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23 對決! 王宮對神殿
「使者大人在嗎!」
「御使い様はおられますか!」
突然,在邁亞爾工房的玄關口響起一聲大喊。
突然、マイヤール工房の玄関口で大声があげられた。
卡歐爾其實並不是在看店,也從未正式以那個稱號自稱,所以毫不在意地繼續在廚房準備餐點。
カオルは別に店番というわけではなく、また、そんな名を正式に名乗ったこともないので、気にもせずに台所で食事の準備を続けていた。
阿希爾也聽得見卻裝作沒聽到。他被父親里奧塔爾子爵再三交代,除了經由子爵的王宮通知外,一概要置之不理。
アシルもまた、聞こえてはいたが無視。父、リオタール子爵を経由した王宮からの連絡以外は無視するよう、子爵から念を押されているのである。
最後不得不出面應對的,還是工房主巴爾多。
そして結局、対応しなければならないのは、工房主であるバルドーであった。
「哎呀哎呀! 聖殿的司教大人,有何貴幹?」
「これはこれは! 神殿の司教様が、何の御用でしょうか!」
「喔,使者大人在不在!」
「おお、御使い様はおられるか!」
「使者大人?」
「御使い様?」
巴爾多對於情況根本一無所知。
バルドーは、事情を全く知らなかった。
「當然是女神大人的使者啦!」
「女神様の御使い様に決まっているであろう!」
「欸、不、不過,那樣的大人為何會到我們這裡?」
「え、いや、そんな御方がどうしてうちに?」
話根本溝通不通。
話が全く通じない。
作為索爾涅大司教使者的佩里埃司教終於想起,自己要找的人名叫『卡歐爾』,便喊出了那個名字。
ソルニエ大司教からの使者であるペリエ司教は、ようやく自分が求める相手が『カオル』という名であることを思い出し、その名を告げた。
「欸,卡歐爾小姑娘在裡面啦,但說到『使者大人』這個……」
「え、カオルちゃんなら奥に居ますけど、『御使い様』ってのは……」
阿希爾正準備起身,心想這下可能麻煩了時——。
そろそろヤバいか、とアシルが腰を上げかけた時……。
「阿希爾在不在!」
「アシルはおるか!」
從王宮飛車趕來的里奧塔爾子爵到了。
王宮から馬車を飛ばしてきたリオタール子爵が到着した。
「請卡歐爾大人到我們里奧塔爾家來,與國王會見。」
「カオル殿には、我がリオタール家にお越し戴き、王と会見して戴く」
「不不,應由大神殿接待使者大人,並讓大司教與其會見。」
「いえいえ、御使い様は大神殿にお迎えし、大司教様とお会いして戴きます」
「居然說要把國王放在次位嗎!」
「王を後回しにすると申すか!」
「到底是哪位總說『宗教與政治無關』的啊!」
「宗教と政治は関係ない、といつも言っているのはどなたですかな!」
「哼……」
「うぬぬ……」
「唔……」
「ぐぬぬ……」
氣氛非常劍拔弩張。
非常に険悪であった。
雙方都絕不退讓,若退一步,便會危及自己的立場。
どちらも、決して引けない。引けば、自分の立場が危なくなる。
「好吵啊……」
「うるさいですねぇ…」
卡歐爾只好探出頭來。
仕方なく、カオルが顔を出した。
「喔,卡歐爾大人!」
「おお、カオル殿!」
「使者大人!!」
「御使い様!!」
「同時跟雙方會面不就沒問題了嗎?
「同時に両方に会えば、問題ないんでしょう?
而且我不喜歡在任一陣營那邊,或在別人看不到的地方會面,太可怕了。我希望有很多第三者在場,且不受任何勢力或派閥控制的場所……只要是在我說的條件下,我就會答應會面。」
それと、どちらかの陣営で、とか、他の者の眼に触れない場所で、とかいうのは、何があるか分からないので怖いから嫌です。たくさんの第三者の眼があって、どの勢力や派閥の支配下にもない場所で…、私の言うとおりの条件でなら、会ってもいいですよ」
巴爾摩亞王國王都格魯亞,中央廣場。
バルモア王国王都グルア、中央広場。
靠近王城正門,對面就是大神殿,能看見立在正門前的女神塞雷斯蒂娜像。
王城の正門に近く、また反対側には大神殿が面しており、その正面入り口の前にある女神セレスティーヌの像が見える。
平常熱鬧的中央廣場,遊客、散步的人群、攤販林立,現在反而籠罩在寂靜中。
いつもは観光客や散策者、出店の屋台等で賑わうその中央広場が、今は静寂に包まれていた。
這並非因為人少。
決して人出が少ないというわけではない。
不,事實上聚集了不輸年中幾次祭典或大型活動的人潮,甚至有帶著護衛和侍從的貴族出現。
いや、それどころか、年に数度のお祭りや大イベントの日にも劣らない、多くの国民が集まっていた。中には、護衛や供の者を連れた貴族の姿もある。
只是大家都安靜無聲,默默等候,正因如此才顯得寂靜。
ただ、皆が騒がず、じっと静かに待っている。それが故の静寂であった。
人群中央搭起了一座幾公尺高、四周皆可見的舞台;舞台上擺了成三角形排列的桌椅,彷彿要進行三方對談一般。
集まった人々の中央には、全周から丸見えの、数メートル程の高さのステージが設えられていた。そしてそのステージの上には、三角形を成すようにテーブルと席が並べられていた。そう、3組のグループによる対談が成されるかのように。
過了片刻,從大神殿出現了十數名神職人員,他們走向舞台,其中三人坐上舞台上的座位,其餘的在舞台下待命。
しばらくすると、大神殿から十数人の神官達の姿が現れ、ステージに近づくと、その内の3名がステージ上の席へと着いた。残りの者はステージの下で待機する。
又過了一會兒,一輛由王城護衛護送的華麗馬車現身,停在舞台前並放下了車上的乘客。
更に少し経ったあと、王城から護衛の兵に守られた1台の豪華な馬車が姿を現し、ステージ前に着くと、その乗客を降ろした。
與神殿方相對應的三位乘客也坐上了舞台,護衛則在台下待命。
神殿側と同じくその3名の乗客はステージ上の席へと着き、護衛の者達はステージの下で待機した。
神殿方出席者三人:索爾涅大司教、佩里埃司教、巫女謝拉。說是巫女,謝拉其實已是六十多歲,年事不輕。
神殿側列席者3名、ソルニエ大司教、ペリエ司教、巫女シェーラ。巫女と言っても、シェーラは60歳台とかなりの高齢である。
王宮方出席者同樣三人:國王塞爾茲、王兄羅朗德、宰相科爾諾。
王宮側列席者も同じく3名、国王セルジュ、王兄ロランド、宰相コルノー。
三角形的兩邊已經填滿,只剩最後一邊未就位。
三角形の2辺が埋められ、あとは最後の一辺のみ。
那個人,甚至讓國王久等的人。
それは、王をすら待たせる者。
廣場被一股緊張氛圍包圍。
広場が緊張に包まれた。
「啊,不好意思,來晚了~!」
「あ、すみません、遅くなりましたぁ!」
來自人群間那名出現的平民少女的聲音,差點把緊繃的氣氛給毀了。
群衆の間から現れた平民の少女のその声に、張り詰めた雰囲気が台無しになるまでは。
卡歐爾以會見為條件,提出了以下要求。
カオルは、会見の条件として、次のような要求を出した。
一、王宮與神殿雙方同時一併會見。
ひとつ、王宮側と神殿側、両方まとめて一度に行う。
二、在不受任何勢力影響的場所進行。
ふたつ、どの勢力の影響下にもない場所で行うこと。
三、在不特定多數人的公開場合進行。
みっつ、不特定多数の者の眼前で行うこと。
而卡歐爾具體指定的地點與方式,正是此處中央廣場的公開質詢會。
そしてカオルが具体的に指定した場所と方法が、ここ、中央広場における公開質問会であった。
王宮與神殿各有三名出席,卡歐爾一方只有卡歐爾一人。
王宮、神殿共に列席者は3名。カオル側はカオル1名のみ。
「那麼,從現在開始,進行質疑與回答。」
「では、これより、質疑応答を始めます」
在卡歐爾的主持下,對話開始進行。
カオルの仕切りで、話し合いが始まる。
「首先,諸位,身為一介平民的我,究竟有何事讓你們要求與我會見呢?」
「まず、皆さん、ただの平民である私に何の御用があって会見を求められたのでしょうか?」
「有、有何事之類的,邀請使者大人入宮本是理所當然的……」
「な、何の用も何も、御使い様を王宮にお招きするのは当然のことで…」
宰相科爾諾回答得有點理所當然的語氣。
宰相のコルノーが、何を当たり前のことを、というように答えた。
「欸?這跟我沒什麼關係耶?就算我去王宮,也沒什麼話可說、也沒事可做……」
「え? 別に、関係ないですけど? 私、王宮に行っても、何も話すことはないし、する事もないですけど…」
「欸……」
「え……」
宰相科爾諾愣在那裡說不出話來。
絶句する宰相、コルノー。
「那、那個,來自女神大人的神諭或祝福之類的……」
「あ、あの、女神様からの御神託とか、祝福とかは……」
「欸?沒有啦……」
「え? ありませんけど…」
「………」
「………」
國王雙手撐在桌上,呆然失神。
国王、テーブルに両手をついて呆然。
「不過,據調查,有城中民眾稱曾受女神祝福而獲救……」
「しかし、調べたところによると、王都の民の中に女神の祝福を受け救われた者がいると……」
王兄羅朗德發問。
王兄ロランドが問う。
「啊,那大概是因為那人心性正直,正遭受不合理的苦難吧。」
「ああ、それは、その者が心正しき者であり、理不尽な苦しみを受けていた場合、でしょう。
即便是王族或貴族認真治理國家或領地,那也只是作為統治者理所當然的行為,不至於稱得上『心正的善行』;在戰場受傷,也不過是騎士或士兵履行職責的結果,並非何等不合理的事,沒必要讓女神刻意插手。
王族や貴族の方が真面目に国や領地を治めていても、そんなのは施政者として当然の事ですから、別に『心正しき行い』というほどのことじゃありませんし、戦争で怪我をしても、それは騎士や兵士としての通常の任務の結果であって、『理不尽なこと』ではありませんよね。わざわざ女神様がどうこうする程のことではなく。
所以,就算我去見王族或貴族也毫無意義,而且我根本無法進入王城。有人說要獻出身體才能進去,那我已經向女神發誓絕對不會進去。」
だから、私が王族や貴族の方に会っても何の意味もないですし、そもそも私、王城にははいれないんですよ。はいるには身体を差し出さなきゃならないと言われて、絶対にはいらないって女神様に誓っちゃいましたから」
卡歐爾的爆彈發言在民眾中引起一陣騷動。
カオルの爆弾発言に、民衆達の間にざわめきが広がる。
『叫人把身體獻給使者大人!?』
(御使い様に身体を差し出せだと!)
『多麼失禮!那些貴族在想什麼啊!』
(何という不敬な! 貴族連中は何を考えているんだ!)
面對喧囂的人群,連羅朗德也掩不住焦急。
ざわめく民衆に、さすがのロランドもあせりが隠せない。
「總的來說,塞雷斯並不會關心每一個人的命運,除非是特別中意或特別有興趣,或是大量人命將要消逝之類的情況……女神通常不會一一干涉個人生活。」
「だいたい、セレスって、余程気に入ったか興味を持った場合を除いて、あまり人間ひとりひとりの運命には関心が無いんですよね。余程大勢が命を失うだとかの場合を除いて…。女神が、いちいち個人の人生に手出ししたりしませんよ、普通」
聽了卡歐爾的話,羅朗德沉默不語。
カオルの言葉に、黙り込むロランド。
卡歐爾把女神簡稱且呼其名字的無禮之處,被大家完全忽略過去了。
カオルが女神を略称で、しかも呼び捨てにしたことは完全にスルーされた。
另一方面,神殿方聽到卡歐爾說『不能進王城』,臉上露出喜色。
一方、カオルの『王城にははいれない』宣言を聞いて喜色を浮かべる神殿勢。
「使者大人,請務必來我們的神殿!神殿乃女神之膝下,我們的神殿才是使者大人應當停留之處!」
「御使い様、それでは、是非我が神殿へ! 女神様のお膝元である神殿こそ、御使い様の御滞在に相応しい場所でございます!」
這是由大司教親自極力勸誘。
大司教自らの必死の勧誘。
「不,我對神殿也沒什麼用處……」
「いえ、私、神殿にも用がないし……」
索爾涅大司教露出一副『蛤?』的茫然表情。
え、という顔でぽかんとするソルニエ大司教。
佩里埃司教拼命地極力懇求說。
ペリエ司教が必死で言い募る。
「就算是他國教派有些教義差異,大家不都是同一位女神塞雷斯蒂娜的信徒嗎!使者大人,請與我們一同為民眾……」
「い、いくら他国の宗派の方で若干の教義の差異はあろうとも、同じ女神セレスティーヌ様の信徒同士ではありませんか! 御使い様、どうか我らと共に民のため……」
「欸?我並不是特別信奉塞雷斯蒂娜喔?」
「え? 私、別にセレスティーヌの信徒ってわけじゃないですけど?」
「「「「「哇啊啊啊~~~~!」」」」」
「「「「「えええええ~~~っっっ」」」」」
卡歐爾的核爆彈般發言使廣場上響起驚叫。
カオルの核爆弾発言に、広場中から叫び声があがった。
「在我的故鄉,盛行著森林的恩澤、河川的恩惠、海洋的賜予──萬物皆有神意滲入、養育生命的信仰。女神塞雷斯蒂娜只是眾神之一,恰好會以人形直接給予親切建言的女神罷了。」
「私の国では、森の恵み、川の恵み、海の恵み、全ての物に神の御意志が宿り、生命を育んで下さる、という信仰が主流でして、女神セレスティーヌは、多くの神々のうちの一柱、たまたま人の姿で直接助言して下さる親切な女神様、という位置付けです」
「那、那麼,和使者大人與女神塞雷斯蒂娜之間的關係是……?」
「で、では、御使い様と女神セレスティーヌ様との御関係は……」
「啊,只是普通的朋友。」
「あ、ただのお友達、です」
大司教與司教面露難以置信,張著嘴一時愣住;只有巫女臉上帶著幾分無奈的神情。
信じられない、という顔で、口を開けたまま固まる、大司教と司教。巫女さんだけは、何かあきれたような表情。
「啊,還有,大家老叫我『使者大人』,但我並不是塞雷斯的跑腿喔。是平等的朋友關係。」
「あ、それと、皆さん私のことを『御使い様』とか呼ばれてますけど、私、別にセレスの使い走りをやってたりしませんからね。対等の友人同士なんで」
台上已是一片死寂。
もはや死屍累々のステージ上。
卡歐爾為慎重起見,對在台外聽著的貴族與神殿關係人士發出警告。
カオルは、念のため、ステージ外で聞いている貴族や神殿関係者向けの警告を出しておく。
「就算強逼我,塞雷斯也不會成全那種要求。反而會被惹怒,降下神罰;就算只懲罰本人那還算好的,可能是連同一族、一干相關派系全部連帶,或者整個王都、整個領地,甚至全國的神殿一起……塞雷斯是個做事粗線條的神。」
「私に強制して無理を言っても、セレスがそんなの叶えてくれるわけがないですからね。怒って神罰下されるのが関の山、ですよ。それも、本人だけで済めばいいんですが、一族郎党、関係派閥も引っくるめて全員、とか、王都ごと、領地ごと全部、とか、全国の神殿全て、とか……。セレス、大雑把だから」
貴族與神殿相關人士面色蒼白。
蒼白になる貴族、神殿関係者たち。
「若有人來向我提出任何要求,從那一刻起,我絕對不會滿足那個願望,無論理由為何。我說過『應當敬神;不可向神乞求』,神是應被敬重與虔誠信仰的對象,而非可倚賴或可要求的存在。」
「私のところに何か要求に来たら、その時点で、その願いは絶対に叶えませんから。理由の如何に関わらず。『神は敬うべし。頼むべからず』と言いまして、神様は敬って信心するものであって、決してアテにしたり要求したりするものではない、ということです」
台上除了巫女之外,其他人彷彿靈魂被抽離般面無血色。
ステージ上は、巫女さん以外は全員、口から魂が抜けたような感じになっていた。
看似也沒人再發問,大家正準備散去時,原本沉默的巫女提出了問題。
どうやら質問もないようなので、そろそろ帰るかな…、と思っていたら、今まで黙っていた巫女さんから質問が。
「請問,塞雷斯蒂娜大人當時是何等模樣?」
「あの、セレスティーヌ様、どんな御様子でしたか?」
嗯——這是在試探我是不是真的和塞雷斯是朋友嗎?從年紀看來,說不定她從塞雷斯上次降下神託時就已經當巫女了。
う~ん、私が本当にセレスと友人なのか試しているのかな? 年齢から見て、セレスが最後に神託を下した頃から巫女さんやってた可能性があるし。
「她當時顯得有些恍惚散漫。」
「ぽやぽやしてました」
「呵呵,是嗎……」
「ふふ、そうですか…」
嗯……她是不是也曾與塞雷斯交談過呢?
う~ん、セレスと話したことでもあるのかな?
差不多可以準備回去了吧。
もうそろそろ帰っていいかな。
啊,最後還有一件讓我在意的事。
あ、最後にひとつ、気になる事が。
「那個,巫女大人,我可以問一件事嗎?」
「あの、巫女さま、ひとつ聞いていいですか?」
「好,請儘管問。」
「はい、何でもお聞きください」
「那個……那座女神像,為什麼胸部做得那麼豐滿?」
「あの…、あの女神像、どうしてあんなに胸が盛ってあるんですか?」
台上最後一人也當場顛倒仰倒。
ステージ上、最後のひとりも崩れ落ちた。
不,是笑得跪倒在地了。
いや、笑い崩れたんだけど。