戦国小町苦労譚
1567年 四月上旬
我對玉米的部分有很大的誤解。
とうもろこしの部分で大きな勘違いをしていました。
僅僅大量種植並不會導致地下水枯竭。
それを沢山植えるだけで地下水が枯渇する事はなく。
・玉米生長的時期與炎熱季節重疊,田地的水分容易蒸發。
・とうもろこしが成長する時期は暑い時期と重なり、畑の水が蒸発しやすい。
因此比起其他作物需要更多的農業用水。
よって農業用水の量が他より沢山いる。
・比其他作物吸收更多土壤水分。
・他の作物より土壌の水分を多く吸収する。
若在年降雨量少的乾燥地區栽培此類作物,並以地下水無節制補充農業用水,地下水因無法補給只會不斷減少。
そんな作物を年間雨量が少ない乾燥地域で栽培し、農業用水を地下水で補おうと際限なく吸い上げれば、地下水が補充されず減る一方との事でした。
在那種地區從事農業的理由是乾燥地帶有強烈的日照與二氧化碳,滿足「只要有水就能種」這種條件,所以是適合的農業地。
そんな地域で農業をする理由は、乾燥地帯には強力な日光、二酸化炭素があるから、水さえあればという条件付の農業適地だからです。
另外原因很單純:玉米的產量單價較高。
後は単純にとうもろこしの方が収量単価が高いのが理由でした。
雖然在查資料,卻有重大的誤解。
調べているようで、大きな勘違いをしていました。
關於玉米栽培造成了令人不安或誤解的描寫,實在非常抱歉。
とうもろこし栽培について、不安や誤解を招く描写をしてしまい、本当に申し訳ありませんでした。
瞬間周遭緊張了一下,但很快就消散了。
一瞬、辺りに緊張が走ったが、それはすぐに霧散した。
闖入者將脇差拋向遠方,迅速解除武裝,表示了投降的意思。
侵入者が脇差を遠くへ放り投げ、手早く武装解除すると恭順の意思を示した。
看到那一幕,圍在周圍的士兵們稍微放鬆了些。
それを見て周りを囲んでいた兵士たちは少しだけ肩の力を抜く。
但隨即又認為不能鬆懈,一邊警戒一邊逼近闖入者。
しかし油断は出来ないと考え直し、警戒しつつ侵入者に詰め寄った。
他沒有示抵抗,老實地把雙手在身後綁起來。
彼は抵抗の意思を示さず、素直に両手を後ろ手に縛られた。
靠著支著的槍和掉落在地的刀被回收,集中到丹羽那裡。
立て掛けられたままの槍と地に落ちた刀は回収され、丹羽の元へと集められる。
「啊,可以讓我看一下那把槍嗎?」
「あ、その槍ちょっと見せてくれませんか?」
靜子怎麼也對那把槍在意,便向拿著槍的士兵如此開口。
どうしても槍の方が気になった静子は、槍を持っている兵士にそう声をかける。
士兵用眼神看了丹羽一眼,丹羽點頭示意照做。士兵抓住槍的中部,翻轉槍尖,從石突方向把槍遞給她。
兵士は目線で丹羽を伺うと、丹羽は言う通りにせよとばかりに頷いた。兵士は槍の中程を掴み、穂先を返し石突の方から彼女に槍を差し出した。
接過槍,靜子仔細打量槍尖,終於理解了。
槍を受け取ると静子は穂先をじっくり見る。そこでようやく理解した。
她那種『在某處見過這把槍』的感覺,並非僅是錯覺。
この槍を何処かで見た事があるという感覚が、単なる気のせいではない事が。
「上面刻的是梵字和三鈷劍。這是三河文珠派、藤原正真之作。大概叫做蜻蛉切吧……」
「彫られているのは梵字と三鈷剣。これ三河文珠派、藤原正真の作だね。多分、蜻蛉切って名前だと思うけど……」
瞬間,原本安靜的闖入者以驚人的速度把頭轉向靜子那邊。
瞬間、今まで大人しくしていた侵入者が、ものすごい勢いで首を静子の方へ向けた。
「為、為何知道那個名字!?」
「な、何故その名を!?」
看到他瞪大眼睛露出驚愕,丹羽從旁開口。
目を見開いて驚愕を露わにしている彼を見て、丹羽が横から口を開く。
「靜子殿。難道您知道此人的身世嗎?」
「静子殿。もしや、この者の素性をご存知なのですか?」
「嗯,使用蜻蛉切的槍手……大概是三河國的國人、德川家家臣本多平八郎殿吧?」
「うーん、蜻蛉切を使っている槍使いとなると……おそらく三河国の国人、徳川家家臣の本多平八郎殿じゃないかなー」
雖有些沒把握,靜子還是這樣回答丹羽的提問。
若干自信なさげながらも、静子は丹羽の質問にそう答えた。
三河國,是後來由江戶幕府初代將軍德川家康統治的地區。而信長在永祿五年與家康締結了清洲同盟。
三河国、後の江戸幕府初代将軍である徳川家康が治める国だ。そして信長は永禄五年に家康と清洲同盟を成立させている。
既有清洲同盟在,縱使是盜賊,只要是德川家的家臣也不能隨便處置。
清洲同盟がある以上、幾ら盗人でも徳川家家臣となればそう簡単に処断するわけにはいかなかった。
「無論如何處罰某人都無所謂。懇請將罪責僅限於某人一人,務必不要牽連到我主上。」
「某はどの様に処罰されようとも構わぬ。何卒、何卒我が殿にまで咎が及ばぬよう某のみの咎として留め置き願いたい」
得知自己未經正規程序闖入織田領地內的秘境,忠勝卻沒有特別慌張,更沒有失態。
正規の手続きをせずに織田領土の中でも秘匿された場所に入り込んでしまった事を知った忠勝だが、本人は特に慌てる様子も、ましてや取り乱す様子もない。
只是希望不要擴大成牽連到主君德川家的責任問題。為此他甚至說願意欣然獻出自己的腦袋。
ただ主人である徳川家にまで責任問題に発展させないで欲しい。その為なら自分の首程度、喜んで差し出すとまで言う始末。
聽到這番話,靜子想到:果然是本多忠勝,臨終前,甚至死後仍想盡忠於家康的人嗎。
それを聞いて、これが死の直前、否、死してなお家康に忠義を尽くそうとした本多忠勝か、と静子は思った。
他所犯之事即便在同盟國之間也太過重大,無法就此赦免。不僅是侵占領土,更目擊了椎茸人工栽培這在當時可稱為最機密的資訊。
彼のしでかした事は例え同盟国の間柄とは言え、無罪放免とするには大きすぎた。領土侵犯はもちろん、椎茸の人工栽培という当時であれば秘中の秘に当たる情報を目撃してしまったのだ。
忠勝未必完全理解其嚴重性,但從場面氛圍感受到自己犯下無法挽回的失誤,便把那大柄身軀縮小,憂然若失。
その事を忠勝が正確に理解している訳ではないが、場の空気から自らが取り返しのつかない失態を犯したことを感じ取ったのだろう。大柄な体を小さくして悄然としていた。
「(該怎麼辦……)」
「(どうしましょう……)」
靜子對旁邊同行的丹羽低聲說。
静子は隣を歩いている丹羽に小声で話しかける。
她本無意將事情鬧大,若能的話希望儘量和平解決。
話を大きくする気はさらさらない彼女としては、出来れば穏便に片付けたいと思っていた。
「(嗯——怎麼辦好……只能請示館主的判斷了)」
「(うーむ、どうするも……お館様の判断を仰ぐしかない)」
丹羽也不希望把此事擴大成國與國之間的外交問題。
丹羽の方も、話を大きくして国家間の外交問題にしたくはなかった。
終究,本多忠勝的處遇得看信長會作出何等決斷。
結局、信長がどのような判断を下すかで本多忠勝の処遇が決まる訳だ。
因此丹羽派出了快馬去問信長如何處置忠勝。其間,決定將忠勝軟禁於兵士駐屯所的一間屋裡。
故に忠勝の扱いを信長に尋ねるべく、丹羽は早馬を出す。その間、忠勝は兵士駐屯所の一室に軟禁する事にした。
「明白了」
「相分かった」
向他說明會暫時拘束其人身後,忠勝只說了那一句話。
暫く身柄を拘束する旨を説明すると、忠勝はただその一言を口にしただけだった。
丹羽一時難以判斷那是豪膽還是放開了臉皮,但總之若對方能安分點,事情便可迅速解決。
豪胆なのか開き直りなのか、いまいち判断がつかなかった丹羽だが、ともかく大人しくしてくれるなら話は早いと思った。
正當準備要把忠勝送進牢房時,忽然響起一種難以形容的聲音,像地動般或像野獸的低吼。
そして忠勝を牢へと移送しようとしたその時、地響きのような獣の唸り声のような名状しがたい音が鳴り響いた。
那位肚子大聲作響的人低下目光,輕微顫慄著;仔細一看,耳朵也通紅,露出羞愧的樣子。
腹の虫を盛大に鳴らした本人は目線を下に向け小刻みに震えていた。よく見ると耳まで真っ赤に染まり恥じ入っている様子が見て取れた。
見狀靜子與丹羽互相對視後忍不住笑開了。被對方如此豪爽地鳴肚,已不可能再保持緊張氣氛。
それを見て静子と丹羽は互いに顔を見合わせると破顔した。ここまで豪快に腹を鳴らされては緊張感を保つなど不可能であった。
「……啊,對了丹羽大人!我想出了新的飯糰,能否請您稍微說說感想?」
「……あ、そうだ丹羽様! 私、新しいお握りを考えたんです。ちょっと感想を聞かせて頂けないでしょうか」
「嗯……是嗎。那就嘗一嘗吧。」
「う、む。そ、そうか。ならば頂こうではないか」
為不讓忠勝難堪,靜子想出一計,拍了拍雙手,裝作剛想到似的。
忠勝に恥をかかせないよう一計を講じた静子は、さも今思いついたと言いたげに両手をポンと打ち合わせた。
丹羽雖然感到有些僵,但還是附和了靜子的提議。
丹羽の方は若干ぎこちない感じはしたものの、静子の話に乗った。
兩人稍顯僵硬地互相看了一眼,隨即一同轉向忠勝。
二人は少し引きつった顔で互いを見た後、揃って忠勝の方へ顔を向ける。
「本多大人,您也要一同來嗎?」
「ほ、本多様もご一緒に如何ですか?」
「是啊。離晚飯還有不少時間,在此稍微填飽肚子也是不錯的趣事」
「そうですな。夕餉にはまだかなり時間がありますし、ここは一つ小腹を満たすのも一興」
「嗯……多謝。其實我在山中迷路,隨身的糧食也用盡,整整一天除了水之外都未曾進食。承蒙二位厚意,謹表示感謝。」
「うむ……かたじけない。実は山に迷い手持ちの食糧も尽き、丸一日ほど水以外口にしておりませなんだ。お二人のご厚情承りとう存じます」
忠勝整理了坐姿,隨即加入二人的談話。
忠勝は居住まいを正すと二人の話に乗る。
雖然有些強行,但三人的意圖一致,於是決定就在此舉行一場享用飯糰的小會。
かなり強引だったが三者の思惑が一致し、この場でお握り堪能会を開く事になった。
(呼……雖然是勉強,但總算成了)
(ふぅ……無理やりだけど何とかなった)
靜子心中鬆了口氣,從肩背包中取出飯糰。
心の中で安堵しつつ静子はショルダーバッグからお握りを取り出す。
剛好有三個飯糰。她把用竹葉包好的大飯糰各分給丹羽與忠勝各一個。
ちょうど都合よく三個あった。笹の葉で包まれた大振りなお握りを丹羽と忠勝に一つずつ渡す。
「本來會準備筷子的,但既然是飯糰,請直接用手拿著享用。」
「本来なら箸をご用意する所ですが、握り飯という事で一つ、手で掴んで召し上がってください」
「像是陣中飯呢。來嚐嚐看……」
「陣中食のようなものか。どれ……」
三人各自坐在火塘邊,丹羽解開竹葉。裡面是以玄米和雜穀米加地瓜做成的飯糰,還有幾片燻漬物。
三人はめいめいに囲炉裏端に腰を下ろすと、丹羽は笹の葉を解く。中にあったのは玄米と雑穀米のさつまいもご飯で作った握り飯、それからいぶり漬けが数切れ入っていた。
「靜子殿,這到底是什麼?」
「静子殿、これは一体?」
丹羽指著那看似醃菜卻有些不同的燻漬物問道。
漬物のようで少し違ういぶり漬けを指さしながら丹羽が尋ねる。
果然對於不懂的東西下口他有些顧忌,但忠勝卻不同。
流石によく分からないものを口に入れるのは憚られた彼だが、忠勝の方は違った。
「……好吃。我原以為飯糰早已吃膩了,但這黃色的東西帶著適度的甜味,讓人不會厭倦。這種像醃菜的東西真是美妙,有種懷念之感,讓人想起故鄉,格外沁入心扉。」
「……旨い。握り飯などとうに食い飽きたと思っていたが、黄色いものに程よい甘みがあって飽きぬ味となっている。こちらの漬物のようなものは素晴らしい。どこか懐かしい、故郷を思い起こさせる味だ。何とも心に染みる」
他抓起飯糰咬了一口,接著又放了一片燻漬物進口中。
彼は握り飯を掴むと一口食べ、続いていぶり漬けを一切れ口の中に入れた。
對於他毫無防備地吃下人家拿來的食物,連丹羽也忍不住驚訝。似乎察覺到他的目光,忠勝在吞下口中之物後說道:
無警戒にこちらの差し出した食物を口にする態度に流石の丹羽も驚きを隠せなかった。そんな彼の視線に気付いたのか、口の中のものを飲み込んだ後、忠勝はこう言った。
「我的臉上是不是沾了什麼?」
「某の顔に何かついておりますかな?」
「不,只是擔心您會懷疑被下毒。」
「いえ、毒を疑われないのかと思いまして」
「我並不認為你們是會用毒來殺我的卑劣之輩,若真想殺我,機會多得是,不用靠這種手段吧?」
「貴殿らが某を毒殺するような姑息な輩には到底思えぬし、殺すつもりなら機会などいくらでもありましょう?」
「是、是這樣,但是……」
「そ、そうですが……」
忠勝帶著陽剛的笑容,繼續吃著飯糰。
男臭い笑みを浮かべたまま、忠勝は握り飯を食べる。
丹羽完全放下疑心,便跟著也吃了飯糰與燻漬物。
すっかり毒気が抜けた丹羽は、彼に続くような形で握り飯といぶり漬けを口にした。
之後,忠勝不是關入牢房,而是被帶到一間空房並以立哨的方式監管,隔日將轉移到別處。
その後、忠勝は牢ではなく空き部屋に歩哨を立てる形で拘禁され、翌日別の場所へ移される事となった。
以包圍忠勝的配置,三十名兼具護衛與監視任務的士兵與丹羽一同護送。
忠勝を取り囲むような配置で、護衛兼監視役の兵士たちが三〇名と丹羽が付き添う事になった。
然而忠勝並不慌張,他抱著裝有燻漬物的包裹,小心翼翼地上了馬。
しかし忠勝は特に慌てる様子もなく、大事そうにいぶり漬けが入った包みを抱えて馬に乗っていた。
他為何抱著那東西,是因為忠勝非常喜歡熏漬,成了那味道的俘虜,出發前他向靜子提出能否分給他幾份。這並非什麼秘密,而且已燻煙處理、不易腐壞,她二話不說就答應了,因此才有現在的情形。
何故彼がそんなものを抱えているかというと、いぶり漬けをいたく気に入り味の虜になった忠勝は、出立の直前に静子へ幾つか分けて貰えないかと持ちかけた。特に秘密でもない上に燻煙されており、痛む心配も少ない食べ物であるため彼女はこれを二つ返事で了承して現在に至る。
當她把裝著相當數量的布包交給他時,忠勝雙手握住靜子的手,說了聲感謝。
結構な量が入った布の包みを彼に渡したところ、忠勝は静子の手を両手で握って感謝の言葉を述べる。
此外,忠勝把雙手交給別人,對他來說是「我信任你」的意思。
なお、忠勝が他人に両手を預ける事は、彼なりの『貴方を信頼しています』という意味を持つ。
但這種表達難以理解,加上忠勝平常情緒高昂,往往無法讓對方感受到。
だが分かりづらい上に、たいてい忠勝はテンションが高いので相手に伝わる事はない。
「……是櫻樹嗎」
「……桜の木か」
忠勝不由得向旁邊一看,眼中映出一株櫻樹。
ふと横を見た忠勝の目に桜の木がうつった。
看著大半花瓣已飄落的櫻樹,他心中忽然浮現一句話。
もう大半は散っている桜の木を見た彼は、ふと心の中にある言葉が浮かんだ。
忠勝把那句話坦率地說了出來。
忠勝はそれを素直に口にした。
「春風雖使櫻花飄落,綻放閃耀的,是我心中的花」
「春風が 桜の花を 散らせども 輝き咲くは 我が心の花」
「嗯?」
「は?」
「啊、沒什麼」
「あ、いや、何でもない」
忠勝注意到旁邊的丹羽露出一副疑惑的表情,微微臉紅,清了清喉嚨。
隣にいる丹羽が怪訝な顔をしている事に気付いた忠勝は、少しだけ顔を赤らめながら咳払いをする。
他自己也不太明白那話怎麼會脫口而出。
どうしてそのような言葉が口をついたのか、彼自身もよく分かっていなかった。
「再過一刻左右就會到達」
「後、一刻ほどで到着です」
「明白了」
「相分かった」
丹羽不以為意地轉換了話題。
特に気にするでもなく丹羽は話題を変える。
忠勝見狀收起表情,然而隨即又輕輕嘆了口氣。
これ幸いと忠勝は表情を引き締める。しかしすぐに小さくため息を吐いた。
「接下來等候館主大人的回覆。到底會做出什麼判斷我也無從得知……」
「そこでお館様からの返答を待ちます。流石にどの様な判断が下るかは分かりかねますが……」
「(……如果可以的話,希望別再追究我們曾在那地。)明白了。如果能體諒讓殿不受牽連,還請多加考量,我會感激不盡」
「(……出来ればあの場所にいた事を、これ以上追及はされたくないな)相分かった。出来れば殿には咎が及ばぬようにご配慮頂ければ有難い」
不過如此,他在嘴裡輕聲喃喃後,又在心中接著念道。
それにしても、と口の中で言葉を呟くと、忠勝は続きを心の中で呟いた。
(被馬弄得跑掉,最後還迷進那地方,真是無比丟臉。)
(馬に逃げられた挙句、あの場所に迷い込んだなど恥以外の何ものでもない)
四月初,將田畑的作業管理交給代一等人的靜子來到了去年種大豆的田地。
四月頭、代一たちに田畑の作業管理を任せた静子は、昨年大豆を植えた畑にきていた。
她用打井的工具,分別挖取大豆與玉米種植處的土壤樣本。
彼女は井戸を掘る道具で、大豆ととうもろこしを植えていた場所の土をそれぞれ取り出す。
把挖出的土像地層般並排擺好。
取り出された土を地層のように並べる。
「……真是麻煩啊。我竟然忘了這個問題。」
「……参ったなぁ。この問題を忘れていた」
乍看之下,她眼前並排的土壤並無太大差異。
一見、彼女の前に並んでいる土に大した差は見受けられない。
但細看之下,只有一部分土壤極度乾燥,那是從離地面大約一點五公尺深的土層採出的。
しかしよく見れば一部分のみ土が酷く乾燥していた。それは地上から大体1.5メートル近くの土中から採取した土だ。
地表土含有充足的水分,然而一定深度的土層卻已枯竭無水分。
地表面は申し分ない水分が含まれている土なのに、一定の深さにある土中は水分が枯渇している。
外人看來是奇怪的現象,但靜子知道其原因。
周りから見れば不思議な現象だが、静子はこの原因を知っている。
「作為伴生作物和大豆一同栽培的玉米,我忘了它會大量吸乾土中的水分……」
「コンパニオンプランツとして大豆と共に育てているとうもろこしは、土中の水分をかなり吸い尽くす事を忘れていたよ……」
原因就是為大豆而並列栽培的玉米。
原因は大豆用に並べて育てているとうもろこしだ。
玉米的含水量約占果實重量的四分之三,因此比其他穀物需要更多的灌溉用水。
とうもろこしは水分含有量が実の重量に対して四分の三ほどもある作物な為、他の穀物より多くの農業用水を必要とする。
就同一面積而言,玉米需要的農業用水是小麥的三倍。
同一面積で比較すると、とうもろこしは小麦の三倍もの農業用水が必要になる。
必然地,土壤中的水分也被它吸收得比其他作物多。
必然的に土壌に含まれる水分も、他の作物より多く吸収されてしまう。
地表附近靠灌溉能保持水分,但據說玉米的根可伸長約230公分。
地表面辺りは水を与えて常に水分含有量を保つ事が出来るが、とうもろこしの根は230cmほども伸びると言われている。
這比大豆和小麥近兩倍,比馬鈴薯與稻米則近三倍。
これは大豆や小麦と比べて二倍近く、じゃがいもやイネと比べると三倍近く長い。
此外還會產生季節性的問題。
更に時期的な問題も発生する。
玉米生長最快的時期正好與田間水分蒸發劇烈的炎熱季節重疊。
とうもろこしが一番成長する時期は、畑の水分蒸発が激しい暑い時期と重なる。
因此,本應由梅雨或夏季午後雷陣雨帶來的豐沛雨水,在到達地下含水層之前就被植物吸收,導致地下水逐漸減少,陷入負向循環。
故に本来なら年間を通して雨量の多くなる梅雨や夏季の夕立による水分が、地下水の層まで達する前に吸収されてしまい徐々に地下水が減っていくという負の連鎖に陥ることになる。
「嗯……挖起來也是繁重的工作呢」
「うーん……掘り返すのも重労働だね」
由於計算農業用水出錯,以及降雨量偏少造成土壤水分不足,不過幸好田地規模小,損害輕微。
農業用水の計算を間違えた事、降雨量が少なかった事により発生した土壌の水分不足だが、幸いにも畑の規模が小さかった為に被害は軽微だ。
但若隨著大豆產量擴大而玉米普及,總有一天僅靠河水不敷使用,就得動用地下水。
だがこのまま大豆の生産高拡大と共にとうもろこしが広まれば、いつかは川水だけでは足りなくなり、地下水を使用する事になる。
屆時被快速抽取的地下水會引發地層下陷。
そうなれば急激に吸い上げられた地下水によって地盤沈下が起こる。
最終將枯竭地下水,使土壤含水量惡化、土壤乾燥,經歷所謂的乾旱,最後導致沙漠化。
最終的には地下水を枯渇させてしまい、土壌水分不足が悪化して土壌が乾燥、いわゆる干ばつを経て砂漠化を引き起こしてしまうだろう。
現代談到玉米多數會想到美國,而那個國家持續使用把水灑在地面的方式長達兩百年。
現代ではとうもろこしといえばアメリカ合衆国が有名だが、彼の国は地表面に水を撒くだけの方法を二〇〇年間続けた。
水源當然是地下水。
水源はもちろん地下水だ。
美國有數個地下水源,某些地點儲存的水量達四兆噸(相當於琵琶湖水量的一百五十倍)。
アメリカ合衆国には地下水源が幾つかあり、場所によっては蓄えられている水の量が四兆トン(琵琶湖の水、百五十杯に相当)という規模の地下水源もある。
雖然貯水量龐大,但若為灌溉廣大農地無止境地抽取,會發生什麼事?
莫大な貯水量ではあるが、広大な農地を潤すためにそこから際限なく吸い上げ続ければどうなるか。
結果地下水陷入枯竭狀態。美國中西部有約與日本面積相當的巨大地下水源正面臨消失。
結果、地下水が枯渇状態になってしまった。アメリカ中西部では、日本の面積ほどもある巨大地下水源がなくなろうとしている。
有研究報告指出,將這些恢復到原狀需要五千年。
これらを元に戻すには五〇〇〇年は必要、という研究報告がなされている。
要避免因玉米造成土壤缺水及大量使用地下水,只需讓土地休耕,但那也會停止大豆的生產。
とうもろこしによる土壌の水分不足、及び地下水の大量使用を回避するには土地休めをすればいいだけだが、そうなると大豆の生産も止める事となる。
如果大豆如靜子的預測那樣達到的產量,信長肯定會要求維持產量。
もしも大豆が静子の予想通りの生産高になれば、信長は確実に生産高の維持を求めてくる。
但若持續下去,將會破壞富饒的尾張;說不定在數十年內,尾張會變成不毛之地。
だが続ければ、豊かな土地の尾張を破壊してしまう。下手をすれば数十年の内に、尾張は不毛の地へとなってしまうだろう。
「對病蟲害的對策……有方法,不過這樣一來稻作可能會被疏忽」
「病害虫の対策……方法はあるけど、今度は米栽培が疎かになりそう」
大豆對化學肥料的增產效果不高,因此產量依賴地力與與根系共生的根瘤菌之作用。
大豆は化学肥料による増収効果は高くないため、生産高は地力と根に共生する根粒菌の働きに依存している。
因此在進行大豆有機栽培時,技術上的問題在於病蟲害頻發或雜草繁茂。
その為、大豆を有機栽培する時の技術的問題点は病害虫の多発か雑草繁茂である。
尤其是病蟲害蔓延時大豆會大幅減產。用玉米來解決這個問題,結果卻又引發玉米造成地下水枯竭的問題。
特に病害虫が蔓延すると大豆が大きく減収する。この問題をクリアするためのとうもろこしだが、今度はとうもろこしによる地下水の枯渇が問題となった訳だ。
大豆的主要害蟲是臭蟲類與蝶蛾類。牠們都以雜草繁茂的畦畔等陰影處為主要棲所。
大豆の主要害虫はカメムシ類と蝶蛾類だ。どちらも雑草が繁茂する畦畔等の日陰を主な住処として生息する。
在初夏到初秋之間,主要危害正在成熟的大豆莢及子實。
そして初夏から初秋にかけて、主に登熟する大豆の莢や子実に加害する。
也就是說要防治害蟲,必須在大豆播種前將田地周圍的雜草全部割除或焚燒。
つまり害虫を防ぐには、大豆の作付け前に圃場周辺の雑草を残らず刈り取るか焼くかする必要がある。
如此可以減少越冬蟲的個體數,因此有必要徹底連根割除。
それによって越冬虫の個体を減らす事が可能だ。故に根こそぎ刈り取る必要がある。
「……嗯,是啊。今年就換個方法吧」
「……うん、そうだね。今年は方法を変えよう」
另一個關於雜草的問題相對簡單。以中耕與培土為主的大豆除草對策是有效的。
もう一つの問題、雑草については比較的簡単だ。大豆は中耕・培土を主体とした雑草対策が有効だ。
在大豆生長前徹底執行抑制雜草發芽的措施,以及進行中耕與培土,便會有相當大的差異。
大豆を育成する前に、雑草の発芽抑制措置を徹底するのと、中耕・培土を行うだけでもかなり違う。
對於因玉米而造成的地下水枯竭問題,決定不依賴華而不實的技術,而導入更基本且穩妥的技術。
とうもろこしによる地下水の枯渇対策は派手な技術に頼らず、もっと基本的な、それでいて堅実性のある技術を導入する事にした。
內容非常簡單:在玉米田設置以竹子製成的水槽(樋)。
内容は至極簡単だ。とうもろこし畑に竹で作った樋(とい)を設置する。
當然不是普通的水槽,而是在各處開了小孔。
無論、ただの樋(とい)ではなく、ところどころに小さな穴が開けられている。
當水流過時,事先開的小孔會少量滲出,使地表保持微微潮濕。
それに水を流すと開けておいた小さな穴から少量ずつ水が漏れ、地表を常に軽く濡らせられる。
這樣做可以減少七〇%的用水,並能把養分用於根系的生長。
これを行う事で水の使用量が七〇%カット出来、かつ根を張る栄養を成長に回すことが出来るのだ。
不過,最重要的仍是雜草對策。做與不做在收成上會有天壤之別。
しかし、やはり一番は雑草対策だ。これを行うのと行わないでは収穫に雲泥の差が生まれる。
「也就是說……燒光它們—!」
「つまり……焼き討ちだー!」
說了這種莫名其妙的話,靜子一把用力往後回頭。
そんな意味不明な事を言いながら、静子は勢い良く後ろへ振り返る。
「……」
「……」
卻不知彩就站在她的眼前不遠處。
目と鼻の先に彩がいる事も知らずに。