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162 開戰 4

「我們一直在等候您,御使者大人!」

「お待ちしておりました、御使い様!」

「呃!」

「うげっ!」

來到靠近王都的城鎮時,旅館門口有個討厭的傢伙在等著。

王都の手前にある街まで来たら、宿屋の前で嫌なのが待ち構えていた。

……對,就是那傢伙!

……そうだよ、アイツだよ!

「越來越多了呢,王子……」

「増えるなんて王子……」

「我是費爾南!」

「フェルナンです!」

唉,被他變多可真受不了。增殖這種事只需要我一個就夠了。

まぁ、増えられちゃ堪(たま)らないか。増殖するのは、私だけで充分だ。

總之……。

とにかく……。

「我只是來收拾那個找麻煩的人,沒打算做多餘的事,也不會讓人對我做任何多餘的事!」

「私は、喧嘩を売ってきた奴を潰しに来ただけなんで、余計なことをするつもりはないし、されるつもりもありませんよ!」

我那麼斬釘截鐵地說了,費爾南卻絲毫不為所動。

そうはっきりと断言したのに、堪(こた)えた様子もないフェルナン。

雖說他畢竟是王子殿下,無法當面直呼其名,但對這種傢伙,心裡直呼其名就夠了。

一応は王子殿下だから口頭で呼び捨てにするわけにはいかないけれど、こんな奴、心の中では呼び捨てで充分だ。

我們把兩國的軍隊稍微分開,只有我和弗蘭塞特,再加上羅蘭德從後方差來的四名護衛騎士,合計六騎前進,結果就在王都前的城鎮被埋伏了。費爾南、阿蘭,以及在店裡和在巴爾莫王國王都格魯亞各見過一次的法——不,確實有個叫法比奧的隨從們,還有其他一大群人;本隊似乎在離城鎮不遠的地方待命。

両国の軍隊を少し引き離し、フランセットと私、そして後方からロランドが差し向けてきた護衛の騎士4人の、計6騎だけで進んできたら、王都の手前の街で、待ち伏せされていたわけだ。フェルナン、アランさん、そしてお店とバルモア王国の王都グルアで1回ずつ会った、ファー、いや、確かファビオとかいう取り巻き達と、その他大勢に。そして街から少し離れたところに、引き連れた本隊が待機しているらしい。

果然,因為閃電作戰般地控制了王宮與有力貴族,且第一王子下落不明,在那種情況下沒法公開和第二王子對立,於是大多數人只能被迫順從。

やはり、電撃作戦で王宮と有力貴族を押さえられ、第一王子が行方不明となった状態では表立って第二王子と対立するわけにはいかず、やむなく従っていただけの者が大半だったのであろう。

畢竟,若沒有國王與第一王子,第二王子就是正統繼承人。若反抗他,就可能被當成圖謀篡位的叛徒視為國賊,全族滅絕也不是沒有可能。尤其當掌權者本身自覺地位脆弱,且又是膽小、殘忍且愚蠢的人時。

そりゃ、国王と第一王子がいなければ、第二王子が正統後継者だ。それに逆らえば、簒奪を狙う反乱分子として国賊扱い、一族郎党皆殺し、とかになりかねない。特に、自分の足元が脆弱であると自覚している、小心で残虐で愚かな者が支配者である場合は。

所以大家只是乖乖順從,直到『那個時刻』來臨為止。

だから、皆、おとなしく従っていただけなのだろう、『その時』が来るまで。

若說是第一王子已死,情況或許就會不同。要麼放棄一切而服從第二王子,要麼為了國家甘受汙名而起兵反抗……。

これが、第一王子が死んだ、ということであれば、話も違っていたかもしれない。全てを諦めて第二王子に従うか、国のために汚名を被るのを承知で反乱を起こすか……。

但第一王子尚在。那麼只要等待時機即可。

しかし、第一王子が健在。ならば、刻(とき)を待てばよい。

到那時,正義站在我們這邊。無需顧慮,一舉清除篡位的國賊、或許還有弒父的大罪人,以及寄生國家的寄生蟲與奸臣們。

その時には、正義は我にあり。何の心配もなく、簒奪者にして国賊、そしておそらくは父殺しの大罪人と、国に巣くう寄生虫、奸臣共を一掃する。

而現在,正是那個時刻。

そして今がその時、というわけだ。

大概不會變成真正的戰鬥,也就是全面的內亂吧。

おそらく、本格的な戦い、つまり内乱になることはないだろう。

大家之所以沒動,只是因為『若反抗便會被殺』與缺乏大義名分。

皆、『逆らえば殺される』ということと、大義名分がないため動けなかっただけだ。

在這點上,第二王子先除掉國王和那些繼承順位高於他的人,並在不給有力者商議應對的時間下分化對手的戰術十分高明,但那大概是別人出主意,並不代表第二王子自身有非凡才智。

この点は、最初に国王と自分より継承順位が上の者を消し、有力者達が相談して対処する時間を与えることなく分断するという作戦を実行した第二王子の手腕が優れていたわけであるが、おそらくそれは他者の入れ知恵であり、第二王子自身に優れた才覚があるというわけではあるまい。

而在未能殺死第一王子、讓人逃走的那一刻,沙上樓閣就已經開始崩壞了。

そして、第一王子を殺すことに失敗し取り逃がした時点で、砂上の楼閣は既に崩壊し始めていたのであろう。

正因如此,他們才會以入侵友好國的暴舉來拉攏軍方、商人與好戰派貴族,或是用以轉移國民的不滿;也可能是擔心第一王子向巴爾莫王國亡命,進而由巴爾莫王國軍來討回王位。

だからこそ、友好国に攻め入るという暴挙で軍部や商人、武闘派の貴族達を取り込もうとしたり、国民の不満を逸らそうとしたのであろう。あるいは、第一王子がバルモア王国に亡命し、バルモア王国軍による王位奪還を企むのではないかと危惧したのかもしれない。

確實,存在那種可能性。

確かに、その可能性はあっただろう。

接受身為王位正統繼承人的第一王子的請求,為了誅滅篡位者、彰顯正義與拯救國民,並為友好國布蘭科特王國而起兵。

王位正統後継者である第一王子の要請を受け、簒奪者を誅するため、正義を示し国民を救うため、そして友好国であるブランコット王国のために立ち上がる。

這對入侵別國來說是充分的大義名分,藉此可以在第一王子與布蘭科特王國面前欠下多大的恩情啊……。

それは他国に攻め入るには充分な大義名分であり、それによって第一王子に、そしてブランコット王国に、どれだけ大きな貸しが作れることか……。

而到那時,貴族與國軍究竟會站到哪位王子那一邊呢?

そしてその時、貴族や国軍が、果たして両王子のどちらにつくか。

……這令人無法不感到危機。

……それは、危機感に苛まれても仕方ない。

而事實上,這正逐漸成為現實……。

そして事実、それが今、現実となっているのだから……。

「卡奧爾,在這城鎮休息,等兩國後續的軍隊追上,與我們集合的兵力合流後一舉攻下王都……」

「カオル、この街で休んで後続の両国軍が追いつくのを待って、我々が集めた兵力と合流して一気に王都を……」

「不會攻下王都喔?」

「落としませんよ?」

「欸……」

「え……」

為什麼會想攻擊自己國家的王都!你是笨蛋嗎!

どうして自分の国の王都に攻撃をしたがるのか! 馬鹿じゃないの!

……啊,果然是笨蛋啊。

……って、馬鹿だったか。

而且,從他這種親暱的態度來看,似乎這個男人以為我是『當時的卡奧爾』,也就是在這國王都食堂工作的那個卡奧爾……他把在巴爾莫王國王都遇見的『アルファ・カオル・ナガセ』和在這國食堂工作的『ミルファ・カオル・ナガセ』認定為同一人。明明那兩人是不同的人。

それに、この馴れ馴れしい態度から考えて、どうやらこの男は、私を『あの時のカオル』、つまりこの国の王都の食堂で働いていたカオルだと思っているらしい。……バルモア王国の王都で会った『アルファ・カオル・ナガセ』と、この国の食堂で働いていた『ミルファ・カオル・ナガセ』が同一人物だと決めつけているわけだ。ちゃんと、ふたりは別人だということになっているのに。

唔……。

う~む……。

「順帶一提,為什麼你要用那麼親暱的態度直呼我的名字呢?

「ところで、なぜあなたはそんなに馴れ馴れしい態度で私の名を呼び捨てにされるのですか?

我們在王都格魯亞只見過一次,只有短短幾分鐘而已吧?而且你對其他國家的女性也都用相同的親暱態度嗎?

確か、王都グルアで一度、ほんの数分間お会いしただけですよね? そしてあなたは他国の女性には全てそのように馴れ馴れしい態度を取られるのですか?

一開始還稱呼我『御使者大人』,下一刻卻直呼『卡奧爾』的名字嗎。

最初は『御使い様』とか言っていたくせに、次の瞬間には、『カオル』と名を呼び捨てですか。

這樣一來,第二王子認為您不適合作為國王也難以說沒有道理呢……」

これでは、第二王子があなたを国王として不適格だとお考えになったのも無理ありませんねぇ……」

「欸!你、你說什麼……」

「なっ! な、何を……」

費爾南瞪大雙眼,臉上露出愕然的表情。周圍的人也都呆住了。

眼を見開いて、愕然とした顔のフェルナン。周りの者達も、呆然としている。

嗯,讓他吃這種程度的反擊也沒關係。不然這傢伙會無限得意忘形。

うん、これくらいのカウンターは喰らわしてもいいだろう。でないと、際限なく調子に乗りそうだからね、この男は。

「很不愉快。我不想和你們一起行動,請不要靠近我。被碰到的話,我可能會懷孕。」

「不愉快です。あなた方とは一緒に行動したくありませんので、側に近寄らないでください。触れられると妊娠してしまいそうですから」

「什、什、什……」

「な、ななな……」

嗯,這樣就好!

うん、これで良し!

本來就不打算讓軍隊互相衝突或包圍王都。無論是異國之間還是同國人之間,沒必要為毫無意義的戰鬥而互相殘殺。

元々、軍同士を激突させたり、王都を包囲したりするつもりはない。他国人同士であろうが同国人同士であろうが、意味のない戦いで殺し合わせる必要はないだろう。

對軍人和貴族來說,也許想要華麗地作戰、擊敗敵人、以正義使者的名義解放王都,但那些因此白白喪命的人該怎麼辦?即便作為正義一方而死還好說,但若是被貼上敵方、邪惡一方的標籤而死的士兵及其家屬、妻兒,他們的處境與未來又如何……。

軍人や貴族としては、華々しく戦って敵を打ち破り、正義の使者として王都を解放、とかをやりたいのかもしれないけれど、それで無駄に死んだ者はどうなる。それも、正義側としてならばまだしも、敵側、悪い方として死んだ兵士やその家族、妻子達の立場と将来は……。

哼,才不會讓這些人以『正義的一方』、『女神的軍隊』之名進入王都。

うん、こいつらを『正義の味方』、『女神の軍隊』として王都へ入城させたりするもんか。

為此,已經有所部署。

そのために、既に手は打ってある。

為了爭取準備時間,我們故意放慢行進。即便如此仍比拖著後勤隊伍的軍隊快一些,稍微拉開了距離,但聯絡用的輕裝騎兵在後方部隊與我們之間來回往返並沒有太大問題。因此,我讓率領接在前哨部隊後方的本隊的羅蘭德派來四名護衛騎士——就是那四名賜予我神劍的近衛騎士『四壁』——並且也向布蘭科特王國軍下了指示,做了各項準備。

準備の時間を稼ぐため、私達はわざとゆっくり進んできた。それでも輜重部隊を引き連れた軍隊よりは速く進んだため若干引き離してはいるけれど、連絡のための軽装騎馬兵が後方の部隊と私達の間を行き来するには大した支障があるわけではない。なので、前哨部隊の後方に続く本隊を率いたロランドから4人の護衛騎士……例の、神剣を授けた近衛騎士、『四壁』……が派遣されてきたり、ブランコット王国軍に指示を出したりと、色々なことをやっておいたのである。

然後,是我對布蘭科特王國軍下達的指示。

そして、私がブランコット王国軍に出した指示。

『從騎兵中挑選幾個外表好看且能言善道的人,先派他們進城。並讓他們不分貴族、軍人或平民,對所有人散佈謠言:女神不會寬恕弒親的篡位者及其同夥,會派使者前來制裁……』

『騎馬兵の中から、見栄えが良くて口が達者な者達を選び、王都へ先行させよ。そして、貴族、軍人、平民の別を問わず、全ての者達に噂を広めさせよ。女神は親殺しの簒奪者及びその味方をする者は許さない、そのための使者を遣わす、と……』

也就是說,凡向我反抗者都是女神之敵,必受神罰。

そう、私に刃向かう者は全て女神の敵であり、神罰を受けるぞ、というわけだ。

沒有人不知道四年多前在鄰國發生的那起事件。這麼一來,還想阻止我入城的人究竟會有多少呢……。

4年ちょい前に隣国で起きた事件のことを知らない者などいない。これで、私の入城を阻止しようとする者が、果たして何人いることか……。

若真有人想阻止,那些人就是不畏神明的異教徒……也就是襲擊蕾耶特的那些人的一夥,是我的敵人。非常好辨認。

もしいたとすれば、それは神をも恐れぬ邪教徒、というわけだ。……つまり、レイエットちゃんを襲わせた連中の一味であり、私の敵だ。とても分かりやすい。

因此,不需要那些想靠殺敵換取戰功與名聲的士兵。那種人會自行開始互相殘殺,既危險又可能把我好不容易想用談判解決的事搞砸。

なので、戦って相手を殺し手柄と名声を、なんて考えている兵士は必要ない。そんな連中、勝手に殺し合いを始めそうで、危なくて仕方がないし、私がせっかく話し合いで収めようとしているのに、功名心に逸(はや)って台無しにされかねない。

……所以,算了!

……だから、パス!

有證據證明第二王子殺了國王嗎?

第二王子が国王を殺した証拠があるのか?

不,我只是說『不會容許弒親的篡位者以及協助他們的人』,並沒有說第二王子就是弒親者或篡位者。我只是說弒親者與篡位者都不被容許而已……這兩者通常都不能被接受。

いや、私は『親殺しの簒奪者及びその味方をする者は許さない』と言っただけで、別に第二王子が親殺しだとか簒奪者だとか言ったわけじゃない。ただ、親殺しをする者も簒奪を行う者も許さない、と言っただけだ。……普通、許されないよね、その両者は。

嗯,我並沒有說什麼奇怪或錯誤的話。嗯嗯。

うん、私は、別におかしなこと、間違ったことは言っていない。うむうむ。

「如果住在這裡,我會怕會被弄懷孕。今天不要在這城鎮住下了,我們再往前走一點紮營吧。」

「ここに泊まったら、妊娠させられそうで怖いです。今日はこの街に泊まるのはやめて、もう少し進んで夜営しましょう」

「「「「「是!」」」」」

「「「「「は!」」」」」

「欸……」

「な……」

弗蘭塞特與四壁的人齊聲作答。

息の合った返事をする、フランセットと四壁のみんな。

接著,我們迅速策馬向前。

そして、さっさと馬を進める私達。

留下的費爾南等人被前來迎接的旅館人員與城裡的人用怨恨的眼神瞪著。

後に残されたフェルナン達は、出迎えに出ていた宿の人達や街の人達に恨めしそうな顔で睨まれていた。

也難怪。他們被剝奪了可以用來宣傳的機會——例如『御使者大人在入城前最後休息的旅館』或『御使者大人以此城鎮為反攻據點』之類的宣傳語,於是被人以恨意的眼神看著也情有可原。

そりゃそうか。後に、『御使い様が王都に入られる前に、最後の休息を取られた宿』とか、『御使い様が反攻の拠点とされた街』とかいう宣伝文句が使えるようになる機会をぶっ潰されたわけだから、そりゃ、恨みがましい眼で見られても仕方ないか。

嗯,也不至於說第二王子比費爾南好到哪裡去,所以無所謂吧。

ま、フェルナンより第二王子の方がマシ、ということになるほどじゃないから、構わないか。

原本想最後好好泡個澡,但算了。夜宿也能睡在床上,沒問題。

最後にゆっくりお風呂にはいりたかったけど、まぁいいや。夜営でも、ベッドで寝られるから問題ない。

終於,明天就是正戲了。

いよいよ明日は、本番だ。

把對被毆打、受傷的蕾耶特與孤兒們的怨恨,以及那些想殺我的人的一切,一併討回來。要讓再也沒有人敢對我或我相關的人出手……。

殴られ、怪我をさせられたレイエットちゃんと孤児達の怨み。そして私を殺そうとしてくれた件。全部纏めてお返ししよう。もう二度と、私と、私の関係者に手出ししようなどと考える者が現れないように……。