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戦国小町苦労譚

千五百六十七年 三月中旬

信長的戰法改變了。凡是參與過美濃攻略的人,無不這麼認為。

信長の戦(いくさ)は変わった。それは今まで美濃攻略に関わった者なら、誰もが思うところだった。

以前若要說缺點,就是常以氣勢衝鋒強行突破。這本身是普遍的戰術,亦可說是決定戰勢的良策。

今までは悪く言えば勢いを駆った強行突破が多かった。それ自体は普遍的な戦術であり、趨勢を決する立派な策と言える。

在戰爭中僅靠奇策取勝罕見,最終必然成為正面總力戰。

戦争において奇策のみで勝利を得る事は稀で、最終的には必ず真正面からの総力戦となる。

問題在於採取這一策略的時機。時機一旦錯誤,自己軍隊只會徒生損耗。

問題はそれを行うタイミングだ。そのタイミングを誤れば、自軍が損害を被るだけで終わる事になる。

「把士兵撤到那個地方」

「兵を例の場所まで下げろ」

「是、是!」

「は、はっ!」

信長下達的指示從來不多。

信長が指示した事は決して多くはない。

若守城的武將是血氣方剛之輩,便先強行突入,然後故意撤兵,佯裝敗退。

城を守る武将が血気盛んな相手なら、強行突入を行ってわざと敗退したように兵を下げる。

如此一來,對方大致會有兩個選擇:一是認為已勝,揚聲歡呼而罷。

そうすると相手が取る選択肢は概ね二つになる。一つは勝利したと考え、勝どきを上げて終わるだけ。

另一個則是為了給予更大損害而出擊。

そしてもう一つは、更に相手へ損害を与えようと討って出ようとする。

若採取後者便是大賺,因為他們會從堅固的城防中出來,暴露出無防備的模樣。

後者になれば儲けものだ。堅牢な城の守りから抜け、無防備な姿を自ら晒してくれるのだから。

「放箭」

「矢を射かけよ」

「是!!」

「はっ!!」

被巧妙誘出的敵將,會被引入一處稱為「囲地」的、用來殲滅敵人的絕佳地形。

まんまと誘き出された武将は、囲地と呼ばれる敵を討つのに絶好の地形へ誘い込まれる。

信長一方可以從高處安全地射箭,敵將則被逼到只有一處可逃的窘境。

信長側は高所からの弓を安全に撃ち込む事が出来、敵将側は逃げる場所が一ヶ所しかない状態に追い込まれる。

當然敵方包括武將在內陷入混亂,且退路上有信長的伏兵,無法撤退;停下的隊伍與接連後撤的兵士互相擁堵,造成停滯。

当然ながら敵将側は武将も含めてパニックに陥る。だが退路には信長側の兵が伏せており、退却は叶わず、立ち止まる味方に、次々と退却してくる兵とで停滞が起こる。

如此一來戰鬥變得單方面,只要投擲岩石或倒下的樹木等,便能輕易將敵兵擊倒。

こうなってくると戦いは一方的だ。矢でなくとも岩や倒木などを投げ込むだけで、面白いように敵兵を倒していける。

「殿!後面雜兵蜂擁而至,無法逃走!前方是織田軍埋伏!我等被包圍了!」

「と、殿ォ!! 後ろは雑兵が殺到して逃げる事が叶いませぬ! ま、前は織田軍が待ち構えております! わ、我々は取り囲まれてしまいました!」

「哼!原來撤兵是為了這個!……集合無恙者,向織田軍正面突破!」

「ぬぅ! 兵を下げたのはこの為か! ……無事な者を集め、織田軍の方へ正面突破を図るぞ!」

那名敵將如此喊叫,但他的計畫並未付諸實行。

そう叫んだ敵将だが、その作戦が実行に移される事はなかった。

因為彷彿早已算準時機,無數箭矢朝敵將襲去。

何故なら、まるでタイミングを計ったかの如く、敵将へ無数の矢が襲いかかったからだ。

數十支箭刺入敵將的喉嚨、胸膛、手臂與腿部。他甚至來不及發出臨終哀嚎,便倏然喪命。

何十本もの矢が敵将の喉や胸、腕や足に突き刺さる。断末魔の叫びをあげる間もなく、彼はあっけなく命を落とした。

當然並非每次都這麼順利。

勿論、常にこの様にうまくいく事はない。

起初戰果不如預期,徒然招致損失。面對不順的戰況,外界以為信長必定盛怒,然而他卻露出不屑的笑容,說道:

はじめは思うように戦果を上げられず、徒(いたずら)に被害を出していた。捗々(はかばか)しくない戦況に激怒するであろうと思われた信長だが、彼は不敵な笑みを浮かべこう言い放った。

「做得好」

「上出来じゃ」

那種厚顏到近乎囂張的態度,正是泰然自若的體現。

そのふてぶてしいまでの態度はまさに泰然自若を体現していた。

看似是在虛張聲勢,實則不拘泥於局部勝敗,大膽運用兵力,最終取得勝利。

虚勢を張っているかに思われたが、局所的な勝敗に拘泥せず大胆に兵を運用し、最後には勝利を得ていた。

並非沒有怒氣或焦躁,內心的瞋恚之火反而熊熊燃燒。天性本就激烈的信長努力克制自己,強顏保持冷靜。

怒りや焦りが無い訳ではない。むしろ内心は瞋恚の炎が燃え盛っていた。元より気性の激しい信長は努めて冷静な態度を取るよう腐心していた。

處於不利時更要厚顏地笑。

不利な状況であるほど、ふてぶてしく笑う。

這就是信長的作為,旁觀者看來可能不過是虛張聲勢。

これが信長の行っている事である。傍目には単に虚勢を張っているだけに見えるだろう。

但他透過沉穩的態度,試圖操控敵我雙方的「不安」情緒。

しかし彼はどっしりと構える事によって、敵味方の『不安』という感情をコントロールしようとした。

「不安」這種情感棘手,無論有多少否定因素也難以完全抹去,細小的不安之種會萌芽並逐漸成長。

『不安』という感情は厄介で、どれだけ否定材料があろうとも完全には払拭することが出来ず、小さな不安の種が芽吹き大きく育っていく。

因此信長盡可能消除我軍的「不安」,反過來則向敵方撒播不安以及引發不安的猜疑種子。

故に信長は自軍の『不安』を可能な限り取り除き、逆に敵側には不安や不安の元となる猜疑の種をばら撒いた。

無論被逼入多大逆境,若指揮官在部下面前顯露動搖,士氣便會下降。

どれほどの逆境に追い込まれようとも、指揮官が部下の前で動揺を見せれば士気は下がってしまう。

同理,若信長將不順帶來的煩躁發洩出來,便會給屬下增添多餘的「不安」。

それと同じで信長が不調の苛立ちを当たり散らせば、それは配下に余計な『不安』を与える事になる。

因此信長塑造出「無論如何都毫不動搖的鬥將」形象,無論事情輕重、吉凶,始終以彷彿一切在預料之中的堂堂態度自處。

故に信長は『無神経なほど物事に動じない闘将』をイメージし、ことの軽重や吉報、凶報に拠らず常に想定内の事態であるかのような堂々とした態度でいる事を心掛けた。

這出乎意料地奏效,不只武將,連足輕也大受鼓舞。

これが思いのほか功を奏し、武将たちは勿論、足軽たちをも大きく勇気づけることとなる。

反之對敵方則積極採取挑起「不安」的策略。

逆に敵側には積極的に『不安』を駆り立てる策を取り入れた。

從奪下的城中剝下雜兵的甲冑,讓間諜穿上,裝成剛從城中逃出的模樣。

落とした城の雑兵から甲冑を剥ぎ取り、それを間者に着せ、いかにも城から落ち延びた風を装わせた。

起初打算就這樣讓他們回去做出煽動「不安」的報告,但信長認為光靠這樣還不夠。

当初はそのまま『不安』を煽るような報告をさせようと思ったが、それだけでは弱いと信長は考えた。

再更進一步,尋求更有效的手段。

更にもう一歩推し進め、より効果的な手段を模索する。

然後想到的是「沒有說謊,但也沒傳達真相的報告」,也就是透過故意省略提供的信息來引發誤解的報告。

そして思いついたのが『嘘はついていないが、真実も伝えていない報告』、つまりは意図的に与える情報を省略することで誤解を招く報告をすることだ。

人類容易把言語或發生的事物,按照對自己有利的方向解釋。即便那是謊言,只要報告的人能接受成為一個容易理解的說法,人們就會那樣理解。

人間というのは言葉や起こった事を、自分の都合の良い方に解釈しやすい。たとえそれが嘘だったとしても、報告を受けた人が受け取りやすいストーリーなら、そのように人は解釈する。

透過這招,間者即便不撒謊也能任意引導對方的思考。間者只是沒有說出全部,且並未說謊,因此不會被懷疑。

これによって間者は嘘をつかずとも恣意的な思考誘導が出来る。そして間者は全てを語っていないだけで、嘘をついていないため嫌疑をかけられる事もない。

例如讓間者報告「信長正向下一座城進軍」。

例えば間者に『信長は次の城を目指し進軍中』と報告させたとしよう。

乍看之下是普通的報告,但這份報告刻意把關鍵部分模糊掉。

一見して普通の報告に見える。しかしこの報告は肝心な部分がわざとボカされている。

「信長在進軍」,這是事實。不過有關隨行的將領與兵力等規模資訊則被省略了。

信長が進軍中、これは真実である。とは言え随伴する武将や兵数などの規模についての情報が省かれている。

當然沒有將領會完全相信一個士兵的報告。會去追問陣型與規模,但只要回說詳情不明,自然會派斥候去蒐集情報。然而這樣可以限制他們做決斷所需的時間(例如讓他們認為信長已接近),或者讓他們發現支持該情報的證據(例如親眼看到信長軍隊在移動),以此促使他們下定決心。

当然一兵卒の報告を鵜呑みにする武将は居ない。陣立てや規模についても問われる事となるが詳細については判らないと言えば良く、更に情報収集するため斥候を出そうとするだろう。だがこれは判断に要する時間を制限することや(例えばすぐ近くに信長は来ているなど)、その情報を裏打ちする証拠を武将たちに発見させる(例えば実際に信長の軍勢が移動しているところを見せるなど)ことで決断を促す事が出来る。

他們會誤以為此刻是千載難逢的機會,於是派軍急襲信長的後方。

彼らは今が千載一遇のチャンスと勘違いし、信長の背後を急襲しようと部隊を派遣する。

但信長率領的部隊只是以騎兵為主、重視速度的誘餌,誘出的敵軍背後則由主力急襲;當敵人動作停滯時,信長的部隊亦會反向與之夾擊。

しかし、信長が率いている軍は騎馬兵のみの速度優先の囮であり、誘き出された敵軍の背後を本隊が急襲する。そして敵の動きが止まったところを信長の部隊も反転し挟撃する。

即便發現是致命錯誤想責罵報告者,當時本人早已銷聲匿跡,只能自咒不幸。

致命的な失策に気付いて報告者を叱責しようにも、その頃には当の本人は雲隠れしており己が不運を呪うしかない。

然而間者除了要有演技與膽識,還需在事不如願時具備臨機應變的高超能力,信長認為人才確保將是今後課題。

しかし間者には演技力や胆力の他に、巧く行かなかった場合の機転など高い能力が要求されるため、人材確保が今後の課題だと信長は考えていた。

雖然還在試驗階段,信長也採用了新陣形──密集陣形,也就是所謂的長槍方陣(ファランクス)。

まだ試験段階だが、信長は新しい陣形も取り入れた。密集陣形、いわゆるファランクスだ。

但說是像地中海或馬其頓式那樣由精銳組成的陣形還言之過早。

と言っても地中海やマケドニア式のように、精鋭によって構成された陣形とは言い難い。

人數也很少,總勢約三十至四十人左右。

人数も少なく総勢で三〇人から四〇人程度だ。

並以五人為一列,最前列持有用粗糙木板做成、足以遮蔽身體的大盾,第二列以後約二十人持有信長開發的長槍,最後方配置數名持十字弓的兵士。

そして五人を一列とし、最前列が不格好な木の板で作った体を覆い隠すほどの大盾を持ち、二列目以降二〇人程度が信長の開発した長槍を手にし、最後尾にクロスボウを持った兵士を数人配置した。

組成陣形的士兵們對這初次見到的陣法感到困惑與驚訝,動作笨拙。

陣形を構成する兵士たちは、初めての陣形に戸惑いと驚きでギクシャクしていた。

或許因在戰場上感受到死亡近在眼前,幾個部隊反而展現出同命相連的連帶感,齊心攻擊。

それでも戦場で死を間近に感じたためか、幾つかの部隊は一蓮托生ゆえの連帯感を発揮し一丸となって攻撃をしていた。

最前列擋下對方的箭矢,接近的敵兵以長槍對付,從箭狹間等處的攻擊則由十字弓應對。

最前列が相手の矢を防ぎ、接近してくる敵兵には長槍が、矢狭間などからの攻撃にはクロスボウが対応する。

除非是中大型的山城,否則那些僅利用地形在山上設置柵欄、壕溝、土牆等程度的防禦設施的地方,像方陣般群體一體破開血路的戰術能取得一定效果。

中規模や大規模の山城でない限り、自然の地形を利用して山の各所に柵、堀、土塀を設けるといった程度の防御設備しかない場所には、ファランクスのように集団が一丸となって血路を開く戦術は一定の効果が得られた。

「提高密集陣形的熟練度將是今後的課題啊,可成」

「密集陣形の練度を上げる事が今後の課題だな、可成」

「是。剛才突破了最後防線,現在正在攻城,已接獲報告。」

「はっ。先ほど最終防衛を突破し、現在城攻めを行っていると報告を受けました」

「好,做得好。讓密集陣形的人退下,還有足輕也一併退。剩下由雜兵就足夠了吧。」

「よし、上出来じゃ。密集陣形の者たちを下がらせろ。それと足軽どももだ。残りは雑兵たちだけで十分じゃろう」

如其所言,山城已到了瀕臨陷落的狀態。

その言葉通り、もはや山城は陥落一歩手前状態だった。

山頂已冒出好幾縷黑煙,不知是信長一方的雜兵縱火,還是山城一方因絕望而自焚放火。

既に山頂から黒い煙が何本か上がっていた。それは信長側の雑兵が火を放ったのか、それとも山城の連中が自暴自棄になって火を放ったのかは分からない。

對此不感興趣的信長瞥了一眼煙之後,轉身背向森可成開始走去。

それに対して興味がなかった信長は煙を一瞥した後、森可成に背を向けて歩き出す。

「剩下的城也就用這個節奏攻下去吧。」

「残りの城もこの調子で落とすぞ」

「是!」

「はっ!」

森可成恭敬低頭回禮答覆,但臉頰卻滑下一縷汗水。

恭しく頭を下げて森可成は返事を返す。しかし彼は、頬に一筋の汗を流していた。

可怕的是,信長將南蠻與明國的知識吸收進自己,並付諸實行取得戰果。

怖いのだ。南蛮と明の知識を己の中に取り込み、そしてそれを実践し戦果をあげてのける信長が。

(……主君已將那些掌握,並如此實踐。雖然對靜子殿的知識感到驚訝,但或許仍敵不過主君的天賦。)

(……お館様はあれをものにし、こうして実践しておられる。静子殿の知識にも驚かされたが、やはりお館様の天稟(てんぴん)には敵わぬかもしれないな)

兵法書、彩的報告、奇妙丸的報告,以及靜子直接透露的各種逸事。

兵法書、彩からの報告、奇妙丸からの報告、その他静子から直接漏れる様々なエピソード。

信長從那些素材中取捨、整理成合理形式並付諸實行,讓森可成在無意識中生出恐懼。

それらの中から内容を取捨選択し、合理的な形にして実現させる信長に、森可成は無意識の内に恐怖を抱いた。

(就算被誣為膽小也無妨。我害怕主君。這位大人究竟會成長到何等地步呢)

(小心者と誹りを受けても構わない。私はお館様が恐ろしい。一体、この御方はどこまで大きくなられるのだろうか)

森可成望向信長的背影。

森可成は信長の背中を見る。

表面上應只是普通人的背影,然而不知為何在森可成眼中竟顯得高大而可畏,令人仰視。

見た目は普通の人間の背中にしか見えないはずなのに、どうしてだか森可成の目には見上げるほどに大きく恐ろしげに見えた。

另一方面,遠離戰場、位於寧靜農村地帶的靜子正考慮差不多該使用祕密兵器其一了。

一方、戦場から遥か遠くのどかな農村地帯にいる静子は、そろそろ秘密兵器その一を使おうと考えていた。

那是用於翻土的「はねくり備中」。

それは田起こし用に使う『はねくり備中』だ。

傳統的翻田作業使用鋤或備中,因需彎腰工作而易傷腰。

従来の田起こし作業は鍬や備中を使用し、前かがみで作業する事から腰を痛めやすい。

因此她想到使用可以站著作業的はねくり備中,以提高作業效率並減輕腰部負擔。

そこで立って作業が出来るはねくり備中を用いることにより作業効率向上と、腰への負担を少なくしようと考えた。

利用槓桿原理翻土,所以不需要太大的力氣。

テコの原理を利用して土起こしをするので、力もそこまで必要としない。

在大正時代開發,從昭和初期到昭和四十年代,說到犁田就指用「はねくり備中」來耕田。

大正時代に開発され昭和初期から昭和四十年代まで、田起こしといえばはねくり備中を使って田んぼを耕す事、という意味だった。

當然沒餘裕讓每人一把,但能生產出每村約三十把可以分發。

さすがに一人一つ渡せられる余裕はないが、各村に三〇個ほど配布出来る数は生産出来た。

「農業還好,能靠別人幫忙……但戶籍那頭才是問題。從零做起的工作量真是龐大啊」

「農業は他の人たちに頼れるからいいけど……戸籍の方が問題なのよねぇ。やっぱ一から作るのって、膨大な作業量だなぁ」

戶籍還在整理中。畢竟要製作戶籍,首先得先建立地址。

戸籍の方は未だ整理中だった。何しろ戸籍を作るには、まず住所を作る必要があったからだ。

而且問題不僅是地址。夫妻雙方對家族構成不清楚的情況也很成問題。

そして問題は住所だけではない。家族構成を夫と妻が把握していないという状態も問題だった。

在戰國時代,士兵從戰場回來後發現孩子變多了之類的事,很是常見。

戦国時代、戦から帰ってきたら子供が増えていた、などは日常茶飯事だった。

男方通常不以為意,反而會為自己多了孩子而高興。

だが男の方は特に何も思わず、むしろ我が子が増えたことを喜ぶ程度だった。

當然並非所有事情都能圓滿,有人會懷疑妻子不忠並質問她。

無論、全てが丸く収まる訳ではなく妻の不貞を疑い問い詰める者も居た。

但大多數人對於家人增加並不在意。

だが大部分は家族が増えても気にしなかった。

這種模糊的想法在守護重要軍需據點時會產生不便,會允許他國的間諜,也就是間者介入。

そのような曖昧な考え方は重要軍需拠点を守る上で不都合が生じる。他国のスパイ、つまり間者の介入を許してしまうのだ。

若丈夫因戰事外出,妻子與間者通姦、洩漏祕密,將是大問題。

夫が戦などで留守中の時、妻が間者と不貞をし、秘密を漏らすなどをすれば大問題だ。

那種事就算是靜子也不能容忍。整備戶籍也是對付間者的手段之一,但僅僅製作戶籍並沒有意義。

そればかりは、いくら静子でも許すわけにはいかなかった。戸籍の整備も間者対策の一つだが、作成するだけでは意味を為さない。

必須儘量限制與外界接觸,直到靜子的農業技術在信長的親信間「廣為人知」為止。

静子の持つ農業技術が信長の子飼いに『知れ渡る』状態まで、極力外部との接触を限定する必要がある。

總有一天其他國家也會知道靜子的農業技術,並為了增加產量而採用它。

いずれ静子の農業技術は他国も知る事となり、生産量増加の為に取り入れるだろう。

屆時若只有靜子一人掌握這項技術,會有各種不便。

その時、静子一人が技術を握っている状態では色々と不都合がある。

若他國得知靜子是該農業技術的核心,他們為了削弱織田家的勢力,肯定會謀劃暗殺靜子。

農業技術の中核をなすのが静子であると他国が知れば、彼らは織田家の勢力を削ぐため静子の暗殺を謀るのは確実だ。

當然想要避免被那些莫名其妙的人單方面盯上而遭到暗殺。

流石に良く分からない連中から、一方的に狙われて殺されるのは避けたかった。

因此有必要把「只有靜子知道」的狀態,轉變為下一階段的「不特定多數的農民都知道」的狀態。

その為に『静子一人が知っている』状態から、次のステップである『不特定多数の百姓が知っている』状態に移行する必要がある。

一旦達到那種狀態,暗殺靜子一人也不會有太大效果。為了自保,她才需要勤勞地把技術傳授出去。

その状態になれば、静子一人を暗殺しても大した効果はない。なので自分の身を守るためにも、彼女はせっせと技術を周りに広める必要があった。

但她為了自保所做的事,其實接近一種被稱為「底上げ」的富國政策。

だが彼女が自分の身を守るためにやっている事は、実は『底上げ』という富国政策に近かった。

農業技術從靜子的村落為起點呈扇形擴散,最終傳遍織田領內所有的農民。

農業技術は静子の村を起点に扇状に広まり、やがて織田領土の百姓全てに知れ渡る。

那樣一來,織田的領地將成為一個擁有高收成、連戰國時代都難以想像的國家。

そうなったら織田領土は戦国時代とは思えぬほど高い収穫量を誇る国になる。

「底上げ」最可怕之處在於,就算摧毀了起點之地,也已經無法挽回。

『底上げ』の最も恐ろしいのは、起点となった場所を潰そうが、もはやどうにもならない所だ。

若知識已在領內傳開,即便攻擊靜子的村,也不會使織田領整體的產量下降。

既に領土内に広まった状態で静子の村を攻めても、それで織田領総ての生産量が落ちるわけではない。

要徹底根除已紮根的知識,必須將領民一個不留地屠戮殆盡,並毀滅所有記錄。

一度根付いた知識を根絶するには、領民を一人残らず皆殺しにし、全ての記録を破壊する必要がある。

而要做到那點,就得滅掉織田家,這就產生了個矛盾:以削弱戰力為前提反過來又需要織田家的滅亡。

そしてそれを成すためには織田家を滅ぼす必要があり、戦力を削ぐ前提として織田家の壊滅が必要という矛盾が発生することになる。

「唉,哀嘆也沒用。比起這個,有沒有除了早馬以外的傳令方式呢?」

「ま、嘆いても仕方ないか。それより伝令の方法って、早馬以外にないかなぁ」

一天之內多次使用早馬的人力,成本實在太高。

早馬の人を一日に何度も使うのは、流石にコストが掛かりすぎる。

靜子在想,有沒有更簡便的方法可以傳遞資訊。

もっと手軽な方法で情報の伝達をやり取りできないか、と静子は考えた。

「欸——靜子——我來玩了——……哇!嚇一跳……」

「おーい、静子ー、遊びに来たぞー……ってわぁ! びっくりしたぁ……」

她雙手抱臂思考時,玄關傳來奇妙丸的聲音。

腕を組んで考えていると、玄関から奇妙丸の声が飛んできた。

聲音後半夾雜著驚叫聲,靜子心想出事了,便快步朝玄關走去。

途中から悲鳴交じりになったので、静子は何事かと思い早足で玄関に向かう。

「怎麼了?」

「どうしたのー?」

一邊說著這句,探頭一看,凱澤與克尼希正繞著奇妙丸團團轉。

そう言いながら玄関を覗くと、カイザーとケーニッヒが奇妙丸の周りをぐるぐる回っていた。

但當牠們注意到靜子時,兩隻就把還在驚訝的奇妙丸放在一邊,尾巴搖著跑向靜子。

しかし静子に気付くと二匹は驚く奇妙丸を放置して尻尾を振りながら静子に駆け寄る。

兩隻在靜子面前放低身子,像掃地般地大幅搖動尾巴。

二匹とも静子の前で腰を落とし、床を掃くようにしっぽを大きく振った。

這是對群體中的優勢者表示最大程度的愛與敬意的動作。用言語來說就是「請儘管吩咐我任何事!」

これは群れの優位者に対して、最大限の愛情と敬意を表すときに出る動きだ。言葉にすれば「何でもお申し付け下さい!」である。

靜子明白了這一點,想到自己最近忙碌,沒能多陪伴維特曼他們。

その事を理解した静子は、そういえば最近忙しさでヴィットマンたちに余り構ってあげられていない事を思い出す。

大概是那種「寂寞想被理、想被玩」的感覺。這樣會讓維特曼他們積累壓力,對身心都不好。

おそらく「寂しいから構って構って」という感じなのだろう。これではヴィットマンたちにストレスが溜まり、体にも心にも良くない。

「好啦,反正明天也能做,今天工作就到此為止。凱澤,把那個拿來。」

「よーし、どうせ明日でも出来るし、今日は仕事止め止め。カイザー、あれを持ってきて」

靜子在凱澤面前做了個動作。凱澤一看就懂,立刻站起來去拿那個。

静子はカイザーの前でとある動作をする。それが何か理解したカイザーは、すぐに立ち上がってそれを取りに向かった。

看見後,靜子吹了常用的犬哨,裡面是「全員集合」的指令。維特曼等似乎等不及,立刻聚了過來。

それを見届けた後、静子はよく使ってる犬笛を吹いた。内容は『全員集合』である。待ってました、と言わんばかりにヴィットマンたちはすぐに集まった。

大家一看到靜子就舔嘴、示意「好喜歡」。像是在向因為忙碌沒能陪伴他們而道歉,靜子有些誇張地撫摸著他們的身體。

皆、静子を見るやいなや口を舐めて『大好き』アピールをする。色々と仕事が溜まり構ってあげられなかった事を詫びるかのように、静子は少し大げさに彼らの体を撫でた。

大家聚齊後,凱澤嘴裡叼著被拜託去取的東西回來了。

皆が集まった所でカイザーが頼まれたものを口に咥えて戻ってきた。

那是一個圓盤狀的東西,類似俗稱的飛盤。

それは円盤状の形、いわゆるフリスビーに近いものだった。

她接過後對仍然一臉茫然的奇妙丸說道。

彼女はそれを受け取ると、未だに呆然としている奇妙丸に向かってこう言った。

「接下來要跟凱澤他們玩,你——茶丸君也要一起嗎?」

「これからカイザーたちと遊ぶけど、茶丸君も付き合う?」

雖然有些退縮,但出於想看奇景的好奇,奇妙丸小小點了點頭。

若干腰が引けたが、怖いもの見たさで奇妙丸は小さく頷いた。

信長在本陣備(そなえ)處小歇片刻。

信長は本陣備(そなえ)で小休止を取っていた。

目前攻打的城池已近於陷落。接著,來自下一個預定攻城之地的使者帶來投降的消息。

現在攻めている城は既に陥落手前。そして、この次に攻めようと予定していた城から軍門に下るとの使いがきた。

信長的陣營幾乎沒有重大兵力損失,可以說是相當順利。

信長の陣営は大した兵の損害がなく、順調と言っても過言ではない状態だ。

然而只要不攻下斎藤龍興駐守的稲葉山城,他就無法鬆懈。

しかし斎藤龍興のいる稲葉山城を落とさない限り、彼は気を緩める事が出来ない。

為此,他在把玩作為祕密武器之一的弩(crossbow)。

その為の秘密兵器その一であるクロスボウを、信長は弄っていた。

「可成,覺得這把弩如何?」

「可成、このくろすぼうをどう思う?」

信長向在旁侍立的森可成問道。他思考片刻,然後對信長說。

信長は傍に控えている森可成に質問する。彼は少しだけ考え、そして信長に向かってこう言った。

「威力很高。不過拉弦需要工具,那一瞬間會變得漏洞百出。」

「威力高し。されど弦を引くのに道具がいる為、その時が隙だらけになるかと」

「嗯,果然拉弦的時候是問題所在嗎。」

「ふむ、やはり弦を引く時が問題か」

本來就從靜子那裡得知過『拉弦時間太長』的警告。

元より信長は、静子からも『弦を引く時間が長い』との警告は受けていた。

為了確認那究竟影響多大,他實驗性地將其導入戰場。

それがどれほどのものか確実にするため、彼は実験的に戦へ導入したのだ。

結果如靜子的警告一般。信長在腦中比較火繩槍、和弓與弩。

結果は静子の警告通りだった。信長は火縄銃、和弓、そしてクロスボウを頭の中で比較する。

有效射程最長的是和弓,其次是弩,最後是火繩槍。

有効射程距離が一番長いのは和弓、次にクロスボウ、最後に火縄銃。

連射能力亦為和弓、其次弩、最後火繩槍。

連射能力も和弓、次にクロスボウ、最後に火縄銃。

製造成本弩壓倒性地最便宜,其次為和弓,最後是火繩槍。

製造コストは圧倒的にクロスボウが安く、次に和弓、最後に火縄銃。

威力方面火繩槍壓倒性地最強,其次和弓,最後弩。

威力は火縄銃が圧倒的で、次に和弓、最後にクロスボウ。

維護費用因需耗用黑色火藥的火繩槍最高,其次和弓,最後弩。

維持費は黒色火薬を消費する火縄銃が圧倒的に高く、次に和弓、最後にクロスボウ。

「……可成,我突然想到。這把弩……在放置箭矢的地方,能不能放上別的東西呢?」

「……可成、ふと思ったのだがな。このくろすぼう……矢を乗せる所に、別のものを乗せる事が可能と思えぬか?」

弩有個木製的托座,箭矢放在上面發射。

クロスボウには木でできた台座があり、そこに矢を乗せて発射するように出来ている。

因為有弦受,必然存在一定程度的平坦面,信長便思索是否能在上面放置箭矢以外的東西。

弦受けもあるため、必然的にある程度の平坦な部分があった。信長はその上に矢以外の何かが乗せられないかと考えたのだ。

「哈,確實好像可以放別的東西……但可放的東西似乎相當受限。」

「はっ、確かに別のものを乗せられそうですが……乗せられるものがかなり限定されそうです」

「無妨。只要能讓他(斎藤龍興)嚇得腿軟就好。還有這拉弦的器具,能否用別的東西代替?」

「構わぬ。奴(斎藤龍興)の腰を抜かすような事が出来れば良い。それとこの弦を引く機材、これも別の何かで代用出来ぬだろうか」

說著,信長用器具拉起弦來。雖然只有此時需用力,但那時間令人焦急。

言いながら信長は機材を使って弦を引く。力を使うのがこの時だけとはいえ、もどかしい時間だ。

若成亂戰,這段時間就是生死攸關;但若放鬆弦則威力下降。信長思索有無方法在不降低威力下縮短拉弦時間。

乱戦になればこの時間は死活問題。しかし弦を緩めれば威力が下がる。威力を下げず、かつ弦を引く時間を短くする方法はないか信長は考える。

(應該有什麼方法的。與其集結十個能射三十三間的熟練弓手,不如準備一百把克服此弩缺點的兵器來得容易得多。)

(何かしら方法があるはずだ。矢を三十三間飛ばす熟練者を一〇人集めるより、このくろすぼうの欠点を克服したものを一〇〇人分用意する方が遥かに容易い)

想著這些看著弩,答案果然沒有輕易出現。

そんな事を考えつつクロスボウを見るが、やはり答えが容易く出る事はなかった。