最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い~帝位に興味ないですが、死ぬのは嫌なので弟を皇帝にしようと思います~
第七百十四話 皇太子暗殺
我會去做。
やります。
艾利克那樣回答艾梅莉亞,是在隔天。
エリクがそうアメリアに答えたのは次の日だった。
理由有兩個。
理由は二つ。
其一是,若稱作「惡夢」,日記的內容過於詳盡。
一つは、悪夢というには日記の内容が詳細だったこと。
其二,覺得應該有人為此做好準備。
そしてもう一つは、誰かが備えるべきだと思ったからだ。
這個未來會不會到來並不確定。
この未来がやってくるかはわからない。
但若它突然降臨,誰也無法應對。
けれど、いきなりやってきたら誰も対応できない。
即便能應付,結果也會非常糟糕。
できたとしても、非常にまずい事態になるだろう。
因此,艾利克決定要為此做準備。
だから、自分はそれに備えると決めたのだ。
帝國的事交給維爾海爾姆就好,他有優秀的手足,輔佐方面不會有問題。
帝国のことはヴィルヘルムに任せればいい。優秀な弟妹もいる。補佐役には困らないだろう。
能做的事就該去做。
できることはやるべきだ。
而且。
そして。
「我一定會找到讓維爾海爾姆不必死去的出路。」
「必ずヴィルヘルムが死ななくてもよい道を探します」
「交給你……不過,終有一天你要做出抉擇。到那時請別選錯路。」
「任せるわ……けれど、いずれ決断するときがくる。その時に道を誤らないでちょうだい」
艾梅莉亞這麼說著,便把日記託付給艾利克。
そう言ってアメリアはエリクに日記を託した。
數日後,艾梅莉亞便身亡。
その数日後、アメリアは命を落とした。
再也回不去了。
もう後戻りはできない。
看著不顧眾人目光、不停哭泣的約翰內斯,艾利克真切地感受到這一點。
人目を憚らず、泣き続けるヨハネスを見て、エリクはそう実感した。
從那之後,艾利克陷入孤獨。
それからのエリクは孤独だった。
無人知曉的暗中活動開始了。
誰にも知られることのない暗躍が始まった。
雖然高舉「為了人類」這樣宏大的口號,但若那些惡夢並非未來的預知,這些行為便是在擾亂世局。
人類のため、という大仰な大義を掲げているが、悪夢が未来予知でなかった場合、世を乱す所業だ。
儘管如此。
それでも。
儘管如此。
それでも。
儘管如此。
それでも。
艾利克默默地做著自己能夠做的事。
エリクは黙々とできることをやった。
日記只寫到開門為止。那麼在門被開啟之後,要如何討伐惡魔?
日記は門を開くところまで。ならば門を開いたあと、どうやって悪魔を討つのか。
必須去思考這個問題。
それを考えなければいけなかった。
日記裡寫著將要發生的大致事項。
日記にはこれから起きる大まかなことが書かれていた。
未來會有一場人類與惡魔之戰,其主軸將是雷歐納爾特與阿爾諾爾特。那是遙遠的未來,沒有辦法確認其真偽。
将来的には人類と悪魔との戦争があり、その主軸となるのがレオナルトとアルノルト。遠い先のことだ。本物かどうか確かめる術はない。
然而,有一件事讓他確信日記為真:王國與聯合王國之間的戰爭。
だが、本物だと確信する出来事があった。王国と連合王国との戦争だ。
聯合王國的壓倒性優勢。
連合王国の圧倒的優勢。
王國已經無力反擊。
すでに王国には反撃に出る力がなかった。
每個人都是如此,連手握日記的艾利克也不例外。
誰もが、日記を持っているエリクですら。
沒有人懷疑聯合王國會勝利。
連合王国の勝利を疑わなかった。
然而,在其中出現了一位能創造奇蹟的聖女。
けれど、その中で奇跡を起こす聖女が現れた。
那位持續猛進的聖女,竟將由龍王子率領的聯合王國逼得撤退。
快進撃を続ける聖女は、竜王子が率いる連合王国を撤退に追い込んだ。
不可思議的逆轉劇。
ありえない逆転劇。
在眾人驚愕之際,艾利克顫抖不已。
皆が驚く中、エリクは震えていた。
這種事誰都無法預料。
こんなことは誰も予想できない。
因此,他認為這本日記大概是真的。
だから、この日記は本物なのだろうと思った。
因此,維爾海姆之死的可能性開始變得真實起來。
ゆえに、ヴィルヘルムの死が現実味を帯びてきた。
該怎麼辦?
どうすればいいのか。
他一邊苦惱,一邊日復一日地做著能做的事。
悩みながら、できることをやっていく日々だった。
首先要做的是壓制那些想趁此空檔攻入王國的強硬派。
まずやったのは、この隙に王国へ侵攻すべきという強硬派を黙らせることだった。
聖女也是戰力,絕不能失去她。
聖女は戦力。失うわけにはいかない。
他在王國與帝國之間暗中斡旋。
王国と帝国との間を密かに取り持った。
重要的是保全人類的戰力。
大事なのは人類の戦力を保つこと。
勢力均衡。
勢力の均衡。
由皇太子維爾海姆率領的帝國軍,是那個時代大陸上最強的軍隊。
皇太子ヴィルヘルムが率いる帝国軍は、この時代、大陸最強の軍隊だった。
也有一部分原因是支援他的弟弟妹妹們過於優秀——確實是黃金時期。若他們有心,十年內便能統一大陸的大半。
脇を固める弟妹たちが優秀すぎたというのもある。まさに黄金期。その気になれば十年で大陸の大半を統一できる戦力だ。
因此,艾利克四處交涉,阻止各方採取擴張政策。
だから、エリクは各所に掛け合って拡大政策を取らせないようにした。
不該發生無謂的爭鬥。
無駄な争いはすべきではない。
維爾海姆也同意這項方針,因此即便擁有強大的軍力,帝國仍保持平靜。
その方針にヴィルヘルムも同意していたため、強力な軍を擁しながらも帝国は静かだった。
他們把戰事限制在必要的最低限度,藉此強化作為盤據大陸中央強國的存在感。
必要最低限の戦いだけに留め、大陸中央に君臨する強国としての存在感を高めた。
因此,各國也避免了無謂的戰爭。
それにより、各国も無駄な戦いは避けた。
戰爭耗費資源與金錢。
戦争は資源も金も消費する。
更重要的是,人會死去。
なにより人が死んでいく。
即便逝者只是普通一名士兵,回到家裡也可能是個好父親,將來或許能成就一番大業。
死んだ人物がただの一兵卒だったとしても、家に帰れば良き父かもしれない。将来は大成する人物かもしれない。
無法預測那會對未來帶來何等影響。
未来にどんな影響を与えるかわからない。
因此,艾利克帶著希望大陸上的人們能活下去的心願,持續行動著。
だから、エリクは大陸中の人々に生きろと願いながら動き続けた。
他的心逐漸被消磨殆盡。
心がどんどんすり減っていく。
支撐艾利克的,是成為他妻子的蕾亞,以及住在城裡的弟弟妹妹們。
そんなエリクの支えは妻となったレーアであり、そして城で暮らす弟妹たちだった。
只要蕾亞對他露出笑容,他就能堅持下去。
レーアが笑顔を見せてくれるだけで頑張れた。
看著弟弟妹妹們無憂無慮地生活,他便覺得必須守護他們。
弟妹たちがのびのびと暮らす日々をみて、守らねばと思った。
即便付出任何犧牲也在所不惜。
たとえ、何を犠牲にしても。
必須將未來延續下去。
未来を繋がなければ。
「回來了!阿爾諾特、雷歐納爾特!」
「帰ったぞ! アルノルト、レオナルト!」
「歡迎回來,維爾海姆兄上」
「お帰りなさい、ヴィルヘルム兄上」
「歡迎回來……」
「お帰りなさい……」
「怎麼了?阿爾諾特看起來沒精神?難道是因為在意我說要在出發前教你劍術這事?別擔心,我也不是那麼兇的。」
「なんだ? アルノルトは元気がないな? さては出立前に剣術の稽古をつけてやると言ったのを気にしているな? 安心しろ、私も鬼ではない」
「不愧是維爾海姆兄上!我今天狀態有點不好。」
「さすがヴィルヘルム兄上! 今日はちょっと調子が悪くて」
「我已經請戈登幫忙了」
「ゴードンに頼んでおいたぞ」
「來吧!阿爾諾特!聽說你每天都在玩?讓我好好再鍛鍊你一番!」
「来い! アルノルト! 毎日遊んでばかりらしいな? 俺が鍛えなおしてやろう」
「維爾海姆兄上啊——!!!」
「ヴィルヘルム兄上ぇぇぇ!!!!」
每次結束前線地帶的視察回來,弟弟妹妹們總會迎接他。
前線地帯の視察を終えて、帰ると必ず弟妹たちが出迎えてくれた。
一如往常的光景。
いつもの光景。
那是多麼重要的一件事。
それがどれほど大切か。
維爾海姆和艾利克都明白。
ヴィルヘルムもエリクもわかっていた。
「你有看到克莉絲塔嗎?艾利克,她又長高了。」
「クリスタを見たか? エリク、また背が伸びていたぞ」
「正值成長期啊」
「育ち盛りだからな」
「會像阿梅莉亞大人一樣,長成美人。挑選女婿可就麻煩了吧?我不會那麼輕易允許,打算與父上一同成為擋在前頭的兩大巨頭。」
「アメリア様に似て、美人に育つだろう。婿選びが大変だぞ? 私はそう簡単に認めない。父上と二大巨頭として立ち塞がるつもりだ」
「別去阻撓妹妹的婚事。」
「妹の結婚に立ちふさがるな」
戰爭不會消失。
戦争はなくならない。
人與人之間的醜陋爭端不會消失。
人同士の醜い争いはなくならない。
然而,在帝國之內,在這裡卻實現了和平。
けれど、帝国の中で、ここでは平和が叶っていた。
世界和平那種事,仍舊只是遙不可及的夢想。
世界平和など夢のまた夢。
即便如此。
それでも。
在我身邊,和平已經實現。
自分の傍では平和が実現している。
應該就此感到滿足。
それで満足すべきなのだ。
若要求得太多,就會失去更多。
多くを求めれば、多くを失う。
有一段時期,艾利克不再翻看日記。
一時期、エリクは日記から目をそらしていた。
因為太平,他以為只要維持現狀,一切都能解決。
平和だったから。これを維持すればすべて解決だと思っていた。
然而,嚴酷的現實並沒有放過艾利克。
しかし、厳しい現実はエリクを放っておいてくれなかった。
「咳嗽不止……」
「ごほっごほっ……」
「維爾海姆……」
「ヴィルヘルム……」
「聽說是不治之症……能夠好好行動的大約只剩幾年……之後大概就會臥床不起了。」
「不治の病だそうだ……満足に動けるのはあと数年……そのあとは寝たきりだろうと言われた」
聽見和平從腳下開始崩塌的聲音。
平和が足元から崩れていく音が聞こえた。
日記裡記載的維爾海姆暗殺時期差不多到了。
そろそろ日記にあるヴィルヘルム暗殺の時期。
一向勤於情報蒐集的艾利克,已經察覺到那些徵兆。
情報収集に余念のなかったエリクは、その兆候を察知していた。
由魔奧公團實施的對皇太子的襲擊。
魔奥公団による皇太子襲撃。
話雖如此,那並不是什麼大規模的行動。
とはいえ、それは大がかりなものではない。
是藩國邊境領主自行暴走的行為。當然,那些領主也是魔奧公團的一員。
藩国の辺境領主が勝手に暴走する、というものだ。もちろん領主も魔奥公団の一員だ。
痕跡儘管被徹底消除,但早就開始監視魔奧公團的艾利克掌握了大量情報。
完全に痕跡は消されているが、その前から魔奥公団を監視していたエリクは多くの情報を握っていた。
要暗殺皇太子不可能成功。
皇太子の暗殺など成功するわけがない。
對於策動一方來說也是如此。
それは仕掛ける側も一緒。
他們並不真的以為能把人殺掉。
本気で殺せるなんて思っていない。
因為在過於安定的世界裡難以行動,他們打算在藩國與帝國之間引發戰爭。
安定しすぎる世界では動きづらいから、藩国と帝国との間に戦争を起こす気なのだ。
只是,那個契機。
ただ、そのきっかけ。
為了達成那目的的襲擊事件。
そのための襲撃事件。
那場在北部國境發生的襲擊——艾利克知道了。
北部国境に行われるそれを――エリクは知っていた。
「去找醫生……」
「医者を探そう……」
「沒用的……我很清楚自己的身體狀況……頂多也只能活十年吧……而且大半時間恐怕都要臥床。」
「無駄だ……自分の体のことはよくわかっている……長くて十年生きられるかどうか……その大部分をベッドで過ごすことになるだろう……」
「別放棄!」
「諦めるな!」
「病痛這種事無可奈何……但我並不是因此就放棄。身為皇太子,將來也會成為皇帝,我有個夢想,要建立一個更好的帝國。如果帝國穩定,大陸便不會陷入動亂。我不是全知全能的神,無法消滅世界上的所有爭端;但我能夠減少它們。我一直以為那是我的職責……可惜,似乎沒有足夠的時間。因此……我要把這份期望託付給未來。我要用這條生命,盡力讓未來的道路變得更平坦。幸好……我還有弟弟妹妹們。」
「病気ばかりはどうにもならない……それに諦めているわけじゃない。私には皇太子として、いずれは皇帝としてよりよい帝国を築くという夢があった。帝国が安定していれば、大陸も動乱には包まれない。私は全知全能の神ではない。世界中の争いをなくすことはできない。けれど、減らすことはできる。それが私の役目だと思っていた……けれど、私には時間がないらしい。だから……後の時代に託そうと思う。できるだけ、楽な道になるように……この命を使う。幸い……私には弟妹たちがいる」
「維爾海姆……」
「ヴィルヘルム……」
「艾利克……和雷亞結婚,你感到幸福嗎?」
「エリク……レーアと結婚できて幸せか?」
「當然。」
「もちろんだ」
「我能和特蕾澤在一起,也很幸福。我不認為那就是全部的幸福,但即便如此,去愛與被愛是件美好的事。雖然未能獲得子嗣,但我仍然感到幸福。已經足夠了……我希望現在的孩子們也能體會到這份幸福。人會把意志、想法與願望傳承下去。一切都是相連的。我會把這條生命……接續到下一代。」
「私もテレーゼと一緒になれて幸せだ。それがすべての幸せとは思わないが、それでも……愛し、愛される。素晴らしいことだ。子には恵まれなかったが、それでも私は幸せだ。十分だ……この幸せを今の子供たちにも体感してもらいたい。人は意志を、想いを、願いを、受け継ぐ生き物だ。すべては繋がっている。私はこの命を……次代に繋げる」
只要安靜養病,就能活下去。能活得更久一些。
安静にしていれば生きることができる。より長く。
然而,維爾海姆並不希望如此。
けれど、ヴィルヘルムはそれを望まない。
或許有人會選擇享受與重要之人一同緩緩流逝的時光。
大切な人と緩やかに時間が過ぎるのを楽しむ人生もあるだろう。
但維爾海姆並不這麼想。
しかし、ヴィルヘルムはそれを望まない。
並非為了與重要的人和自己共度更美好的時光。
大切な人と自分がより良い時間を過ごすより。
而是為了讓那個重要的人往後也能過得更好。
大切な人がその後もより良い時間を過ごせるように。
「埃里克,我要燃盡我的生命。」
「エリク、私はこの命を燃やすぞ」
「……是嗎」
「……そうか」
聽到那份覺悟之後,
その覚悟を聞いて。
埃里克心中也點燃了決意之火。
エリクの中にも覚悟の火が灯った。
眼下還是和平的。
今は平和だ。
或許可以把這份和平再維持一會兒。
それを少しだけ長く維持することもできる。
但前方等待的,卻是地獄。
けれど、先に待つのは地獄だ。
既然如此。
ならば。
現在,無論付出多大的犧牲也在所不惜。
今、どれほどの犠牲を払っても。
必須把這一切延續到未來。
未来へ繋げなければ。
眼下面對危機的是孩子們。
危機に直面するのは今、子供の者たち。
那些孩子此刻無能為力。
子供の彼ら、彼女には今、どうすることもできない。
那麼,連結未來就是現在大人的責任。
ならば、繋ぐのが今の大人の責務だろう。
因此,埃里克開始暗中行動。
だから、エリクは暗躍した。
行動巧妙,且極為慎重。
巧妙に、そして慎重に。
以免被任何人察覺。
誰にもバレないように。
他在皇后身上下了藥,牽走護衛,經由暗中操作減少近衛騎士的數量,並讓北部邊境守備隊出現漏洞。
皇后に薬を盛り、護衛を引きはがし、裏工作の末に近衛騎士の数を減らし、北部国境守備軍に穴を作らせ。
然後把藥交給了維爾海姆。
そして薬をヴィルヘルムに渡した。
那是一種能暫時緩和痛楚的藥。
それは一時的に苦痛を和らげるもの。
然而,也有反作用。
けれど、反動もある。
並叮囑道:「有狀況就立刻服用。」
何かあったときはすぐに飲め、と告げた。
結果。
その結果。
在反作用下動作停滯的維爾海姆,竟被一支毫無特徵的箭矢奪去了性命。
反動にて動きを止めてしまったヴィルヘルムは、何の変哲もない矢によって命を落とした。
往常一定會有人挺身擋下。
いつもなら誰かが身を挺して庇ったはず。
然而偏偏在那一天,身邊沒有那樣的人存在。
しかし、その日に限ってはそういう人物が誰も傍にはいなかった。
事情正是被如此引導安排的。
そういうように仕向けた。
噩耗很快傳到了埃里克耳中。
訃報はすぐにエリクの耳にも入った。
「對不起……維爾海姆」
「すまない……ヴィルヘルム」
埃里克獨自待在房裡流淚,抱緊日記。
一人、部屋の中で涙を流しながらエリクは日記を抱きしめる。
真是的。
本当にもう。
已無退路可走。
あとには退けない。
他既是兄長,也是朋友。
兄であり、友であった。
比自己的生命還要重要的另一半。
自分の命より大切な半身。
那條生命是被我奪走的。
その命を奪ったのだ。
埃里克已做好了失去一切的覺悟。
なにもかもを失う覚悟をエリクはしていた。
只是,為了未來。
ただ、未来のために。
那天,艾利克發誓不再哭泣。
その日、エリクは泣かないことを誓った。
不過這個誓言也毫無意義,因為眼淚已開始枯竭……
もう涙は涸れ始めていたから、意味のない誓いではあったが……。