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戦国小町苦労譚

1567年 九月中旬

前田慶次利益與可兒才藏吉長,兩名武人加入了靜子的馬廻衆。

前田慶次利益と可児才蔵吉長、二人の武人が静子の馬廻衆となった。

不過關於成為馬廻衆的事並非順利決定,倒不如說是大吵一場。

もっとも馬廻衆の件についてはすんなり決まった訳でなく、どちらかと言うと大いに揉めた。

但那也是理所當然的事。被挖走優秀的武將,意味著他們軍內的權力平衡會崩壞。

しかしそれも当然だ。優秀な武人を引き抜かれるという事は、自分たちの軍内部におけるパワーバランスの崩壊を意味する。

因為這牽涉到織田家家臣間的軍事與政治影響力,沒有人願意輕易獻出有能的家臣。

織田家家臣内の軍事的・政治的な影響力にも関わるため、誰もが有能な家臣を差し出すのを躊躇った。

結果從被排擠的那些「有能但各方面有問題」的武將中選出了兩人。

結局『有能だが色々な面で難あり』、という爪弾きされている武将たちの中から二人が選ばれた。

首先,慶次的養父前田利久被信長強行要求隱居,取而代之的是前田利家繼承了尾張荒子二千貫的地(約四千石)。

まず慶次は養父の前田利久が信長より強引に隠居させられ、代わりに前田利家が尾張荒子二千貫の地(約四千石)を継いだ。

當時慶次隨養父離開荒子城。沒有可依靠之人的他,決定出外漂泊以覽世事。

その時、慶次は養父に従って荒子城から退去した。頼る相手がいない慶次は、世を見ようと放浪の旅に出る決意をする。

阻止他的正是信長。他對慶次提出邀請,問道:「想不想去仕於個性怪異的人?」

それに待ったをかけたのが他ならぬ信長だ。彼は慶次に『変わった奴に仕えてみる気はないか』と話を持ちかけた。

起初慶次並不感興趣,但他對於信長所擁有的唯一女家臣,以及織田家家臣雖然少但對這名女家臣仍表敬意的事產生了濃厚興趣。

最初は気乗りしなかった慶次だが、信長が唯一抱えている女の家臣、そして織田家家臣たちが僅かとはいえ女の家臣に敬意を払っている事に、彼は強い興味を抱いた。

最終他以「若判定不值得侍奉,允許自由去留」為條件,同意成為靜子的馬廻衆。

最終的に彼は『仕えるに値しないと判断すれば去就の自由を認める』、という条件付で静子の馬廻衆になる事を了承した。

另一方面,才藏的情況沒像慶次那麼複雜。在斎藤氏(斎藤龍興)被信長滅亡後,他投效於織田家家臣。

一方才蔵には慶次ほど複雑な事情はない。彼は斎藤氏(斎藤龍興)が信長の手によって滅んだ後、織田家家臣に仕える事となった。

信長起初想提拔才藏為將,但觀其軍功與平時言行,認為他無法成為能帶兵的將領。

信長は最初、才蔵を将として引き立てようと考えていたが、武功や普段の言動を見る限り兵を率いる将にはなれないと判断した。

於是將才藏編入秀吉手下,但他與秀吉性格不合,很快又調往柴田麾下。

故に才蔵を秀吉の配下にしたが、彼は秀吉ともそりが合わず、すぐに柴田の元へ異動となった。

但在調動前夕,信長又改變主意打算將他分配給靜子的馬廻衆,便將他送往那裡。

だが異動直前、信長は彼を静子の馬廻衆にと考え直し、そちらへ回した訳だ。

理解到別人無法湊齊後,信長打算將兩人送到靜子那裡,但在臨行前他又額外加入了一名意想不到的人選。

他に人が集まらぬ事を理解した信長は、二人を静子の元へ送ろうとした。だが直前になって予定外の人物を信長は追加した。

被當作訓練生的勝藏(しょうぞう),也就是後來的森長可。

訓練生扱いの勝蔵(しょうぞう)、つまり後の森長可である。

長可聚集美濃與近江的惡棍與流浪者組成了長可軍團,附近住民因此向信長的家臣投訴。

長可は美濃と近江のゴロツキや流れ者を寄せ集めて長可軍団を結成していた。それに対して近隣住民からの苦情が信長家臣の元へ届けられた。

信長一聽聞此事,厭惡在平定美濃期間發生多餘騷動,立刻採取行動。

その話を信長が耳にすると、美濃平定中の余計な騒動を嫌った彼はすぐさま行動に出る。

首先捕縛了長可及其全體軍團。除長可之外,因擾亂治安的罪名全數處決。長可軍團當然被強制解散,而長可被判寺中謹慎處分。

まず長可と軍団全員を捕縛。治安を乱したという罪で長可以外は全員処刑。当然ながら長可軍団は強制解散。そして長可は寺への謹慎処分が言い渡された。

然而素來驕縱無禮的長可,在寺中謹慎期間仍然毫不收斂地肆行暴舉,最終被寺院驅逐出來。

しかし傍若無人な若者に育っていた長可は、寺での謹慎処分を受けた後も変わらぬ暴挙を如何なく発揮する。最終的には寺から突き返される事となった。

信長判斷以一般方式無法矯正,便以將長可推給靜子的方式將他納入其麾下。

通常の方法では矯正は無理と判断した信長は、長可を静子に押し付けるような形で配下に加えた。

當然,由於靜子之村及其他村莊皆為信長直轄地,他宣告若有異常行為即無條件斬首處理。

もちろん静子の村や他の村は信長の直轄地であるため、妙な事をすれば問答無用で斬る事を宣告した上で。

當然,這並未讓被寵壞長大的長可改變態度。

勿論、それで我儘いっぱいに育った長可が態度を改める事はなかった。

因此他將接受與普通村莊不同的靜子之村的洗禮。

それゆえ通常の村とは異なる静子の村の洗礼を彼は受ける事となる。

首先,來到村子的第三天,他就偷雞想吃。

まず村に来て三日目にして、彼は鶏を盗んで喰おうとした。

但嗅到血腥味的維特曼一家趕到現場,而他們很不巧在他吃肉時遇見了他。

だが血の臭いに気付いたヴィットマン家族が現場に急行。そして運悪く肉を食べている所で彼らは出会った。

之後發生的事很簡單。

その後、起こった事はシンプルだ。

在領地內,地位比他們低的長可私自吃著首領靜子的雞。

テリトリー内で自分たちより序列の低い長可が、首領たる静子のものである鶏を勝手に食べている。

在等級比軍隊更嚴格的狼群社會中,那是不可容忍的行為,理所當然以名為懲罰的制裁處置。

軍隊より上下関係が厳しい狼社会において、それは許されざる行為である。当然ながらお仕置きという名の制裁が行われる。

他既不被允許攜帶武器,又一停下就會被數隻狼攻擊,因此長可只能拼命逃跑。

武器の携帯を許されていない上に、立ち止まれば何匹もの狼から襲われるため、長可はただひたすら逃げるしかなかった。

即便有武器,他也受父親森可成反覆灌輸「靜子殿的狼連大人(お館様)也非常喜愛」之觀念,恨不得刻入骨髓,因此無法動手。

仮に武器があっても、父親の森可成より『静子殿の狼はお館様も大変気に入っておられる』という事を嫌というほど叩きこまれている長可なので、手も足も出せない。

他明白若傷害狼然後切腹,那只不過是恥辱而已。

狼を傷つけて切腹しました、などと恥以外の何ものでもないと理解しているから。

長可曾試圖多次躲在暗處熬過,但每次都被發現並追逐,於是他改變了策略。

何度か物陰に隠れてやり過ごそうと試みるも、その度に発見されて追い回された長可は路線変更を行った。

狼群忠實執行靜子的命令。於是他想著要想辦法對付首領靜子。

狼たちは静子の命令を忠実に守っている。ならばボスの静子を何とかしようと彼は考えた。

但第一次陰謀被察覺,遭慶次阻止未遂。

だが一度目は企みに気付いた慶次によって阻止され未遂に終わる。

第二次他成功潛入靜子的家並抵達她的房間,但他的運氣就在那裡耗盡。

二度目はうまく静子の家に侵入し、彼女の部屋に辿り着けたのだが彼の運はそこで終わった。

那天恰巧睡姿不佳的靜子,一抓住潛入的長可便使出職業摔角的招式。

その日、たまたま寝相の悪かった静子は、忍び寄る長可を捕まえるとプロレス技を仕掛けたのだ。

靜子完全在睡夢中,卻施展包括腕扭逆十字固等多種臥技。

完全に睡眠状態の静子だが腕ひしぎ逆十字固めなど多数の寝技を極めた。

長可因從未體驗過的痛楚發出悲鳴。聽到悲鳴趕來的彩看見現場後輕嘆一聲,隨後默默關上門拋下長可。

経験した事のない痛みに長可は悲鳴を上げる。悲鳴に気付いた彩は現場に急行するも、現場を見た彼女は小さくため息を吐いた後、静かに扉を閉めて長可を見捨てた。

結果,靜子完全無視悲鳴,一直沉睡不醒,長可被持續制住關節直到天亮。

結局、悲鳴を物ともせずに熟睡し続ける静子に朝まで関節を極められ続けた。

在交替翻身、節奏忽快忽慢、持續數小時的拷問下,長可精疲力竭,明白這裡不是自己能施展力量的地方。

寝返りを交えた緩急を織り交ぜた数時間にも及ぶ拷問に長可は精魂尽き果て、ここは自分の力が通用せぬ場所だと理解した。

從此他不再打算對靜子做任何事,但得出這個結論已經太晚了。

以降彼は静子に何かしようと考えるのを止めた。のだが、その結論に達するには余りにも遅すぎた。

彩雖然被解除監視的職責,仍定期向上報靜子的日常動向。

彩は監視という任は解かれても、普段の静子の動向については定期的に報告を行っている。

雖然信長和森可成關心的是靜子而非長可,但她以防萬一,仍在報告中補充了長可過去的惡行。

信長や森可成が気にかけているのは静子であって長可ではないが、念のためと思い彼女は長可の今までの悪事も報告に付け加えた。

森可成立刻召見長可,未作解釋便帶他去了一處地方。

森可成はすぐに長可を呼びつけ、彼を説明なしにある場所へ連れて行った。

那是一處高到讓人不由得後退好幾步的瀑布。森可成拍了拍似乎想問『這是怎麼回事』的長可的肩膀,然後說道:

そこは若干腰が引けるほどの高さがある滝だった。一体何が、と言いたげな長可の肩に手を置いて森可成はこう言った。

「如果能爬上來,這次的事就免予追究」

「這い上がってこられれば此度(こたび)の件は不問としよう」

話音未落,森可成便將長可踢下了瀑布。

言い終えると同時に、森可成は長可を滝へ蹴り落とした。

森可成毫不含糊地實踐了『獅子會把自己的孩童推入深谷』這句話,並非玩笑。

森可成は、獅子は我が子を千尋の谷に落とす、を冗談でも何でもなく実行したのである。

也就是說,若無法從瀑布爬上來,就將被逐出森家。

つまり滝から這い上がってこなければ森家から追い出す、という事だ。

起初以為是玩笑的長可,自被踢入瀑布的那一刻起便明白不是開玩笑,拼命地往崖上攀爬。

最初は冗談だと思っていた長可も、滝に蹴り落とされた時から冗談ではないと理解し、死に物狂いで崖を登った。

長可總算好不容易爬上來,但最後又有一個不幸降臨到他身上。

何とか登り切った長可だが、最後にもう一つ不幸が彼の身に降りかかる。

忠勝對靜子一片癡情,不知經過何種緣由,靜子遭襲未遂的事傳到了他那裡。

静子にべた惚れ状態の忠勝に、どういう経緯かは不明だが静子襲撃未遂の件が伝わってしまったのだ。

因此長可突然遭遇的不幸,將在稍後發生。

その事で長可が突如として不幸に見舞われるのは、もう少し先のことである。

不知長可已受此懲罰的靜子,對突然變得順從的長可感到疑惑,但很快把懷疑從腦中拋開。

そんな罰が長可に下されていた事など知らない静子は、急に従順になった長可に首を傾げたが、すぐに疑問は頭から追い出した。

即便被要求『幫長可鍛鍊』,靜子對軍人的訓練並不熟悉,這件事很快就把她的腦袋塞滿。

長可を鍛えてくれ、と言われても静子は軍人の訓練を詳しく知らないのだ。そのことですぐに頭がいっぱいになった。

因為依武器不同鍛鍊方式也不同,靜子向長可確認他使用的武器。

使う武器によっても鍛え方が違うため、静子は長可に使う武器を確認する。

得到的回答是和父親森可成一樣使用長槍。

父親の森可成と同じで槍を使うという答えが返ってきた。

長槍的基本戰術是「敲擊」。因為對騎兵而言一敲即可使其幾乎落馬;對步兵則敲擊頭部能使其昏厥。

槍の基本戦術は『叩く』である。何故かと言うと、騎兵が相手なら叩けばほぼ落馬させられるし、歩兵が相手なら頭を叩けば昏倒するからだ。

話雖如此,並非說「刺」和「掃」就沒用。以長度為利的廣範圍「掃擊」,不允許對方採取後撤躲避的防禦。

とは言え『突く』と『払う』が使い物にならないかというとそうではない。長さに物を言わせた広範囲の『払う』は、身を引いて躱すという防御を許さない。

若能用槍「刺」中敵兵的關節或頸部等要害位置,便可瞬間使對方無力化。

槍で敵兵の関節部や首などを『突く』事が出来れば、一瞬にして相手を無力化出来る。

不過在三種動作中,「敲擊」是最有效率的。因為「敲擊」同時也能達到「斬」的效果。

ただ『叩く』が三つの動作の中で一番効率的なのだ。『叩く』は同時に『斬る』も出来るのだから。

基於此,靜子設計了訓練菜單。

それを考慮して静子はトレーニングのメニューを考える。

「嗚咕咕……!」

「ぬぎぎぎっ……っ!」

「對對,加油──」

「そうそう、頑張れー」

如劍道所言,最重要的要素是無論處於何種姿勢都能維持姿勢的腿腰力量。

剣道などでも言われているが、もっとも重要な要素はどのような体勢になっても姿勢を保つ足腰の強さだ。

透過鍛鍊耐久力與平衡感,可打造能承受長時間消耗的堅韌核心。

持久力及びバランス感覚を鍛える事で、長時間の酷使に耐え得る強靭な体幹を作る。

再者,重點鍛鍊大腿可強化控制姿勢的關鍵肌群。

更に太ももを重点的に鍛える事で姿勢制御の要となる筋肉を強化する。

作為最適且高效的鍛鍊方法,靜子決定讓長可進行「野山跑步」。

それを最適に、かつ効率良く鍛える方法として、静子は『野山を走る』を長可にさせる事にした。

不是人走過的小徑,而是真正的野獸小徑;還要他穿著甲冑在上面奔跑,對長可來說相當嚴苛。

人が踏み歩いた道ではなく、正真正銘その辺の獣道である。それを甲冑を着させた上でさせているのだから、長可にとっては相当厳しいトレーニングであろう。

話說回來,回到地面後還有「一分鐘深蹲」等著,因此無論在地上或在山中,訓練都同樣嚴苛。

もっとも、地上に戻ってからは「一分間スクワット」が待っているので、地上でも山でも厳しいトレーニングを受ける事に変わりはないが。

「可惡!你怎麼可以那麼輕易移動……哇!」

「くそっ! なんでそんなに軽々と移動出来る……うぉ!」

「啊,那裡有個坑……唉,來不及了」

「あ、そこに穴があるよ……って遅かったね」

「嗚啊啊!!! 混蛋!才不會輸給你呢!」

「くぅぅぅ!!! くそったれが! 負けてられるかよ!」

長可用氣力掙脫洞口,全速向山上奔去,但很快又掉進被腐葉土掩蓋的洞裡。

気合で穴から抜け出すと、長可は全速力で山を駆け上がる。だが、すぐに腐葉土に隠れた穴にまた落ちた。

「……喂,直線衝過去有什麼用?勇氣和魯莽是兩回事。想提升武藝就要培養能冷靜判斷情勢的眼力。」

「……あのねぇ、一直線に突っ込んでどうするのよ。勇気と無謀は別物よ。武功を上げたいなら、冷静に状況を判断出来る目を養いなさい」

靜子嘆了口氣這麼說。長可似乎也無話可答,便點頭從洞裡爬出來。

ため息を吐きつつ静子はそう言う。流石に返す言葉もないのか、長可は頷いて穴から抜けだした。

之後依舊沉默,直到到達山頂長可一句話也沒說。

その後も静かなもので、山頂に到着するまで長可は一言も喋らなかった。

當然,鍛鍊不僅是針對身體。

勿論、鍛えるのは身体だけではない。

「那個漢字不對。從這句要用的是這個漢字。」

「その漢字は違う。この文から使う漢字はこっち」

學問也同樣被教導。然而不擅長動腦的長可,連現代幼稚園的小孩輕鬆能解的題目也解不出來。

学問も同様に教えこむ。しかし頭を使うのが苦手な長可は、現代の幼稚園児なら余裕で解ける問題すら解けない。

「嗚嗚嗚嗚……學、學問有什麼用!」

「うぎぎぎぎっ……が、学問など何の役に立つ!」

「不懂得理解話語背後的含意,就無法好好理解館主那含糊的命令。若不能精確計算數目,也無法比較我軍與敵軍。而且不培養想像力,將來就跟不上館主了」

「言葉の裏に隠された内容を理解しないと、お館様のぼやかした命令をちゃんと理解出来ないじゃない。正確な数の計算が出来なければ自軍と敵軍の比較が出来ないよ。何より想像力を養わないと、これから先、お館様についていけないからね」

長可抱怨著,但靜子毫不留情地用正論回擊。無話可說的長可咬著牙,仍一題一題解著靜子出的問題。

不満を口にするが静子は容赦なく正論を叩きつける。ぐうの音も出ない長可は、歯ぎしりしながらも静子が作った問題を解いていく。

「說得好,勝蔵君。擅長戰鬥的人其實很認真」

「いい事、勝蔵君。戦に強い人ってのはとても真面目なの」

「比起天下無雙的豪傑還要認真嗎」

「天下無双の豪傑よりもか」

原本以為長可會對靜子的話無動於衷,默默解題。

てっきり長可は静子の言葉に反応せず、黙々と問題を解くかと思っていた。

因此靜子稍微有些驚訝,但很快露出小小的微笑繼續說下去。

だから少しだけ驚いた静子だが、すぐに小さな笑みを浮かべつつ言葉を続けた。

「是啊。勇猛果敢的豪傑確實很強。但你看,從上面的人眼中,那種豪傑會做到什麼程度其實是未知數。或許在光鮮的場合會不惜性命,但在枯燥或必須忍耐的場合可能會有所保留。甚至有時會逃走」

「そうよ。勇猛果敢な豪傑は確かに強いでしょう。でもね? 上の人から見れば、その豪傑はどこまで働くか分からないのよ。華やかな場面では身を惜しまないかもしれないけど、反面地味な場面や耐えなければならない場面では身を惜しむかもしれない。場合によっては逃げるかもしれない」

「……」

「……」

「勝蔵君。我希望你不要成為只追求自己出風頭的人。無論是華麗的場合、泥濘的場合、還是出於自尊心無法妥協的場合,都能對主人的命令負起責任;若被命令衝鋒,即便對方有萬人也要衝;若被命令不退,就算只剩下骨頭也不退縮。希望你成為那種責任感強的人」

「勝蔵君。私はね、君に自分の見せ場だけを求める子になって欲しくない。華やかな場面も、泥臭い場面も、己の矜持が許さない場面も、どんな時であろうと主人の命令に対して責任感を持ち、突撃しろと言われれば相手が万の兵士であろうと突撃し、退くなと言われれば骨になろうと退かぬ者。そういう責任感の強い子になって欲しいね」

「……」

「……」

「啊,當然這只是我的希望,我知道勝蔵君可能對自己的未來有其他的藍圖。所以把我的話當參考就好」

「あ、勿論これは私の希望であって、勝蔵君の描く未来図は別にあると思うの。だから私の言葉は参考程度に聞いてね」

「哼」

「ふん」

說完那句,長可便專心地解題。

それだけ言うと長可は問題を解く事に集中する。

面對長可的態度,靜子聳了聳肩,看著他解題的模樣。雖然錯了將近一半,但那時她並沒有立刻指出,決定等他把題目全部做完再提點。

長可の態度に静子は肩を竦めて、彼が問題を解く様を見る。半分近く間違えているが、それはすぐには言わない。指摘は問題を解ききった後でと決めているから。

慶次和才蔵被任命為馬廻衆幾個月後,各村進入了收割稻米的季節。

慶次と才蔵が馬廻衆に任命されて数ヶ月経った頃、各村は米の収穫時期に入った。

麻町、味噌町、蜜町、茸町,以及靜子所在的元町,各自擁有40公頃、40公頃、40公頃、40公頃、100公頃的稻田。

麻町、味噌町、蜜町、茸町、そして静子のいる元町は、それぞれ40ha、40ha、40ha、40ha、100haの田んぼを有している。

雖然稻尚未全部割完,靜子仍從中估算出大致的收成量。

まだ稲を刈り取った状態だが、そこから静子はおおよその収穫量を計算する。

據此估算,麻町為873俵、味噌町909俵、蜜町810俵、茸町856俵,而元町則為2611俵,總計6059俵。

それによると麻町は873俵、味噌町は909俵、蜜町は810俵、茸町は856俵、そして元町は2611俵、合計で6059俵になった。

蜜町數量較少是因為發生了病害。為了防止病害擴散,靜子把整個受害區域一併割除。

蜜町だけ数が他より少ないのは病害が発生した為である。そして病害が拡大するのを防ぐために、静子は病害エリアを丸ごと刈り取ったのだ。

原本預期至少會有900俵,因此病害發生讓人痛心。

本来なら900俵は固いと目論んでいただけに、病害の発生は痛恨の出来事であった。

南瓜和薩摩芋的收成則很不錯。各村的產量即便每日食用也能吃到隔年,但仍不可掉以輕心。

かぼちゃや薩摩芋の収穫は上々だった。各村とも毎日食べても翌年まで持つほどだが油断は禁物だ。

由於薩摩芋的葉無法保存,便當作夏季蔬菜食用,但莖則做成芋柄作為保存食。

薩摩芋の葉は保存出来ない故に夏野菜として食したが、茎は芋がらにして保存食にした。

葉與莖相較於其他蔬菜具有較高的營養價值。而且從夏到秋可以多次採收,實在值得利用。

葉も茎も他の野菜類と比べて栄養価が高い。しかも夏から秋にかけて何度も収穫出来るのだから利用しない手はない。

大豆與甘蔗的收穫還要再等一陣子,但靜子並不擔心。

大豆とサトウキビの収穫はもう少し先だが、静子は心配をしていなかった。

特別是大豆,產量豐盛,有望成為大豐收的氣象。

特に大豆は豊穣といえるほど実りがよく、大豊作になる雰囲気が漂っていた。

那景象彷彿天在祝賀信長即將上洛一般。

それはまるで、これから信長が上洛する事を天が祝ってるようにも見えた。

麻線使用シュリヒテン剥皮機進行大量生產。

麻糸はシュリヒテン剥皮機を使い大量生産を行っていた。

原本只有一台的シュリヒテン剥皮機,隨著利潤增加逐漸增至二台、三台,甚至蓋起了簡易工廠以進行一括處理。

当初は一台だったシュリヒテン剥皮機も、利益が上がるにつれて二台、三台と増え、一括処理をするための簡易工場が建てられるまでになった。

絹線方面有六台自動繅絲機運轉,順利地進行大量生產。

絹糸の方は自動繰糸機が六台稼働し、順調に絹糸の大量生産を行っていた。

然而即便生產出絹線,靜子卻沒有任何販售通路。因此她決定與信長簽訂獨占契約。

しかし絹糸を生産しても静子は販売ルートが一つもない。そこで彼女は信長と独占契約を結ぶ事にした。

約定事項包括:生產的絹線不得賣給信長以外者、十二個為一組販售、價格要低於信長投放市場的價位。

生産する絹糸を信長以外に売らぬ事、十二個を一セットとする事、価格は信長が市場に出す価格より下になる事を取り決めとした。

不必說茸町、味噌町、蜜町,其他村落也陸續把生產到消費的循環建立起來。信長對這些全都像絹線一樣簽下了獨占契約。

茸町や味噌町、蜜町は言うに及ばず、次々と生産から消費までのサイクルを軌道に乗せていった。信長はそれら全てに、絹糸と同じように独占契約を結んだ。

由各町居民生產的物品由信長收購,信長的部下再將其賣給美濃與尾張的商人。

各町に住む者たちが生産したものを信長が買い取り、それらを信長の配下が美濃や尾張の商人に売り捌く。

農民靠副業獲得收入,信長則靠賣給商人的差價獲利,形成雙贏的關係。

百姓たちは副業で収入を得、信長は商人へ売る時の差額で利益を得るWIN-WINの関係だ。

所有村落所出售的物品數量龐大。

全ての村から売りに出されるものの数は多い。

把蜂巢加熱壓縮而成的蜂蠟。可用作蠟、膠或作為蠟燭的原料。

蜜蜂の巣を加熱圧縮して出来る蜜蝋。それはワックスや接着剤に用いたり、蝋燭の原料として使用出来る。

玉米的鬚稱為「南蠻毛」,可作藥材;芯可作引火物;外皮纖維堅實,可做成繩索或草鞋等用途,毫無浪費地被利用。

とうもろこしの髭は「南蛮毛」という生薬、芯は着火剤、皮は繊維がしっかりしているので紐や草鞋の材料、と余すことなく使える。

薩摩芋的莖經過乾燥後可保存多年。且含有維生素C、E、K、鈣、以及多酚等營養素,是一種隱藏的營養食品。

薩摩芋の茎は乾燥させる事で年単位の保存が可能となる。そしてビタミンC、E、K、カルシウム、ポリフェノール等の栄養素が含まれている隠れた栄養食品だ。

桑葉乾燥後當成茶葉,營養豐富的桑果加黑糖做成果醬,失去葉與果的桑樹則砍伐當作木材。

桑の葉は乾燥させて茶葉に、栄養豊富な桑の実は黒砂糖を加えてジャムに、実と葉をつけなくなった桑の木は伐採して材木にする。

使用シュリヒテン剝皮機得以大量生產麻線,同時產出的紙漿也開始製造麻紙。

シュリヒテン剥皮機で麻糸の大量生産が可能となったが、同時に出てくるパルプで麻紙も生産されるようになった。

麻紙比起穀紙更加緻密且味道高雅,頗受歡迎。

穀紙に比べると緻密で上品な味わいがある麻紙は一定の人気があった。

賣得最貴的是王乳,也就是蜂王漿。因為採集量少價格高,但其效果無人能及。

もっとも高く売れるのが王乳、つまりローヤルゼリーだ。採取出来る量が少ない為、他より値段が高くなるが、その効果も他の追随を許さない。

各種物品經由信長流入尾張與美濃的市場。

様々な品が信長を経由して尾張と美濃の市場に流れていく。

有了貨物人就會聚集。人聚集了金錢便會流動。金錢流動城鎮便會繁榮。

物があれば人は集まる。人が集まれば金は落ちる。金が落ちれば町は潤う。

商人為了獲利設置中繼點,最終形成貨物流與金流的路線。

そして商人は利を得ようと中継地点を作る。最後に物と金が流れるルートが出来上がる。

東方有來自三河國與甲斐國的商人,西方則有來自京與堺等地的商人來到尾張、美濃尋貨。

東は三河国や甲斐国、西は京や堺などから商人が品を求めて尾張・美濃に来る。

只要模仿現代所謂的轉售商,信長的軍資就會充裕,讓他樂不可支。

現代で言う転売職人の真似事をするだけで、信長は軍資金が潤うのだから笑いが止まらない。

受惠的不只有信長。以他為中心,各地也能分到些許利益。

そして潤うのは信長だけではない。彼を中心に様々な地域がお零れに預かれる。

人是現實的,曾經對靜子與優待她的信長不滿的人們,一旦自己口袋變暖便輕易改變立場。

そうなると人間は現金なもので、今まで静子や彼女を優遇する信長に対して不満を抱いていた者たちも、自身の懐が暖かくなった途端にいとも容易く手のひらを返した。

米收成兩週後,各村將納給信長的賦稅米俵、絲線、蜂蜜等陸續裝上車。

米の収穫から二週間後、各村は信長に納める税の米俵や絹糸、蜂蜜などを次々と荷台に積み込んだ。

當準備好的貨車集結到一定數量便護送出發,但由於貨駄數量太多,形成了長長的隊伍。

準備が終わった荷車がある程度揃うと護衛をつけて出発させたが、荷駄の数が余りに多いため長蛇の列が出来上がった。

「呼——這些都是要送去織田大人的嗎」

「ひゅー、これが全部織田の殿様行きか」

慶次在馬上看著被堆上貨駄的米俵與商品,打趣道。

荷駄に積まれていく米俵や商品を馬上から眺めていた慶次が軽口をたたく。

「從未見過如此多的物資被當作稅賦運送的景象」

「これ程の物資が税として運ばれる光景は見たことがない」

同樣騎在馬上的才藏發表感想。

同じく馬に乗っている才蔵が感想を述べる。

「一直對織田大人為何如此厚待靜子有疑問……沒想到竟是因為這個」

「織田の殿様が、どうして静っちを手厚く保護してるか疑問だったが……それがこれだったとはな」

「慶次殿,姑且說靜子大人是我等所侍奉的綾小路家之令嬢,稱呼她奇怪的名諱當忌。那種奇特的打扮也應該節制才是」

「慶次殿、仮にも静子様は我々がお仕えする綾小路家の御息女。珍妙な名で呼ぶのは控えるのがよろしいかと。それからその珍妙な格好も控えるべきかと」

「哎呀,無所謂吧。本人也說沒問題啊」

「かー、いいじゃねぇか。本人も問題ないって言ってるんだし」

才藏與慶次性格截然相反,卻奇妙地相處融洽。

才蔵と慶次、性格は正反対なのに不思議と馬が合う二人だった。

「才藏,你覺得靜子如何?」

「才蔵、お前静っちの事をどう思う?」

「要我說也難。只能說是個罕見的令嬢。從沒聽說過出身公家的血脈會做農活的事」

「どうと言われてもな。珍しい御息女としか言い様がない。公家の血を引きし者が、百姓仕事をしているなど聞いたことがないしな」

「嗯……我想大概是因為那個女子受大地所愛吧」

「ふむ……そりゃーあの女が大地に愛されてるからじゃないかな、と俺は思う」

「受大地所愛?」

「大地に愛されてる?」

對於這種奇怪的評價才藏皺起眉頭,慶次微微帶笑這樣說。

不思議な評価に才蔵は眉をひそめる。慶次は小さく笑みを浮かべてこう言った。

「看看農人的臉吧。大家的臉上看不出這亂世的痕跡。再看這收成,這只能說是受大地所愛了」

「見てみろ、百姓の顔を。皆、この乱世を感じさせぬ顔じゃねぇか。そしてこの収穫量、こりゃー大地に愛されてるとしか言い様がないぜ」

「原來如此,說得通。慶次殿至今仍未離開靜子大人的身邊,也是因為這個原因嗎?」

「なるほど、一理あるな。慶次殿が未だ静子様の元を離れぬのも、それが理由か?」

「正是。想看看擁有受大地所愛之女的織田大人能走多遠。所以暫時就好好盡職馬廻衆吧」

「おうよ。大地に愛されてる女を抱えた織田の殿様が、どこまで行くか見てみたい。だから暫くは馬廻衆の任を頑張るぜ」

「每日吃喝玩樂、在澡堂喝酒的慶次殿口中竟會說出『馬廻衆之任』一詞,真是令人驚訝」

「毎日喰っては遊び、風呂で酒を仰っている慶次殿の口から、馬廻衆の任という言葉が出るとはな」

正如才藏所指,慶次並未把馬廻衆的職責當真去做。

才蔵の指摘通り、慶次は馬廻衆の任をまともにやっていなかった。

他每天想起床就起、想吃飯就吃、想睡就睡。偶爾去某處似乎是遊郭的地方,一去好幾天不歸。

毎日好きな時に起きて、好きな時に飯を食い、好きな時に寝ていた。たまにどこかの遊郭らしき場所へ行ったきり、数日は帰ってこない時もあった。

儘管如此工資還是照拿,遭人斥為領薪偷懶也無可奈何。

それでいてお給金はしっかり貰っているのだから、給料泥棒と罵られても仕方ない。

然而靜子對慶次的言行全然不介意,還說「傾奇者不就是那樣的人嗎?」。

なのだが静子が「傾奇者ってそういうものじゃないの?」、と慶次の言動を全く気にしていない。

才藏認為過度的理解也可能是個問題。

理解が良すぎるのも問題だと才蔵は思った。

「唉,被那樣說耳朵會痛啊」

「いや、それを言われると耳が痛いけどな」

「哎呀哎呀……好了,差不多準備完成。靜子大人被召喚之前,先去那位身邊吧」

「やれやれ……さて、そろそろ準備が終わる。静子様がお呼びになられる前に、あの方の元へ行くぞ」

話音剛落,才藏回轉馬首朝靜子而去。

言うやいなや、才蔵は馬首を巡らせて静子の元へと向かう。

「真是認真過頭呢,嗨喲」

「生真面目だねぇ、よっと」

面對才藏的古板,慶次露出無奈的表情嘆了口氣,轉馬追在他身後。

才蔵の堅物さに呆れ顔の慶次はため息をつきつつも、馬を反すと彼の後ろを追った。