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132 什麼啊,那是~!

在順利把來自王都的人趕走的隔日,早場營業結束後,我去市場採買。順路稍微繞遠,走過瑪利亞爾的宅邸──也就是雷費爾子爵家、位於馬斯里烏斯伯爵領的別邸所在的那條街。

無事、王都からの連中を追い払った翌日。私は、朝の部の営業を終えた後、市場に買い出しに出掛けた。そしてその途中に、ついでだからと、少し遠回りしてマリアルの邸、つまりレイフェル子爵家マスリウス伯爵領別邸がある通りを通った。

這完全沒什麼特別用意,只是突發奇想而已。要碰巧遇到瑪利亞爾正好出來而碰面,幾乎等於不可能。畢竟女子爵大人不會親自替庭裡的樹澆水或在門前掃地。

特に意味のない、ただの気紛れである。偶然マリアルが外に出ていて顔を合わせる確率など、無きに等しい。女子爵様が自分で庭木に水をやったり、門の前の掃き掃除をしたりするわけじゃないからね。

……咦?那個是……。

……あれ? あれは……。

轉過街角,宅邸映入眼簾,門口那邊似乎有些異樣……。

通りを曲がって邸(やしき)が視界に入ると、何やら門のところに……。

狗?

犬?

門的兩側,端坐著兩隻狗,彷彿作為守護像一般守在那裡。

門の両側に、まるで狛犬のように鎮座した、2匹の犬。

左右的門柱上各停著一隻老鷹,並各自貼著一隻鴿子。

そして同じく、左右の門柱の上に止まった、2羽の鷹と、それぞれに寄り添うように止まっている、2羽の鳩。

……對,烏鴉看起來又差、印象不好……等等,這不是重點!!

……うん、カラスじゃ見栄えと印象が悪いからね……、って、そういう問題じゃない!!

「喔,你是第一次從這裡經過嗎?那邊是受女神恩寵的貴族,雷費爾女子爵大人的宅邸。所以女神的使者——狗與鳥——就在那裡守護著。」

「おや、ここを通るのは初めてかい? あそこは、女神の御寵愛を受けし貴族様、レイフェル女子爵様のお邸だよ。だから、女神の使いである犬や鳥たちがお守りしているんだよ」

我愣愣地看著門的時候,路過的一位老伯這麼告訴我。

私がぽかんとして門を見ていると、通り掛かったおじいさんが、そう教えてくれた。

「欸欸欸……」

「えええ……」

不是說在受傷或生病的時候,只會幫忙一次的約定嗎……。

怪我や病気の時に、一度だけ助ける、って約束なんじゃあ……。

而且,為什麼不是烏鴉,而是那些理應和那件事無關的鳥類……。

そして、カラスではなく、どうして例の件には関係ないはずの鳥が……。

老伯說的前半段我能理解。畢竟她在許多居民面前鬧出那麼大的動靜,這樣也正常。

おじいさんが教えてくれたことの前半部分は、納得できる。大勢の住民達の前であれだけ派手にやらかしたのだから、当たり前だ。

但後半部分!為什麼會變成那樣……。

でも、後半部分! どうして、そんなことに……。

「所以大家都這麼稱呼女子爵大人,叫她『雌犬子爵』……」

「だから皆は、女子爵様のことを、こう呼んでいるよ。『雌犬子爵』と……」

「欸欸欸欸欸!!」

「えええええええ!!」

那個,會不會是非常可怕的蔑稱……。

それ、とんでもない蔑称(べっしょう)なのでは……。

我一瞬間那麼想著。

一瞬、そう思ったけれど。

仔細一想,這裡的語言把人類性別與動物性別使用相同的詞彙來表現……。

よく考えてみれば、ここの言語では、人間の性別と動物の性別を表す単語は、同じだった……。

對,就像英語所說的『female』一樣。

そう、英語でいうところの、『female』と同じだ。

所以是『受犬之使守護的子爵』,簡稱『犬子爵』,再加上表示女性,也就是女子爵的『女』,變成『女犬子爵』。

だから、『犬の使いに守られた子爵』、略して『犬子爵』に、女性、つまり女子爵だから『女』を付けて、『女犬子爵』。

我的腦內翻譯器把它理解成:『因為在「犬」前面,所以是「雌」』。

それを、私の脳内翻訳機が、「『犬』の前に付いているから、『雌』」と認識したわけだ。

……為什麼不是『犬女子爵』啊!!

……どうして、『犬女子爵』じゃないんだよ!!

嘛,像『犬女的子爵』之類的,也差不多吧……。

ま、『犬女の子爵』みたいだから、あんまり変わらないか……。

「老伯,有人下令叫你不要那樣稱呼她了喔」

「じいさん、何か、その呼び方はやめるように、って指示が出てるぞ」

似乎聽到我們談話的同樣路過的年輕人這樣插話進來。

私達の会話が聞こえたらしい、同じく通り掛かりの青年が、そう言って話に割り込んできた。

嗯,應該是吧,應該是吧。果然,還是不能叫『雌犬子爵』吧……。

うむ、そうであろう、そうであろう。さすがに、『雌犬子爵』はないだろう……。

「現在大家都叫她『鳥貴族』喔」

「今は、みんな、『鳥貴族』って呼んでるよ」

……不知怎的,突然好想吃烤雞串配啤酒……。

……何か、焼き鳥とビールが欲しくなってきたよ……。

於是老伯和年輕人離開後,我便靠近了門……。

そして、おじいさんと青年が立ち去ってから、門に近付いて……。

『欸,你為什麼會在那裡?』

『ねぇ、どうしてそこにいるの?』

我悄聲、小聲地問道……對著狗。

そっと、小声で聞いた。……犬に。

『喔,女神大人!前些日子多虧您介紹了好差事,謝謝您!

『おお、女神様! 先日は、良き仕事を紹介して戴き、ありがとうございました!

『目前我們另受瑪利亞爾大人雇用。許多夥伴都受她照顧,輪班當門衛,或是在領地裡隨意躺著警戒入侵者等。』

現在、あれとは別件で、マリアル様に雇って戴いております。多くの仲間達がお世話になっており、交代で門番、敷地内で適当に寝転んでの侵入者警戒等を行っております。

『另外,雖然近期較少,但也有過召集全員處理粗暴行動之類的事情……』

また、最近はあまりありませんが、総員呼集による荒事なども、少々……』

『是暗部襲擊啊啊啊啊啊!!』

『暗部の襲撃かあああああぁっっ!!』

……謎終於解開了。全都解開了……。

……謎が解けた。解けてしまった……。

『烏鴉們呢?』

『カラス達は?』

『是的,烏鴉那邊,因為外貌之類的問題,主要改做幕後工作。在會出現在人前的地方,則由新雇的、看起來對人類較討喜的人來做。』

『はい、カラスは、その、見た目が問題とかで、裏方仕事の方を。人目に付くところでは、新規に雇われました、人間にとって見目の良いらしき者達が仕事をしております』

『……是、是啊。有這樣的工作真是太好了。那麼……』

『……そ、そう。いい仕事があって、良かったね。じゃ……』

『若有需要請隨時呼喚我們。我等會馬上前來馳援!』

『はい、御用がございましたら、いつでもお声掛け下さい。我ら、いつでも馳せ参じます故(ゆえ)!』

……瑪利亞爾,果然比我想像的更是一個能幹的人。

……マリアル、思っていたより遣り手だった。

而且,她相當有一手黑暗手腕……。

そして、結構黒かった……。

對瑪利亞爾來說,暗部是為了錢殺了她父母和哥哥的兇手,也是像她叔叔阿拉貢一樣的家仇。那個讓對她有大恩的馬斯里烏斯伯爵頭疼、深受其擾的犯罪組織。既然她已經掌握了力量,沒有理由要她忍耐或客氣。

まぁ、マリアルにとって、暗部は、お金のために両親と兄を殺した実行犯であり、叔父のアラゴンと同じく、家族の仇だ。そして、大恩あるマスリウス伯爵が手を焼き、困っている犯罪組織である。力を手に入れたマリアルが、我慢や遠慮をしなければならない理由はないだろう。

即便那是神的力量,或是惡魔的力量……。

たとえそれが、神の力であろうと、悪魔の力であろうと……。

*     *

*     *

「……所以,根本一點成果都沒有?」

「……で、何の成果もなかったと言うのか?」

「是……」

「は……」

國王顯然非常不悅。

あからさまに不機嫌な様子の国王。

被派去見那位女子爵的使者終於回來了,結果卻是『毫無成果』。這種情況國王不悅也無可厚非。

例の女子爵のところへやった使いの者がようやく戻ったかと思えば、結果は、『何の成果もなし』。これでは、国王が不機嫌になるのも仕方ない。

「我前往了子爵家,本以為只要拿陛下的名字威嚇、稍微擺出高壓態度,那個小姑娘就會說出祕密或與我們簽下對我們有利的約定。結果寄親的伯爵卻同席在旁……」

「子爵家に赴(おもむ)きましたが、小娘如き、陛下のお名前を出して少し高圧的な態度を見せれば、秘密を喋らせたり、こちらに都合の良い約定を交わさせることくらい簡単にできると思っておりましたところ、寄親である伯爵が同席しておりまして……」

「也就是說,連女神和她的使者以及其他一切都問不出來,也無法讓她為了向我表敬而來王都,或是納入我的庇護下,全部都被拒絕了?」

「それで、女神やその使い、その他のことも一切聞き出せず、儂への表敬のため王都へ来させることも、儂の庇護下に入る話も、すべて断られたというのか?」

「是。每當我把那些話題丟給子爵時,寄親的伯爵就會說『家人都已喪失,叔父的事情也讓她心不寧,現在讓未成年的少女到王都去豈不是太殘酷』、『現在正值新領主的重要時期,暫時需要專心處理領地事務』,我也不好再強硬逼迫她……。

「は。私がそれらの話を子爵に振る度に、寄親の伯爵が『家族を失い、叔父の件もあり心穏やかでない未成年の少女に、今、王都へ行かせるのは酷ではないか』、『今は新たな領主として大切な時期。暫くは領地のことに専念する必要があろう』と言われては、それ以上、強く言うわけにも……。

另外,關於納入陛下庇護的提議,伯爵又說『那是作為寄親的我的責任。遠在王都的陛下無法即時周全照料或在關鍵時刻提供保護』……。

また、陛下の庇護下に、という話も、『それは、寄親である私の役割である。遠い王都におられる陛下では、充分な世話も、いざという時の護りも、後手に回ってしまうでしょう』と……。

如果要把已經加入某個貴族派閥的家主,無視本人與寄親的意願強行拉進陛下的派系,恐怕會引發大事……」

既に貴族の派閥のひとつに加わっている貴族家当主を、本人や寄親の意向を無視して無理矢理陛下の派閥に引き入れるとなると、大事になりそうですし……」

「而且,關於女神的事,他們說『女神大人有交代不得外傳』所以完全不說……。不過你們應該有威脅僕人或用金錢打點他們問出些什麼吧?那方面如何?」

「そして、女神関連の話は、『女神様から、他言無用、と言われている』ということで、一切喋らず、か……。しかし、使用人達を脅すか金を握らせて何か聞き出したのであろう? そちらの方は何と言っておったのだ?」

「那、那個,沒有人說任何話……。我們也有委婉暗示過她或其家人性命會受危險之類的,但也沒用……」

「そ、それが、誰ひとり、何も喋らず……。遠回しに、本人と家族の命の危険を示唆(しさ)したりもしたのですが……」

「結果如何?」

「どうだったのだ?」

「……他們回答『請便』。然後,露出讓人不寒而慄的微笑。

「……『どうぞ』と。そして、不気味な笑みを浮かべておりました。

那神情,那張臉,彷彿在說『若你敢動手,那人絕對會死。想做就來試試看吧』,令人只能如此解讀的臉色……」

あれは、そう、あの顔は、『もし手出しすれば、その者は間違いなく死ぬ。やりたければ、やってみろ』と。そう言っているとしか思えぬ、そんな顔でした……」

「…………」

「…………」

仔細一想,沒有人會背叛受女神寵愛之人。賜予那寵愛的女神,正是『賽蕾絲蒂娜』……雖然是善神,但她對個別人的生死並不太在意,是個粗獷的女神。若是背叛了她所鍾愛的人,會招致什麼後果,實在不敢想像……。

考えてみれば、女神の寵愛を受けし者を裏切る者が、いるはずがない。しかも、その寵愛を与えし女神というのが、あの『セレスティーヌ』なのである。……善神ではあるが、あまり人間ひとりひとりの命については気にしない、大雑把な女神、セレスティーヌ。その女神が気に入ったという人間を裏切った時、いったいどういう結果を招くかと考えると……。

再加上,那位她效命的,是個聰慧、對平民也很溫柔、看似纖弱的十四歲貴族少女。

そして、おまけに、自分が仕える聡明で平民にも優しく、か弱い14歳の貴族の少女。

很難想像會有人願意背叛她。

とても、裏切る者が出るとは思えない。

看來,他們的陰謀終究以失敗告終。

どうやら、思惑は不首尾に終わったらしい。

國王對此這點,完全理解。

それだけは、よく理解できた国王であった。

受女神寵愛的年輕未婚貴族少女,誰會看不出她的價值?因此她的寄親與派系的人絕不會輕易放手。

女神の寵愛を受けし、若く、未婚の貴族の少女。その価値が分からぬ者など、いるはずがない。なので、その寄親や派閥の者達が手放すはずもなし。

若能在派系首領行動前,直接與本人締結約定,邀她來王都向我表敬,然後順利拉攏她。

派閥の長が動く前に、直接本人と約定を交わし、自分に表敬訪問させるために王都に招ければ。そして、うまく取り込めれば。

儘管權限比他國受限,我總算還是『國王』。面對下級貴族、而且是未成年小姑娘,憑國王之威光讓她簽下對我有利的約定,也並非完全不可能。再者,一旦簽訂了正式的約定,不管是寄親還是派系首領,都無法在此事上插手。畢竟那是貴族家當主和國王之間的正式約定。

いくら他国に較べると権限が制限されているとはいえ、自分は、一応は『国王』なのである。下級貴族の、それも未成年の小娘とあらば、国王の威光で、こちらに都合の良い約定を結ばせることも不可能ではなかったはず。そして、いったん正式な約定を結んでしまえば、いくら寄親であろうが派閥の長であろうが、その件に関しては口出しできなかったはずである。何しろ、貴族家当主と国王との、正式な約定なのだから。

不過,那個本來準備暗中接觸她的使者,行動竟被寄親的伯爵識破。於是,一切都化為泡影。

しかし、密かに接触させるはずであった使いの者の行動は、寄親である伯爵に掴まれていたらしい。そして、そのために、全ては水泡に帰した。

已經沒有任何偷襲成功的可能性了。

もはや、抜け駆けが成功する可能性はない。

況且,子爵本人已經變得有見識,不會去答應那種邀約或約定。

そもそも、子爵本人が既に知恵を付けられており、そういう招きや約定に応じることはあるまい。

到了這個地步,只能以對子爵友善的良善國王來對待她。若能順利安排讓我的某個兒子與她成婚就好了……。

こうなっては、子爵に好意的な、良き国王として接するしかない。そして、息子達の誰かを、うまく宛(あ)てがうことができれば……。

不過『派出貌美青年接近她』這種把戲,肯定是所有有年齡適齡兒子的貴族都會想的。若子爵來到王都時,就會是那樣的局面……。

しかし、『見目の良い若者を差し向ける作戦』など、年頃の息子を持つ貴族全員が企むに決まっている。もし子爵が王都に来たならば、その時には……。

一想到這點,國王就頭疼。

そう思うと、頭が痛くなる、国王であった。

「嘛,擁有子爵的派閥首領或許會有些得意忘形,但其他派系的人會合作制衡他。只能寄望於此了……」

「まぁ、子爵を抱えた派閥の長が少し調子に乗るかも知れんが、他の派閥の者達が協力して、抑えてくれるだろう。それに期待するしかないか……」

看來,對瑪利亞爾而言,受難的日子好像要開始了。

どうやら、マリアルにとって、受難の日々が始まりそうであった。

卡歐爾一聽到,或許會眼紅那種令人羨慕的受難日子……。

カオルが聞けば、羨ましがるような、受難の日々が……。

不過卡歐爾也說過,他不歡迎那些不是為了她本人而是為了『御使大人』這個名號或藥水之類而靠近的男人。那樣的話,瑪利亞爾說不定不是發出『開心的尖叫』,而是真的、求救般的悲鳴。

いや、カオルも、自分自身ではなく『御使い様』という立場だとかポーションとかを目当てに寄ってくる男は願い下げ、と言っていた。ならば、マリアルも、『嬉しい悲鳴』ではなく、本当の、助けを求める悲鳴を上げることになるのかも知れない。

而且,瑪利亞爾終將被迫前往王都的日子,也並非遙遠的未來……。

そしてマリアルが王都へ行かざるを得なくなるのも、そう遠い未来のことではなかった……。