最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い~帝位に興味ないですが、死ぬのは嫌なので弟を皇帝にしようと思います~
第五百十二話 馬爾塞爾
帕斯托雷公爵控制了都城,將兄長公王軟禁,自行坐上了王座。
都を制圧し、城に拠点を置いたパストーレ公爵は兄である公王を軟禁して自ら玉座に座っていた。
總算得手的王座。
ようやく手に入れた玉座。
而且幾乎沒有能威脅他的人。
しかも脅かす者はほとんどいない。
漫長啊。
長かった。
閉上眼,帕斯托雷公爵回想起一路以來的辛勞。
目を瞑り、パストーレ公爵はこれまでの苦労を思い返していた。
然而,有人打算妨礙他。
だが、それを邪魔する者がいた。
「拿到王座就這麼滿足了嗎?帕斯托雷公爵」
「玉座を手に入れて満足といった顔だな? パストーレ公爵」
「是馬爾塞爾大使嗎……」
「マルセル大使か……」
帕斯托雷公爵厭煩地皺起了眉頭。
面倒そうにパストーレ公爵は顔をしかめる。
帕斯托雷公爵也知道自己能坐在這裡多半是馬爾塞爾的功勞。
パストーレ公爵も自分がこの場にいるのは、マルセルのおかげだということはわかっていた。
然而,他對馬爾塞爾的要求感到惱怒。
しかし、マルセルの要求には嫌気がさしていたのだ。
「你來再多次也一樣。我不會出兵」
「何度来ても同じだ。出陣はせん」
「現在一旦出擊就能決定勝敗,不是嗎?」
「今、打って出れば勝利を決定づけることができるのにか?」
「若敗就會失去一切。對手勢弱,慢慢拖時間把他們逼到絕路就行了」
「負ければすべてを失う。相手は弱小だ。このまま時間をかけて追い詰めればよい」
「我不是已經說過,這麼做會給對方翻盤的時間嗎?」
「それをすれば相手に逆転の時間を与えると説明したはずだが?」
「從這裡不可能翻盤」
「ここからの逆転はない」
帕斯托雷公爵斬釘截鐵地說道。
パストーレ公爵はそう断言した。
因為國內大多數的貴族都站在帕斯托雷公爵一邊,或採取觀望態度。
国内の貴族のほとんどがパストーレ公爵につくか、日和見を決め込んでいるからだ。
即便那些觀望的貴族倒向對方,也動搖不了他們的優勢。
その日和見を決め込んでいる貴族たちが相手側についたとしても、自分たちの優位は揺るがない。
「說沒有逆轉?帝國在南部邊境有守備軍,與朗迪內接壤的邊境上駐有充足兵力。若其中一方出手,形勢會瞬間逆轉的啊?」
「逆転がない? 帝国には南部国境守備軍がおり、ロンディネとの国境には十分な戦力が待機している。どちらかが動けば一気に形勢は逆転するんだぞ?」
「帝國不會調動國境守備軍。既沒有理由,也沒好處。他們想讓與王國的戰事有利,所以需要我國支援,若做出暴露弱點的舉動就本末倒置。駐守朗迪內邊境的軍隊更不會動——朗迪內軍就在眼前」
「帝国が国境守備軍を動かすわけがない。理由もなければ、メリットもない。王国との戦いを有利に運びたいから我が国の支援が欲しいのに、隙を晒すような真似をすれば本末転倒だ。ロンディネとの国境にいる軍はなおさら動かない。ロンディネ軍が目の前にいるからな」
「你不認為朗迪內會為了帝國撤兵嗎?你也不覺得南部國境守備軍會去威嚇邊境附近的貴族?現在出手有九成勝算,但拖久了很快就會拉平到五五」
「ロンディネが帝国のために軍を退くとは考えないのか? 南部国境守備軍が国境付近の貴族を脅すとは? 今なら九割勝てる。だが、時間を掛ければすぐに五分に持っていかれるぞ?」
「這不過是推測。算了,我累了」
「憶測にすぎん。もういい。儂は疲れた」
說罷,帕斯托雷公爵從王座上站起,轉身退去。
そう言ってパストーレ公爵は玉座から立ち上がって、下がっていく。
馬爾塞爾苦澀地盯著他的背影,轉身離去。
マルセルはその後ろ姿を苦々し気に見つめて、踵を返す。
「莉澤特!公爵的兒子巴爾納巴在哪裡!?」
「リゼット! 公爵の息子のバルナバはどこにいる!?」
「他常去都城的妓院」
「都の娼館に通っています」
「這種時候還去尋花問柳!?膽真大!」
「こんな時に女遊びか!? 肝が太いことだな!」
聽完報告,馬爾塞爾深深嘆了一口氣。
報告を聞いたマルセルは深くため息を吐いた。
只要控制了都城和王的身軀,剩下就靠壓倒性的兵力差把王子擊敗就行了。
都と王の身柄を抑え、あとは圧倒的な兵力差を背景に公子を打ち負かせばいい。
只差最後一推。
あと一押し。
偏偏他們已經自以為勝券在握。
それなのに、もう勝った気になっている。
「沒有我的幫助你就拿不到王座,對吧!父親既是如此,兒子也不會好到哪裡去!那位公王竟以自我為人質,給了那位公子所謂的大義名分!那個公爵和他的兒子連把蟲踩死都做不到!放著不管,那隻蟲會把整個家族吞噬!」
「助力がなければ玉座に手が届かぬわけだな! 父が父なら子も子だ! 兄である公王は自ら人質になることで、公子に大義名分を与えたというのに! あの公爵とその息子は虫けらを踏みつぶすこともできない! 放置すればその虫に家が食い潰されるというのに、だ!」
「馬爾塞爾大人,請您冷靜。這樣會傷身的」
「マルセル様、どうか落ち着いてください。お体に障ります」
「我怎能冷靜得下來!對手可是阿爾諾特·雷克斯·阿德勒!?雷奧納爾特的勝利背後總有他的影子!輕視他的人多半都被送去另一個世界!我可不想重蹈覆轍!」
「これが落ち着いていられるか! 相手はあのアルノルト・レークス・アードラーだぞ!? レオナルトの勝利の裏には常に奴がいる! 侮った者の多くはあの世に送られた! 俺は彼らの二の舞はごめんだ!」
「雖然是這樣,但這裡並非帝國。正如馬爾塞爾大人不會事事如意,那位皇子也不會任人擺布」
「それはそうですが、ここは帝国ではありません。マルセル様が思う通りにならないように、あの皇子も思う通りにはなりません」
「正因如此才麻煩!我們這邊只有那個公爵和他的兒子做棋子,而對方有公子。若變成勢力較量,沒有勝算!」
「だから困るのだ! こちらの駒はあの公爵とあの息子だ。一方、向こうには公子がいる。旗印の比べ合いになれば勝ち目はない!」
說到這裡,馬爾塞爾的身體忽然一陣搖晃。
そこまで言い切ったあと、マルセルの体がフラリとよろける。
莉澤特慌忙扶住了他。
慌ててリゼットがその体を支えた。
「請您歇一歇。不管阿爾諾特皇子多麼機謀深重,從現在要翻盤也並不容易」
「どうかお休みください。いくらアルノルト皇子が策士だろうと、ここからの逆転は容易ではありません」
「他不可能會放著朗迪內不管。情報說他應該和蒼鴎姬一同啟航……現在應該在朗迪內了吧」
「奴が……ロンディネを放置するわけがない。情報では蒼鴎姫と共に出航したはず……今頃、ロンディネだろう」
「我們那邊也已經有對策了不是嗎」
「そちらにも我々は手を打っているではありませんか」
「還談不上萬全……必須在朗迪內行動之前了結此事……」
「万全ではない……ロンディネが動く前にケリをつけなければ……」
「那就散布謠言給民間。百姓越不安,公爵越會心慌。恐怕會因懼怕暴動而提前結束對局」
「では、民に流言を流しましょう。民が不安になればなるほど、公爵も不安になるはず。暴動を恐れて決着を早めるでしょう」
「除此之外別無他法嗎……早該讓他們寫下會遵從我命令的誓約書才對……」
「そういった手しかないか……こんなことなら俺の言うことには従うという誓約書でも書かせるべきだった……」
「並非人人都能像馬爾塞爾大人那樣預見未來。您不必替他人的愚昧背負一切……」
「誰もがマルセル様のように先を見通せるわけではありません。他者の愚かさまでマルセル様が背負う必要はないのです……」
聽了莉澤特的話,馬爾塞爾苦笑起來。
リゼットの言葉にマルセルは苦笑いを浮かべた。
不需要替他人的愚蠢承擔一切。對普通人而言,本該如此。
他者の愚かさを背負う必要はない。普通の者ならそうだろう。
然而,有些人卻無法被允許這麼做。
だが、それが許されない者もいる。
「我不能依賴那番話自我安慰……我有必要承擔一切」
「その言葉に甘えるわけにはいかない……すべてを背負う必要が俺にはある」
「可是……」
「ですが……」
「在這具身軀還能動的時候……我必須創造出勝機……姊姊的安危與……『我之王國』的未來都系於此」
「この体が動くうちに……勝ち筋を作らねばならないのだ……姉上の安全と……〝我が王国〟の未来がかかっている」
說罷,馬爾塞爾深吸一口氣,從懷中取出一個小瓶。
そう言ってマルセルは深く息を吸い、懐から小瓶を取り出す。
裡頭裝著幾粒小小的顆粒狀東西。
そこには小さな粒状の何かが入っていた。
他掏出一粒,吞了下去。
それを一粒取り出し、マルセルは飲み込む。
隨即,馬爾塞爾捂著胸口,痛苦地呻吟。
すると、マルセルは胸を押さえて苦しそうに呻いた。
但呼吸逐漸平穩下來。
だが、徐々に呼吸が整っていく。
「沒有那不知名的劇藥我這身軀根本動不了,但還是有得做的事」
「よくわからん劇薬がなければまともに動くことができぬ体だが……やれることはある」
「殿下……」
「殿下……」
「別那樣稱呼我。若被發現,我不在時就會遭到攻擊。走吧……必須把這個國家拉到我方,否則將與帝國陷入全面戰爭。在那裡要撿到勝利並不容易。就在這裡……奪得勝利」
「その呼び方はやめろ。バレれば、俺が不在の間に攻め込まれる。行くぞ……この国を味方に引き込まなければ帝国と全面戦争になる。そこで勝ちを拾うのは簡単ではない。ここで……勝利を得るぞ」
「交給我。萬一必要,我會暗殺那位公子」
「お任せください。いざとなれば、私が公子を暗殺します」
「別做那種事……別把我和我兄長劃為同類……無論用多少計謀,我也不願淪為卑鄙之人」
「やめておけ……俺を兄と同類にするな……どれだけ策を弄そうと、卑怯者に成り下がる気はない」
說完,馬爾塞爾開始緩緩行走。
そう言ってマルセルはゆっくりと歩き始めた。
凝視著他背影的莉澤特悲傷地垂下了眼。
その後ろ姿を見て、リゼットは悲し気に目を伏せた。
她曾經渴望再次見到他行走的模樣。
かつてはまた歩く姿が見たいと願った。
自從被下毒後,他長期臥床不起。
毒を盛られてから、ベッドで寝たきりだったからだ。
然而,為了讓他恢復些許健康,那藥是由下毒之人送來的。
だが、ある程度の健康を取り戻すための薬は、毒を盛った者から届けられた。
連同一封聲稱要把一直照顧馬爾塞爾的姊姊作為人質的信一併送來。
ずっとマルセルの世話をしていた姉を人質にするという書状と共に。
為何這人非得努力到這種地步?
なぜ、この人がここまで頑張らなければいけないのか。
這個世界未免太不講理了。
あまりにこの世は理不尽だ。
莉澤特的眼中浮起了薄薄的淚光。
リゼットの目にうっすらと涙が浮かんだ。
但是。
だが。
「別哭……不全是壞事」
「泣くな……悪いことばかりではない」
「會有什麼好事嗎……?」
「良いことなどありますか……?」
「曾經有個年長的男人,讓我覺得或許無法擊敗帝國。他是我的目標……結果我被毒擊倒,他被流箭射殺……然而,機會來了。雖然我未必完好,對手是那男人的弟弟,但也是一個毫不遜色的強者,對方絕不缺乏實力」
「かつて……帝国には勝てないかもしれないと思った年上の男がいた。目標だった……。結局、俺は毒に倒れ、奴は流れ矢に倒れた……。しかし、機会は訪れた。俺は万全ではなく、相手はその男の弟ではあるが……勝るとも劣らぬ男だ。相手にとって不足はない」
說完這番話的馬爾塞爾露出了不懼的笑容。
言い切ったマルセルは不敵な笑みを浮かべる。
從前,他把一切託付給握有聖杖的蕾蒂西亞,那份曾以為已失去的熱情再度在他胸中燃起。
かつて、聖杖を手にしたレティシアにすべてを託し、失ったはずの情熱がその胸にはあった。
那個挺胸昂首走出去的男人,真實的名字是安瑟姆·德·佩爾蘭。
堂々と胸を張って歩き出した男の本当の名は、 アンセム・ド・ペルラン。
他就是王國的第三王子。
王国の第三王子、その人だった。