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21 招聘
阿希爾回到工房,把和父親談話的結果告訴了卡奧爾,卡奧爾心終於放下一些、過了一會兒。
アシルが工房に戻り、カオルに父親との話し合いの結果を伝え、カオルがひと安心してしばらく経った頃。
又有來自里奧塔爾家的使者造訪。
リオタール家から再び使いの者が訪れた。
「王宮來了詔使,馬上回去。」
『王宮から勅使あり。すぐ戻れ』
太快了。比預想的還要早太多!
早い。予想より早すぎる!
通常要傳到王的耳裡要經過好幾道手續、幾天,還要開會決定下一步……沒想到竟然是當日反應……。
王宮関係の誰かの耳にはいって、そんな馬鹿なと笑い飛ばされて、複数の筋から同じような話が届いて、考えた末に上に報告して、というのが何度か繰り返されて、王様の耳に届くまで数日、その後どうするかの会議が開かれて、と思っていたのに、まさかの即日反応……。
「如果被召見就去。請確認日時。也請轉告不需派人來接。」
「呼びつけられたら、行きます。日時を確認しておいて下さい。迎えは不要、と伝えておいて下さい」
「……知道了。」
「…分かった」
阿希爾離開後,卡奧爾開始思考。
アシルが去ったあと、カオルは考えた。
里奧塔爾家的人若與她一同上城,恐怕會讓人覺得她被他家圈養。里奧塔爾家的人應該僅止於聯絡與居中斡旋,凡事要避免牽連到他們。
リオタール家の者が一緒に登城、というのはまずいだろう。カオルを囲っているように取られる恐れがある。リオタール家の者はまだ、あくまでも連絡役、仲介者に留めるべきである。何かあった時に累が及ばぬよう、というのもある。
關鍵是,現在還為時過早。
問題は、まだ早すぎる、ということである。
在謠言還沒充分擴散之前就被王族或其周遭的人包圍控制可能很糟糕……最好等各派系和一般民眾都知道後再說……。
まだ充分に噂が広がる前に、王族やその周囲の者に囲い込まれてしまうのはマズいかも…。もっと、色々な派閥や、一般民衆にも広がってからの方が…。
話說回來,為何反應會快成這樣……。
大体、どうしてこんなに反応が早いのだろうか……。
卡奧爾根本沒想到那位女騎士會在王宮謁見廳裡使用藥劑。不管卡奧爾多麼聰明,如果沒有被輸入必要資訊,也不可能得出正確結論。
カオルは、まさかあの女性騎士が王宮の謁見の間でポーションを使ったなどとは想像もしていなかった。いくら頭の回転が速いカオルであっても、必要な情報が入力されていなければ正しい答えを出すことは不可能であった。
唔…要想辦法再拖一點時間……。
う~ん、何か、もう少し時間稼ぎを……。
還有,最好想個辦法,避免被硬性配到王族或派系高位貴族的兒子什麼的……。
それと、無理矢理王族や派閥の高位貴族の息子とかをあてがわれないよう、何か策を講じた方が……。
「卡奧爾,王那邊下了召見的命令。據說是明天早上,在謁見廳。」
「カオルちゃん、王から招聘の命が届いた。明日の朝、謁見の間にて、だそうだ」
「明白了。」
「分かりました」
阿希爾回到工房時,卡奧爾的對策已大致成形。
アシルが工房に戻って来た頃には、カオルの策はあらかた纏まりかけていた。
次日清晨,日出不久的王城後門。
翌朝、日の出直後の王城裏門。
那裡有個平民少女的身影,當然是卡奧爾。
そこには、ひとりの平民の少女の姿があった。勿論、カオルである。
正門較晚才開,但後門為了食材搬運商和早起的下人等會在日出時開放。夜間出入則只許部分人員。
正門が開くのはもっと後であるが、裏門は食材納入の業者やら早出の下働きの者やらのために日の出と共に開かれる。なお、夜間の出入りは一部の者にのみ許可される。
卡奧爾被指定的謁見時間是『晨間』。
カオルが謁見に指定されたのは『朝』であった。
在這個沒有精確鐘錶的世界,王絕對不能被久候。因此被告知『早上』,通常就是從很早就上城,在候見室等候長時間。
正確な時計のないこの世界。また、王を待たせるなどということはあり得ない。そのため、『朝』と言われれば、かなり早くから登城して待機室で長時間待つ、というのが普通である。
然而,即便如此,現在的時間也太早了,連負責候見的侍從似乎都還沒醒來。
しかし、それにしても、いくら何でも謁見待機には早過ぎる時間であった。まだ待機室付きの給仕すら起きていないような時間である。
「請問,我可以進去嗎…?」
「あの、通っていいでしょうか…」
向門衛那樣說的,是一位穿著像下人服裝的平民少女。
門番の男にそう言って来たのは、ひとりの平民の少女。下働きのような服装をしている。
「喔。有通門證嗎?」
「ああ。通門証は?」
「沒有…」
「ありませんけど…」
「嗯?是來接受一般謁見的人嗎?這也太早了吧……」
「ん? 一般謁見の者か? さすがに少し早過ぎるだろう…。
「算了,拿出你的謁見證。」
まぁいい、謁見証を」
在這個國家,即使是平民也能向王陳情求見,但必須通過極高倍率的事前審查和嚴格的身分調查。
この国では、平民でも王にお目通りして陳情等を行うことが出来る。但し、とんでもない倍率の事前審査や厳しい身元調査等を経て、であるが。
像某村的村長之類,或許百中有一能見到王,前提是案件極為重要,關乎村莊存亡之類。
どこかの村の村長あたりであれば、数百人にひとりくらいは謁見が叶うかも知れない。余程重要な、それこそ村の存続に関わるような案件があれば、であるが。
有人認為年輕美貌的女性較容易通過審查與被採納陳情,於是經常派年輕女性出面。雖然極少有人會把小孩當代理,但可愛的少女可能還是有一定效果。
若く美しい女性の方が審査も陳情内容も通りやすいと思ってか、若い女性を陳情者として起ててくる者も結構いる。さすがに子供を代理に起ててくることは滅多にないが、可愛い少女ならばそれなりの効果はあるのかも知れない。
「……那個我也沒有。」
「…それもありませんけど」
「什麼?想沒任何許可就要入城?究竟是來王城做什麼事的?」
「何? 何の許可証もなく入門したいだと? いったい王城に何の用があるというのだ」
「是的,我想見王……」
「はい、王様に会おうと思いまして…」
「沒任何許可證?」
「何の許可証もなく、か?」
「是的,我什麼都沒拿到……」
「はい、何も貰っていませんので……」
門衛無奈得目瞪口呆。
呆れた。門番は、心底呆れた。
『頭腦有問題嗎?』
(頭が弱いのか?)
不過,那少女頗為可愛。
しかし、結構可愛い少女である。
『這個可以得手嗎?』
(これはイケるか?)
門衛男子露出一絲奸笑。
門番の男は、にやりと嗤った。
「小姑娘,沒許可證就進不了王城,也見不到王。」
「お嬢ちゃん、許可証が無いと、王城にははいれないし、王様にも会えないんだよ」
「哎呀,那可麻煩了…」
「ええっ、それは困ります…」
『好、好…』
(よしよし…)
「不過,如果你有錢,我倒可以想辦法幫你…」
「でも、お金を出すなら、私が何とかしてあげてもいいんだよ…」
當然,門衛根本沒有那種權限。
勿論、門番風情にそのような権限は無い。
「欸,但我沒錢……」
「え、でも、お金無いですし……」
『啊,光看就知道了啦,那種程度……』
(ああ、見れば分かるよ、それくらい…)
「沒辦法啊……那麼,你能幫個忙給大叔嗎?我快下班了,換班後如果你願意陪我一下就行了。」
「仕方ないなぁ…。それなら、ちょっとおじさんの頼みを聞いてくれないかな。もう少しで仕事が終わって交代するから、その後、ちょっと付き合ってくれればいいんだ」
「欸,那個,不會是……」
「え、それって、まさか……」
少女雙手抱在胸前,顫抖著,眼眶含淚。
両手を胸の前で組み、ふるふると涙目になる少女。
「不、不行的。那種事……」
「だ、ダメです。そんなこと……」
「好啦好啦,沒那麼嚴重,只要你陪我一下,我就幫你見到王!」
「まぁまぁ、そんな大したことじゃないから。ちょっと付き合ってくれれば、王様に会えるようにしてあげるから!」
門衛男子趁機強硬逼迫。
ここぞと強引に畳み掛ける門番の男。
「不、不行,饒了我吧!我絕對不會再想進入這王城了!我不會進去,也不會聽從這國王族或大貴族的命令!我以女神發誓!!」
「い、嫌です、許して下さいぃ! もう、絶対にこの王城に入ろうなんて考えませんから! この王城にははいらないし、この国の王族の人や貴族の偉い人の言うことは聞きませんから! 女神様に誓います!!」
卡奧爾邊喊邊逃走。
そう叫んで逃げていくカオル。
「哼,失敗了啊。嘛,成功率本來就只有幾十次才一次。明明是個可愛的孩子,真可惜!」
「ちぇ、ダメだったかぁ。ま、うまく行くのは数十回に一度くらいだからな。せっかくの可愛い子だったのに、残念!」
這種事常有,門衛並沒注意到卡奧爾最後那句話有多麼不自然。
いつものことなので、門番の男は、カオルの最後の言葉が少し不自然だった事など気にも留めなかった。
邁亞爾工房。
マイヤール工房。
阿希爾昨晚回娘家過夜,稍晚才來到工房。大家習慣有人留宿或通宵工作,沒有人會在意上班時間。
昨夜は実家に泊まったアシルは、少し遅い時間に工房へと姿を見せた。泊まり込んだり徹夜したりが普通なため、勤務時間など誰も気にしない。
「啊,阿希爾先生,早安。」
「あ、アシルさん、おはようございます」
「啊,早安,卡奧……欸,你怎麼會在這裡!!」
「ああ、おはよう、カオルちゃ…ん…、って、どうしてここにいるのおぉぉ!!」
阿希爾驚叫。
アシル絶叫。
「今、今天早上有謁見啊……」
「き、今日は、朝に謁見じゃあ……」
阿希爾臉色煞白,顫抖著。
真っ青になって震えるアシル。
「我有去王城,但門衛不讓我進,說『要進就付錢或陪我一下』,所以我就向女神發誓『絕對不會進王城,也不會聽王族或貴族的話』然後跑回來了。」
「あ、王城には行ったんですけど、門番の人に入れて貰えなくて、『入れて欲しければ、お金を出すかちょっと付き合え』って言われたもんで、『王城には絶対入りません、王族や貴族の偉い人の言うことは聞きません』って女神様に誓って逃げ帰りました」
阿希爾當場暈倒。
アシル、卒倒。
之後他撐著必死的表情全力奔向里奧塔爾家。
その後、必死の形相でリオタール家に全力疾走。
結束晨間會議的國王與閣僚們一行人走進謁見廳,各自就座,緊張地等待『使者少女』的到來。
朝の会議を終えた王と閣僚は、そのままぞろぞろと謁見の間へと向かった。そしてそれぞれ席につき、緊張の面持ちで『御使いの少女』を待つ。
畢竟女神賽蕾斯蒂娜最後一次露面已經是五十三年前。此後雖然魯艾達聖國大神殿數次公布所謂『神諭』,內容多半對聖國與神殿有利,且不像過去會同時向各國顯現女神,只說殿內有人受神示,沒人真正相信那些是真正的神諭。
なにしろ、女神セレスティーヌ様が最後にそのお姿をお見せになられてから、既に53年。その後ルエダ聖国の大神殿が何度か『御神託』があったと公布したが、聖国や神殿側に都合の良い内容のものばかりであり、それまでの神託では各国に同時にお姿をお見せになっていた女神様のお姿もなく、ただ聖国の神殿の者にお告げがあったとのみ。誰も本当の御神託があったなどと信じてはいない。
而近日發生的『女神賽蕾斯蒂娜的友人──他世界女神的來訪』,以及隨之而來的『使者出現』,便引起了震動。
それが、先日の『女神セレスティーヌ様の御友人であらせられる異世界の女神様の御訪問』、そしてそれに続く『御使い様の出現』である。
這兩件事都與巴爾摩亞王國有關,是巧合嗎?
その双方ともがバルモア王国に関わったというのは、偶然か?
所謂朋友來訪雖然地點在鄰國,但參與者多為巴爾摩亞的人。這次使者出身似乎是他國,卻目前居住在巴爾摩亞王國。
御友人の方は、場所は隣国であったが、関わったのはバルモア王国の者のみ。今回の件も、御使い様の出身国は他国のようだが、今はバルモア王国に住んでいる模様。
是賽蕾斯蒂娜降臨的前兆嗎?會有新的神託嗎?或是預言大災難?
セレスティーヌ様御降臨の前兆か? 新たな御神託があるのか? また、大災害の預言なのか?
眾人怎能不緊張。
皆が緊張しないわけがない。
……遲了。
……遅い。
國王已入座並下達準備就緒的通知,過了好幾分鐘。
王が席に着き、準備良しの連絡を出してから、既に数分。
讓國王久候是不可想像的。
王を待たせるなど、あり得ない。
當場內開始躁動時,傳來了令人難以置信的報告。
場がざわつき始めた頃、あり得ない報告が届いた。
「少女未到」
『少女が来ていない』
不可能!
あり得ない!
竟敢無視國王的召見,爽約不來!
王の招聘を無視し、謁見をすっぽかすなどと!
縱然是使者大人,這也無法容許。
いくら御使い様だとしても、それは許されないことである。
謁見廳逐漸喧囂起來。
しだいに騒がしくなる謁見の間。
這時,一名慌張的士兵衝了進來。
そこに、慌てた様子の兵士が駆け込んで来た。
「里奧塔爾子爵請求立即見王!有關少女謁見,需緊急報告!」
「リオタール子爵が、直ちに王にお会いしたいと! 少女の謁見について、大至急の報告があるとのことです!」
「放他進來!」
「通せ!」
國王感到一陣不祥的預感。
王は、何か不吉な予感がした。
「那麼,據傳該少女在門口被門衛要求金錢與身體,無法入城而回……」
「では、何か。その少女は、門番にカネと身体を要求され、城にはいれずに帰った、と…」
「是,似乎是如此……」
「は、そのようで…」
「並且她當場發誓說她不會入王城,也不會聽從王族或大貴族的話,向女神發誓……」
「その時、王城にははいらない、王族や偉い貴族の言うことは聞かない、と女神様に誓う羽目になった、と……」
「是,似乎是如此……」
「は、そのようで……」
謁見廳內被驚愕與絕望籠罩。
驚愕と絶望に包まれる、謁見の間。
「阿莫羅斯,這是怎麼回事?」
「アモロス。どういうことだ」
國王質問了負責接待賓客的人。
王は賓客の対応を担当する者を問い詰めた。
「有、有的,今天負責正門的人被指示說若有他國貴族少女登城要立刻放行,並安排了引導人員!」
「は、はい、本日正門を担当する者には、他国の貴族の少女が登城したならばすぐにお通しするよう指示し、案内の者を配置しておりました!」
「……結果那少女出現在後門,還是在換班前的清晨,而且裝扮成平民……里奧塔爾子爵,這是為何?」
「…で、少女は裏門に現れ、しかも早朝で本日の者に交代する前、か。更に、平民の格好で……。リオタール子爵、なぜそのようなことに?」
面對國王的質問,子爵轉述他兒子所說的情況。
王の問いに、子爵は息子から聞いた話を伝える。
「是的,卡奧爾表示既然拋棄了祖國,與祖國的身分已無關聯,既以平民身分在此生活,就理所當然以平民身分前來,因此想從平民用的門進入。至於在我們家宴會時,為了不擾亂場合,她向認識的人借了禮服……」
「はい、少女カオルは、国を捨てたからには祖国での身分などもはや関係がない、この国で平民として暮らしているからには、平民としてお伺いするのが当然である、と。そのため、平民用の門からはいろうとしたそうです。我が家のパーティーの時は、場を乱さないようにと知人からドレスを借りたそうで…」
「……換言之,你沒有特別發放入城許可給預計會乘馬車從正門到來的外國貴族小姐吧?門衛早已被下令,並安排引導人員待命……」
「…で、馬車で正門に来るであろう他国の貴族令嬢にわざわざ入門許可証を渡しておいたりはしていなかったわけだな、門番に事前に指示してあり、案内の者も待機させておくわけであるから……」
這樣責怪負責人也太苛刻了吧。
これで担当者を責めるのは酷であろう。
國王表示理解,對負責人的責任不予追究。
王はその旨を告げ、担当者の責任については不問とした。
但如此一來就無法召她入宮,也無法下達王族或閣僚的命令。究竟該怎麼辦……。
しかし、これでは、王宮へは呼べない、王や王族、閣僚等から命も下せない。いったい、どうすれば良いものか………。
國王抱頭苦惱。
国王は頭を抱えた。