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72 尋寶 1
「店主在嗎!」
「店主はいるか!」
開店後因便當造成的繁忙時段過去,剛稍微歇口氣時,來了一位軍人。大約四十歲上下,不是下級士兵,而是有些架子的長官。啊,不是說態度,是指階級的意思。
開店後の、弁当による繁忙時間帯も過ぎ、一段落ついた時、ひとりの軍人さんが現れた。40歳前後の、下級の兵隊さんではなく、ちょっと偉そうな人。あ、態度が、じゃなくて、階級が、って意味ね。
「喔,店主,其實有件事想拜託!」
「おお、店主、実は、頼みたいことがある!」
咦,這人好眼熟……啊,原來是到中佐那裡時見過的四位中隊長其中一位!
あれ、この人、見覚えが……、って、あれだ、中佐さんのところで会った、4人の中隊長さんのうちのひとりだ!
「呃、那、請問有何貴幹……」
「え、えぇと、何の御用でしょうか……」
我不能在沒問清楚就隨便應承。
用件も聞かずに、安請け合いはできないよ。
「嗯……是這回事,不過……」
「うむ、それなのだが……」
中隊長壓低聲音,東張西望地環顧四周。
中隊長さんは、声を潜めると、きょろきょろとあたりを見回した。
「……其實是個機密的拜託,能否來我府上一趟?」
「……実は、内密の頼みでな、我が邸(やしき)に来ては貰えぬか」
「欸……」
「え……」
怎麼辦。就身分來說,我不覺得他會對我做出不軌,除非有兩種情況。
どうしよう。立場的に、この人が私に対しておかしなことをするとは思えない。ふたつの場合を除いて。
一、他可能就是那群軍需物資走私者之一,來收拾會破譯暗號的我。即便換了暗號,只要我再解開就一樣,於是想斬草除根。
ひとつ、この人が、あの軍需物資横流しの一味であり、暗号を読める私を始末しに来た。暗号を変えることはできても、また私が解読すれば同じことだから、問題の根源を絶つ、ということで。
二、他可能是戀童癖,盯上我了。
ふたつ、この人がロリコンであり、私に眼を付けた。
不,絕對不可能!
いや、無い無い!
如果要處理我,不會特地一大早親自來,通常會半夜派手下動手。而且這位看起來年長又一本正經的人,怎麼會是戀童癖……不,說不定是,但又不像會把人帶回家那種人。
私を始末するなら、わざわざ朝っぱらから自分で来るわけがない。夜中に、手下にやらせるだろう、普通。そして、年配で真面目そうなこの人が、ロリコンであるわけが……、いや、ロリコンではあるかも知れないけれど、自宅に連れ込んで、というタイプとは思えない。
而且,總覺得有點有趣。
……それに、何か、面白そうだ。
最近被捲入討厭的事情,又忙得團團轉,正好想換換心情。而且我並非缺錢。既然做生意,自然會追求最大利益;若用破壞行情的低價販售或敷衍了事,不但會害到其他商人,等於侮辱了做生意的神明,那種事我無法容忍。
最近は、嫌なことに巻き込まれたり、バタバタと忙しかったりしたから、少しは気分転換をしたい。それに、私は別にお金に困っているわけじゃない。いや、商売をするからには、最大限の利益を上げられるようにするよ? 相場を崩す安値で売ったり、いいかげんな商売をやっては、他の商売人に迷惑だし、商売の神様を馬鹿にすることになる。そういうのは、許容できないタチなんだよ、私は。
所以……。
だから……。
「出差費,小金幣一枚。」
「出張料金、小金貨1枚です」
「呃、啊……拜託了!」
「あ、あぁ……、頼む!」
嗯,費用會照收的。
うん、料金は、ちゃんと戴くよ。
「雷耶特,出門囉」
「レイエットちゃん、出掛けるよ」
「好~!」
「は~い!」
精力充沛地回答後,雷耶特開始關上木窗。二樓的窗戶和後門已經關好,剩下就是把正門關上並上鎖就可以了。
元気に返事して、木窓を閉め始めるレイエットちゃん。2階の窓と裏口は閉めてあるから、あとは入り口を閉めてカギを掛ければOKだ。
「府邸大概從這裡走過去要二十分鐘左右。」
「邸は、ここから20分くらいだ」
啊,是朝王宮的反方向啊。有點遠……不過以這個世界的距離感來說也還好。
ああ、王宮の反対側か。ちょっと遠い……というわけでもないか、この世界の感覚では。
貝爾和埃米爾已經外出執行獵人任務,店裡臨時歇業。我帶著雷耶特步行前往。那位看起來可能是貴族的中隊長,或許因為是軍人,沒有坐馬車而是徒步來到店裡,所以就這樣一起走了。沒必要特地準備馬車或去攔便車,偶爾運動一下不然身體會變遲鈍,也不利於雷耶特的成長。
ベルとエミールはハンターとしての仕事に出た後だったので、お店は臨時休業。レイエットちゃんを連れて、歩きで移動。多分貴族であろう中隊長さんは、軍人だからか、馬車を使わず徒歩で御来店だったので、そのまま移動することにしたのだ。わざわざ馬車を用意したり、辻馬車を探すこともない。たまには運動しないと身体が鈍(なま)ってしまうし、レイエットちゃんの成長にも良くない。
途中回頭一瞥,發現弗朗塞特和羅蘭德也跟在後面。
途中でちらりと後方を窺うと、フランセットとロランドがついてきていた。
那兩個總是在我們店外埋伏嗎?在哪裡、從什麼時候到什麼時候?沒有休息嗎?
あのふたり、いつもうちの店を張り込んでるの? どこで、何時から何時まで? 休み無し?
不行,得好好問個清楚。該不會整天站在巷子裡吧?
いかん、一度、問い詰めなきゃ。まさか、路地に一日中立っている、とかじゃないだろうな?
這是哪家黑心公司啊!
どこのブラック企業だよ!
於是到達中隊長家。嗯,從建築與離王都中心的距離來看,應該沒那麼顯赫。大概是男爵或子爵之家?至於那位大隊長的中佐是伯爵家出身……不過他只是家中第三子,既沒繼承爵位也不會繼承,所以中佐也沒那麼了不起。只是仗著老家的威光讓其他貴族有所顧忌而已。
というわけで、中隊長さんのお家に到着。う~ん、この建物と、王都の中心部からの距離を考えて、あんまり偉くはないよねぇ。多分、男爵家か子爵家くらい? 大隊長の中佐さんが伯爵家……って言っても、ただの三男坊で、爵位を継いでいるわけでも、これから継ぐわけでもないから、中佐さんもそんなに偉いわけじゃないか。実家の御威光で、他の貴族が遠慮するだけで。
於是穿過門,走向玄關然後……。
で、門を通り、玄関へと向かうと……。
「歡迎回來,公子大人」
「お帰りなさいませ、旦那様」
哇哇哇~~!
ええええぇ~~っ!
繼承爵位、現任的貴族家主?那在貴族地位上不是比中佐更高嗎?
爵位を継いだ、現役の貴族家当主様? それって、中佐さんより貴族的には偉いんじゃないの?
就算對方是伯爵家,中隊長是男爵或子爵家,無爵的第三子與有爵位的貴族本人相比,身份上還是……。
いくらむこうが伯爵家で、中隊長さんが男爵家か子爵家であっても、無爵の三男と爵位貴族御本人じゃあ、本人同士としては……。
畢竟得罪伯爵家會很嚴重,唔——權力關係就複雜多了。
まぁ、伯爵家を敵に回すと致命的だから、う~ん、色々と難しいねぇ、力関係は。
不過說到底,同一部隊內上官就是上官,部下就是部下,這些外在的事都無關緊要。無論軍隊或公司,組織內的階級與職務才是一切。家世、父母、年紀、學歷都不重要。那個誤會這點的該死的基層社員,居然對溫厚的係長擺出輕蔑態度……不不,過去了,忘了它吧……。
と言っても、同じ部隊の上官と部下なんだから、そんなの関係ないか。軍隊でも会社でも、その組織内での階級と役職が全てだ。実家も両親も年齢も学歴も、関係ないもんね。それを、勘違いしやがった、あのクソ平社員のヤロー、温厚な係長に対して、舐めた態度を取りやがって……、いやいや、過ぎた話だ、忘れよう……。
喔,為了以後不失禮,得確認一下。
あ、今後失礼のないように、確認しておかなくちゃ。
「那、那個,中隊長大人,您是當家的嗎?」
「あ、あの、中隊長さん、御当主様なんですか?」
「嗯?啊,還沒說過嗎?沒錯,我是塞沃斯·馮·拉爾斯利克,拉爾斯利克子爵。」
「ん? ああ、言っていなかったか。そうだ、私がセーヴォス・フォン・ラルスリック、ラルスリック子爵だ」
果然是這樣!
やっぱりィ!
嘛,現在不會再被貴族嚇到了。畢竟我是會對王族大聲斥責的那種女人啊。
まぁ、今更貴族にビビったりはしない。なにせ、王族を怒鳴りつける女だからね、私は。
哼哈哈哈哈哈……哈……。『總之,應該不會因此被當作無禮討伐吧?』
ふははははは……は……。そのうち、無礼討ちになったりしないよね?
然後,就那樣走進了中隊長的書房?辦公室?反正是那類房間。
そして、そのまま中隊長さんの書斎? 執務室? 何か、そんな部屋へ。
把家人和僕人都排除在外,成員只剩我、雷耶特醬(空氣模式)和中隊長三人。好,終於要進入正題了……。
家族も使用人も排し、メンバーは私とレイエットちゃん(空気モード)、中隊長さんの、3人のみ。さて、いよいよ本題に……。
「我給您端來了茶。」
「お茶をお持ちしました」
啊,紅茶和點心就客氣地收下了。
あ、紅茶と茶菓子は、ありがたく戴きます。
女僕把紅茶組和點心放下後也離開了,這次真的是,終於要進入正題。
そして、紅茶セットと茶菓子を置いてメイドさんも出て行き、今度こそ、いよいよ本題に。
咀嚼著點心……。
むしゃむしゃ……。
嗯,雷耶特醬在吃點心。我喝了一口紅茶。中隊長因為習慣的關係步伐像部隊行軍般穩健,走得有些累,喉嚨也渴了。
うん、レイエットちゃんはお菓子を食べていてね。私は、紅茶をひと口。中隊長さんは、いつもの癖なのか、軍隊が行進するような速度で歩くものだから、少し疲れて、喉が渇いたのだ。
作為軍人沒問題,但要是對女性能再多點體貼就好了……。
軍人としては問題ないけど、もう少し、女性に対する心遣いというものをだね……。
不不不,我這個沒人要又嘴毒的女人還對已婚者擺出一副了不起的樣子,對不起!都是我的錯……。
いやいやいやいや、喪女(モテないおんな)で毒女(どくしんじょせい)の私が妻帯者様に向かって偉そうにして、すみませんでした! 私が悪ぅございました……。
然後豪飲了紅茶。
そして紅茶を、ぐびぐびと。
「事實上,我想拜託的是,請幫忙尋找寶物的下落。」
「実は、頼みたいことというのは、宝の在処(ありか)を探して欲しい、ということなのだ」
我差點把嘴裡的紅茶噴出來!
ぶふげへごほ!
險些把口中的紅茶噴出,勉強忍住了。
口に含んだ紅茶を噴くのを、危うく踏み止(とど)まった。
中隊長穿著看起來昂貴、不,確實很貴的衣服,沙發和地毯也同樣高級。絕對不能在這裡噴出來,所以拼命忍住吞了下去,結果大大地嗆到一番。
高そう、いや、事実値段の高い服装の中隊長さんに、同じく高そうなソファーと絨毯。間違っても、ここで噴くわけには行かない。なので、必死で堪え、飲み込んだのである。そして、盛大に咽(む)せた。
「為什麼偏偏在這個時機說出來啊!」
「どうして、このタイミングで言うかぁ!」
可惡,那張一臉茫然的表情。絕對是沒有意識到自己做了什麼!總有一天我要在中佐面前讓他噴出來!!
くそ、ぽかんとしたあの顔。絶対、自分がやったことを認識していないな! いつか、中佐さんの前で噴かせてやる!!
然後,總之,是要說明。若不解釋清楚,就沒法開始。
で、まぁ、とにかく、説明である。説明して貰わないと、始まらない。
據中隊長所說,這裡的拉爾斯利克子爵家似乎並不富裕。
そして、中隊長が語るには、ここ、ラルスリック子爵家は、あまり裕福ではないらしい。
雖然,既然當家的在軍中服役,也不能說是真的窮。原本家業與爵位由兄長繼承,他也打算從軍,結果兄長卻意外喪命。但也不好因私事隨便退伍,於是把領地交給弟弟管理,自己帶著妻兒住在子爵家在王都的宅邸,一邊從事軍務一邊在社交界為子爵家奔走。
いや、そりゃま、御当主様が軍で働いているくらいだから、貧乏……、というわけじゃないらしい。家と爵位は兄が継ぐから自分は軍に、と思っていたら、兄が不慮の死を遂げたため、とか。でも、勝手な理由で軍を辞めるのも憚(はばか)られ、領地の方は弟さんに任せ、自分は子爵家の王都邸に妻子と共に住んで、軍務と社交界の両方で色々と子爵家のために活動しているそうな。
嗯,這對貴族家庭來說並不罕見。
まぁ、貴族家には珍しくもない話である。
那麼,問題是什麼呢。
で、じゃあ、何が問題かと言うと。
……似乎並沒有其他問題。
……無いのである。
嗯,問題在於錢。
うん、お金が。
果然還是窮啊!
やっぱり、貧乏じゃん!
連年歉收,領地裡儲存的糧食全都用光,還用金庫裡的金幣到處買糧。但周遭領地也同樣歉收,從遠方買來又要花運輸費,還有盜賊和為了妻小不惜冒死襲擊的鄰領農民,護衛費用也因此節節上升。
不作が数年続き、領地邸に蓄えてあった備蓄食料を全て吐き出し、金庫室の金貨で食料を買い漁った。しかし、周辺の領地も不作は同じ。遠くから買い付けて運ぶにはお金がかかり、そして盗賊や、妻子のために命懸けで襲い掛かってくる他領の農民達。更にかさむ護衛の費用。
好不容易今年才恢復到往年水準得以喘息,但金庫和糧倉幾乎空無一物。
何とか今年は例年並みの収穫となりひと息つけたが、金庫室も備蓄食料庫も、ほぼ空っぽの状態である。
如果現在出了什麼事,
もし今、何かあれば。
即便不是歉收,只要是流行病或大規模盜賊團流竄之類的任何小事,對如今的拉爾斯利克子爵領來說都可能是最後一擊,也就是致命的一擊。
不作ではなくとも、流行(はやり)病(やまい)や、大規模な盗賊団が流れてくる等、何かちょっとしたことであっても、今のラルスリック子爵領にとっては「最後のひと押し」、そう、致命傷になりかねない。
一般情況下,幾乎是無計可施、走到絕境。只能向某個大貴族借款,受制於金錢和人情,幾乎淪為隸屬,接受有損子爵家名譽的處境。
普通であれば、打つ手無しの詰み寸前。どこかの大貴族から借金をして、金銭と義理に縛られて隷属同然になり、子爵家の名を貶(おとし)めることを受容するしかないだろう。
是的,『普通的話』。
そう、「普通であれば」。
實際上,拉爾斯利克子爵家曾有一筆祕密財產。……不,應該說是「曾經有過」。
実は、ラルスリック子爵家には、隠し財産がある。……いや、「あるはず」であった。
數代前,有艘無人大型船漂流到面向海洋的拉爾斯利克子爵領。那艘從未見過的船上所有船員都死亡,水和食物也耗盡,但貨物與金庫卻完好無損。那些貨物無法當作食物,只是陶瓷、刀劍等貿易品;金庫裡則有大量金幣與寶石,作為購買資金。
何代も前の時に、海に面したラルスリック子爵領に無人の大型船が漂着した。見たこともないその船は、乗員は全て死に絶え、水も食料も尽きていたが、積み荷と金庫は手付かずであった。それらは、飲むことも食べることもできないもの、つまり、陶磁器、刀剣類その他の貿易品や、買い取りのための資金、つまり大量の金貨や宝石であったからである。
當時,正如現在一樣遭遇連年歉收危機的子爵領,將那些物資暗中在他國換成本國金幣,用其中一部分度過了危機。而剩下的則是——
当時、今と同じく不作が続き危機を迎えていた子爵領は、それらを密かに他国でこの国の金貨に換金し、そのお金の一部を使って危機を乗り越えた。そしてその残りは。
「就是這個,請幫我解讀!」
「これだ。解読を頼む!」
說著,中隊長遞出了一張羊皮紙。
そう言って、中隊長さんが差し出してきた1枚の羊皮紙。
「這是世世代代只傳給當主的文書。財貨的藏處原本僅以口傳相授,但三代前的當主在傳給下一代之前就因事故去世了……。」
「代々、当主にのみ伝えられる文書(もんじょ)だ。そして、財貨の在処(ありか)は口伝でのみ伝えられていたのだが、3代前の当主が、それを次代に伝える前に事故で亡くなってしまってな……。
「然而,現在我們的領地無論如何都需要它!拜託,請從這份文書中讀出財寶的所在吧!」
しかし、今、我が領地には、それがどうしても必要なのだ! 頼む、この文書から、財宝の在処を読み取ってくれ!」
「原來如此,這就是輪到我出場的理由。為了防備口頭交接斷絕,竟然用暗號記下財貨的藏匿處。嗯,備份很重要嘛。居然三個月都沒做備份,那個該死的課長!誰要來收這個爛攤子……不,算了,已經過去了,忘了它吧……」
成る程、それで私の出番、というわけか。口頭での申し送りが途絶えた場合に備えて、暗号で財貨の隠し場所が書いてあるわけか。うん、バックアップは大事だよね。それを、3カ月もバックアップを取っていなかっただと、あの腐れ課長めが! 誰がその尻拭いを……、いや、もう終わったことだ、忘れよう……。
「然後,接過遞上的羊皮紙,目光落在那份文件上。」
そして、差し出された羊皮紙を受け取り、その書面に目をやると。
『拉爾斯里克領遭逢危難、萬策已盡、別無他法時,方可動用所傳之財貨。——科雷克斯·馮·拉爾斯里克』
『ラルスリック領の危難に際して、万策尽き、他に手段無き場合にのみ、伝えし財貨を用いるべし。コーレクス・フォン・ラルスリック』
「上面就只寫了這些。」
ただ、それだけが書かれていた。
「懂不懂啊啊啊啊~~!」
「分かるかああああぁ~~っっ!」