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最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い~帝位に興味ないですが、死ぬのは嫌なので弟を皇帝にしようと思います~

第三百三十二話 以「さん」稱呼

「施瓦爾茲先生,我已經把信交給這裡的領主了」

「シュヴァルツさん。ここの領主には手紙を渡してきたよ」

我和夏爾一同前往羅恩施泰因公爵的領地。

俺たちはシャルと共にローエンシュタイン公爵の領地に向かっていた。

不過,若等到說服羅恩施泰因公爵再把信分發給各領主會太耗時,所以沿途遇到的領主由夏爾親手交付信件。

ただ、ローエンシュタイン公爵を説得してから手紙を各領主たちに配っていたら時間がかかりすぎるため、道中にいる領主にはシャルが手紙を手渡していた。

遠方的領主則由內爾貝·里特的隊員策馬送去,和茲瓦伊克侯爵的信一併送達,夏爾的信也包含在內。

遠方の領主にはネルベ・リッターの隊員が馬を走らせて届けに向かっている。ツヴァイク侯爵の手紙とセットで、シャルの手紙もだ。

內容是請他們去說服羅恩施泰因公爵:若羅恩施泰因公爵採取行動,希望他們能夠贊同祖父的書信。遠方的領主看到這樣會關注羅恩施泰因公爵的動向,甚至離開領地靠近公爵領;那麼召集北部貴族就不會太困難。

内容はローエンシュタイン公爵を説得しにいく。ローエンシュタイン公爵が動いた場合、祖父の手紙に賛同してほしいという内容だった。遠方の領主はこれでローエンシュタイン公爵の動きに注目するだろうし、そのために領地を離れてローエンシュタイン公爵領の近くまで来るはず。そうなれば北部貴族の招集は難しくない。

嗯,這倒也沒關係……。

まぁ、それはいいんだが……。

「為什麼又回到用「さん」來稱呼了?」

「なんでさん付けに戻ってるんだ?」

「……」

「……」

房間裡只有我和夏爾。

部屋には俺とシャルのみ。

我能理解不叫『阿爾諾特』,但不明白為何要特地回到用「さん」稱呼。

アルノルトと呼べないのはわかるが、わざわざさん付けに戻す理由がわからない。

「那是您的命令嗎,殿下?」

「それはご命令ですか? 殿下」

「……你真的討厭皇族啊。啊,不用敬語。」

「……本当に皇族が嫌いなんだな。ああ、敬語は不要だ」

「……那我就失禮了。我已經決定相信你,也向你屈膝了。但那和要不要跟你親近是兩回事。我討厭皇族。」

「……じゃあ失礼して。あなたを信じると決めたし、あなたに膝を折ったわ。けど、それと仲良くするかは別問題。私、皇族嫌いなの」

「你不是說不以頭銜來判斷嗎?」

「肩書きで判断しないんじゃないのか?」

「那是整個北部的問題。我不會以頭銜來判斷,但我個人的問題是另外一回事。」

「北部全体の問題だもの。肩書きじゃ判断しないわ。けど、私個人の問題は別よ」

說完,夏爾露出一種難以形容的表情。

そう言ってシャルは何ともいえない表情を浮かべた。

那種似乎同時帶著嫌惡與親近的複雜表情。

嫌悪と親しみが同居しているような、そんな表情だ。

光是那個表情就能看出夏爾內心的糾結。

それだけでシャルの内心が複雑なのがよくわかる。

「原來如此。我是想和妳好好相處的,怎麼樣?」

「なるほど。俺としては君と仲良くやっていきたいんだが?」

「不可能。被逼著吃討厭的東西很痛苦吧?」

「無理よ。嫌いなものを食べるのって苦痛でしょ?」

「我覺得克服也不失為一種嘗試吧?」

「克服するのも一興だと思うが?」

「強迫別人吃他討厭的東西的那個人很麻煩不是嗎?」

「無理やり嫌いなものを食べさせる相手って面倒でしょ?」

「確實如此。」

「確かにな」

在夏爾心中已經有了結論。

シャルの中で結論は出ている。

她對皇族的厭惡感不會消失,因此與我保持距離。

皇族に対する嫌悪感は消えず、だから俺とは距離を取る。

明知道這點還試圖拉近距離的人,實在太麻煩了。

それを知りながら距離を縮めようとする人間は面倒すぎるだろう。

然而,現在要去說服羅恩施泰因公爵,與夏爾關係疏離並非好事。

だが、これからローエンシュタイン公爵を説得しにいくのにシャルとの関係が希薄なのは良くない。

要是連夏爾都沒辦法和睦相處,那要說服羅恩施泰因公爵之類的事也不可能。

そもそもシャルとすら仲良くなれないなら、ローエンシュタイン公爵を説得するとか無理だろう。

「但你和我關係不好,這對說服羅恩施泰因公爵是個負面因素。」

「しかし、だ。君と仲が悪いというのはローエンシュタイン公爵を説得するうえでマイナスだ」

「我會演戲的。」

「演技するわよ」

「那種演技大概會被看穿吧。所以不如試著努力成為朋友?」

「演技くらい見破るだろうさ。だから仲良くなる努力をしてみないか?」

「……你打算怎麼做?」

「……なにするのよ?」

夏爾眯起眼,滿身散發著不悅的氣息,這麼說完坐回椅子。

目を細め、不機嫌さを全身から発しながらシャルがそう言って椅子に座った。

看來她會配合。

どうやら協力はしてくれるらしい。

先算是突破了第一道關卡吧。

まずは第一関門突破だな。

「先確認一下,皇族到底在哪裡讓你討厭?」

「とりあえず確認なんだが、皇族の何が嫌いなんだ?」

「血統。皇族的血脈我已經無法接受了。」

「血ね。もう皇族の血が無理なのよ」

「真是從根本處就下手的人啊……」

「根本的なところを言ってくる奴だなぁ……」

關於血緣這點,果然無可奈何。

さすがに血筋に関してはどうすることもできない。

她從一開始就全面拒絕,真夠直率的。

最初から全面拒否とはやってくれる。

但我不會在這種程度就放棄的。

だが、その程度で諦める俺ではない。

我摘下頭上的兜帽,順手把頭髮往後撥了撥。

被っていたフードを取り、俺は軽く髪をかきあげた。

「歷代的皇室很少有人是黑髮,而我為何是黑髮,正是因為我母親來自東方。」

「代々の皇帝家にはあまり黒髪がいない。それなのにどうして黒髪なのかといえば、俺の母が東方出身だからだ」

「然後呢?」

「それで?」

「如果談血脈的話,我母親是平民,所以我的血裔有一半是平民血。幾乎沒有皇室該有的特徵。你所說讓人無法接受的那種血脈要素在我身上是不存在的。」

「血の話をするなら俺の母は平民だから、俺の血は半分平民の血だ。皇帝家らしい特徴もほとんどない。君が無理だと語る血の要素が俺にはないわけだ」

「可是,你不是皇族嗎?」

「けど、皇族でしょう?」

「並不是要自誇,但我幾乎沒受到過如同皇族般的待遇。在兄弟中,幼時被關進牢裡的只有我一個。」

「自慢じゃないが皇族らしい扱いを受けたことはほとんどない。兄弟の中で幼少期に牢屋に入ったのは俺だけだ」

「把那件事當成自豪來說也是奇怪的……」

「それを自慢げに言うのもどうかと思うわ……」

夏爾無奈地嘆了口氣。

シャルは呆れたようにため息を吐く。

在皇族裡,我是最不像被當作皇族對待的人。就算說討厭皇族,也很難把我套進那個印象。

皇族の中で、皇族という扱いから俺は最も遠い。皇族だから嫌いと言われても、皇族要素がほとんどないわけだ。

那套理論對我不成立。

俺にはその理論は通じない。

「怎麼樣?還覺得我像皇族嗎?」

「どうだ? まだ俺が皇族に思えるか?」

「還是覺得你像皇族。」

「思えるわ」

「……為什麼?」

「……なぜだ?」

「因為你不只是皇族。你有臣下真心以殿下敬慕你。」

「だって皇族じゃない。あなたを殿下と慕う臣下がいるもの」

「……我有個青梅竹馬,他曾用木劍多次想殺我。理論上,他也該算是我的臣下……」

「……俺には幼馴染がいるんだが、そいつは木剣で俺を幾度も殺そうとしてきた。一応、あれも臣下のはずなんだが……」

「令人吃驚的是,明明快被人殺了卻沒有人出手阻止……」

「驚くべきは、殺されかけているのに誰も止めないところね……」

聽到夏爾的話我苦笑了一下。

シャルの言葉に俺は苦笑する。

我身邊的大人們採取相當放任的態度。

俺の周りにいた大人たちは結構な放任主義だった。

他們不會對小孩子做的事逐一干預。

子供のやることに一々口をはさむようなことはしなかった。

「因為我當時什麼也沒說。若動用皇族特權,就無法建立對等的關係了。」

「俺が何も言わなかったからな。皇族の特権を行使したら、もう対等な関係は築けないしな」

「……所以你就任由那些事發生?當時是爺爺出手救你嗎?」

「……だから大人しくやられていたの? その時にお爺様が助けたということ?」

「是的。如果跟父親說被欺負或許能解決,但弱勢者最糟可能會被判死刑。可怕吧?孩子間幼稚的欺凌竟然可能導致死刑。所以我什麼也沒說。那時茲瓦伊克侯爵出手救了我,他理解一切,說他很佩服我。那讓我很高興。」

「そうだ。虐められているって父に言えばなんとかなっただろうが、弱い立場の奴らは最悪、死刑にされかねない。恐ろしいだろ? 子供同士の幼稚ないじめの結果が死刑だなんて。だから何も言わなかった。そのときツヴァイク侯爵が助けてくれたんだ。すべてを理解して、感服したと言ってくれた。嬉しかったよ」

「……你從小就像個大人呢。換作是我早就向父母哭訴,根本想不到後果會是什麼。」

「……あなたは子供の頃から大人だったのね。私なら親に泣きついているわ。その後、どうなるかなんて思いもつかない」

「我從不缺榜樣可學。從這個意義上說,我或許也受惠於身為皇族的好處。」

「お手本には困らなかったからな。そういう意味じゃ俺は皇族という恩恵にあずかっていたかもしれない」

孩提時代。

子供の頃。

在我身邊有皇太子和莉澤姊姊。

俺の周りには皇太子やリーゼ姉上がいた。

他們是皇族應有的典範。

皇族とはこうあるべきだという見本がいた。

所以我用自己的方式去體現那樣的樣子。就這麼簡單。

だから俺は自分なりにそれを体現できた。それだけの話だ。

「你……真的不像皇族呢。但……皇族拋棄了爺爺這點是事實。」

「あなたは……本当に皇族らしくないのね。でも……皇族がお爺様を見捨てたのは事実よ」

「是的,那事無法抹去。但也正因如此我才來了。恩情應該被回報。」

「そうだな、それは消えない。でも、だから俺が来た。恩は返すべきだから」

「恩情?」

「恩?」

「沒錯。皇族對茲瓦伊克侯爵有無法完全回報的恩情。皇太子死後,帝國動盪,事務繁多顧不過來。這時茲瓦伊克侯爵出現並解決北部問題,正合時宜,因此皇族選擇不作為。我不為此辯解,皇族利用了臣下對北部的關懷。」

「そうだ。皇族はツヴァイク侯爵に返しきれない恩がある。皇太子の死後、帝国は乱れた。やることが多すぎて手が回らなかったんだ。その時に北部の問題を解決してくれるツヴァイク侯爵が現れた。好都合だった。だから何もしなかったんだ。正当化はしない。皇族は臣下の北部を想う気持ちを利用した」

「說得挺直白的呢……」

「ずいぶんな言い方ね……」

「事實不會改變。我父親做了冷靜的判斷,但也沒有回報那份恩情。我認為本該更早採取行動,卻被一再拖延。那無法抹去,但透過今後的行動可以彌補。恩情是要回報的。」

「事実は変わらない。俺の父は冷静な判断を下した。そしてその恩を返すこともしなかった。もっと早くに何かするべきだったと思う。けど、後回しにした。それは消えない。けど、これからの行為で取り返すことはできる。恩は返すものだからな」

「……拋棄爺爺的是皇帝,不是你。」

「……お爺様を見捨てたのは皇帝よ。あなたじゃない」

「就像你被排除在茲瓦伊克侯爵的繼承之外,我也是皇帝的兒子。大家把我們一概稱為皇族,這理由就足夠。我是皇族,我要回報皇帝所受的恩情。首先要做的是團結北部諸侯,因為拯救北部理應由北部諸侯來完成。」

「君がツヴァイク侯爵の後を継ぐように、俺も皇帝の息子だ。それに皇族としてひとくくりにしてるじゃないか。理由はそれで十分だ。俺は皇族で、皇帝が受けた恩を返す。まずは手始めに北部諸侯を団結させる。北部を救うのは北部諸侯であるべきだからだ」

我和北部的諸侯很相似。

俺と北部の諸侯は似ている。

我忍耐著,是為了保護那些被貴族的孩子欺負的人。

俺は虐めてくる貴族の子供たちを守るために我慢した。

北部諸侯忍受冷遇,是為了守護北部的領地。

北部諸侯は北部の領地を守るために冷遇に耐えた。

他們本可以有各種抗議,但他們所做的只有保持距離,甚至無法公開談論皇太子的死。

いくらでも抗議はできた。しかし、彼らがしたのは距離を取ることだけ。公然と皇太子の死に触れることもできた。

然而,在那個時期皇太子的死過於敏感,可能會導致比現在更糟的局面。

しかし、あの時期に皇太子の死は敏感すぎる話題だった。今よりもまずい事態になっていたかもしれない。

所以他們沉默並忍受冷遇,為的是不要把北部變成戰場。

だから黙って、冷遇された。北部を戦場にしないためだ。

正因為是那樣的北部諸侯們,所以應該由他們來收束這場事態。

そんな北部の諸侯たちだからこそ、この事態を収束するのは彼らであるべきだ。

「沒有人說你很奇怪嗎?」

「あなたって変だと言われない?」

「常被這麼說。」

「よく言われる」

「也是呢。就算不是皇族,作為貴族也很奇怪。你自己說沒被當作皇族對待……那為什麼還要履行皇族的責務?」

「でしょうね。皇族どころか貴族だとしても変わってるわ。皇族としての扱いを受けてないって自分で言うのに……どうして皇族としての責務を果たすの?」

「你也被排除在茲瓦伊克侯爵的繼承位置之外,但現在卻為茲瓦伊克侯爵家而行動,為何如此?」

「君だってツヴァイク侯爵の跡継ぎという立場から外された。けど、今はツヴァイク侯爵家のために動いている。どうしてだ?」

「我之所以行動,是因為我認為那是我應該做的事。」

「私が動くのは私がするべきだと思ったからよ」

「我的答案也是一樣。立場和頭銜可能成為決策的參考,但絕不會決定一切。決定者是自己。我現在在這裡,是因為我認為應該履行皇族的責務。過去的遭遇那種事其實無關緊要,不是嗎?」

「俺の答えだって一緒だ。立場や肩書きなんて決断の一助になることはあっても、それだけですべてが決まるわけじゃない。決めるのは自分だ。俺は今、皇族としての責務を果たすべきだと思ったからここにいる。過去の扱いなんてどうでもいい話だろ?」

被稱為沒用的皇子一路走來,而如今來履行皇族的責任,這些都是我自己決定的。

出涸らし皇子と呼ばれ続けたのも、こうして皇族としての責務を果たしにきたのも、自分で決めたことだ。

就是這樣被培養出來的。

そうやって育てられた。

一切都是自己的責任。

すべて自分の責任だ。

「……我想我懂了,所謂的頭銜畢竟只是頭銜。」

「……肩書きは所詮、肩書きって言葉の本質がわかった気がするわ」

說完夏爾站起來,準備離開房間。

そういうとシャルは立ち上がって、部屋を出ていこうとする。

我叫住了要離開的夏爾。

そんなシャルを俺は呼び止めた。

「夏爾。我的暱稱是阿爾,可以叫我嗎?」

「シャル。俺の愛称はアルなんだが、呼んでくれるか?」

「……若能還我恩情,我會叫你。那之前就叫施瓦爾茲吧。」

「……恩を返せたなら呼んであげるわ。それまではシュヴァルツよ」

說完夏爾便離開了房間。

そう言ってシャルは部屋を出ていく。

是否變親近還說不準,但總比一直用『さん』稱呼要好吧。

仲良くなったかは微妙なところだが、さん付けよりはましだろう。

然而。

しかし。

「如果連夏爾都這樣,那對付羅恩施泰因公爵恐怕會更辛苦啊。」

「シャルでこれならローエンシュタイン公爵にはもっと苦労するだろうなぁ」

我長長嘆了口氣,靠在椅背上。

はぁとため息を吐き、俺は椅子にもたれかかるのだった。