戦国小町苦労譚
千五百六十七年 三月下旬
要製作戶籍需要地址,但那部分她沒特別執著,所以用簡單的內容整理了。
戸籍を作る上で住所が必要になったが、そこは特にこだわりがないので簡単な内容で纏めた。
先把村子分成四等分,分別編為「丁」,再把每個「丁」分成四等分,編為「番」。最北東為一丁目一番地,向南為一丁目二番地,向西為一丁目三番地,依此類推,對角的最南西則為四丁目四番地。
まず村を四つに割り、それぞれに『丁』の番号を振る。更に『丁』を四つに割り『番』の番号を振る。最北東を一丁目一番地として南が一丁目二番地、西が一丁目三番地となる。同様の手順で番号を振って行き対角となる最南西が四丁目四番地となる。
如此一來,每個村的「丁」統一為四、「番」統一為十六。全部統一後管理會容易許多。
こうする事で、どの村も『丁』は四、『番』は一六に統一される。全てを統一しておく事で、管理が容易くなるのだ。
此外為了讓各村有特色,每個村都規劃生產特產。
更に村ごとに特色を出すため、それぞれの村に特産品を作るようにした。
生產「麻」的村子命名為「麻町(あさまち)」,顧名思義以「麻」為主產。
『麻』を生産する村は名前を『麻町(あさまち)』とし、名前の通り『麻』を生産するようにした。
生產「味噌」的村子叫「味噌町(みそまち)」,生產「蜂蜜」的叫「蜜町(みつまち)」,靠山的村子則稱為「茸町(きのこまち)」。
『味噌』を生産する村は名前を『味噌町(みそまち)』、『蜂蜜』を生産する村は『蜜町(みつまち)』、山に近い村は『茸町(きのこまち)』という感じだ。
而把靜子的村命名為「元町(もとまち)」,意思是由靜子的村所移轉並分散出去的基盤,代表「成為源頭的村」。
そして静子の村を『元町(もとまち)』と名付けた。これは静子の村で生産していた基盤を各村に移し分散した事から、『元になった村』という意味が込められている。
另外各村加上「町」只是因為語感較好,並無太大的含義。
なお、各村に『町』がついているのは、単に語感が良いからという理由で大した意味は無い。
本來對靜子來說村或町無所謂,只要依規則製作出識別用的代碼就行了。
元より静子にとって村でも町でも何でもよく、識別するためのコードがルールに従って作られていればそれで良かった。
最後設置了指示看板,讓傳令等人也能辨別方向。
最後に案内看板を設置して、伝令などの人たちにも方向などが分かるようにした。
藉此成功盡量減少傳令的差錯與迷路等損失,其他村民也較少迷路,在確保資訊傳達時有關時間與空間認知的共享化,空間面幾乎已經達成。
これによって伝令のミスや道に迷うなどのロスを極力減らす事に成功した。また、他の村の人たちも迷う事が少なくなり、情報伝達を確実にする際の要となる時間と空間の認識に対する共有化の空間の方はほぼ達成できた。
但順利到此為止,對於時間的共通認識仍需耗費大量人力與努力。
だが順調だったのはそこまでで、時間に対する認識の共有化には多大な労力を費やす必要があった。
畢竟把日期與星期等納入日常生活是明治時代以後的事,之前各時代使用的曆法各不相同。
何しろ日時や曜日などが日常に組み込まれたのは明治時代以降だ。それまで時代によって暦法はバラバラだった。
例如戰國時代主要使用的曆法是宣明曆(せんみょうれき)。
例えば戦国時代に使われていた主な暦は宣明暦(せんみょうれき)だ。
但負責曆道的勘解由小路家(賀茂氏)斷絕後,京與地方在曆法上產生混亂,各地使用各自的民間曆。
だが暦道を担当していた勘解由小路家(賀茂氏)が断絶した影響で、京と地方で暦に対して混乱が生じ、独自の暦(民間暦)が使われている状態だ。
進入江戶時代後,天文方(進行天體觀測的官署)則會依天體觀測來製作曆法。
江戸時代に入れば天文方(天体観測を行っていた役所)が天体観測を元に暦を作っていた。
此次情況只要能讓織田家與自家村落之間共享日時就足夠,因此決定以正月為基準,將一月一日定為共同的起點。
今回の場合は、織田家と自分たちの村々で日時が共有化できれば良いため、正月を基点に一月一日を定めて共有化することにした。
即便知道不會立即獲得理解,靜子仍著手製作用以共享月日的日曆。
すぐの理解が得られないと分かっても、静子は月日を共有するためのカレンダーを作成する。
同時導入七曜制,盡可能使日曆接近靜子在現代所使用的格里曆。
併せて七曜制を導入し、可能な限り静子が現代で使っていたグレゴリオ暦のカレンダーに近づけた。
時刻則由日時計來補足。當時的時間觀念粗略:日出起床為朝、太陽到中天為午、日落之後為夜。這樣的概念在召開集會時非常不便。即便指示大家在工作後的夜晚到村長家集合,若看不到地平線無法觀測日落,夜晚的起點就會依各人主觀而定,因此集合需要較多時間效率不佳。在這點上,日時計能客觀地定出所有人可共同使用的時間單位,因而相當有效。
時刻は日時計でカバーする事にした。当時の時間の概念は日の出と共に起きだして朝、太陽が中天に差し掛かる頃が昼であり、日の入り以降が夜という大雑把なものであった。これでは集会をする際に都合が悪い。仕事が終わった後の夜に村長宅に集まるよう指示したとしても地平線が見えて日の入りが観測できない場合、夜の基点は各人の主観に依存する。このため全員が揃うのに時間が掛かり効率が悪い。その点で日時計は全員が共有可能な時間の単位を客観的に定めることが出来て有効であった。
雖然有日落或天候不佳時無法掌握時刻等缺點,但首先需要的是「習慣」。作為在前述夜間集會時間共通化之前,讓各人熟悉可共享的時間感的一塊試金石,便導入了日時計。
日が沈んだり、天気が悪い時は時刻が把握出来ない等の欠点はあるが、まず『慣れ』が必要である。前述した夜の集会時間を共有化する前の段階として、各人が共有できる単位時間の感覚に習熟してもらう試金石として導入する。
因此決定對一些不利之處暫且睜一隻眼閉一隻眼。
故に多少のデメリットは目を瞑る事にした。
本來想要定時鳴鐘以通報時間,但那件事未獲信長批准。
本当なら定刻ごとに鐘を鳴らし時間を周知したい所だったが、そちらは信長から許可が下りなかった。
問起理由,對方回說「要鳴鐘就需要寺院吧,所以不准許。」
理由を聞けば『鐘を鳴らす為には寺が必要だろう。だから許可しない』との事だ。
靜子聽了也覺得有幾分道理,並回想起信長是個自他皆知的無神論者。
確かに言われてみれば、と静子は思った。そして思い出す。信長は自他共に認めるほどの無神論者だ。
若宣稱要建寺,想必會惹來烈火般的怒火也不難想像。
寺を建てますと言ったら烈火の如く怒る事は想像に難くない。
一邊思索是否有解決方法,靜子向信長陳情,結果發現了意外的情況。
どうにかならないかと思いながらも、静子は信長に具申した。すると意外なことが判明した。
信長並非討厭佛教或宗教本身,
信長は仏教などの宗教自体を嫌っている訳ではない。
他厭惡的是那些把無益的外來語硬譯成日語,自以為做了大事的僧侶,或在背後對百姓傳播不切實際理想論,且同時貪婪追求被禁止的肉食、女人和金錢的墮落僧人。
実際は無益な外来語を日本語に訳し、それで人間的に何か大きな事をしたと思ってる坊主や、青臭い理想論を百姓に聞かせている裏で、禁止されている肉食や女、金品を浅ましく求める堕落した坊主を毛嫌いしているようだ。
因此他認為若在靜子的村附近蓋寺,無疑會像飢餓的老鼠般蜂擁而至。
なので静子の村近くに寺を建てれば、腹を空かせたネズミのように群がる事は間違いない、と彼は考えていた。
既然了解了這點,想出對策就變得簡單。
そこまで分かれば対策を考えるのは簡単だった。
靜子並非真心想建寺,她只要能建置一個能鳴鐘的設施即可。
静子は寺を建てたい訳ではなく、鐘を鳴らす施設を建てられれば良いだけだ。
於是她向信長建議不是建寺而是建神社;當然也一併申請設置鳴鐘設施、寺子屋式教育場所、住宿設施、火葬場、栽種うるち米的水田與小型田畑等。
だから寺ではなく神社を建築する許可を信長に進言した。勿論、神社だけではなく鐘を設置する施設、寺子屋のような教育施設、宿泊施設、火葬場、うるち米を育てる田んぼや小さな畑なども合わせて申請した。
對方的回應是「有幾個小疑問但內容無礙,故准許建築」。靜子聽到批准後總算鬆了一口氣。
それに対しての返答は『幾つか小さな疑問点はあるが内容に問題はない。よって建築を許可する』だった。ひとまず許可が下りた事に静子はほっと胸を撫で下ろす。
但在回文的末尾有一句話又讓她面色凝重,寫著:
しかし最後の方に書かれていた一文に再び彼女の顔は硬直する。そこにはこう書かれていた。
「還有幾項疑義。會安排時間針對那些問題提問,請預留行程。」
『他にも幾つか疑義がある。それらを問う機会を作るので予定を空けておくように』
靜子只能嘆了口氣,但先把那些事擱在一旁處理。
ため息しか出なかった静子だが、それらはひとまず脇に除けておくことにした。
日曆張貼在各村的告示看板與村長家,日時計也同樣安置在告示看板與村長家附近。
カレンダーは各村に設置した広告掲示板と村長の家、日時計も同じく広告掲示板と村長の家付近に設置した。
另外還在其他可能有人聚集的場所設置日曆與日時計。
他にも人が集まりそうな所にカレンダーや日時計を設置した。
做到這些之後,終於能使用作為聯絡網的回覧板。
そうまでして、ようやく連絡網に使う回覧板を使う事が出来た。
靜子痛切地體會到,現代被視為理所當然的年月日、星期、時間、地址、電話與電子郵件等,都是無數人反覆失敗與成功累積出來的成果。
現代では当然のようにある年月日、曜日、時間、住所、電話やメールなどが、いかに沢山の人々の失敗と成功の積み重ねで生まれたものか、静子は嫌というほど思い知った。
回覧板開始運行的一週左右,村民對於新制度感到困惑與不安,但後來他們理解到這對於協調多人行程相當便利。從那之後變化迅速,農人們紛紛接受新思維。
回覧板の運用を開始して一週間ほどは、村人たちは新しい制度に対する戸惑いで困惑していたが、やがてそれが多人数の予定をすり合わせる上で便利なものと理解する。そこからは早かった。百姓たちは次々と新しい考えを受け入れていった。
即便仍會有一、兩小時程度的時間誤會,但因日期搞錯之類的聯絡失誤已大幅減少。
今でも一、二時間程度の時間の勘違いはあるものの、日付を間違ったりするような連絡ミスは格段に減った。
不過最好的地方在於,透過回覧板或告示板等,一次便能向大量人傳達資訊。
しかし最も良い事は、回覧板や広告掲示板などを使う事で、一度に多数の人間へ情報を伝達出来るようになった事だ。
不是『人傳人』,而是改為『只要看村裡的告示板就好』,因此人們能直接取得一次性原始資訊,避免了像傳話遊戲那樣因解釋而改變的資訊流失。
『人から人へ伝達』ではなく、『村の掲示板を見れば良い』に変わった為に、直接一次情報を手に入れられるため伝言ゲーム式の解釈による情報の変容がなくなったお蔭でもある。
即便如此,靜子仍感到不安,所以多次視察各個村落。
それでも静子は不安だったため、各村を何度か視察した。
她總無法完全消除的疑慮是:聯絡網是否真的被妥善而正確地傳達?會不會被誤解了?
連絡網はきちんと正しく伝わっているか、実は誤って解釈されてしまっていないか、などの不安が中々払拭出来なかったのだ。
但當她理解到各村正如她所期望般運作時,便鬆了一口氣,像是卸下肩頭重擔般地嘆了口氣。
だが各村が静子の思い描いた通りに働いている事を理解すると、彼女は肩の荷が下りたと言いたげな息を吐いた。
靜子將戶籍原本託付給信長,自身則保存所謂的寫本,也就是影本。
静子は戸籍の原本を信長に預け、自身は写本いわゆる写しを持つ事にした。
如此一來一方面有利於對照差異以發現被篡改的內容,另一方面缺點是需要兩倍的紙張,且在更新時須與原本同步,增加管理負擔。於是實務上以木簡整理一年的內容變更,每年抄寫到紙上,並與信長的原本對照,檢查是否有木簡以外的更動。
これによって内容を改ざんされても突合する事により不整合を発見できる利点がある反面、紙を二倍必要とする上に内容を更新するに当たって原本と同期をとるなど管理の手間が増えるという欠点があった。運用面では木簡を用いて一年分の内容変更をまとめておき、年に一回紙へと清書し更に信長の原本と突き合わせ木簡の内容以外の変更がないかチェックする体制とした。
這使得信長認為能掌握村落規模並防止間諜滲透,於是同意大量使用紙張的許可。
これにより村の規模の把握や間者の潜入を防げる事が信長にとっては魅力的に映ったため、紙を大量に使用する事の許可を貰う事が出来た。
當然,他也一併下了『盡量消除浪費』的嚴命。
もちろん、極力無駄をなくせ、という厳命も一緒に頂いたが。
「哼——這就是所謂的戶籍啊。確實誰住在哪裡一目了然。」
「ほー、これが戸籍って奴か。確かに誰がどこに住んでいるのか一目瞭然だな」
奇妙丸一臉無憂地讀著那份凝聚許多心血的戶籍謄本。
そんな苦労の塊である戸籍謄本を、奇妙丸はのん気な顔で読んでいた。
看到心血之作被這麼敷衍地對待,靜子不禁有些氣餒。
苦心の作がぞんざいな扱いを受けているように見えた静子は、何となく気落ちしてしまった。
不過她想,畢竟戶籍抄本、謄本與地址這類概念本就不存在於戰國時代,所以也只能如此了。
だが、そもそも戸籍抄本・謄本も住所も戦国時代には存在しない考えだから、そういうものなのだ、と思う事にした。
「嘛。原本這是為了把以村長為根、每家分成枝幹、各人如葉片般管理的樹狀資訊一併管理的文件。因而務必妥善保管。若亂來,領主的雷霆會降下。」
「まぁね。元々、村長を根とし家族ごとに枝分かれして各人は葉として管理する木構造の情報を一括管理するための書類だし。だから大事に扱ってね。下手な事すれば、お館様の雷が落ちるよ」
「那可真可怕。對了對了,趁還沒忘記先說一聲。不好意思,可以賣我些炭嗎?」
「それは怖いな。そうそう、忘れる前に話をしておこう。すまんが炭を売ってくれんか?」
「炭? 可以啊,但又是為什麼?」
「炭? いいけど、また何で?」
聽了奇妙丸的話,靜子好奇地歪著頭。
奇妙丸の言葉に静子は不思議そうに首を傾げる。
靜子將從二作村伐採的木材暫時收藏、風乾後製成炭。
静子は二作の村から伐採した木を一時的に保管し、乾燥させた後に炭を作った。
她特意在村裡留出角落儲存木材,當然是為了燃料用的炭,但真正的目的其實是想要木酢液。
わざわざ村の一角を使って木材を保管したのは、燃料として炭が欲しかったのは勿論だが、本当は木酢液が欲しかったからだ。
木酢液除了可替代農藥與化學肥料外,還具有淨化水的作用。
木酢液は農薬や化学肥料の代用品となるほか、水を浄化する作用もある。
但這類效果是經由科學分析才被發現的;過去炭燒時產生的木酢液通常直接流入山林。
しかしそのような効果は、科学的な分析の結果分かった事だ。昔は炭焼きの時に出来た木酢液は、山林に垂れ流し状態だった。
而正是因為那種被任意排放的狀態,反而促進了樹木生長並淨化了河川水質,真是諷刺至極。
だが垂れ流し状態だったお陰で、木の成長が促進されたり、河川の水が浄化されていたのだから、皮肉としか言いようがない。
作為農藥用途可用作驅避害獸、害蟲,亦能作堆肥的發酵促進劑或垃圾處理的除臭劑。作為提升生活品質的用途,入浴劑可望達到除臭、殺菌、消毒等效果。
農薬的な用途としては害獣・害虫に対する忌避剤、堆肥の発酵促進剤やゴミ処理用消臭剤などとしても用いられる。生活の質を向上させる用途としては入浴剤として用いることで消臭・殺菌・消毒などが期待できる。
不過木酢液成分有差異,有時可能產生會損傷微生物基因的變異原性物質。
もっとも木酢液は成分にバラつきがあり、場合によっては微生物の遺伝子を損傷する変異原性のものも出来る可能性がある。
因此使用上需要一定的注意,不能過度期待,其效用最多只能算是有作用就賺到了。
扱いにも一定の注意が必要なため、過度の期待は出来ない代物だ。せいぜい効果があれば儲けもの、程度に考えるのが良い。
「靜子的炭幾乎不冒煙,形狀也做得很均勻,應該是相當好的成品。我這個就會冒煙、形狀又差。」
「静子の炭は煙が殆ど出ない。形も均等に出来ておるし、よっぽど良い出来なのじゃろう。俺のは煙が出るし形は悪いしな」
(那不就是單純不完全燃燒的狀態嗎……)
(それって単に不完全燃焼状態なだけじゃ……)
僅把風乾的木頭丟進火裡並不會變成炭。
乾燥した木を火の中に入れただけでは炭は出来ない。
即便看起來像是漆黑的炭,也可能只是被氧化了,而非像炭作法那樣碳化完成的炭。
真っ黒な炭のように見えても単に酸化しただけで、炭作りで作った炭のように炭化していない。
兩者外觀相似,但內在完全不同。
両者は外見が似ているだけで中身は別物なのだ。
奇妙丸用的炭,要嘛是單純燒過的殘材再利用,要嘛是炭燒過程中偷工減料的劣質品。
奇妙丸が使っている炭は単に焼いただけのものを再利用しているのか、それか炭作りの途中で手を抜いた粗悪品のどちらかなのだろう。
「嗯、好吧。」
「うん、まぁいいよ」
炭還算充足,靜子認為賣給奇妙丸也沒問題,便答應了。
炭はそこそこ余裕があるので奇妙丸に売っても問題ない、と思った静子は了承の言葉を口にした。
進入四月稍久後,靜子上山去採收某樣東西。
四月に入って少しした頃、静子はあるものを収穫しに山へ登った。
「好了,春季香菇採收日……但這裡沒有人。」
「さて、春の椎茸収穫日です……誰もいないけど」
那是春天的香菇。原本香菇在春秋兩季都能採收,春季的稱為「春子」。
それは春の椎茸である。元々、椎茸は春と秋に収穫出来る茸で春子と呼ばれている。
春初出現的菇類種類較少,因此春子被視為春天的美味來享用。
春先に発生する茸は種類が少ないため、春子は春の味覚として楽しまれている。
「喔,長得挺好的。真是的,因為被彩罵了所以臨時擴充……還不錯呢」
「お、いい感じに成長してるね。いやぁ、彩ちゃんに怒られたから急遽拡張したけど……まずまずね」
靜子一開始只打算生產足夠個人消耗的量,栽培場相當馬虎。
静子は当初、個人消費する程度の量しか生産するつもりがなく、栽培場はかなりいい加減だった。
日照沒有調整,而且也沒圍籬,常被野豬吃掉。雖然原木數量很多,但實際收成只有一百多個。
日当たりは調整しておらず、おまけに柵もないので猪に食べられていた。だから原木の数は多かったものの、収穫出来た数は百数十個という結果だった。
經過彩的一番說明,並且從信長那裡接到「增加香菇產量」的命令後,靜子終於理解香菇是高級品。
彩から散々説明され、信長から「椎茸を増産せよ」との命が下って、ようやく静子は椎茸が高級品だという事を理解した。
從那之後忙得不可開交。大量進貨原木,構築排列這些原木的環境,為了調整日照砍掉周圍的樹木,還設置圍籬以防野豬進入。
そこからはてんてこ舞いだった。原木を大量に入荷し、それらを並べるための環境を構築し、日当たりを調整するために周囲の木を切ったり、更に猪が入れないように柵を設置したりした。
覺得太密集也不好,就把栽培分成幾個區塊。
あまり密集させるのも良くないと思って、幾つかのブロックに分けて栽培をする事にした。
除了茸村的人們之外,靜子擁有的香菇栽培區塊有三個。
茸村の人たちとは別に、静子が持っている椎茸栽培ブロックは三つだ。
雖然只有一個稍微離得遠些,但大致上都很密集,所以野豬常常來吃。
一つだけ少々離れているが大体は密集しているので、よく猪が食べようとやってくる。
大多被圍籬擋住,但為了避免牠們硬闖把圍籬弄壞,靜子會把幾段原木放在圍籬外側作誘導。
たいていは柵で防がれるのだが、無理に越えようとして柵を破壊されても困るので、誘導用に幾つかの原木を柵の外に置いていた。
「這個不行……這個還太小。這個可以」
「コレ駄目……これはまだ小さいね。こっちはオーケー」
原木上的香菇並非全部都長好了。有失敗的,也有還小尚未到採收期的。
原木の椎茸は全て育っている訳ではない。駄目になっているもの、小さくて採取時期ではないものもある。
把生病的香菇全部清除,挖個適當的洞把牠們埋掉。其他可收成的放進用鹿皮做的肩背包裡。
病気などの椎茸は全部取り除き、適当な穴を掘ってそこに埋めた。それ以外の収穫出来るものを、鹿の革で作ったショルダーバッグに入れていく。
每次獵到的鹿皮都堆了起來,但皮若不鞣製就沒法使用。
鹿を仕留める度に溜まっていった皮だが、皮はなめさなければ使い物にならない。
鞣製有各種方式,現代主流的是鉻鞣和植物單寧鞣。然而鉻鞣需要多種藥劑,剩下可選的是以菜籽油的白鞣或使用植物單寧的單寧鞣。因為菜籽油有其他用途,這裡採用單寧鞣。
なめしには色々な種類があるが、現代で主流なものとしてはクロムなめしとタンニンなめしがある。しかしクロムなめしは多種多様の薬品が必要となるため菜種油を用いた白なめしや植物タンニンを用いるタンニンなめしが選択肢として残る。菜種油は他に用途があるため、ここではタンニンなめしを行う。
皮要變成革至少需要半年以上,必須浸泡在含植物單寧鞣溶液的槽裡。
皮から革になるには最低でも半年以上、植物タンニンなめし溶解液の入った槽につけ込む必要がある。
期間需要逐步提高單寧的濃度。
その間にタンニンの濃度を徐々に上げていく必要があった。
雖然單寧鞣革比較費工,與鉻鞣革相比伸長性與彈性較少,但堅韌且具有可塑性(易變形的特性),適合成型。
多少手がかかるタンニンなめし革だが、クロムなめし革と比較して伸びや弾性は少ないものの、堅牢で可塑性(変形しやすい性質)があり成形に適している。
因此適合做包等,靜子也用皮做了肩背包與背包。
故にカバンなどを作るのに適しており、静子も革を使ってショルダーバッグとリュックサックを作った。
包的好處無非就是雙手不會被佔用,說到這點就完了。
カバンの利点はなんといっても手が塞がらない、これに尽きるだろう。
包袱布等可以包不定形的東西,但相對地為了拿著它,一隻手會被佔用。
風呂敷などは不定形なものも包めるが、反面どうしても持つために片手が塞がってしまう。
因此爬山時比起包袱布,能兩手自由的背包更為合適。
故に山登りには風呂敷よりも、両手が使えるリュックサックの方が好都合なのだ。
正當採收香菇時,背後傳來葉子摩擦的沙沙聲。
茸を収穫していると、背後でガサリと葉が擦れる音がした。
轉頭一看,是凱澤和維特曼,還有凱尼希。
そちらへ顔を向けるとカイザーとヴィットマン、そしてケーニッヒがいた。
三隻一看到靜子就靠近她,發出撒嬌的聲音,並用身體蹭她。
三匹とも静子を見つけると彼女に近づき、甘えた声を上げながら彼女に自身の体をこすりつけた。
但同時牠們對周遭過度警戒。
しかし同時に彼らは周囲を過剰なまでに警戒していた。
(……? 啊,難道有什麼闖入了牠們的領地……?)
(……? あ、もしかして縄張りに何かが侵入した……?)
靜子一理解那件事就開始四處張望。當然並沒有看到人影。
その事を理解した途端、静子は周囲を見回す。当然ながら人影はどこにもない。
但從維特曼等的表情看來,確實有人進入了山裡。
しかしヴィットマンたちの表情から、何者かが山の中へ入り込んだのは確実だ。
牠們是為了趕走擾亂領地的對象而進入山中,途中發現了靜子吧。
そして縄張りを荒らす相手を追い出すために山に入り、途中で静子を見つけたのだろう。
靜子從肩背包取出木簡,用炭給彩寫信。
ショルダーバッグから木簡を取り出すと、静子は炭で彩宛の手紙を書く。
內容是「山中有入侵者跡象。為保險請派兵」。她把信綁在凱尼希身上,並用類似手語的手勢命令他。
内容は『山に侵入者の形跡あり。念の為に兵士派遣を求む』だ。それをケーニッヒに括りつけると、手話もどきのサインで彼に命令を出す。
似乎傳達成功,凱尼希點了點頭後沿著來時的路折返回去。
うまく伝わったようで、ケーニッヒは一度頷くと今きた道を引き返していった。
靜子帶著凱澤與維特曼朝香菇田前進。
カイザーとヴィットマンを連れて静子は椎茸畑を目指す。
春天的山菜在其他山也能採到,沒必要特地進這座山去找。那麼入侵者的目的應該就是這座山才有的香菇田,靜子如此推測。
春の山菜は他の山でも採取出来るし、わざわざ山の中に入って探す必要性もない。ならば侵入者の目的は、この山にしか存在しない椎茸畑だろうと静子は予測した。
乾香菇是輸往明朝的重要出口品。若帶回一籃滿滿,就能獲得相當的資金。
干し椎茸は明への主要輸出品だ。籠いっぱい持ち帰ればそれなりの資金を手に入れる事が出来る。
到達第二個香菇田後,靜子先確認周圍情況。
二つ目の椎茸畑に到着した静子は、まず周囲の状況を確認した。
但並無被特別破壞的跡象,許多已長大的香菇以及將要長成的香菇都在原木上生長著。
だが特に荒らされた様子はなく、大きく育った椎茸や、これから成長するであろう椎茸が沢山原木に生えていた。
(第二個香菇田沒事。那麼,應該是離這裡有點距離的第三個香菇田吧……?)
(二つ目の椎茸畑は大丈夫。となれば、ここから少し離れた場所にある、三つ目の椎茸畑かな……?)
靜子朝三個香菇田中環境最好但離村子太遠的最後一個香菇田走去。
三つある椎茸畑の中で最も環境が良いが、村から離れすぎている最後の椎茸畑へ静子は向かう。
凱澤與維特曼在她後面蹑手蹑腳地跟著。
その後ろをカイザーとヴィットマンが忍び足で続く。
當他們終於接近第三片香菇田,近在咫尺時,凱撒微微低聲嗥了一下。
やがて三つ目の椎茸畑と目と鼻の先まで来た時、カイザーが僅かに低く唸った。
靜子一明白果然有人在,便悄聲無息地靠近。
やはり誰かいる、そう理解した静子は抜き足差し足忍び足で近づく。
不久他們抵達了通往防豬柵圈的出入口。
やがて彼らは対猪用の柵の中へ入る入り口に到着する。
入口的門雖以草木簡單綑綁,卻被利刃整齊地割開了。
入り口の扉は草木で簡素ながらも縛っていたはずが、鋭利な刃物で綺麗に斬られていた。
靜子採了附近的草木,將它們緊緊纏繞在門上,楔入一根木棍後撬開了門。
静子は付近にある草木を採取すると、それらを使って扉へ硬く巻きつけ、棒切れを噛ませて抉(こじ)った。
關上唯一路口後,靜子沿著柵欄繞到外圍觀察,心想這或許能拖延一些時間。
唯一の出入り口を閉じると、静子は柵に沿って外周へ回りこみ様子を観察しつつ、これで少しは時間稼ぎになるかなと思った。
(君子不近危險,先以觀察為宜)
(君子危うきに近寄らず。様子を窺う程度にしよう)
靜子屏住腳步在香菇田中觀察,發現田地深處有個窸窣移動的影子。
足音を殺して静子は椎茸畑の中を観察する。すると、畑の奥の方でゴソゴソと動く影が見えた。
那人似乎以為無人而放鬆警戒,正喃喃自語。
誰もいないと思って油断してるのか、その人物は独り言を呟いていた。
「……真是奇怪的地方,為何要把砍倒的木頭排列起來。還有這個是……」
「……奇っ怪な場所だ。何故、切り倒した木を並べているのか。そしてこれは……」
彷彿沉入思緒海中,說話之人完全沒注意到維特曼等人的低沉嗥聲,繼續自言自語。
思考の海に沈んでいるのか、声の主はヴィットマンたちの低い唸り声に全く気付かず独り言を続ける。
靜子命令維特曼們壓低聲音後,再次檢視四周。
静子はヴィットマンたちに声を抑えるよう命令を出した後、再度周囲を観察する。
靜子發現附近的柵欄上有東西,那是一根屬於大身槍類的長矛。
近くの柵に何かがある事に静子は気付く。それは大身槍に分類される長い槍だった。
放下武器,究竟是對自己技巧相當自信,還是單純的愚蠢?
武器を手放すなどよっぽど腕に自信があるのか、それとも単なる馬鹿なのか。
如此思索間,靜子繼續環顧,幸好未感覺到除了入侵者之外還有其他人的氣息。
そんな事を思いつつ静子は周囲を更に見回す。幸いにも侵入者以外の人の気配は感じられなかった。
看凱撒與維特曼都沒有反應,斷定入侵者應該只有一人無誤。
カイザーやヴィットマンが反応しない所を見るに、侵入者は一人と考えて間違いないだろう。
(長度大約五到六公尺……咦?)
(長さは5から6メートルぐらい…………あれ?)
朝矛望去,刃中央的槽溝上刻著什麼東西。
槍の方を見ると、樋(刃中央の溝)に何かが彫られていた。
她正想到那柄似曾相識時,遠處傳來一聲大喊。
そしてその柄にどこか見覚えがあると彼女が思った瞬間、遥か後方から大声が飛んできた。
「靜子殿───!!! 你安然無恙嗎───ッ!」
「静子殿―――!!! ご無事であるか――――ッ!」
是丹羽的聲音。同時有數十人的腳步聲與盔甲摩擦聲隱約傳來。
丹羽の声だった。同時に何十人もの足音や、甲冑がこすれ合う音が小さく聞こえた。
大概是把它當作入侵者處理,帶了相當多的兵力過來。
おそらく侵入者という事で、かなりの兵を連れてきているのだろう。
既然靜子能聽見,自然入侵者也同樣聽得到。
そして静子に聞こえているのだから、当然のごとく侵入者にも聞こえている。
「嗯っ!」
「ぬっ!」
蹲著的入侵者聽到聲音抬頭站了起來。
屈んでいた侵入者が声に反応して立ち上がる。
那人看不出慌張,立刻轉身要去取矛。
その人物に動揺らしきものは見えず、すぐさま槍を手に取ろうと踵(きびす)を返した。
瞬間,維特曼發出一聲巨大的咆哮。
瞬間、ヴィットマンが大きく咆哮した。
「嗷、嗷、哈!」
「な、え、は!」
那不是像狗一般不停吠叫,而是帶著一種決然的咆哮,彷彿在下最後通牒。
それは犬のように盛んに吠えたてるというより、どこか最後通牒を突きつけるかのような決然とした咆哮だった。
狼與犬不同,很少會狂吠。
オオカミは犬と違って滅多に吠えない。
這是因為牠們本能地知道,發出吠聲等顯眼行為會讓自己暴露在危險中。
それは生きていく上で吠え声を上げるような目立つ行為は、自分の身を危険に晒すと本能で理解しているからだ。
除非是像警告群體危險的遠吠,或像日本狼那樣有遠吠習性,基本上狼是保持沈默的。
群れに危険を知らせる警告の遠吠えや、ニホンオオカミのように遠吠えする習性がなければ、基本的にオオカミは沈黙している。
因此灰狼維特曼之所以吠,是在告知入侵者「由我來對付你,現在開始狩獵你」,同時也向群體宣告戰鬥的開始。
故にハイイロオオカミのヴィットマンが吠える理由は、侵入者に対して「私が相手だ、今から貴様を狩る」と告げるのと同時に、群れに対して戦闘の開始を知らせているのだろう。
看見那一幕,靜子站到了維特曼的更前方。
それを見て、静子はヴィットマンより更に前に立つ。
她雖是狼群的首領,但比起身份,她更強烈的是守護維特曼這群如家人般的存在的心情。
彼女はオオカミの群れのリーダーではあるが、それ以上に家族であるヴィットマンたちを守る気持ちの方が強かった。
因此即便明白這很冒險,她的腳步仍向前邁進。
だから無謀と理解していても、彼女の足は前へ進んだ。
另一方面,側面突如傳來狼的咆哮,使入侵者本能一震,停下腳步戒備。
一方、意識の外にあった横合いから突如オオカミの咆哮が飛んできたために、侵入者は咄嗟に身構え脚を停めてしまった。
映入眼簾的是顫抖卻雙手張開的靜子,還有兩隻露出獠牙的巨型狼。
そして目に入ったのが震えながらも両手を広げている静子と、牙を剥いた巨大なオオカミ二匹である。
或許太出乎預料,入侵者驚慌失措。
流石に予想外に過ぎたのか、侵入者はパニックを起こした。
「不、不、不! 你在做什麼──!」
「な、な、なッ! 何をッ!」
從此之後,入侵者再也無法出聲。
そしてそれ以上、侵入者は言葉を口にする事が出来なかった。
伴隨一聲沉重的咚響,數支箭矢插在他的腳邊。
ドスっと言う音と共に数本の矢が足元に突き立った。
「不要動」
「動くな」
因為終於到達的、包含丹羽在內的織田軍士兵已從柵欄那邊將周圍完全包圍了他。
ようやく到着した丹羽を含む織田軍の兵士に、柵越しに周囲を完全に囲まれていたからだ。