戦国小町苦労譚
1569年 一月上旬
永祿十二年一月五日(1569年1月31日),在京的本圀寺(當時稱作本國寺,江戶時代改名為本圀寺;此處採用改名後的名稱)被奉公衆與將軍足利義昭作為臨時御所使用時,從逃往四國的三好三人衆發動襲擊,所謂的「本圀寺之變」發生。
永禄十二年一月五日(1569年1月31日)、京の本圀寺(当時は本国寺と呼称されていた、江戸時代に入り本圀寺と改名される。ここでは改名後の名称を使用します)を奉公衆と共に仮御所として使用していた室町幕府第十五代将軍足利義昭が、四国へ逃げていた三好三人衆から襲撃を受ける所謂「本圀寺の変」が起った。
義昭的警護以光秀為中心,只有近江和若狹的國衆,信長的本軍幾乎沒有參與。
義昭の警護は光秀を中心に近江と若狭の国衆だけで、信長の本軍は殆ど関わりを持っていない。
在京的「京治安維持警ら隊」純粹是維持京城治安的部隊,義昭的護衛並不在其任務範圍內,因此裝備十分貧弱。
京にいる『京治安維持警ら隊』は、あくまで京の治安を維持する部隊であり、義昭の警護は任務として含まれていないため装備が貧弱であった。
由於主要任務性質,他們配備的是制止擾亂者的非致命性武器,並未持有如槍、弓等具殺傷力的武器。
彼らは主な任務の性質上、狼藉者を取り押さえる非殺傷武器を装備しており、槍や弓などの殺傷が可能な武器を携帯していなかった。
如果進行直接戰鬥,幾無疑問會造成重大傷亡並面臨被殲滅的危險。不知從何得知此弱點,三好三人衆沒有與「京治安維持警ら隊」交戰而繼續進軍。
直接的な戦闘行為を行えば、まず間違いなく甚大な被害を出し壊滅の憂き目を見るのは明らかであった。その問題点を何処で知り得たのか、三好三人衆は『京治安維持警ら隊』を相手にせず進軍した。
本圀寺本來是寺院,雖作為臨時御所布置,但離堅固的要塞還很遠,是否會陷落被視為時間問題令人擔憂。
そもそもが寺院であり仮御所としての体裁を整えていたとは言え堅固な砦からは程遠い本圀寺では、陥落も時間の問題かと危ぶまれた。
然而,作為三好勢先陣的藥師寺貞春軍,被若狹國衆的山縣源內與宇野弥七等人奮力阻擊,多次阻止其進入寺域。
しかし三好勢の先陣である薬師寺貞春の軍勢を、若狭国衆の山県源内や宇野弥七らが奮戦し、寺域への進入を幾度も阻止した。
結果,他們的堅守奏效,當日本圀寺未被攻陷而天色已晚。三好三人衆收兵以備翌日。
結局、彼らの踏ん張りが功を奏し、この日の本圀寺は陥落に至らず日暮れとなった。翌日に備えて三好三人衆は兵を収める。
同日,聽聞本圀寺受襲的信長即刻出發。
同日、本圀寺襲撃の知らせを聞いた信長は直ちに出立した。
雖然是大雪等惡劣天候下行軍,但他將原本需三日的路程在兩日內完成。
大雪という悪天候での行軍だったが、彼は本来三日かかる行程を二日で走破した。
但或許是因極寒與匆忙出發的代價,信長麾下的陣夫有數名凍死。即便付出此等犧牲,信長於八日帶著不到十騎的隨從抵達本圀寺。
だが非常な寒さと急な出立の代償か、信長配下の陣夫が数名凍死してしまった。そんな犠牲を出しつつも、信長は八日に十騎足らずの供を連れて本圀寺に到着する。
但在信長到達之前,於一月六日情勢已發生劇變。
しかし信長が到着する前、一月六日に状況は一変していた。
細川藤孝、三好義繼,以及摂津國衆如伊丹親興、池田勝正、荒木村重等,來自畿內各地的織田勢已集結。
細川藤孝や三好義継、摂津国衆の伊丹親興、池田勝正、荒木村重など畿内各地からの織田勢が集結したのだ。
三好三人衆藐視了「京治安維持警ら隊」。雖然他們戰力較弱,但由多達五千人的龐大人數組成。
三好三人衆は『京治安維持警ら隊』を侮った。彼らは力こそ弱いものの五千人という膨大な数で構成されている。
因此,他們一手負責向畿內各地的織田勢發出緊急報告、引導其迅速抵達的路線、對三好三人衆的諜報與游擊活動、以及對友軍的物資補給等除直接戰鬥外的後方支援,支撐了織田勢的反擊。
故に畿内各地にいる織田勢への急報、短時間で彼らが辿り着く為の道案内、三好三人衆へのスパイ行為及びゲリラ活動、味方への物資補給など直接の合戦以外の後方支援を一手に担い織田勢の逆撃を支えた。
五千人的編制並非信長一時想到隨口說出的數字,而是估算出的正常時維持京城治安、緊急時能擔負軍隊後勤與後方支援所需的人員規模後得出的結果。
五千人という定員は信長が思いつきで口にした数ではない。平時にあっては京の治安を維持し、有事に於いては軍の兵站及び後方支援が可能な規模として必要な人員を見積もった結果が五千なのだ。
察覺不利的三好三人衆嘗試撤退,卻遭到足利與織田軍的追擊。
不利を悟った三好三人衆は退却を試みるも、足利・織田軍の追撃を受ける。
雖於桂川河畔展開戰鬥,但因原有戰力與指揮官優劣,三好三人衆被徹底擊潰、四散而逃。
桂川河畔で合戦に及んだものの、元々の戦力や指揮官の優劣により三好三人衆は散々に追い散らされた。
後世稱為「六條合戰」「本圀寺之變」的義昭襲擊事件,以足利・織田軍的壓倒性勝利落幕。
後の世に「六条合戦」「本圀寺の変」と呼ばれる義昭襲撃事件は、足利・織田軍の圧勝で幕を閉じる。
結果,不等信長到達就已分出勝負。
結局、信長の到着を待たず雌雄は決した。
抵達京城後,他首先嘉獎有戰功的池田眾池田正秀,以及首日頑強防守的若狹國衆山縣源內與宇野弥七等人。
京に到着した彼はまず戦功のあった池田衆の池田正秀、初日に踏ん張りを見せた若狭国衆の山県源内や宇野弥七らを賞する。
接著遭到義昭的斥責。但雖然態度上甘受責備,信長對義昭所說之話幾乎全數置若罔聞。
次に義昭の叱責を受ける。ただし態度こそ甘んじて譴責を受けてはいるものの、彼が言った言葉の十割を信長は左から右に聞き流していた。
相處雖短,信長直覺到對於像義昭這樣的人,任其多言即可。
付き合いは短いものの、義昭のような性格の持ち主は言うだけ言わせておけば良い、と信長は直感的に理解した。
聽畢那冗長卻無實質內容的胡言後,信長開始著手他早已構思的將軍御所興建計畫。
長い割に実のない戯言を聞き終えた信長は、かねてより考えていた将軍御所の建設に取り掛かる。
當然,作為新將軍御所啟建二條城並非為了義昭,而是為了盡可能減少因義昭的守護而令自己部下與畿內棋子陣亡的情形。
勿論、新しい将軍御所として二条城の造営に着手するのは義昭の為ではない。義昭の守護によって自分の配下や畿内の手駒が討ち死にするのを、可能な限り減らすためだ。
一月十日,義昭一方的三好義繼等派遣使者至堺的南北莊,責問堺衆援助三好三人衆一事。
一月十日、義昭方の三好義継らは堺の南北荘へ使者を遣わし、堺衆が三好三人衆を助けたことを責めた。
三好三人衆由阿波(德島縣)先聚集於堺浦,於正月進入京城,並在五日圍攻將軍義昭所在的本圀寺。
三好三人衆は阿波(徳島県)から一旦堺浦に勢ぞろいし、正月に京へ入り、五日に将軍義昭のいる本圀寺を攻め囲んだ。
因能在堺浦集結,三好義繼認為堺的商人中有人支持三好三人衆。
堺浦に集結出来た事から、三好義継は堺の商人に三好三人衆を応援した者がいると考えた。
他的使者到達時,南北莊驚恐不安,將瘦弱者與貨物等藏於根來、粉川槇尾寺等處;但同時亦開始挖掘護城壕、搭建箭樓等進行戰備。
彼の使者に南北荘は恐れをなし、足弱や荷物などを根来、粉川槇尾寺などに隠した。しかし一方で、堀を巡らし、矢倉をあげるなど戦の準備をし始めた。
堺展現明確對抗姿態的狀態持續到二月十一日。
堺が明確な対決姿勢を見せる状態は二月十一日まで続く。
信長一方面監視堺的行動,一方面命光秀與秀吉二人負責二條御所的普請,並任命其為京的奉行。
信長は堺の行動を監視しつつも光秀と秀吉の二人に二条の御所の普請を命じ、更に京の奉行に任命する。
負責統籌二條城御殿等建設的代行奉行,任命村井貞勝與島田秀滿二人。
二条城の御殿などの建設を統括する代行奉行に、村井貞勝と島田秀満の二人を任命する。
普請總奉行,也就是工程前線指揮者,乃信長本人。
普請総奉行、つまり工事の陣頭指揮を執る人物は信長自身だ。
多數建築物由本圀寺的建物拆解重組而成,石材則取自細川一族旁支典廐家細川藤賢舊宅庭園中的名石「藤戸石」。
建物の多くは本圀寺の建築物を解体・再組み立てし、石は細川一族の分家である典廐(てんきゅう)家細川(ほそかわ) 藤賢(ふじかた)の旧邸の庭にある名石「藤戸石」が使われた。
此外,還使用了從京城各處蒐集的墓石與石佛,作為真正堆砌石垣的城郭,留有山科言經見到「石くら(石垣之別名)」而驚歎的記錄。
その他、京のあちこちから集められた墓石や石仏も使われ、本格的に石垣を積んだ城として山科言経が「石くら(石垣の別名)」を見て驚嘆した記録がある。
京城因二條城的築城而熱鬧不已。當時,靜子正處理一些稍顯麻煩的事務。
京は二条城の築城で持ちきりだった。その頃、静子は少々面倒な事を手掛けていた。
在正月前夕,靜子被信長任命為「技工總奉行」一職。
正月直前、静子は信長により「技工総奉行」という役職に任命された。
詢問該職位性質後得知與過去無異,是作為協助周遭技術性改革、提供建議並兼任現場指揮的顧問型指揮者。
どういう役職かを確認すると今までと変わらず、周囲の技術的な改革を成功させるよう知恵を貸す相談役兼陣頭指揮者、との話だ。
不同的是因為信長授予了明確的職位與權限,使靜子可單獨下達命令。
違う点は明確な役職と権限が信長から付与されているため、静子単独で命令を出せる所だ。
不必再像以往那樣經由靜子→彩、彩→森可成、森可成→信長、信長→各組織的傳達路徑;靜子可以直接對人或組織下達命令。
今までのように静子から彩、彩から森可成、森可成から信長、信長から各組織へという経路を取らなくて良い。直接静子が人や組織に命令を出せる。
不過這其中有制約,靜子若要下令,必須有負責技術改革者的簽章。也就是說,若沒有執行改革的人,即便信長賦予她權限,她也無法行使權力。
無論これには制約があり、静子が命令するには技術改革を行う責任者の署名がいる。つまり改革を行う人物がいなければ、いくら信長から権限を付与されても彼女は権力の行使が出来ないのだ。
總之,靜子理解到實際上與現狀差異不大,於是放鬆了態度。她認為會實行大規模改革的人只有信長。
結局、今と大差ないと理解した静子はのんびり構える。大きな改革を行う人物は信長以外いないと思っていたからだ。
但那個想法像往常一樣脆弱地破滅。她被任命為「技工總奉行」後一週,從「六條合戰」過後,竹中半兵衛來到了靜子面前。
しかしその思惑は毎度の事ながら脆くも崩れ去る。彼女が「技工総奉行」に任命され、「六条合戦」から一週間後、静子の元に竹中半兵衛が訪ねてきたのだ。
「要改革軍中的糧食狀況嗎?」
「軍における食糧事情の改革、ですか?」
「正是。若要動員比現在更多的大軍,我認為不可或缺的軍需品就是食糧。」
「左様。今以上の大軍を動員するに際して、欠かせない軍需品が食料だと考えます」
竹中半兵衛談的是軍用食糧的改革。
竹中半兵衛の話は軍における食料の改革だった。
也就是說,他想要改革在軍事行動中分配給每名士兵的口糧(戰鬥口糧)。
つまり軍事行動中に各兵員に配給される食糧(コンバット・レーション)を改革したい、という事だ。
「……為什麼是食糧呢?」
「……何故食料なのでしょうか?」
對於最先想到糧食問題的竹中半兵衛,靜子帶著疑問向他打聽此事。
最初に食料事情を思いついた竹中半兵衛に疑問を抱いた静子は、その事を彼に尋ねる。
「進食是每個人每天都會做的事。不進食就會必然致死,若只吃喜好之物也會損害身體。基於此,某認為必須從食物攝取對身體必要的某些東西。」
「食事とは誰もが毎日する行為です。そして食事をしなければ必ず死に至ります。また好物だけを食べ続けると体を壊します。この事から、某は食事から体に必要な何かを摂らなければならない、と考えました」
「……確實,人是透過飲食攝取身體所需之物。我稱身體所需之物為『營養』。」
「……確かに人は食事で体に必要なものを取り込んでいます。私は体に必要なものを『栄養』と呼んでおります」
「原來是營養。雖然無學請見諒,倘若身體失去營養,人會變成什麼樣子?」
「なるほど、栄養ですか。無学で申し訳ないが、仮に栄養が体からなくなると、人はどういう状態になりますか?」
「會出現看不見東西、長期頭痛困擾、舊傷裂開、行走困難等情況。還有其他各種症狀,但在最壞的情況下仍會罹患致命之病而死。」
「ものを見る事が出来なくなったり、慢性的な頭痛に悩まされたり、古傷が開いたり、歩行が困難になったりします。他にも色々とありますが、最悪の場合は死に至る病に冒されるのは変わりないですね」
「是這樣啊。聽了妳的說明,某確信自己的想法並未錯誤。說實話,像這種話沒人會認真對待,能得到妳的回應讓我很受助益。」
「そうですか。貴女の説明を聞いて、やはり某の考えは誤っていなかったと確信出来ました。正直な所、この様な話をしても、誰もまともに取り合って頂けなかったので助かります」
竹中半兵衛聽了靜子的説明,滿意地點了點頭。
竹中半兵衛は静子の説明を聞いて満足気に頷く。
說實話,靜子認為即便是信長也不會想到改革軍用食糧,畢竟他對飲食素來無所謂。
正直な話、例え信長でも軍用食についての改革は考えなかっただろうと静子は思った。何しろ彼は食事に無頓着だ。
近來他雖然開始在意營養而注意飲食,但對象只是他自己,並未想到軍隊層面。
近頃は栄養を気にして食事を取ってはいるものの、対象になるのは自分だけであり、軍にまで考えを巡らせていなかった。
(嘛,我想這跟史實也差了不少。畢竟他新年時對家臣發了所謂的「食事十二條」罷了)
(まぁ史実とは随分変わったと思うけどね。正月に家臣に対して「食十二ヶ条」を配布したぐらいだし)
舉辦新年宴會是信長的慣例,但今年他把一卷寫有可謂飲食訓示的一二條冊子,分發給來賀年的家臣。
正月に酒会を開くのは信長の恒例行事となっているが、今年は挨拶に来た家臣に対して食事の訓示ともいうべき一二ヶ条を書いた書を渡していた。
其內容如下:
その内容は以下の通りだ。
壹 飯食每日三餐,每餐應盡量做到一汁一菜
壱 食事は日に三度、毎食一汁一菜を心がけるべし
弐 七日一度,應食用鳥肉或魚肉
弐 七日に一度、鳥肉か魚肉を食すべし
參 對童子應於元服前每三至四日給予一顆蛋
参 童子には元服するまで三、四日に一度は卵を与えるべし
肆 鹽、味噌、醬油、味醂為必需調味料,不可斷絕
肆 塩、味噌、醤油、味醂は必須調味料として切らすべからず
伍 應備有足以兩日不虞匱乏的乾肉
伍 二日間は困らないほどの干し肉を所持しておくべし
陸 尊重雜穀與玄米,克制白米的過度攝取
陸 雑穀・玄米を尊び、白米の過剰摂取を控えるべし
漆 克制過量攝取甜食
漆 甘味の過剰摂取は控えるべし
捌 酒每日以約兩杯為限,避免過量
捌 酒は一日二杯程度に止め、過剰摂取を控えるべし
玖 飯前應說「我開動了」,飯後應說「多謝款待」作為用餐的問候
玖 食前は「いただきます」、食後は「ごちそうさま」の食事の挨拶を心懸けるべし
拾 當主若無法為妻兒提供滿足的飲食,應自覺不及格
拾 妻、童子に満足な食事を与えられぬ当主は半人前以下だと心懸けるべし
拾壱 感謝一切食物,力求不剩食物地吃完
拾壱 全ての食物に感謝し、残さず食べる事を心がけるべし
拾弐 一切食物無高下,應銘記皆為天道(お天道さま)所賜之味
拾弐 全ての食物に格なし。等しく天道(お天道さま)の味と肝に銘じるべし
這不是法令而是訓示,信長本人也帶著玩笑地分發給家臣,應不是要硬性命令一定要遵守。
法ではなく訓示であり、信長自身も冗談を交えつつ家臣に配布していた為、必ず守れという考えではないのだろう。
然而在上下等級森嚴的戰國時代,若從所侍奉的主君那裡收到訓示卻毫無反應,是不可被容許的。
しかし上下関係が厳しい戦国時代に、仕える主君から訓示として渡されて何の反応も示さないという事は許されない。
尤其信長性情善變,不知何時訓示會變成必須遵守的法律。無論信長本意如何,家臣為了遵守那一二條莫名生出的強制力而忙碌奔走。
特に信長は気分屋な所があり、いつ訓示が厳守する法律に変わるか分からない。信長の意図とは関係なく、勝手に強制力が付いた一二ヶ条を守るため家臣は奔走する。
當時沒有人知道,他們的行動日後會革新居住於尾張、美濃居民的飲食習慣。
彼らの行動が後に尾張・美濃に住む人の食生活を革新した事に、この時は誰もが知る由もなかった。
「軍用膳食,姑且稱作『戰鬥食(せんとうしょく)』如何。條件相當嚴苛呢。」
「軍用の食事、仮に『戦闘食(せんとうしょく)』と名付けましょうか。色々と条件が厳しいですねぇ」
「是啊。首先需要能耐運輸的保存性;其次是能有效補充營養的食物。若再奢求一點,最好是輕量且易於取得的材料。」
「そうですね。まず輸送に耐え得る保存性が必要でしょう。次に栄養補給に優れた物ですね。贅沢を言えば軽量かつ入手が容易い材料が良いと思います」
「嗯──確實有高營養補給食,但是……因為不是習慣吃的東西,會讓人有些為難。」
「うーん、高栄養補給食はあるにはあるのですが……食べ慣れていないものですから、ちょっと困りものなのですよね」
說完之後,靜子叫來彩讓她做些東西。不一會兒做好,彩便把它放到竹中半兵衛面前。
そう言った後、静子は彩を呼んであるものを作らせた。すぐに出来上がったそれを、彩は竹中半兵衛の前に置く。
這是為試驗製作的燕麥片。器皿有三個,從左到右分別是只用水煮的、用味噌調味煮的、用醬油和鹽調味煮的。
試験用に作ったオートミールだ。器は三つあり、左から水で煮ただけ、味噌で味付けして煮たもの、醤油と塩で味付けして煮たものだ。
「……嗯,麥子的香氣很重呢。確實這有些問題。用味噌或醬油調味的那兩個多少能壓抑氣味,但只有水的那個應該很難接受。」
「……ふむ、麦の香りが強いですね。確かにこれは少々問題です。味噌や醤油の方は匂いがある程度抑えられていますが、水だけは厳しいと思われます」
燕麥片是方便補充營養的健康食品,但因為麥子的香氣濃烈,習慣以米為主食的日本人有很多人無法接受。
オートミールはお手軽に栄養補給が出来る健康食品だ。しかし麦の香りが強い為、米が主食の日本人は受け付けない人が多い。
用味噌或醬油調味可以在某種程度上緩和,但仍不足以完全消除麥子的臭味。
味噌や醤油で味付けするとある程度は緩和されるが、それでも麦の臭いを消すには至らない。
「即使平時沒問題,戰場是精神壓力巨大的地方。飲食是重要的娛樂,難吃或單調的食物會讓人膩,進而導致士氣低落。」
「平時なら問題なくとも、戦場は精神的重圧が強い場所です。食事は重要な娯楽なので、不味い飯や単調な食事では飽きて士気の低下にも繋がります」
「還有其他問題。行軍時必然會有商人跟隨,雜兵的食物是他們的生意來源,不能魯莽搶了他們的生意以免引起反彈。」
「他にも問題があります。行軍中は商人が必ず付いてきます。雑兵の食事は彼らにとっては商売の種です。下手に彼らの商売に食い込んで反発を招くわけには参りません」
戰場聚集了大名、大名的侍從、足輕和雜兵等許多人,對商人而言是個有吸引力的市場。
戦場には武将、武将の世話役、足軽、雑兵と多くの人が集まる為、商人にとっては魅力的な環境だ。
商人帶著水和食物前往戰場,販售雜炊等食物以及酒、菸等嗜好品以獲利。
商人は水や食料を持って戦場へ向かい、雑炊などの食料や酒、タバコなどの嗜好品を売り利益を得ていた。
有些陣中甚至會大到為商人設市集的程度。
陣中によっては商人の市場が造られるほど大規模になる場合もある。
若在敵地,足輕和雜兵會掠奪各種物品,而買下這些贓物的也常是隨軍的商人。
敵地ともなれば足軽や雑兵は様々なものを奪うが、これら略奪品を買い取るのも軍に随伴する商人だった。
但也有買來的貨物被其他雜兵搶走的情形。
ただし買い取った商品を、別の雑兵に奪い取られるケースもあった。
「要徹底驅逐是不可能的。不過被俘的雜兵會被拷問出陣中食物價格也成問題。還是讓雜兵維持現狀,由上級足輕到大名各自準備比較好吧。」
「完全に追い出すのは不可能。しかし捕らえられた雑兵から、食料の価格を聞き出されるのも問題。やはり雑兵は現状のまま、上級足軽から武将は独自に用意、が良いでしょうね」
商人販售的食物價格暴漲,往往代表陣中現有食糧短缺。
商人が販売する食料の価格が高騰する事は、陣中にある食料が不足している場合が多い。
因此國人會從俘虜的雜兵口中套出陣中販售食物的價格,據以推測敵方的糧食情況。
故に国人たちは捕えた雑兵から、陣中で売られている食料の価格を聞き出し、敵の食糧事情をある程度推測した。
要混淆或隱匿此事,最理想是把陣中的食糧狀況全部自給自足;但現實是即便織田軍也沒有那等備蓄。
これを撹乱、または隠すためには陣中での食糧事情を自前で全て用意する事がベストだ。しかし現状、それだけの備蓄は織田軍でも持ち合わせていない。
此外若把能帶來高利潤的戰場商人驅逐,也可能影響平時的買賣。
更に利益の高い戦場から商人を追い出せば、平時での売買にも影響が出る可能性がある。
「我認為就現狀而言,那是最好的方法。」
「それが現状では一番良いかと思います」
「戰鬥口糧的配給對象就每次行軍時再決定吧。首先必須確認這個麥粥是否能被接受。視情況或許要請求大量生產燕麥……對嗎?」
「戦闘食を配給する対象は、行軍する都度決めるとしましょう。まずはこの麦粥が受け入れられるか確認しなければなりません。場合によってはえん麦……でしたか? それの量産を依頼する事になるかと思いますが」
「燕麥能在春秋各收成一次,栽培也不費力。但這個麥粥需要加工燕麥,因為加工花時間,若要大量生產就必須製作專用的機械裝置。」
「えん麦については春と秋の二回収穫が可能です。栽培についても手間はかかりません。しかしこの麦粥はえん麦を加工しています。その加工に時間がかかりますので、量産の場合は専用のからくりを作る必要がありますね」
「原來如此,綜合那點再決定今後方針。現在館主在京城,不能大動作推進……啊,不,還是有可以推進的部分。」
「なるほど、その点も踏まえて今後を決めましょう。今はお館様が京ですので、大きく話を進める事は出来ませんが……あ、いえ、進める所はありますね」
「那是哪些地方呢?」
「それはどういう所でしょうか?」
「沒什麼,只是個小點子。若麥粥不被接受,就把麥和米混合試試看。雜糧飯也是把黍或稗混進米裡,原理相同。若成功的話,可以抑制白米消耗,同時做出有營養的戰鬥口糧。」
「何、ちょっとした事です。麦粥が受け入れられなかったら、麦と米を混ぜてみるのですよ。雑穀米も米に粟やひえを混ぜています。あれと同じで、麦と米を混ぜてみてはどうでしょう。うまく行けば、米の消費を抑え、かつ栄養のある戦闘食を作れると思います」
現代也有人把壓扁的大麥等與白米混著煮。燕麥片烹調時間短,常採用不和米一起煮,而是飯煮好後拌入再悶蒸的做法。
現代でも白米に押し麦などを混ぜて炊く人はいる。オートミールは短時間で調理出来る為、米と一緒に炊かず、炊きあげた後に混ぜて蒸す方法がよく取られる。
這是因為白米的味道與燕麥片的彈牙口感混合,會比單吃白米帶來更高的滿足感與飽足感。
これは白米の味とオートミールの「歯ごたえ」が混ざる事で、普通の白米を食べるよりも高い満足感と満腹感を得られるからだ。
「那倒是有道理。」
「それはありですね」
要混多少需要實驗,不過竹中半兵衛的點子並不壞。
どれだけ混ぜるかは実験が必要だが、竹中半兵衛の思いつきは悪くない話だった。
與竹中半兵衛談完戰鬥口糧約一週後。
竹中半兵衛と戦闘食の事を話して一週間ほど経った頃。
在金華山麓的信長居館,濃姫優雅地用餐。不是趁主不在而為所欲為,就算有名為信長的主在場,濃姫的放縱行徑也未曾改變。
金華山の麓にある信長居館で、濃姫は優雅に食事を摂っていた。主がいない間にではなく、たとえ信長という主がいても濃姫の奔放な振る舞いは変わらない。
濃姫能為所欲為主要是因為信長本人允許她,但她本人的各種言行也有影響。
濃姫が勝手を許されているのは信長本人が好きにさせているのが主原因であるが、本人の数々の言動も影響している。
首先她出嫁到信長門下時,父親斎藤道三交給她一把短刀並說「若信長真的是個瘋子就用這把刺他」,她接過後回說「那就替我這位說些沒趣話的父親刺一刺吧」,讓道三大吃一驚。
まず彼女は信長の元へ嫁ぐ時、父の斎藤道三から「信長が真のうつけならこれで刺すのだ」と小刀を渡された。それを受け取った彼女は「そんな面白みのない事を言う父上から刺してあげましょう」と返答して道三の度肝を抜いた。
此外在斎藤道三與斎藤義龍之戰(長良川之戰)結束後,義龍曾書信告知她「有你在我們會死很多人,別回來」,拒絕她返回家中。
また斎藤道三と斎藤義龍の戦い(長良川の戦い)が終わった後、義龍から文で「お前がいると命がいくつあっても足りない。だから帰ってくるな」と帰宅拒否を受けた。
明明處於無處可去的困境,濃姫卻依舊不改生活態度,甚至向為攻略美濃苦惱的信長催促打氣。
誰が見ても帰る場所がない窮地であるに関わらず、それでも濃姫は生活態度を変えず、それどころか美濃攻略で悩む信長に発破をかけることまでした。
但她並非只有壞處。或許對間諜有敏銳嗅覺,發現潛入信長居館的他國間者便會惡作劇般攪局,或讓對方胃痛而倒下。
だが悪い面ばかりではない。間者に対して鋭い嗅覚を持っているのか、信長居館に入り込んでいる他国の間者を見つけては、引っ掻き回したり胃痛で潰したりしていた。
有時還有間者吐血倒下,但沒人知道濃姫究竟做了什麼。即便信長詢問,她也只是笑盈盈不作回答。
時には血を吐いて倒れた間者もいたが、濃姫が一体何をしたのかは誰も知らない。信長が質問しても彼女はにこにこと笑うだけで答えない。
就算問她的侍從,大家雖面露慌色卻都閉口不言,最後默契地形成了「就讓濃姫自由行事吧」的共識。
彼女の世話役に尋ねても、皆青い顔をしつつも口を噤んだ。最終的に「濃姫は自由にさせておけ」という暗黙の了解が出来上がった。
濃姫辨別異類的能力如此卓越,對足滿抱有奇妙的違和感。
そんな異物を見抜く能力が優れている濃姫は、足満に奇妙な違和感を抱いていた。
「足滿,你大概過著與普通人不同的境遇吧。」
「足満、お主は普通の人間とは異なる境遇を歩んできたのであろう」
感到違和後濃姫行動迅速,她把人遣散,單獨叫來足滿,開門見山地追問他的出身。
違和感を覚えた後の、濃姫の行動は早かった。人払いを済ませ、足満を一人呼び出し、単刀直入に素性について問いただした。
「你在說什麼。我只是個無足輕重的廚子罷了。」
「何を仰います。わしはしがない料理人でございます」
足滿嘆了口氣,彷彿在說真可笑。
馬鹿らしいと言わんばかりに足満はため息を吐く。
但濃姫非但沒有因他的態度生氣,反而在嘴角掛起了似乎很愉快的笑容。
しかし濃姫は彼の態度に怒るどころか、さも愉快そうに口の端に笑みを浮かべた。
「哼哼,不要那麼提防。只要回答妾的幾個問題,妾可以為你尋找之事提供方便。」
「ふふっ、そう警戒するでない。妾の幾つかの問いに答えれば、お主の探し物に便宜を図っても良いぞ」
「……是何事呢?」
「……何の事でございましょう」
「你要硬要裝無辜到最後嗎。雖然可以花時間取得信任,但我沒興致互相試探。若你不老實開口,妾也可以向殿進言,令他永遠不與你見面,如何?」
「飽くまで白を切るか。時間をかけて信用を得ることも出来ようが、腹の探り合いをする気分でもない。素直に口を開かぬのなら殿に進言して決して会わせぬようにすることも出来るのじゃが?」
瞬間,足滿周身的氛圍變了。由鬆散輕浮轉為如同被磨利的刀刃般,帶著以生死相搏為常的刺痛氣息。即便如此,濃姫的態度絲毫未變。
瞬間、足満の纏う空気が変わる。ふわふわした空気から、研ぎ澄まされた刃のような、命のやり取りを是とするヒリついた空気に。それでも濃姫の態度は些かも崩れない。
「你竟然看得如此重要。然而從你的態度看,似乎並非對那女孩懷有情愛。倒不如說……是把她當作一個需要憐愛的對象。」
「そこまで大事に思うておるのか。しかしお主の態度から、あ奴に対して情愛を抱いている訳ではなさそうじゃな。どちらかと言えば……そう、慈しむ相手、と言った所じゃな」
「……絕不會讓人動那孩子一根指頭。即便是神明佛祖也一樣。」
「……あの娘に手出しはさせん。それが例え神仏の類であろうとな」
「那股氣概可嘉,但妾無意對她怎樣。至少在這尾張・美濃,想對她抱有惡意無異於自尋死路。好了,既然明白,把那危險的東西快收起來。」
「その心意気は立派じゃが、妾は奴をどうこうする気はないぞ? 少なくとも、この尾張・美濃であ奴に害意を抱くなど自殺行為に他ならん。ほれ、判ったのなら、その物騒なものをはようしまえ」
足滿猶豫不決。在此處斬殺濃姫雖易,但之後局勢無論如何都不會好轉,甚至可能連待在尾張・美濃都做不到。
足満は逡巡する。ここで濃姫を斬る事は容易いが、その後の展開はどう考えても状況は好転しない。下手をすれば尾張・美濃にいる事すら叶わない。
足滿吐息,將黑暗的情緒發散出來。似乎將那視為答案,濃姫帶著笑說道。
息を吐いて足満は黒い感情を吐き散らす。それが答えと理解したのか、濃姫は笑みを浮かべつつこう言った。
「是個好判斷。那麼說來,我想與你做個交易。」
「良い判断じゃ。では早速じゃが、お主とは取引をしたいと思う」
「交易?」
「取引?」
「沒錯。妾會安排讓你有機會見到你要找的人,也就是在尾張的靜子。作為交換,請協助殿的夢想。」
「そうじゃ。お主の探し人、つまり尾張にいる静子に会わせる機会を設けよう。代わりに殿の夢に協力をして貰う」
「……有了那女孩,我這等人也多餘了吧。究竟要我做何協力?」
「……あの娘がいれば、わし程度など要らぬであろう。一体、何を協力すれば良いのだ?」
「靜子確實使國家富強。相對地,間諜也增多,但那就處理掉間諜便行。妾想要的是靜子無法做到的方面,協助殿實現夢想。」
「静子は確かに国を富ませている。その分、間者が増えたがまぁそこは間者を始末すれば良いじゃろう。ではなく静子では出来ぬ方面で、殿の夢を手伝って貰いたい」
「原來如此。」
「そういう事か」
靜子的技術傳承範圍廣泛,但有一部分彷彿刻意沒被繼承。
静子の技術継承は多岐に渡るが、一部分だけ狙ったように外しているものがある。
「你是說你想要那個靜子做不到的『殺人技術』,是嗎?」
「あの娘では出来ぬ『人を殺す技術』が欲しいと、貴様は言っておるのだな」
那就是兵器開發。
それは兵器開発だ。
若靜子肯下手,雖需時間,大概能重現前裝式步兵來復槍即米尼耶槍或類近武器。
静子がその気になれば時間はかかるものの、前装式ライフル歩兵銃であるミニエー銃か、それに近いものが再現出来るであろう。
不,不僅如此。還能製造以黑火藥為推進力的局部火箭彈,或精製氯酸鉀製作黑火藥手榴彈。
否、それだけではない。黒色火薬を推進力とした局地的なロケット弾や、塩素酸カリウムを精製して黒色火薬の手榴弾を作ったりも出来る。
然而自從人工精製黑火藥原料硝酸鉀之後,沒有靜子從事那類研究開發的任何記錄。
しかし静子は黒色火薬の材料である硝酸カリウムの人工精製以降、その手のものを研究・開発した話は一つもない。
「殿周遭之敵個個古怪難纏。要讓他們屈服,對等的武力是不夠的。殿現在需要的,是能與他們劃清界線的壓倒性暴力。」
「殿の周りにいる敵は、一癖も二癖もある連中ばかりじゃ。そんな連中を屈服させるには、拮抗した武力だけでは物足りない。連中とは一線を画す圧倒的な暴力こそ、今の殿には必要じゃ」
「真意外。還以為你會在旁觀望罷了。」
「意外だな。貴様なら遠巻きに見ているだけかと思ったが」
「從高處將自以為聰明之人的根基奪去,俯視他們茫然失措,畢竟是極佳的消遣。」
「己を賢いと自負している連中の足元を掬い、呆然自失の体を高みから見下ろすのは畢竟(ひっきょう)最高の暇つぶしになろう」
那毒辣的女人啊,足滿在心中咒罵道。
性悪女め、と足満は心の中で毒づいた。
「明白了。但我不認為織田殿會輕易答應協力,那該怎麼辦?」
「分かった。だが織田の殿様がすんなり協力を求めるとは思えぬが、そこはどうするのだ」
「此事交給妾便好。別擔心。雖然會費些心思,但並非什麼大事。」
「そこは妾に任せておくが良い。何、気にするな。ちょっと趣向は凝らすが、そう大した事はせぬ」
「不抱期待地等著吧。」
「期待せず待っておこう」
說罷,足滿彷彿示意談話就此結束,起身離席。
そう言うと話はこれで終わりだと言わんばかりに足満は席を立つ。
但當他手放在出入口門把時,未回頭便向濃姫問道。
だが出入口の戸に手をかけた時、彼は振り向かず濃姫に向かって尋ねた。
「讓我問一件事。妳為何選擇我。妳沒想過或許みつお也有那類知識嗎?」
「一つだけ聞こう。何故、わしを選んだのだ。その手の知識ならみつおが持っているかも、と考えなかったのか」
「這還用問。憑你的身分,答案不是顯而易見嗎?」
「何を今さら。そんな事、お主の素性で答えが出るじゃろう?」
「……失陪了。」
「……失礼する」
對濃姫的話既不肯定也不否認,足滿便離去。他走後不久,濃姫突然咯咯地笑了起來。
濃姫の言葉に肯定も否定もせず足満は立ち去る。彼が立ち去って暫くした頃、濃姫は突然くすくすと笑い出した。
(果然只有足滿沉著異常。靜子與みつお雙腳未著地。從兩人身上嗅到仿佛不存在的東西被強行存在的氣味。但足滿雖腳踏實地,同樣帶有與靜子與みつお相同的氣息。這究竟是怎麼回事呢)
(やはり足満だけ泰然としていて妙じゃ。静子とみつおは地に足がついておらぬ。二人からは存在しないものが、無理やり存在しているような臭いを感じる。じゃが足満は地に足をつけながらも、静子とみつおと同じ臭いがする。さて、これは一体どういう事じゃろうな)
對濃姫來說,這種過於難解、令人疑惑的事不過是思考上的一種娛樂。
不可解すぎて怪訝に思う事すら、濃姫にとっては思考する娯楽に過ぎなかった。
大約在一月中旬稍過之際。
一月中旬を少し過ぎた頃。
「今天這回,絕不會讓你逃掉。」
「今日という今日は逃がさぬ」
濃姫說罷這句話,便將靜子綁走,送往信長的別墅。
濃姫はそんな言葉をはいて、静子を信長の別荘へ拉致していった。
年末年始信長忙得不可開交,現在又在京城擔任工地監督。周遭的武將們各自奔波,正室也因家務忙得團團轉。
年末年始、信長は多忙を極めた上に現在は京で工事現場監督をしている。周りの武将たちもあれこれ動きまわっており、必然的に正室も家の事でてんてこ舞いである。
在這種情況下還能到處遊玩的濃姫,靜子不禁覺得她的神經到底有多粗呢。
この状況下で遊び歩ける濃姫の神経は、どれだけ図太いのだと静子は思わずにはいられなかった。
「最近連おねやまつ也忙得不可開交。妾的遊伴一個也沒有。原以為唯一可能有空的靜子也,竟然和竹中半兵衛忙於那些事,真是出乎意料。」
「ここ最近、おねやまつも大忙しじゃ。妾の遊び相手が誰もおらん。唯一、暇であろうと踏んでいた静子も、竹中半兵衛とあれやこれやと忙しいとは予想外じゃ」
「不,其實閒人比較好……話說,妳是從哪裡聽到和竹中半兵衛大人的事的?」
「いや、暇人の方が良いのですが……というか、どこから竹中半兵衛様との話を聞いたのですか」
協商才過了一週而已。這期間只讓長可、慶次、才藏試吃了燕麥片罷了,具體的事還沒跟信長說。
打ち合わせをしてからまだ一週間しか経ってない。その間、長可や慶次、才蔵にオートミールの試食をして貰った程度で、具体的な話はまだ信長にもしていない。
平素放蕩的濃姫竟能像理所當然般獲得情報,靜子對此感到一絲恐懼。
普段から放蕩している濃姫が、まるで当たり前のように情報を仕入れてくる事に、少しだけ恐ろさを感じた静子だった。
「呵呵呵,妾乃間者之首領。蒐集情報何其容易。妾一聲令下,領地內的一萬名間者便會在瞬間調查得一乾二淨。」
「ほっほっほっ、妾は間者の頭領だからのぅ。情報を仕入れる事など造作も無い事。妾が命じれば領土内にいる一万の間者が、あっという間に調べ尽くしてくれるのじゃ」
「……開玩笑,對吧?」
「……冗談、ですよね?」
「嗯,是玩笑。你不會信以為真吧?」
「うむ、冗談じゃ。まさか信じてはおるまいな?」
(真是難以招架的女子……果然,能讓那個齋藤道三說出「果然是我的女兒啊」也不是沒道理)
(く、食えない婦人だ……流石、あの斎藤道三に「流石、わしの娘じゃ」と言わしめただけの事はある)
誰知道哪句是真是假。而且她還擁有能輕易洞察對方心理的深不可測眼力。
一体どこまでが本当で、どこまでが嘘なのか分からない。その上、相手の心理をいとも容易く見抜く底知れない眼力を持っていた。
向來不顧對方心情的信長,怎能預測對方心理並據此行動?靜子不禁覺得,答案或許就在濃姫身上。
相手の心情を斟酌しない信長が、どうして相手の心理面を予測して行動する事が出来たのか。その答えが濃姫なのでは、と思わずにはいられなかった。
「好了,捉弄靜子也到此為止。來介紹妾的名物料理人給妳。」
「さて、静子をからかうのもこの辺にしよう。妾の名物料理人を紹介するぞ」
「介紹什麼的,那些是我從京城帶來的料理人……話說,妳真的把剩下的九個人都解僱了啊。」
「紹介も何も、私が京から連れてきた料理人ですが……と言うか、ほんとに残り九人をクビにしたのですね」
「文化如同流動的河,時時變化。只會以固定形式表現的傢伙,如何可能成就殿的期望?」
「文化とは流れる川のように、たえず変化するもの。決まった形でしか表現出来ぬ輩が、殿の希望を叶えるなど不可能だろう?」
「嘛……確實也是如此。」
「まぁ……確かにそうですが」
信長把京城的職人帶回岐阜,想在那裡把本來的岐阜文化與被稱為日本最先端的京文化融合,打造新文化。
信長は京の職人を岐阜へ連れて帰り、そこで元々の岐阜文化と日本最先端と言われる京の文化を融合させ、新しい文化を築きあげる考えだった。
為此他動用靜子及其他武將盡可能帶回職人,但那些曾處於流行尖端的職人自尊心作祟,難以產生能形成新文化的人才。
その為に静子やその他の武将を使って可能な限り職人を持ち帰った訳だ。だがやはり流行の最先端にいたというプライドが邪魔して、新しい文化を形成する職人は中々出てこなかった。
不合信長與濃姫眼緣的職人們最終還是回了京城。不過回去也不會改變他們的地位。
信長や濃姫のお眼鏡に適わなかった職人たちは、結局京へ帰っていった。もっとも、帰った所で彼らの立場が変わる訳ではないが。
「就是這樣,光是介紹也無聊。靜子,妳想一道題目。讓妾的料理人來解答,看如何,會不會有趣?」
「そうじゃ、ただ紹介するのもつまらん。静子、お主何か問題を考えるのじゃ。それを妾の料理人が解く。どうじゃ、面白かろう?」
「呃、好……那麼……嗯,這樣吧。請用平常常見的食材跟薩摩芋做一道料理。另外,光是好吃也不行。必須是每天吃也不會膩的東西。」
「え、えぇ……じゃあ……うーん、そうですね。では普段目にする材料と、薩摩芋を使って料理を作って下さい。後、ただ旨い料理を作るだけじゃ駄目です。毎日、その料理を食べても飽きないものでなければなりません」
「嗯嗯,相當有趣。那就複述一次:料理的材料是平日常見的東西加上薩摩芋,條件是每天吃也不會膩,沒錯吧?」
「ふむふむ、中々面白そうじゃな。では復唱しようか。料理の材料は普段目にするものと薩摩芋を組み合わせたもの。条件は毎日食べても飽きない事、相違ないな?」
靜子對濃姫的話輕輕點頭。她給料理設定條件絕非一時興起。
濃姫の言葉に静子は小さく頷く。彼女が料理に条件をつけたのは思いつきではない。
靜子出於營養考量栽培作物,但不習慣的作物還是難以被接受。
栄養面を考えて作物を栽培している静子だが、やはり食べ慣れていない作物は中々受け入れられない。
然而若要改善百姓的營養,就必須讓他們習慣持續攝取營養豐富的食材。
しかし民の栄養改善をするならば、栄養豊富な食材を常に摂取するように仕向けなければならない。
對現在的靜子而言,最希望普及的作物就是薩摩芋。
今の静子にとって一番普及して欲しい作物が薩摩芋だ。
薩摩芋所含的類胡蘿蔔素在體內會轉化為維生素A,可預防夜盲症並阻止視力衰退。
薩摩芋に含まれるカロチンは体内でビタミンAに変わり、夜盲症の予防や視力の低下を防ぐ。
而維生素C可提高白血球的免疫力,降低感冒機率。維生素C雖怕熱,薩摩芋卻具有加熱也不易流失維生素C的特性。
そしてビタミンCは白血球の免疫力を高めるため風邪にかかりにくくなる。熱に弱いビタミンCだが、薩摩芋は加熱してもビタミンCが失われない特性を持っている。
但僅憑新奇或營養豐富並不能引起人們的興趣。
だが物珍しさや、栄養が豊富なだけでは人々の興味を引く事は出来ない。
要普及就需要配套的食譜。而且不能是吃一兩次就滿足、過於美味的料理(……)不行。
普及させる為にはレシピがセットで必要だ。しかも一、二回で満足するような旨すぎる料理(・・・・・・)では駄目だ。
美食過度的話二天連吃都做不到。因此必須把薩摩芋融入人們每天吃的平常食材中。
美食が過ぎれば二日続けて食べる事は出来ない。故に毎日食べている当たり前の材料に、薩摩芋を組み込まなければならない。
「那就這樣告訴料理人吧。」
「では、料理人にそう伝えるのじゃ」
濃姫是否理解了靜子的意圖,還是僅當作一場遊戲,無從得知,她依舊露出一抹愉悅的笑容這樣說道。
静子の意図を理解したのか、それとも単なる余興だと受け取ったか、相変わらず腹の底で何を考えているか分からない濃姫は、楽しそうな笑みを浮かべてそう言った。
大約一個多小時後,濃姫的料理人們做出的菜餚擺在濃姫與靜子面前。
そしておよそ一時間と少し、濃姫の料理人たちが作った料理が濃姫と静子の前に並べられた。
「哦哦,這是……」
「ほほぅ、これは」
(……被戲弄了。真沒想到會用這種方法實現。)
(……やられた。まさかこんな方法で実現するなんて)
擺在兩人面前的料理是「炊き込みご飯」。本來炊き込みご飯被稱作糅飯(かてめし)。
二人の前に並べられた料理は『炊き込みご飯』だ。元々、炊き込みご飯は糅飯(かてめし)と呼ばれていた。
顧名思義,是把被稱為糅(かて)的麥、稗、野草與雜穀等作為增量材料,與少量米混合炊煮而成的料理。
文字通り麦や稗、野草や雑穀などの糅(かて)と呼ばれる具を増量材として、少量の米と混ぜて炊き込んだ料理だ。
其歷史悠久,據說起源於奈良時代初期,當時以黏性的栗子單獨拌入炊煮的「栗飯」為原型。
その歴史は古く、奈良時代の初期に粘り気のある栗だけを混ぜて炊いた「栗飯」が原型と言われている。
這道料理誕生於米飯無法充足食用的時代,為了省米而生。
米が満足に食べられなかった時代に、米を節約するために生まれた料理だ。
在室町時代作為米飯料理登場,到了江戶時代發展為能享受風味與季節感的料理。
室町時代にお米料理として登場し、江戸時代には風味や季節感を楽しむ料理に発展した。
(咀嚼感會連帶影響吃的滿足感。薩摩芋的弱點是缺乏咀嚼感、吃起來不夠有份量……竟然用這種方式來補上)
(歯応えは食べた時の満足感に繋がる。薩摩芋の弱点は歯応えがなく、食べ応えがない事……それをこういう形で補うとは)
薩摩芋的甜味會刺激飽腹中樞,而且豐富的膳食纖維讓吃光需要較長時間。
薩摩芋の甘みは満腹中枢を刺激する働きがあるし、豊富な食物繊維のお陰で完食に時間がかかる。
但因缺乏咀嚼感而無法獲得滿足感。帶著壓力吃飯會降低代謝。
しかし歯応えがないので満足感が得られない。ストレスを感じながらの食事は代謝を下げる。
做成炊飯拌入其他食材就能獲得咀嚼感。還能讓視覺上更有趣,並能抑制米的消耗。
炊き込みご飯なら別の食材で歯応えを得られる。しかも見た目を楽しみ、米の消費を抑える事が可能だ。
「……降服了。這次是我輸了呢」
「……降参です。今回は私の負けですね」
「呼呼呼,料理沒有勝負。非要說的話,難吃就是輸……嗯,好好吃」
「ほっほっほっ、料理に勝ちも負けもない。強いてあげるなら不味ければ負けよ……うむ、うまい」
對濃姫而言,這次並非勝負,而只是單純炫耀自己手下的把戲。靜子一驚並採取現在這種態度時,濃姫的目的已經達成。
濃姫にとって、今回の事は勝負ではなく単なる自分の手駒自慢である。静子が驚き、今の様な態度を取った時点で濃姫の目的は達成されていた。
「把廚師帶到這裡來」
「料理人をここへ連れてまいれ」
一邊繼續用餐,濃姫向小間使下了命令。
食事を続けながら濃姫は小間使(こまづかい)に命を出す。
不久從入口那邊傳來小間使的回話。他們手腳俐落,看起來平時也常被濃姫召喚。
少しして入り口の向こうから小間使の言葉が帰ってきた。手際が良い事に、彼らは普段でも良く濃姫から呼び出しを受けていると感じられた。
(嘛,應該只有這次吧)
(まぁ、今回だけだろうね)
說實話,濃姫的廚師和靜子之間接點太少了。就算這次被介紹,她覺得數個月後自己連名字都會忘記。
正直な話、濃姫の料理人と静子では接点が少なすぎる。今回紹介されても、数カ月後には名前すら忘れている気がした彼女だ。
她做著不太願意的表情吃著漬物時,入口的襖靜靜被開了。靜子伴隨一聲嘆息望向裡面,但在看見某個東西的瞬間全身僵住。
気乗りしない顔で漬物を食べていると、入り口の襖が静かに開けられる。ため息と共にその奥を見た静子だが、あるものを見た瞬間、全身が硬直した。
更精確地說,是被襖那邊的三個人中,其中一人吸引了視線。
正確には襖の向こうにいる三人、その内の一人に視線を釘付けだった。
「從左邊依序是五郎、みつお、然後—」
「左から順に五郎、みつお、そしてー」
「足滿」
「足満」
在濃姫說完最後一句之前,靜子輕聲喃喃道。
濃姫が最後まで言う前に静子がポツリと呟く。
她把還咬在口中的筷子放在托盤上,手按著額頭又接著說道。
口に咥えたままの箸を盆に置き、額に手を当てつつ更にこう言った。
「我明白為何會端出炊飯拌菜了。如果是足滿叔叔(……)有牽涉在內,那也不奇怪。」
「どうして炊き込みご飯が出てきたか納得しました。足満おじさん(・・・・・・)が関わっていたのなら、それが出てきても不思議はないですから」
「咦,主上和足滿認識嗎?」
「なんじゃ、主は足満と知り合いかえ?」
足滿覺得那話很做作,但沒有表現在臉上,就答覆了濃姫的提問。
わざとらしいと足満は思ったが、それを顔に出さず濃姫の問いに答える。
「說認識也算認識……不過直到不久前我們還住在一起。」
「知り合いといえば知り合いですが……ちょっと前まで一緒に住んでいましたし」
「是真的嗎,足滿?」
「本当なのか、足満」
對濃姫的質問,足滿閉上眼睛笑了。
濃姫の問いに足満は目を閉じて笑う。
因為他在享受現在的局面,也因為他在懷念過去,帶著會被不同人以不同角度解讀的微笑,足滿這樣說道。
今の状況を楽しんでいる事から、過去を懐かしんでいる事から、そんな人によって受け取り方が違う笑みを浮かべつつ足満はこう言った。
「好久不見了,靜子。大概四年沒見了……吧」
「久しぶりだな、静子。大体四年ぶり……か」
房間裡瀰漫著微妙的氣氛。
微妙な空気が部屋の中に漂う。
平常除了喜之外不太表現其他情緒的靜子,這次罕見地帶著怒意。
普段は喜怒哀楽の内、楽以外の感情が出てこない静子が、珍しく怒気を漂わせていた。
被指向那份情緒的足滿並未太在意,依然沉著鎮定。
その感情を向けられているであろう足満は、大して気にも留めず堂々としていた。
至於濃姫非但沒有平息場面,反而一臉享受地旁觀。五郎則不懂發生了什麼,瞪大眼睛一臉錯愕。
濃姫に至っては場を収めぬどころか、この状況を楽しんで見守っている様子。五郎は何が起きているか分からず目を丸くして混乱していた。
「那個,實在抱歉,能請您也對我解釋得容易理解一些嗎?」
「あのー、大変申し訳ございませんが、私にも分かるように説明して頂けませんか?」
みつお一邊小小舉手一邊說道。
小さく手を上げつつみつおがそう言う。
也許因此理解了自己的情緒,靜子先是一驚,然後臉頰染紅,清了清喉嚨。
それで自分の感情を理解したのか、静子はハッとした顔をした後、頬を赤く染めながら咳払いをする。
「失禮了,みつお先生。剛才有些激動。」
「失礼、みつおさん。少々、感情的になりました」
「哪裡哪裡,請不必放在心上。反倒是靜子小姐你太冷靜了。像妳這年紀,就算情緒化一點也不算奇怪。」
「いえいえ、お気になさらず。むしろ、静子さんは落ち着き過ぎですよ。貴女ぐらいの年なら感情的になっても、さして不思議ではありませんから」
みつお笑嘻嘻地露出和藹的笑容。
ニコニコとみつおは人の良い笑みを浮かべる。
光是這一點就能看出他是個好人,但靜子同時覺得這性格在這個時代生活或許有點吃虧。
それだけで彼が良い人だと分かるが、同時にこの時代を生きていくには少々辛い性格だろうと静子は思った。
「咳咳,大約從現在往前十年左右,起初是撿到一個瀕死的他並送到醫院開始的。大約一年後痊癒,我的父母對他說『如果沒有去處就到我們家住吧』。從那時起直到我來到這裡之前,我們大約同住了六年。」
「コホン、今から大体十年ほど前、瀕死だった彼を拾って病院に運んだのが始まりです。一年ほどで完治した後、私の両親が『行く宛がないのなら我が家に住むと良い』と彼に言いました。そこから私がこちらへ来るまで、およそ六年を共に過ごしました」
「看來你的父母相當有能力。但把一名陌生且瀕死的男子丟到有年幼女兒的住處,似乎也顯得有些粗心啊。」
「そなたの親御は中々に出来た人物のようじゃな。だが、見知らぬ瀕死の男を、年端も行かない娘がいる所へ放り込む不用心さもあるようじゃが」
「嗯,確實可以這麼說。」
「まぁ、確かにそれは言えますね」
濃姫的話讓靜子點頭。正因為足滿是個好人,才沒有發生什麼事;若對方是罪犯,靜子說不定早已被害了。
濃姫の言葉に静子は頷く。足満が良い人間だったからこそ何も起きなかったが、犯罪者だった場合、静子は殺されていた可能性もある。
她再次想到,父母那種只剩下鄉下特有的寬鬆與大方、沒有了那股閉鎖感的狀態,從第三者眼中看來是極其危險的選擇。
田舎特有の閉鎖感だけが抜け落ち、おおらかさしか残ってない両親は、第三者から見ると危険極まりない選択をしていた、と改めて思った彼女である。
「嗯……我不會詳細追問二人的關係。然而既然重逢,應有許多話要說。妾先行離席,你們儘管暢談。」
「ふむ……二人の関係を詳しくは問わぬ。じゃが再会した今、積もる話もあろう。妾は席を外すゆえ、存分に語り合うが良い」
說完這句,濃姫不等靜子的回應,帶著人走出了房間。
それだけ言うと静子の返事を待たず、濃姫は人を連れて部屋から出て行った。
五郎一臉困惑,來回看著離去的濃姫與足滿等人,似乎察覺到兩人之間的氣氛,便匆匆離開了房間。
困惑した顔で、出て行く濃姫と足満たちを交互に見ていた五郎だが、二人の間にある雰囲気を察したのか、そそくさと部屋から出て行った。
留在房裡的是靜子、足滿與みつお三人,但三人之間沒有歡喜重逢的氛圍,反而彌漫著一種尷尬的緊張感。
部屋に残ったのは静子、足満、みつおの三人だ。だが三人の間には再会を喜び合う雰囲気はなく、どちらかというとぎくしゃくした感じが漂っていた。
「……靜子妳有沒有時光穿越前的記憶?」
「……静子さんはタイムスリップ直前の記憶はありますか?」
覺得這樣下去話題沒法進展,みつお提出了個兩人較容易談起的話題。
このままでは話が進まないと感じたみつおは、二人が口にしやすい話題を出す。
對於不太清楚兩人關係的他來說,唯一可以確信必然牽扯在內的就是那次的時光穿越。
二人の関係を詳しく知らない彼にとって、必ず絡んでいると確信できる事がタイムスリップだ。
「不,我什麼都不記得……」
「いえ、私は何も……」
靜子並沒有時光穿越前的記憶,她一臉抱歉地搖了搖頭。
しかし静子にタイムスリップ直前の記憶はない。申し訳無さそうな顔で彼女は首を横に振った。
みつお看來從一開始就沒抱太大期待,因此並沒有顯得過於失望。
みつおは最初から期待していなかったのか、あまり落胆してない態度だった。
「是嗎。嗯,我也沒有直前的記憶。如此一來,只有足滿先生還保有當時的記憶了。」
「そうですか。いえ、私も直前の記憶はありません。ですので足満さんだけが、その時の記憶を持っている事になりますね」
聽到那句話後,靜子緊盯著足滿。
その言葉を聞くやいなや、静子は足満を凝視する。
靜子的記憶像被機器剝離般不存在,然而依照みつお的說法,只有足滿身上還殘留著些微的記憶片段。
機械で繰り抜いたように当時の記憶がなくなっている静子だが、みつおの話では足満にのみ僅かに記憶が残っているとの事だ。
即便抱有一點期待也無濟於事,而那份期待所寄望的,他的記憶其實並不確定。
少しばかり期待を抱いても仕方ない。だが、その期待ほど彼の記憶は定かではなかった。
「我也不能說我記得得很清楚。我記得的是みつお所搭的公車出了事故,還有我和靜子當時都在那個現場,僅此而已。」
「わしもそう覚えている訳ではない。覚えているのはみつおが乗っていたバスが事故を起こしたこと、そしてわしと静子はその現場に居合わせたという事だけだ」
「那也就是說……」
「という事は……」
對於靜子的話,足滿一邊點頭一邊如此回答。
静子の言葉に足満は頷きながらこう答えた。
「時光穿越的原因依然是個謎,但原因只有一個……在場的三人被送到了戰國時代。公車司機……好像是去向民家借電話,所以沒有被送走。至於公車事故的細節我也記不得了。那是輛老舊的公車……大概是拋錨然後掉到田裡了吧。」
「タイムスリップの原因は依然謎だ。だが原因は一つだけだ……そしてこの場にいる三人が戦国時代へ飛ばされた。バス運転手は……確か民家に電話を借りに行っていたから飛ばされていない。それからわしもバスの事故内容までは覚えていない。老朽化したバスだから……恐らくエンストを起こして畑にでも落ちたのであろう」
聽了這番話靜子表示理解。
その言葉に静子は納得した。
村裡唯一的公車路線若是司機喪命肯定會廢線,而那輛公車是退了流行的中古老車。
バス運転手が死んだら確実に廃線になる村唯一のバス路線は、型落ちした中古のバスだ。
車身多處生鏽,而且經常發生拋錨或引擎異常等故障。
所々錆び付いていた上に、しょっちゅうエンストやエンジン異常などの故障が起きていた。
很少出村的村民不常使用,而外來的人大多開車來,使用率本就很差。
滅多に村の外へ出ない村人は利用しないし、外部から来る人間は大抵車に乗ってくるので利用率も悪い。
這條公車路線只是靠一句『跑了多年』而勉強維持著。
『長年走ってきたから』の一言で維持されているバス路線だった。
「大概是有超常的力量在作用,把我們送到了戰國時代吧。可惜我們沒有時間去調查時光穿越的原因或尋找回去的方法,畢竟每天都在為活下去而努力。」
「恐らく超常的な力が働いて、私たちは戦国時代に飛ばされたのでしょう。しかし私たちにはタイムスリップの原因や、帰る手段を探る時間はありませんでした。何しろ日々生きていくだけで精一杯ですからね」
「也是……說實話,我在找靜子時也有考慮到那些情況。先找到みつお完全是個偶然。現在說起來,那時我真的很失望。」
「まぁ……な。正直な所、その辺りも考えて静子を探していたのだ。みつおが先に見つかったのは、まさに偶然の一言だ。今だから言うが、あの時は本気で落胆した」
「說得真過分。唔,就算我是站在足滿先生的立場,也會有同樣的感受吧。」
「酷い言われようですね。まぁ私が足満さんの立場でも、同じように感じたでしょうが」
聽著兩人的對話,靜子歪著頭,對這兩個尋找自己的人心生疑問。
二人の会話に静子は首を傾げる。自分を探していた二人に、彼女は疑問を感じていた。
她忘了自己的處境比自己想像的還要特殊。
彼女は自分の立場が、自分で考える以上に特殊な位置だという事を忘れていた。
「你看起來不懂啊,靜子。在這個時代,沒有靠山的人想要取得食物,光靠一般的努力是不夠的。不只是明天,連今天能不能填飽肚子都不一定。正因如此,像靜子這樣會務農的人才會被重視。」
「理解していない顔だな、静子。この時代、後ろ盾がない者が食べ物を手に入れるには、並大抵の努力では済まされない。明日どころか今日の飯すら手に入るか分からん。だからこそ、静子のように農業に携わる者が重宝されるのだ」
「唉……」
「はぁ……」
「餓得時候我們會把松樹皮泡水吃,這個時代真的那麼缺食物。對於沒有靠山的人,會特意減少自己口糧來分給你的人,恐怕只有像佛一樣的人了。」
「ひもじい時は松の皮を水でふやかして食べていました。それほどこの時代は食べ物がないのです。後ろ盾がない者に、わざわざ自分の食い扶持を減らしてまで、分けてくれる方は仏ぐらいなものですよ」
聽到這些話靜子終於明白過來。
そこまで言われて静子はようやく理解する。
她從一開始就從事農務,糧食在某種程度上也由信長提供。
自分は最初から百姓仕事に従事しており、食料もある程度は信長から与えられていた。
但那兩人不同,他們沒有像信長那樣的地方勢力做靠山,也沒有當農人或掌握其他一技之長,真的是只有身子一個人。
しかし二人は違う。信長のような国人の後ろ盾がなく、百姓や他の芸がある訳でもなく、本当に身一つしかない。
因為沒有人能保障他們的身分,他們必須自行取得睡處與食物。
身分を保証してくれる人物がいない為、寝所や食料を自力で手に入れなければならない。
在來到信長那裡之前,對他們來說每天都是在求生。
彼らにとって信長の元に来るまで、毎日がサバイバルだったのだ。
「在漫畫或遊戲裡,時光穿越者之間常會爆發爭端,但現實沒有那種閒情。為了穩定衣食住,大家必須互相合作,否則等著的只有自我毀滅。」
「漫画やゲームでは、タイムスリップ者同士が諍いを起こしますが、現実はそんな余裕などありません。衣食住を安定させるために、互いに協力しあわなければなりません。そうしなければ待っているのは自滅だけですからね」
「沒錯。就算只從損得來算,時光穿越者互相爭執也是愚蠢的事。明明有理解自己處境的夥伴,自己去減少這樣的人,實在不應該」
「左様。損得勘定だけで考えても、タイムスリップ者同士の諍いは間抜けのする事だ。自分の事情を理解してくれる仲間を、自分から減らしてどうするのだと思うわ」
「嘛、嘛,反正是漫畫……也只能這麼說了呢」
「ま、まぁ漫画だから……としか言い様が無いですね」
「不行,話題跑偏了呢。總之既然要互相合作,首先想聽聽靜子小姐的覺悟」
「いけません、話が脱線しましたね。ともかく互いに協力するとして、まずは静子さんの覚悟を聞きたいと思います」
「覺悟?」
「覚悟?」
靜子歪著頭回問,みつお微微點頭後這麼說道。
静子が首を傾げて尋ね返すと、みつおは小さく頷いてからこう言った。
「是在這個時代終老,還是始終回到現代,您會選哪一個呢?」
「この時代に骨を埋めるか、それともあくまで現代へ帰るか、貴女はどちらを選びますか?」