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323 進入王都 6
那天,來打招呼的流浪巫女艾迪絲說要離開鎮子,領主便若無其事地問她接下來打算往哪裡去。
あの日、挨拶に来た野良巫女エディスから町を出ると聞いた領主は、これからどこへ行くのかということをさり気なく尋ねた。
接著艾迪絲(卡奧爾)沒多想就答道:「打算前往王都。」
そして深くは考えずに『王都へ向かうつもりです』と答えたエディス(カオル)。
領主一見卡奧爾離去,立刻下令準備不惜重金、換馬換騎手不停歇全速馳騁的特急便,並匆匆開始動筆寫信。
領主は、カオルが辞去するやいなや、馬も乗り手も次々と替えて全力で飛ばす、カネに糸目を付けない特急便の準備を命じると共に、大急ぎで手紙を書き始めた。
……收件人,是國王陛下。
……宛名は、国王陛下である。
這不是能談規矩、儀禮或失禮與否的場合。
ルールだとか儀礼だとか非礼だとか言っている場合ではない。
稍有不慎,大陸就會被海水吞沒。
下手をすれば、大陸が海に沈む。
於是他拼命地寫著。
それはもう、必死で書いた。
寫錯了也沒有重寫的時間。
書き損じたからといって、書き直す時間はない。
只好用劃線修正,接著繼續寫下去。
棒線で修正し、そのまま書き続けた。
那封信的體裁,根本配不上呈給國王陛下。
それは、とても国王陛下に出せるようなものではなかった。
……但若為了講究體面而錯失時機,讓國家、讓整個大陸滅亡,那麼自己丟臉又何妨。
……しかし、体裁を気にして間に合わず、国を、大陸を滅ぼすことを思えば、自分が恥を晒すことなど、どうでもいい。
抱持這種想法,他拼命繼續寫著。
そう思い、必死で書き続けた。
然後他把要給國王陛下的信和供輪替騎手們閱讀的指示書寫好,親手交給第一個騎手並詳細說明,確認他們出發後,……倒頭就倒在床上。
そして、国王陛下への手紙と、次々と交代する乗り手に読ませるための指示書を書き、最初の乗り手に自分でそれらを手渡して色々と説明し、その出発を確認した後、……ベッドに倒れ込んだ。
被疲憊感和『這個大陸是我守護的』那種深沉的滿足感包裹着……。
疲労感と、この大陸は自分が守った、という深い満足感に包まれて……。
* *
* *
「不!不不不不!!」
「なっ! ななななな!!」
讀了那封信的國王,不由得發出聲音。
その手紙を読んだ国王が、思わず声を漏らした。
那是一位地方領主發來的緊急聯絡。
それは、とある地方領主からの緊急連絡であった。
……而且,是『親展』。
……しかも、『親展』である。
就算是寫給國王的信,通常也會由事務人員先行拆封、確認內容並分類處理。
国王宛の手紙であっても、普通は事務方が開封して中身を確認、分別して処理をする。
並不是說所有信件都要國王親自拆開。
別に、全てを国王自身が開封するというわけではない。
有些信根本不值得國王親閱,形式上雖是寫給國王,實際上大多應由官僚處理。
中には国王が読む価値のないものがあるし、形式上は国王宛ではあるものの実際には官僚達が処理すべきものが大半だからである。
然而『親展』的意思,就是收件人本人應當拆封。
しかし、『親展』というのは、宛先人本人が開封すべし、という意味である。
一般來說,會以『親展』寄給國王的,大概只有私人友人或遠方的家屬。
普通、国王にそんなものを出すのは、個人的な友人か遠方で暮らす家族くらいであろう。
若是其他寄件人,事務人員無視『親展』字樣而先行拆封也不足為奇。
その他の差出人からであれば、親展の文字を無視して事務方が開封してもおかしくはない。
……或者說,通常就是那麼做的。
……というか、普通、そうするであろう。
但因為寄信人是領主,而且是特急便送達,某位職員感覺到不對勁,便直接把信交給了宰相,再轉呈給國王。
しかし、差出人が領主であること、特急便であることから、何かを感じた担当者がそれを直接宰相に届け、国王へと手渡されたのであった。
「你、你也讀!」
「お、お前も読め!」
「是、是……」
「は、はぁ……」
宰相接過國王親手遞來的信,開始閱讀。
その手紙を国王から手渡され、読み始めた宰相。
然後……。
そして……。
「什、什麼!!」
「なあっ!!」
不由自主地喊出來的叫聲。
思わず上げた、叫び声。
「召集諸位大臣! 緊急召集!」
「大臣達を集めろ! 緊急召集だ!」
「是!!」
「はっ!!」
* *
* *
「……事情就是如此,有什麼問題嗎?」
「……というわけだ。何か質問はあるか?」
在說明完一封來自某地方領主的信件──也就是那份報告書之後,國王掃視了在座的國家領袖們。
とある地方領主から送られてきた手紙……報告書について説明した後、この国の首脳陣を見渡す国王。
「……那個、關於那份報告的可信度……?」
「……あの、その報告の信憑性は……」
一位大臣如此問道。
大臣のひとりが、そう質問した。
「嗯,當然,這正是重點。
「うむ、勿論、それが重要なところだ。
……各位都讀過『神使記』吧?」
……皆は、『御使い記』を読んでおるな?」
召集者們紛紛點頭。
こくりと頷く、召集者達。
『神使記』
『御使い記』
那是一冊調查記錄,看起來像神話……通常在侯爵以上繼承家督或擔任大臣、軍司令等國家重職時會被要求閱讀。
それは、侯爵家以上の者が家督を継いで家長となった時と、大臣や軍司令官等の国の重職に就いた時に読まされる、神話……のように思える、一冊の調査記録書であった。
關於女神瑟蕾斯蒂娜的書籍與記錄非常多。
女神セレスティーヌに関しての書物や記録書は、たくさんある。
從嬰幼兒繪本到學術論著、聖典,應有盡有……。
それこそ、幼児用の絵本から学術書、聖書に至るまで、数限りなく……。
在這其中,近七十年左右所寫的資料裡,會出現『聖女卡奧爾』『神使卡奧爾』,甚至極少數會稱作『女神卡奧爾』。
その内の、ここ70年少々の間に書かれたものの中には、『聖女カオル』、『御使いカオル』、そしてごく一部のものには『女神カオル』という名が出てくる。
那是個被說在約七十年前出現過的聖人之名。
それは、70年と少し前に現れたという、聖人の名である。
她不只是個巫女,據說是女神瑟蕾斯蒂娜的朋友,受到女神的庇佑而行了諸多奇蹟。
ただの巫女ではなく、女神セレスティーヌの友人であり、その加護を賜り多くの奇跡を起こしたと伝えられる。
而在那刻,女神瑟蕾斯蒂娜震怒欲將大陸沉入海底,卻被大陸守護者、絕對英雄、艾因赫里亞爾的鬼神弗蘭以來回的巴掌給打住並阻止了。
そしてその死に際して、怒り狂いこの大陸を海に沈めようとした女神セレスティーヌを往復ビンタで黙らせて阻止したという、大陸の守護者、絶対英雄、エインヘリヤルの鬼神フラン。
至今若要管教小孩,只要說『你再鬧,鬼神弗蘭就會來給你往返耳光喔!』小孩就會安靜下來。
今でも、子供の躾に『駄々をこねていると、鬼神フランが往復ビンタをしに来るよ!』と言えば、泣く子も黙るという。
而在眾多記錄與傳說中,有一本在可信度上遠勝他書,僅傳於各國領導階層的特一級機密文書,名為『神使記』。
そして多くの記録や伝承の中で、その信憑性において他の書物とは一線を画する、各国の指導者層にのみ伝えられるという特一級機密文書、『御使い記』。
其中一節是『卡奧爾語錄・女神篇』。
その中の一節、『カオル様語録・女神編』。
『瑟蕾斯蒂娜並不是專門守護人類的神。她以人形出現只是為了和人交談。和狗或貓說話時,應該會變成適合牠們的樣子吧,大概。』
『セレスは別に人間の守護神ってわけじゃないよ。人間の姿をしているのは、人間相手に話すため。犬や猫と話す時には、それに合わせた姿にするよ、多分』
『瑟蕾斯蒂娜的工作是維護整個世界的調和,及早排除扭曲。除非非常鍾愛的人,否則她並不會在意人類死去多少。嘛,也許對人類有像對庭院裡螞蟻那樣的感情。如果要死太多人,偶爾心血來潮會給個忠告也說不定。』
『セレスの仕事は、世界全体の調和を守り、歪みを早期に排除すること。余程気に入った者を除き、人間なんかいくら死のうが気にしないよ。まぁ、人間が庭のアリンコに対して抱く程度の感情はあるかも。大量に死にそうなら、気紛れで忠告してくれるときもあるかもね』
『她說她曾經光因為心煩就滅掉一個國家。』
『ムカついたからというだけで、国を滅ぼしたことがあるって言ってた』
『她好像希望我能長命,所以別對我出手喔。國家會滅亡的耶?』
『私には長生きして欲しいみたい。だから、私に手出ししちゃ駄目だよ。国が滅ぶよ?』
事實上,當神使卡奧爾逝去時,曾幾乎不是國家而是整個大陸都要毀滅。
そして事実、御使いカオル様が入滅された時には、国どころか大陸ごと滅びるところであった。
若非艾因赫里亞爾的鬼神弗蘭那記來回巴掌……。
もし、あのエインヘリヤル、鬼神フランの往復ビンタがなければ……。
「喔喔喔,讚美弗蘭,大陸的守護者! 絕對英雄、鬼神弗蘭! 請保護人民免受魔手侵害!」
「おおお、讃えよフラン、大陸の守護者! 絶対英雄、鬼神フラン! 魔の手から人々を守り給え!」
「「「「「「弗蘭,喔,弗蘭! 弗蘭,喔,弗蘭!!」」」」」」
「「「「「「フラン、オー、フラン! フラン、オー、フラン!!」」」」」」
面對國王突然的祈禱詞,其他人似乎也推測出他的思路,於是跟著合唱祈禱詞。
国王の突然の祈りの言葉に、他の者達もその思考過程を推察したのか、祈りの言葉を唱和した。
「『神使記』裡記載的內容。以及主張『卡奧爾並非神使,而是瑟蕾斯蒂娜的朋友、管理其他世界的女神』的女神卡奧爾正教,
「その『御使い記』に書かれている内容。そして、『カオル様は御使いではなく、女神セレスティーヌの友人の、他の世界を管理している女神である』と主張する、女神カオル真教。
那只是眾多分派之一,但其母體是被卡奧爾大人撫育的孤兒們。想把卡奧爾捧為女神的心情可以理解,除去那部分不談,他們關於卡奧爾的著作確實可信。
多くの派生宗派のひとつに過ぎんが、その母体が御使いカオル様に育てられた孤児達だからな。カオル様を御使いではなく女神に祭り上げたいという気持ちは分かるし、その部分を差し引けば、あそこが出したカオル様関連の書物の正確さは信用できる。
而將所有資料綜合檢討後,類似之處實在太多。
そして、それら全てを検討した結果、あまりにも類似点が多すぎる。
也就是說……」
つまり……」
國王猛地睜大眼睛大聲喊道。
そして国王は、カッと眼を見開いて叫んだ。
「名為艾迪絲的少女,是數十年來再度出現、受到女神瑟蕾斯蒂娜青睞的寵兒,也是新任的神使!!
「エディスという少女は、数十年振りに現れた、女神セレスティーヌの御寵愛を賜る愛(いと)し子であり、新たなる御使い様である!!
但雖然,神使似乎不喜歡被人注目,據說她刻意隱藏了自己的身分……大概是這個意思。
但し、御使い様は皆に騒がれるのはお好きではないらしく、御自分ではお立場をお隠しになられている……つもりであらせられるとのこと。
因此我們也理所當然地尊重其意志,決定對外不承認神使的存在。
なので当然ながら、我らもその御意思を尊重し、……御使い様の存在は知らぬこととする。
……但有一點。
……但し。
然而,神使若感到不悅,或拋棄我國轉往他國,絕對不得發生。明白嗎!!」
但し、御使い様が御不快になられたり、我が国をお見限りになって他国へと出て行かれることは、決してあってはならぬ。良いな!!」
「「「「「「喔喔喔喔! 艾迪絲,喔,艾迪絲! 艾迪絲,喔,艾迪絲!!」」」」」」
「「「「「「おおおおお! エディス、オー、エディス! エディス、オー、エディス!!」」」」」」
就這樣,針對那個『他們根本沒想到是神使、只覺得不過是個流浪巫女的少女』若來到王都的情況,相關準備便已悄然就緒……。
斯くして、『自分達はまさか御使い様であるなどとは思ってもいない、ただの野良巫女の少女』が王都に来た場合の準備が着々と整えられたのであった……。