最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い~帝位に興味ないですが、死ぬのは嫌なので弟を皇帝にしようと思います~
第二百三十話 愚蠢者
武鬥大會開始後約一小時。
武闘大会が始まってから一時間ほど。
奧莉姬注意到鬥技場觀眾的狀況有些異常。
オリヒメは闘技場の客の様子が変なことに気づいた。
「嗯?」
「む?」
零零散散,越來越多面色看起來不好的觀眾出現。
ちらほらと調子が悪そうな顔の者が増えてきたのだ。
映入眼簾的不是一兩個人。
目に映るのは一人、二人ではない。
看到面色越來越差,奧莉姬皺起眉頭。
どんどん顔色が悪い者が増えていく現状にオリヒメは眉をひそめた。
「皇帝陛下」
「皇帝陛下」
「怎麼了?仙姬殿?」
「どうかしたか? 仙姫殿?」
「你沒覺得有什麼不對勁嗎?」
「なにか変だと感じぬか?」
「哦?奇遇啊。仙姬殿也感到有違和感嗎?」
「ほう? 奇遇だな。仙姫殿も違和感を覚えていたか」
只是違和感而已。
あくまで違和感。
只是因為白天舉辦,比較多人身體不適而已。
単純に日中の開催のため、体調を崩した者が少し多いだけ。
這種違和感還能被解釋成那樣。
そう取ることもできる程度の違和感。
不過無論如何,奧莉姬和約翰尼斯都覺得那違和感很明顯。
それでもオリヒメもヨハネスもその違和感が目についた。
「把來賓帶到這裡來。若有任何事,就用妾的結界保護他們。」
「来賓の面々をこちらに連れてくるがよい。なにかあれば妾の結界で保護しよう」
「多謝。弗朗茲,能處理一下嗎?」
「ありがたいですな。フランツ、構わんか?」
「沒問題,我會立刻安排。」
「問題ありません。すぐに手配します」
「直接命人來恐怕不太禮貌。皇后,請去邀請來賓吧。」
「呼びつけるだけでは無礼であろう。皇后よ。来賓を招いてきてくれ」
「遵命」
「かしこまりました」
說完,弗朗茲與布倫希爾德離開了房間。
そう言ってフランツとブリュンヒルトが部屋を出ていく。
奧莉姬看到向宰相請示許可的約翰尼斯,露出疑惑的表情。
宰相に許可を求めたヨハネスを見て、オリヒメは怪訝な表情を浮かべた。
因為皇帝向宰相請求許可這種架構本身就很奇怪。
皇帝が宰相に許可を求めるというのは構図としておかしいからだ。
「為何要向宰相取得許可?」
「なぜ宰相の許可を取るのだ?」
「不能妨礙宰相的計畫。這次,我把大部分事情交由宰相處理。」
「宰相の計画に差し支えがあってはいかないのでな。今回、ワシは大部分を宰相に任せてある」
「……所以你不會因為叛亂而動手?」
「……だから反乱にも動かぬと?」
聽到奧莉姬的話,約翰尼斯微微張開眼睛,然後苦笑。
オリヒメの言葉にヨハネスは微かに目を見開き、そして苦笑した。
「那個謠言的來源是阿爾諾特嗎?」
「その噂の出どころはアルノルトか」
「那不是謠言。妾能感覺得到。這座都城一直瀰漫著一股令人不安的氣息。一定會發生什麼事的。」
「噂ではない。妾にはわかる。この都には嫌な臭いが常に流れている。必ず何かが起こるぞ?」
「沒有確證。」
「確証はない」
「沒有確證你就不動嗎?妾本以為會更信任皇帝陛下,難道是我想錯了?」
「確証がなければ動かぬのか? 妾はもう少し皇帝陛下を買っていたのだが、思い違いだったか?」
聽了奧莉姬的話,約翰尼斯輕嘆一聲。
オリヒメの言葉にヨハネスは小さくため息を吐く。
然後直接看向奧莉姬。
そして真っすぐオリヒメに視線を向けた。
「你怎麼看都無妨。我不會在沒有確證的情況下懷疑我的兒子叛亂。我兒子不會愚昧到造成帝國重大損失。」
「どう思ってもらおうと構わん。ワシは確証もなく息子の反乱を疑ったりはせん。ワシの息子は帝国に多大な不利益を与えるほど愚かではない」
「因為親情讓人民喪命嗎?」
「親子の情で民が死ぬぞ?」
「這不是情感的問題。問題在於沒有確證。萬一弄錯怎麼辦?在帝位爭奪的關鍵時刻,若皇帝在沒有確證的情況下逮捕了其中一位有力候選人,整個帝位之爭就會蕩然無存。說的是掌握了大部分軍權的戈登。他會為了洗清被疑而採取斷然行動。那樣最終會演變成內亂。」
「情ではない。確証がないのが問題なのだ。間違っていた場合はどうする? 帝位争いの最中に皇帝が有力候補の一人を確証もなく捕まえたら帝位争いが無に帰す。軍部の多くを掌握するゴードンのことだ。自らの疑惑を晴らすために断固たる行動をとるだろう。そうすれば結局は内乱となる」
若動手便必定成為內亂。這就是約翰尼斯的立場。
動けば間違いなく内乱。それがヨハネスの立場だった。
戈登是否真有策劃叛亂並不重要。
ゴードンが反乱を企てていたかどうかは重要ではない。
若處置戈登,戈登的部下不會心服。即便沒有戈登,他們也可能自行採取行動,或長期懷恨在心。
ゴードンを処断すれば、ゴードンの配下の者は納得しない。ゴードン抜きでも行動を起こすか、もしくは遺恨をずっと持ち続けるだろう。
帝位之爭是為了決定下一任皇帝。若皇帝以強權介入,會招致各方反感。
次期皇帝を決めるための帝位争い。そこに皇帝が強権を持って介入するということは、各方面から反感を買う行為なのだ。
事情並不像殺掉就能結束那麼簡單。
殺して終わりというほど事は単純ではない。
「那你打算怎麼做?」
「ではどうする気だ?」
「什麼也不做。我就是這樣打算的。」
「何もしない。ワシはな」
那就是約翰尼斯的回答。
それがヨハネスの答えだった。
皇帝若不能行動,那就由臣下出面就好。
皇帝が動けないならば臣下が動けばいいだけのこと。
因此約翰尼斯把一切交給宰相處理。
だからヨハネスは宰相にすべてを任せた。
「即便是宰相,可做之事也有限。皇帝難以介入,宰相也無法公開插手。能做的只有備戰與防備。」
「宰相とはいえできることは限られているはず。皇帝が介入しづらいのだ。宰相とて表立っては介入できない。できることは備えることのみ」
「正是如此。我們能做的只有準備。若有人能破除我們所有的準備,把帝國掌握在手,那也成,那也是一種手段。」
「そのとおり。我々にできることは備えることだけ。その備えをすべて食い破り、帝国を手中に置くならばそれはそれでよい。それもまた一つの手だ」
過去也有人試圖以武力決定帝位,雖然不多。
これまでも武力に任せて帝位争いを制そうとした者は少ないながらもいた。
但沒有一個成功。
だが、どれも成功したりはしなかった。
要率軍行動必須得到皇帝許可。若未經皇帝同意擅自行動即是叛亂,會同時招致其他候選人及皇帝成為敵人。
軍を率いて何かするには皇帝の許可がいる。皇帝の許可なく、勝手な行動をとるということは反乱であり、他の候補者はもちろん皇帝も敵に回すことになる。
因此帝位之爭往往淪為勢力間暗中的較量。
だから帝位争いは勢力争いの暗闘に終始する。
因為候選人都知道,正面與皇帝為敵是愚蠢的。
皇帝を正面から敵に回すことは愚かだと帝位候補者ならば知っているからだ。
「以叛亂取勝也是一種勝法?」
「反乱で勝ち取ることも一つの勝ち方だと?」
「帝位之爭的本質是產生一位強大的皇帝。若結果是產生一位強皇,過程也可以被忽略。」
「強い皇帝を生むことが帝位争いの本質だ。結果的に強い皇帝が生まれるならば過程は無視できる」
說著約翰尼斯又深深坐回椅子。
そう言ってヨハネスは椅子に深く腰をかけなおした。
在奧莉姬眼裡,他的臉顯得格外蒼老。
その顔はひどく老け込んだようにオリヒメには見えた。
奧莉姬察覺,雖然口頭這麼說,內心恐怕並非如此。
言葉でそうは言っても、本音は違うのだろうとオリヒメは察した。
「……若我長子還在,就不會為這種事煩惱了啊。」
「……我が長子が生きていればこのようなことで思い悩むこともなかったのだがな」
「你是說已故的皇太子嗎?聽說沒有讓他參與帝位之爭?為何對長子會這麼做?」
「亡き皇太子のことか。帝位争いをさせなかったと聞くが? なぜ長子にはそうしたのだ?」
「大家都認可他。即便舉行帝位之爭,皇太子的勝出也是顯而易見,沒有人願意爭奪。所有人都期待能見到理想的皇帝。他應成為結束漫長帝位爭奪歷史的皇太子。本該如此……」
「誰もが認めていた。帝位争いなど起こしても皇太子が勝ちぬくことは目に見えており、誰も張り合おうとはしなかった。理想の皇帝が見れると誰もが期待した。長き帝位争いの歴史を終わらせる皇太子。そうなるはずだった……」
若所有人都認同,就沒必要爭鬥。
すべての人間が納得するならば争う必要がない。
若從一開始就知道誰會成為強皇,就沒必要競爭。
最初から強い皇帝になるとわかっているならば競う必要はない。
正因如此,皇太子本該成為第一個不用經過帝位之爭就登基的皇帝。
だからこそ、皇太子は初めて帝位争いを経ずに帝位につく皇帝になるはずだった。
一個終點。
一つの終着点。
人們深信他在位期間會成就許多偉業,毫無懷疑。
その治世において多くの偉業を成し遂げると信じて疑わなかった。
約翰尼斯認為,或許也能想出取代帝位爭奪的選帝方式。
帝位争いに代わる選帝方法も考えつくだろうとヨハネスは思っていた。
「最適的繼承者已不在,因而帝位之爭才會發生。我對此採取默許,因為我認為除皇太子之外,帝位爭奪是必要的。但我偶爾也會想,這樣的判斷是否正確。」
「最高の後継者はすでにいない。ゆえに帝位争いが起きた。ワシはそれを黙認した。皇太子以外の者ならば帝位争いは必要だと思ったからだ。しかし、ときどき考えるのだ。それは正しい判断だったのかと」
「真軟弱啊。身為帝國的皇帝竟然如此。」
「弱気だな。帝国の皇帝ともあろうものが」
「也會感到軟弱。我曾對自己的子嗣抱有期待。期望他們在帝位之爭中成長,出現一位我可以放心讓位的繼承者。然而……自從帝位爭奪開始以來,我不覺得那些人有成長,反而覺得變得愚蠢。但我仍想相信,沒有會動搖帝國根基的愚人存在。」
「弱気にもなる。ワシは自分の子供たちに期待しておった。帝位争いでより成長し、この者なら安心して譲れると思える者が出てくると。しかし……帝位争いが始まってからあやつらは成長しているようには思えぬ。むしろ愚かになっているようにも思える。それでも帝国自体を揺るがすような愚か者はいないと、ワシは信じたい」
那只不過是種願望。
それは願望のようなものだった。
然而,那個願望無法實現。
だが、その願望は叶わない。
當皇后與宰相帶著來賓走進房間時。
皇后と宰相が来賓と共に部屋に入ったとき。
奧莉姬感受到一股巨大的魔力。
オリヒメは巨大な魔力を感じた。
那股魔力是從鬥技場下方散發出來的。
それは闘技場の下から発せられていた。
「這是!?」
「これは!?」
「是詛咒。」
「呪詛だ」
奧莉姬在為整個房間架起結界的同時,迅速辨明了從鬥技場下方發出的東西是何物。
オリヒメは部屋全体に結界を張りつつ、すぐに闘技場の下から発せられたモノの正体を見極めた。
巨大的詛咒結界。
巨大な呪詛結界。
那個結界被布置在鬥技場下方,向鬥技場散播詛咒。
それが闘技場の下に敷かれており、闘技場に呪詛を振りまいていた。
那些看起來不舒服的人,是在詛咒啟動前就因餘波而身體不適。
目についた調子の悪そうな者たちはその発動前に余波で体調を崩していたのだ。
鬥技場內許多人開始咳嗽。
闘技場内で大勢がせき込み始めた。
不僅普通民眾,連參賽者、士兵與騎士也都如此。
それは一般の民はもちろん、武闘大会の出場者や兵士、騎士も同様だった。
這並非致命的詛咒,但也不足以讓人繼續戰鬥。
即死するような呪詛ではない。しかし、戦えるようなレベルの呪詛でもなかった。
「居然在這種規模下啟動這類東西……看來早有預謀?」
「この規模でこのようなものを発動させるとはな……前から仕込んでおったな?」
喃喃自語間,奧莉姬看向約翰尼斯。
独り言を呟きつつ、オリヒメはヨハネスに視線を向けた。
「可以說是削弱型的詛咒。它覆蓋了整個鬥技場。在妾的結界內是安全的,但在外面無法好好戰鬥。」
「弱体化の呪詛とでもいうべきか。それがこの闘技場全体にかけられた。妾の結界内ならば安全だが、これではまともに戦えん」
「看來確實如此。」
「そのようだな」
說著約翰尼斯看向宰相。
そう言ってヨハネスは宰相のほうを見た。
若只是對鬥技場施下詛咒,走到場外就行了,但策劃這種事的人不會讓大家那麼輕易離開。
闘技場に掛けられた呪詛ならば外に出ればいいだけだが、このようなことを計画する者がそう簡単に外へ出してくれるわけもない。
「原來如此。我還以為魔奧公團的人在地下做些什麼,原來是在做這個準備啊。」
「なるほど。魔奥公団の者が地下で何をしていたのかと思っていましたが、この準備だったようですね」
「現在才恍然大悟也晚了。你們真的有對策吧?」
「いまさら合点がいっても遅い。ちゃんと対策はあるのだろうな?」
「當然有。但我先行道歉。這是完全的越權行為,請原諒。」
「もちろんでございます。ただし、先に謝っておきます。完全なる越権行為です。お許しください」
對著低頭的宰相,約翰尼斯帶著不祥的預感點了幾下頭。
頭を下げる宰相に嫌な予感を覚えつつ、ヨハネスは何度か頷く。
既然已經交付一切,他決定無論宰相採取何種手段也不會抱怨。
すべてを任せた以上、どのような手を打ったとしても文句は言うまいと決めていたからだ。
於是奧莉姬等人依宰相的建議朝外面走去。
そしてオリヒメたちは宰相の提案で外へと向かう。
然而。
だが。
「父上,我等您多時了。」
「お待ちしておりました。父上」
出口處戈登全副武裝地待著。
出口では完全装備のゴードンが待ち構えていた。
他周圍也是同樣全副武裝的士兵。
その周囲には同じく完全装備の兵士たち。
士兵們將鬥技場四周包圍起來。
兵士たちはぐるりと闘技場を囲っている。
奧莉姬看著那一幕低聲喃喃。
それを見て、オリヒメは小さくつぶやく。
「真是愚蠢的人啊。」
「愚か者であったな」
「看來是這樣。雖然是我的兒子,實在令人扼腕。」
「そのようだ。我が息子ながら嘆かわしいかぎりだ」
「都是您的錯,父上。要是您早點立我為皇太子就好了。」
「あなたが悪いのだ。父上。俺をすぐに皇太子にしていればいいものを」
「我倒要回你,是你自己沒展現出那份器量。戈登。」
「それだけの器量を見せられなかったお前が悪いと返しておこう。ゴードン」
說完,約翰尼斯緩緩抽出腰間的劍。
そう言ってヨハネスはゆっくりと腰の剣を抜いた。
「愚蠢的兒子啊。就當作留些人情吧,把首級交到我這裡。這樣我會以皇子的名義安葬你。」
「愚かな息子よ。せめてもの情けだ。ここでワシに首を差し出せ。そうすれば皇子として葬ってやろう」
「父上您也糊塗了嗎?難道不明白這情勢嗎?支持我的將軍很多!那些勢力現在都是我的部下!我們的兵力差距是壓倒性的!你沒有勝算!!」
「父上も耄碌したようだ。この状況がわからないのか? 俺に協力した将軍は大勢いる! その手勢も今や俺の配下だ! 圧倒的な戦力差があるんだ! あなたに勝ち目はない!!」
說完,戈登拔劍高舉。
そう言ってゴードンは剣を引き抜くと高く掲げたのだった。