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戦国小町苦労譚

一五六六年 六月上旬

群盜看到眼前同伴消失,慌亂不已。

目の前で仲間の姿が消えた事に、野盗たちは酷く狼狽した。

正緊張地東張西望的一名盜賊,看到了同伴消失的緣由。

せわしなくあちこちを見回していた野盗の一人は、仲間が消えた原因を目にする。

「嗚——!」

「ヒィィ!」

「怎麼了……這、這是什麼!這傢伙是什麼怪物!」

「どうした……な、なんだ! この化け物は!」

聽到男子的尖叫,盜賊們齊刷刷把視線投向那邊。

男の悲鳴に反応して、野盗たちは一斉に視線をそちらへ向ける。

如同最先反應的那個人一樣,被恐懼吞噬。

そして最初に反応した男と同様に恐怖に呑まれた。

儘管因疼痛皺起眉頭,靜子仍轉頭朝盜賊們看向的方向。

痛みに顔をしかめながらも、静子は野盗が見ている方向へ顔を向けた。

那裡有一隻可說是巨大的、頭身長近一四〇公分的狼。

そこには巨躯とも言えるほど大型の、頭胴長で一四〇センチ近くあるオオカミがいた。

在狼旁倒著的是先前站在靜子面前的盜賊。

そしてオオカミの近くに、静子の前にいた野盗が倒れていた。

他的脖子被扭向不自然的方向,鮮血狂流。

首をあらぬ方向に捻じ曲げられ激しく出血していた。

從側面咬住那人的脖子,以極強的咬合力輕易地折斷了他的頸骨。

横合いから男の首を噛み、その咬筋力でいとも容易く首をへし折った。

狼的咬肌力量高達一八〇公斤,足以輕易咬碎營養不良的那個時代人類的骨頭。

オオカミの咬筋力は一八〇キロもあるため、栄養が足りないこの時代の人間の骨など軽く噛み砕けるのだろう。

即使看著那頭宛如怪物的狼,靜子卻奇異地沒有感到恐懼。

そんな化け物以外の何者でもないオオカミを見ても、静子は不思議と恐怖を抱かなかった。

她知道那頭狼的名字。

彼女はそのオオカミの名を知っている。

「……維特曼?」

「……ヴィットマン?」

她直覺那就是曾在自己身邊的那隻狼。

それが自分の所にいたオオカミだと直感した。

雖無確證,但她仍忍不住如此認為。

確証などなかったが、それでも彼女はそう思わずにはいられなかった。

那頭狼彷彿回應她似的,低吼了一聲。

そしてそれに答えるように、オオカミは一度吠えた。

盜賊們聽見後把手中武器掉落在地。

それを聞いた野盗たちは手に持っていた武器を地面に落とした。

當時的人類身高甚至不到一五〇公分。

当時の人間は一五〇センチも身長がない。

就算是營養較好的武將,能有一六〇公分已算不錯。

比較的栄養状態の良い武将ですら、一六〇センチもあれば御の字だ。

若出現一隻肩高接近八〇公分的狼,單是這樣就足以讓人預感死亡。

そこへ肩までの体高が八〇センチ近いオオカミが出てくれば、それだけで死を予感する。

更何況四周被黑暗籠罩,幾乎看不見;要在夜視能力強的狼面前取勝幾乎不可能。

更に辺りは闇に閉ざされ視界など無いに等しい。夜目が利くオオカミ相手に勝つのは至難の業だ。

對陷入恐慌的盜賊們,狼大聲吠叫。

恐慌状態に陥った野盗たちへ、オオカミは大きく吠える。

隨著從另一方向傳來撥開灌木的聲音,另一隻狼現身了。

すると別の方向から、茂みを掻き分ける音と共に別のオオカミが姿を現した。

比第一隻略小一圈,但仍然具有相當驚人的體型。

最初のオオカミより一回り小さいが、それでも十分驚異的なサイズだ。

顯著的特徵是,那隻狼額頭上有如叉號的傷痕。

目立つ特徴として、そのオオカミは額にバツ印のような傷跡があった。

「嗚、嗚——!」

「ヒ、ヒィィー!」

第二隻出現後,陷入走投無路的盜賊們像蜘蛛崽被驚散般四散逃竄。

二匹目が出てきた事で、進退窮まった野盗たちは蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。

狼並未追趕,那些逃跑的盜賊在牠眼中根本不值得追逐。

オオカミは追わなかった。逃げる野盗たちなど、追う価値がないものにしか見えなかった。

到底誰是勝者,光憑這點便一目了然。

どちらが勝者か、それだけで簡単に分かった。

「歡迎回來,維特曼」

「お帰り、ヴィットマン」

似乎回應著靜子的低語,維特曼輕輕地吠了一聲。

そう呟いた静子の声に答えるように、ヴィットマンは小さく吠えた。

當然,維特曼和他的雌狼進入村子時引起了大騷動。

当然ながらヴィットマンとその妻の狼が村に入った時は大騒ぎになった。

兩隻體型驚人的狼闖進村子,對外人來說肯定會引發恐慌。

驚異的なサイズのオオカミが二匹も村に入ってくれば、知らない人間からすればパニックものだ。

要他們不驚恐幾乎是不可能的要求。

驚くなという方が無理な注文である。

然而驚恐的主要是新來的定居者,原本的村民則只是覺得「村長又做了什麼事」而已。

しかし驚いていたのはもっぱら入植者たちだけで、元からいた村人たちは「また村長が何かした」程度にしか思っていなかった。

或許是被靜子鍛鍊了一年,他們幾乎麻木到對事情毫不動容。

一年間静子に鍛えられたお陰か、彼らはまさに無神経なほど物事に動じなかった。

天色已暗變成夜,但實在無法再忽視定居者的不安,必須對維特曼進行說明。

日もくれ夜になっていたが、流石に入植者の不安を無視する事は出来ず、ヴィットマンについて説明する必要が出てきた。

經過一小時的說明後,定居者們終於稍微接受了,但並沒有完全消除心中的不安。

一時間の説明を終えた後、ようやく納得してくれた入植者たちだが、かと言って完全に不安が払拭されたわけでもなかった。

(暫時忍耐一下吧)

(暫くは我慢するか)

期待所有人一次就接受一切,簡直是無理的奢求,近乎妄想的樂觀推測。

全員が全てを一度で受け入れてくれる事など、ないものねだりで妄想に近い希望的観測だ。

除了靠時間解決別無他法。她理解了這點,覺得再煩惱也無濟於事。

時間が解決する以外に方法はない。そう理解した彼女は、くよくよしても仕方ないと思った。

然而在靜子不知情之處,入植者們改變了對她的評價。

しかし静子の知らない所で、入植者たちは彼女に対する評価を改めていた。

過去他們只覺得她是個靠不住的少女,但看見她帶著兩隻狼出現後,開始想『她其實是大人物?』。

今までは頼りない少女にしか見えなかったが、オオカミ二匹を従えている姿を見て『実は彼女は大物か?』と思い始めた。

因為失敗了無論如何都會被斬首,決定把最後機會託付給她的入植者們,開始與以往不同地振作起來。

失敗すればどのみち斬首なので、彼女に最後のチャンスを託そうと思った入植者たちは、今までと違ってやる気を出すようになった。

就在入植者們想法改變不久之後。

そんな入植者たちの考えが変わって少しした頃。

催芽(發芽)完成、種籾備齊,進入下一道工序——播種作業。

催芽(発芽)を終え種まき準備完了となった種籾が揃ったので、次の工程である播種作業を行った。

使用二月下旬準備好的土地,將種籾均勻地排列在上面。

これは二月下旬で準備していた土地を使う。そこへ種籾を均一に並べていく。

這裡育成的秧苗日後會移植到真正的田地。

ここで育てた苗を後で本来の田んぼへ植える予定だ。

入植者們仍帶著疑惑的表情,但與以往不同的是,他們乖乖服從靜子的命令。

やはり入植者たちは不思議そうな面持ちだったが、今までと違って素直に静子の命令に従った。

在秧苗長大的期間會有一些空檔時間。

苗が育つまで少し時間が出来る。

為了不浪費這段時間,便開始著手準備要用來插秧的田地。

その間を無駄にしない為にも、田植えを行うための田んぼの準備に取り掛かった。

先進行淺耕的翻土作業。翻土後注水再施行初步耙作,初步耙作後放置數日再做最後的整地耙作。

まず浅く耕す荒起こし作業。荒起こし後、水を入れて行う荒代かき。荒代かき後、数日置いてから仕上げの植代かき。

當那些工序結束時,秧苗已長到足夠的大小。

それらの工程が終わった頃、苗は充分な大きさに育っていた。

下一道工序是使用米糠和秧苗,進行最重要的插秧。

次の工程は米糠と苗を使って、一番大事な田植えを行う事だ。

這是關鍵時刻,插秧是否仔細將大幅影響收成。

ここが正念場であり、田植えを入念に行うか、否かで収穫量が大きく左右される。

若因為對秧苗過於放心而偷工減料,導致收成僅有鳳毛麟角,便得不償失。

苗に安心して手を抜いた為に収穫量が雀の涙程度、などとなっては元も子もない。

至於在現代已成定式的插秧技術,村裡沒有人知道這些方法,這是理所當然的。

苗を植える上で現代では定石となっている手法について、当然ながら村人たちの誰もが知らない。

靜子在此採用稱為正條植的方法,即將稻秧按縱橫行列齊整地植入。

ここで静子は正条植と呼ばれる、稲の苗を縦と横の筋をそろえて植える方法を使う。

當時並不採用此種植法,而用被稱為「亂雜栽植」的方法,收成始終不佳,嚴重時甚至完全長不成。

当時はこの植え方にせず「乱雑植え」と呼ばれる方法で植えていたため、収穫量は常に悪く、酷い時には全く育たない時もあった。

僅僅把亂雜栽植改成正條植,收量便能顯著提升。

だが乱雑植えを正条植に変えるだけで収穫量は格段に上がる。

其原因在於能充分受陽光照射、空氣流通更佳,且較易去除雜草與害蟲。

その理由は日が十分にあたり、空気が通りやすくなり、雑草や害虫を取り除きやすいというメリットがあるからだ。

此外,技術上這是在明治三十年代後半實施的,可說是提前約兩百年的技術。

なお、技術的には明治三〇年代後半の頃に実施されたので、約200年ほど時代を先取りした技術と言える。

但其效果極為顯著,自此之後正條植成為米作栽培的基本、幾可稱為常識的種植方式。

だがその効果は絶大で、それ以降正条植は米栽培の基本とも言えるほど常識的な植え方となった。

然而好處之外,自然也存在缺點。

しかしメリットだけではなく、当然ながらデメリットも存在する。

首先,在戰國時代並無插秧機械,但要做正條植必須精準地對齊縱橫行列。

まず戦国時代に苗植えの機械は存在しない。しかし正条植をするには、正確に縦横を合わせて行う必要がある。

對此問題靜子提出的解法是使用名為「枠まわし」的工具,事先確定要植秧的點。

この問題に対して静子が出した解決策は、「枠まわし」という道具を使って、植えるポイントを予め確定しておく事だ。

顧名思義,滾動「枠まわし」會在田裡留下可以植秧的點。

読んで字の如し、「枠まわし」を転がすと苗を植えるポイントが田んぼに出来る。

但若在田裡直接轉動「枠まわし」,水會被混濁的泥弄髒,雖然作出點但還得去找,反而不便。

だが田んぼの中で直接「枠まわし」を回せば、水が泥によって汚れてしまい、折角ポイントを作っても探す必要が出てくる。

為了解決這問題,她準備了一條能從田邊伸到另一邊的長繩。

その問題を解消するため、彼女は田んぼの端から端まで伸ばせる長い縄を用意した。

然後用「枠まわし」決定植秧點,並在該位置與繩子重疊處綁上稻草作記號。

そして「枠まわし」で植えるポイントを決定し、その場所と縄が重なった所へ藁を結びつける。

如此一來,只要憑稻草作為目標,就能在水中不用摸索也知道該植哪裡。

こうする事で、藁を目印にすれば水の中を探らなくても植えるべき場所が分かる仕組みだ。

但即便植完秧,還沒結束,還需要撒布米糠。

だが苗を植え終えても、それで終わりではない。米ヌカを散布する必要がある。

撒布米糠的理由有三項。

米ヌカを散布する理由は三つある。

其一是分解發酵過程產生的有機酸能抑制雜草的發芽與生根。

一つ目は分解発酵過程で生じる有機酸によって雑草の発芽発根を抑制する事。

其二是促進微生物的繁殖。

二つ目は微生物が増殖する事。

其三是因微生物繁殖而能為稻作提供養分。以上三點。

三つ目は微生物が増殖する事で稲への養分供給が行える事。この三つだ。

插秧結束後,剩下的就是撒布放線有機和除草作業。

田植えが終われば後は放線有機の散布と、除草作業だけになる。

放線有機是指將土、米糠、鹿內臟、雞內臟、骨粉、腐肉、腐爛蔬菜、雞羽軸與有效微生物混合發酵而成的肥料。

放線有機とは土、米ヌカ、鹿の内臓、鶏の内臓、骨粉、腐った肉、腐った野菜、鶏の羽軸と有効微生物を混ぜて作った発酵肥料だ。

這樣可以讓土壤中的微生物更容易活動。作為天然的緩效肥料,最適合用作水稻的基肥。

これによって土中の微生物が働きやすくなる。天然の緩効性肥料として水稲元肥用として最適な肥料だ。

但因為要視稻苗情況適時施用,究竟用多少、撒多少次要看田地而定。

ただし適時稲の様子を見ての散布になるので、どれぐらい使用し、何度散布するかは田んぼ次第だ。

不過肥料只會依經驗零星施用,仍算是比較好的做法。

だが肥料は経験に基づいて散発的に行うのみであり、まだマシと言える。

在插秧之後最費力的就是除草作業,而且雖然勞動強度高,成果卻不容易看見。

田植えの次に労力を要するのは除草作業だ。しかも過酷な労働を強いられる割に、成果が目に見えにくい。

於是靜子決定使用一種回轉式田間拔草機,將器具在秧與秧之間滾動,把田裡長出的雜草連根拔起。

そこで静子は回転式田草取り機という、稲と稲の間を転がして、田んぼの中に生えている雑草を根こそぎ引っこ抜く道具を使う事にした。

當然這種工具在戰國時代並不存在,所以靜子與村裡的技術人員討論後才造出來。

当然ながら戦国時代には存在しない道具なので、静子は村の技術者たちと話し合って作り上げた。

回轉式田草拔除機的原型是在明治時代出現,到大正初期便廣為使用。

回転式田草取り機の原型は明治に作られ、大正の初め頃には広く使われるようになった。

一天大約可處理20公畝左右,能在稻株間咯咯滾動進行中耕除草,是相當優秀的器具。

一日二〇アールほどの作業能率で、稲株の間をガラガラころがしながら中耕除草を行える優れものだ。

所謂中耕,是為了促進作物生長,在生長過程中將表土淺耕。

中耕とは作物の育ちをよくするため、発育の途中で表土を浅く耕す事だ。

這樣土壤會被攪拌疏鬆,氧氣得以送入根部,促進呼吸與發根。

これにより土が撹拌されほぐされるので、根に酸素が送り込まれ呼吸や発根が促される。

也會促進肥料的吸收,還能讓土壤中的有害氣體(硫化氫、甲烷等)逸出,防除雜草。

また肥料の吸収も促進されるのだ。更に土中にある有害ガス(硫化水素、メタンガスなど)が抜け、雑草を防除出来る。

可以說插秧結束後,直到收穫前,中耕除草就是主要工作。

言ってしまえば田植えが終わった後は、収穫までこの中耕除草がメイン作業となる。

而且在稻作中,它是最辛苦的工作之一。

そして稲作作業では過酷な作業の一つなのだ。

因為為了提升效率需要這種工具,靜子不妥協,做出能提高效率的東西。

能率を上げるためには必要な道具なので静子は妥協せず、効率が上がるものを作り上げた。

中耕除草第一次是在插秧後一週到十天、苗穩定生根後進行。

中耕除草は田植えの一週間から一〇日後、苗が活着したら行うのが一回目。

之後每隔十天再進行兩次中耕除草。次數雖少,但每次的作業相當辛苦。

その後、一〇日ごとに二回中耕除草を行う。数は少ないが、その分一回の作業が過酷だ。

在那個只剩下中耕除草的六月某日,

そんな中耕除草だけを残した六月のある日の事。

ヴィットマン帶來的母狼(靜子取名為バルティ)生下了五隻幼崽。

ヴィットマンが連れてきたメスのオオカミ(静子名バルティ)が、五匹の子供を産んだ。

那是村子首度誕生新生命的日子。

村に初めて新たな生命が誕生した日だ。

「好可愛—」

「可愛いー」

看到睜開眼的幼狼們,靜子露出溫暖的笑容。

目が開いたオオカミの子たちを見て、静子はほっこりした笑顔を浮かべた。

果然若去撫摸或在近處盯著看,バルティ會生氣,所以她保持了一定距離。

流石に撫でたり、間近でじっと見ているとバルティが怒るので、結構距離をあけていたが。

牠們要到一週到兩週後才能到處走動,但看著東張西望的幼狼,自然讓人笑容浮現。

動き回れるのは後一週間から二週間後だが、それでもキョロキョロと辺りを見回すオオカミの子供に自然と顔が緩む。

「好可愛—」

「可愛いー」

靜子很期待一週後的樣子,但有個存在並不覺得有趣。

一週間後が楽しみな静子だった。しかしそれを面白くないと思う存在がいた。

那就是ヴィットマン。他與靜子相處近一年,受到她全部的愛,自然對愛轉向小狼感到不滿。

ヴィットマンだ。彼は一年近く静子と一緒にいて、愛情を一身に受けていたので、当然ながら子供へ愛情が向くのは面白くない。

他會用身體磨過來或舔她嘴邊表現喜愛,但似乎無法讓愛完全只向自己。

自分の体を摺り寄せたり口元を舐めて大好きアピールしたりした。しかし完全に自分だけに向けるのは叶わなかったようだ。

平時會發出獸吼的ヴィットマン,此刻卻發出像小犬般的聲音。

普段は獣の声を上げるヴィットマンだが、この時ばかりは子犬のような声をあげていた。

「好啦好啦,ヴィットマン也很可愛喔—」

「はいはい、ヴィットマンも可愛いよー」

為了回應ヴィットマン的示愛,靜子有些過度地撫摸他的頭,並這麼說。

ヴィットマンの大好きアピールに答えるように、静子は過剰気味に頭を撫でながらそう言った。

僅此而已ヴィットマン就搖起尾巴,但說實話他體型很大。

それだけで尻尾をぶんぶん振るヴィットマンだが、いかんせん彼はサイズが大きい。

被搖動那長達數十公分的尾巴掃到,光是那一下就會變成輕微的凶器。

何十センチもある尻尾を振り回されれば、それだけで軽い凶器へと変貌するのだ。

「哇哇! 我知道你很開心了,冷靜一下—!」

「わわっ! 嬉しい気持ちは分かったから落ち着こうー!」

果不其然,周圍的東西被牠掃倒一片。

案の定、周りの物をなぎ倒してしまう始末だ。

被靜子責備的ヴィットマン發出悲傷的聲音,而聽到那聲音的バルティ則發出像在笑的聲音。

そして静子に叱られたヴィットマンが悲しそうな声を上げて、それを聞いたバルティが笑うような声を上げた。

六月結束,季節來到七月。

六月が終わり季節は七月。

起初對回轉式田草拔除機感到不習慣的村民們,到了後半段已經熟練,一天就能完成作業。

当初は回転式田草取り機に戸惑っていた村人たちも、後半になれば慣れたもので一日程度で作業を終わらせていた。

進入七月後,除草作業也差不多結束,剩下的工作大多是害蟲防治。

七月に入れば除草作業もほぼ終わりを迎える。残りの作業は殆ど害虫対策になる。

畢竟田裡整齊排列著長得很茂盛的稻株,村裡的人都說「從未見過這麼多稻穗排列在一起的景象」。

何しろ田んぼには立派に育った稲がところ狭しと並んでいるのだ。村人たちの誰もが「これほど多くの稲穂が並んでいる所を見たことがない」と漏らしたほどだ。

可以預見到未來將能大量收穫。

さぞかし大量に収穫出来るであろう未来が予測できた。

除了害蟲對策之外,還有其他要做的事。

害虫対策以外にもやる事はある。

首先挖設稱為溝切り的排水溝,間隔約二到三公尺。

まず溝切りという二メートルから三メートル間隔で排水の為の溝をつけていく。

這樣可以讓收穫前的水分管理更容易,是不能偷懶的工作。

これによって収穫までの水管理もやり易くなるので、手を抜く事の出来ない作業だ。

據說插秧後三十五天分蘖(ぶんげつ)數會達到最高,因此也必須進行稱為中干し或土用干し的土壤乾燥作業。

田植え後三十五日で分蘖(ぶんげつ)数が最高になると言われているので、中干し、土用干し、と呼ばれる土を乾燥させる作業も行わなければならない。

利用排水溝將田地的水先排乾一次。

排水のための溝を使い田んぼから一度水を抜く。

進行土用干し的理由是抑制過多與無效的分蘖,向土壤供給氧氣,並將微生物的遺體當作肥料成分。

土用干しを行う理由は、過剰となる分蘖、無効分蘖を抑え、土壌中に酸素を供給し、微生物の死骸を肥料分とする。

同時使土壤變得結實以防止稻倒,造成地裂以形成好氧環境,阻止因腐敗而發酵並防止沼氣(甲烷)生成。

また土壌を固めて稲が倒れる事を防ぎ、地割れを起こさせて好気的な環境を作り、腐敗による発酵を止めてメタンガスの発生を防ぐ。

此外,地裂會刺激稻根,使其從地表型轉變為地中型。

更に地割れで稲の根に刺激を与え、根を地表型から地中型に切り替えさせる。

可以期待這些效果。

そのような効果が期待できる。

(減少氮肥,必然能防止椿象類的發生呢)

(窒素を減らせば、必然的にカメムシ類も防げるしねー)

說到稻作害蟲,椿象首當其衝,但不使用農藥反而不易發生椿象。

稲の害虫といえばカメムシが筆頭に上がるが、農薬を使わなければカメムシは発生しにくい。

據說吸收過多氮素的稻株對椿象來說是美味佳餚。

それは窒素を吸収した稲が、カメムシにとってご馳走になると言われているからだ。

但在戰國時代根本沒有農藥可得,當然只能進行無農藥且有機的栽培。

だが戦国時代に農薬など手に入るはずもなく、当然ながら無農薬かつ有機栽培をする以外にない。

因此,椿象的天敵會在田裡定居下來。

その関係でカメムシの天敵が田んぼに住み着いたりするのだ。

(說不定其實不用花太多心力做害蟲對策?)

(意外と害虫対策はしなくてもいいかも?)

即使對稻作有害的生物住進來了,捕食它們的天敵也會同樣定居。

稲にとって害虫になる生物が住み着いても、それを餌とする天敵が同じように住み着く。

當然,除去雜草是最重要的害蟲對策,這不用多說。

勿論、雑草を除去するのが何よりの害虫対策なのは言うまでもない。

不只田裡,畦邊的草也徹底地剷除。

田んぼの中は勿論、畦草刈りも徹底的に行なった。

並將清除的雜草當作腐植土的材料。

そして除去した雑草を腐葉土の材料とする。

在田裡形成了乾淨的循環,能將一切充分利用而不浪費。

田んぼの中で綺麗なサイクルが出来上がり、全てを無駄なく使えた。

然後在以除草為主的八月某日,向來按兵不動的信長終於行動了。

そして収穫まで除草がメインとなった八月のある日、今まで動かなかった信長がついに動いた。

永祿九年(1566年)八月,信長渡過木曾川侵入美濃。

永禄九年(1566年)の八月、信長は木曽川を渡って美濃に侵入した。

聽到這個消息時,靜子的腦中只出現了「敗退」這個字。

その一報を受けた時、静子の頭には『敗退』という文字しか存在しなかった。

(記得是因為遇到洪水而敗退,然後利用秀吉在美濃與尾張邊境的要衝墨俣築壘。那裡成為齋藤龍興在稻葉山井之口總攻擊的前線基地。)

(確か洪水にあって敗退し、秀吉を使って美濃と尾張の国境に位置する要衝の墨俣に築塁させたんだよね。そこが斎藤龍興の居城稲葉山井ノ口総攻撃の前線基地になった)

靜子回想起那些事,但為已成定局的結果煩惱毫無意義。

そんな事を思い返した静子だが、既に結果の分かっている事に対して頭を悩ませても意味は無い。

下了那個結論後,她輕輕搖頭把那些念頭趕走。

そう結論を出すと、頭を軽くふってそれらを追い出す。

轉換心情後,她看著眼前一望的稻田滿意地點頭。

気持ちを切り替えると、目の前に広がる稲を見て満足気に頷く。

「嗯嗯,長得很不錯呢。這樣應該能達到當初預定的收成量吧」

「うんうん、良い感じに育ってきたね。これなら当初の予定通りの収穫量かな」

說實話,要用數十人經營8ha的田地多少有些不安,但總算把收成推進到即將收割的階段。

正直8haという土地を数十人程度で作業するのに、少々不安だったが何とか収穫一歩手前までこぎつけた。

但即便看到這麼多稻子,她也沒有感到安心。

だが彼女はこれだけの稲を見ても安心していなかった。

(說到主公,明年可能會提出極度不合理的要求……)

(お館様の事だから、来年辺りに滅茶苦茶無理難題言ってきそう……)

到了明年這個時候,織田信長將把美濃納入統治,屆時尾張與美濃合計將成為百萬石的生產地區。

来年の今頃に織田信長は美濃を支配下に置く。そうなれば尾張・美濃と合わせて百万石の生産地域を手に入れる事になる。

命令靜子提高產量,不是預測而是必然。

静子へ生産量の増加を命じるのは予想というより必定だった。

(為了那個,真期待拜託金造先生製作的人力插秧機完成。那東西一旦完成就能在僅僅三小時內完成10a的插秧啊)

(その為にも、金造さんに頼んでいる人力田植え機の完成が待ち遠しい。あれが完成すれば一〇アールを僅か三時間で苗植え出来るんだから)

她不知道的是,金造看到靜子畫的人力插秧機設計圖(所謂落書等級的東西)時正抓着頭苦惱。

なお、その金造は静子の書いた人力田植え機の設計図(と言う名の落書きレベルのもの)を見て、頭を抱えている事を彼女は知らない。

人力插秧機、回轉式除草機、踩踏式脫穀機——這些都是用來減輕被認為在農作中最辛苦的作業的工具。

人力田植え機、回転式田草取り機、足踏式脱穀機。どれもこれも農作業の中で過酷と言われている作業を軽減するための道具だ。

有了這些工具與沒有它們,農作所需的時間差別巨大。

この道具があるとないでは農作業にかかる時間が段違いとなる。

此外,婦孺與老人也能操作,讓不上戰場的人也能從事農務。

その上、女子供や老人でも作業が出来るので、戦場にいかない人種で農作業を行う事が出来る。

就是說能大幅減輕作業負擔。

それぐらい作業の負担が減るという事だ。

如此一來,家庭就可以分擔田地與田間作業。

そうなれば家族によって畑や田んぼ作業を分ける事だって可能だ。

「嗯──明年左右大概會拿到大約60公頃的廣大土地吧」

「さーて、来年辺りは60haぐらい広大な土地を貰うかな」

蔬菜與蕃薯的田地以現狀的規模已經足夠了。

野菜や薩摩芋の土地は現状のサイズで十分だった。

收成的春季蔬菜不僅農民喜愛,獻上的給信長也頗受好評。

収穫出来た春野菜は、農民たちは勿論、献上した信長にも好評だった。

不過在戰場上還是以稻米為主。

しかし戦場でも使うのはやはり米だ。

奪得美濃之後,信長發動戰事的頻率增加,應該會下令進一步增產。

美濃を手に入れた後、信長は戦争を行う回数が多くなったので、更なる増産を命じて来るだろう。

是否有大量稻米會影響到士兵們的糧食狀況。

米が大量にあるかないかで、兵士たちの食糧事情が異なってくる。

「雞蛋產業也很順利……不過有種預感凱澤他們會來襲」

「鶏卵産業も順調になってるし……でもカイザーたちが襲いそうな予感」

凱澤、維特曼與巴爾提所生的狼崽。

カイザー、ヴィットマンとバルティの間に生まれたオオカミの子供。

已經過了兩個月,牠們開始識別社會性並且完成斷奶。

既に二ヶ月経っているので、社会性を認識しており離乳も済んでいる。

差不多到了會逐漸離開作為巢穴的靜子家的時候了。

そろそろ巣穴である静子の家から離れるようになる頃だ。

牠們之間已經形成了順位,於是依序命名為凱澤、肯尼希、阿德爾海特、里特、魯茲。

その中で既に順位が出来上がっており、順位に合わせてカイザー、ケーニッヒ、アーデルハイト、リッター、ルッツと名付けた。

字面上就是皇帝、國王、貴族、騎士、戰士這樣的階級。因為父母是德語系,所以孩子也用德語命名,這是個直白的命名法。

皇帝、王様、貴族、騎士、戦士という階級そのままの意味だ。親がドイツ語だったので子供もドイツ語という安直なネーミングだ。

「嘛,到時候再說。適度讓牠們狩獵,不然會退化」

「まぁその時はその時ね。適度に狩りをさせないと衰えちゃうし」

雖然近似於飼養狀態,但理所當然若有了自己的族群,狼很可能會外出狩獵。

飼育下に近い形だが、当然ながら家族が出来ればオオカミは狩りに出かける可能性が高い。

不過若牠們去襲擊野生的鹿倒無妨,但若攻擊養雞業用的雞,那就無法接受了。

ただその時野生の鹿を襲うのなら構わないが、鶏卵産業用の鶏を襲われてはたまったものではない。

「只能從幼年時期開始教導了呢」

「幼少の頃から教えこむしかないね」

儘管如此,靜子心想總會有幾隻成為犧牲,她想像未來時沉重地嘆了口氣。

それでも何羽かは犠牲になるだろうな、そう思った静子は未来を想像して重い溜息を吐いた。