戦国小町苦労譚
1568年 六月中旬
信長與家臣之間的兵站會議進行得十分激烈。
信長と家臣による兵站会議は白熱していた。
這是軍隊核心的重要議題,信長沒有採取上意下達的決斷,而是決定納入家臣們的意見。
軍の中核を為す重要案件であったが、信長が決定し上意下達で済ませず、家臣たちの意見を取り入れることにした。
信長採用了中國春秋戰國時代所用的「伍」制,將雜兵到精銳五人編成一組,作為軍事行動的最小單位。家臣們以此系統為基礎來思考兵站。
信長は中国の春秋戦国時代に取り入れられていた『伍』のシステムを採用し、雑兵から精鋭兵に至るまで五人を一組として軍事行動の最低単位とすることにした。このシステムを基本に、家臣たちは兵站を考える。
最先提出意見的是竹中半兵衛。
最初に意見を出したのは竹中半兵衛だ。
他提出將自己使用的便攜保溫罐應用於此,建議製作可放入「伍」一餐分量的食糧筒。
彼は自身も活用しているケータイマグを応用し、『伍』の一食分を入れられる食糧筒を提案した。
先將乾飯、乾燥蔬菜、雞肉等乾肉,以及具殺菌作用的梅干放入便攜罐中。
まず干し飯、干し野菜、鶏肉などの干し肉、殺菌作用のある梅干しをケータイマグに入れる。
如此一來烹調時只要將沸騰的熱水注入食糧筒即可完成,可說接近現代的即食食品。
こうすれば調理する時、沸騰したお湯を食糧筒に流し込むだけで完了する。いわば現代のインスタント食品に近い。
若把乾肉與乾蔬菜徹底乾燥,常溫下可保存近三週;至於乾飯,據說最長可維持二十年。
干し肉や干し野菜は完全に乾燥させていれば、常温でも三週間近く保存が可能だ。干し飯に至っては最高で二〇年保つとも言われている。
提出『為維持兵站需整備軍需物資運輸用道路』意見的是森可成與丹羽長秀。
また兵站を維持するには軍事物資運搬用の道路整備が必要だ、という意見を出したのは森可成と丹羽長秀だ。
他們建議採用靜子所整備的碎石路面(馬卡達姆)來修築道路。
彼らは静子が整備したマカダム舗装を採用し、それを使って道路を整備する案を出した。
經適當維護的馬卡達姆路面即使下雨也有良好排水,水可藉由路側溝排出。
メンテナンスが行き届いたマカダム舗装の道路は、雨が降っても水はけがよく、道路の側溝を使って水が排出される。
換言之,有利於在一定程度的天候下仍能運送軍需品。
つまり、ある程度の天候に左右されず軍需品を運搬出来る利点があった。
因為是舖裝路,負載車隊的速度也會提升,且能忽略雨天造成的路面泥濘,避免輸送隊陷於無法行動的事故,預期可大幅降低運輸成本。
舗装路故に荷駄の速度も上がり、更に雨天による路面の泥濘化を無視できるため輸送隊が身動き取れなくなる事故などがなくなり輸送コストの大幅減が見込める。
既然道路得以整備,靜子便提出讓馬車上場,作為運輸兵器建議採用三九式輜重車(さんきゅうしきしちょうしゃ)。
道路が整備されるなら馬車の出番だ、という事で輸送用兵器として静子は三九式輜重車(さんきゅうしきしちょうしゃ)を提案する。
這是由一匹馬牽引的木造貨馬車,用以運送武器與食糧等物資,自明治三十九年制式化後,一直到第二次世界大戰後日本軍解體前均有使用。
武具・食糧などの物資を馬一頭で曳く木造の荷馬車で、明治三十九年に制式化されて以降、第二次世界大戦後の日本軍解体まで使用された。
原本的載重為二百二十公斤,但恐怕無法達到二戰時期的性能;即便如此,仍比放在馬背上帶運來得多。
本来の積載量は二百二十キロだが、第二次世界大戦ほどの性能は出せないだろう。それでも馬の背に乗せて運ぶよりは多く運べる。
此外她提出在運輸箱上做些巧思,以偵測在運送途中是否有人惡意摻入毒物等。
更に彼女は物資を運搬する箱に細工を施し、運搬途中に敵意ある人物による毒物の混入などを検知出来る策を提案した。
構造簡單:先製作專放食糧筒的箱子,於箱內需會開啟之處貼上紙,然後從反方向裝入食糧筒,最後由底部用木釘釘牢固定。
構造は単純でまず食糧筒を入れる専用の箱を作る。その箱に内側から開く所に紙を貼る。その状態で逆から食糧筒を詰めて、最後に木釘で底から打ち付けて止める。
如此一來開封瞬間夾入的紙會被撕裂,便能判別是否被開封;因為紙是貼在內側,無法不撕裂又重新貼回。
そうすると開封した瞬間、挟んだ紙が破れるので開封されたかどうかが分かる。内側に貼っている以上、紙を破かずに貼り直すのは不可能だ。
因為使用木釘,無法將其拔除;即便想以拙劣手法改動,木釘也會輕易折斷,因此不可行。
木釘を使っているので引き抜く事は叶わず、下手に細工をしようにも木釘は簡単にへし折れるから不可能だ。
但對於使用貨馬車運輸,秀吉提出一項疑問:他指出若持續連日讓馬跑,越到後半每日可行進的距離會越短。
だが荷馬車を使って運搬する事に、秀吉はある疑問点を出した。彼は馬を継続して何日も走らせては後半になればなるほど、移動距離が短くなると指摘した。
於是秀吉提出在每一可由馬每日行走的距離上設置相當於防衛設施的「驛」,每天在那裡更換馬匹並讓馬再行駛,所謂驛馬制度。
そこで秀吉は馬を走らせて運べる一日の距離毎に、防衛施設に該当する「駅」を設置し、そこで一日毎に馬を交代させて走らせる事を提案した。所謂駅馬車制度だ。
如此一來可保持運載量與移動距離的穩定,且無需將馬的飼料裝在貨物上,而且無需等待首頭馬匹返回,就能連續運送貨物。
そうすれば運べる量と移動距離を一定に保ち、かつ馬の飼料を荷物に積まなくても良い。そして最初の馬の帰りを待たず、次々と荷物を運ぶ事も可能だと考えた。
雖然任何方案至少需兩年才能實現,但一旦投入運作並步入軌道,將可達成讓他人無法追趕的迅速軍事行動。
どの案も実現までに最低二年はかかるものの、運用し軌道に乗り始めれば他の追随を許さないほど素早い軍事行動が可能となる。
他們所構想的兵站,也就是信長的兵站管理系統,在平時亦可應用。如果掌握一般物流與軍需物流的一體化,就能明確掌握何物流向何處與流入量。
そして彼らの考えている兵站、つまり信長の兵站管理システムは平時での応用利用も可能だ。通常の物流と軍需品の物流を一手に握れば、何がどこへ、どれだけの量が流れ運び込まれたか把握出来る。
當然也可以不用這些方式運輸,但那只能靠派遣間諜循序監視。
無論、それらを使わずに運搬する事も可能だが、それは地道に間者を使って監視する他ない。
「到此為止。首先只要考慮擺平六角,然後驅散三好三人衆。等將足利殿安置為將軍之後,會再度檢討這些事。」
「これ以上は良い。まずは六角、そして三好三人衆を蹴散らす事だけを考えよ。足利殿を将軍職に据えた後、これらの事について再度検討を行う」
「是!」
「はっ!」
一句話會議即告散會。果然疲憊的靜子拍了拍肩膀便離開了房間。
その一言で今回の会議は解散となった。流石に疲れた静子は肩を叩きながら部屋を後にする。
雖然才十幾歲後期卻已有些中年大叔樣舉止的靜子,背後傳來柴田的招呼。
まだ十代後半なのに既におっさん臭いしぐさをする静子へ、背後から柴田が声をかけてきた。
「可以嗎,靜子殿?」
「よろしいかな、静子殿」
「哎! 是、是……有何事,柴田大人?」
「ふぉっ! は、はい……何でしょうか、柴田様」
回頭一看,映入眼簾的是柴田與佐々。兩人皆行動敏捷、勇猛果敢,且好勝心強。
振り返るとそこには柴田、そして佐々がいた。どちらも迅速で勇猛果敢、かつ負けず嫌いな性格の人たちだ。
尤其是佐々成政極度好勝,連信長都曾苦言道「你的缺點是太自我」。
特に佐々成政の方が酷く負けず嫌いであり、信長も「お前の欠点は我の強さだ」と苦言を呈するほどだ。
然而他也贏得信長的信任,甚至被任命為母衣(ほろ)衆的隊長。
しかし母衣(ほろ)衆の隊長に任命されるほど、信長の信頼を勝ち取ってもいた。
(這兩人是那些不喜歡我的武將們的先鋒……)
(この二人、私を気に入らない武将たちの急先鋒なんだよね……)
也許是因為這份好勝,或許是不樂見比他們還是個女子的人被重用,總之這兩人討厭靜子身為織田家家臣這件事。
そんな負けず嫌いが相まってか、それとも自分たちより女如きが重用されているのが気に入らないのか、とにかくこの二人が織田家家臣に静子がいる事を嫌っている。
反倒積極考慮活用她的是竹中半兵衛與丹羽長秀。森可成則習慣聽從信長的意見,始終保持沈默。
逆に積極的な活用を考えているのが竹中半兵衛、丹羽長秀だった。森可成は信長の意見に従うスタイルのため、一貫して何も言わない態度だ。
「在這裡會打擾到其他人。可以在靜子殿休息的地方談嗎?」
「ここでは他の人の邪魔になろう。静子殿がお休みになられている所で良いか?」
「是、是啊……那個,雖然有人在場但那沒問題吧?」
「は、はぁ……あの、人がいますけどそれは問題ないでしょうか」
「沒問題」
「問題ない」
在靜子於陣中住處,慶次與才藏,甚至不知為何的長可也同樣住在那裡。
陣の中で静子が寝泊まりしている場所には、慶次と才蔵、そして何故か長可が同じように寝泊まりしていた。
這大概是信長的一種考量,總比讓不熟悉的人來好,也算是一種避免被誤認為賣春者的措施。
よく知らぬ面子よりは、という信長なりの配慮なのだろう。売春婦と勘違いされない為の措置でもあるが。
帶著柴田和佐々回到那裡時,果然有慶次、才藏和長可。令靜子意外的是,還有奇妙丸與竹中半兵衛在。
そこに柴田と佐々を連れて戻ると、案の定慶次と才蔵、そして長可がいた。静子にとっても予想外だったのは奇妙丸と竹中半兵衛がいた事だ。
慶次先是看向靜子、柴田、佐々,但仍維持著躺著的姿勢沒有改變。反倒是才藏挺直身子站起來,對三人恭敬地拱手低頭行禮。
慶次は最初に静子と柴田、佐々へと目を向けたが、寝転がった状態から態度を変えなかった。代わりに才蔵が背筋を伸ばして立ち上がり、三人に対して恭しく頭を下げた。
長可和奇妙丸在用複合弓玩射靶遊戲,竹中半兵衛則在一旁觀望。
長可と奇妙丸はコンパウンドボウで的当てゲームをしており、その様子を竹中半兵衛が眺めている。
相當混亂的一幕。靜子先讓長可和奇妙丸停止玩耍,並為兩人準備可以坐的地方。
かなりカオスな光景だった。ひとまず長可と奇妙丸の遊びを止めさせ、静子は二人が座れる場所を用意した。
「那麼……所謂的話是什麼事?」
「それで……お話というのは、何でしょうか」
說著靜子望向奇妙丸等人。他們並不打算離席,各自找了位置坐下傾聽。甚至可以說竹中半兵衛毫不避諱地想要聽柴田等人的談話。
そう言いつつ静子は奇妙丸たちを見る。席を外す気がない彼らは、思い思いの所に座って話に耳を傾けていた。竹中半兵衛など隠す気がないのではと思うほど、柴田たちの会話を聞こうとしていた。
柴田與佐々同時清了清喉嚨,但開口的還是與剛才一樣的柴田。
柴田と佐々は同時に咳払いをしたが、口を開いたのは先ほどと同じく柴田だった。
「我不擅長迂迴的試探,直說吧。你也該知道我和佐々大人討厭你。但即便不喜歡,也不會反對有理的話。請先理解這一點。」
「迂遠な腹の探り合いは得意ではない、率直に言わせてもらう。わしと佐々殿がお主を毛嫌いしているのは、お主も知っていよう。だが気に入らぬからといって、道理の通る話まで反発はしない。まずはこれだけを理解して頂きたい」
「是的」
「はい」
「話說回來。我完全無法理解兵站的好處。對此執著的你的想法與目的我完全看不出端倪。直說了,你實在讓人感到異常詭異。」
「さて話だったな。わしには兵站の良さが全く理解出来ない。それに拘るそなたの考えも狙いも皆目見当がつかぬ。はっきり言わせてもらうと不気味に過ぎる」
(不氣味……?啊……原來如此)
(不気味……? あぁ……なるほど)
聽到那句話,靜子終於明白他們厭惡自己的理由。
その言葉でようやく静子は彼らが自身を毛嫌いしている理由を知る。
他們是害怕的。害怕靜子有朝一日會取而代之,徹底否定他們的存在。
彼らは怖いのだ。静子がいつか自分たちに取って代わり、自分たちの存在が完全に否定される事に。
兩人想必不擅長隱瞞。靜子能輕易讀懂本心,某種意義上他們過於直率到了近乎愚直的程度。
二人は隠し事が苦手なのだろう。静子が簡単に本音を理解するのだから、ある意味では愚直過ぎるほど真っ直ぐだ。
「首先,我並不執著於兵站。然而若缺乏或疏忽兵站,即使有勝算的戰事也會導致敗北。但僅靠兵站也無法取得勝利。」
「まず、私は兵站にこだわりを持っていません。しかし兵站を欠如、または疎かにすれば勝てる戦にも敗北をもたらします。とは言え兵站だけで勝利を得る事は不可能です」
兵站是以現有的技術與經濟為基礎的軍隊,某種程度上可以說是國家的縮影。
兵站は現在の技術と経済をベースにした軍隊、いわば国家の縮図にあたる。
它不是比戰術或戰略更高一級的價值觀,而是支撐兩者的重要要素。若發動與經濟規模不相稱的戰爭,即使在戰術上獲勝,也可能成為戰略上的失敗。
戦術・戦略より上位の価値観ではなく、二つを支える重要な要素なのだ。経済規模に見合っていない戦争を行えば、戦術で勝利を得ても戦略的敗北になる事もある。
「那為何又要提出兵站的話題?若沒有執著,現在這時又何必談起?」
「では何故、兵站の話を持ち出したのだ。こだわりがなければ、今この時に語る必要もなかろう」
「那嘛……大概除了主公表示了興趣外別無他因吧。」
「それはまぁ……お館様が興味を示されたという以外にないかと」
「啊……」
「あぁ……」
柴田與佐々聽了那句便心服。就連說出那話的靜子本人也難以掩飾驚訝,這說服力真是令人佩服。
その一言で納得した柴田と佐々だった。なんという説得力だ、と言った本人の静子も驚きを隠せなかった。
(不過,要怎麼說明呢。我其實並不什麼都懂……只是恰好提到武田信玄,才想起姊姊說過的話……)
(しかし、どう説明しようかなぁ。私、別に詳しくも何ともないんだけど……たまたま武田信玄を話に出したから、お姉ちゃんの言葉を思い出しただけだし……)
「我也就依我所知思考了一下有關兵站的事。」
「私なりに兵站について考えたのですが」
她抱臂沉思,但完全想不出能讓兩人理解兵站有益之處的辦法。
腕を組んで唸ってみるが二人に兵站の有益性を理解させる案はまるで思いつかない。
當妙計想不出、腦中一片混亂時,一直沉默傾聽的竹中半兵衛開口了。
妙案が思い浮かばず頭の中がごちゃごちゃになった時、今まで黙って聞いていた竹中半兵衛は口を開いた。
「靜子大人並非認為建立兵站本身有何意義,而是透過了解兵站這一概念,能看見過去未曾注意到的事物,難道不是如此嗎?」
「静子殿は兵站を作り上げる事自体に意味があるのではなく、兵站という概念を知る事によって今まで見えてこなかった所が見えるようになる、と言いたいのではないでしょうか」
「嗯……確實一直沒把糧食情況納入考量……」
「む……確かに今まで食料事情を考慮には入れていなかったが……」
「主公頻繁重用靜子大人,這是無可避免的。主公會隨事物而改變觀察的角度,重視思考。透過知道一切,他知道會浮現出應該被看見的事物與必須思考的事項。因此若有益,無論老幼男女皆不問。」
「お館様は静子殿を多用されていますが、それは仕方のない事なのです。お館様は物事によって見るものの位置を変え、考える事を大切にしておられます。全てを知る事によって見えてくるもの、見るべきもの、そして考えなければならぬ事がある事を知っておられます。故に有益となるならば老若男女を問わないのです」
「原來如此。主公的深謀遠慮竟已達到此境界。自愧不如,某因淺學而不才,還望寬恕。」
「なるほど。お館様の深謀遠慮はそれほどの域に達しておられたか。己が浅慮を恥じ入るばかり、某は浅学の徒ゆえ許されよ」
「哈——主公竟然想得這麼周到嗎?」
「はー、お館様はそこまで考えておられるのですか」
「……為何靜子大人會因此感到佩服我甚感疑惑,總之我也能釋懷了。」
「……何故、そこで静子殿が感心するのかは甚だ疑問だが、ともかく某も得心でき申した」
靜子受到佐々冷靜的吐槽,但她並不知道信長會思考到那種程度。
佐々から冷静な突っ込みを貰った静子だが、彼女は信長がそこまで考えている事など知らない。
她以為頂多只是滿足自己的好奇心而已。
せいぜい自分の好奇心を満たすだけだろうと思っていたからだ。
「主公常說的『不服就拿比靜子更勝的才能來讓我看看』這句話,想必也受此影響。」
「お館様が度々仰る『不服なら静子を超える才をわしに見せろ』というのは、その事が影響していると思われます」
從後半竹中半兵衛近乎說服性的解說開始,靜子覺得比自己說來更有說服力,便沉默傾聽。
後半から竹中半兵衛が説得に近い説明をしていたが、自分が言うよりは説得力があると思い、黙って聞いていた静子だった。
雖然半兵衛的說服讓他們有了某種程度的理解,但兩人並不會那麼容易改變想法。不過那也沒辦法。
半兵衛の説得により一応の納得はしたものの、そう簡単に考えを変えられない二人だった。しかしそれは仕方ない。
他們的想法是透過學習歷史(戰史)、並在實際戰場與敵人交鋒中培養出來的。
彼らの考えは歴史(戦史)を学び、実際の戦場で敵と刃を交えながら培ってきたものだ。
不是一朝一夕就能改變的,若能如此就不會那麼辛苦了。但他們也認為無意義的反抗只會招致不和,於是改變了想法,決定以後收斂對靜子的露骨反感。
一朝一夕で変われば苦労はしない。だが彼らも無意味な反発は不和を招くと考えを改め、これからは露骨な静子への反発は控える事にした。
當然,有需要反駁之處就會反駁,即便信長贊同也一樣。
勿論、反論するべき所は、例え信長が賛同しようとも反論するが。
總之,第一天相當充實,但第二天並無特別的事件或事故,經過兩日休整後,信長與德川的聯軍與淺井軍會合,向愛智川北岸一帶移動並布陣。
そんなこんなで、中々濃い一日目だったが二日目は特に事件や事故など起きず、二日間休憩を取った信長・徳川連合軍は浅井軍と合流後、愛智川北岸付近まで移動し布陣する。
布陣後,信長親自策馬出巡視察敵情,將攻擊目標定為觀音寺城、箕作山城,以及六角陣營前線基地和田山城。
布陣後、信長は自ら馬を駆り直接敵情視察を行い、攻撃目標を観音寺城、箕作山城、そして六角陣営の最前線基地・和田山城に定めた。
就地形而言,和田山城位於愛智川對岸,其後方為六角氏的本拠觀音寺城,東側則有支城箕作城。
立地的に愛智川の対岸に和田山城、その後方に六角氏の本拠地である観音寺城、東側に支城の箕作城がある。
把這三座城連成線便構成一個三角形,而幹線路則穿過這個三角形內部。
この三城を線で結ぶと三角形を成しているのだ。そして幹線はこの三角形の中を通っている。
理解至此後,信長思量六角會採取什麼對策。
そこまで理解した信長は六角がどの様な策を講じるか考える。
答案很快便浮現。
答えはすぐに出た。
他確信六角的防禦態勢會是先將主力配屬到和田山城,釘住上洛軍,之後再動用觀音寺城與東側支城箕作城的兵力,出重包夾擊上洛軍的作戰。
六角の防御態勢はまず和田山城に主力を配置し、ここに上洛軍を釘付けにする。その間に観音寺城と東側にある支城の箕作城の兵を使い、上洛軍を挟撃する作戦に出ると確信した。
此外,他查閱了南近江以往的戰史,發現此地的國人若戰局不利,往往有從戰場逃離的傾向。
更に彼は南近江の今までの戦史を調べあげ、この辺りにいる国人たちは戦で不利になると、戦場から逃げ出す傾向がある事を知った。
這並非沒有自尊,而是若形勢不利就撤退、待機東山再起的處世之術,乃祖輩相傳的求生之道。
それは矜持を持たないのではなく、不利になれば撤退し捲土重来を願って雌伏するというのが先祖伝来の処世術であったからだ。
(這種傢伙一旦能逃跑就麻煩,不會上廉價的挑釁而是徹底潛伏,卻又像老鼠般到處鬼祟活動。六角必須在此地徹底連根拔除才行。)
(この手の輩は逃げられると厄介だ。安い挑発に乗らず徹底的に身を潜める。そのくせ、まるで鼠のようにちょこまかと動き回る。六角は、この地で完全に根絶やしにする必要があるな)
方針一定,信長便帶著護衛回到本陣。
方針が決まった信長は護衛の人間を連れて陣へ戻る。
即便上洛軍大半是織田軍,若要攻打六角,仍然必須召開軍議。
上洛軍の殆どが織田軍と雖(いえど)も、六角を攻めるなら軍会議を開かなくてはならない。
信長雖掌握調遣四萬大軍的強大發言權,但他刻意謹慎,不使『上洛軍為包含信長在內的聯軍』這一立場動搖。
四万という大軍を動かす信長は強い発言権を持つが、彼はあくまで『上洛軍は信長を含む連合軍』という立場を崩さないように注意した。
軍議不獨斷,與淺井、德川協商,並在戰事中自願攻克險要處帶頭先鋒。
軍議は自分一人で決めず浅井・徳川と話し合い、戦においては危険な場所へ先陣をきる。
透過言出必行以示行動,旨在給同盟國,特別是淺井長政留下好印象。這並非信長原本的想法,而是採納了濃姬的意見。
それを有言実行する事で同盟相手を、特に浅井長政へ好印象を与える狙いだ。これは信長の考えではなく、濃姫の意見が採用されていた。
(真是的,那句『朝倉家當主被殿下搶走神輿(足利義昭),盛怒非常。故請對自祖父一代以來關係匪淺、為盟友的淺井家隱居大人切莫放鬆警惕』……可笑得很……但那傢伙說的話總有不能忽視之處。)
(全く、何が『朝倉家当主は殿に神輿(足利義昭)を横取りされ酷くご立腹の様子。したがって祖父の代から懇意で盟友の浅井家ご隠居様にはゆめゆめお気を許されぬよう』だ。くだらん……が、あやつの言う事はいちいち聞き逃せない事ばかりじゃ)
朝倉義景與信長素未接觸卻不和的理由,據說是因為足利義昭所致。
一度も接触がない朝倉義景と信長が不仲な理由、それは足利義昭が原因と言われている。
據說他在出發前才告知對自己照料了兩年的義景,將在立政寺與信長會談的事。
彼が立政寺で信長と会談をする事を、二年も世話になった義景に伝えたのは出立直前と言われている。
義景得知後屢次嘗試說服義昭留下,但終究未能挽留;據說這樣的發展在義景心中留下了對信長的反感。
話を聞いた義景は再三に渡って義昭を引き止める説得を試みたが、結局義昭を引き止める事は叶わなかった。そうした成り行きが、義景に信長への反発を残したと言われている。
(備前守(淺井長政的通稱)會先觀望一段時間。現在不覺得左兵衛尉(淺井久政的通稱)會有太大動作。先把神輿送到京城,處理完那件事再想下一步。)
(備前守(浅井長政の通称)は暫く様子見じゃ。今すぐ左兵衛尉(浅井久政の通称)がどうこう動くとも思えんしな。まずは神輿を京へ運ぶ、それを片付けてから次の事を考えよう)
剛回到陣中,信長便向淺井長政與德川家康提出召開軍議的請求。
陣に到着するやいなや、信長は浅井長政と徳川家康に軍議開催の要望を出す。
很快便收到同意的回覆。確認回覆後的信長毫不休息,接著召集主要部下。
すぐに了承の返事は帰ってきた。返事を確認した信長は、息つく暇もなく次に主だった配下たちを呼び出した。
「好啦,今天會忙到夜裡喔。」
「さて、今日は夜まで忙しくなるぞ」
信長帶著似乎愉快的表情,自言自語道,並非對誰特別說。
信長はさも愉快げな表情を浮かべつつ、誰に言うまでもなく一人呟いた。
當信長外出視察敵情時,留在本陣的靜子極為無聊。
信長が敵情視察を行っている頃、本陣にいた静子は退屈を持て余していた。
她已將必要情報傳達給信長,無事後便無事可做,連撫摸凱撒與凱尼希也覺得膩了。
必要な情報を信長に伝え終えたので、彼女としてはする事がない。カイザーとケーニッヒをもふもふするのも飽きていた。
周遭人人對接下來的戰事緊繃不已,只有靜子一人態度從容自若。
周囲がこれからの戦に対して緊張している中、一人余裕綽々な態度の静子だった。
「……太無聊了。去散個步吧。」
「……暇過ぎる。ちょっと散歩にでも出掛けよう」
為了消磨時間,靜子用手邊的工具做起了木製的火活塞器。
暇を潰すため静子は手持ちの道具で、木製のファイヤーピストンを作っていた。
但做了三根後她覺得膩了,便打算出門散步。
だが三本作った所で飽きた彼女は、散歩に出掛けようと考えた。
順帶一提,火活塞器是東南亞原住民使用的點火工具之一,十九世紀由勞倫斯·范·德·波斯特報告到歐洲。
なおファイヤーピストンは、東南アジアの原住民が用いていた火起こし道具の一つで、一九世紀にローレンス・ヴァン・デル・ポストによってヨーロッパに報告された。
它運用了所謂的斷熱壓縮原理,利用的正是與柴油引擎點火方式相同的原理。
断熱圧縮と呼ばれる原理を応用したもので、ディーゼルエンジンの点火方式と同じ原理を利用している。
將火種移到引火物上需要些技巧,但構造簡單、便於攜帶,不需火石等特殊材料,且能短時間產生火種,這是它的優勢。
火種を焚き付けへ移すまでにちょっとしたコツが必要だが、シンプルで携帯性が良く、火打石などの特殊な材料が不要、そして短時間で火種を作れるというアドバンテージがある。
這樣的點火工具對戰國時代來說有些過度規格化,但對靜子而言只是為了消磨時間而做的玩意。
そんな戦国時代にはオーバースペックな火起こし道具なのだが、静子にとっては暇を潰す為に作った程度の認識だった。
她把背包裡的簡餐與道具換到小型包裡背起來。
バックパックから軽食と道具を、小型のバッグに移し替えて背負う。
靜子帶著凱撒與凱尼希,還有馬廻衆的慶次與才藏,在本陣周圍散步。
カイザーとケーニッヒ、そして馬廻衆の慶次と才蔵を連れて、静子は本陣の周りを散歩する事にした。
她也想躲開周遭的視線。不過眼看就要上戰場,若有人還抱著游山玩水的心態,旁人注意也不足為奇。
周囲の視線から逃れたいという理由もあった。もっとも、もうすぐ命懸けの戦が始まるのに、物見遊山気分の人間がいれば、気になるのは当たり前の話だが。
「嗯——果然這裡還保留很多自然啊。可以吃的東西好多。」
「うーん、流石に自然が沢山残されているなぁ。色々と食べられるものが一杯だ」
到處都能看到山產,但她實在沒有心思去撿拾。
あちこちに山の幸が見えたが、流石に拾い集める気は起きなかった。
在敵人近在眼前的情況下,不能排除山產已被動過手腳的可能性。
敵が目前にいる状況では、山の幸に手が加えられている可能性は否めない。
(有沒有什麼可以打發時間的東西呢……)
(何か暇を潰せそうなものはないかなぁ……)
靜子邊想著邊沿著一條路隨意走著。
そう思いながら静子は適当な道を歩く。
走了大約二十分鐘,果然沒什麼特別的事情發生,僅僅是散步。
二十分ほど歩いたがやはり話が上手く転ぶ事はなく、単なる散策以上の事は起きなかった。
當靜子在轉彎準備回去的瞬間,她看到カイザー的耳朵向與他們不同的方向擺動。
次の道を曲がった所で帰ろうと静子が思った瞬間、彼女はカイザーの耳が自分たちとは違う方向へ動くのを見た。
接著ケーニッヒ用身體示意。從兩隻動作,靜子明白有人在看著他們。
続いてケーニッヒが身体を動かして伝えてくる。二匹の行動から誰かがこちらを見ている、と静子は理解した。
慶次和才藏似乎也察覺到有人氣息,正朝著有動靜的方向警戒。
慶次や才蔵も人の気配に気付いたようで、気配のする方を警戒していた。
靜子從袖子中取出一面口袋化妝鏡。
静子は袖からポケット化粧鏡を取り出す。
化妝用品已經派不上用場,但鏡子等小物仍可使用。
化粧道具類は既に使い物にならないが、鏡などの小物は今でも使える。
像獵表蓋式懷錶一樣按下錶冠打開蓋子,裡頭鑲著一面直徑5.5公分的圓形鏡子。
ハンターケース型の懐中時計のように竜頭を押して蓋を開くと、中には直径5.5cmの円形鏡がはめられていた。
設計可以說是極其簡潔,若想成是注重實用的靜子在用,也不覺得違和。
デザインはシンプルの一言に尽きるが、機能性重視の静子が使っていたと考えれば違和感はない。
她巧妙地調整手鏡位置觀察身後的人影,但很快就把鏡子合上。
手鏡を上手く位置調整して後ろの人物を様子見る。しかし彼女はすぐに鏡を閉じた。
鏡中映出的並非間諜。她只抱頭了一次,嘆了口重重的氣,然後回頭望去。
鏡に映ったのは間者ではなかったのだ。彼女は一度だけ頭を抱えた後、重い溜息をついてから後ろへ振り返る。
「本多大人,那裡在做什麼呢?」
「本多様、そこで何をされておりますか」
一瞬間,近處傳來草木摩擦葉片的聲音,那聲音確認了藏在暗處觀察靜子的人正是本多忠勝。
瞬間、近くで草木の葉擦れ音が静子の耳に届く。それは隠れて静子を様子見していた人物が、本多忠勝だと確証を得られる音だった。
(難怪カイザー和ケーニッヒ沒有反應。如果不是敵意而只是目光注視,兩隻是不會動的呀)
(道理でカイザーとケーニッヒが反応しなかった訳だ。敵意じゃなくて単なる視線なら、二匹は動かないもんねぇ)
知道兩隻只對聲音有反應的原因後,靜子摟著手一人點頭認可。
二匹が音にだけ反応した理由が納得いった静子は、腕を組んで一人頷く。
忠勝像是把那當成信號一般,從灌木後現身,表情有些尷尬。
それが何かの合図と思ったのか、茂みの向こうに隠れていた忠勝がバツの悪そうな顔で姿を現した。
「……真、真是巧遇啊,靜子大人!」
「……き、奇遇ですな、静子殿!」
到了這種時候還想做做作的搪塞,讓靜子頭都痛了。
この期に及んでまだ白々しい誤魔化しをしようとした忠勝に、頭が痛くなった静子だった。
「總之先回陣吧」
「とりあえず陣に戻りましょう」
靜子決定不追問忠勝為何出現在此地,因為一問可能會更讓她疲憊。
忠勝がこの場にいた理由は問わない事にした静子だった。聞いたら余計疲れそうな予感がしたからだ。
事實證明她的想法沒錯,他只是單純在找靜子,並沒有什麼深層的理由。不過光靠直覺就找得著,也算是一種驚人的天賦。
実際、それは正しく、彼は単に静子を探していただけで、別段深い理由があった訳ではない。それでも直感だけで探し当てるのは、ある意味凄い才能だが。
忠勝試圖想設法推進與靜子的關係,但カイザー和ケーニッヒ兩隻以絕妙的配合持續阻擋他。
何とか静子との仲を進展させようと画策した忠勝だが、カイザーとケーニッヒの二匹が絶妙なコンビネーションで忠勝をブロックし続けた。
在兩隻的攻防下敗北的忠勝,最終沒有獲得重大進展,失意地回到自己的陣營。
二匹の攻防に負けた忠勝は、結局大した進展が得られず失意のまま自分の陣に帰った。
當然在分開前,透過分到握飯和煙燻醃菜稍微恢復了些精神,算是不太嚴重的失意。
もっとも別れる直前、握り飯といぶり漬けを分けて貰う事で元気を取り戻す程度の失意だが。
也許是因為突如其來的精神回升,他的失意扭曲成奇怪的方向,不知為何轉化成對六角的憤怒與憎惡。被無理憤怒發洩的六角兵只能說可憐。
急な元気のせいか、彼の失意は変な方向へねじ曲がり、何故か六角への怒りと憎悪に変換されてしまった。理不尽な怒りをぶつけられる事になった六角兵は哀れとしか言い様がない。
順帶一提,他在找到靜子之前先發現了長可。
なお、彼は静子を見つけるより先に長可を発見した。
康政說兩人的對話非常有趣,但不知內容的靜子對於長可稍微在避開自己無法理解,只能歪著頭困惑。
康政曰く、二人の会話は大層楽しい内容だった、との事だが内容を知らない静子は、長可が若干自分を避けている理由が分からず、ただ首を傾げて困惑するしかなかった。
信長、家康與長政的上洛軍同意翌日發起戰事。
信長、家康、そして長政の上洛軍は、翌日に戦を仕掛ける事で合意した。
決定各軍攻打哪座城後,軍會議接近結束時,家康像是想起什麼般開口。
どの軍がどの城を攻めるか決め、軍会議も終了間際の頃、家康が思い出したように口を開く。
「織田大人。我想見識一下閣下的名物兵,之後能否稍留一會兒時間?」
「織田殿。貴殿の名物兵を見てみたいので、この後少しお時間よろしいかな?」
「名物兵?」
「名物兵?」
對於信長一副不知所云的態度,家康露出和善的笑容。
何の事だと言わんばかりの態度の信長に、家康は人の良い笑みを浮かべる。
「又在謙遜了。聽說我軍中有位隨從不能令人相信是凡間之物的獸的士兵,成了大家熱議的話題呢」
「またご謙遜を。何やらこの世のものとは思えぬ獣を従えている兵がいると、我が軍で専らの噂ですぞ」
「那個我也聽過。義兄大人,若不介意的話我也想拜見一番。」
「それはわしも聞いた事がある。義兄上、差支えなければわしも拝見させて頂きたい」
長政聽了家康的話像是想起甚麼般低聲說道。
家康の言葉に長政が思い出したように呟く。
從兩人的發言,信長理解他們指的是誰,稍作思索。
二人の発言内容から、誰の事を言っているか理解した信長は少し考える。
(……確實曾說過要帶來既有震撼力又作為畏懼象徵有威嚴的狼……沒想到在到達京城前就已經成為傳聞了)
(……確かに迫力がある上に、畏れとして威厳がある狼を連れて来いと言ったが……京につく前に噂となっていたか)
自古以來日本有狼的信仰。
古くから日本には狼信仰がある。
曾經棲息於本州、四國、九州山中的日本大狼,會捕食破壞農作物的鹿與野豬。
かつては本州、四国、九州の山に生息していたニホンオオカミは、農作物を荒らす鹿や猪を食べていた。
因此,狼被視為神的使者,也就是神使而受到崇敬。
その為、狼は神の使い、つまり神使として信仰されていた。
認為狼是會襲人的危險害獸,這種觀念是明治時代以後從西洋傳入的錯誤看法;在此之前日本與狼維持著良好的關係。
狼が人を襲う危険な害獣だという考えは、明治時代以降に西洋から持ち込まれた誤った考えであり、日本はそれまで狼と良い関係を築いていた。
現在的京都市伏見區深草大龜谷,過去稱為山城國的大龜谷。
現在の京都市伏見区深草大亀谷は、かつて山城の国の大亀谷と呼ばれていた。
這座山也出現在《日本書紀》裡,記載了一個人介入狼群爭鬥,因而獲得福報、飛黃騰達致富的故事。
この山は日本書紀にも登場する。それは狼同士が争いをする場面に、仲裁に入った人が、その果報により立身出世し裕福になる話だ。
位於近畿地方的養父神社,自江戶時代起便以狼神社聞名。
近畿地方にある養父神社は、江戸時代から有数の狼神社として知られていた。
換言之,在畿內狼被視為能助人的神之使者,並非可以輕易招惹的對象。
つまり畿内で狼は人を助ける神様の使いであり、おいそれと手出し出来る相手ではない。
靜子的護衛是慶次與才藏,信長為了增添隨軍之威望下令帶上他們,但察覺到事情在意想不到之處開始擴展。
静子の護衛は慶次と才蔵だが、それに加えて従軍に箔をつける意味で連れて来いと命じた信長だが、予想外のところで話が広がっていた事に気付く。
「嗯……好吧。那傢伙不是有點古怪,而是相當離譜的怪人。先把這點記住」
「ふむ……まぁ良かろう。奴は少々どころではない変わり者よ。そこをまずは理解しておけ」
「被織田殿這麼說……還真有些可怕啊」
「織田殿にそう言われるとは……少々恐ろしいですな」
家康對那些話卻完全不顯露畏懼。信長在心中暗罵一聲狸貓般的傢伙,隨即迅速結束會議。
言葉の割に全く恐れを見せない家康だった。狸め、と信長は心の中で吐き捨てると、会議を手早く終わらせる。
於是他帶著家康與長政前往靜子處;護衛等人也跟了上來,成了相當多的人數。
そして家康と長政を連れて静子の元に向かった。護衛や何やらが付いてくるので、かなりの人数になってしまった。
「靜子,現在方便嗎……」
「静子、今良い……」
信長的話未能說完,因為映入眼簾的景象實在太異常了。
信長の言葉は最後まで続かなかった。目に飛び込んできた光景が余りに異常だったからだ。
目標人物靜子確實在場,但她把頭枕在カイザー的背上,雙腳搭在ケーニッヒ的背上睡著了。
目的の人物である静子は、確かにその場にいた。だがカイザーの背中に頭を、ケーニッヒの背中に足を乗せて寝ていた。
即便在本陣中、敵人近在咫尺,她仍然無防備地大聲鼾睡,讓信長頭疼不已。
本陣にいるとはいえ敵が目と鼻の先にいる状況で、無防備に高鼾をかける神経に信長は頭が痛くなった。
更近處慶次與才藏一手持酒杯,興致盎然地玩著遊戲;而長可則拿著約四公尺長的竹竿,進行把線穿過永樂通寶孔的訓練。
更に彼女の近くで酒盃片手にゲームに興じる慶次と才蔵。一方長可は四メートル程もあろうかという長い竹を用いて、糸に垂らした永楽銭の穴通し訓練をしていた。
事前被告知「對方極為古怪」的家康與長政,也對此感到驚訝難掩。
事前に「相手はとんでもなく変な奴だ」と聞いていた家康と長政も、これには驚きを隠せなかった。
周圍一時不知道該作何反應時,信長按著太陽穴走近仍在睡的靜子。
周囲もどういう反応をすればよいか迷っている中、信長はこめかみ辺りを押さえながら寝ている静子に近づく。
看著她那張愚蠢的睡顏嘆了口氣後,他用力扯了靜子的臉頰一把。
間抜けな寝顔に一度ため息を吐いた後、彼は静子の頬を思い切り引っ張った。
「真是極好的寢具,能早早就寢,真是好身分啊,你這傢伙」
「実に見事な寝具で早ご就寝とは実に良いご身分だな、貴様は」
「噗嗚!大、大殿樣ッ!?好、好痛~~~!」
「ふひょっ! お、おひゃかた様ッ!? いたいれふぅーーー!」
正在沉浸在幸福夢境中被突然喚醒的靜子一邊驚慌失措,一邊注意到信長的在場。
幸せな夢に浸っていた所で突然起こされた静子は、パニックになりながらも信長に気付く。
「快把那副邋遢的表情收起來」
「いいからそのだらしない顔を早くしまえ」
說完這句,信長便從靜子的臉頰收手。
それだけ言うと信長は静子の頬から手を離した。
似乎相當痛楚,靜子一邊用雙手揉著被扯的部位,一邊理清現狀。
よほど痛かったのか、静子は信長が引っ張っていた部分を両手で擦りながら現状を把握する。
大致一看,她推測那是兩位身分顯赫的人,其餘的是護衛。
ざっと見た限り、偉い身分の人間が二人で残りが護衛だと推測した。
因為突然有人增加,カイザー發出了表示警戒的低沉呻吟;ケーニッヒ雖然沒出聲,卻忙著張望周圍的狀況。
突然人が増えた事でカイザーは警戒を示す小さな呻り声を口から漏らしている。ケーニッヒも声こそ上げないものの、周囲の様子を忙しなく窺っていた。
(又有種不祥的預感……)
(また何かいやーな予感が……)
另外,慶次等三人不知何時已將酒杯與竹槍放下,收整姿勢。
なお、慶次たち三人はいつの間にか酒盃や竹槍を置いて姿勢を正していた。
雖覺得他們變換態度很快,靜子也正襟危坐,等待信長準備完畢。不久後信長與兩名男子坐到了椅子上。
変わり身が早いなと思いつつも、静子も居住まいを正して信長が準備を終えるのを待つ。少しして信長と二人の男が椅子に座った。
「越看越大……」
「見ればみるほど大きい……」
「可怕……那隻白毛的狼,頭部或許有和人同等大小」
「恐ろしい……あの白毛の狼、頭は人間ほどもあろうか」
「黑毛的那隻看起來隨時會咬向喉嚨似的……」
「黒毛の方は今にも喉笛に喰らいついてきそうではないか……」
傳來的話對靜子而言並不是什麼好話。
聞こえてくる声は静子にとって余り良い内容ではなかった。
確實,カイザー與ケーニッヒ擁有遠超日本大狼的龐大體格。
確かにカイザーとケーニッヒは、ニホンオオカミとは比べ物にならないほどの巨躯を誇っている。
但牠們絕不會無緣無故地襲擊人類;狼本就警戒心強,鮮少在人前出現,即便再飢餓,也不會主動攻擊人。
だが決して無闇矢鱈に人を襲わない。そもそも狼は警戒心が強く、滅多に人前に姿を見せない。そしてどんなに空腹でも、積極的に人間を襲おうとはしない。
在大型狼大量棲息的加拿大,人們甚至說被狼襲擊的機率比遭雷擊還低。
大型の狼が数多く生息するカナダで、狼に襲われる確率は雷に打たれるよりも低い、と言われている。
當然,無法斷言絕對不會被攻擊;若不慎靠近育幼中的狼或故意傷害群體,受到狼的報復也是理所當然的。
勿論、絶対に襲われないと断言は出来ない。子育て中の狼へ不用意に近づく、故意に群れへ危害を加えるなどをすれば、狼から報復を受けるのは当然だ。
「那種怪物若在身邊,誰知道何時會在睡夢中被下手。」
「あの様な化け物が傍に居れば、いつ寝首を掻かれるか知れたものではない」
「別亂說話。那女子也可能會去慫恿他們吧。」
「滅多なことを口にするな。あの女子がけし掛けるやもしれぬではないか」
一瞬血衝上頭,靜子幾乎要向那些竊竊私語的人大聲斥責。
瞬間的に頭に血が上り、静子はヒソヒソ囁く連中に声を荒らげようとした。
「膽小鬼別在那裏大聲啼叫。」
「腑抜けが声高に囀るな」
然而她抬頭的瞬間,一道從未聽過的冰冷聲音在四周響起。
しかし彼女が顔を上げた瞬間、今まで聞いたこともない冷たい声が周囲に響き渡る。
靜子不由自主地把快要脫口而出的話吞了下去。
喉まで出かかった言葉を静子は思わず飲み込む。
「我不是為了把家臣當作表演者而設此場地。那些故意大聲在背後說三道四的卑鄙之徒,若有話要說就直說向我提出來。」
「わしは家臣を見世物にするためにこの場を設けたのではない。聞こえよがしに陰口を叩く卑怯者めら、言いたい事があるならわしに向かって申してみよ」
在信長那句不容反駁的話下,眾人都沉默了。
有無を言わせぬ信長の言葉に誰もが押し黙る。
「……織田大人說得沒錯。我等對情況並不明了,卻過度畏懼對方。若被稱作膽小鬼也無可厚非。」
「……織田殿の言う通りですな。我々はよく知りもせず、相手を必要以上に恐れた。これでは臆病者と言われても仕方ない」
意外打破沉默的是坐在信長旁邊的家康。
静寂が支配する場を最初に打ち破ったのは、意外にも信長の隣にいた家康だった。
他帶著和煦的笑容繼續說道。
彼はにこやかな笑顔を浮かべて言葉を続ける。
「織田大人、靜子大人。還請赦免我家臣的失禮。你們別再讓我為難了。」
「織田殿、静子殿。我が家臣の非礼をお許し頂きたい。お前たち、これ以上わしを困らせるな」
向信長和靜子鞠躬後,家康雖維持笑容,卻以帶有威嚴的聲音對屬下說道。
信長と静子に頭を下げた後、家康はにこやかな笑みを浮かべつつも、配下たちへ迫力の篭った声で告げる。
雖然不清楚究竟是誰在背後說壞話,家康卻坦率承認失禮並道歉。
一体誰が陰口を叩いたか不明な状況だが、家康は素直に非礼を認めて詫びた。
「義兄上,我也要為失禮道歉。原本是我先提起的事,卻做了讓人不快的行為,十分抱歉。」
「義兄上、わしからも非礼を詫びたい。元々はわしが言い出した事なのに、気分を害するような事をして申し訳ない」
長政慢了一拍也向信長鞠躬。此刻靜子感到一股奇妙的不協感襲來。
ワンテンポ遅れで長政も信長に頭を下げる。ここで静子に奇妙な違和感が襲う。
(咦……? 我有和德川家康對過面嗎……?)
(あれ……? 私、徳川家康と顔を合わせたっけ……?)
長政向信長道了歉。當然,他不認識靜子的名字,所以沒提到她的名諱。
長政は信長に非礼を詫びた。当然、彼は静子の名前を知らないから、彼女の名を口にしなかった。
但家康從一開始就說出了信長與靜子的名字。
だが家康は最初から信長と静子の名前を口にした。
(嘛,淺井一方應該只是向殿下道歉罷了吧?)
(まぁ浅井側は、お館様に対して謝罪しただけかな?)
靜子決定認為那個連向家臣也特地道歉的家康,大概只是個一絲不苟的人。
家臣にまでわざわざ謝罪した家康が、単に几帳面だったのだろうと静子は思う事にした。
「那麼,就以獲得神使的庇佑來助興吧。」
「さて、それでは景気付けに神の使いのご加護を頂くとしよう」
家康話音未落,便起身大步向凱撒走去。屬下還來不及阻止,他已走到靜子眼前。
家康は言うや否や、腰を上げて大股でカイザーへ歩み寄る。家臣が止める暇もなく家康は静子の眼前まで近寄った。
他彎下腰與靜子對視,壓低聲音對她說道。
腰をかがめて視線を静子に合わせると、家康は声量を抑えて彼女にこう言った。
「像棉花之事亦然,汝頗為有趣。若有可能,我希望能在沒有織田大人的情況下,坦誠相見地談一談。」
「綿花の時もそうだが、そなたは中々興味深い。出来れば織田殿抜きで、腹を割って話し合いたいと思っておる」
「欸……?」
「え……?」
家康似乎根本沒考慮靜子的回應,說完便把視線轉向凱撒。
最初から静子の返答など考慮していなかったのか、家康は言うだけ言ってカイザーへ視線を移す。
他有些戰戰兢兢地想把手放到凱撒的頭上,但凱撒機敏地動了動頭,避開了那隻手。
少しおっかなびっくりな感じで、カイザーの頭に手を置こうとするが、器用に頭を動かしてカイザーはその手を避ける。
「真是遺憾。看來神的使者心情不佳啊。」
「誠に残念。どうやら神の使いはご機嫌が宜しくないようだ」
理解到無法把手放在頭上後,家康以誇張的姿態裝出一副滑稽模樣。
頭に手を置く事は無理だと理解した家康は、大げさな態度でおどけて見せた。