最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い~帝位に興味ないですが、死ぬのは嫌なので弟を皇帝にしようと思います~
第六百十七話 艾德蒙·德羅爾姆
艾德蒙·德羅爾姆是工兵部隊的隊長。
エドモン・ドロルムは工作部隊の部隊長だった。
年約三十多歲,茶色的髮絲裡夾著些許花白。身形略顯肥胖,散發著有些樸拙的氣質,但又給人溫和的感覺。就是這樣一個人。
年は三十半ば。若白髪が少し混じった茶髪。やや肥満気味で、野暮ったい雰囲気を纏っているが、優し気でもある。そんな男。
他的嗜好是閱讀,總之非常喜歡看書。
趣味は読書で、とにかく本を読むのが好きだった。
艾德蒙原本夢想成為學者,但那個夢想未能實現。
将来は学者というのがエドモンの夢だったが、それは叶わなかった。
本來出生於王都一家酒舖的兒子,但在艾德蒙十幾歲時父母相繼去世,他只好無奈入伍。
元々、王都にある酒屋の息子として生まれたが、まだエドモンが十代の頃に両親が死去し、エドモンは仕方なく軍に入ったのだ。
不過,被迫從軍的艾德蒙並未因此出人頭地,他被分配到一座中等城市裡一支不起眼的工兵部隊。
とはいえ、仕方なく入ったエドモンが出世するわけもなく、中規模都市の地味な工作部隊に配属された。
他的任務是挖掘連接三座城市的地下道。
役目は三つの都市を繋ぐ地下道を掘ること。
這項工程已經計畫許久,但接連發生的各種事故讓進度遲遲無法推進。
かなり前から計画されていたものだが、いくつもの事故でなかなか進んでいなかった。
也就是所謂的閒職。
いわゆる閑職。
當時包括部隊長在內,沒有人想認真去打造這條地下道。
当時の部隊長も含めて、誰も真面目に地下道を作る気はなかった。
因為大家都不想冒著喪命的風險。
死にたくなかったからだ。
然而,天性認真的艾德蒙開始獨自調查周邊的地形。
しかし、生来、真面目な気質のエドモンは一人で周辺の土地を調べた。
他翻遍了所有建築相關的書籍,當然都是自費購買。
建築関連の本を読み漁った。もちろん自費だ。
周遭的人嘲笑艾德蒙,但他並不在意。
周りはエドモンを馬鹿にしたが、エドモンは気にしなかった。
因為那是他自己覺得快樂的事。
エドモン自身が楽しんでいたからだ。
蒐集完必要的資訊後,艾德蒙開始繪製連接三座城市地下道的設計圖。
そしてエドモンは必要な情報を集め終わると、三つの都市を繋ぐ地下道の設計図を描き始めた。
恰巧被前來視察的軍方高官看見。
たまたま視察に来ていた軍の高官の目に留まった。
高官看了超出預期的設計圖後,推薦艾德蒙出任工兵部隊隊長,並開始著手地下道的建設。
予想以上に出来のよい設計図を見て、高官はエドモンを工作部隊の部隊長に推薦し、地下道の建設に取り掛からせた。
從那時起,艾德蒙和部下一步一腳印地修築地下道,沒發生重大事故,完成了連接三座城市的通道。
それからエドモンは部下たちと共に地道に地下道を建設していき、大きな事故もなく三つの都市を繋ぐ地下道を完成させた。
那是五年前的事。
それが五年前のことだ。
之後艾德蒙又整修了各城市之間的道路,使物資運送更加順暢。
さらにエドモンは各都市間の道を整備し、よりスムーズに物資の運搬ができるようにした。
這些全都是他從書中學來的知識。
すべて本を読んで得た知識だ。
艾德蒙喜歡把所學用來幫助他人。
それを人のために活かすことがエドモンは好きだった。
漸漸地,艾德蒙贏得了周邊人們的信任。
次第にエドモンは周辺の人々から信用されるようになった。
遇到麻煩就去問艾德蒙吧,因為他什麼都知道。
困ったら、エドモンに聞けばいい。エドモンは何でも知っているから。
這樣的傳言一傳開,越來越多人前來請教他。
そんな噂が流れて、どんどん人が相談してくるようになった。
為了回應大家的需求,艾德蒙更加嗜書如命地讀起書來。
それに応じるため、エドモンはさらに本を読み漁った。
好讓自己能回答任何問題。
どんな質問にも答えられるように。
然後……帝國軍的侵攻開始了。
そして……帝国軍の侵攻が始まった。
工兵部隊沒有什麼出場機會。
工作部隊に出番はない。
因此艾德蒙如平常一樣處理日常瑣事,人們看到他的態度後,更加信任他。
だからエドモンは平時と変わらず、日々の雑務をこなした。その姿に、人々はよりエドモンを信用するようになった。
然而,情勢卻一刻不停地變化。
けれど、状況は刻一刻と変わっていった。
由安瑟姆王子率領的軍隊與帝國軍爆發激戰,安瑟姆王子倒向了帝國。
アンセム王子率いる軍と帝国軍が激突し、アンセム王子は帝国に寝返った。
再加上聯合王國的龍王也加入,聯軍開始對各城市展開攻略。
さらに連合王国の竜王まで加わり、連合軍が各都市の攻略に取り掛かった。
駐守在艾德蒙他們城市的守備部隊的將領察覺到敗勢後逃亡了。
エドモンたちの都市に駐屯していた守備兵を率いる将軍は、負けを察して逃亡。
所有人都不知道該怎麼辦。
誰もがどうしていいかわからなくなっていた。
但有傳言說若向帝國軍投降會遭到殘酷對待。
けれど、帝国軍に降伏したらひどい目に遭わされるという噂は流れていた。
對帝國有相當認識的艾德蒙雖然認為應該不至於,但戰爭之下誰也說不準會發生什麼。
本で帝国のことを良く知っていたエドモンは、そんなことはないだろうと思っていたが、戦争になれば何がどうなるかわからない。
於是他想至少做自己能做的事,繼續回答前來諮詢的人們。
だから、せめてできることだけやろうと、エドモンは相談しにくる人たちに答え続けた。
就這樣,在不知不覺中,艾德蒙被推舉為三座城市的領袖。
そうしているうちに、エドモンは三つの都市のリーダーに担ぎ上げられていた。
雖然有比艾德蒙階級更高的人,但大家都依賴艾德蒙。
エドモンより階級が上の者もいたが、皆がエドモンを頼りにしていた。
後來王都派來使者,說要任命他為統轄三座城市的將軍。
しまいには王都から使者が到着し、三つの都市をすべて統括する将軍に任じると言ってきた。
名實兼備,艾德蒙成了三座城市的代表。
名実ともにエドモンは三都市の代表になったのだ。
到那時,帝國軍的侵攻已經開始。
その頃には帝国軍の侵攻は始まっていた。
艾德蒙為了盡可能做好準備,徹夜不眠地備戰,迎接帝國軍的來襲。
エドモンはできるだけの備えをするため、寝ずに帝国軍来襲に備えた。
他動用從書本中積累的所有知識,預測敵軍的行動,並憑藉作為工作部隊所磨練出的經驗來加強防備。
本で蓄えた知識を総動員し、敵軍の行動を予想し、工作部隊として培った経験で防備を固めた。
那份防備完美到讓人難以相信出自一個從未指揮過戰鬥之人的手中,甚至讓雷歐納爾特不由自主地停止了進軍。
その備えは一度も戦闘の指揮を執ったことがない者とは思えないほど完璧で、思わずレオナルトが進軍を止めるほどだった。
然而。
しかし、だ。
總有人比他更強。
上には上がいる。
艾德蒙深深感受到這一點。
そのことをエドモンは痛感していた。
「敵左翼前進!」
「敵左翼前進!」
顯然指揮官已經換人了。
確実に指揮官が代わった。
沒有時間去想為什麼。
なぜと考える時間はなかった。
總之,敵方的動向與以往不同。
とにかく敵の動きが今までとは違う。
因此艾德蒙感到焦急。
だからエドモンは焦っていた。
到目前為止,對方還會有所顧忌。艾德蒙也希望能避免戰鬥,對方也畏懼傷亡。
これまではこちらを気遣う素振りがあった。エドモンもできれば戦いたくないし、相手も被害を恐れていた。
可是,指揮官換人了。
しかし、指揮官が代わった。
感受到的是一股壓力。
感じるのは圧力。
若一鬆懈就會被吞沒。艾德蒙感到那種緊繃感。
油断したら飲まれる。そんな緊張感をエドモンは感じていた。
「左翼是佯攻!不用在意!!」
「左翼は陽動だ! 気にしなくていい!!」
下達那個指示後,艾德蒙鳥瞰整體局勢。
そう指示を出し、エドモンは全体の様子を俯瞰する。
敵方基本上想以最小的犧牲取勝,這點與前任無異。
敵は基本的に最小限の犠牲で勝とうとしている。その点は前任と変わらない。
不同之處在於,前任在找尋破綻,現在則試圖製造破綻。
違いは、前任は隙を探していたのに対して、今は隙を作り出そうとしている。
換言之,變得更為積極。
より、積極的なのだ。
然而,基本方針沒有改變。只要對方不打算不惜一切犧牲,就不會在完全沒有破綻的情況下發動攻擊。
しかし、基本方針は変わっていない。犠牲をいとわない戦いをしない以上、隙が無い状態で攻めてくることはない。
所以他判斷左翼只是佯攻。
だから左翼は陽動だとわかった。
然而。
しかし。
「左翼停止後,再度前進!!」
「左翼停止後、再度前進!!」
怎麼可能!?
そんな馬鹿な!?
艾德蒙大為驚訝,愣了片刻。
エドモンは驚き、一瞬だけ考え込む。
周遭的人都在等待艾德蒙的指示。
周りの者はエドモンの指示を待っている。
一方面是想回應眾人期待的心情,另一方面又因為無法看透敵人的意圖而不敢輕舉妄動。
その期待に応えなければという思いと、敵の意図が読めない以上、下手なことはできないという思い。
結果被這兩種念頭夾住了。
その二つに挟まれた結果。
稍微晚了一些,艾德蒙下達了指示。
少し遅れて、エドモンは指示を出した。
「調動五百名預備兵,向敵左翼移動!」
「予備兵を五百人、敵左翼に対して移動!」
並非完美的指示,但勉強及格。
完璧な指示ではない。けれど、及第点の指示。
然而,對手不會容忍不完美。
けれど、相手は完璧以外許してくれない。
「敵本陣出現龍騎士!不,那是天隼……!是帝國第六近衛騎士隊!」
「敵本陣から竜騎士が! いえ、あれは天隼……! 帝国の第六近衛騎士隊です!」
「正往我方左側飛來!?」
「こちらの左側に飛んでいるぞ!?」
「立刻派弓隊前去!」
「弓隊を至急向かわせるんだ!」
「敵軍本陣派出騎兵出擊!披著白色披風!」
「敵本陣から騎馬隊が出撃! 白いマントを羽織っています!」
「又是近衛騎士隊……!!」
「また近衛騎士隊……!!」
「他們正從我們右側包抄過來!!速度好快!!」
「こちらの右から回りこんできます!! すごい速さだ!!」
「騎兵衝不破城牆!一旦靠近就射箭!!」
「騎馬じゃ城壁は抜けない! 近づいてきたら矢を放て!!」
精銳部隊的集中運用。
精鋭部隊の集中運用。
之前還以為只是試探性的動作,但既然出動了近衛騎士隊,情況就不同了。
これまでは小手調べでもしているのだろうと思ったが、近衛騎士隊が出てきたなら話は違う。
敵軍是認真的。
敵は本気。
作出那樣的判斷後,艾德蒙也下定了決心。
そう判断し、エドモンも覚悟を決めた。
敵軍一定會攻來。
必ず敵は攻めてくる。
防守時不能落於下風。
防ぐには後手に回ってはいけない。
必須先行預判。
先読みしなくては。
兩支近衛騎士隊的出動使左右戰力分散。
二つの近衛騎士隊の投入で、左右に戦力が分散した。
那麼,就絕不會放過這個破口。
ならば、この隙を逃したりはしない。
而且根據以往的傾向,敵方指揮官不會採取正面硬攻。
そしてこれまでの傾向から、敵の指揮官は正面からの正攻法には出ない。
先發攻擊必定會出其不意。
先制の攻撃は必ず意表をついてくるはず。
「後方集結戰力!」
「後方に戦力を集中!」
「敵軍本陣有龍騎士……白色的龍騎士騰空而起!!」
「敵本陣から竜騎士が……白い竜騎士が飛び立ちました!!」
「帝國的白色龍騎士……!?是近衛騎士隊長,芬·布羅斯特!!」
「帝国の白い竜騎士……!? 近衛騎士隊長のフィン・ブロストだ!!」
「快點!!從後方來了!!」
「急ぐんだ!! 後方から来るぞ!!」
對方是能一擊改變戰局的近衛騎士隊長。
相手は戦局を一撃で変えられる近衛騎士隊長。
若被那一擊擊潰,守住陣地就不可能了。
その一撃で崩されたら、守り切ることは不可能。
但敵方指揮官不會輕易冒險。
しかし、敵の指揮官は無理をしない。
若能在此撐住,他們應該會放棄。
ここで耐えきれば諦めるはず。
所以艾德蒙拼命地下達指示。
だからエドモンは必死に指示を出した。
艾德蒙的眼中映出一名氣勢洶洶衝擊而來的白色龍騎士。
そんなエドモンの目に勢いよく突撃してくる白い竜騎士の姿が映った。
艾德蒙被那個身影吸引住,目光無法移開。
その姿にエドモンは釘付けになる。
不管來什麼攻擊,他都必定會應對。
どんな攻撃が来ようと、必ず対処して見せる。
帶著那份覺悟,小心注視著的艾德蒙頭頂上方,白色龍騎士低空飛過。
そんな覚悟をもって、注意深く見つめるエドモンの上を白い竜騎士は低空で通り過ぎていく。
就在那一瞬間。
その瞬間。
「帝國的勇猛士兵們啊!帝國第八皇子雷奧納爾特·雷克斯·阿德拉下令!!繼續進攻——!!!!」
「帝国の勇猛なる兵士たちよ! 帝国第八皇子、レオナルト・レークス・アードラーが命じる!! 続けぇぇぇ!!!!」
敵方中央軍開始前進。
敵中央軍が前進を開始した。
在此發動物量攻勢。
ここで物量攻撃。
完全陷入被動。
完全に後手を踏まされた。
士兵們陷入混亂。
兵士たちは混乱している。
照這樣下去,無法做出有效抵抗,會被擊潰。
このままじゃ大した抵抗もできず、やられてしまう。
正因如此,艾德蒙放聲大喊。
だからこそ、エドモンは声のかぎり叫んだ。
「弓兵準備!!油與石塊也要備好!若從正面攻來,就按計畫防守!!」
「弓兵用意!! 油と石も準備だ! 正面から攻撃してくるなら、予定通り防衛するんだ!!」
那是最先被針對準備的攻擊。
それは一番に対策した攻撃。
正面兵力雖然稀少,但要突破城牆仍然需要時間。
正面の兵力は僅かだが、城壁を突破するには時間がかかる。
在那段時間內設法調動兵力,抵擋敵方的猛攻。
その間に何とか兵力を移動させて、敵の猛攻に耐える。
既然已經落入後手,也只能這麼做。
後手を踏まされた以上、それしかできない。
不過奇怪的是,從艾德蒙他們那裡看去,敵兵卻向左側轉移陣地。
だが、不思議なことに敵兵はエドモンたちから見て、左側に転進していく。
就在箭矢勉強可及的邊緣。
矢が届くギリギリで。
「停、停了……敵人不會來了!!」
「や、やめた……敵は来ないぞ!!」
「哈、哈哈……是被嚇破膽了嗎!」
「は、はは……臆病風に吹かれたか!」
「太好了!真是太好了……」
「やった! よかったぁ……」
看到敵軍轉移,士兵們都鬆了一口氣。
敵の転進を見て、兵士たちに安堵が広がる。
艾德蒙也不例外。
それはエドモンとて例外ではない。
這是為了消耗我方體力的計策。
こちらを疲れさせるための策。
艾德蒙如此判斷,輕輕吐出一口氣。
そう判断し、ふぅと息を吐いた。
就在正面城牆上,出現了兩名人物。
そんな正面城壁に二人の人物が現れた。
一名披著白色披風、擁有櫻花色頭髮的女性。
白いマントを羽織った桜色の髪の女性。
那名美得驚人的女性,艾德蒙無暇多看。
驚くほど綺麗なその女性に見惚れる余裕は、エドモンにはなかった。
與那名女性一同出現的,是一位黑髮黑眸的男子。
その女性と共に現れたのは黒髪黒目の男。
他披著一件蒼藍色的披風。
羽織っているのは蒼いマント。
在帝國中,只有元帥才被允許如此穿著。
それが許されるのは帝国において元帥のみ。
而在敵軍那頭,帝國元帥只有一人。
そして敵軍に帝国元帥は一人だけ。
「我是聯合軍總司令阿爾諾特·雷克斯·阿德勒。前來拜會敵將多羅爾姆閣下,不知可否獲准晉見?」
「連合軍総司令、アルノルト・レークス・アードラーだ。敵将、ドロルム殿に会いに来た。お目通りは叶うだろうか?」
來到面前的那名男子露出一抹不懼的笑容,凝視著艾德蒙。
やってきた男は不敵な笑みを浮かべ、ジッとエドモンを見つめてきたのだった。