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29 憤怒
接到弗蘭塞特的聯絡後,卡奧魯久違地前往了阿丹伯爵府。既然不是利奧塔爾子爵家,代表這次的事情並非表面上的交涉。
フランセットから連絡があり、カオルは久し振りにアダン伯爵家へと出向いた。リオタール子爵家ではない、ということは、表向きの話ではない、ということだ。
然後在那裡,從王兄羅蘭得到各種說法與情報。
そしてそこで王兄ロランドから聞かされる様々な話。
國際情勢、被追到絕境的帝國、戰爭,以及盧埃達聖國的陰謀。
国際情勢、追い詰められた帝国、戦争、そしてルエダ聖国の企み。
「那麼,這場戰爭,是因為我嗎?」
「じゃあ、この戦争って、私のせい?」
「不,並非那麼簡單。」
「いや、そういうわけじゃない」
羅蘭回答了卡奧魯的疑問。
カオルの問いに答えるロランド。
「本來帝國在地緣政治上就被逼到像是被困在半島尖端的形勢,於是不得不去侵略那種國家。而且,他們過度投入軍備建設,」
「元々帝国は、地政学的に、自国を半島の先端部に閉じ込める形になっている国を侵略せざるを得ない状況だったんだ。そして、軍備に力を注ぎ過ぎた。
「而且,戰爭不是幾個月就能準備好的事。其實他們早就打算了。只是碰巧把卡奧魯的事也當成開戰的理由之一加進去,僅此而已。」
大体、戦争など僅か数ヶ月で準備が出来るようなものじゃない。元々そのつもりで準備していたんだよ。たまたま、カオルのことも開戦理由のひとつとして追加されたかも、という程度に過ぎないさ」
聽了羅蘭的說明,卡奧魯感到一絲寬慰。畢竟若真因自己而引發戰爭,那實在太難以接受了。
ロランドの説明に、少し安堵するカオル。さすがに、自分が原因で戦争が起きるなど、嫌過ぎる。
她同時為盧埃達聖國的手段感到憤怒。
そして、ルエダ聖国のやり口に腹を立てた。
「我知道了。那就明天下午在這裡見面吧。」
「分かりました。では、明日の昼過ぎに、ここで」
「明白了。那就拜託你了。」
「了解した。では、よろしく頼むよ」
兩人的嘴角都微微上揚,被那種帶著惡意笑意的表情綁住了……。
ふたりの口元は、少し吊り上がっていた。悪い顔をした嗤いによって…。
回到工房後,卡奧魯讓腦袋全力運轉。
工房に戻ったあと、カオルはその頭脳を全力で回転させた。
這次不是為了巧妙周旋,而是單純以全力將敵人粉碎。她為了這個目標傾盡智慮,思考接下來的行動。
今回は、巧く立ち回るためではない。ただただ、全力で敵を叩き潰す。それだけの為に、知恵を絞ってこれからのことを考えた。
不再吝惜自己的能力。反正有些人會把她當成女神,也有人以為她受女神寵愛,多一點莫名其妙的力量也不會改變什麼。比起那些,讓無辜的人因為惡徒或士兵而白白喪命才是重大問題。
もう、能力の出し惜しみはしない。どうせ一部の者には女神だと思われているし、他の者にも女神の寵愛とか何とか思われているのだから、少しくらい不思議パワーが追加されてもあまり変わらないだろう。そんな事より、悪党や兵士以外の者の命が無駄に失われることの方が重大である。
……士兵就無所謂了。那是他們的工作,也是他們自選的道路。
……兵士は良いのだ。それが仕事だし、自分で選んだ道なのだから。
一邊思考,一邊替工房裡大家準備晚餐、收拾,終於決定了行動方針後,卡奧魯便為翌日休息。
考えながらも工房の皆の夕食を作り、片付け、そしてようやく行動方針を決めたカオルは、翌日に備えて眠りに就いた。
隔日,阿丹伯爵邸。
翌日、アダン伯爵邸。
房內有阿丹伯爵、王兄羅蘭、騎士弗蘭塞特、卡奧魯,還有來自盧埃達聖國的一行人。護衛在室外與宅邸外待命。
部屋には、アダン伯爵、王兄ロランド、騎士フランセット、カオル、そしてルエダ聖国からの一行。護衛は室外や邸外で待機している。
「喔,御使者,能見到您真是榮幸!」
「おお、御使い様、お会い出来て光栄でございます!」
一位自稱某某的樞機卿帶著兩名主教和數名神職人員面帶微笑行禮。禿頭、長鬍鬚與滾圓的腹部,顯露出平日享樂的痕跡。
二人の司教と数名の神官を連れた、なんとかいう名の枢機卿がにこやかな笑みを浮かべて挨拶してきた。禿げた頭に長い髭、でっぷりとしたその腹は、日頃の贅沢が窺い知れた。
卡奧魯曾否認的『御使者』稱呼被他用了,究竟是情報不足,還是刻意把卡奧魯捧成『御使者大人』來操弄……。
カオルが否定した『御使い』という呼び名を使ったということは、情報収集の不足なのか、承知の上でカオルを『御使い様』として祭り上げるつもりなのか…。
「不,我可不是賽蕾斯的差使。這點大家都知道吧。你們對我完全一無所知呢。」
「いえ、私は別にセレスの使い走りじゃありませんから。それは周知のことなんですけど。私の事は全く何も御存じないんですね」
卡奧魯冷冷的表情讓樞機卿有些慌亂。
冷ややかなカオルの表情に、少し慌てる枢機卿。
「不不不,能傳達女神賽蕾斯蒂娜大人話語之人,正是女神的使者啊!」
「いえいえ、女神セレスティーヌ様のお言葉をお伝えになられる御方は、女神様の御使いであらせられます!」
樞機卿顯然想把卡奧魯塑造成女神的使者。
どうしてもカオルを女神の使いに仕立て上げたいらしい枢機卿。
「喔,是嗎…。那麼,請問召我來有何事?」
「ふぅん、そう…。それで、私を呼ばれたのは何の御用ですか」
「是的,御使者您或許不知,亞里戈帝國的軍隊正逼近這裡——巴爾莫亞王國的王都格魯亞。因此在帝國軍抵達王都之前,誠摯邀請您前往我盧埃達聖國,並在聖國的大神殿為您護持……」
「はい、御使い様は御存じないかと思いますが、今、アリゴ帝国の軍が、ここ、バルモア王国の王都グルアに迫っております。そこで、帝国の軍が王都に到着します前に、御使い様には是非安全である我がルエダ聖国にお越し戴き、聖国の大神殿にてお守り致したいと……」
樞機卿趁著卡奧魯反應遲鈍時開始説服她。
反応の悪いカオルに、ここぞとばかりに説得にかかる枢機卿。
「欸,但那不正是聖國的所作所為嗎?」
「え、でもそれって、聖国の仕業ですよね?」
「欸……」
「え……」
樞機卿被卡奧魯的話噎住了。
カオルの言葉に絶句する枢機卿。
「既然是從聖國西北方向入侵,為何向東南方的這個國家沒有任何通報?你們那華麗、沉重、看起來速度慢的馬車都已到,為何沒有先發的快馬通報?若是在遭受侵攻後才準備出發,你們到達會不會太快了?帝國軍進攻如此迅速,代表聖國根本沒有抵抗,為何任由其通過?還有,為何不向其他國家通報或請求救援?」
「だって、聖国の北西から侵入されたのに、どうして南東方向のこの国に知らせが来なかったんですか? 豪華に飾り立てられた、重くて速度が遅そうなあなた方の馬車が着いているのに、早馬の知らせが来ていないのはどうしてですか? 侵攻を受けてから準備して出発したにしてはあなた方の到着は少し早くはないですか? こんなに帝国軍の侵攻が速いということは聖国の抵抗が全く無かったということになりますが、どうして抵抗なく通したのですか? また、なぜ他国に連絡や救援要請をしなかったのですか?」
「呃、那、那是……」
「え、え…、そ、それは……」
面對卡奧魯出人意料的強烈質詢,樞機卿一時答不出話。
思いも寄らなかったカオルの強い指摘に、返答に詰まる枢機卿。
「…也就是說,聖國是和帝國軍同夥,幫助他們的意思,對吧?」
「…つまり、聖国は帝国軍の味方、グルってことですよね」
「呃……」
「う……」
卡奧魯忽視沉默的樞機卿,轉向羅蘭說道。
黙り込んだ枢機卿を無視して、カオルはロランドの方を向いて言った。
「羅蘭大人,能否向諸國發布通告,說盧埃達聖國背叛女神賽蕾斯蒂娜、放棄中立並倒向亞里戈帝國?」
「ロランド様、各国に知らせを出して戴けますか。ルエダ聖国が女神セレスティーヌを裏切り中立を放棄、アリゴ帝国に味方した、と」
「什、什麼!那是亂說!」
「な、何を! デタラメだ!」
「難道我不是『傳達女神之言的御使者』嗎?」
「え、私は『女神の言葉を伝える、御使い様』じゃなかったんですか?」
對著臉色鐵青大聲喊叫的樞機卿,卡奧魯以冷冷的聲音回應。
真っ赤になって叫ぶ枢機卿に、カオルの冷たい声。
樞機卿竭力喊道。
枢機卿は必死になって叫ぶ。
「若反對聖國,會被逐出教會!巴爾莫亞王國若被女神正教逐出,你們能接受嗎!」
「聖国に逆らえば、破門だぞ! バルモア王国が女神正教から破門されても良いのか!」
樞機卿怒吼時,卡奧魯冷淡地告訴他。
怒鳴る枢機卿に、カオルが冷ややかに告げた。
「會被逐出的,是盧埃達聖國。女神賽蕾斯蒂娜不會容許腐敗的國家以她的名義做惡,已經到忍無可忍,命令別再冒用她的名號了。」
「破門されるのは、ルエダ聖国の方ですよ。女神セレスティーヌは、腐った国が自分の名を使って悪事を働くのはもう許さないそうです。我慢も限界なので、もう自分の名を使うな、と」
樞機卿愣住了。
愕然とする枢機卿。
「不、不可能…。聖國是女神行奇蹟、受祝福的國度!那是接受奇蹟的人們的國家啊!」
「ば、馬鹿な…。聖国は、女神様が奇跡を起こされ、祝福された国! その奇跡を受けた者たちの国だぞ!」
「啊,那個說法是錯的。」
「あ、それ、間違いですから」
「「「欸……」」」
「「「え……」」」
聖國一行人被卡奧魯的話弄得愣住。
カオルの言葉に、ぽかんとする聖国の一行。
「那只是因為那片土地出現了歪曲,賽蕾斯把它抹平了。也就是說,不是被祝福,而只是把污染的土地還原罷了。把負數還原成零,並不代表比別處獲得更多祝福。
「あれは、あの土地に歪みが出来たのでセレスが散らしただけですよ。つまり、祝福されたわけではなく、穢れた土地を元に戻しただけです。マイナスをゼロに戻しただけで、別に他の土地より祝福が多くなったわけじゃありません。
至於聖職者的祖先,也並非因奇蹟或祝福而受恩,而是因為阻礙賽蕾斯清理工作而拒絕離開、固守當地,他們只是遠遠看著賽蕾斯處理而已。賽蕾斯還抱怨那很礙事,影響她的工作呢。」
聖職者の先祖だって、別に奇跡や祝福を受けたわけではなく、セレスが浄化の邪魔だから立ち去るようにと言っても従わずに居残り、セレスの作業を遠くから見ていただけの人達だそうですよ。おかげで作業がしづらくて迷惑だった、って愚痴をこぼしてましたよ、セレス」
「不、那不可能…那怎麼會…」
「そ、そんな…、そんな馬鹿な……」
卡奧魯不理會愕然的樞機卿,再次指示羅蘭。
呆然とする枢機卿は放っておいて、カオルは再びロランドに指示をした。
「羅蘭大人,請將聖國的陰謀、被女神逐出的事實,以及聖國本來並無什麼祝福,只不過是給女神添麻煩的人們的後代這些事,一併通告各國。哦,也請讓聖國的國民知道這些真相。」
「ロランド様、聖国の企みと、女神から破門された件、そして聖国には元々何の祝福も無く、ただ女神に迷惑をかけた者達の子孫に過ぎないということ、纏めて各国に知らせて下さいませんか。あ、聖国の国民の皆さんにも周知させてあげて下さいね」
「知道了。馬上派急使。」
「分かった。すぐに急使を出そう」
「等、等一下!拜託你別這麼做,那樣的話……」
「ま、待て、待ってくれ! やめてくれ、そんなことをされたら……」
「那不是你們自己做的事嗎?」
「自分達のしでかした事でしょう?」
卡奧魯把哀求的樞機卿推開。
縋る枢機卿を突き放すカオル。
「入侵敵國、散布假情報、企圖帶走要人,這不是間諜行為嗎?破壞活動?總之,常見的作法就是把人拘捕逼供,對吧?」
「あ、敵国に侵入して虚偽の情報を流し重要人物を連れ去ろうとする、って、間諜行為? 破壊工作? とにかく、捕縛して情報を吐かせる、ってのが相場ですよね?」
在羅蘭的命令下,室外與邸外待命的士兵將來自盧埃達聖國的使者一行全數拘捕,押往王城。
ロランドの指示により、室外や邸外で待機していた兵士がルエダ聖国からの使者一行を全員拘束、王城へと連れて行った。
「是我告發了這些情報,但就算如此,這也太毫不留情了吧……」
「情報を教えたのは私だが、しかしそれにしても、容赦ないな…」
「欸?真正毫不留情的,是接下來要做的事哦?」
「え? 容赦がないのは、これからですよ?」
聽了王兄羅蘭的話,卡奧魯露出一抹冷笑回應。
王兄ロランドの言葉に、カオルはにやりと嗤って答えた。
羅蘭看著那張臉,心裡想道。
その顔を見たロランドは思った。
『啊,這孩子怎麼越看越適合一副惡人表情呢……』
(ああ、この子って、どうしてこう悪人顔が似合うのだろうか……)
「那麼,請你負責向各國通報吧。我還有點事要做……」
「じゃ、各国への連絡、よろしくお願いしますね。私はちょっとやる事がありますので…」
「欸,你打算做什麼?」
「え、何をするつもりだ?」
有種不妙的預感,羅蘭問道。
何か悪い予感がしたロランドが訊ねた。
「我想出去一趟,去把帝國軍給剿了。」
「ちょっと出掛けようかな、と。帝国軍を潰しに」
「欸………」
「え………」
她要獨自前往阻撓經聖國路線進軍的帝國軍。
ひとりで聖国経由の帝国軍を足留めしに行く。
羅蘭極力阻止卡奧魯,拼命阻止。
そう言うカオルを、ロランドは止めた。もう、必死で止めた。
但卡奧魯堅持要單獨向帝國軍而去,羅蘭只好妥協,給了她幾名護衛士兵相陪。
しかしどうしても単独で帝国軍に向かうというカオルに、ロランドは仕方なく護衛の兵を数名付けるということで妥協した。
此刻只能寄望女神的力量,也許需要重新檢討王都的防衛計畫。
ここは、女神様の力を信じるしかなかった。王都防衛計画も再検討すべきかも知れない。
「那我就先走了。如果萬一出事,就拿著這些你們存下的薪資和這個逃跑。」
「というわけで、ちょっと行ってくるから。もしもの時は、溜め込んだ今までの給金とコレ持って逃げなさい」
向原本流浪、現為『女神之眼』成員的七名孩子簡單說明情況後,卡奧魯交給他們幾瓶治療藥劑。不是市售品,而接近『女神之淚』性能的藥劑,且當然沒有使用期限。
元浮浪者、現『女神の眼』構成員の7人の子供達に対し簡単な状況説明を行うと、カオルは数本の治癒ポーションを渡した。市販品ではなく、『女神の涙』に近い性能のものである。勿論、使用期限はない。
正要離去時,卡奧魯被孩子們包圍住了。
そのまま帰ろうとしたカオルは、子供達に取り囲まれた。
「「「我們跟隨您!」」」
「「「お供致します」」」
「欸……不,你要面對的是兩萬人的帝國軍喔?可能會死耶?」
「え……。いや、2万人の帝国軍に向かっていくんだよ? 死ぬかも知れないんだよ?」
「「「「我們跟隨您!」」」」
「「「「お供致します」」」」
對困惑的卡奧魯,孩子們的領頭艾米爾開口說道。
困惑するカオルに、子供達のリーダーであるエミールは言った。
「當時如果不是你救了我們,其中二三人現在早就死了。幾年內也會有二三個死掉。剩下的人也會在匪幫間的地盤爭鬥中被殺,或因偷竊被兵衛抓到吊死……
「あの時助けて貰わなきゃ、このうち2~3人は今頃もう死んでた。数年以内にはもう2~3人死ぬことになってただろう。残ったヤツも、ゴロツキ同士の縄張り争いで殺されるか、盗みで衛兵に捕まって縛り首か……。
但現在我們有屋頂有牆壁,住在不會讓雨風吹進來的房子裡,穿著乾淨的衣服,吃得飽,能談論明天。這恩情必須回報。而且……」
でも、今の俺たちは屋根と壁があって雨も風も吹き込まない家に住んで、綺麗な服を着て、腹一杯食べて、明日の話が出来るようになった。この恩は返さなきゃならない。それに……」
「而且?」
「それに?」
對卡奧魯的追問,艾米爾挺起胸膛回答。
カオルの返しに、エミールは胸を張って答えた。
「我們是『女神之眼』。為女神收集情報,並守護女神的人!」
「俺たちは、『女神の眼』。女神様のために情報を集め、そして、女神様を守護する者だ!」
其他六人也都挺胸點頭。
他の6人も、胸を張って頷いている。
看起來他們完全沒有退卻的打算。
引く気は全く無さそうであった。