

他の獣肉とも魚とも異なるスッポンならではの味わいが舌に染み渡る。

慢慢咀嚼先享受肉的味道,接著享受湯、油脂與肉汁在舌上交織,最後吞嚥時蔥與薑的香氣拂去一絲獸味,口中只剩下鮮味的餘韻。

ゆっくり咀嚼してまず肉の味を楽しみ、続いてスープと脂と肉汁が舌の上で絡むのを楽しみ、最後に喉を通る際に葱と生姜の香りが僅かな獣臭さを拭い去り、口の中に旨みの残滓のみが残る。

才吃了兩口肉的慶次,已經被鱉鍋的魅力奪去心神。

肉を二口ほど食べただけの慶次だが、既にスッポン鍋の魅力に心を奪われていた。

「就算不沾那所謂的柚子醋也非常美味,但與柚子醋一同品嘗時,鮮味的輪廓會更為明顯」

「ポン酢とやらに漬けずとも大変な美味だが、しかしポン酢とともに味わうと旨みの輪郭がはっきりと感じられる」

才蔵把一點柚子醋沾在エンペラ(甲羅邊緣的柔軟部位)上,然後送入口中。

エンペラ(甲羅の縁(ふち)にある柔らかい部分)にさっとポン酢をつけて、才蔵はそれを口の中に入れる。

濃郁且充滿滋味的湯與柚子醋的酸味,與本身味道不強、類似椰果(ナタデココ)般的口感以及在口中融化的膠質結合,如同勾芡般長時間留在舌上讓人細細品味。

濃厚で滋味あふれるスープとポン酢の酸味が、それ自身は強い味を持たないナタデココのような食感と口の中で蕩けるゼラチン質と合わさることで餡かけのように舌に長く残り味を楽しませる。

最後一咽,當那兩者通過喉嚨時,柚子醋的酸味與鱉的甘味轉化成深沉的鮮味,在喉間留下長長的餘韻。

最後にごくりと喉を鳴らしその二つが喉を通る時、ポン酢の酸味やスッポンの甘みが深い旨みとなり、喉に長く余韻を残す。

慶次與才蔵邊吃鱉鍋邊像料理節目旁白般說著些小解說。

まるで料理番組のナレーターのように、ちょっとした解説を口にしつつ慶次と才蔵はスッポン鍋を食べる。

受他們帶動,其他人也拿起筷子,把鱉送入口中。

それにつられる形で他も箸を手に取り、スッポンを口に入れる。

有人對那明顯是龜腿的肉片猶豫過,但下定決心咬下一口後,立刻神色一變。

亀の脚であることが明らかな肉片に躊躇した者も居たが、意を決して一口頬張るなり目の色を変えた。

連把筷子直接伸進鍋裡的反感都忘了,大家無心地大口吃著鱉鍋。

鍋に直接箸を入れる事への嫌悪感も忘れて、皆スッポン鍋を無心で頬張る。

先是把肉塞滿口中享受溢出的肉汁,接著是吸飽鱉湯的厚實香菇,伴隨著爽快的咬感,將加入香菇鮮味的湯一同入口。

口いっぱいに肉を頬張り溢れる肉汁を堪能する、次にスッポンのスープを吸った肉厚の椎茸、ブツリという心地よい歯切れとともに椎茸の旨みを加えたスープを吐き出す。

在充分品嚐完鮮味之後,將斜切的九條蔥丟入口中。

充分に旨みを味わったところに斜め切りにされた九条葱を口に放り込む。

吸了湯變得軟嫩,但仍略帶辛味,爽脆的口感令人愉悅。

スープを吸ってしんなりと、だがわずかに辛みを残しシャキシャキとした食感が心地よい。

以鱉為主角、配角穩固的鍋物所奏出的多重奏。被壓倒性的美味所震懾,大家都少言專心品嘗。

スッポンを主役として脇役をがっちり固めた鍋が奏でる多重奏。圧倒的美味に皆口数が減り一心に味わっている。

鱉鍋在眨眼間被吃光,但接著等待大家的是用那湯做的雜炊。

あっという間に平らげられたスッポン鍋だが、この後にスープを使った雑炊が待っている。

放入快速沖洗過的飯,注意不要讓湯變濁,稍微煮滾一次。最後放入打散的蛋,然後把為調整火力而放的炭取出就完成了。

さっと水洗いした飯を入れて、汁が濁らないように注意しつつひと煮立ちさせる。最後に溶き卵を入れ、火力調整の為に入れた炭を取り出したら終わりだ。

「這是鱉雜炊。請用木匙分到小碟享用。若喜歡,淋點醬油或柚子醋也會很美味」

「スッポン雑炊でございます。木匙で小皿に取り分けてお召し上がり下さい。お好みで醤油もしくはポン酢をかけて頂いても美味しいと思います」

因為有各種身分的人齊聚一堂,按理本該有許多禮儀規矩,但靜子故意置之不理。

様々な身分の人物が一堂に会しているため、本来ならば色々と礼儀作法があるのだが、静子はあえて捨て置くことにした。

果然大家毫不在意,用木匙分到小碟後大口扒起鱉雜炊。

案の定、皆気にせず木匙で小皿に取り分けて、スッポン雑炊を掻き込む。

九人邊流汗邊無心地把鱉鍋和雜炊吃得精光。

汗をかきながらも、無心でスッポン鍋と雑炊を平らげた九人だった。

秀吉的目的,是代替信長視察靜子的鱉養殖,以及處理突然出現的鶴姬之事。

秀吉の目的は信長に代わって静子のスッポン養殖を視察する事と、突如として現れた鶴姫の扱いについてだ。

對みつお來說或許只是個孩子,但在秀吉與竹中眼中,外國的姬擅自嫁給我方家臣會成為國防上的問題。

みつおにとっては単なる子どもでも、秀吉や竹中から見れば他国の姫が勝手に家臣へ嫁ぐ事は国防上の問題になる。

照理みつお應該會受到嚴厲處罰,但因為靜子將他視為酪農這項新事業的重要人物,處罰變得難以施行。

通常ならみつおには厳しい罰が与えられるが、静子が酪農という新規事業の立ち上げに彼を重要人物と見なしている関係でそれが難しかった。

「如您所知,織田家與島津家並無聯繫。那島津家的姬要與我方的家臣結婚,此事實在無法視而不見。我方希望她乖乖返回薩摩」

「ご承知のように織田家と島津家には繋がりがありません。その島津家の姫が、我が国の家臣と婚姻する。これは流石に見過ごす訳には参りません。我々としては、大人しく薩摩へ帰って頂く事を望みます」

對秀吉等人而言,鶴姬返回薩摩國是最理想的。但鶴姬不可能會點頭說『是的,沒錯』。

秀吉たちにとっては、鶴姫が薩摩国へ帰る事が一番だ。しかし「はい、そうですね」と鶴姫が首を縦にふる訳がない。

鶴姬的立場明顯不利,但秀吉擔心若衝突激化,讓她走上自暴自棄的路,可能會把織田領地的情報賣給他國,因此無法對她採取強硬態度。

立場的には鶴姫が不利なのは自明だが、秀吉は揉める事で自暴自棄になった鶴姫が織田領土の情報を他国に売るのでは、という不安があるため彼女へ強く出る事が出来なかった。

「木下大人的憂慮我理解。但妾既不會回島津家,更不會為島津家效力。當然,僅靠口頭承諾無法贏得信任這點我也明白」

「木下様の懸念は理解しております。ですが妾は島津家へ帰る事も、ましてや島津家の為に働く事も致しません。勿論、口で言っても信用が得られないのは当然の事と理解しております」

「是啊,這點我理解。考慮到薩摩與尾張的位置,妳們不可能輕易與島津家往來。但作為守國之人,僅憑那句話我無法放心。」

「ええ、そうですね。薩摩と尾張の位置を考えれば、貴女方が簡単に島津家とやり取りが出来ない事は理解しております。ですが国を守る者としては、その言葉だけでは安心が得られないのですよ」

談話陷入了平行線。

話は平行線だった。

靜子覺得眼前展開的唇槍舌戰幾乎不可能畫下句點。

目の前で繰り広げられている舌戦に終止符が打たれるのは、まずありえないだろうと静子は思った。

面露想說話表情的みつお,被警告在會談開始前一句話也不可說。

何か言いたそうな顔をしているみつおだが、彼にはこの話し合いが始まる前に一言も喋ってはいけない、と警告した。

因為他無疑是以現代人的感覺看待鶴姫。這種認知差異在這場會談中太過危險,最壞會被懷疑為共犯。

間違いなく彼は現代感覚で鶴姫を見ているからだ。その認識の差は、この話し合いでは危険過ぎた。最悪、みつおも共犯者として疑われる事になるのだから。

若真如此,沒有靠山的みつお,說不定會被斬首。

そうなれば後ろ盾がないみつおだ、下手すれば斬首される可能性もある。

「……嗯,談話成了平行線。那麼我有一個提案,不知可否?」

「……ふむ、話は平行線だな。そこでわしに一つ案があるのだが、いかがであろうか」

一直沉默的足滿環顧四周後開口道。

沈黙していた足満が周囲を見回しながら言葉を口にする。

或許想借此打開局面,眾人未曾異議地傾聽他的話。

状況を打開する機会が欲しかったのか、全員異論を挟まず彼の言葉に耳を傾ける。

「首先,讓みつお與鶴姫名義上為夫妻,但要派人監視你們的行動。監視人數為何保密。如果調查監視者身分,向島津家洩漏織田領地的情報,或未經允許寄送物資,將受相應處罰。反過來說,若監視者的報告為『問題なし』,我方將儘量不干涉你們……如何?」

「まずみつおと鶴姫は夫婦とするが、行動を監視する人間を置かせて貰う。どれだけ監視役を置くかは秘密だ。もし監視役が誰か調べたり、島津家へ織田領土の情報を流したり、無許可で荷物を送った場合は、それ相応の罰を受けて頂く。逆に言えば、監視役の報告が『問題なし』なら、此方側は貴女方に極力干渉しないようにする……どうかね?」

靜子認為這作為落點並不差。

落とし所としては悪くないと静子は思った。

畢竟只要鶴姫不做出問題行為、以普通夫妻相處,她就能如願成為みつお的妻子,而且還是織田家公認的夫妻。

何しろ鶴姫が問題行動を起こさず普通の夫婦をしていれば、彼女の望み通りみつおの妻になれる。それも織田家公認での夫婦だ。

「妾沒有問題。」

「妾は問題ありません」

「我們這邊也需向館主確認一次,但大概沒問題。」

「こちらも一度お館様に確認する必要はあるものの、多分問題無いと思います」

果如所料,雙方接受了足滿的提案。

案の定、双方は足満の提案を受け入れた。

信長去參拜自己魔改造的櫻信之社(おうしんのやしろ)。

信長は自身が魔改造した櫻信之社(おうしんのやしろ)に参拝した。

但參拜者不僅有他,還有信長的正室濃姫同行。只是她雖然來了,並未行拜禮的樣子。

しかし参拝者は彼だけでなく、信長の正室である濃姫も一緒だった。と言っても彼女は足を運びはしたものの、拝礼をする様子がない。

反而她是抱持著信長參拜之後才算正戲的態度。

むしろ信長の参拝以降が本番、という態度だった。

「殿您實在把拜禮耗太久了。接下來會有更有趣的事,您真會賣關子。」

「全く殿は拝礼に時間をかけ過ぎです。これより面白い事が起りまするのに焦らすのがお上手ですこと」

「……這點不回應。倒不如說,今天究竟是要談什麼?」

「……返答は控える。それより今日は一体何の話じゃ」

信長最清楚濃姫不是會無緣無故到神社參拜的人。

濃姫が意味もなく神社に参詣するような人間でない事は、信長が一番良く理解している。

「呵呵,這次是要與死人會談喔。」

「ふふっ、此度(こたび)は死人との会談ですよ」

「死人……?」

「死人……?」

「好啦好啦,一起去吧。決不會做壞事的。」

「まぁまぁご一緒致しましょう。決して悪いようには致しません」

即便如此,對信長來說別無選擇,只能跟上。

そう言われても信長にとっては付いていく以外選択肢がない。

若此刻退縮,不知會被濃姫說些什麼,若被認為害怕靈異之事,更有損面子。

ここで下がれば濃姫に何を言われるか分からないし、下手に霊的な何かに怯えたと思われれば沽券に関わる。

結果他帶著些許不快,按濃姫的安排行動,與她一同前行。

結果的に濃姫の思惑通りに動いている自分に、幾分腹立たしさを覚えながら濃姫と共に歩く。

進入幣殿(連接拝殿與本殿之處),再深入抵達內側的本殿。

幣殿(拝殿と本殿をつなぐ部分)に入り、更に奥にある本殿にたどり着く。

幣殿與本殿被視為神域或禁足地,即便是外國的間者也不會輕易潛入。

幣殿や本殿は神域や禁足地と認識されており、他国の間者でもそう簡単には忍び込まない。

現代人或許信仰淡薄不知情,戰國時代即便是流氓也會對神佛懷有畏懼。

信仰心が薄い現代人ならいざ知らず、戦国時代は例え破落戸(ごろつき)であろうとも神仏に対して畏れを抱いていた。

換言之,若要進行不願讓他人知曉的秘密對話,神社的本殿正是絕佳地點。

つまり他人に知られたくない秘密の会話をするのに、神社の本殿はうってつけの場所だ。

「對於命運由天定、性命受天運左右之人而言,惹怒神佛是比什麼都可怕的事。正因如此,這裡最適合做秘密對話。」

「運否天賦に命を左右される人間にとって、神仏の怒りを買うことは何よりも恐ろしい。だからこそ、秘密の会話にはもってこいです」

濃姫如此說完,毫不客氣地推開入口,帶著對本殿毫無敬意的態度走入。

そう言って濃姫は入り口を遠慮無く開けた後、本殿に敬いも何も感じない態度で入る。

「……我不是已說過不需要那種奇怪的小戲碼了嗎?」

「……妙な小芝居は要らぬ、と申したはずだが」

本殿內部相當整潔。房間中央,足滿穿著正裝端坐其間。

本殿の中は綺麗なものだった。その部屋の中心に、足満が正装姿で座っていた。

「殿,容我介紹。這位是這座神社的管理人,同時也是死人。」

「殿、紹介します。この神社の管理人であり、そして死人でもあります」

「何……這是什麼意思?」

「何……どういう意味だ」

「呵呵,性急吃虧。先請坐,愉快的話題之後再說。」

「ほほっ、短気は損気ですよ。まずはお座りください。楽しいお話はそれからですよ」

信長照說找了個位置坐下。根據經驗,遇到濃姫這種態度時乖乖聽話反而能讓事情進展得快。

信長は言われるままに適当な場所へ座る。こういう態度に濃姫が出た時、おとなしく言うことを聞いている方が、話の進みが早いとの経験則から出た答えだ。

濃姫對乖乖坐下的信長露出滿意的笑,稍稍誇張地張開雙臂說道。

素直に座った信長に満足そうな笑みを浮かべた濃姫は、幾分大げさに腕を広げながら言葉を発する。

「殿,還記得嗎。數年前在京發生的大事件……二條御所襲擊之變(永祿之變)。」

「さて殿、覚えておられますか。数年前、京で起きた大事件……二条御所襲撃の変(永禄の変)を」

「啊,我記得。那是我放逐的三好三人衆與最先投降的松永對當時的公方下手的事變吧?那又如何……嗯……?」

「ああ、覚えておる。わしが放逐した三好三人衆と、真っ先に降伏してきた松永が当時の公方に手をかけた事変であろう? それがどうしたとい……う……?」

說到這裡,信長整理起到目前為止的情報。逐一仔細組合後,他得出了一個假說。

そこまで言って信長は今までの情報を整理する。一つずつ丁寧に組み合わせていくと、ある一つの仮説に辿り着く。

為了確認那點,信長仔細端詳足滿的臉。漸漸理解假說正確後,他沉重嘆息一聲。

それを確認するかのように、信長は足満の顔をじっくり観察した。やがて仮説が正しい事を理解した彼は、重い溜息を吐いた。

「……所以說,是死人,對吧。」

「……だから死人、ということか」

信長自己說出口後覺得可笑。要不就是玩弄虛言的騙子一類吧。

自分で口にしておきながら馬鹿馬鹿しいと信長は思った。もしくは虚言を弄する詐欺師の類(たぐい)か。

然而信長最清楚,濃姬絕非那種會看不穿此等謊言的愚蠢女子。

しかし濃姫がその程度の嘘を見抜けぬような、愚かな女でない事は信長が一番良く知っている。

「那雙眼……沒錯,和我昔日朝見時一樣。竟還活著嗎……足利左近衛中將、參議、從三位、征夷大將軍、源朝臣義輝殿」

「その目……間違いない。わしが昔、拝謁した時と同じだ。生きておられたのか……足利(あしかが)左近衛中将(さこんえのちゅうじょう)参議(さんぎ)従三位(じゅさんみ)征夷大将軍(せいいたいしょうぐん)源朝臣(みなもとのあそん)義輝(よしてる)殿」

永祿二年(1559年3月10日),正勉強統一尾張的信長率領約一百名軍勢上洛。

永禄二年(1559年3月10日)に、かろうじて尾張を統一しつつあった信長は百名ほどの軍勢を引き連れて上洛した。

與其說是信長的意志,不如說更正確的是他接受將軍的邀請前來拝謁。

これは信長の意思ではなく、将軍の招聘を受け目通りを行ったという方が正しい。

因為義輝的手腕維持了室町幕府將軍的威望,信長向義輝效忠並獻上金品。

義輝の手腕により室町幕府将軍の権威は保たれていた為、信長は義輝に忠誠を誓い、金品を贈った。

當時義輝住在改修自尾張守護斯波家的二條屋敷,信長前去出仕,實在是個奇妙的因緣。

当時、義輝は尾張守護・斯波家の邸宅を改修した二条屋敷に住んでいた。そこへ信長が出仕する事は、何とも奇妙なめぐり合わせという他ない。

總之以當時信長的財力,只能勉強交納金錢,換來允許他支配尾張的回報。

ともかく当時の信長の財力では金子を納めることで精一杯であった、その見返りとして尾張を支配する許しを得た。

信長以將軍家的背書為正當理由,回國後開始對尾張統一進行最後收尾。

将軍家のお墨付きを大義名分に信長は帰国後、尾張統一の総仕上げにかかった。

「織田殿的想法沒錯。那時、那地,那個人已死。現在在這裡的,可說是那人的殘滓。」

「織田殿の考えは間違えていない。あの時、あの場で、その男は死んだ。ここにいるのは、その男の残滓とも言える存在だ」

「但汝不是無言的骸骨,而是能發語的死人。既然如此,就將汝所持之力為吾殿所用如何?」

「だがお主は物言わぬ骸ではなく、言葉を発する死人。ならば、お主の持つ力を我が殿の為に使って頂こうか」

「……那倒無妨,但容我進言一件。即便開發最新兵器,終有被人盜取仿製之日。以我見,與其研發兵器,不如構築一套間接使對方無力化、衰退的策略較好。」

「……それは構わない。だが一つだけ進言しよう。最新鋭の兵器を開発しても、いずれ現物が盗まれて真似されるのが落ちだ。わしとしては兵器開発より、間接的に相手を無力化・衰退させる戦略を組む方が良いと思う」

這絕非誇飾。

それは決して誇張ではない。

火繩槍最初也只有兩挺,但短短數十年日本便成為世界有數的火繩槍持有國。

火縄銃も最初は二丁だったが、僅か数十年で日本は世界有数の火縄銃保有国家になった。

兵器開發是貓捉老鼠的遊戲。無論如何將其極度機密化,秘密終究會洩漏。

兵器開発はイタチごっこだ。如何に極秘事項にしようとも秘密というのは必ず漏れる。

一旦在戰場上使用,就有破損、遺失或被俘獲的可能。以被盜之情報為基礎,便會製出稍遜的仿製兵器。

戦場で使用する以上破損や遺失したり、鹵獲(ろかく)され得る。盗まれた情報を元に、幾分劣る複製品のような兵器が作り上げられる。

試作、試用並逐步洗鍊,最終往往會做出與之相當或更勝一籌的物件,乃世間常情。

試作し試用し洗練されてゆき、最終的には同等かそれ以上の物が作られるのが世の常である。

新的殺戮兵器的開發,反而成為更強殺戮兵器被研發出來的起點。

新たな殺戮兵器の開発は、それを上回る殺戮兵器が開発される嚆矢(こうし)となるのだ。

「呵呵,那麼打算用何種方法解決?」

「ほほぅ、では如何様な方法で解決するのじゃ?」

「……嗯,總算聽懂了。那麼……足滿,主如何擊敗敵人?若要設定假想敵,不妨用伊勢的北畠家。」

「……ふむ、ようやく話が飲み込めた。では……足満よ、主は如何にして敵を倒す? 仮想敵を据えるなら、伊勢の北畠家を用いてみよ」

正如所言,信長的理解終於跟上,恢復了平常的狀態。

言葉通りようやく頭の理解が追いついた信長が、普段の調子を取り戻す。

「第一件事已經做了。用屬下的間者在伊勢刻意散播麻疹。織田殿與濃姬殿應該都從靜子那裡聽了詳情,有關麻疹的治療方法……但知道的人極少。」

「一つ目は既にしておる。配下の間者を使い、伊勢で麻疹を意図的に流行させた。織田殿も濃姫殿も、静子から詳しく聞いておろう。麻疹に対する治療方法を……だがそれを知っているのは極少数だ」

「原來如此。那群人對麻疹的知識不足,便從此弱點著手攻擊,意在此也?」

「なるほど。奴らは麻疹に対する知識が不足しておる。そこを弱点と捉え、攻めていくという寸法か」

「接著則是摧毀田畑。但並非放火焚燒,而是透過破壞田地的土壤,造成刻意的歉收。」

「後は田畑を潰す。と言っても焼き討ちするのではない。畑の土を破壊する事で、意図的な不作を引き起こす」

「破壞田地的土壤?」

「畑の土を破壊する?」

「這點靜子比較清楚,作物要茁壯成長,土壤狀態非常重要。那女子把稻苗從百姓手中分離出來,培育成熟後再配發給他們,正是因為那片土壤的緣故。」

「これは静子の方が詳しいが、作物が立派に成長するには、土の状態が非常に重要だ。あの娘が米の育苗を百姓たちから切り離し、育てきった所で配る方式にしたのには、その土が影響している」

種作物並非單純把種子撒入土中就行。

作物を育てるには、単に土へ種をまけば良いという訳ではない。

正如有「造土」一詞,必須對欲種植之作物進行最適土壤分析。

土作りという言葉もある通り、育てる作物に最適な土壌分析を行なわなければならない。

常提到的土壤pH值,因作物而大不相同。例如稻米在育苗期據說最佳pH為5.0到5.5。

良く上げられる土壌pHも、作物によって大きく異なる。例えば米ならば育苗中はphが5.0から5.5が最適と言われている。

但到了水田栽培時,pH為6.0至6.5的微酸性最為適合。

しかし水田で育てる時になれば、phは6.0から6.5と弱酸性が最適となる。

此外還有高保水性、排水良好、通氣性佳、保肥力強等要素,在農業中,造土是非常重要的工作。

他にも保水性が高く、排水が容易であり、通気性が良く、保肥力があるなど、農業において土を作る事は非常に重要な作業だ。

由於土壤改良的成敗,對作物收成有決定性影響,絕不為過。

この土作りの成否によって、作物の収穫が大きく左右されると言っても過言ではない。

另外靜子把稻苗從百姓手中分離,不僅為了土壤管理,也是為了選拔優良個體,並避免百姓誤食種籾而受影響。

もっとも静子が米の育苗を百姓から切り離したのは、土作りだけでなく優良個体を選抜する為と、百姓たちが誤って種籾を食べても影響が出ないようにする為だ。

「百姓們不會察覺的。他們腳下的土地被施了手腳。這不像饑荒那樣長期,故最好在發動戰事的那年下手。」

「百姓たちは気付かぬ。自分たちの足元にある土に、仕掛けが施されている事など、な。これは飢饉の影響ほど長期的ではない為、戦を始める年に仕掛けるのが良かろう」

饑荒的影響是,若發生歉收,收成減少導致糧食價格飆升。

飢饉の影響とは、凶作が起きると収穫量が減るため食料の価格が高騰する。

當獲得食物變得困難時,人們會為了稀少的糧食而爭鬥。

食べ物を得るのが困難になると、人々は少ない食料を巡って争う。

同時,農民的食物也會減少,最壞情況甚至會吃掉種籾。

一方、百姓たちも食べ物が減るので、最悪の場合種籾まで食べてしまう。

因此,隔年收成會進一步下降。

その為、翌年は更に収穫量が減少してしまう。

一旦陷入這種惡性循環,糧食就會長期短缺,人們為生存除了從他國掠奪別無他法。

この悪循環に陥ると食料は慢性的に不足し、生きる為には他国より略奪する以外に道がなくなる。

戰國時代,乃至近代,世界上各式各樣的戰爭都是因飢荒造成的負循環而起,為了彌補口糧不足而開始的搶奪糧食。

戦国時代、否、近代まで世界のありとあらゆる戦争は、飢饉による負のサイクルから発生した食い扶持不足を補うための食料争奪が始まりなのだ。

「好了,我忘了,容我說一句好處。不過也沒什麼大不了的。若要帶那個姑娘隨軍行軍,就別讓雜兵們行搶。那姑娘知道戰場上會發生強掠。但沒必要讓她看到那些醜陋渣滓的惡意。知道歸知道,未必要親眼見到比較好。」

「さて、忘れておったがわしの利を言わせて貰おう。と言ってもたいした事ではない。あの娘を連れて行軍するなら、雑兵たちに乱取りをさせるな。あの娘は戦場で乱取りが起きる事を知っている。だが、そんな醜い屑どもの悪意を見せる必要はない。知っていても、実際に見ない方が良いという事もある」

「如果不帶靜子呢?」

「静子を連れて行かなかった場合は?」

「那種情況就無所謂。讓那些渣滓為所欲為吧。」

「その場合は構わぬ。屑どもには好き勝手にさせておけ」

足滿的利害非常容易理解。

足満の利は非常に分かりやすかった。

他會干涉涉及靜子的事,但若非如此便不會插手。

彼は静子が関わる事には口を挟むが、そうでなければ何も関与しない。

反倒常採取可說是無情的手段。

むしろ彼自身は非情とも言える手段を取ることが多かった。

「呼呼,果然是足滿。你真的很重視靜子啊。」

「ほほっ、流石は足満。お主は本当に静子が大事なのじゃな」

「那姑娘救了我的命,也救了我的心。我已算作活著的死人,但在此身腐朽前,為了她以身殉職是理所當然的事。」

「あの娘には命と、そして心を救われた。わしは既に死人だが、この身が朽ち果てるまで、あの娘の為に我が身を使うのは至極当然の事だ」

對於濃姬帶點戲謔的話語,足滿卻相當認真地回應。

濃姫の若干からかい気味な言葉に、足満は至って真面目な返答を返した。

七月上旬,靜子從倉庫將陶壺搬回家,裡面裝的是用黑砂糖做的黑糖梅酒。

七月上旬、静子は蔵から陶器製の壺を家へ運ぶ。中に入っているのは黒砂糖で作った黒糖梅酒だ。

靜子做梅酒的理由不是為了享受酒,而更偏向當作藥用酒。

静子が梅酒を作った理由は、酒を楽しむというより薬用酒としての性格が強い。

梅酒有助於恢復疲勞、改善血流、調理腸胃以增加食慾,並可攝取黑糖與梅本身所含的維生素、礦物質與鈣等成分。

梅酒には疲労回復、血流の改善、胃腸の調子を良くし食欲を増進、黒糖や梅本来に含まれているビタミン、ミネラル、カルシウム摂取などの効果がある。

「嘛,因為是利用做梅乾剩下的材料做的,味道可能不太好喔。」

「まぁ梅干しを作る余りで作ったから、味はよくないかもしれないね」

用來醃梅不可或缺的赤紫蘇約兩個月即可收成,因此大量準備了,卻對梅而言赤紫蘇不足,導致梅還剩下一點。

梅干しを漬ける際に欠かせない赤紫蘇は二ヶ月程度で収穫出来るため、大量に準備したが梅に対して赤紫蘇が不足し、梅だけが少し余ってしまった。

當時醃的部分梅乾獻給了信長,信長又贈送給上杉謙信。

この時漬けた梅干しの一部が信長に献上され、更に信長は上杉謙信へ贈っている。

靜子並不知情,但她做的梅乾深得「陣中之酒肴即為梅干」的謙信喜愛,甚至回贈感謝狀。

静子は知らないが彼女の作った梅干しは、陣中酒肴は梅干し、の謙信が大層気に入り感謝状を返すほどの出来であった。

這種梅乾的祕訣在於摻入蜂蜜,使風味更為溫和。

その梅干しの秘訣は蜂蜜を混ぜて、マイルドな仕上がりにしている点にある。

說到戰國時代的梅乾,通常是用鹽醃並風乾,變得乾硬且非常鹹。

戦国時代の梅干しと言えば塩蔵され干乾(ひから)び、酷く塩辛いものだ。

但靜子所醃的則減少鹽量,加入具強烈殺菌作用的蜂蜜,使得能保留水分進行保存。

一方静子が漬けたそれは塩を少なくし殺菌作用の強い蜂蜜を入れることで、水分を残したままの貯蔵を可能としていた。

富有果肉且柔軟的梅肉所呈現的鹹、酸、甜交織出的圓潤滋味,即便對梅乾頗有研究的謙信也無法抗拒。

無論肉厚で柔らかい梅肉に塩辛さと酸味、甘みとが織りなすまろやかな味の調和には梅干しに一家言ある謙信をしてすら抗うことが出来なかった。

這傳聞瞬間傳開,靜子的梅乾很快成為武將間的人氣商品。

その噂があっという間に広まり、静子の梅干しは瞬く間に武将の間で人気商品となった。

「今年該做多少才好呢。總之先把送來的梅依序做成梅乾,但數量實在吃不消……」

「今年はどの程度作ればいいのだろう。とりあえず届いた梅を、順次梅干しにしているけど流石に量がキツイ……」

因為有製作使用白花蟲除菊的蚊香,讓她想把梅乾的製作配方寫下來分給別人。

白花虫除菊を使った蚊取り線香を作っている関係で、梅干し作りのレシピを書いて他人に回したい気分だった。

但由於梅乾是軍需品,且赤紫蘇不易處理,成了禍因,無法輕易委外。

しかし梅干しは軍需品である事、赤紫蘇の取り扱いが難しい事が災いして、簡単に外部委託出来ない状況だった。

回到家後靜子檢查黑糖梅酒的成果,但對酒味辨識不佳的她只覺得有黑糖特有的香氣而已。

家に戻った静子は黒糖梅酒の出来具合を確認するが、酒の味が分からない彼女には単に黒糖独特の匂いがする程度しか分からなかった。

給慶次喝了後反應不錯,但得到評語「不是用來大量喝的酒」。雖然認為大量喝酒不妥,靜子並沒有特意多說什麼。

慶次に飲ませてみると反応は良かったものの「量を飲む酒じゃない」との評価を頂いた。大量に酒を飲む方がどうかと思ったが、そこはあえて突っ込まなかった静子である。

也讓休息中的士兵試飲,但跟慶次一樣多是含糊的評價,沒有得到好評。

休憩中の兵士にも試飲させたが、慶次と同じく微妙な評価ばかりで良い評価は得られなかった。

因此靜子打算把梅酒當作藥湯來使用,而非當酒喝。

その結果から、静子は梅酒を酒ではなく薬湯という形で扱おうと考えた。

梅酒被認為適合餐前飲用。

梅酒は食前が良いとされる。

但日本沒有餐前酒的觀念,為免失禮,靜子給梅酒取了別名「梅藥湯(ばいやくとう)」,強調非酒而是藥的印象。

だが日本には食前酒という考えがないため、体裁が悪いと考えた静子は梅酒を『梅薬湯(ばいやくとう)』と別名をつけ、酒ではなく薬という印象を強く前面に出した。

實際上,梅酒加熱以溫開水稀釋適量飲用對身體有益,冬天也會因酒精作用而使身體暖和。

実際、梅酒のお湯割りは適量を飲めば身体に良く、冬にはアルコールの効果で身体が暖かくなる。

擔心每天喝會對梅酒產生依賴,靜子打算夏天每二、三天一次,其他季節每週一、二次左右。

毎日飲むと梅酒に依存してしまう事を危惧し、静子は夏のみ二、三日に一回、それ以外は週に一、二回程度にしようと考えた。

現代即使身體不適也可就醫解決,但在醫療設施不足的戰國時代,必須在不適發生前予以預防。

現代ならば体調不良になっても病院にかかれば事足りるが、医療施設が十分でない戦国時代では体調を崩す前に予防する必要がある。

完美的體調無法維持,但需要時刻努力讓完美近在身旁。

完璧な体調を維持する事は不可能だが、常に完璧の傍らにいるよう心掛ける必要があるのだ。

「不過,一個人喝的話……啊,對了」

「しかし、自分一人で飲むには……あ、そうだ」

靜子在思考梅酒的處理方法時,想起不久前從濃姬那裡收到的一個委託。

梅酒の処理方法を考えていた静子は、少し前に濃姫からある依頼がきていた事を思い出す。

內容是「お市的產後恢復情況不佳,有沒有什麼好東西?」。

内容は「お市の産後の肥立ちが思わしくない。何か良いものはないか?」というものだ。

看了信的內容靜子以為是茶々生產,便認為梅酒適合用來補充營養。

手紙の内容から茶々の出産かと思った静子は、梅酒が栄養補給に適していると考えた。

本來產後攝取像梅酒這類含酒精的飲品會使母乳帶有酒精而造成影響,但戰國時代由乳母照顧嬰兒,因此不成問題。

本来は梅酒などのアルコールを産後に摂取すると、母乳にアルコールが含まれる影響が出るが、戦国時代は乳母が赤子の育児を行うため問題にはならない。

她在便條上寫著用熱水或清水稀釋,晚餐後喝一杯效果良好,然後共寄了五個壺給濃姬。

お湯または水で薄めて夕餉後に一杯飲むと良い、というメモを入れて合計五つの壺を濃姫宛に送った。

之所以準備五個,是考慮到濃姬自己也可能會說想要一個。

五つにした理由は、濃姫自身も欲しいと言い出す事を考慮しての事だ。

「嘛,反正是酒,應該不會太介意。啊,對了,差不多到小鳳梨收成的季節了吧」

「まぁ、お酒だからそこまで気に入らないでしょう。ああ、そうだ。そろそろスナックパインが収穫時期かな」

靜子想起花了一年半栽培的小鳳梨已到了收成期。

一年半をかけて育てたスナックパインが収穫時期に入った事を静子は思い出す。

鳳梨從種植到採收需一到一年半,晚熟的株甚至接近兩年;這次幸好尾張地方天候良好,大約一年四個月就收成了。

パイナップルは植え付け後、収穫までに一年から一年半、遅い株は二年近い時間を要する。今回は尾張地方の天候が良かった事が幸いし、一年と四ヶ月程度で収穫に漕ぎ着けられた。

須知這是小鳳梨的栽培期,不同品種的鳳梨從種植到結果有的要三年才行。

なおこれはスナックパインの栽培期間であり、パイナップルの品種によっては植え付けから結実するまで三年を要する品種もある。

「如果有吸芽之類的就能繁殖,要把那些地方也檢查一下」

「吸芽とかがあると増やせるから、その辺りもチェックしないとね」

鳳梨一旦結實的株就不會再度結果。

パイナップルは一度結実した株は再度結実しなくなる。

那要如何增加株數呢?是取上部葉片稱為冠芽(クラウン)做插芽,或採取從結果莖下的葉片長出的「吸芽」、從結果莖長出的「えい芽」、以及從地下莖長出的「塊莖芽」,然後栽培它們以增加數量。

ではどのようにして株を増やすかと言うと、冠芽(クラウン)と呼ばれる上部の葉の部分を使った挿し芽、実をつける茎の下の葉っぱ部分から生える「吸芽」、実をつける茎から生える「えい芽」、地下茎から生える「塊茎芽」を採取し、これを栽培することで数を増やすのである。

不過依品種不同,若保留下吸芽也有可能再結一次果實。

ただし品種によっては、吸芽を残すと次の実をつける場合もある。

「嗯……果然不行。即便是現代一般農家也為取得苗而苦惱。看來只能挑戰輪切繁殖法了吧」

「うーん、やっぱりないなぁ。現代でも一般農家は苗取得に苦労しているからなぁ。やっぱり輪切り増殖法に挑戦するしかないか」

塊莖芽不適合作為苗,而吸芽與えい芽也不一定會長出來。

塊茎芽は苗に向かない上に、吸芽やえい芽は必ずつくとは限らない。

為了增加苗的數量確實可以回收冠芽(クラウン),但那樣苗的數量根本不會增加。

苗を増やすという理由で、冠芽(クラウン)を回収する事は可能だが、それでは苗が一向に増えない。

靠運氣的吸芽或えい芽,未來取得苗仍令人不安。因此靜子決定採用一般農家較不熟悉的「輪切繁殖法」。

運頼みの吸芽やえい芽では、この先も苗取得に不安を残す事になる。そこで一般農家では馴染みが薄い「輪切り増殖法」を静子は採用する事にした。

本來結果後的鳳梨會被犁回田裡當作廢棄物處理。

本来、結実後のパイナップルは畑に漉き込まれる形で破棄される。

但有些品種像ゴールドバレル,由於品種特性會極少產生可成為苗的冠芽、えい芽、吸芽,對這類品種增苗的方法就是輪切繁殖法。

しかしゴールドバレルのように、品種の特性上から苗となる冠芽、えい芽、吸芽の発生数が極端に少ない種もある。その様な品種の苗を増やす方法が輪切り増殖法だ。

輪切繁殖法是回收本來會被犁回田裡的母莖,去掉葉和根後,切成二公分到四公分的輪片。

輪切り増殖法は、結実後に漉き込まれるパイナップルの母茎を回収し葉や根を切除した後、二センチから四センチに輪切りにする。

將這些輪片浸泡在殺菌劑中消毒,然後把輪切的母莖平放培育萌芽,之後採取長成的芽做成苗並進行暫植就能作為苗使用。

これを殺菌剤に漬け込んで殺菌し、輪切り母茎を伏せ込んで育芽を行う。後は成長した芽を採苗し仮植を行って苗として使用するだけだ。

若使用此方法一株可採到四、五本苗,若能適當控制溫度與施肥,一株採到十本以上也不是夢想。

この方法を使えば一株で苗を四、五本、適切な温度と施肥の管理が行えれば一株から十本以上の採苗も夢ではない。

不過戰國時代無法做到完全的溫度管理,所以一株能長出多少苗只有神知道。

とはいえ戦国時代に完全な温度管理は不可能なので、一株で苗が何本作れるかは神のみぞ知るだ。

「嘛,株數本來就少,今天就只收成吧。嗯,好久沒吃鳳梨了,而且還是昂貴的小鳳梨……對味道很有期待啊」

「ま、株は少ないし今日は収穫だけにしよう。うーん、パイナップルなんて久々だ。おまけに高価なスナックパイン……これは味に期待が持てるなぁ」

「哼。果然你還是一如既往地偷偷吃這種東西當成嗜好嗎?」

「ほぅ。相変わらずそういうのをこっそり食べるのが、貴様の趣味なのか?」

瞬間,靜子抱著鳳梨停住了動作。

瞬間、静子はパイナップルを抱えたまま動きを止める。

她像生鏽的機器般只轉動脖子往後看,看到帶著惡作劇成功表情的信長和對鳳梨興致盎然的前久站著。

錆びついた機械のように首だけ動かして後ろを見ると、悪戯が成功したと言いたげな表情の信長と、パイナップルを興味深そうに見ている前久がいた。

「……那個,冒昧請教一下,為何近衛大人會在這裡……?」

「……あの、付かぬことをお伺いしますが、何故近衛様がこの場所に……?」

「是我邀請的。有什麼問題嗎?」

「わしが招待したのじゃ。何か問題でもあるか?」

「不,沒有。不過不帶護衛總覺得有些不小心……」

「いえ、何もございません。しかし護衛をつけないのは、些か不用心ではないかなぁ……と」

「不用介意。區區間諜想奪我首級還早了一千年。那個刺刺的、兇惡外觀的是什麼?」

「気にする事はない。たかが間者程度が、わしの首を取るなど千年早いわ。で、その刺々しい凶悪な見た目のそれはなんじゃ」

「(啊,這個不會放過吧)咳……嗯,這是南蠻傳來的水果,叫做パイナップル。用漢字寫是鳳凰的鳳加上梨,寫作鳳梨(ほうり)。」

「(あ、これは見逃してくれないね)コホン……えっと、これは南蛮の果物でパイナップルと呼びます。漢字で書くと鳳凰の鳳に梨と書いて、鳳梨(ほうり)と呼びます」

鳳梨傳入日本的時期相當晚,約十九世紀初;相比之下,台灣則在十七世紀就有傳入記錄。

パイナップルは日本に伝来した時期が19世紀初めと、台湾が17世紀だった事に比べてかなり遅い。

另有記錄顯示在東京小笠原群島的父島曾有栽培,同時也有透過南蠻貿易引入長崎的記錄。

更に東京の小笠原諸島の父島で栽培された記録があるが、同時に南蛮貿易で長崎に導入された記録も残っている。

小鳳梨的原產國是台灣,在台灣被命名為「台灣四號」。

なおスナックパインの原産国は台湾国であり、台湾では台湾四号という名前がつけられている。

作為鳳梨,它屬於鳳梨科的ボゴール種。

パイナップルとしてはパイナップル科のボゴール種に属する。

「哦?然後呢?」

「ほぅ、それで?」

信長低聲喃喃地說著,開始合攏雙拳,這是表示不需要說太多知識性的話的信號。

そう呟きながら信長が左右の拳を合わせ始める。うんちく話は要らない、というサインだった。

「嗯……這樣撕下來就可以吃。」

「えっと……こうやって引き千切って食べる事が出来ます」

「スナックパイン」的特徵有:比一般鳳梨小、果肉中的空隙較大、酸味較少、甜味較強、香氣濃郁,且芯部柔軟且帶甜,可直接食用。

スナックパインの特徴は一般のパイナップルより小さい、果肉中の空隙が大きい、酸味が少ない、甘みが強い、香りが高い、芯の部分が柔らかく甘いのでそのまま食べられるという点が挙げられる。

因為可以用手掰下小果來吃,簡稱為像零食一樣吃的鳳梨,因此被命名為「スナックパイン」。

小果を手でちぎって食べる事が可能な所から、スナック感覚で食べるパイナップルを略して、スナックパインという名前が付けられた。

「甜。但在濃烈的甜味中帶有恰到好處的酸味。」

「甘い。だが強い甘みの中に、適度な酸味があるな」

「甜味與酸味的調和、芳醇的香氣,這真是好果實呢。」

「甘味と酸味の調和、芳醇な香り、これは良い果実ですな」

兩人一邊發表感想,一邊掰下「スナックパイン」的小果吃著。

二人は感想を述べながらスナックパインの小果を千切って食べていく。

結果,靜子的手上只剩下冠芽(クラウン),這不用多說。

結局、静子の手に残ったのは冠芽(クラウン)だけだったのは、言うまでもない。